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1952-04-23 第13回国会 参議院 電気通信委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月二十三日(水曜日)    午後一時四十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木 恭一君    理事            尾崎 行輝君            山田 節男君    委員            大島 定吉君            新谷寅三郎君            稻垣平太郎君            水橋 藤作君           池田七郎兵衞君   国務大臣    郵政大臣電気通    信大臣     佐藤 榮作君   政府委員    電波監理委員会    委員長     網島  毅君    電波監理長官  長谷 愼一君    電波監理総局法    規経済部長   野村 義男君    電気通信政務次    官       平井 太郎君    電気通信省電気    通信監     山下知二郎君   事務局側    常任委員会專門    員       後藤 隆吉君    常任委員会專門    員       柏原 榮一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障條約第三條に基く行政協定の  実施に伴う電信電話料金法等特例  に関する法律案内閣提出衆議院  送付) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障條約第三條に基く行政協定の  実施に伴う電波法特例に関する法  律案内閣提出衆議院送付) ○派遣議員の報告   —————————————
  2. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 只今より委員会を開会いたします。  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う電信電話料金法等特例に関する法律案及び日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う電波法特例に関する法律案を議題といたします。本日は右の両法律案に関しまして前回に引続き質疑を行い、更に討論、採決までいたしたいと存じます。ではこれより質疑を始めます。
  3. 山田節男

    山田節男君 ちよつと電通省山下通信監にお聞きしたいのですが、この行政協定実施に伴う電信電話料金特例に関してですが、この電信電話料金法特例を設けた場合に、従来の官庁等専用として「警察事務消防事務刑事訴訟事務及び日本国有鉄道鉄道事業の用に供するものに限る。」、こういうふうになつてつたわけですが、今度の改正法案によると、国家地方警察自治体警察、それから消防組織法に基く消防、これだけは特権に浴するが、刑事訴訟事務日本国有鉄道鉄道事業の用に供する電信電話料金というものは何ら恩恵に浴さないというようなことになるのですが、これは何か特別の理由があつてこういうことになるのですか、これをお伺いしたいと思います。
  4. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 在来警察事務並びに国有鉄道という表現で以て特別なる低額なる専用料金を徴収いたしておりました。ところがこの警察事務という文字が甚だ漠としておりまして、はつきりした線が割出せない、従いまして警察予備隊というものが警察事務でありますのか、或いは又保安業務でありますのか、そういう点が今まではつきりしなかつたのであります。ところが行政協定に関連いたしまして岡崎、ラスク両者の間に交渉されましたときに、官庁並みにやつてもらいたい、併し同じ官庁並みでも国警地響及び消防関係のものは、これは特別の事情があつて安い費用で以てこの施設を、而も司令部の慫慂によつてこれを当時の逓信省線に合体したのであります。だからこれは特別の料金を今課しておるのだ、ですから同じ国の機関であつても、これは別問題であるということがはつきり申出られて、それが承認されておるのであります。従いましてこの際にはつきり警察事務と言わずに、国家地方警察消防ということを取出しまして、この点を二つに分けたわけでございます。従いましてそれに便乗しておりました司法事務及び国有鉄道関係というものは、これは一般専用料金、これをもう少し具体的に申しますれば、二百通話専用料金をもらうということに相成りましたし、又この法律が御承認になりますれば、警察予備隊も二百通話料金をもらうということに相成るわけでございます。従いまして駐留軍に対しましても二百通話専用料金を徴収する所存でおるわけでございます。
  5. 山田節男

    山田節男君 そうするとこの法案趣旨は、要するに駐留軍と言いますか、行政協定の取極以後においては、今の国家地方警察、それから自治体警察消防よりもより多くの收入を挙げようというためにとつた手段であるかどうかということをお聞きしたい。
  6. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) より以上の收入を挙げるという手段ではございません。現在も二百通話の分を徴収いたしておるのであります。現在と将来とを駐留軍に対しては変えないという考えでございます。
  7. 山田節男

