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1952-03-08 第13回国会 参議院 通商産業委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月八日(土曜日)    午前十一時十七分開会   —————————————   委員の異動 三月六日委員松浦定義君辞任につき、 その補欠として櫻内辰郎君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     竹中 七郎君    理事            古池 信三君            結城 安次君            栗山 良夫君    委員            中川 以良君            松本  昇君            山本 米治君            加藤 正人君            山川 良一君            島   清君   政府委員    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    通商産業大臣官    房長      永山 時雄君   事務局側    常任委員会專門    員       林  誠一君    常任委員会專門    員       山本友太郎君   説明員    経済安定本部産    業局次長    岩武 照彦君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○通商及び産業一般に関する調査の件  (昭和二十七年度電力需給計画に関  する件)   —————————————
  2. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 只今より通商産業委員会を開会いたします。  公報にてお知らせ申上げましたように、通商産業一般に関する調査昭和二十七年度電力需給計画に関する件を議題といたします。電力不足折柄電力需給計画策定如何は国民の注目するところでありますが、特に本年は日米経済協力の要請から、三千キロワツト以上の大口電力需用増加が著しく、これが取扱の如何によりましてはあらゆる需用種別に対し、影響が大きいのであります。つきましては、本日は最初に二十六年度電力需給計画及びその実績について説明を聽取し、次に我が国の生産目標から見て二千キロワツト以上の大口電力需用がどの程度必要であるかにつき説明を聴取し、最後公益事業委員会がこれを如何なる方針によつて調整するかにつき調査いたしたいと考えますが、以上のような順序によつて調査を進めることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) それでは最初公益事業委員会から二十六年度電力需給計画及び実績資料について御説明を願います。
  4. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) お手許に若干の資料を差上げてございますので、その資料に基いて御説明申上げたいと存じます。  昭和二十六年度の当初計画及び実績に関する資料といたしましては、お手許にありまする資料のうちの二通りのものを用意してあるのでありまするが、先ず供給計画実績についてお話を申上げまして、その上で需用量計画実績について御説明申上げたいと存じます。ただここに手許にございまする資料としまして、計画といたしましては昭和二十六年度年間当初計画を用いたのでありまするが、まだ一—三月の実績等につきましては、期の途中でございまするので、数字手許にございませんし、又途中でもございましたので、便宜上実績については暦年の一月から十二月までの実績を取つて比較することにいたしたわけでございまして、三月の期間ずれがございまするので、その点惡しからず御了承を願いたいと存じます。  先ず一枚刷のこういうもので、表題が昭和二十六年一—十二月実績供給力と上に書いてあるのでありまするが、下のほうに同じく昭和二十六年度年間当初計画供給力、これは供給力の対照でございましてこれについて御説明を申上げたいと存じます。丁度三月のずれがあることを頭に描きながら御説明申上げます。先ず水力について見ますると、全国の合計の、右の端の数字で上と下と対比しながら御覧頂きます。水力はこの欄が二つなつておりますのは、上の小さい数字住友共電黒部川電力の分でございます。便宜電力会社の分だけについての説明は省略させて頂きますが、水力年間計画では三百二億一千四百万キロワツト・アワー利用できるものと計画いたしておつたのでありますが、実績は三百二十七億八千百万キロワツト・アワーというふうに非常に殖えております。この主なことは、この実績がありました期間を通じて見ますというと非常に豊水であつたのでありまして、それが一つの大きな要素をなしておるのであります。豊水の率をざつと御説明申上げまするというと、丁度一月から十二月までの実績は、通算をいたしまして五%の豊水なつておるのであります。