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山田節男君 今の
野田大臣の御回答は、そのお気持は十分わかるのですが、我々が問題にしていることは、こうしてもう七月一日からでも実施しようというふうに、最初に申上げたように、
電波行政というものの本質を十分御研究にならないでですね、これ又最初申上げたように、とにかくまとめて、成るべく省を少くすればいいというような、こういう面ばかりを重要視されて、で、まあ
抵抗の多い農林省の
改革とか、或いは厚生省と労働省を一省にするというようなことは実現できない。それじや
電信電話事業公社、あれは民営にしようというようなことから、無理やりに、木に竹を継いだような結果にな
つておるのですね。このことから生ずる目の前に見えたいろいろな
国民的な損害ということ、それからこれはもう申上げるまでもなく、
電波の割当ということになれば、
電波行政に関しましては国際條約に拘束される面が非常に多いのです。これは成るほど
郵政大臣が実際の
責任者として国際條約の締結権を持
つておるということが言えるかも知れない。併しながら少くとも
先ほど申上げたような司法、立法、
行政を兼ねたような、これは特殊な
機構でなくちやや
つて行けないということは万国が証明しておる。
日本が、これはアメリカのアィデアであるかも知れないけれ
ども、我々素人として言
つて見まして、ラジオ、
テレビジヨン或いは電信、電話にしましても、
電波の使用ということは、殊に最近
電子科学が異常な発展をして、将来の三年五年というものは、これは今まで我々が想像し得なか
つたような革命を起しつつある、
日本でもこれは遅れ馳せながらあらゆる部面に
電波が応用されるということは、これはもう火を見るよりも明らかであります。それからこれはもう
一つ我々が
考えなければならんことは、今アメリカでそれほど民主的な
一つの
行政委員会でかろうじてや
つておりますが、併し軍或いは
政府、官庁、こういうような使用の
電波に関する
行政はおのおの勝手なことをや
つておりまして、そうして
電波通信
委員会が中心に
なつた、何と言いますかインターデパートメント・ラジオ・アドバイゾリー・コミツテイ、いわゆるI・R・A・Cというものを作
つて非常に苦心をしておる。これは
日本も独立になりまして、将来再軍備ということが実現された場合、或いは官庁の
電波使用というものが殖えて来た場合、こうい
つたような場合に、一
郵政省の一
大臣くらいが、而もそれの
諮問機関として極めてステータスの低い
電波監理審議会あたりにこれをやらせるということは、これは公然不可能なことです。私は、これはもう甚だ失礼な言葉ですけれ
ども、
野田大臣が今回の
行政改組に当
つて、
電波行政というものに対するこれは私は
認識が十分なか
つたのじやないか、この
責任の一半は、私は
電波監理委員会の
委員長、ここにおられますが、
電波監理委員会委員長或いは
電波監理局の
長官としても、これはもうこの道に、最もそういう
方面に通じた人なんです。そういう人が
野田大臣に対して、これはもう十分、これはただ一
委員会の廃止とかそういうけちな問題でなくて、
日本の将来ということを
考えて、私はこういうでたらめな、甚だ失礼ですけれ
ども、でたらめな誠に不幸な案が出されたということに対しては、これは
電波監理委員会の
委員長なり或いは
電波監理局の
長官にもこれは
責任があると思いますが、私は何としてもこれは首肯できません。この点は、私は
野田大臣が自分の
内閣の公約を果すためにやられたそのお気持はわかりますが、実際に私は実にこれは大きな混乱と、
国民にと
つては非常な損害、悪く申しますと、今の放送法或いは
電波法の最も重要な原則にな
つておる一
党一派に偏しないということ、飽くまで
国民の公共の福祉のためにやる、こういうようなことから見まして、私はあなたがこの
行政改組の根本原則としておつしや
つた民主主義の原則に基いてや
つて行くということ、又
行政の
能率化ということをお述べに
なつたけれ
ども、その
趣旨と全く反対の結果にな
つておる、この点を私は誠に憂えざるを得ないのでありますが、
大臣としては極めてイージー・ゴーイングにおとりにな
つて、非技術的にお扱いにな
つておるようでありますが、これは
大臣としては、もう一度この案に対しては、
電波監理委員会の
一つ厳正な
意見を聞いてやられることが、私は
改組の
能率化ということのために最もいいのではないかと思いますが、
先ほど水橋委員から
網島電波監理委員会の
委員長に
質問がありまして、それでこの今出ておるこの
郵政省に
統合した
電波監理局乃至は
電波監理審議会という組織でや
つて行けるかどうか、こういう自信があるかという
質問がありまして、これに対しては、勿論個人としてはこれはもう現在の
委員会でや
つたほうが
ベターである。併しながら
行政機構を変えるということは、これはもういわゆる時の
政府、
内閣の政策であるからして自分らの論議すべき主題とはならないという御説明があ
つて、私はこういう意味は十分わかるのです。一
行政官として
政府のと
つておる政策を批判することはこれは控える、これは私当然だと思うのですが、併し我々言外の意味を汲み、
電波行政の実際を見ると、これは私は
野田大臣として御再考願うべきものだと確信せざるを得ないのでありますが、
大臣としては、もう一旦こうしてお出しに
なつた以上は、
電波監理委員会の廃止は覆さない、これが
郵政省への
統合も覆えさない、こういうもう堅い御決心をお持ちにな
つておるかどうか、これを念のために伺
つて置きたいと思います。