    山田節男君 そうすると警察予備隊はこれに入つていないんですから、警察予備隊並みに取ればやはり二百通話のなんで料金を取るんでしよう。そうして今の国家地方警察、それから消防はそれよりも料金が低いわけなんでしよう。
  8. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 具体的に申上げますれば、国警及び地響消防は五十二通話徴収する、その他のもののうちに附加えて申上げますれば、新聞、放送関係は六十通話を徴収する、他のもの、一般官庁及び一般会社銀行あたりのものすべて二百通話を徴収する、警察予備隊も同じく二百通話を徴収するということに相成るわけであります。
  9. 山田節男

    山田節男君 そうすると今度の特例によつて刑事訴訟事務と、それから日本国有鉄道は二百通話料金になる、そうすると従来の、例えば昨年度の刑事訴訟事務、それから日本国有鉄道電信電話收入は、この法律を設けることによつてどのくらいな増収と言いますか、国鉄刑事訴訟事務でどれだけ金を余計出さなければならないという概算の数字ですが。
  10. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 訴訟事務のほうはもう殆んど取上げるのに足らないのでございます。僅かでございます。国有鉄道のほうは大体年額現在が五百万円足らずと思います。従いましてそれは五十三通話分でございますから、大ざつぱに今度は二百通話でございますから約四倍弱でございます。従いまして千数百万円というものの増収になるわけでございます。
  11. 山田節男

    山田節男君 国鉄はどうですか。
  12. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 只今申上げたのは国鉄でございます。
  13. 山田節男

    山田節男君 刑事訴訟事務のほうは幾ら入つておるのでしようか。
  14. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 私よく存じませんが、一、三十万円程度のものであります。
  15. 山田節男

    山田節男君 それでは電波監理委員会のほうにこの行政協定の取極に関してのことについて伺いますが、これは行政協定にも謳つてあるように、電波が片方では治外法権というものがある。これは私はいたし方がないと思いますが、非常に今後日本電波というものの使用種類においても量においても多いということで、いわゆる錯綜の問題であります。インター・フエアーの問題であります。これはやはり行政協定に謳つてあるようにいろいろ困難な問題が起きて来るんじやないかと思います。差当り電波監理委員会の持つておる電波監視局と言いますか、駐留軍使用しておる無線局、それから電波というものに対しては駐留軍駐留軍での一つの何と言いますか、電波監視と言いますか、モニターをやつて日本電波監理委員会監視局というものはこれに対して一切モニターすることができないんだ、その点の錯綜するごとによつて駐留軍電波使用も非常に障害を受けるかも知れない、日本側もこれは非常な障害を受けるかも知れない、その間の何と言いますか、電波錯綜と言いますか、こういうものは技術的に避けるという実際的な方法はどういう工合に取極めておやりになるんですか、その点をお聞きしたい。
  16. 網島毅

    政府委員網島毅君) お答え申上げます。只今電波監視を通じて相互混信が起らないように協力して行くという問題につきましては、予備作業班通信関係部会一つ協議項目になつております。目下この問題は協議中でございまして、まだ結論を得ておらないのでございまするが、私ども考え方を申上げまするならば、勿論ごの問題につきましては日本電波監視局と、それから米軍の同じような機能を持つた所と協力して双方データを交換しながら、日本のこの領土内と申しますか、日本地域電波使用がうまく行くという方向で進まなければならないと考えておりますが、この問題につきましては、先般秘密会ちよつと申上げましたように、現在の周波数パネルにおきます協議進行状況は、向うは非常にフランクでありまして、向うで使う周波数を一々示して来ております。現在日本で使つております周波数は、勿論これは公表しておりまするから全部にわかつておるわけでありまして、従いましてこういう方式でずつと続けて参りますと、お互いにどちらがどの電波を使つておるかということはわかつておりまするので、混信を起したような場合、直ちに日本監視局もそれを測りまして、若し向う電波がずれておつたために、日本無線局混信を受けておるということになれば、向うに注意を促して直してもらうということに相成ると存ずるのであります。日本電波監視局は、日本の使つております電波のみを観測するのではございませんで、全周波数帯亘つて片つ端から調べて行くと、その間に日本無線局もありますし、或いは又日本の国土内から出ている不法無線と申しますか、許可されてない電波が出ておるというような場合もあるわけでありまして、そういうような場合にはそれの摘発に双方が協力して行くというようなことになるのではないかと考えております。
  17. 山田節男

