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1952-03-24 第13回国会 参議院 通商産業委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月二十四日(月曜日)    午後二時六分開会   —————————————   委員の異動 三月十九日委員下條恭兵君辞任につ き、その補欠として小松正雄君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     竹中 七郎君    理事            古池 信三君            小林 英三君            結城 安次君    委員            重宗 雄三君            中川 以良君            松本  昇君            高瀬荘太郎君            小松 正雄君            島   清君            境野 清雄君            西田 隆男君   衆議院議員            神田  博君   政府委員    通商産業大臣官    房長      永山 時雄君    通商産業省通商    振興局長    井上 尚一君    通商産業省通商    企業局長    石原 武夫君    通商産業省通商    鉄鋼局長    葦澤 大義君   事務局側    常任委員会專門    員       林  誠一君    常任委員会專門    員       山本友太郎君    常任委員会專門    員       小田橋貞壽君   説明員    資源庁次長   岡田 秀男君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○公益事業令の一部を改正する法律案  (衆議院提出) ○輸出信用保險法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命  令に関する件に基く通商産業省関係  諸命令措置に関する法律案内閣  提出衆議院送付) ○通商及び産業一般に関する調査の件  (石油開発に関する件) ○日本製鉄株式会社法廃止法の一部を  改正する法律案内閣送付) ○商品取引所法の一部を改正する法律  案(内閣送付)   —————————————
  2. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) これより通産委員会を開きます。  最初公益事業令の一部を改正する法律案議題といたします。  本案は衆議院議員神田博君ほか二十七名の提案にかかるもので、衆議院では二十日に本会議を通過しております。先ず神田君の提案理由説明を求めます。
  3. 神田博

    衆議院議員神田博君) 私から公益事業令の一部を改正する法律案提案理由説明いたします。  本法律案の趣旨とするところは、本年度をもつて一応いわゆる公納金納付期限が切れますので、公納金制度の由来なりその性格なりに鑑みまして今後も公納金制度を存続しようとするにあるのであります。  公納金と申しますのは、一般に知られておりますように、昭和十六年勅令第八三二号配電統制令に基きまして従来配電事業を公営として行つておりました地方公共団体がその経営する配電事業設備一切を当該区域配電株式会社に対し、強制的に現物出資せしめられたために、出資いたしました地方公共団体出資後における財政上の支障を考慮して、同令第三十四條第一項の「配電株式会社は、命令の定むる所によりその成立の日より十年を超えざる期間出資又は讓渡をなしたる者に対し、一定金額を支払うべし」と規定するところによりまして、当時の配電株式会社から、出資又は讓渡した地方公共団体に対し、その地方公共団体が毎年四月から翌年三月に至る一年間に、出資又は讓渡して得た株式の配当金、現金の利子及び出資又は讓渡した電気設備又は事業について收納すべき公租公課合計額電気供給事業利益金の九五%に達しないときに、これに達するまでの金額納付せしめたのであります。而してこの納付すべき期間を十年と限定いたしたのであります。  ところで、配電統合は、「高度国防国家建設」という当時の戰争目的に応じて、国家総動員法に基く勅令に基いて地方公共団体の猛烈な反対を押切つて行なわれたものであり、地方公共団体としましても、国策としての配電統合にその意に反しながら協力せざるを得なかつたものであります。従いまして、出資又は讓渡いたしました地方公共団体は、戰争が終結しその目的を失うと同時に再び元の姿において電気供給事業を経営できる期待を強く持つていたのであります。然るに戰争の終結後は勿論このような措置をとられるに至らず、電気事業編成によつても、事実上その途は開かれなかつたのであります。この間におきましても、公納金制度だけは、終戰によつて配電統制令が失効いたしましても、改正電気事業法中に踏襲せられ更に公益事業令中に再び踏襲せられているのでありまして、旧配電株式会社の債券は新電気事業会社に継承ぜられたのであります。勿論このような措置配電統合によりまして、著しい財政上の支障を来たした地方公共団体配電事業よりの收益を十カ年間保障するということによつたのであります。  ところで、公納金を十カ年間と限定いたしましたのは、如何なる理由に基くものかと申しますと、十カ年間たてば、統合目的も失なわれ再び元の姿において地方公共団体当該事業の経営ができるであらうという期待があつたことと考えられるのでありますが、それが実現せられない今日未だ出資又は讓渡に基く財政負担を負つている地方公共団体に対し、公納金制度を存続して行く必要は当然のことであります。即ち統合前においてこの事業会計から一般会計相当多額の繰入を行つていたばかりでなく、出資又は讓渡いたしました地方公共団体は、未だその事業建設のための公債の償還も終了していないばかりでなく、統合によつて引き継いだ職員の退隠料、遺族扶助料も支払つて行かなければならないのでありますから、これらの確実な基礎財源として、出資又は讓渡いたしました電気供給事業設備又は事業を再び地方公共団体に復元することができる立法措置がなされるまでの期間、この公納金制度を存続しようとするのであります。  尚該当公共団体は青森、宮城、山口、高知の四県、東京、京都、大阪、神戸、靜岡、仙台、金沢、一関、苫小收、酒田、宇治、都城の十二都市、外四十二カ町村に及んで居ります。  これが本法律案提案いたします理由であります、
  4. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 質疑は次回に讓りたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  6. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 次に輸出信用保険法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員のかたに申上げますが、今出席政府側委員通産大臣官房長永山時雄君、通商企業局長石原武夫君、通商振興局長井上尚一君その他説明員が四人ばかりおられます。先ず第一に井上振興局長より内容につきまして説明をお願いいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) さよう取計らいます。井上振興局長
  8. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) 輸出信用保險法改法律案衆議院のほうでも目下まだ審議中でございまして、本委員会では予備審査をお願いするわけでございますが、先般改正法律案と同時に改正要綱というものを皆さんのお手許に差上げましたつもりでございますが、法律案のほうはいろいろ技術的に複雑になつておる関係上、若し要綱のほうを本日お持ちでございますれば、要綱のほうを成るべく御覧願いたいと存じまするが、簡單にその改正内容概略申してみたいと存じます。  輸出信用保險法昭和二十五年三月三十一日に施行になりまして、いわゆる甲種保險というものを内容といたしまして実施を進めて参りました。皆さんすでに御承知の通りでございますが、外国為替制限、輸入の制限禁止だとか、或いは我が国からします輸出制限禁止でございますとか、或いは戰争内乱、暴動というようないわゆる非常危險によつて輸出契約上こうむるべき損失をカバーするというのがこの甲種保險内容でございます。引続きまして、去年の十二月にこの法律改正を加えまして、いわゆるプラント輸出に対しまして信用危險を担保する内容改正を行い十二月一日から改正法律実施に相成りました。今回は従来のこの輸出信用保險法の運用の経験に徴しまして、甲種保險内容に多少の改善を今回加えました点と、それから新規丙種保險丁種保險というものをこの制度新規に追加したというのがその内容でございます。  甲種保險改正点について申しますと、いわゆる被保險者範囲を、従来は輸出者のみであつたのプラント輸出等生産者をもその被保險者に加えるということに改正しました点が第一点。  それから甲種保險損失填補範囲拡大をやろうという点が第二点。この損失填補範囲拡大と申しますのは、戰争内乱等の事由によつて海上運賃、乃至は海上保險料増嵩を来すという場合に、いわゆるそういうような理由によつてエクスポーターに生ずべき損失のカバーでございますが、これも一例を申しますと、例えば近東の情勢が逼迫して来るという場合に、いゆわるスエズ運河経由で以てこちらから輸出契約成立がそこにあつたという場合に、そのスエズ運河の通行が困難になつたという場合に、南阿を廻ることによつて生じまする海上運賃保險料増嵩を来す、そういうような危險を今度新規にこの損失填補の中に加えようというのであります。  それから甲種保險制度改正の第三点としましては、従来は比例填補制であつたのでございますが、これを制限損填補制ということに、これはやや保險方法の問題でございますが、そういう点に改正を加えました。  次に甲種関係としまして、改正の第四点としましては、従来は政府保險金支払限度というものを設けておつたのでございます。これを保險引受限度に切換えるというのが甲種保險制度についての改正の要点であります。  次に丙種保險創設の問題でございますが、これは契約成立しまして金融機関がこの輸出契約の履行に必要な生産加工集荷に関する資金融資をするという場合に、政府があらかじめ各銀行と包括的な保險契約を締結しまして、そうして満期にこの銀行からのエキスポーター等に対しましての回收がないという場合に、当該貸付金額の七割五分というものを政府保險金としまして銀行にこれを交付するという方法を通じまして、いわゆる輸出金融円滑化を期するという点と、そうして従来これは同種の制度戰前にも、いわゆる輸出補償制度としましてあつたのでございますが、戰前輸出補償制度とはやや異なりまして、こういうふうに保險金政府のほうから銀行に交付をするという場合に、銀行としましては貸付金債権としましては当然続くわけではございますけれども、この場合において、この取立てについて数カ月乃至は一カ年間これの猶余を認めると、そういう方法によりましていわゆる輸出関係業者がこの輸出の不能によつて生じました損失回收するに十分なるここに時間的の猶予を一応設ける、そういう方法でございます。  この保險対象としましては、銀行が普通は契約成立しまして、その輸出契約によつて生ずべき生産加工集荷に必要とする資金の融通というのが原則ではございますが、場合によりましては輸出契約成立がない場合に、この生産加工集荷に要する金融、言い換えれば一種の見込生産金融と申しますか、そういうケースもこの保險対象として一応認めてあるわけであります。  なおこの今般の丙種保險制度につきましては、今日の滞貨の事情貿易事情等から考えまして、これをドル地域向け輸出と或いはドル決済條件の場合の輸出契約というものに限定して、これを実施する予定であります。  なお保險料率につきましては、一応通常の場合には日歩四厘、それから契約成立のない場合、即ち見込生産金融の場合につきましては日歩八厘という程度料率をきめたいと考えております。  なお満期になつて、その当該金額回收がない場合には、政府銀行に対しまして保險金、言い換えれば融資金額の七割五分という金額を交付するのでございますが、銀行がその有しまする債権を、逐次その権利の行使によりまして回收金額がここに入つて参りました場合は、その回收金の七割五分というものをその都度銀行から政府に対して納付をすると、そういう方法でございます。  大体以上が丙種保險内容概略でございまして、繰返して申しまする通りに、こういう保險という方法を通じまして、銀行がいわゆる輸出金融につきまして積極的に十分なる金融円滑化を期して参るという効果を考えておりますると同時に、輸出者がこの契約実施の困難、輸出の結局不能ということから生じましたその損失回收するに十分なる時間的余裕をここに設けようというのが、この丙種保險制度狙いでございます。  次に今般の輸出信用保險の大きな改正の第三点は、いわゆる丁種保險制度創設でございますが、これは一定地域一定商品について広告宣伝費用を投下するという場合に、実際その商品をその地域に売つてみる。が結局どうもかんばしくないという結果、結局広告宣伝費用回收が十分できないという場合に、このよつて以て生じました損失の半分を保險金額として、この丁種保險という方法を通じて救済をしようと、その損失填補をやろうというのがこれの狙いでございますが、この丁種保險制度につきましても、先刻申しました丙種保險と同様に、今日の貿易事情等から鑑みまして、これをドル地域に限定して実施をする予定でございます。この広告宣伝費用保險は非常にいろいろ技術的にはなかなかむずかしい点があるのでございますが、言い換えれば政府輸出者又は生産者の申込に応じまして、当該輸出商品の品質だとかその他いろいろな点を考慮しまして、今後の輸出が特に有望であると考えられるようなそういう場合に限りまして、この広告宣伝費用保險をこの際やる。この保險料率の点につきましては、これも丙種保險保險料率と同様に政令で以て規定する予定ではございますが、一応三年乃至十年という範囲内におきまして具体的にこれをきめて参る予定でございます。  今般の輸出信用保險法改法律案が国会の審議を若し了しますれば、来る四月一日からこれを実施をしたいという予定でございます。なお予算的措置としましては従来の基金資本金は従来は二十億であつたのでございますが、今般これに一般会計のほうから十億の繰入を考えております。  大体極めて概略ではございますが、今度の輸出信用保險法改正の概要を申しました次第であります。  なお法律的な問題につきましては、極めて事務的な技術的な点が一、二この法案の改正事項として入つております。詳しい点は又御質問によつて申上げたいと思います。
  9. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 委員のかたの御質問を願います。
  10. 松本昇

    松本昇君 今の井上局長お話料率ですが、丁種の分を三円から十円というのは何を基準にして三円から十円というのですか。
  11. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) これは保險金額千円について三円乃至十円のその範囲内で保險料率をきめる。
  12. 松本昇