この中には非常に電力が不足いたしまして、いろいろと御迷惑をかけました夏の渇水のときの数字の二割前後の渇水があつた期間を含めておるのでありまするが、何分一月、二月、三月は全体として非常に豊水であつたことと、それから四月、五月も豊水でありましたし、それと十一月、十二月が豊水でありましたような関係で、全体といたしましてはあれだけの大渇水が約三カ月にも亘つてつたにもかかわりませず、一〇五%の豊水成績を取つておるのでございます。こういうふうな氷の多かつたことが一つの大きな要素をなしておるのでございまするが、もう一つは、この計画を立てましたときにはおおむね全国で見まするというと七%程度停止予想しておつたのであります。停止と申しますのは、豊水期には成るべく水力発電所が次々と修繕を豊水期間にやらないと運転に支障を来しますのでありまするからして、毎年計画的に点検、手入れをいたしておるのでありまするが、それが大体その程度、これは個々の停止計画を集計して、或る程度圧縮して想定したのでありまするが、実績といたしましてはこの三分の二程度しか停止をいたしておらないのであります。四%余り程度停止率実績を示しておるのであります。これも何分電力需用が非常に多かつたのでありますからして、まあ無理をして成るべくやり繰りをして、そうして停止率を少くするというふうな努力をいたしました結果がこういうふうになつておるのでありまして、こうした事情が非常に大きく反映いたしまして、水力利用率と我々がよく申しておりまするが、利用率年初計画に比べまして相当に上廻つた成績を示したのであります。こういうことは、この利用率の上廻るということは、運用上に非常に望ましいことでありますけれども、同時にやはりいろいろな停止計画支障のない限度にこれをとどめなければならないということで非常にむずかしいのでありまするが、いずれにいたしましてもそうしたいろいろな要素が入りまして、五%の豊水利用率、両方で以てこれだけの実績を今年度実績としては收めておるのでございます。  火力につきましては、その次の欄に、計画では七一億四千三百万キロワツト・アワー焚くことになつておりましたが、一月から十二月までの実績では、七十億八千三百万キロを少し下廻つております。これは三月のずれが主として響いておるのでございまして、昨年の一—三月は、二月に一時ちよつと制限等事情がございましたけれども全体としては豊水年度でありましたので、火力余り一ぱいに使われなくて済んだ。言い換えれば石炭予想ほどに焚かなくて済んだ事情がございましたので、そういう実績が反映して数字が下廻つております。併しこれを四月から三月までの年度数字に直して、二—三月の実績をつかんでおりますが、三月等を或る程度予想してみますると、これは予想でありまするので、水が出ますと狂うのでありますが、大体この青本計画よりは、上廻るものと予想をいたしております。青本計画で使いましたときの七十一億四千三百万及び一億六千四百万キロワツト・アワー出しまするのに、石炭を六百三十万トン予想しておつたのでありまするが、四月からこの三月までの一部の予想を加えたトン数で見ました数字が、重油の石炭換算量を加えまして約六百八十万トン近くになるのじやないかと考えております。言い換えれば年初予想よりは、恐らく石炭消費量は或る程度上廻るであろうと、こう同じ期間について類推しますと類推されるのであります。あと受電その他ございますが、省略いたしまして、最後需用端供給力でございますが、青本計画では二百八十七億一千八百万キロワツト・アワーと推定いたしておつたのでありますが、三月ずれましたところでは三百一億三千万というふうに出ております。この主たる原因は、最初に申しましたように、この年間を通じて五%豊水であつたことと、それから水の利用ということについての努力が払われたということがこういう成果を生んだわけでございます。送電損失状態は、青本計画では二五・七%、これは最初から相当無理な努力を強いた数であつたのでありまするが、実績は、これが一月から十二月の上の欄で、二七、二%という実績を示しております。以上は供給力の面から見ました計画実績の対比であります。更にこれを需用の面から見ましたものが、三枚刷のものが二つございまして、一つは二十六年度当初計画需用電力量と書いてございます。一つは、二十六年の一月—十二月の需用実績電力量と書いてございます。この表の三枚刷の最初のページが総使用量キロワツト・アワー数を、千キロワツト・アワーの單位で出しておるのでございまして、二枚目と三枚目は、その年間標準料金分と、それから超過料金分とを仕分けして書いておるのでございますから、大体の傾向はこの総使用量の第一ページの表で二つ資料を対比して御覧頂きますると、それぞれの使用後における計画実績の推移がおわかりになるのでございます。極く大雑把に電燈について見ますると、計画は五十九億六千九百万になつておりまするが、実績は五十八億九千七百万、若干下廻つております。それから電力の、これは特別大口を除いた一般事業者電力の集計の欄で見ますると、右の端にありますように、百八億三千七百万の計画でありましたのが、実績では百九億三千四百万、このほうが僅かでありまするが、実績のほうが上廻つております。それから一行おきまして、特別大口の分につきましては百六億、これは特殊電力と両方対比しないと正確なところは言えないのでありまして、百六億の計画に対しまして百四億、これは二つ合せた数字で約百四億四千万ほどになつております。でその全体の総計数字が先ほど申上げました数字に大体対応するわけであります。二百八十七億に対して三百一億であつたと、こういうふうになつております。実績説明は以上であります。