    山田節男君 それからこの無線中継の場合ですね、無線中継の場合、現に日本無線中継場所を使つておるわけですが、供用しておるわけですが、これは将来どういう、例えばの形になるのか、又如何なる方法によるのか。日本政府がそれを、場所を提供し、又ものによつては器具を提供する場合がある。そういう場合の、やはり何と言いますか、貸金と言いますか、この奉仕に対する報酬はあることになつているのですか。例えば二子山とか、各中継所を現在占領軍が使つていますね、これです。
  18. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 無線中継の中で、超短波無線中継の一部は施設に指定されたものもございます。現にまだ施設の指定が進行中でございまして、この前にも申上げましたように、周東以北しかきまつておらないのでございます。そういう施設に指定されましたものは、これはこの前も申上げましたような範囲におきまして先方が使うわけでございますが、その場合、それに対する料金というものは、これは又別途に特別会計としましては徴収できるような途があると思います。公衆通信に直接使つておりますものでそういう施設に指定されている、されかかつているというものは今のところございませんが、旧陸海軍が使つておりました無線施設専用しておる、今の占領軍専用しておりますものを施設にするということはあり得ると考えております。
  19. 山田節男

    山田節男君 向う無線電波を使つて行く場合に、この電波種類と言いますか、例えば日本ではまだ極超短波と言いますか、UHFというものは使つていないのじやないかと思う。それがあるのかどうか。それから向うさんが、駐留軍が使う電波種類と言いますか、長波中波、超短波、極超短波と言いますか、駐留軍使用する電波、極超短波というものは全体のパーセントからどれくらいあるのか。例えばワシントンのケントに直接交信する以外に日本国内ではの短波を使うものであるかどうか。これを若し御存じならちよつと参考のために聞きたい。それから全体のパーセンテージがわかれば、これ又参考のために聞きたい。
  20. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 只今の御質問についてお答え申上げたいと思います。先ほど電波監理委員会委員長からお答え申上げましたように、目下予備作業班関係部会進行中でございまして、まだ御質問に対して具体的に申上げ得る段階に来ておりませんけれども、御指摘になりましたような超短波、極超短波範囲は相当使われておるということは申上げ得ると思うのです。なおUHF帯日本でも相当使われております。又電気通信省等においては近く相当大規模に幹線として使われるような御計画も持つておられます。又鉄道その他でもUHF相当使つて多重通信をやる計画を以て進んでおりますので、日本側進駐軍側の使われるものとの間のやはりUHF帯でも協定がどうしても必要であります。その点は国内使用支障を来たさないように、我々も具体案を得たいと思つて目下折衝最中の状態であります。又御質問のありましたそういう範囲で実際の何%ぐらいというようなところは、遺憾ながらまだ申上げ得る段階まで来ておらない状態であります。
  21. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 山下君にちよつと聞きたいのですが、関係法律なり今度の法律案を拜見しますと、電気通信関係電信電話料金だけの特例でいいかどうかということですね、電信法で行けば行けると言えるのですけれども電信法行つた場合に、実にぎこちない窮屈なものになつて来る虞れがあるように想像せられるのです。今のところはそういう状態だと思うのですが、電気通信省としては、行政協定に関連する電気通信関係法律案としては、この料金だけでよろしい、あとは全部国内法範囲で賄つて行ける、こういう御見解で間違いないだろうと思うのですが、そう了解してよろしいのですか。
  22. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 只今の言葉のように御了解願いたいと思います。
  23. 尾崎行輝

    尾崎行輝君 この航空電波関係ですね、コントロール……アメリカ空軍日本の空を護つている以上は、そのコントロールアメリカ空軍が全部するということが常識的に考えられますが、そういうふうになりつつあるのでございますか。
  24. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 只今の御質問についてお答え申します。この航空並びに航空に伴います通信関係の問題は、予備作業班通信分科会ばかりでなしに、航空関係部分がありまして、そちらと並行的にいろいろ協議を進めておるのでございまして、まだ具体的な妥結点に到達するまで来ていないようでございまして、併しただ考えようといたしましては、只今のお話の点は日本国内航空に関する航空官制、或いは航空通信官制というものはやはり日本国政府が責任と権限を持たなければならないのが当然でございまして、そういう面で、電波割当等もそういう考え方で進めておるわけでございます。併し当分の間は国内的にやろうと思いましても整備ができておらなかつたりいたしますのと、時期その規模につきましていろいろ変遷があるかと思いますけれども考え方といたしましては、できるだけ早く日本側として持つて行こう、こういう考え方電波の面を考えておる次第であります。  それからなお御参考に申上げたいのは、航空通信に関する電波の面は、国際的にきめられておるのが大部分でございますので、実際的には電波のやり取りというようなことは余り起らないというふうになるのだろうと思つております。
  25. 山田節男