    松本昇君 商品別に変るのですか。
  13. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) そうです。
  14. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 私からちよつとお聞きします。丙種丁種とありますが、その予算措置は十億だと言われましたが、丁種丙種とではどのくらいの割合になつておるのか。そして丁種の問題に対しましては余り日本は、この頃あつちから帰つて来たかたからいろいろ説明を聞きますと、何といいますか宣伝が非常に遅れている。ポスターなんかでも非常に下手であつてアメリカ、或いはほかの国は何といいますかポスターなり或いは見本の広告というものは非常に立派なものである。日本は非常に簡單であるから物がよくても悪く見えてしまう。こういうことに対しましてこの見解はどういうふうにお考えになつております。
  15. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) 第一点の基金関係でございますが、この改正法律案の第一條の七によりまして甲、乙、丙、丁各保險を通じまして契約限度というものを設けることに相成つております。甲種保險につきましてこの二十七年度の予定保險金額としましては一応二百億円というものを、それから乙種保險につきましては七十二億、それから丙種保險につきましては三百六十億、これは予算総則中にこういう金額につきましては保險契約引受金額限度としまして入つておるのでございますが、最後丁種保險につきましては予算編成の時期までには、これの内容関係各省間でまだ協議が十分付きません関係上、今般の法律改正案最後の附則に二十七年度に限りまして、丁種金額は約一億というふうに限度を設けましたようなことになつております。これで二十億に加えるに十億合計三十億で一応甲、乙、丙、丁の全部を通じまして我々收支の一応の見込計算は持つているのでございますが、非常に計数が面倒になりますのでここの御説明は省略したいと思います。
  16. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) この丙種は一億だというような御説明でございますが、日本の先ほど申しましたカタログその他が非常に貧弱で、だからこの一億ばかりでやりますと今のカタログを作るにしても相当金がかかります。結局日本商品カタログというものが貧弱のために売れないというように考えられますが、今ではさようには考えられませんが、今後どんどん進出する上におきましてこういうカタログなんか立派にやらなければ、或いは宣伝その他のポスターいろいろなものを考えなければいかんのではないか。一億ばかりやりましても実際その効果はどうか。
  17. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) 現在の日本貿易業界宣伝広告等の実情からいつて丙種保險保險金額は一億という程度では未だ小さいというような御意見ではございますが、これは一応先刻も申しましたようにこの宣伝広告費を出しましてそうしてその結果、その効果としまして輸出がそれだけ伸びれば別段差支えはないのでありますが、この宣伝広告費を出しましたその費用回收期間回收率というような観念をここに加えまして、その必要なる回收期間に一応予定しております程度輸出が十分伸びないという場合によつて生じた損失の半分程度をこれで見ようというのであります。我々の一応の構想としましてはこの宣伝広告費用の適用の対象となります品目は事柄の性質上いわゆる銘柄品目といいますか、銘柄通つた商品であり、且つアメリカ等ダラー地域に限つて実施しようというのでございます。今具体的に適例を申しますと丙種保險制度対象品目としましては映画でございますとか、或いは紙パルプの帽子でございますとか、或いは今後いろいろ工作機械その他雑貨品等もこの丙種保險利用が逐次殖えて参ろうかと存じますが、一応差当つて費用対象というものを前提としまして計算しますと、最初出発点としましてはこの程度保險金額で一応いいのではなかろうか。なお本制度が幸い非常に利用範囲が拡がつた結果、損失がかなり出て来るような場合には、或いは法律改正補正予算というような方法を通じましてこれの増額について改めて御審議願いたいと考えております。
  18. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) では続いて御質問いたしますが、そういたしますと、輸出を振興してドル地域に進出しよう。そういたしますとどうしてもこのカタログその他の損失というものが大きくなりますか、今政府の考えておられるのは遠い所に今後ブラジルとか南米方面に進んで行かれるのか、或いはその他の方面に進まれるというのか、その点伺います。
  19. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) 現在すでに映画界のほうでは今般の丁種保險制度の問題について相当関心を持つているように聞いておるのでございます。なお先ほど申しました紙パナマそういつたようないわゆるバンコツク・ハツトと称しております、こういつたものにつきましては北米での今後のマーケツト相当大きいというふうに聞いております。なお今申しましたような或いは機械関係等について今後北米或いは中南米、今後の問題としましては特に南米方面相当販路の将来性が大きい。かように考えまして、この丁種保險利用効果としまして今後いわゆるダラー決済條件方面にそういう新規商品の進出について相当効果期待できるかと考えております。
  20. 小林英三

    小林英三君 この丁種保險制度ですが、これは政府としてはかなり思い切つた積極的な保險だろうと思うのですが、今局長からお話のありましたように有望な銘柄今ちよつと承つておりますと映画とか或いはパナマ帽とかいう極めて小範囲になつているように聞いておるのですが、大体有望な銘柄商品という問題なんですが、こういうものに対して政府が従来その地方地方における外国人嗜好或いは形、デザイン或いは色だとかそういうふうなすべての商品について、戰争直後は仕方ありませんが、すでに独立国として立とうとしている最中でありますし、而もこういう積極的な保險を今度開始して行こう、こういう問題について政府はつまびらかに輸出向き各地の状況を相当調査されて密接な連絡を図つておられるような機関がありますか。
  21. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) 今後の我が国商品販路の開拓という点から申しまして、外国の各地域々々における嗜好とか趣味とかそういつた点について十分な調査の必要があるということは今仰せの通りでございまして、従来民間機関としまして先般海外市場調査会という財団法人を設けましてこれに国庫のほうから補助金年額三千万円程度交付しました。この海外市場調査会機能はその会の名称通り海外マーケツトのそういう調査をやる、そうしてその情報を成るべく迅速に正確に收集提供するというのがその第一の機能です。この海外市場調査会は丁度作られましてからすでに一年とちよつとになりますが、現在全世界に約三十名程度調査員を設けまして今年度中にはこれを四十名乃至五十名程度に増員する予定でございます。この海外調査員を設けましてそうして毎週と申しますか、刻々海外からの情報を收集しまして、海外市場調査会情報を速報としまして関係方面にこれを配付いたしております。この海外市場調査会につきましては一般民間関係業者と同時に各地方公共団体のほうでも非常な関心を持つているのでございます。大きな商社におきましては逐次海外支店出張所ということもだんだん進んで参りますが、なお併し今日の現状見ますれば大体北米が中心でございます。このほかにパキスタン方面はやや支店出張所があるという程度でございます。中南米、アフリカ、近東方面にはまだ貿易関係業者情報網というものは極めて貧弱な現状でございます。今後海外在外公館等の増設と相待ちまして、こういう海外市場調査会機会をますます拡充強化して参りたいと考えております。  それからなおこういう常設の機関としまして今申上げました海外市場調査会調査網と並行しまして、有望なマーケツトには随時日本商品見太市或いは海外博覧会等計画の場合に、日本としてこれに参加をしております。従来はパキスタンのカラチ或いは去年のシヤトル、サンフランシスコ等がありまして、今年といたしましては三月中旬から南米のほうでブラジル日本商品フエアを目下開催中でございます。今後の計画としてサンフランシスコ、トロント、シカゴ、シアトル、ニユーヨーク或いはブエノスアイレスというような地にそういうフエア機会を通じまして、こちらのほうからいろいろ日本商品の新しい優秀品をどんどん積極的にこれに加えて出品するという機会を通じまして、海外の流行なり趣味なり嗜好なりそういつたものにつきまして具体的にこれを十分把握して参りたい、かように考えております。
  22. 小林英三

    小林英三君 大体わかりましたが、この丁種保險制度ということは今私が申上げましたように、宣伝をしてその効果が上らん場合の損失をカバーする、こういうのでありましようと思うのでありますが、私がそういうことを先ほど局長にお伺いしましたのは、終戰後二、三年来よく外国アメリカあたりから来ている人を招待して各地で開かれた貿易品展覧会等をよく私見たことがあるのですが、日本人が戰争前にこれが売れたというからこれを作つたなら売れるだろう、或いはこれはアメリカ人の嗜好に合うだろうというような日本内地におけるメーカー自身の独自の考えで売れるだろうというので作つて陳列しておつたが、外国人に聞いてみますとこんなものはアメリカでは売れない、これをもつと値段は高くてもいいからこういうふうにしなくてはといつてつたのを随分聞いたのでございます。私はこの間アメリカに参りましたときもかの地の人に、又在米邦人にもいろいろ意見を聞いておつたのですが、どうも日本商品というものは安いには安い、併しデザインだとか或いは形の上において最後の一点でちよつと抜けている点がある、この点を注意したらばどんどんアメリカあたりでも非常に売れるだろうという注意もかなり私どもも聞いておつたのですが、つまり外国品に比べてまずい品物をいくら宣伝したところが、その宣伝したときは売れるかも知れませんけれども、向うへ行つて今度二度目に使うときにはもう信用がなくなつてしまう。宣伝したそのときは売れてもあとは駄目だというような宣伝じや幾らしても駄目なので、私が今お伺いしておりますのは、メーカーみずからが外国に行つてどんどん現地を視察して来ることが一番好ましいことですけれども、これはわれわれ費用関係からいつて、今後は大会社などが向うに行くだろうと思いますけれども、政府の指導する機関がただ向うに政府の官吏だといつて行くばかりでなしに各地の專門家が行つて、そうして向うの事情を見てそれを密接に連絡をしてそれによつて指導して行く。ただ人だけ行つたのでは困るのです。そういう專門家が行つて業者に代つて現地の視察をされる、そういう方面のことが私は必要だろうと思うのですが、この丁種保險の(三)にも書いてありますが、当該業者の能力、経験、海外および国内市場の現状と見通し等を審査して、特に有望と認められる場合に限つて(二)の費用について保險契約をするということになつているのです。こういう問題とそれから今の有望な銘柄品というような関係と結び付けて丁種保險を考えますときに、ただこの目的は積極的ですから、これは非常によろしいのですが、果して今後もますます外国に売れるような商品についても、それを指導して、そうして進んでこういう丙種保險制度宣伝費までもカバーするような方法に導いて行かなければならない。その目的は非常に結構だと思う。それをやるには業者は勿論でありますが、やはり政府がそういう方面の生きた指導をして行く必要があるのではないかと思うわけです。そうしなければ幾らこういう保險ができても実際の用にならないのではないか、用になつても極めて効果が少いのじやないか。こう考えるのですが、今海外等に出ておりますところの政府のいわゆる派遣員というものが相当の專門家が行つておりますか、その点ちよつとお聞きしたいと思います。
  23. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) 現在海外派遣の政府の要員中には、別段商品々々についての專門家というものは極めて少数といいますか殆んどないのではないかと考えておりますが、なお先ほど申しました点に追加して申したいのでございますが、海外市場調査会のほうのその事業の第二としましては、海外競争商品の收集ということを現にやつておるのであります。これは先ほど申しましたような海外の駐在員、調査員を通じ、或いはこちらのほうから渡航の機会をとらえましていろいろな商品についてのその專門家等にいろいろ委嘱をいたしまして、海外での競争商品の收集ということもやつてつております。先般相当数のいろいろ繊維、雑貨その他の海外競争商品を收集しまして、これはヨーロツパ各国、或いは相当世界各国にまたがりましての競争品を收集しまして、これと日本の優秀ないろいろな商品を合せて展示をする、そういう展示会、博覽会も先般来東京を中心としまして全国主要地で以てこれを開催中でございまして相当効果があつたように考えております。なお近くこれは陶磁器といいますか、民芸関係の有名左專門家でございますが、欧米出張の機会にこの海外競争品の收集の経費を多少このかたに委嘱をいたしまして、そういう專門家の観点からしました海外の優秀競争品というものを広く收集したいと考えております。今日までの方法としましては、大体そういうふうなことでやつてつております。
  24. 小林英三

    小林英三君 大分よくわかつてつておりますが、その海外の競争品の優秀なる物を收集してそうして日本に送つてつておるということは結構でありますが、單に展覽会等において漠然と見せるばかりでなく、この間もパーカーだとかロンソンだとかの侵害等の問題が向うから問われているようでありますが、そういうものに対してもやはり特許関係、或いは実用品新案、そういうものを十分調査して、そうしてこれはこういう点とこういう点が特許関係に触れるというようなことで、どんどんそういう関係業者にそれらの競争優秀品を貸付けて、そうしてそれ以上のものを考案設計して海外嗜好に応えるというところまでやつてお出でになるのでしようか。
  25. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) そういつた方面につきましての政府のやり方は必ずしも十分ではない点もあつたかと存じますが、そういう方向に今後一層我我のほうとしましても勉強して参りたいと思つております。
  26. 古池信三