  5. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 只今説明につきまして質疑がありましたら御発言をお願いいたします。
  6. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちよつと数字のことで御質問しますが、需用実績電力量でございますね、三万キロワツトの問題、各電燈電力等項目別に、一番最初使用量の経費と、それから標準料金分並びに火力料金分の百分率と申しますか、使用量総計の中で標準料金分が何%入つてつたか、ちよつとおつしやつて頂きたい。
  7. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 大変恐縮なのでありまするが、実は計画は四月から三月までであり、実績が一月から十二月末までをとりました関係もありまして、比率を手許数字出しておりませんのでありますが……。
  8. 栗山良夫

    栗山良夫君 いや、これは簡單に私はここで出るだろうと思いますが、例えば進駐軍の使用量が八億九千三百九十二万ですか、全国総計ですね、それに対して標準料金分が八億六千百三十七万七千ですから、それのパーセンテージがどれくらいになるかですね。
  9. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 総使用量に対する標準料金の占める割合でございますか。
  10. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうです。それをずつと下まで……。
  11. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  12. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記を始めて。
  13. 山川良一

    山川良一君 ロス計画実績と比較すると、九州のように大体計画のところまで努力して持つてつたところとそうでないところと、まあそうでないほうが非常に多いわけですが、現在最近の模様はどうなんですか。各会社ごとに最近の模様一つわかつておりましたらお話し願いたいと思います。
  14. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) この送電損失率は、実は私ども非常に関心を持つて見ておるのでありますが、豊水である場合とそれから渇水である場合、或いは制限をいたしました場合等によつて非常に激しく変動するものでございます。只今ちよつと手許資料を持つておりませんのでありますが、そういうふうな事情もありまして、この数字だけを比較して、直ちに数字の差があつただけ努力したというふうにばかり言えないのでありますが、非常に努力しておる割合に結果がいい数字の出ないような統計になつておるところもありますが、大体の傾向といたしましては、漸次送電損失率は減る方向なつておるのであります。併し冬と夏で当然ロス率が違うわけでありますが、現在の状態を一年間に延ばしたらどれくらいになるかという点につきましては、大むね上の実績数字程度にはもう行つているということは申上げ得ると思いますが、これは送電損失は更に軽減しなければならないのでありまして、引続き電気事業者としては努力して軽減するように骨を折つております。ただいろいろとロス軽減方策で骨を折り、或いは擅用の防止等でいろいろ骨を折りましても、いろいろ資金その他の面で配電設備状況がうまく行かないという事情も一面にありまして、その面から見ますと需用が殖えただけむしろロスが殖える傾向にあるのでありまして、絶対値の殖える傾向よりは相当骨を折つていることは御了承願いたいと思います。
  15. 山川良一

    山川良一君 私は骨を折つているおらんということを文句を言つているのではない。実際どのくらいになつておりますか。それを少しあなたがお話になりました、発電等状況についても違うという点を一つ書類ででもよろしうございますから、非常に参考になりますので、七年度見通し関係についてあとでよろしうございますから、今でなくてもいつか一つ御提出願いたいと思います。
  16. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 承知いたしました。
  17. 中川以良