    山田節男君 行政協定の第三條の第二項ですね、第二項の後半部にこの周波数電力、こういうものは相互の取極によつて解決しなくちやならない。併し臨時的措置としてアメリカ使用しておる電力、設計、放射の型式及び周波数電子装置日本側からの放射による妨害を受けないで使用する権利を有する。このことは確か取極が済むまでは現状のままで行くと、こういうように言われるのですが、取極によつて、今後見込まれるべき取極によつて現在占領軍が使つておる電波関係のほうと、何と言いますか、装置電波、こういうものにおいて非常に差が少くなるのか、多くなるのか、或いはその他非常にこの変更が行われるからこういう規定があるのか、この行政協定第三條第二項の末尾の意味がよくわからないのですが、これを一つ具体的に御説明願いたい。
  26. 網島毅

    政府委員網島毅君) 先般の秘密会及び先ほど申しましたように、周波数の問題は、目下具体的に双方から必要とする周波数と数とを持寄りまして協議中でございます。何分にも長波から超短波或いは極超短波までやりますのには相当な日時が必要でございまして、最近まで漸く三十メガから三百メガ、大体のところでありますが、その辺が終りまして、現在長波中波のほうへ入りつつあるような状況でございます。従いましてこれが全部済みますと、相互はつきり使う電波がきまるのでありまして、若しその波長が確実に守られておりますと、相互混信というようなものはなくなるはずでございます。ところがそれまでの間におきまして、講和條約が発効いたしますと、日本電波の面におきましても主権を回復するわけでありまして、従つて国際電気通信條約の規定範囲内におきまして、日本は自由に電波を使い得るわけであります。これを若し日本が勝手に使いますと、向うの軍用の無線混信を及ぼすかも知れないと、そういうことがあつて向うの運用上困るから、そういうことのないようにして欲しいという意味と私どもは解釈しております。従いまして周波数の取極が最終的にきまります間におきましても、相互において電波を新らしく使うような場合、或いは波長変更をやるような場合は協議してやるという形で進まなければならないのでありまして、この協議をするために別に両方の当事者の間で協議機関を作りまして、臨時的な機関でありますが、そういう機関協議をしてお互に妨害をしないような方法を講じておる次第でございます
  27. 山田節男

    山田節男君 それからこの国際的に見た周波数割当という観点から、この駐留軍電波の、殊に周波数の問題です炉、例えば今年の十月にヴエノスアイレスに電波割当に関する国際会議がある、こういつた場合に、今後この駐留軍が二年おるか三年おるか、五年おるかわかりませんが、その以後において、駐留軍が撤退した後において、現在駐留軍使用しておる電波周波数、これは日本一つ割当既得権として、これは当然受継がれるものか、或いはそういう周波数駐留軍が使うのかどうか、この点お伺いしたい。
  28. 網島毅

    政府委員網島毅君) お答え申上げます。只今質問の問題は二つに分けて考えなければならないと思いますが、それは先般のジユネーブの国際会議におきまして、十四キロサイクルから三千九百五十キロサイクルまでの間におきまして、日本が約四百の周波数を獲得したわけであります。この中に極めて少数であります、十に満たない少数でありますが、これは日本周波数にはなつておりまするが、実際はその周波は米軍が利用するというものがございます。例えて申しますと現在進駐軍向放送、従来いわゆるAFRSと言われたものであります。これは事実は向うが利用しておるわけでありますが、これに使う周波数日本周波数ということで国際会議で獲得しております。従つてこういう種類のものは駐留軍が撤退いたしました場合には、当然日本周波数として日本国が使う権利を獲得するわけであります。ところがもう一つ種類といたしまして、この極東地域におきましてアメリカ自分で使ういわゆるアメリカ周波数として獲得したものがございます。これはこの條約及び協定の、周波数協定の結果からは当然には日本のものとはならないのであります。中にはアメリカが撤退する場合に自分の軍と共に本国に持つて帰える周波数もあると思いますが、又中には本国に持つて帰つても使い途にならないというようなものは、日本に残して置く。日本に残して置くということはおかしいですが、そういうものにつきましては日本国においてそれを使うことが実際上できるということになります。併しこれは実質上の問題でありまして、それを形式的にも日本のものにするためには、国際條約の事務局にそれを登録いたしまして、そうして日本のものに配置換えと申しますか置き換えて、そうして名実とも日本のものにするということになると思います。
  29. 水橋藤作