    ○古池信三君 ちよつと二、三お尋ねいたしますが、我が国輸出振興のためにいろいろと工夫をこらして新規制度を考えて行かれることは非常に結構だと思うのでありますが、ただ実際の面において果して十分に業界において利用されるかどうかという点についてお尋ねしたいのであります。例えば第三の丁種保險、これは今度新規に行われるわけでありますが、この輸出金融関係の信用保險ということは御趣旨としては非常に結構なことであり又やつて頂くべきだろうと思うのでありますけれども、先般中小企業の信用保險の問題がありました場合に、我々も趣旨としましては非常に結構だから賛成をいたしたのでありますが、それはこの輸出金融とは問題は違いますけれども当初予期したほどに実際においては利用されなかつたように、又現在も利用されておらんように聞き及んでいるのです。従つていろいろないい制度をお作りになつたとしてもそれが手続が非常に面倒だつたりその他の関係で、実際の面において利用されることが少ないということでは、折角法律改正されてもその効果が薄いのではないかと思われるのでありますが、そういう点について今回甲種を更に拡充された以外に丙種丁種という新しい保險制度創設されるわけでありますが、今後業界においても十分これらの制度利用されるという確信は政府はお持ちでありますかどうでありますか、これを一つお尋ねしたいと思います。
  27. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) 丙種保險制度につきましては先刻申上げました通り、これと大体類似の制度戰前輸出保証制度として相当効果が上つた制度でございます。今度我が国輸出金融の現状等から考えまして、この丙種保險制度については相当利用が更に期待し得るというふうに我々としては考えております。この問題点としましては貸付金額の七割五分を政府保險金として銀行に対して払う、言い換えれば保險金融資金額の七割五分であるのでございますが、これに付け加えまして六大府県のほうでは地方としましてこれの追加保險を是非やりたいという空気がかなり濃厚であります。一、二の府県につきましてはこれに一割五分とか二割とかいうようなものを追加して、保險制度実施を今もうすでに準備に入つているというような状況であります。地方公共団体としましてもこの制度についてかなりの関心も持ち、又地方の業者も現地において相当この制度利用についていろいろ積極的な指導をやつて行くということについて我々のほうでも期待を持つているようなわけでございます。なおこの契約の締結の方法は、先刻も申しました通り政府が一々の契約につきましてやかましくこれにチエツクを加えるということはないのでありまして、政府は各銀行々々に対しまして保險金額の枠を設けまして、銀行政府の間で包括的な保險契約の締結をやる、そうして銀行融資をやります都度、これは保險に加えたほうがいいという場合は銀行から單に政府のほうに通知をするということによつて政府のほうへの銀行からの一方的通知によりまして、政府銀行保險関係に当該融資契約につきまして自動的に保險対象としてこれが入つて来る、そういう簡便な方法も考えておるような次第であります。問題は保險料率の点であるかと存じますが、先刻も申しました通り大体日歩四厘乃至いわゆる輸出契約成立のない見込生産の場合にはやや危險率が大きいという理由でもつて日歩八厘程度考えているのでありますが、大体日歩四厘という程度の負担でありますれば、これは業者のほうとしましても十分その負担に堪え得るというふうに考えております。  なおこれは形式的に申しますれば政府銀行保險契約でございまするから、銀行政府に対しまして今申しました保險料率を払う、出すということになりますが、まあ実際の運用の効果から申しまして我々としましてはこれを融資先、即ち輸出業者等にその保險料の負担を事実上そちらに転嫁し得るような方法を講じたいと考えます。この問題につきまして目下大蔵省方面と鋭意交渉中でございます。この保險料の負担の転嫁が可能であるということになりますれば、これは相当技術上丙種保險制度利用の度合というものはかなり大きくなる、活発になるというふうに我々としては考えております。  なお丙種保險制度收支の予想見込としまして、大体ドル地域向けの今後の輸出の見込額の約四〇%程度がこれに加入するのではないかというふうに考えております。
  28. 古池信三

    ○古池信三君 いろいろお考えになつて誠に結構でありますが、特にこの丙種保險金融機関が喜んで協力をしてくれる態勢にならないと到底目的を達し得ないのではないか考えられるのであります。従つて十分に金融機関即ち銀行に理解をきせる、積極的に協力させるような方法をとる必要があると思うのですが、現在銀行方面ではこの制度については歓迎をしているのですかどうですか、これについてお尋ねしたい。
  29. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) 輸出保險制度の重要事項については輸出信用保險審議会という機関政府にございまして、今般の法律改正につきましても当然その審議会の議を経ましたわけでございますが、その審議会には民間のほうから銀行保險会社、貿易関係業者がこの審議会の委員に加わつておりますが、この審議会の委員としましてもこれは非常に結構な制度であるということで相当関係業界のほうではこの制度に対する期待が大きいかと考えております。この本制度の立案研究の経過中途にもいろいろ関係方面、なかんずく外国為替銀行方面にはこれはいろいろな機会を通じまして、この制度内容について説明を聞きたいという会合等もしばしばございました。そういうような協議会、懇談会の空気を通じましても、銀行方面では相当関心とこの制度利用についての相当な積極的な熱意を持つておるというふうに我我としては考えております。
  30. 古池信三

    ○古池信三君 先ほど申しましたように昨年以来この甲乙更に今回丙丁というふうに非常に保險範囲を拡げて来られたのでありますが、これは今後もこのほかいろいろな保險制度を拡張して行かれるようなお考えがおありなんでしようかどうでしようか。
  31. 井上尚一

    政府委員井上尚一君) 従来我々としましては英国その他の先進国のこういうような類似の制度につきましていろいろ研究を加えました結果、一応今日まで到達しました段階としてはこの程度のものでございまするが、これ以外になお在庫の保險でございますとか、或いはコンサインメントをやりました場合の保險でありますとか、そういうようなものがこの輸出信用保險制度対象として今後なお十分研究を加えてみたいと考えております。今日今後の問題としまして本制度に追加する関係は大体一応その程度のものと考えておりますが、近くこの方面の通産省の担当の課長を、この従来同様の制度実施をやり、相当長年の経験を有しまする英国、フランス、ドイツというようなヨーロツパの各国に出張を命じまして、なおそういう先進国でのこの保險制度の具体的な詳細な内容について研究を加えてみたいと考えております。
  32. 古池信三

    ○古池信三君 最後に少し資料を要求したいのですが、今までにこの甲種と乙種と実施されて以来の実施状況につきまして、何かまとめたものがありましたらこの次の機会で結構ですから資料をお渡し願いたいと思います。  それからもう一つは今回のこの甲種の拡充並びに丙種丁種の新設によりまして大体の見積りとしてどんなふうな收支の予算を考えておられるかどうか。これの無論概算でありますから正確なものの予想はできないでしようけれども、何かそういうものを考えておられたらこれも一つ御提出願いたい。  それから最後に今回の法律改正によりますといろいろ政令に委任されている点が多いように思われるのでありますが、その政令の要綱の何でもできておりましたらそれも一つ次の機会に示して頂きたい。これだけ以上三つを資料として要求いたします。
  33. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) なおこの信用保險改正がドル圏輸出にどのくらい役立つものかということについて、ポンド対策と併せまして明日午後一時から銀行側、輸出商側、メーカー側から参考意見を聞きたいと存じますから御出席を願います。   —————————————
  34. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 次の議題に移ります。  ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係命令措置に関する法律案議題といたします。本法案は去る二月二十三日に衆議院で可決、当院に送付されたので、すでに一カ月以上も経過しておりますので何とぞ本格的審議に入つて頂きまするように委員長からお願いいたします。先般は提案理由説明だけ聞いたのでありますから、内容をもう少し詳細に当局から説明を願います。
  35. 永山時雄

    政府委員永山時雄君) 先般提案理由を御説明申上げたようでございますので、従つて一応逐條的にごく概略説明を申上げます。  この法律は御承知のようにいわゆるポ政令につきまして今後存続するものと、廃止するものと、それから存続をする場合におきまして改正をして存続するものと大体こういうようなものにつきまして規定をした法律でございますが、この法律の第一條と第二條、それから第三條、これは現在ありまするポ政令を一部改正をして存続をしようというものでございます。で、法文の中にもございますような従来政令の中に「連合国最高司令官の指示に従い」という文句がそれぞれ入つてつたのでございますが、講和発効後におきましては不必要な字句でございますので従つてこれを削除しようというのが第一條から第三條までの改正内容でございます。  それから第四條でございますが、これは今後存続をすべき命令につきまして一応規定をいたしたのでございますが、これは今申上げました第一條から三條までで一部改正をして存続をいたしますその法律のほかに、この第四條で一号から七号まで掲げてあります法律につきまして今後存続をしようということでありますので、内容は第二号の、「重要産業団体令を廃止する等の勅令、附則第三項及び第四項」は、いわゆる統制令の清算に関する規定でございまして、清算の関係がまだ結了がしていないものがございますので、従つてその関係だけ活かしておこうということで実体的には内容はないものであります。それから二号以外の第一号から第三号以下各号の法律は、やはり実体的にはこの法律はすでに廃止済みのものでありまして、ただその廃止のときにそれぞれ経過規定で罰則の関係だけを規定してあるのでございますが、引続きこれらの経過的な罰則につきましては存続の必要がありますので、従つてこれを存続するということで、内容的には格別御説明を申上げるほどのものではないと思います。  それから第五條はこの法律施行後廃止をしようというものをここに掲げたのでございますが、この中で一号の「連合国人の特許発明等の実施状況調査に関する勅令」、二号の「重要物資在庫緊急調査令」、五号の「工鉱業関係会社の事業報告書に関する件」、六号の「生ゴム、ニツケル地金、錫地金又ハアンチモニー地金ノ調査報告ニ関スル件」、八号の「鉛の調査報告に関する件」、これだけはこの内容一定の期日までに一定の報告書を出させようというものですでに用済みのものでございますので、これを当然廃止をしようということでございます。それから第七号の「絹織物及び絹メリヤス生地の検査及び蒐荷に関する件」、これは絹織物又は絹メリヤス生地について検査の義務を課しまして、検査を受けたものを一定のものに讓渡することを命ずるということで現在ではかような実体的な必要がございませんので、これも廃止をしよう。九号の「化学肥料の緊急増産に関する件」も終戰直後の肥料の非常に不足した事態に備えた政令でございまして、従つて現在すでにこういうようなものは必要なしということで、やはり廃止をしようということでございます。十号の「パイプ類臨時措置規則」も終戰直後進駐軍用の需要に当てるためのパイプ類の供給を確保しようという意味で作つたものでございまして、従つてこれも現状においては必要なしということで廃止をしようというのがそれぞれの内容でございます。それから第三号の「特定標章の使用の禁止等に関する政令」、これは連合軍の中央購買局いわゆるCPOでありますが、これに類似する名称なり、CPOそのものの標章の使用を禁止した内容でございますが、これも講和條約発効後は必要がないので、従つて廃止をしようということでございます。四号の「財閥標章の使用の禁止等に関する政令」、これは財閥標章についてはすでに抹消義務を課してその新規の使用を禁止しているのでありますが、すでに財閥の解体が終了をいたしておりまして従つてこのような法律の必要が認められないということでやはり廃止をしようというものでございます。第六條、第七條はやはり経過規定でございまして、特定標章、或いはその類似標章、そういうようなものについての無効審判についてこの法律施行後も従前の例によろうという経過的な措置でございます。第八條はやはり御覽の通り経過規定でございまして、第五條でそれぞれ法律を廃止するわけでございますが、それらの廃止法律の罰則についての経過規定というわけであります。第九條は、第六條から第八條の経過規定のほかに、なお経過措置が場合によつて必要なものも考えられますので、従つてそういうようなものにつきまして必要に応じて政令で定めるということにしようというのがこの九條の意味でございます。
  36. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 御質問がありますか。……ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  37. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記を始めて下さい。では本問題は次回に讓りまして、次の議題に移ります。   —————————————
  38. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 石油開発に関する件を議題といたします。本件については島委員より質問の通告があります。島君の発言を許します。なお島君に申上げますが、政府側からは岡田資源庁次長出席されております。
  39. 島清

