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1952-06-03 第13回国会 参議院 通商産業委員会 第41号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年六月三日(火曜日) 午後三時二十五分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
理事
小林
英三
君
結城
安次
君 栗山 良夫君
委員
重宗 雄三君 中川 以良君
山本
米治君 加藤 正人君
高瀬荘太郎
君
境野
清雄
君 西田 隆男君
政府委員
通商産業政務次
官
本間
俊一
君
通商産業省通商
局長
牛島 信彦君
通算産業省通商
局次長
松尾泰一郎
君
通算産業省通商
機械局長
佐枝
新一君
事務局側
常任委員会専門
員 林 誠一君
常任委員会専門
員
山本友太郎
君
常任委員会専門
員
小田橋貞壽
君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
輸出取引法案
(
内閣送付
) ○
航空機製造法案
(
内閣送付
)
—————————————
小林英三
1
○
理事
(
小林英三
君)
只今
から
通商産業委員会
を開会いたします。本日は日程にございますように
輸出取引法案
並びに
航空機製造法案
、これを
議題
といたしまして、先ず
輸出取引法案
の
提案
の
理由
の
説明
を乞うことにいたします。
本間俊一
2
○
政府委員
(
本間俊一
君)
只今議題
と相成りました
輸出取引法案
の
提案理由
を御
説明
申上げます。
平和條
約の前文におきまして、
我が国
は「
貿易
及び
通商
において国際的に承認された公正な
慣行
に従う意思」を宣言しておりますが、
国際経済社会
に復帰した
我が国
が広く
世界各国
と正常な
通商関係
を恢復し、
貿易
を拡大してゆく上には、公正な
国際慣行
を遵守することが最も肝要であることは申すまでもありません。しかしながら
我が国
の
経済
の
特殊性
からして
輸出取引
がとかく過度の競争となり、
仕向国
の
工業所有権等
を侵害したり或いは
仕向国
の
関係産業
又は
輸入業者
に不安又は損失を與えた事例もみられますので、
国際的信用
を高めるために不公正な
輸出取引
を防止すると共に、
輸出取引
の秩序を確立するために
輸出業者
の
協定
又は
輸出組合
の
設立
を認めることが緊要なことと認められます。 この
法案
は、右の
目的達成
のために制定せんとするものでありまして、その
主要点
は
大要次
の
通り
であります。 第一に、
仕向国
における
工業所有権
の
侵害等
の不公正な
輸出取引
を防止すると共にその
違反者
に必要な制裁を課することに
なつ
ております。 第二に、
輸出価格
が低いため
仕向国産業
の
利益
を著しく害し、或いは
輸出価格
が変動し
輸出取引
の
成立
が困難となる場合等に
限つて輸出品
の
価格
、
品質
、
数量等
について
輸出業者
の
協定
を認めることに
なつ
ております。 第三に、民主的な
輸出組合
の
設立
を認めまして、その
事業
として不公正な
輸出取引
の防止及び
輸出業者
の共通の
利益増進
のための業務を行わしめる外、
輸出業者
の
協定
の場合と同趣旨で
組合員
の遵守すべき
基準
を
決定
し得ることといたしたのであります。 第四に、前に申し述べました
輸出業者
の
協定
及び
輸出組合
の
決定
については、
独占禁止法
及び
事業者団体法
の適用を除外することに
なつ
ております。 第五に、
通商産業省
に
諮問機関
として
輸出取引審議会
を設置して
民間業界
の
意見
を大いにとり入れ本法の
運用
の円滑を期することに
なつ
ております。 これを要するに長年
わが国貿易業界
がこぞ
つて
念願してやまなかつたことが、内外の諸状勢を考慮して作られたこの
法案
の
成立
によ
つて
実現されることになり、
我が国
の公正にして且つ秩序ある
輸出取引
を促進し、
国際的信用
を高め、
輸出貿易
の
増進
に役立つことを確信しております。 以上が、この
法案
の
提案理由
及び
内容
の概要であります。 何とぞ慎重御
審議
の
上速
かに御可決あらんことを切望する次第であります。
小林英三
3
○
理事
(
小林英三
君)
只今輸出取引法案
につきましての
提案理由
の
説明
を
願つたの
でありますが、本案につきましては、
経済安定委員
から
連合委員会
の開催の
申込み
がございまして、その
日取り等
につきましては
前回
の
委員会
におきまして
委員長一任
に
なつ
てお
つたの
でありますが、
委員長
はこの
経済安定委員会
との
連合委員会
を六月五日の午前十時に開きたいと思いますが、御
異議
はございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