    水橋藤作君 先だつて委員会で大体質問いたしましてあらかじめ解したのですが、もう一点お伺いしたいことは、この法案安全保障條約第三條に基く行政協定実施伴つて料金改訂されることは了解いたしますが、併しこの特例によつて料金改訂をなされるか、又法案として料金改訂法案をお出しになるかということが相当問題だろうと思うのですが、そこでこの特例によつて法案を出されたその理由を説明願いたい。
  30. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 現在進駐軍に提供いたしておりますサービスは、国内で提供いたしておりますサービスと同様なものもございますが、又国内では全然提供していないようなサービスが相当あるのでございます。従いまして進駐軍と言つておるのが駐留軍に切替えられますその瞬間に、そういうサービスというものは到底打切ることはできない。名前が変つてもやはりあらゆる軍の機関というものはそのまま存続する。そうすればその通信サービス関係というものはやはりそのまま引継いで行かなければならん、かようにまあ見ております。従いまして現在提供いたしております国内法規定のないようなサービスというものをやはり対象に考えまして、ここに何らかのサービスのできる法的根拠を得なければならん。そこでこの特例に関する法律を出しましたものでございまして、これは将来とも日本国内で同様なサービスが提供できるようなものが、殆んどそういうものでありますならば、場合によりましては電信電話料金法改正ということで全体的に直すということも考えられますけれども、いわゆる駐留軍が駐留する間だけ提供しようというサービスでございますから、ここでこの法律によりましてそういう特例をお認め願つて先方と何らサービス支障のないような方法に進めて行きたい、かような観点からこの法律を出しているわけでございます。
  31. 水橋藤作

    水橋藤作君 了解いたしました。それでついでにお伺いしたいのですが、刑事訴訟事務及び日本国有鉄道事業の用に供する市外線専用料金等につきましては今まで通り変りがないわけですか。
  32. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 先ほどもお答え申上げましたように、この点は今までとは変りあるわけでございます。変更になりますわけでございます。お尋ね国有鉄道及び刑事訴訟事務という点からお尋ねがあつたと思いますから、それをお答え申上げますれば変りがあります。それから駐留軍に対しますサービス料金としましては、現在もそれからこの法律施行後も変りないということに相成るわけでございます。
  33. 水橋藤作

    水橋藤作君 そうしますとこの刑事訴訟事務とか、或いは日本国有鉄道事業に関連いたしまして市外電話専用料改訂はやはり特例でよろしいという見解でおいでになるのですか。
  34. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) その点は附則としまして、この附則の御承認によりまして、料金のそこを直し得るものと考えておるわけでございます。これは料金法の中をこういうふうに直すわけでございます。
  35. 山田節男

    山田節男君 ちよつと関連して、前に私も質問したのですが、今水橋君から重ねて御質問があつたのですが、この問題は刑事訴訟事務とそれから日本国有鉄道の用に供するのは、官庁等専用から除外したということになるのですが、その理由が今ちよつと刑事訴訟事務のほうは二、三十万円足らず、それから日本国有鉄道のほうは三百万円足らず、約四倍弱になるのですが、値上げして。それで金額が大したものでないからこれは除外したと言われるのか、刑事訴訟事務や、日本国有鉄道のものは、官庁専用をするに適しないから除外するのか、その理由を聞きたい。
  36. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) この点は先ほども申上げましたように、一般官庁専用線というものはこれ以外にまだ別なものがあるわけでございます。ところが官庁専用のうち、特に安い専用のものだけをここに今まで警察事務とか、或いは刑事訴訟事務とかいうものを挙げておつたわけであります。これは先ほども申上げましたように警察事務関係に特に安い料金を適用するという趣旨から、こういうことをいたしておつたわけでございますが、このたびこの点をはつきりいたしまして整理統合事情に鑑みまして、国警、自警、消防にだけ安い料金を適用する、その他のものは皆一般並み、一般官庁及び一般消費者並みにやつてもらう。こういう意味合いから別表二で料金変更することに相成つたわけでございます。
  37. 山田節男