    ○島清君 私は目下本委員会にかかつておりまするところの法案と関連をいたしまして帝国石油の問題を政府側に質したいと思つているのであります。大体この問題は、私の知つている限りにおきましては、一つの問題として反響を喚び起した非常な大きな問題として扱われておるのであります。私が議会関係から見ましても、二十六年十一月十七日に本委員会におきまして私が勧告の趣旨に基きまして政府側に質したのを皮切りにいたしまして、更に二十二日には参考人を喚問いたしまするし、同じく二十二日には衆議院の安本委員会におきまして自由党の志田議員から会社側の侵しておりまするところの勧告の無視と、更に高津配当の不合理さを衝いて質問をやつておりまするし、更に今年になりましてから二月の十九日に、同じく衆議院の予算委員会におきまして、中曽根議員から、これは政府高官筋のこの問題に関連をいたしまする汚職問題の疑惑を受けるような発言がなされておるのであります。更に越えての三月の五日には同じく衆議院の労働委員会におきまして、森山議員から正しく国家の資源を守ろうとするところの労働組合の幹部に不当な彈圧をなしたという趣旨の下におきまして、同じく会社の経営のなつていないということ、並びに山陽会社と関連をして非常に不正があつたということと、更に勧告の趣旨を裏切るような秘密の指令がなされておつたということが詰問的に質問をされておるのであります。  以上が議会関係のことでありますが、更に又世論の側から見ますると、昭和二十六年の一月の十一日には時事新報によりまして、総司令部鉱山地質顧問ソーマートン氏の濫採に対する警告というようなことがとり上げられておりまするし、更に同じく二十六年の四月の十日には総司令部の天然資源局石油課長のL・W・スタツク氏が経済新聞社発行「石油と油脂」五月号に、日本の採油量と題して寄稿いたしましてその影響を警告しているのであります。十一月の八日には日本経済新聞がやつぱり帝石の問題を扱つておりますし、二十六年の十一月の二十五日にはニツポン・タイムズは、帝石の行為は国民に対する犯罪行為であると論断するところの記事を載せているのであります。二十六年の十二月の二十一日には石油経済新聞が帝石の助成金について取扱い、更に二十七年の一月二十五日には日本経済新聞がやつぱり帝石の問題を扱つているのであります。更に二月十一日にダイヤモンドの二月中旬号が帝石の問題をやつぱり批判しておりまするし、三月の一日には「経済批判」がやはり帝石の問題を取上げているのであります。三月の十三日には日刊工業新聞が同じく帝石の問題を取扱つておるのでございまして、国内の世論にも帝石の問題はこれほどまでに重大なるところの反響を与えているのでございますし、更にこれが又国内的の世論の反響ばかりではなくして、国際的にも大きな反響を与えておるのであります。  国際的に申上げますると、まあ大体司令部関係でございまするが、日本の石油資源の効率的な採油をなさしめるために総司令部側から招聘を受けて日本調査に参られましたところアメリカのカリフオルニア大学の教授で、ウイルバー・H・ソーマートン博士という人が、これは世界的の石油問題に対する権威者だそうでございまするが、この人が総司令部に報告書を寄せられたのを皮切りにいたしまして、同じく総司令部のほうで天然資源局の局長をやつておられましたところのスケンクさんがこの問題をしばしば扱つておられまするし、更にその下におられましたところのスタツクさんがやはりこういう問題を扱つておられるのであります。  議会の扱い方といい、更に世論の反響といい、その世論の反響が只今申上げたように、国内ばかりじやなくして、国際的な関係においても至大な影響を及ぼしているということが言われまして、大変な問題として私達が予想した以上に問題はあらゆる方面に反響を呼び起しているのでございまするが、更に私達がそうでないようにというて期待しておりましたが、会社側の不正が検察庁において摘発をされまして、これが昨日の朝日新聞によりますると、会社側のほうが家宅捜索を受けておるのであります。三十人くらいの係官が会社側に来られまして約三時間に亘りまして家宅捜索をしておられるのであります。告発を受けた当時に四トンくらいの資料を押收されまして更に家宅捜索を受けるということの事態を招いている。  非常な重大な問題でございまするが、それに対しまするに、政府側衆議院の質疑応答を見ましても、何か知らん、いつも調査報告であるという程度にその場限りの答弁をなされているように思いまするのは、大変遺憾でございます。私はこういつたような大きな反響を呼び起しておりまするところの大きな国家問題に対して、私が二度ならず三回目でございまするが、質問を通告いたしましたに際しまして、資源庁の長官がお見えにならないということはすこぶる私は遺憾でございます。なぜかと申上げますると、中曽根君の先般の衆議院の予算委員会におきまするところの質疑応答の中に、やはり疑惑を受けるような発言がなされている際に、資源庁の長官がその責任者でありながらこちらの方に見えられないということは私はすこぶる遺憾に堪えません。先ず私は質問に入ります前に、今日岡田次長が見えておられるようでございまするが、この問題は従来の答弁のように調査報告であるというようにぬらりくらりとしてその場を糊塗するという段階ではもうないと思つておりまするが、相当覚悟をきめて来られたか。例えば石油資源開発法等に照しますると、政府は資源庁長官の答弁の如何にかかわらず、相当会社に対しまして命令をするところの法的根拠も持つておりまするし、その法的根拠に基きまして或いは通産省の肚をきめて来られたかどうか。或いは大臣の許可、認可を受けなければならん問題であるならば大臣の許可を受けるとか、或いは省議を決定しなければならん問題であるならば省議を決定して来られたかというような最後的な、大体この帝石問題に対して最後的な決意をして本委員会に来られたかどうか。まず真先にこれから質問したいと思います。
  40. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 只今本問題につきまして議会の審議の経過、或いは一般の世論、新聞、雑誌等におきまする本件の扱い振り、又国際的な反響等につきまして詳細御説明があつたのでございまするが、私どもも本問題を相当重要な問題であると考えていることにおきましては決して人後に落ちない者でございます。  先般衆議院の労働委員会におきまして森山委員から質問がございましたときに、私はかようにお答えいたしたのであります。補助機械の問題につきましては私のほうで会社に質問をいたしましたところが、一応回答があつた。併しその内容が不十分でございまするので更に私どものほうにおいて資料を求めている。それが近く出て来るはずでありまするから、その上で法規違反の事実ある場合におきましては法規の要求する通りの処置をいたす。  それからコンサーヴエーシヨンいわゆる合理的採取の問題に関しましては、GHQの天然資源局スケンク中佐の指導なり御指示なりによりまして私どものほうでコンサーヴエーシヨンの委員会を作りまして、そこに本件に関する諮問をいたしまして具体的な勧告を得まして、それを土台といたしまして資源庁から帝石に対して勧告いたしております。又帝石からはそれを十分誠意を以て実行するという回答があるわけであります。然るにこの一月頃なんかそれと違反するような趣旨の社外秘の指令が本社から現地に出ているという、そういう事実をちよつと察知いたしましたので、係官を現場に派遣して調査いたしました。それに基いて会社に質問をいたしております。そしてその回答も近く出て来るはずでありますから、その回答を十分検討した上でその会社側の意図如何によりましては必要な我々としても態度をとるというふうな趣旨の答弁をいたしたのであります。  前の補助機械の問題につきましては予定の時期に会社のほうから回答がございまして、一件書類を全部検察庁のほうにとられておつて、検察庁側の調査の合間々々に自分らの命ぜられた調査を進めている関係上、私どもの要求いたしました日取までに回答できないことを一つお許し願いたいという回答が参つたのであります。  私どものほうといたしましては、検察庁のほうに対しまして書類を押收されて検察庁のほうでも捜査中でございまするが、私どものほうといたしましても本件については結論を早く出したいので一つ私どものほうの調査にも成るべく便宜を与えて頂きたいという連絡をいたすことにしているのであります。従いまして補助機械に関しましては未だ完全なる回答を得ておらん状態に相成つているのであります。  それからコンサーヴエーシヨンの関係につきましては相当厖大な返事を頂いたのでありまして、それを私どものほうといたしましてかなり技術的な問題にも関連がございましたので、又勧告そのものがコンサーヴエーシヨンの委員会の議を経て私どものほうが出した関係もございますので、土曜日にコンサーヴエーシヨンの委員会にお集りを願いまして、その現在までの事のいきさつを御説明いたしますと共に、向うから参りました回答についても御検討を願つたのであります。私どもといたしましてはその委員会の状況とこちらの得ておりまする回答とを十分整理いたしまして、その結果を省の最高幹部に御相談いたしまして、我々の態度をきめたいと、かような段階に至つているわけでございます。  最後の肚をきめて来たかという御質問に対しましては遠廻しの御回答を申上げているようにも考えますけれども、現段階がさような状態になつておることを申上げておきたいと思います。
  41. 島清

    ○島清君 私は非常に結論を先に申上げて或いは岡田さんは私の真意を把握しかねたかと思うのでございまするが、これが議会で問題になりまして、只今申上げたように昨年の十一月の十七日に私があなたたちの長官にお聞きをいたしましてから今日まで数カ月を経過しておるのであります。更に総司令部側のほうから採油管理のほうについて親心を示して、わざわざアメリカからその権威者を招聘をいたしまして調査をさせてからと言われましたのは一昨年の暮でございますからもはや数年間経過している。議会では問題になりましてからも数カ月を経過いたしまして、更に岡田さんから只今のようなお返事を頂くということは私は非常に遺憾に堪えません。私の最初質問は非常に穏便な、言葉づかいも私は検察庁的な立場に立つて質問をしてはいかん。私たち国会の委員会というものは世論の府であつて、そこに世論を代表し、おのずから政府側のほうにその善処方を求めればよろしいのである。これが私は国会議員の委員会におけるところの職責であるという非常な謙虚な、謙譲的な、消極的な立場において質問も申上げたのであり、更に二十二日の酒井さんのややともするとコンサーヴエーシヨン委員会の勧告を否定するかのごとき答弁に対してすら私はそういう私の態度をくずさなかつたのでございまするが、併しながらその後衆議院側の各種委員会のほうで問題になりまして、而も衆議院のほうはああいう性格でございまするから非常にきつい質問をなされている。森山委員にあなたが秘密指令等の問題で非常にきつい質問を受けてから、三月五日でございますからもう二十日を経過しているのでございます。その二十日を経過して今日ですね、あなたからそういう答弁を聞くのは私は非常に残念でたまりません。あなたが一つ引例をされましたるところの検察庁に書類が押収されているので報告書が思わしく提出できないというに至つては、それがあなたがあたかも肯定されているかのごとき答弁を聞くのは遺憾であります。それ自体がもはや会社側のほうにおいて会社経営の能力がないものと断定できる。会社が善良に経営しておりますならば書類等検察庁に押収されるがごとき醜態はないはずであります。昔の武士でありまするならば、株主に対しまして、政府に向いまして腹を切つてわびをしなければならない事態であるが、それを理由にして報告書が遅れたなんということをよく厚顔に言えると思う。それを又如何にも肯定するかのごとくして、あなたがそれに論拠を置いて報告の遅れたことを肯定するがごときは、私は善良なる公僕たるの役人がおやりになる態度じやなし、公僕精神をお忘れになつているのじやないかと思う。  先ず本当に民主主義治下におけるこれほど大きな問題になりました問題に対する先ず資源庁の役人諸君は、その資源庁の主だつた連中が相談をいたしまして、善良に、如何なる対策を善意を以て対策を要するかというような相談をされたかどうか、先ず私はそういう方面から質問をしたいと思います。
  42. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) お叱りを受けて恐縮でございまするが、検察庁に書類が押収されたから遅れたというのは向うの弁解でございます。それが果して事実なりや否や。もとより私どもといたしましても、一つ一つはつきりしたけじめをつけて調査して参らなければならんわけでございまして、相当こんがらかつた問題でありまする以上、私どもといたしましても一つ一つ問題をはつきりとさして行くという態度をとりたいと思いまして、一応現在のところさような、向うから書類が出ているということを事実として申上げたのでございます。それをどういうふうに、それが本当かどうかというようなことは、今後調査しなければならん問題だと存じますが、もとよりそのことは別といたしまして、この問題につきましてどういうふうな処置をとるべきか、又どういうふうに向うから来た書類、或いは向うの、例えばこの一月に出しました秘密の指令があつたという事実を知りましたときに、どういうふうにこれを処置すべきかというような事柄につきましては、資源庁といたしまして時々刻々幹部で相談をいたしまするし、さような事柄につきましては一応私が報告的な意味で省の幹部にはもとより連絡はいたしております。そうして先ほど申上げましたように、特に重要なところはコンサーヴエーシヨンの関係だと思うのでございまするが、資源庁といたしましてはコンサーヴエーシヨンの点を特に重視いたしまして、先ほども申しましたように、土曜日はコンサーヴエーシヨン委員会にかけまして、その方々に経過報告もするし、又技術的な意味における検討も願つたような次第でございまして、問題が重大なだけに私どもといたしましても本腰を入れまして、且つ愼重に取扱いたい、かように考えてやつているわけでございます。
  43. 島清

    ○島清君 どうも私が少し言葉がきつ過ぎたかも知れませんが、余りそう気にしないで問わないことまで御返事にならないようにお願いいたしたいと思います。これから五時頃まで一々質問したいと思いますから、ゆつくり問うたことだけに対して答えてもらいたいと思います。コンサーヴエーシヨン云々ということを岡田さんは言つておられましたが、コンサーヴエーシヨン委員会に対する、大体この嫌疑はあなたのほうでお認めになつておられますし、併しながら会社側におきましては、私が十一月二十二日に酒井さんにこちらのほうへ来て頂きまして聞いたときに、何かしらんコンサーヴエーシヨン委員会の持つているような事実と、それに対する対策は当然会社側のほうも持つてつたのだというような印象を与えるような答弁をしておつたのであります。まあいずれにいたしましても、私そのときに非常に各方面に亘りましてコンサーヴエーシヨン委員会の権威あることを肯定させようといたしましたし、向うの採油管理の誤りということにつきまして認めさせようといたしましたが、それを認めようとしなかつた。  それはともかくといたしまして三月の十五日附に八橋油田の実情という見出しで新聞のタブロイド判でこれは全二面に亘りまして労務部長赤間榮吉君の署名でこの実相を書いているのでありますが、その中で私たちが非常に会社側に対して遺憾に思つておりますことは、先ほど私は私の国会議員としての立場に立ちまするところの質問の謙讓でなければならんということを申上げたのでありまするが、会社側はこういうことを言つているのですね。これはあなたお知りであるかどうか、あとでお聞きしたいと思いますが、「組合側の対外宣伝と政治工作は着々功を奏して問題は議会に提出された。すでに昨秋参議院の通産委員会においては、社会党の島清議員、衆議院の経済安定委員会においては自由党の志田義信議員、本年に入つては参議院の本会議において社会党左派の三輪貞治議員、衆議院予算委員会においては改進党の中曽根康弘議員によつてそれぞれ質問が行われた。而もいずれも組合側の提出した一方的な資料に基き、会社側の見解を十分聞くことなくして行われたこれらの各政治家の演説は、不幸にしてその内容の公平正確を欠くものであつたが、正に超党流的なる演説により——超党派的という意味だろうと思いますが、帝石経営の乱脈と不正は厳然たる事実なるかのごとき印象づけられている」と、まさに私たちが組合のアジテーターを買つて出ているかのごとく、委員会を誹謗し、国会をあたかも組合の手先であるかのごとき文章を書いた。私は非常に遺憾に堪えないと申上げましたのは、そのコンサーヴエーシヨン委員会の勧告に基いてこれが忠実に遂行されているか受入れられているかどうかということを聞くために会社側のほうを参考人として喚問はいたしましたが、組合のほうは喚問をしておらん。実際会社側の意見は委員会のほうでも取上げているにかかわらず、組合のほうは聞いておらん。むしろ組合のほうから抗議があつて然るべき問題であるが、あべこべに委員会のほうに喚問されて陳述する機会を与えられた会社側のほうがこういう誹謗をなしているということを、あなたは承知でおられるかどうか。更にその「八橋油田は破壊されたか」という見出しの下にこういうことを言つている。これは「彼等」といろいろの前承をうけておりますもので前の話はいたしませんが、「彼等は」ということは我々も含むかと思いまするが、或いは組合あたりも含むかと思います。「彼等が八橋を論ずるに当り、錦のみ旗のように振廻すのは、なんと天然資源局長スケンク中佐の警告であり、ウイクリー・サンマリーの論文であり、資源庁の勧告である。これを金科玉條と心得、更に進んでその威を借り飛躍した偏見や盲断を下す態度は、けしからん」というようなことを言つている。これをあなたはお読みになりましたかどうか。もつとこういうことも言つている。やはりこれも前書をつけておりますが、「会社は戰後いち早く油田の合理的開発に注目し、これが準備を着々と進め、当時開発の途上にあつた八橋油田七層の各油井に対して、本邦として最初の試みである小孔径により採油管理を実施して来たのであり、昭和二十四年以後の第八層、第九層の開発に際しては、最初から合理的採油を行つて来たのであつて、放慢採油により油田を荒廃せしめるところの採油は絶対に行つておらぬ」ということで、勧告の趣旨を否定しておるのであります。あとはその勧告の趣旨を否定しているような書き方は随所に散見できますが、この三点についてあなたの所見を承わりたい。
  44. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 私不幸にいたしまして、その印刷物を今まで見たことがございません。
  45. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記をとめて下さい。   (速記中止〕
  46. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記をつけて下さい。
  47. 島清