—————————————
小林英三
4
○
理事
(
小林英三
君) それではそういうふうに
決定
をいたします。
小林英三
5
○
理事
(
小林英三
君) 次は
航空機製造法案
の、この前、
前回提案理由
の
説明
を
願つたの
でありますが、今日は
要綱
につきましての
説明
を請うことにいたします。
本間俊一
6
○
政府委員
(
本間俊一
君)
航空機製造法案
につきまして御
説明
を申上げたいと思います。 本
法案
は第一章総則、以下第二章
製造等
の
事業
、第三章
航空機
、第四章
航空機用機器
、第五章
航空工場検査官
及び
航空工場検査員
、第六章
雑則
及び第七章罰則の七章二十五條より
なつ
ておりますがその
目的
は第一條にあります
通り
、
航空機
及び
航空機用機器
の
生産技術
の
向上
を図ることにより、これらの
性能
を
確保
し、併せて
航空機工業
の健全な
発達
に資するにあります。 申すまでもなく、
我が国
の
航空機工業
は終戦以来七年間完全な
空白状態
に置かれていたのでありますが、
平和條
約の発効に伴い、且つは最近の
国際情勢
の影響もありまして、その
再建
の気運が頓に濃化致して居ります。勿論この
工業
は
素材
、部品、
装備品等
極めて多岐に亘る
関連生産部門
の緊密なる協力によ
つて
構成せられる。ピラミツドの頂点に位する典型的な
綜合機械工業
でありまして、
設備
、
技術
、
素材等
各方面を通じ、
最高度
の水準を要求せられるものでありまして、一口に
再建
と申しましても容易な事ではありませんが、過去において
世界屈指
の地位にありました事実は
再建
の土台となり得るものでありますし、この
工業
の
発達
は同時に広汎なる
関連産業部門
の
発達
を促すものでもありますので、この
工業
の
再建
は
国家
的にも是非とも成し遂げねばならぬことと存ずるのであります。そのためには当面立ち遅れた
生産技術
の
向上
を図ることによりまして
航空機
の
性能
を
確保
することが絶対的に必要でありまして本
法案
はこの点について必要なる措置を行おうとするものなのであります。 先ずこの
法律
において「
航空機
」とは
航空法
に
規定
する「
航空機
」と同じであ
つて
「
航空
の用に供することができる
一定
の
機器
」をいい、又
航空機用機器
とは、
航空機用原動機
、
航空機用プロペラ等
のほかローター、
降着装置
其の他でき得れば
無線機器等
を制令によ
つて
指定いたしたいと考えております。以下この
法律案
の
内容
の大略を申述べます。 第二章(
製造等
の
事業
)には、
航空機工業
の
再建
は前述の
通り
官民緊密に協力して当るべき難
事業
でありますので
国家
としては
航空機工業
の実態と
発達過程
の推移を常に把握している必要があるため
航空機
又は
航空機用機器
の
製造
又は
修理
の
事業
を行う者につき
事業
の
届出制
を採用いたしております。 次に第三章(
航空機
)には、
一定
の
航空機
を多数製作いたします場合その
品質
、
性能確保
上極めて重要な要素であります
関係
上その
製造
又は
修理
の
設備方法等
につきまして
航空機
の場合と
同様一定
の
生産技術
上の
基準
に適合するかどうかを
国家
が
検査
いたし、
合格
した
設備
及び
方法
によりまして
製造
せし
むる制度
を採用いたして居ります。
問航空機用機器
を
製造
する場合にはあらかじめ
国家
が承認された型式というものがありませんので、先ず設計を審査し、以後
製造過程
につきまして
一定
の
生産技術
上の
基準
に適合するかどうかを
検査
して
合格
の場合
製造証明書
を発行して
機器
の
取引
に添付せしめる一方この
国家検査
に不
合格
と
なつ
た
機器
は
航空機
の
製造
又は
修理
に使用してはならないことにいたしまして優秀な
性能
の
航空機
の
確保
を図ることといたしました。この点で
機器
の
製造証明
は
航空機
の
製造確認
と若干扱を異にいたしております。 次に第五章(
航空工場検査官
及び
航空工場検査員
)には、以上の
国家検査
には担当特殊な技能を必要とし又
航空法
の
規定
により
航空法
に基く
安全性検査
も
通産省職員
が行う必要がありますので
航空工場検査官
を置くこと及び
事務
の
簡素化
及び
迅速化
を図るため
一定
の資格を有する
民間
の
専門家
にこの
事務
を一部委嘱させることを
規定
いたしました。 第六章(
雑則
)においては、この
法律
の
施行
に必要な限度において、
航空機
又は
航空機用機器
の
製造
又は
修理
をする者に対し、必要な報告を求めたり
通産省
の
職員
をして
事業場等
に立入
検査
をさせる権限を
通産大臣
に認める
規定
、又各種の申請にあた
つて
は、
実質主義
の手数料の
納付義務