    山田節男君 今の山下通信監の言われる一般並みというのは刑事訴訟事務、これは私よく内容は知りませんが、例えば検察当局が刑事訴訟事務として使用するようなことがあるのかどうか、これは私よくわかりませんが、なぜ刑事訴訟事務日本国有鉄道事業一般並みにするのか、その理由を聞きたい。
  38. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) そうしますと官庁並みというのはほかの官庁、例えば通産省が専用線が要るとか、建設省が専用線が要るという場合にも、これはやはりごういつた特恵を与えるわけでございますが、そういうものは存来とも皆一般並みに扱つてつたわけでございます。そこで一面又これは莫大なる負担が方々にかかるのでしたら、私どもも勿論虚心坦懐に考えなければならんのですが、ほんの一部のものに限られた存来の特恵でございますから、この特恵を外しましたわけでございます。
  39. 山田節男

    山田節男君 この法律案の提案された理由の中にも、警察電話に関してはあれを電通省に合併されるという理由があつて云々ということを言つておられる。国有鉄道鉄道電話というものは、前の鉄道省、運輸省で建設して使用しておつたこれをやはり電通省に取上げたというのか、合併したということになつておる。そうすれば警察電話と鉄道電話は私は同じようなものじやないかという気がするので、こういう質問を申上げておるのです。
  40. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 前の運輸省或いは現在の国有鉄道というものは、鉄道事業のために自分で作られた線を相当たくさん持つておりまして、それを使われておりますが、それのほんの間に合わない一間分というものに我々の線が使われておるわけであつて、警察、消防関係市外電話線を統合したような、そういつたことは今までやつていないわけでございます。前の逓信省が司令部の勧奨によりまして統合しましたものは、全くここに挙げておりますところの特恵を与えるその範囲にとどまつております。その他のものは皆別のものでございます。
  41. 水橋藤作

    水橋藤作君 もう一つお伺いしたいのは、この別表の二の中の第六に「外国語で取り扱う市外電話に対する加算額」、こういうのがあるのですが、この外国語というのはどこの国を指すのか、つまり地球上の外国全部を指すものですか、これは漠然としておるようですが、外国語というのはどういうふうに解釈したらよろしいか、御説明願います。
  42. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 私どもの対象にしておりますのは英語でございます。又実情を見ましても日本国内で使われるものは大部分英語でございます。若しこれをフランス語あたりで通話の申込をされましても、我々のほうで手を挙げてそういうことに受け答えできる者はいません。一切英語でやるというふうに考えておるわけでございます。
  43. 水橋藤作

    水橋藤作君 そうしますと仮に中国なり或いはソ連の言葉の場合は通話の便宜は与えない、こういうふうに解釈してよろしいですか。
  44. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) それは遠い将来に日本が本当の世界的観光地になりまして、そういうことが必要があるという場合になりましたら、それは考えなければなりませんが、現在では我々のほうでこういうものに交換手を向けますには相当の訓練、技術的の訓練と言葉の上の訓練をいたさなければならんわけであります。で、数国語の言葉を会得させるなんということは今のところとても不可能でございます。そういつた中国語でやられるようなかたにつきましては、どうも受け答えができないから用をなさないということは止むを得ないことだと思います。
  45. 水橋藤作