    ○島清君 岡田さんがそれをお読みになつておらんといたしますならば、これを追究してみたところで、お聞きしてみたところでしようもない話でございまして、私は問題を他のほうに転じますが、衆議院の労働委員会の三月五日の森山議員の質問に対しまして、秘密指令が会社側のほうから現地に向つて出されておるという事実と、更にそれに対しまして、何か資源庁においては相当な対策を講じた、係員を派遣したようなことを答弁をしておられまするが、係員が現地のほうへ行かれましたならば、長官に対しまするところの、上司に対しまするところの服命書もあつたのでございまするからして、誰が現地のほうに行かれて、どういう形でどういう調査を、どういう服命書を提出し、それに対してどういう対策を講じたか、講じてないとするならば、どういう対策を講ぜんとするかというようなことについて御説明を煩したい。
  48. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 会社から現場に対して秘密の、秘密というのでございますか、社外秘密の指令が行つているということをちよつと知りましたので、私どもの鉱山局の石油を担当しておりますところの技官鼠入君、ここに控えております、今一人高瀬君、この二人を現地に派遣いたしたのであります。それは二月の十五、十六の両日派遣して現場を調べさしたのであります。その結果その指令の内容等種々の事項がわかりましたので、それに基きまして会社に対してどういうわけがらでそういう指令を出したのか、そういうことの趣旨、内容目的乃至この前勧告を出しまして以来、報告書が来なかつた部分がかなりございますので、その出されて来ていない報告を更に求める。その上相当方面に亘りまする質問をいたしたのであります。会社よりその詳細な質問書に対しまして回答が出て参つたのでありまするが、相当厖大な回答書でございまして、技術的に詳細検討を加える必要がございましたので、先ほど申上げましたように、一昨日の土曜日に元の勧告の母体でありましたコンサーヴエーシヨンの委員会にお集りを願いまして、その経過の報告をいたし、技術的に検討をお願いしたわけであります。
  49. 島清

    ○島清君 そのコンサーヴエーシヨン委員会の集りは何月何日でございますか。
  50. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 二十二日の土曜でございます。
  51. 島清

    ○島清君 そうすると、何ですか、そのコンサーヴエーシヨン委員会の勧告に疑義を挾むような内容であつたのでございますか。
  52. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) コンサーヴエーシヨン委員会の勧告に基いて資源庁長官から会社に出しました指令と食違うような趣旨の指令が出ておつたわけであります。
  53. 島清

    ○島清君 そうすると、そのコンサーヴエーシヨン委員会の勧告の趣旨に食違うような秘密指令を押収されて、その報告に基いて更にコンサーヴエーシヨン委員会にお集りを願うたということの根本的な考え方には、この勧告に会社が否定しようという……、否定しようという言葉は、行過ぎでございますならば、それと食違うような秘密指令を押収し御覧になりまして、それは会社の秘密指令のほうが正しいかも知れないという不安があつたので、その委員会のお集りを願つたわけでございますか。
  54. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 資源庁から会社に出しました指令の基礎をなしておりますものが、当委員会で十一回の会合を経て愼重に検討の結果作られたものでございますので、その勧告に対して違反をしているかのごとき秘密の指令が出ておるといたしまして、それに基いて私どもの係官が調べ、そうして会社に回答を求めた、そうして回答が来た。こういうことになりますれば、事柄の性質上委員会にその事実を報告をして、意見があるならば、その意見を聞くということは成行き上の責任である、こう考えた次第であります。
  55. 島清

    ○島清君 どうも私が去年の十一月十七日に資源庁長官に、その委員会で結論を出した勧告案というものは、我が国におけるところの権威のあるものと認められるかどうかを質問をいたしました際に、資源庁長官は我が国においてはこれ以上のものはないと思うというような答弁をされたのです。そうであるといたしますならば、その勧告の趣旨に副わないような秘密の指令を押収された場合においては、その不正と言いまするか、その否であるところを突いて然るべき手を打たるべきが当然だと普通には考えられまするが、何か今あなたの御答弁を承わつておりますると、その最高の権威あるものと認めながらもなお且つこれを否定する線が出て来ると、それにも又根拠を求めて委員会のほうにお集りを願わなきやならないということは、徒らにそういうことを金科五條として云々という会社側から無能扱い、無能視されておるような印象を答弁のうちから受けるのですが、それはどうなんですか。
  56. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 私どもが考えましても、現在の我が国の石油技術から考えまして、曾つてのコンサーヴエーシヨン委員会、一昨日お集りを願つたのは同一のかたがたでございますが、最高の技術水準のかたがたである、権威あるものであるということについては今も確信を持つておるのであります。ただそういうかたがたの作られました勧告について会社側で多少おかしい処置をしておるようなことがあるといたしますれば、この委員会のかたがたにその事実をお知らせしておくということは、少くとも御苦労を願つた委員会に対する我々の行政上から申しましても責任であろうという意味合いにおきまして、急速お集りを願つて、御苦労願つた勧告の施行状況はこういう状態になつてつて、こうこうしかじかであるという報告を申上げ、若し委員会のほうで御意見があればお聞かせ願いたい、こういう意味でありまして、その勧告それ自体について私どもが権威を疑つたようなことはないのであります。
  57. 島清

    ○島清君 非常に循環論法で繰返すようで面目ない次第ですが、権威あるものとしてあなたたちが会社のほうにコンサーヴエーシヨン委員会の答申に基いて行政的な処置として勧告をなされた。その勧告を受取つた会社側はそれを忠実に履行しますという報告をもたらしておるのですね。その報告を受取つておるあなたがたが、その会社側のほうで、その報告を裏切るような行為をした場合においても、あなたたちは行政的な処置のとれないほどコンサーヴエーシヨンに対する、これは管理に対する自信がないのかどうか。それは私は技術の問題ではないと思うのです。技術の問題ははつきりと出ておるのです。向うだつてそれを誠実に履行しますということをはつきりとあなたたちに報告をしておるのですが、あとでそれを否定するような秘密指令を出した場合に、あなたたちのほうでそれすら判断ができないほどあなたのほうは石油に対してそんなに無知であるかどうかです。
  58. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 私どもが出しました勧告の趣旨と申しますか、勧告の線に副うて忠実にやるべきであり、それと違うことをやろうと思えば事前に当方に連絡し、又異つたデータがある場合には、提供すれば委員会としても再検討をしてやるということに相成つておつたにもかかわりませず、何にもこちらにも事前に相談なく、会社側から申しますれば試験的ということに相成つておりまするけれども、ともかく事前に承認を得ることが勧告と違う事柄をやつたという事実については、これははつきり形式的に不都合でございます。やりましたことが多少技術の私どもから見ますとややこしい入組んだ事柄に関係いたしておりまするので、委員会とされましてもこういう事実についてお考えになつて、どういう意見が出るかということについて念のために委員会としても御意見がありますればお承わりいたしたい、こういうような意味合で報告兼意見があれば聞くという趣旨で一昨日委員会に御参集を願つたわけであります。我々といたしましても勧告を忠実にやるという約束をされながらそれに違反された事実がある。少くとも形式的に違反された事実があるということについては遺憾に存じておるわけであります。
  59. 島清

    ○島清君 その遺憾に考えておられることに対しまして、国民の公僕として行政権を扱つておられるあなたがたとしては行政的な処置をおとりになつていないわけですか。
  60. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) なかなかむずかしい問題でございまするので、先ほども申しましたように、土曜日にその会社側からの相当技術的に入りくんだ報告が参つておりまするので、それを検討を加えるのにはかなり技術的な知識も要りますし、そのほうの解明もございまして、一昨日委員会にお集りを願つたような次第でございまするので、目頭に申上げましたように委員会の御意見なり、私どものほうで会社側の回答を分析いたしまするなり、現地を調査いたしました状況なり、諸般の問題を総合いたしまして、我々としてどういう態度をとるべきかということについて省の最高幹部の御意見をきめて頂きました上で、然るべき行動をとる必要があれば行動をとるという段階に立至つておるということを冒頭に申上げたような次第であります。
  61. 島清

    ○島清君 岡田さん、こつちに来られる前に資源庁の長官とはお会いになつたのですか。
  62. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 今朝会つて参りました。
  63. 島清

    ○島清君 どうして今日お見えにならなかつたのですか。
  64. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 私長官の私事に亘りますのでよく存じませんが、今日のつぴきならん用事がございまして、欠席をするから悪しからずということでございました。
  65. 島清

    ○島清君 その秘密指令等の事実を探知されまして、そうして係官を派遣されたということで、係官は勿論あなた肝の命令ではなくて資源庁長官の命令で行つたんでしような。その復命書は誰にやるのですか。
  66. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 長官の命令によりまして出て参つたのであります。そうして復命書は局長から長官まで全部閲覧いたしております。
  67. 島清

    ○島清君 その復命書は今ここにお持ちでございますか。
  68. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 現在持ち合せております。
  69. 島清

    ○島清君 それではちよつと聞かして下さい。
  70. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) これは瓶の口径が何ぼだとかいうような、非常に技術的に亘つた報告書でございまして、これを読み上げましてもよろしうございますけれども、非常に普通の報告書と違いまして、ややこしくなつておるのでございますが、全部朗読いたしますか。
  71. 島清

    ○島清君 大体あなたたちが会社のやつていることを肯定する面と否定する面のイエスかノーかをはつきりして頂ければいいのです。
  72. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) それは先ほど来縷々申上げましたように、形式的に都合の悪い点ははつきりいたしておるのでありますが、それを技術的にどの程度のものかとそういうふうな検討を加えますのに、非常に何しろ石油の相当細かい技術上に亘つておりまするので、土曜日に專門家の意見も聞きまして上司に報告もいたしまして、その上で省としての結論を出したい、かように申上げておるのでありまして、一応上司とも諮りました上でないと、最後のことを申上げることはちよつとむずかしいと存じます。
  73. 島清

