○島清君 私は目下本
委員会にかか
つておりまするところの法案と関連をいたしまして帝国石油の問題を
政府側に質したいと思
つているのであります。大体この問題は、私の知
つている限りにおきましては、一つの問題として反響を喚び起した非常な大きな問題として扱われておるのであります。私が議会
関係から見ましても、二十六年十一月十七日に本
委員会におきまして私が勧告の趣旨に基きまして
政府側に質したのを皮切りにいたしまして、更に二十二日には参考人を喚問いたしまするし、同じく二十二日には
衆議院の安本
委員会におきまして自由党の志田議員から会社側の侵しておりまするところの勧告の無視と、更に高津配当の不合理さを衝いて
質問をや
つておりまするし、更に今年になりましてから二月の十九日に、同じく
衆議院の予算
委員会におきまして、中曽根議員から、これは
政府高官筋のこの問題に関連をいたしまする汚職問題の疑惑を受けるような発言がなされておるのであります。更に越えての三月の五日には同じく
衆議院の労働
委員会におきまして、森山議員から正しく国家の資源を守ろうとするところの労働組合の幹部に不当な彈圧をなしたという趣旨の下におきまして、同じく会社の経営のな
つていないということ、並びに山陽会社と関連をして非常に不正があつたということと、更に勧告の趣旨を裏切るような秘密の指令がなされておつたということが詰問的に
質問をされておるのであります。
以上が議会
関係のことでありますが、更に又世論の側から見ますると、
昭和二十六年の一月の十一日には時事新報によりまして、総司令部鉱山地質顧問ソーマートン氏の濫採に対する警告というようなことがとり上げられておりまするし、更に同じく二十六年の四月の十日には総司令部の天然資源局石油課長のL・W・スタツク氏が経済新聞社発行「石油と油脂」五月号に、
日本の採油量と題して寄稿いたしましてその影響を警告しているのであります。十一月の八日には
日本経済新聞がやつぱり帝石の問題を扱
つておりますし、二十六年の十一月の二十五日にはニツポン・タイムズは、帝石の行為は国民に対する犯罪行為であると論断するところの記事を載せているのであります。二十六年の十二月の二十一日には石油経済新聞が帝石の助成金について取扱い、更に二十七年の一月二十五日には
日本経済新聞がやつぱり帝石の問題を扱
つているのであります。更に二月十一日にダイヤモンドの二月中旬号が帝石の問題をやつぱり批判しておりまするし、三月の一日には「経済批判」がやはり帝石の問題を取上げているのであります。三月の十三日には日刊工業新聞が同じく帝石の問題を取扱
つておるのでございまして、国内の世論にも帝石の問題はこれほどまでに重大なるところの反響を与えているのでございますし、更にこれが又国内的の世論の反響ばかりではなくして、国際的にも大きな反響を与えておるのであります。
国際的に申上げますると、まあ大体司令部
関係でございまするが、
日本の石油資源の効率的な採油をなさしめるために総司令部側から招聘を受けて
日本に
調査に参られましたところアメリカのカリフオルニア大学の教授で、ウイルバー・H・ソーマートン博士という人が、これは世界的の石油問題に対する権威者だそうでございまするが、この人が総司令部に報告書を寄せられたのを皮切りにいたしまして、同じく総司令部のほうで天然資源局の
局長をや
つておられましたところのスケンクさんがこの問題をしばしば扱
つておられまするし、更にその下におられましたところのスタツクさんがやはりこういう問題を扱
つておられるのであります。
議会の扱い方といい、更に世論の反響といい、その世論の反響が只今申上げたように、国内ばかりじやなくして、国際的な
関係においても至大な影響を及ぼしているということが言われまして、大変な問題として私達が予想した以上に問題はあらゆる
方面に反響を呼び起しているのでございまするが、更に私達がそうでないようにというて
期待しておりましたが、会社側の不正が検察庁において摘発をされまして、これが昨日の朝日新聞によりますると、会社側のほうが家宅捜索を受けておるのであります。三十人くらいの係官が会社側に来られまして約三時間に亘りまして家宅捜索をしておられるのであります。告発を受けた当時に四トンくらいの資料を押收されまして更に家宅捜索を受けるということの事態を招いている。
非常な重大な問題でございまするが、それに対しまするに、
政府側の
衆議院の質疑応答を見ましても、何か知らん、いつも
調査報告であるという
程度にその場限りの答弁をなされているように思いまするのは、大変遺憾でございます。私はこういつたような大きな反響を呼び起しておりまするところの大きな国家問題に対して、私が二度ならず三回目でございまするが、
質問を通告いたしましたに際しまして、資源庁の長官がお見えにならないということはすこぶる私は遺憾でございます。なぜかと申上げますると、中曽根君の先般の
衆議院の予算
委員会におきまするところの質疑応答の中に、やはり疑惑を受けるような発言がなされている際に、資源庁の長官がその責任者でありながらこちらの方に見えられないということは私はすこぶる遺憾に堪えません。先ず私は
質問に入ります前に、今日岡田次長が見えておられるようでございまするが、この問題は従来の答弁のように
調査報告であるというようにぬらりくらりとしてその場を糊塗するという段階ではもうないと思
つておりまするが、
相当覚悟をきめて来られたか。例えば石油資源開発法等に照しますると、
政府は資源庁長官の答弁の如何にかかわらず、
相当会社に対しまして
命令をするところの法的根拠も持
つておりまするし、その法的根拠に基きまして或いは通産省の肚をきめて来られたかどうか。或いは大臣の許可、認可を受けなければならん問題であるならば大臣の許可を受けるとか、或いは省議を決定しなければならん問題であるならば省議を決定して来られたかというような
最後的な、大体この帝石問題に対して
最後的な決意をして本
委員会に来られたかどうか。まず真先にこれから
質問したいと思います。