    水橋藤作君 事情、私よくわかりますが、私もそう思いますが、然らば英語ということの字を使つたらいいじやないかということからお伺いしたわけです。つまり中国語或いは朝鮮語或いはドイツ語でも、取扱う文句が外国語と申しますとあらゆるものを含むのじやないかと思つたのでお伺いしたわけなんですが、今の通信監の御説明によりますると、この文字はやはり「英語で」とお書きになつたなら適切じやないかと、こういうふうに思いましたので、お伺いしたわけなんですが、了承いたします。  それから次に一通話ごとに加算する、これは別の方法で徴収する何か設備をしてあるのですか、これは如何ですか。
  46. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 御了承頂きまして、附加えるべき必要はないかも知れませんが、この外国語通話という字を使いましたのは、これは現在もFL通話と言つて、フオリン・ランゲジといつた文字を使つた通話を今やつております。これは全く外国語と言いながら英語だけしかやつていない、そういうことがあつたものですから、実質上は英語を使うということにいたしておるわけでございます。  それから一通話ごとにこれだけの、つまり普通通話料を加算して参るわけでございます。ですからこれを現在と比較して申上げますと、現在では皆特別至急通話以上やつておるわけでございます。つまり進駐軍の使います外国市外通話はつまり特急以上の通話と同じように実は扱つております。これは私どもにも非常にこれに対しては釈然としないと言つては甚だ語弊がありますが、とにかく好ましくないと思つてつたような面もございますが、今回これを一般に開放いたしまして、誰でも英語で以て通話を申込むというならば、それは通話をやつてもよろしい。受けます。受けますが、その通話は一通話ごとにこれだけの料金をもらいます。それは現在のようにFL通話で来ますというとそれは特急以上に扱つて先方の意思の有無にかかわらず高い料金を取つておる。今度は普通通話で申込んで来たならば、これ又普通通話のものを加える。至急通話で来たならば普通通話の二倍にこの普通通話の取扱料を加える。特急通話で来たならば普通通話の三倍の料金に又これに普通通話の取扱料を加える。かようにしまして電話をかけるかたの選択の自由を今度ははつきりさせたわけでございます。
  47. 水橋藤作

    水橋藤作君 それはよくわかるのですが、技術的にそれを算出する根拠、つまり算出するにはどういう方法によつてこれをやろかということが、どういうふうな方法によつてそれを加算してあれを計算するのか、その点がちよつと僕にはわからなかつたから、そういうふうにお伺いしたのです。
  48. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) これは日本全国どこでもやるのが理想でございますが、できませんです。だからできるところの局が限定されております。そうしますと、そこの外国語通話を扱うところのものが、交換台がちやんと特定されますが、そこに申込まれて、電話番号を聞き、交換台をそこでやられる、こういうふうにいたしております。
  49. 水橋藤作

    水橋藤作君 そうしますと、その外国通話を取扱う場所にそれに適応した交換台を設置する。要するに今度アメリカが基地を設ける。そこへそれに該当しない交換台を持つて行く。但し一般の英語によつて通話のところは、この算出方法が、まあ僕の聞かんとするところはそれなんですが、そういう特定のときばかりの英語の通話を算加する機械があるが、一般的に日本全国どこでやつてもこれが適用できないという結果になるのかどうかということを聞きたかつたわけであります。
  50. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) これは率直に申しまして、駐留軍にこれを出したのではございませんので、現在スキヤツピンで以てこういうことをやれと言つてつておる外国通話がございますのです。ですからこの際スキヤツピンがなくなりますから、即ち講和発効と同時にそのスキヤツピンというものが消滅しますから、そうすると外国通話ということはできなくなり、外国商社や或いは駐留軍でない観光客というものが日本に来てどうも不便をするわけであります。そこでそういうかたの便宜を考えまして、端的に申上げますれば、この法律に便乗してといつたような形になりますが、実際のところそういう不便を生じないようにしようというのでございまして、現在もこのFL通話を使いますところのものは限定されております。これを外国通話としまして将来実行いたしますにつきましても、そうした広くどこへでもできるということにしますと、我々のほうでは到底それに対しては手は廻りかねると思います。相当に限定された範囲に相成るわけでございます。
  51. 水橋藤作

    水橋藤作君 了解できましたが、これは私もその点が聞きたかつたのですが、この特例によつて、外国語で、いわゆる英語でどこへでも話ができるんだという解釈を一般国民がする、そこで受け入れるほうでは交換台その他の設備ができなければ受けられないという矛盾があるのではないか。だから特定な場所というものがここに限定される問題が起るのではないかというふうに疑問を持つたためにお伺いしたわけなんです。大体御説明の通りであろうとは思いましたが、一応そういうわけでお伺いしたわけで、結構だと思います。有難うございました。
  52. 山田節男