    ○島清君 岡田さん、あなたはその森山さんの質問に対しても、十日頃には大体その最終的な報告がもたらされると思うということを衆議院委員会でも答弁をしておらるる。そこでそれから今日はもう二十何日ですか、二十四日、相当二週間経過しているのですね。そこであなたたちがその派遣をされた問題は、これほどまでに国内的にも国際的にも、議会的にも、輿論的にも反響を呼んでおる重大問題を、資源庁の全責任を、光栄ある責任を負うて現地に行かれた人は相当信頼の置ける人じやなければならんはずですね、又あなたのその係官を派遣することを如何にも信頼しておるがごとくに、すべてはその係官に解決の点が託されておるかのごとくにして答弁をしておられる。だから大よそ我が国の官僚組織から言えば、まあこの問題ならばこの係官を派遣すれば信頼できる、調査ができるというように思われて、委員会でもそういう答弁をしておられると思いますので、最後的な結論は、省議は、私か劈頭にお聞きした通り、こういう問題を今日ここに私が御質問申上げようとするときには、少くとも大臣を含めて省議決定ぐらいはしてお越しになつたと思つてつたのですが、そこまで行かないとすればこれは止むを得んことといたしまして、あなたたちの怠慢止むを得ないことといたしまして、私もあとで処置をいたしまするけれども、あなたたちが信頼をして派遣されましたところのこの復命書の部分、部分的でいいのですよ、部分的に肯定をした分と否定をした分とのあらましの報告をここで願えませんか。誰が行きました……。
  74. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 先ほど申しましたように鉱山局の鼠入並びに高瀬という二名の技官が参つたのであります。報告書の内容はこれを要約いたしますれば、こちらから先ほど申しました、要求しておりました報告が遅延をいたしておるのでありまするが、その遅延いたしておりました井戸について、こちらが要求した通りを向うでしなくちやなりません調査を怠つておるとか、或いは報告を出させねばならんということになつておる井戸が報告から洩れて、その他の井戸についての報告が来ておるとか、そういうふうな事実は調査の結果判明いたしておるのでありまするが、要するにそのこちらの出張した結果によつて相当の疑問が持てましたので、その疑問に基いて会社に対してどういうわけかという回答を求めまして、その回答が参りましたのが相当厖大な回答が来ておるわけであります。そしてその回答はこちらの質問が技術的でありまする関係から、相当技術的にこみ入つた報告をよこしておるのであります。それを私どものほうでも十分こなし、又專門家の意見も聞きまして、その勧告に従つておらん程度がどの程度のものかというふうなことも検討を加え、最後に省としての決定を最高幹部のかたにして頂こうと、こういうまあ段取になつておると、こう申上げておるのであります。
  75. 島清

    ○島清君 それは会社側から報告がもたらされたというのはいつですか。
  76. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 三月の十日頃であります。
  77. 島清

    ○島清君 そうすると、三月の十日はやつぱり森山衆議院議員質問に対してあなたが御答弁になつたのとまあそうズレてないわけですね、時間のズレはあるかもわかりませんが日にちのズレはありませんね。そうしますと、それから二週間経過して、三月の十日頃大体最後的の報告が参りますので、最後の決定がその頃にできると思いますというようなことをあなたが言つておられるのですが、最終的な報告はあなたの予定した通り三月の十日に受け取られながら、二週間を経過する今日まだこれをいじくつておる。こういう予定の報告は、それは衆議院のほうでなされておる答弁も質問も私たちはちやんと速記録を読んでおりますので、これは別に席が変るからといつて、違つておるからといつて答弁を、あちらの答弁、こちらの答弁というふうにしてもらつちや困るのですが、国会は両院制度であつて、やはり答弁もやはり関連性がありますので……、成るべくなら森山君が聞いておる問題ですから、あなたが答弁する問題については聞きたくないのです、知つておりますから。二週間を経過してまだ三月五日に答弁した森山君に対する答弁のような形で私になされるということは、どうも行政官吏としてはちよつとおかしいのですよ。
  78. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 十日に会社の社長から私どものほうに抽象的な回答がございまして、データに属する資料的な回答は十四、五日頃に参つたのであります。従いましてまあ日数としますれば約十日経つておるわけでありますが、これは回答の中味を一度御覧願いますとわかるのでございますが、随分技術的にこみ入りました回答でございましたので、それを私どもの技官が現地で見て参りました事柄、或いはその勧告の内容等と照合いたしまして研究を重ね、一方又先ほどから随分繰返すわけでございますが、一度委員会のかたがたにもお見せをしようというので、そういうふうな準備をいたしまして、大体調査といたしましては最後の段階に来ておりますので、まあ怠慢と言われれば止むを得んのでありますが、私どもといたしましては愼重に十日間の日数を費して検討を加えて来た、かように存ずるのでございます。
  79. 島清

    ○島清君 それであと何日間ぐらいあれば只今議会で問題になつておりますような重要点の解決をして、それから国民の公僕としての行政権の良心的な遂行が完成できると、この問題に関してですよ、思われるのですか。
  80. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 日取を何日というふうに申上げることは甚だ困難だと存ずるのでございまするが、私どもの調査検討の段階はおおむねもう先ほど来申上げまするように、もう検討が盡きておりまするので、上司の都合によりまして御相談をし、御意見を拝聴いたしたいと存ずるのでございますから、そう時間はかかるまいと思いますが、いろいろと都合もございますので、いつというふうに期限を切つて御回答申上げることは困難だと存じます。
  81. 島清

    ○島清君 大体或る程度の結論的なものを持つておられるのですか、差支えなければここでお漏らし願えませんか。
  82. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 先ほど来申上げておりますように、大臣のお耳にも入れておりませんので、よくその辺の御相談をいたしました上で回答させて頂くのが妥当じやないかとこう考えます。
  83. 島清

    ○島清君 あなたたちの考えておりますところの線というものは、ここに石油資源開発法というのがありますね、今その十條によりますというと相当あなたたちのほうが強い行政権の発動ができることになつておるのですね。「政府ハ石油鉱業者ニ対シ其ノ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ為サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ検査ヲ為スコトヲ得」、二項に「政府ハ石油鉱業者二対シ其ノ業務及会計ニ関シ監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得」ということですが、多分私はこういうふうなあなたたちに与えられたところの行政権の発動が、国会の問題等の経緯から鑑みまして、当然になされたことだと思いますが、こういう問題に関連をして処置をされるであろうということを想像的に了承していいですか。
  84. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 現在の法律はコンサーヴエーシヨン等のことをも全然考えませんで、軍事上必要があればどうするというふうな事柄から規定されておりますので、コンサーヴエーシヨンのことを現行法の規定で直ちにやるというのは趣旨から申しますれば、かなり無理があろうかと思うのでございますが、如何ような措置をいたしますかということにつきましては、先ほど来申述べておりまするように、最高幹部に私どもの調査検討の結果を申上げまして、その御指示こよりまして行動いたしたい、かように考えるのでございます。今のところちよつとその辺申上げかねると思います。
  85. 島清

    ○島清君 何だかコンサーヴエーシヨン委員会のほうが、あなたたちのほうのあれですね、出所進退の関所みたいで、かたつむりみたいにコンサーヴエーシヨン委員会のほうに諮問をしてそれを勧告して見たり、又は断られて来ると又コンサーヴエーシヨンの委員会のほうに願つたりして、得体のわからないあれですが、そのあなたたちが逃げ隠れの袞龍の袖にしているコンサーヴエーシヨン委員会の結論は何ですか、秘密指令に対する結論はどんなことでございますか。
  86. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) コンサーヴエーシヨン委員会のほうとしましては、一応私どもの申上げた事実をお聞き願つたのであります。特に委員会としてどうという御意見はなかつたのでございます。
  87. 島清

    ○島清君 それは聞き置く程度で、後日結論を作られたという意味なのですか。後日も何かそれに対しては意思表示をしなかつたという意味なのでございますか。
  88. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) その点は委員会のことでございますので、私ども推測は困難かと存じまするが、委員会といたしまして、まとまつたこうだという意見は御提出になりませんでしたわけでございまして、私どもといたしましては、その質疑応答の間に流れまするところの状況を判断の材料として考えておるわけであります。
  89. 島清

    ○島清君 どうも雲をつかむようで取り付く島もないような御答弁でございますが、何か顔色を窺がつて……、言葉というものは非常に不完全なものでございまして、その不完全なるところの言葉によつて人々の考え方が、意思が託される。非常に吉川英治の描くところの宮本武藏にもその問題については警告を発しているように、何か知らん役所がおやりになりますところの仕事に対して、結論を文書とか何とかによつて求めないところの報告なんというものが、一体役所の権威にかけて、そういうことが考えられるのですか。
  90. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 先ほど来申上げましたように、このコンサーヴエーシヨン委員会に対しましては、事柄の経緯を報告いたしますることが私どもの責任だと考えまして、経緯を御報告申上げ、若し意見があるのでありますれば、出して頂きたい、かように申しましたところ、委員会として正式な御意見の御提出はなかつたのであります。
  91. 島清

    ○島清君 それはまあそうといたしまして、たびたびの議会におけるその問題に関して、これを要約して申上げますると、帝石のほうな採油管理を誤まり、そうして国家の資源を非常に浪費した、而もその会社というものが四億以上の国家の助成金をもらつておる。その四億の助成金というものは国民の血税であり、而もこの助成金によつて購入したところの機械が山勝何某というところの会社によつて二束三文に叩き売られた、その代金すら、三千トンくらいの払下が千五百トンくらいしか会社のほうに納入されていない、その行方不明の金というものによつて山勝工業と会社の首脳部の間に何か知らん繩張によつてやつたところの問題がある、会社はこの国民の血税をそういう工合に使つたばかりでなくして、国家資源を浪費した。更にコンサーヴエーシヨン委員会から勧告されても、それを忠実に守る、誠実にそれを実行してないというところに大体の論点があつたし、更にそれをあなたたちに対して、国民の公僕として、国民の税金と国家の資源がそういうふうな工合に扱われておるところの会社の首脳部をそのままにして、当面の行政上の監督官庁としてそれをどうするのだということが、四カ月に亘るところの質問の論点だつたと私は主張しておるのです。その質問に対して如何にも行政官庁がその監督の職務を怠つておるかのごとくの印象を与え、その印象を私たちが持つておるときに、図らずも中曽根君によつて資源庁の長官の始關君の何か汚職事件みたいなような印象を与えるような質疑がなされておる、そこでその職務の怠慢ということは何か知らんこの汚職関係に関連をするのでないかというような印象を国民一般に与えているわけですね。そういうことは又中曽根君が問題にする前に、司令部関係のセクシヨンの人々が、係の人々がそれを指摘しておる。日本の官吏の廉潔を守るために、会社の一番首脳部の諸君に対して追放の行政的な処置をとらなきやならないとか何とかということを強く言つておる。これも国民の目に反映し、頭脳に焼きつけられておるわけですね。それで今日岡田さんからまあこういう答弁を頂いておるわけですが、始關長官は、現行法によつては会社がそういう不埓なことをやろうと、今は行政官庁としてはどうしてもそれを傍観する以外にない、言葉は違いまするけれどもそういうような意味のことを答弁しておるのですね。併しながら資源開発法の十條によりますると、資源庁の長官が議会において答弁しておるようなことを否定することが十條において規定されている、法律的に規定されておるわけですね。こういう問題とこの資源開発法の十條が、今岡田さんも説明はされましたが、最後にあなたたちの行政的な勧告なり、或いはいろいろの忠告なりを聞かない場合においても、やはり法律はございませんと言うて、会社のなすがままにただ指をくわえて傍観をする以外にないということで眺めておられるつもりなんですか、どうなんですか。
  92. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 先ほど来繰返して申上げまするように、私どものほうといたしましてはこのコンサーヴエーシヨンの問題に関しまして大体の状況がわかりましたので、上司に諮りまして、その処置の要するものかどうかというようなことについての御指示を仰ぎたいという段階にあることを申上げたのであります。例の補助の機械の問題に関しましては、これ又先ほど来申上げましたように、第一回の報告は会社側から出て来ておるのでありまするが、私どもから見まして不十分と考えまして、追加の報告を命じておるのであります。それが変な都合でまだ参つておりません事情を先ほど申上げたのでありまするが、これは検察側にもお願いをいたしまして、早急に結論の出るように、更に努力を重ねるつもりでございます。傍観をするせんの問題につきましては、ともかく上司と諮りました上で、十分の結論を得たい、かように考えておる次第であります。
  93. 島清

    ○島清君 岡田さん、スタツクさんが、日本における資源保護処置の無視は米国納税者に打撃を与えるであろうと、このスタツクさんが言つておるんですね、この事実と、更にこれは未発表になつておるそうですが、スケンクさんが離日をされるときに、日本経済ですか、何か経済新聞にその声明書の原稿として与えたというものが私の手に入つておるのですが、これによるとあなたたちはぼろくそに言われておるわけですね、「日本政府は現在に於ても尚帝国石油株式会社の最大株主であるから、政府は同会社経営者中の不届な分子を追放する為めに積極的に働きかける事によつて、国家の石油資源を保護するのみならず、なお亦政府役人の廉潔をも保護する上に必要な手段が採られる事を衷心より切望するものである。」ということ、それからウイークリー・サンマリーの三百七号「誤れる帝国石油株式会社の採油について」ということも、あなたたちのことに触れておるわけですが、こういうことは承知しておられますか。それとなお先ほど申上げました一九五〇年の十月から三カ月間かかりましてですね、日本の石油事情調査されましたソーマートン博士の報告書などは十分承知しておられましようね。
  94. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) それらの書類は私も拜見いたしました。
  95. 島清

