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説明員(市浦繁君)
只見川に関する略図並びに簡単な表を差手許にお配りしてございます。これを御覧願います。この略図のほうを御覧願います。少し印刷が不明でわかりにくいのですが、これを御覧願いますと、一番左の上のほうに新潟と書いてございます。この右のところに阿賀野川が流れておりますが、これがずつと鉄道線路に沿いまして上
つております。既設の鹿瀬、豊実、山郷、新郷、新郷のほうは消えておりますけれ
ども、これがガリ版の枠をはみ出しまして
ちよつとわかりにくいような気がします。又元へ戻りまして、左のほうへ戻
つて柳津、宮下、ここを通
つて西北のほうへ上
つて参ります。この図表でだんだん下のほうを御覧願いますと、一番下に尾瀬原という所がございますが、このすぐ右に小さく県境に丸くな
つておりますのが尾瀬沼でございます。この尾瀬沼が
只見川の水源地にな
つております。結局尾瀬沼から尾瀬原を通
つて北上し、中流部でやや東にそれまして、若松の附近から西のほうへ曲りまして、この曲つたところで猪苗代湖から出ます日橋川と合流しまして、新潟のすぐ北のところで日本海へ流れております。これが有名な
只見川阿賀野川水系、
只見川とは日橋川との合流する合流点から上流を
只見川と言
つております。いわゆる
本流案、分流案というものにつきまして問題の残
つておりますのは、この地図の真中より少し下のほうを御覧願いますと、奥只見という
発電所のAがございます。貯水池がありまして大鳥、大津岐との中間に奥只見という地点がございます。この奥只見の貯水池の左側のところから点線と実線との並んだ線が引かれておりまして、湯ノ谷第一、湯ノ谷第二、「庭に鉄道線路を横断しまして湯ノ谷第三、「更に妙見、四つの
発電所を奥只見の貯水池から分流しまして、
只見川本流から分けて、信濃川の流域のほうへ流すというのがこの分流案でございます。本流は全部階段式にダムを
作つて開発するのが
本流案。それからこの奥只見から分水しまして湯ノ谷第一、第二、第三及び妙見、四つの
発電所を開発しますのが分流案でございます。これには従来分流案につきましては福島県案或いは旧日発案或いは東北電力案という工合に、各種の案がございましたが、いずれも大同小異でありまして、特に大きな違いはございません。
本流案につきましては、
先ほど技術長からお話がございましたが、二つありまして、大きな流れが
一つはここに載
つておりますB2、印刷物の一番上のところに三つ分類がありまして、一等上に既設地点、真中がA案、その次がB2案、それからもう
一つは奥只見の次の大鳥、それから前沢という地点がございます。それからその次に田子倉というところがありますが、その田子倉の水を更に分水しまして破間川、湯ノ谷第三
発電所のところに流れ込んでおります破れる間の川、これは破間川と言いますけれ
ども、破間川のほうへ田子倉のダムから分水しまして、奥只見と田子倉と両方から分水する案があります。これは新潟県のほうで提案されましたのであります。二つの案がございますが、OCIの
調査の結果、この
本流案と分流案とを整理しまして、木流案としてはOCIとしてはこういうふうに
考える、
本流案としてはこの案によ
つてもよろしいという最後的な二つの案を整理しまして比較しておりますが、この整理されたものはこの印刷物に載せられてございます。即ち二個所から分水する新潟県の案、これはいろいろな理由で余りよくないということで、分流案ならば一カ所から分流するB2案というのがよろしいというふうに意見を出しております。これらの出力、落差、
発電所名等、その次の二枚の表がございますが、これはOCIの報告書に出ておるようでございますけれ
ども、これで大体A案並びにB2案の
内容がおわかりになると思います。A案では、出力合計がこの表の初めから六行目にございまりすが、出力最大最終MWという表がありまして、一番下の計を御覧願いますと、千九百三十万キロワツトであります。それから年平均の出力が七十七万二千キロワットにな
つております。それから最後から四行目に年平均電力量キロメガワツト・アワーで普通言
つておりますが、これをキロワツト・アワーに直しますと六十七億四千六百万キロワツト・アワー、その
一つ前に工事費が書いてございます。一千百七億三千二百万円、これはA案による全工事費であります。
その次のページのB—二案のところを御覧になりますと、同じ表で最大出力が百九十四万キロとな
つております。年平均の出力八十万九千五百キロ、それから最後から五行目を御覧になりますと、工事費が千四百六十二億六千四百万円、平均電力量が、これはミスプリントで落ちておりますが、
ちよつと
あとで調べますが、今少しやはり多くな
つております。それから年平均負荷率が四一・七%という工合で、分流案のほうが少し出力が殖えております。で、その殖えました理由は、分流します際に別な流域に変
つて行きますものですから、その余分の別の流域に水が加わりまして、そのためにこのキロワツト・アワーが殖えるのであると言
つております。この分流案の特徴と申しますと、一言にして申しますと、奥只見の貯水池の標高が約七百五十メートルございますが、これから四十一キロメートルぐらいのトンネルで、割合短い距離で妙見の信濃川の非常に低い所まで、数十メートルの標高の所まで落差が取れる、そういうことにな
つております。
それから
本流案の特徴としましては階段状にな
つておりますので、開発する場合に下流へ順序を迫
つてできるというようなこと、それから電力の将来
発電所ができた場合の
調整関係、貯水池と
調整池との相互運転が非常に容易に行く、既設の
発電所との
関係が、既設に対する影響が割合に少いというような問題がございます。これの細かい問題につきましては、報告書のほうに詳しく謳
つてありますので、ここでは省略させて頂きますけれ
ども、要するに分流案、
本流案と申しますのは、奥只見から信濃川のほうへ水を分けますのが分流案、本流の上に順次開発して行くのが……、分流しないで
只見川、阿賀野川の水系だけの水域を開発するのが
本流案という工合でございます。
なお
只見川の支流に伊南川という川が、この地図の真中附近から
ちよつと右寄りに伊南川という川がございます。この上にも内川という貯水池ができます。これにつきましては水洗案、分流案の
関係は特にございません。それから尾瀬原から利根川のほうへ分流する
関係、これも特に
本流案、分流案には直接
関係はございませんので、これは
只見川全体と利根川との
関係になりまして、OCIの意見としては、将来利根川の流域から水をポンプで汲み上げて、これを渇水期、或いは尖頭負荷時に流しまして、いわゆる揚水式ができればこれはや
つてもよろしい、併、しこれは一応直接水洗案、分流案との優劣の
関係には入
つていないということを言
つております。大体
本流案、分流案
関係の御
説明はこのくらいにいたします。