を定めた
規定
、更にこの
法律
に基く
通産大臣
の
処分
の公平を
確保
するため、
行政処分
に対する
不服申立権
、又その手続としての
聽聞制度
を
規定
してこの
法律
の運営にあたり遺憾なきを期しているのであります。 最後にこの
法律
は、公布の日より
施行
いたしますが、万全を期する為に、第三章、第四章の
検査関係
の
規定
は
昭和
二十七年九月一日から、又第四章中の
引渡制限
及び
使用制限
の
規定
は同年十一月一日から
施行
することにいたしたく又、この
法律
の
施行
の際、現に
航空機
又は
航空機用機器
の
製造
又は
修理
を行
つて
いる者に対する
経過規定
を設け、この
法律
の
規定
にかかわらず
製造設備
又は
修理設備等
の
検査
なしに
昭和
二十七年九月三十日まで
製造
又は
修理
することができるように容認いたしました。以上
説明
の中でたびたび引用いたしました
通り
本
法案
は、運輸省より今国会に提出いたしました。
航空法案
の第三章
航空機
の
安全性
、第四章
航空従事者等
はこの
法律
と密接な
関連
がありますので本
法案
と
航空法
の
関係
について一言附言いたします。
航空法
のこの部分は
專ら航空機
の
安全性
の
確保
の
見地
から
規定
を設けておりますのに対し、
航空機製造法
は優秀な
性能
の
航空機
及び
航空機用機器
を如何にして生産せしめるかという
見地
からその
生産過程
を主たる
対象
と致しておるのでこの点に重要な相異があります。 又
航空法
が
日本
に国籍を有する
民間航空機
を
対象
といたしますのに対しまして、本
法案
の
対象
は遙かに広い視野から
日本
において生産されるすべての
航空機
を
対象
として考えております点も両
法案
がそれぞれの
目的
から生ずる当然の差異と考えます。両
法案
は国内で用いられる
航空機
の
検査
という点では密接な
関係
に立つものでありますので、
運用
の面におきましては両者互に連絡を密にし、例えば
検査
の
基準等
は
共同省令
とし、或は
工程検査
の
検査官
を一元化する等二元
行政
の弊を避ける為には万全の策を講ずることにいたしておりますのでお願いいたす次第でございます。
小林英三
7
○
理事
(
小林英三
君) 如何いたしましようか。この
航空機製造法案
の
内容
の
要綱
のプリントが近く皆さんのお手許に配付されることに
なつ
ておりますから、その上で次回にゆつくり御質問を願うことにいたしたらどうかと思いますが、如何ですか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小林英三
8
○
理事
(
小林英三
君) なお
通産省設置法案
の
内閣委員会
との
連合委員会
につきましては明日午前十時にこれを開きたいと思いますからどうか御了承をお願いいたします。
境野清雄
9
○
境野清雄
君 この
輸出取引法案
はこれの
審議
が
連合委員会
が近く始まるというのですが、現在はアメリカの関税引上げ問題にしても英国の
情勢
にしても或いは
中共貿易
にしても我々
自体
が現在の
日本
の
輸出方針
というもの
自体
がはつきりつかめないというのが現情じやないかと思うのでして、早急に明日でも結構ですが
通産委員会
で
大臣
以下出て来て
貰つて
最近における
日本
の
輸出
の
方針
なり何なりをお聞きして、それに対する質疑をしてからこの
輸出取引法案
へ入るほうが筋道じやないかとこういうふうに思うのですが、そういうふうに
一つ委員
の各位にお取計い願
つて
適当にお願いしたいと思います。
小林英三
10
○
理事
(
小林英三
君)
只今境野
君からお聞きの
通り
の御
意見
がありまして、非常に御尤もだと思います。日にちはどうですか、
境野
さん誰か特別に
出席
を
大臣
のほか……。
大臣
ですね。大だけでいいですか。
境野清雄
11
○
境野清雄
君
あと通商局
から。
小林英三
12
○
理事
(
小林英三
君)
通商局
から。
結城安次
13
○
結城安次
君 今
境野
君の御
意見
御尤もです。
民間
で実際今現に扱いつつある人の
意見
も聞いておかんと何だか
審議
に心もとない気がしますが、如何ですか。
小林英三
14
○
理事
(
小林英三
君) 今の
結城
君の御
意見
御尤もだと思いますが、丁度明後五日の日にこの
輸出取引法案
に対する
連合委員会
があるのでありますが、
境野
君の御
意見
は
連合委員会
においてこれを
審議
する前提として明日でもや
つて
貰いたいというのですが、
民間
のほうの
意見
はこの
委員会
の
審議
の
過程
におきましてその
提案
で聴取することができるりと思いますが、如何ですか。
結城安次
15
○
結城安次
君 結構ですそれで。
小林英三
16
○
理事
(
小林英三
君) それでは本日の
委員会
はこれにて散会いたします。 午後三時四十四分散会