    中川以良君 ここにお出し願つた二十六年度の表は、先ず供給力から申しまするならば、来るべき二十七年度供給力算定をする基礎になるものとして一応御計算をしておられるだろうと存じまするが、さようでありますか。
  18. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 当然二十七年度計画を立てますについては、実績は重要なる参考資料でございます。併し同時にその実績の中には豊水であるとか渇水であるとか、いろいろの事情もございまするので、そうしたものは実際問題として扱う場合には適正な数値に調整をしたもので組まざるを得ないと思つております。
  19. 中川以良

    中川以良君 すでに新聞等によつて承知いたしますると、二十七年度需給計画を御立案中であるように承わつているのでありまするが、先ず二十七年度供給力に対しましてはどういうような只今基礎をお出しなつておられるのか。いろいろ電力会社等その他と交渉中であるからには、それに基きすでに公益事業委員会資料なり御計画というものがあるはずでありまするが、本日はまだこれを拝見いたしませんが、その点御説明願いたいと思います。
  20. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記をやめて。    〔速記中止
  21. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記を始めて。それでは次に安本側から二十七年度大口電力需用想定及びその原因である重要産業生産計画を前年度と比較して御説明願いたいと思います。
  22. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) お手許に今委員長お話のありましたことに当てはまります資料をお配りしております。これはちよつと表の御説明を要しまするので、最初に二十六年度の当初の生産見通しと、その生産に関與している事業場等の中で、特に大口分として生産を期待し、それに応ずる買電の、電力会社からの買電所要量の欄でございます。その欄の括弧の中のほうは、これは標準料金分でございます。それからその次の生産実績見通しとございますが、これはその生産見通しに対応しまする実績見通しと、一部想定が入つておりますので、見通しとしたわけであります。その次に特別大口分買電実績の欄がございますが、これは以上左の三つの欄とちよつと違いまして、実際の暦年による買電実績でございます。従つて生産数量との間には三月間のずれがあるものと御了承を願いたいのであります。勿論買電でございますから、この中には特殊電力でありますとか或いは火力料金分も含まれております。で最後の欄が二十七年度生産見通しと、そのうちで特別大口分に期待をされておる買電の量でございます。実はこの二十七年度生産見通しにつきましては、昨年末以来何回もやつておりましたが、なかなか経済界の動向が変りますので、的確な見通しを得るのに困つております。この数字も実は最近の状況に鑑みまして、或いは若干改訂しなければならんかという点もございますが、まあ現在までの一応見通しとしましてはこういうふうに考えておるわけであります。ただこれは何分にも昔と違いまして、現在のように自由経済に移行して参つておるのでございますから、これが生産計画というふうには行かないのでありまして、一にかかつて経済界需要状況、或いは原材量、燃料、動力といつたものの需要関係等からおのずからきまつて来る問題だと思いまして、一応まあ本庁側のまあ文字通り見通しということに御了解を願いたいと思います。そのうちで最後の欄のこの生産を達成しまするにつきまして、三千キロ以上の受電契約を持つておりまする工場、事業場等で、電力会社から買電する必要のある量を計上して参つておるのでございます。この裏のほうをお返し願いますと、総計とございまして、電力会社に期待します分が約百五十四億というふうにございまして、昨年当初期待いたしましたものに比べまして十三億弱の増加がございまして、これは業種別に御比較願いますとおわかりになると思いますが、一番増加いたしましてございますものは、この化学肥料の点だろうと思つております。これは御承知のように昨年の秋以来増産分輸出に廻すということで、約十二、三万トン程度増加を見越しておるのでございます。従つてその分の電力量増加が一番多いようでございますが、ほかにも例えば化学工業等におきましては、多量の電力を消費いたします燐でありますとか、或いは有機合成でありますとかいうふうなものの増産相当目醒しいものがありますので、その辺の増加相当ございます。なお鉄等におきましても、普通鋼の鋼材のほかに特殊鋼関係でありますとか、或いは電気銑特殊銑といつたものの関係が若干増加が見込まれておるのじやないかと思つております。そういたしまして、昨年より約一割近い増加が必要じやないかというふうに考えております。ただこれは現在の段階におきまする見通しでございますので、この中には或いは市況の如何によりまして操短を計画されつつある業種もございますし、又逆にもう少し生産が期待されるというものもございますので、その辺はなお現実の電力割当等におきましてはこういう状況も十分勘案する必要があるかと考えております。まあこの百五十三億の電力量が、明年電力給供がこういうふうに期待できますかどうか、これは目下公益事業委員会と打合中でありまして、まだ実は決定を見ておりません。それからそのほかに自家発等もございますので、この買電のほかに自家発も大体昨年程度を考えまして、まあ大体こういうふうな電力需用に相成るだろうというふうに考えております。