    ○島清君 そうするとあれですか、このスケンクさんが言つておりますところの「なお亦政府役人の廉潔をも保護する上に必要な手段が探られる事を衷心より切望するものである。」これをとらなかつた故に中曽根君が言うところの議会の問題になつて来ておるんですが、これに対しては私は始關君の名前が出て来ましたので、これは多少そういう疑惑の中に入れて考えていいと思うんですが、その中にはあなた方を含めてスケンクさんが見ておる、即ち資源庁の首脳部を指して言うのだということで、私たちがこの文字を解釈するとあなたは抗議されますか。
  96. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) あのスケンクさんの文書等に対しまして読んで見ますると、資源庁の長官、まあその長官の補佐官でございまするその他の者につきましても、何か非常に不信任のようなことが書いてあるのでありまするが、その辺のいきさつにつきましては、若干私どもといたしましては腑に落ちないのであります。要するにスケンクさんが帝石のほうで濫掘をやつておるのを止めようという努力をなさり、私どものほうといたしましても、その御努力に一緒になつてやろうという趣旨から日本における最高権威のかたがたを集めて委員会を作り、その委員会をして勧告の案を作つて頂いて、それを会社に命じて、命ずるというわけではございませんが、その勧告を会社に出し、会社といたしましては誠実にそれを守るという段階になつたのでございまして、それが誠実に守られておるということでありまするならば、スケンクさんの意図された事柄は完全に行われておることになるのでありまして、その間につきまして何かいろいろと言われておる点につきましては、私どもとしては了承いたしかねるのであります。要するに併しコンサーヴエーシヨンを合理的にやらそうというスケンクさんその他のかたがたの御意見に対しましては、私どもも同意見でございましたから、先ほども申しましたに委員会のかたがたに御苦労を願つて、確か十一回も会合を開いて頂いて結論を出して頂き、そうしてこれなら実情に適するという自信を以て会社にそれを勧告し、会社はこれを受けるいう段階に来たのでございまするから、途中多少のごたごたはあつたかも知れませんが、企図した目的はそれで一応達成されたわけでございます。その後先ほど来問題になつておりまする会社の社外秘の文書の扱いはこれは別の問題でございますが、会社の請書の通りに会社が誠実にやつておりまするならば、一応スケンクさんその他の意図されましたところは完全に実行された、こう考えてよろしいのじやないかと私は確信いたしている次第であります。
  97. 島清

    ○島清君 それはその通りだと思います。あなたたちのほうが勧告をされて会社のほうが忠実におやりになれば、話はそれで結論が出ておつたと思うのでありまするけれども、併しながら会社のほうが国家資源の愛護を忘れ、ただ目の前の高率利潤の追及のみに捉われて、四割配当に足許を奪われて、それで日本の少いところの資源を空中に放出して、ガスを放出すると同時に取れる石油が取れなくなつたならば、それによつて与えたところの国家的損失は非常に莫大なものである。それを忠実にやつておつたらよかつたのでありますが、スケンクさんは更にこういうことを言つている。その前文に「八橋油田調査技術委員会の報告に依つて日本最大の採油会社である帝国石油株式会社の経営者が故意に且つ万事承知の上で、日本の乏しい石油資源に対して不当なる浪費的開発を強行して居たと云う不届極まる事実が暴露された。日本政府部内の高級役人は、帝国石油経営者が他にもいろいろと為した不都合な行為に加え、特に今回の事態を惹起した事に対して、彼等不埓分子を譴責する処か、かえつて彼等を守つてつている」と結論を下しておりますが、これに対しましてはどう思いますか。
  98. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 先ほど申上げましたように、スケンクさんは会社の濫掘を防止しようという意図から御盡力を願つたのでございまして、スケンクさんが御辞めになりましたのは昨年の確か十一月頃であつたと思うのでありまするが、その十一月頃までの段階におきましては、とにかく意図されました勧告もちやんとできますし、会社もちやんとそれを守るという段階ができ上つたあとでございます。その勧告を作つたり、又スケンクさんが現地を調査に行かれますなり、そういう過程におきまして会社のやつていることがどうであつたか、それを直すためにどうかというふうなことについての行違いがそういう文章になつているのじやないと思うのでありまして、スケンクさんが離職をされて天然資源局をお辞めになります十一月頃までは、まだその会社も秘密の文書を出したというわけではございませんので、一応処置がまともに段落したところでスケンクさんはお辞めになつたように私は思うのであります。従いましてその辺は何か解決ができるまでの間に多少の行違いがあつたために、さような文章をお書きになつたのかと思うのでありますけれども、我々といたしましては、誠心誠意日本の油田の合理的な開発のために努力いたしたと、こう確信いたしておるのであります。
  99. 島清

    ○島清君 更にですね。前章を受けまして「茲に斯る事態の原因としては帝国石油株式会社の経営責任者が故意に且承知の上で、同会社内の極めて有能な技術者達の忠告を無視し、且つその提言を勝手気儘に変更して、過大にして切急な採油を強行し短時日内に高利潤を挙げる事にのみ汲々とした為である」ということを指摘しておりまするが、ここに問題になりますのは、帝石会社内の極めて有能な技術者たちの忠告を無視し、且つその提言を勝手気儘に変更して、ということを指摘しておられまするが、これは岡田さんどう思われます。
  100. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) その辺につきましては、極く詳細に存じてはおりませんけれども、会社の中におきましてもこれは大分前からの話のようでありまするが、現地の技術者等で相当本社のほうへこういうふうな採り方よりこういうふうにしたほうがよろしいのじやないかという意見書等が出たことがあるように私は存じております。まあ会社内におきましてそれぞれどういうふうに採油するのが最も合理的か、或いは又合理的という見地以外からの意見もあつたのかも知れませんが、会社内におきましていろいろと意見のやりとりのあるということは、まあこれはあることでありましようと思うのでありまして、要するに我々といたしましては、帝石が過去におきまして採掘しておつたやり方が現在の世界の石油技術から見て思わしくないという注意を天然資源局から受けまして、それに順応いたしまして、先ほど来申上げましたような措置をとつて、会社に一定の基準で合理的な採油をするような段階まで持つて来たわけであります。従いまして、会社の内部におきましてどのような意見のやりとりがありましたかということは、私どもは詳細存じておりませんけれども、あり得たことではあろうと思います。
  101. 島清

    ○島清君 一九五一年の一月の九日にソーマートン博士が報告書を書いておられるのですが、その中に「採油技術の発展現況」という見出しで、「日本の大多数の油田に於ては採油技術というもつとも重要なる問題が殆んど等閑に附され忘却されている。即ち專ら掘鑿面、或いは掘鑿、採油器械の改良面のみ意が用いられ、採油技術と云う石油鉱業の基本問題が忘却され、過去から現在迄継続されて来ている。勿論極く少数の有識者達はこのような政策は石油鉱業にとつて最大の弊害であると云うことを認識している。然し乍ら不幸にもこのような少数の優秀なる技術者の意見が採用され実現化されることは難かしい。即ち現在の会社首脳部の勢力関係が改善されなければ極めて難かしいものと考えられるのである。現在でも会社は殆んど関心を掘鑿技術のみ注ぎ採油技術と云う最も重要にして基本的問題に関心を払つて居らないのである。」こういう工合に結論をしておる。これが一九五一年の一月の九日にですね、こういう会社の首脳部の勢力関係からして期待できないということを言つておるのですね、こういう問題に対してはどうですお認めになりますか。
  102. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) コンサーヴエーシヨンの問題が今回の戰争中に世界中で非常な技術の進歩をいたしたのであります。我が国におきましてはこのコンサーヴエーシヨンに関する技術の点がちよつとブランクに相成つておりまして、その水準が非常に低かつたということはこれは認めねばならぬと思うのでありまして、昨年の一月にアメリカの権威者の注意を頂いたということは非常に残念ではございまするけれども、我が国の石油の技術が、特にコンサーヴエーシヨンに関しまする技術が国際的水準より低かつたということは、これは認めねばならぬと思うのであります。その後天然資源局等と共に我々も研究をいたし、先ほど来申上げました勧告ができたわけでありまして、更にこれを恒久的な制度にいたしたいという考えから、目下衆議院で御審議を願つておりまする新らしい石油の資源開発法を組みまして、議会のほうへ提出してありますような段階でございまして、よそのアメリカ等におきましては、このコンサーヴエーシヨンに関する方法はすでに相当前から実施されておるような段階でございます。従いまして、我が国のコンサーヴエーシヨンが未だ相当遅れておるという点を認めますと共に、一日も早く世界的レベルまで持つて行こうという努力を目下続けている次第でございます。
  103. 島清

    ○島清君 私は殊更にこのGHQ関係の文書を引例いたしましたのは、私たちが先般八橋油田の視察に参りましたときに、如何にもアメリカの技術の指導によつて八橋油田は立直つたのだというようなことを、何か立直りの根拠というものはGHQの技術的な指導と援助に基くのだということが金科五條として説明をされましたので、その彼らが、会社側のほうが金科玉條として我々に説明するところの、司令部側からこういうふうにして寄与されているが、監督官庁であるあなたたちのほうはおわかりになるかということをお聞きしたのです。而もそのGHQ側から、図らずも中曽根君が指摘する前に、ちやんとこういう汚職関係みたようなことが不幸にいたしまして予見をされて指摘されておつたということについての、私は良心的なあなたの御答弁を願いたかつたのですが、これが得られなかつたのは非常に残念です。  更に問題の要点を変えまして、大体何ですか、帝国石油は八橋を中心にいたしまして、その帝国石油のコンサーヴエーシヨンの線に沿いまして年間の採油量は大体どのくらいが適当だと思われますか。
  104. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 帝国石油の採油量も時々刻々変るわけでございますので、長期に亘る数量を断定的に申上げることは困難かと思うのでありまするが、現状におきましては、会社全体で年間三十二、三万キロリツターぐらいが、あの勧告の線からみればそのぐらいの数量に落着くのじやなかろうかというふうに考えております。
  105. 島清

    ○島清君 今までの答弁のうちで最も良心的な答弁だと私は思いますが、(笑声)私が接触をいたしましたところのその筋の專門家から聞いても、大体帝国石油の年間の採油量というものは三十二万止りだとこう言つております。ところが二十七年度の計画は三十六万三千トン、これは又計画しているのですね。生産量三十六万、三千トンそういたしますると、成るほどあなたたちの勧告の線を秘密指令を出してそれを踏みにじるということを二十七年度においてなすぞということがはつきり明確に現れているのです。これに対しましてはどうお思いですか。
  106. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 私どものほうには、まだ帝国石油から二十七年度の計画について確定的なものを持つて来ておりませんのでありまするが、仮に現状のまま特に新らしい油田等も発見されぬというふうな状況におきましては、三十六万何がしという数字は多少過大な見積りじやないかと私どものほうでは考えております。
  107. 島清

    ○島清君 勿論私はそう思います。あなたの只今の良心的な、三十二万トンぐらいがせいぜいそれじやないかというようなことを言つておられたことを私は良心的だと言つて最大の敬意を表したのでございまするけれども、これを二十六年度を上廻るような三十六万何千トンやるというようなことは、当然にこれは今の帝国石油の内情からいたしまして、補助金が削られた、更に高率配当しなければならんと言うて試掘、採掘を半減しているような会社が三十六万三千トンも生産計画を立てるということは、要するにあの秘密指令に基いて勧告の線はどうでもよろしい、会社経営はどうしてもやつぱり株券の操作等にあるからして、まあ目の前の早く利潤を上げておかなければならんということは、はつきりこれは技術面を通してあなたたちに対する挑戦だとも思う。これに対してはどうお考えになりますか。さつきの御言葉じやなくて、もつと視角を変えて、面を変えて御答弁を煩わしたい。
  108. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 会社は会社で独自の何かデータがあつて計算を弾いているのでありましようから、その具体的な材料を得て検討して見ませんというと、はつきりどうかということを断言することは早過ぎると思うのでありまするが、現在我々として推察いたしておるところによれば、先ほど申しましたように、三十六万何がしというのは少し過大な見積りじやないか。かように考えておるわけでありまして、技術的挑戦なりや否やということでございまするが、なおデータその他を拝聴した上でないとそこまでちよつと申上げかねるように思います。
  109. 島清

    ○島清君 どうもやつぱり会社側の不都合を露骨に現わしておりまするところの二十七年度の採油の計画並びに八橋油田の実相という会社から出しておりまするところの文書等について、寡聞にして岡田さんは知つておられないとこうおつしやるのです。どうも私は、資源庁の次長さんとしては少し職務の怠慢のように思われてしようがないのですがね。というて、別に私は汚職事件を突こうとか、そういうような検察的な立場に立つて質問を申上げておるのではなくて、どこまでも通産委員としての誇りと矜持を以てやつておりまするので、それ以上のことは申上げませんが、非常に私は残念に堪えないことは、私たち委員会の総意によつて、通産省に対してかかる不正事案に対してはかくあるべきであるという総意を決定してあなたたちに勧告をしなければならんという気持を私は持つておるのです。委員会においてそういう提案をして、そういう提案の採択を願つて委員会の総意としてあなたたちに意思を伝達したいくらいに思つておるのですが、それは私の気持だけを伝えておきまして、あなたたちの今後のこれに対しまするところの解決の結果を見てからにしたいと思います。  更にもう一点は、これは私たちが取上げる問題ではなくして、当然に国会で取上げるといたしまするならば、大蔵委員会あたりで取上げるべき性質のものであり、更に検察庁が二度に亘つて書類を押収しておりまするし、更にあなたの報告の中にもその当然に果さなければならん通産省に対する責任も、書類の押収によつてできないのだということを言つておられましたが、こういうこともやつぱり国民の税金からあなたたちの責任において助成金を交付された建前上、若しそういう金が不正なことによつて使われる、そうしてその適当ならざる経営者、首脳部のかたがたによつてこの金が悪用されておつたとするならば、こういうところの面に対しても行政官吏として良心的な発動と行為があつて然るべきだと、私はその解決もひたすらに資源庁のほうに善処方を期待してやまない次第です。
  110. 小松正雄

