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政府委員(
小笠公韶君) 御指摘の
通りに、
中小企業のこの金融問題の中で、一番大事なのは長期資金をできるだけ多く導入して来るということだと思うのであります。ところが
現状を見ますると、
中小企業への資金源が、まあ少い中でも特に長期の資金源が少い、こういうのはこれは実際だと私は思うのであります。従いまして、
中小企業へ長期の安定した資金を導入する
一つの方法として考えられますのが、御指摘のような見返資金の貸付債権と、復興金融金庫の貸付、
中小企業への貸付債権というものが一応考えられるわけであります。
只今お話の
通りに、この両資金から
中小企業へ貸付けられた債権は、開発銀行法の
改正案の中において開発銀行へ引継がれると、こういうことに相成
つておるのでありますが、私
どもの希望といたしましては、引継ぐ場所が開発銀行でも結構でありまするが、それを
中小企業へ再循環させるということをお願いいたしたいと思うのであります。そういうような趣旨で、開発銀行法の
改正に関連いたしまして、
政府部内におきましては、大蔵
当局等に強い要請を実は出しておるのでございます。開発銀行といたしましては、私
どもの聞いた
範囲では、
中小企業への直接の貸付というようなことは、まだやるような気配を見せておらんのであります。又実際問題からして相当煩雑なものがあると思うのでありまするが、これを特定の金融機関に委託して扱わせるとか、いろいろな途が考えられると思いますので、私
どもといたしましては、この開発銀行に引継がせまする見返資金から貸した債権というものを
中小企業へ再循環させるということを
是非実現いたしたいものと考えておるのであります。できれば復興金融金庫の面につきましてもそう考えておるのであります。これはお
手許にございまする
資料の中にありまするように、見返資金の分が、いわゆるエード資金だけで三十三億というのが一昨年の一月に
施行してから本年の二月二十九日までの見返資金からの分だけであります。更に二十七年度といたしましては、見返資金の分として二十億が
予定されておりますが、これが全部消化されますと、ここに五十億余という金が長期資金として財源になるのであります。それから復興金融金庫の
中小企業への貸付は、最後にございますように、相当大きな
金額にな
つておるわけでありますが、これもできれば私
どもといたしましては、この中には若干取立のために更に金融をつけるというような必要が起る場合も相当あると思いまするが、これを引継いで行くということにいたしたいと考えておるのであります。私は少くともこの見返資金だけは、再循環させるという方向に進みたいものだと考えておるわけであります。
お尋ねの第三点の長期資金源を得る
一つの方法として資金
運用部資金から、例えば商工中金が金融債の引受けのほかに直接に借入をするという途が開かれることを実は希望いたしておるのであります。ただ従来資金
運用部資金の規定が、この一般会計から直接に貸出のできるものは特定されておりまして、その特定されたものが全部パブリツク・コーポレーシヨンと申しますか、半
政府的な機関にのみ貸付けるということに限定されておるのであります。従いまして商工中金であるとかというふうなものを考えて見ますると、そこに貸付をする機関の性格論が若干出て来るのじやないかということを実は心配いたしておるのでありまするが、この点を何とか
解決して、そうして直接の貸付の途を開くという方向に進みたいと思
つておる次第でございます。
以上
簡單でありますが……。