  23. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 只今説明に対しまして御質疑がございましたら……。
  24. 栗山良夫

    栗山良夫君 この総計の百五十三億の総量の中で、標準料金分火力料金分とはどういう工合に見ておりますか。
  25. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) この点は実はまだ具体的に需給計画がきまりませんものでございますから特殊に幾ら期待し、或いは火力料金に幾ら期待するかということは、まだ大分計算に時日がかかると思つております。先ず元は平水か、或いは或る程度火力を見込みました供給力との関係になりますので、この百五十四億がそのまま確保できるかどうかという問題から先ず問題を片付けなければなりませんので、その点の方向目下委員会折衝中であります。
  26. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると百五十三億は御承知のように理想的な数字としまして、今需給計画上一応安定本部と通産省、或いはR・Bとの間で協定のできつつある数字は大体百五十三億に対してどの程度数字でございますか。
  27. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) まだはつきりした実は数字になりませんので、極く大ざつぱな御返事になりますが、これより少くとも一割以上は下廻るのじやないかと考えております。
  28. 栗山良夫

    栗山良夫君 一割といいますと百四十くらいですか。
  29. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 百四十億辺が確保できれば非常に結構でありますが、まだ供給力数字に達しませんが、若干むずかしいだろうと思つております。
  30. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから化学肥料増産分輸出に廻すというお話でありましたが、この生産数量の中で、輸出国内向けとを予定されておるパーセンテージはどの程度ですか。
  31. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 輸出数字につきましては、実はこの肥料年度、つまり七月末までの数字につきましては、一応昨年の九月以降で輸出十万トン、窒素肥料において十万トン、燐酸肥料におきまして十五万トンというふうに考えております。これはすでに国際的な取引のべースに乗つております。その次の肥料年度のことにつきましてはまだはつきりした数字をつかんでおりませんが、大体窒素肥料の国内的の需用は二百二十万トン前後というふうに見られておるのでありますので、生産数量がそれを上廻るものは輸出に廻す、そういうふうに考えております。  ちよつとお断りしておきますが、資料の御説明なつて恐縮でございますけれども、硫安におきまして二百四万という数字の中には、我々の計算技術としまして硫安にならないアンモニア製品も入つておりますので、硫安のあのままのものが二百四万トン出るというわけではございませんので、これは電力計算上同じアワーを食いますので、こういうふうに計算しております。
  32. 栗山良夫

    栗山良夫君 その点は了承しましたが、それも含めて二百四万トンのうちで、今のお話ちよつとはつきりしないのですが、二百四万トンの中で何万トンが一応輸出に向くのでございますか。
  33. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 年度としまして大体十五万トン程度じやないかと考えております。窒素肥料におきまして十五万トン前後かと考えておりますが、これはまだ一応の推定でございまして、相手方の需要或いは国内的な内需等関係から確定した数字ではございません。
  34. 栗山良夫

    栗山良夫君 まあこれはこの問題に直接関係はありませんが、参考までに承わつておきたいのでありますか、この硫安輸出、主なる輸出先と、それからその輸出先に対してアメリカ等からも恐らく輸出があるだろうと思いますが、それと比較して価格状態はどういうようなことに現在なつておりますか。