    小松正雄君 島委員質問に関連いたしまして二、三お尋ねしたいと思うのでありますが、きつき次官のお話の中で、コンサーヴエーシヨンの委員会の勧告を無視して会社側が勝手にやつている、こういう御答弁があつたようでありまするが、それはどういうところが違つてつたのですか。それが一点と、八橋油田の開発に関しては、資源庁から現場に監督というか。係官というか、そこにあります事務所というか、そういつたものがあるかないかということが二つ。若しあるとするならばその所に駐在されるところの係員というか、係官というかが、その油田開発内容を逐次あなたがたの幹部のかたがたにまで報告させておるか、しておるかということと、第四は若しそれがしておるとするならば、こういう問題は早くからわかつてつたのじやないかということを先ずお尋ねしたい。
  111. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 第二のほうから先にお答えいたしますが、現場に常駐する者はおらんのであります。従いまして、必要に応じて現場に出張をいたす形に相成つております。  第一点のどういう点が違つておつたかという点でございまするが、井戸の中の圧力とか、或いは油とガスとの比率等につきまして、私のほうの勧告で一定の基準があるのでございます。それがそれと違つた基準でやろうとした点が違う点でございます。その他報告を出すべきものを出さなかつたとか、非常に遅れておるというような点もございますが、一番の問題は今申上げましたような点でございます。
  112. 小松正雄

    小松正雄君 報告を怠つておつたというのは会社側のほうのことですか。
  113. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) さようでございます。
  114. 小松正雄

    小松正雄君 それではもう一つお尋ねしますが、私は天然地下資源の開発に関しまして新潟のほうに参りましたときに、石油があるかないかというボーリングを入れてあつた所に参りました。ところがそのボーリングを入れてある所の監督に資源庁の出先の、例えば通産省の出先にあるその中から監督に出ておつて、そうしてその人の話を聞きましたときに、このボーリングがつかなかつた場合に国からの補助をもらう計算をするために、つかなかつた場合にはすぐにボーリング機械を上へ揚げなければならないけれども、揚げることができないというようなことで、どの程度まで置くかと言つたら、一カ月で済めばいいのに半年もかかつたために非常に時間的にずれて困るという話を聞いておりましたので、係官がおらんということはないということを私は考えますが、どうですか。
  115. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 補助金を出水に出します場合におきましては、補助金を出した井戸がどういうふうに掘られているかというふうな工合で検査のために参るのでございます。恐らくはその場合に丁度ぶつかつたのじやないかと考えます。
  116. 小松正雄

    小松正雄君 常時その採掘に対して監督をしておるということは全然ないのですね。通産省として出張しておらんのですね。
  117. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 井戸が掘られ始めましてからしまいまで附きつきりでおるということはないのでございます。
  118. 小松正雄

    小松正雄君 それから最後にお願いをかねてというとおかしいようになりますか知れませんが、私の信念からかくのごとき問題が起つたということについて、あなたがたの、資源庁長官なり或いは次長とされて、この問題が立派にあなたがたの考えられるようにお調べができ、はつきりしたところを、さつき島委員から縷々世界の情勢或いは国内、国民がどう思つておるかというこの問題に対しまして、心から解決すると共に、あなたがたの気持の現われを、こういつた報道された新聞にこういうことであつたという真相を伝えてもらいたいということを最後にお願いしておきます。
  119. 島清

    ○島清君 岡田さん、この復命書ですね。これを何か謄写版にしてでもいいですが、ちよつと次に出してくれませんかな。
  120. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) この次ぎ私のほうでこれを複写いたしまして、お手許へ差上げましよう。
  121. 結城安次

    ○結城安次君 関連してちよつとお伺いしておきたいのですが、大体の私の疑問とするところを伺つてくれましたが、仮に向うが返事しないで言うことをきかん、あなたのお話では油比の問題とかいろいろなことだと言うが、このことは今後の法案審議に影響する問題だと思いますが、その結果を我々に報告した上でなくてもいいのですが、或いはあなたがたはもうその報告にかかわらず、あの自分たちが言つたことに誤まりないという前提で、今後の審議にかかりますか。
  122. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) ちよつと私が申上げましたことは誤まりないというのは……。
  123. 結城安次

    ○結城安次君 つまりあの法案に盛られてあることがあの通りに行きますか、或いはあれを訂正する御意思があるかということです。
  124. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 私どもといたしましては、提案いたしました通りが議会で審議、御可決願うことが一番望ましいと、かように考えております。
  125. 結城安次

    ○結城安次君 あなたがたはなんでしようが、向うが秘密指令で言うことをきかない、ところがこちらから調査に行つて見ると、いろいろ技術上の問題でとやこうあるということだが、この技術上の問題というものはもうあなたがたの初めの解釈が妥当という前提ですか、変更の必要がありませんかということを聞いておるのです。
  126. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) と申しまするのは、帝石に対して私どもが出しました勧告を直す必要があるかないかという御質問でございますか。
  127. 結城安次

    ○結城安次君 そうです。
  128. 岡田秀男

    説明員(岡田秀男君) 私どもといたしましては、あの勧告は十分実情にも即したものであると考えますし、あの通りに帝石としてはやつて頂くことでないと困る、かように考えております。
  129. 結城安次

    ○結城安次君 よろしうございます。   —————————————
  130. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 次に日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案議題といたします。これは前に提案理由説明は伺つたのでございますが、もう一度内容につきまして当局から御説明を願いたいと思います。
  131. 葦澤大義

    政府委員葦澤大義君) 日本製鉄株式会社が御承知のように廃止になりまして、富士製鉄株式会社と八幡製鉄株式会社の二社に分割いたしたのでありますが、その際に日本製鉄株式会社は特殊会社として法律に基いた会社でございましたので、その法律を廃止いたしたのでありまするが、ただ日本製鉄株式会社の特殊会社といたしまして、当時社債権者に対しまして先取特権の規定を設けまして、通常の財団抵当による手続によらずして社債権者が先取特権によつて保護を加えられておつたというのがあつたのでありまするが、それを直ちに株式会社法の廃止と共に廃止をいたしますと、八幡製鉄なり或いは富士製鉄の社債権者に対して損害を及ぼすというような虞れもありまするので、同條の有効期間を二カ年間に限つて延長をするということにして、国会の御承認を得て成立、施行になつてつたのでありまするが、その間に工場財団の設定に要します手続を両社共鋭意進行をいたして参つたのでありますが、なかなか手続が進行いたしません。と申しますのは、両社の前が八幡製鉄所といたしまして国営で経営をいたして参りました上に、更に日本製鉄といたしまして特殊会社として経営を続けて参つた経過に鑑みまして、普通の会社のように財団組成に対しての手続が全然行われていませんでしたので、組成の手続の進行において相当困難を示したのでありますが、それと共に八幡製鉄、富士製鉄両社は鉄鋼の合理化計画というものを自社においてもそれぞれ計画をいたしておつたのでありまするが、更にそれを拡張いたしまして、当初見込みました資金計画以上に資金を合理化に注ぐということになりましたので、財団組成に要しまする担保の額というものは更に増大をいたす必要にも追られまして、両々相待ちまして、更に社債権者の先取特権の規定を延長せしむる必要があるという状況になりまして、一カ年間の延長をいたすというようにこの法案が提出されたのであります。衆議院のほうにおきましての御審議を願つておるのでありまするが、ただ衆議院のほうの御審議の経過において、一年の延長では又更に一年追加して延長するというふうな不手際な場合が生じてもどうかというような御配慮かと存じますが、提案の一年延長を二年延長というようなことで、衆議院の一部において議が起つておるというような状況であります。概略説明を申上げた次第であります。
  132. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 御質問願います……。  それでは質問は次回に譲ります。   —————————————
  133. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 次に商品取引所法の一部を改正する法律案議題といたします。当局の簡単なる御説明を願います。
  134. 石原武夫

    政府委員石原武夫君) 商品取引所法の一部改正法律簡單な概要だけ、趣旨を御説明申上げたいと思います。お手許に法律案要綱というのが御配付申上げてあるかと存じますが、それに従つて極く簡単に御説明申上げます。  改正の第一点は、取引所の会員、仲買人につきまして定員制を新たに設けようという趣旨でございます。現行法におきましては、御承知のように定員を定めることが一応できないような建前になつております。これは現行法におきまして、会員、仲買人につきましては法定要件を備えておりますれば、正当の理由のない限りにおいて加入を拒み得ないというような規定になつておりまするので、その定員制を設けないことにいたしておるわけであります。併しその後取引所法を施行いたしまして一年数カ月になりまするが、その後の状況に鑑みまするに、会員、仲買人の数は相当殖えて参りまして、現在の状況におきましては、物的の面におきましてもこれ以上仲買人をそう無制限に殖やすことが不可能の状況にもなつておりまするし、又将来売買取引の不当な競争が起る懸念もございますので、この際定員制を布いたほうが、より取引所の円滑なる運営が期せられるというので、定員制を布くことにいたしたわけであります。これは過去におきまする商品取引所におきましても概ね定員制はございましたし、現在証券取引所におきましても定款で全部定数を定めることにいたしております。又アメリカ等の取引所におきましても会員制がございまするので、それらの例にも鑑みまして、新たに定員制を設けることにいたしたわけでございます。  それから改正の第二点は、商品仲買人の登録につきまして、取引所の事前の承認を必要とするというふうにいたしました。現行法におきましては、仲買人になりますためには法律の要件がございますれば、取引所を経由いたしまして直接主務大臣に届出がありまして、主務省に登録をすることになつておりますが、仲買人の資力、信用等をよく調査いたしますために、又取引所の自主という点から申しましても、取引所自体におきまして仲買人の適否を一応判断することが適当だという考えからいたしまして、今後仲買人になるものにつきましては、取引所の承諾を必要とするというふうにしたわけであります。  それから第三点は、商品仲買人の外務員の登録制度を新たに設けたことであります。現行法におきましては、委託の場所以外におきましては、仲買人本人以外の者が委託の勧誘業務に携わることを禁止しておるのであります。これはその後実施の状況に鑑みましても実情に副いません点がございますので、証券取引所法に基く証券取引所におけるような外務員制度に似た類似制度を法制化いたしたいという趣旨でございます。ただ商品は証券と異りまして、委託の売買をいたしますものが非常に対象範囲も現実に限定されておりますし、又外務員制度はえて弊害を生ずる点もございますので、それらの点を考慮いたしまして、仲買人の使用人のうち取引がいろいろ定款で資格、要件等をきめまして、登録を受けたものに限つて委託の勧誘が営業所以外でできるというような趣旨の規定を設けたのでございます。  第四点は監督規程の整備でございますが、現行法によりますると、非常に価格が変動いたしまして、不当な投機が行われる慮れのある場合だけに対しまして、監督規程の発動ができるようになつておりまするが、その他法令或いは定款、業務規程、受託契約準則というような各種の規則がございますので、それらを励行いたしますために、なお監督の発動ができるように監督規程を挿入いたしたのが第四点でございます。  第五点は特別担保金制度でございまして、これは現行法によりますと、売買の取引の安全を確保いたしまするために会員信認金、仲買人保証金、売買証拠金等の担保金を取引所に与託いたしまして、取引所内におきまする取引におきまして不履行が起りました場合に優先弁済権を認めまして、損害の賠償に当てることにいたしておるわけでございますが、現在のごとく取引所が非常に増大して参りまして、又場外における経済的にいろいろに状況が変動いたします際におきましても、万一取引所の取引につきまして違約が生じました場合を考えますると先ほど申しました会員信認金等では到底賄い切れないような損害を生ずる虞れが多分にあるわけであります。それでこれらの会員信認金、仲買保証金等のほかに新たに会員から共同の担保金を積立てておきまして、万一違約が生じた、こういう場合に違約者が積立てました会員信認金でありますとか、仲買保証金等によつてもなおその損害を、債務を履行できない場合におきましては、その積立てました共同の積立金から優先的に債務の弁済を受け得るという特殊の積立金制度を設けることにいたしました。それの立法化を今回規定をいたしたわけでございます。これは実は現在の取引所は御承知のように会員制でございますので、従来ございました株式会社組織の取引所のごとく損害賠償の責任がございませんので、現在におきましても、取引所の取引の安全を確保するために、繊維関係の取引所においては概ねすでにかような制度を事実上実施をいたしております。ただこれは法的に根拠がございません関係もありまして、違約が起きました場合に、会員相互間における優先弁済するというような趣旨の規定もございませんので、この際それらを明らかに法制化をし、優先弁済権もはつきり規定をいたしまして、十分その効果を発揮いたしたいというのがこの法の趣旨でございます。  その他第六点といたしまして、これは非常に細かい規定で特に御説明を申述べるほどのことでございませんで、現行法で或る意味では単なる手続と申しますか、或いは必要な煩雑な手続を重ねておりますような点につきまして、概ね字句の修正という程度改正を同時にいたしたいというのが、今回これを提案した大体の趣旨でございます。
  135. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 本日はこの程度にしておきましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 御異議がなければ、本日はこの程度にして散会いたします。    午後五時十八分散会