    山田節男君 この今のお話の問題に当面して実は困つておるので電気通信省、それから電波関係の人にお伺いするのですが、例の英連邦軍ですね。現在朝鮮の戦争が片付かない限りにおいては講和條約発効後三ヶ月以内に撤退できないかも知れないというようなことを言つておる。従つてこれは行政協定のようなものに準じてこの国連と日本政府との協議が必要になつて来るのじやないかと思うんです。電信電話は英連邦軍が使つておるのではないか。ですから、まだ具体的にその方面には現われていないかも知れませんが、他の問題についてはすでにそれが現われて来ておる。そこで大体日本政府としては、電信電話に対してはこれを準用するおつもりですか。それから電報の関係ですね、英連邦軍が果して電波使用しておるのかどうか。使用しておればやはりこれに準じて国連との行政協定によつて英連邦にこういう一つの特権を与えるということになるのか。若し御答弁できればお教えを願いたい。
  53. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 現在呉で英軍が我々の通信施設サービスを受けております。只今御指摘のように私ども自身もこれは駐留軍を対象にいたしたものでございますから、その他のことは一切これに適用さるべきものではないはずでございます。それで過日も外務省で国連関係はどうなるのかということを私は外務当局に質問して見たんです。国連関係は別に考えなければならんというようなことでございました。考えなければならんというようなことでは我々は困る。我々は直接関係がある。ただ我々のほうで作つたものがそのまま他の国連軍に適用できるといつたようなことでは、我々のほうでもう少し検討しなければならんから、国連関係をどうするかという方針を早く示してもらいたい。我々は特別の立法措置を要すると思うということを私見として申上げました。他の公務関係の人あたりからも電気通信の意見と同様だといつたような説が出ておりました。だがほかのほうではそれほどでもないだろうというようなことを言つてつたようで、私としましては、国連関係のことは何も今のところは我我は手を打つていないんだから、どうすべきかということを一つはつきりしてもらいたいという要求をいたしておつたわけでございます。従いまして現在のところは、ただ講和発効後英濠軍に対してはこれは打切るわけには行きませんから、ただ普通のお得意さんという形で扱う以外にはないんではないか、かように考えております。
  54. 網島毅

    政府委員網島毅君) 只今の御質問に該当するものの一つといたしまして、私ども関係しておる分野におきましては韓国向けの放送或いは韓国語の放送というものがそれに該当するのではないかと見ております。私どもの解釈といたしまして、現在行なつておる韓国語の放送は、あれは米軍の必要によるものというよりも、やはりこれは国連関係の仕事であろうというふうに解釈いたしておるのでありまして、従つてこれは今回の行政協定範囲外であるという解釈を持つております。この解釈の下に目下外務省といろいろ折衝しておるのでありまするが、只今山下通信監からもお話がありましたように、外務省におきましてもなかなかはつきりしないのでありますが、外務省におきましても恐らく国連関係のものは一まとめにするか、何らかの方法によつて別途処置をする考えであるということも伺つております。従いまして私どもといたしましては、そういうものができました暁におきまして、どうしても韓国向け放送が必要であるならば別途の方法で処理すべきものであると解釈をいたしております。できればこの機会にやめてもらいたいという考えの下に外務省とも交渉中でございます。
  55. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 別に御質疑ございませんか。御質疑がなければ両法律案に対しては質疑が終了したものと認めまして討論に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それでは質疑を終り、これより討論に入ります。討論は先ず賛否を明らかにしてからお願いいたしたいと思います。……討論を省略いたしまして採決を行うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それでは内閣提出衆議院送付日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う電信電話料金法等特例に関する法律案及び日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う電波法特例に関する法律案を問題にいたします。両法律案に賛成のかたは挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  58. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 両法律案は全会一致を以つて可決されました。  両法案に賛成のかたは御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     尾崎 行輝  山田 節男     大島 定吉  新谷寅三郎     稻垣平太郎 池田七郎兵衞
  59. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) なお本会議における委員長の報告は、前例により委員長に御一任願います。   —————————————
  60. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 次に休会中に九州地区及び関西地区に電気通信並びに電波関係の実地調査をいたしますために議員が派遣せられたのでありますが、まだ派遣議員から報告がなされておりません。私の手許に文書で参つておるのでありまするが、委員会における口頭報告はこれを省略いたしまして、右の報告書を委員会会議録に掲載するごとにいたしましてよろしうございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 御異議ないと認めます。さよう取計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十七分散会