  35. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 輸出先の主なるものは韓国、それから沖縄、台湾、フイリピン等でございます。この国別数量等は、この肥料年度内のものはまだ最終的にきまつておりません。目下外交機関を通じまして折衝の運びにあるようでございます。他面この価格のほうは、従来は相当内需価格を上廻つた価格輸出が可能でございましたが、最近アメリカ品競争は余り開きませんが、イタリアその他の競争が若干あるようでございますので、従来通り値段で行けるかどうか、若干疑問があるようであります。これは專ら交渉の問題でございますので、我々といたしましてはできるだけ高い値段輸出ができるようにという交渉をやつておりますが、なかなか競争国もありますので、そううまく参らん点もあるかと思います。
  36. 栗山良夫

    栗山良夫君 例えばですね、フイリピンでもタイでもよろしうございますが、向うへの著値段、それが例えばイタリアアメリカ製品と比較してどんな状態に実際になつておりますか。
  37. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 従来の契約におきましてCIF八十ドル以上を維持しておりました。最近イタリア等の品物につきましては、手許資料を今持つておりませんが、若干これを下廻つておるように聞いております。これは勿論確認された数字でございませんので、ただそういうふうなオフアーがイタリア方面からあるというような情報のみであります。
  38. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると今までは海外向けには非常に有利に出ておつた価格的に有利に出ておつたというお話でありますが、それは内需価格とどのくらいの差がありますか、輸出価格は。
  39. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) お尋ねでございますが、実は内需価格のはつきりした資料ちよつと今手許に持合わせておりません。片一方輸出のほうも先ほど八十ドル以上と申上げましたが、これが八十何ドルでありますか、ちよつと今資料を持合わせないので後刻にいたしたいと思います。
  40. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 最後に二十七年度電力需給計画でありますが、これは電気事業経営者会議において目下策定中の由でありますから、すでに電気事業者側から提出された第一次案を基礎として、今後如何なる調整方針及び作業予定で需給計画を策定して行くかについて、公益事業委員会から御説明を願います。
  41. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 二十七年度需給計画の策定につきましては、その計画策定に必要なるいろいろな資料は、需給調整規則の定むるところに従いまして電気事業者があらかじめ公益事業委員会に提出することになつておりますが、公益事業委員会はそれを基礎としまして、そうして委員会として適当と考える需給計画を立てるわけであります。現在の段階では電気事業者は先ず供給力を幾らにすることができるかということの作業を中心として一生懸命に努力いたしておるのであります。委員会といたしましても電気事業者がいろいろと作りました資料出しましても、それにいろいろと大きな修正を加えますということも成るべく葬るように、事前にいろいろな情勢、その他をば電気事業者に伝えまして、成るべく実態に即したものを作成させるように指導しておる次第でありますが、そういうような意味合いで只今一応出ておりますのは、このお手許資料の中の会社想定需用という欄の所に数字が載せてありますが、委員会といたしましては、なおこれにはもう少し調整をいたしたい面があると考えておるわけであります。  お手許にありまする昭和二十六年一—十二月実績、二十七年度会社想定需用対照という表の、三つの対照の形になつた表が差上げてございますが、二十六年度の当初計画におきましては需用端供給力は一番下の総計欄にありますように二百八十七億となつております。それから右の端にあります、電気事業者が一応作りまして出して参りました数字は三百七億という数字なつております。これは黒部川と住友をも含めた数字なつております。ここまで参りますのにも、いろいろ電気事業者としても昨年の実績その他を勘案をしまして、そうしてその程度のことはできると言つて出しておるのでございますが、なおもう若干供給力の面におきましても考慮する余地はないかというので、電気事業者のほうに更に一段の努力をしてもらつておるわけであります。それが出ますのを待つて需給計画を策定をすると同時にこのような形になるように思うのであります。大体二十七年度計画を立てますのにはやはり二十六年度の場合と同じように豊渇水予想ということは、豊水の場合も予想されますが、同時に渇水の場合も予想されますので、十カ年の平均の出水率を基準といたしまして、そうしてこれを基礎として利用率豊水率等も想定して供給力を出すようにしております。又火力につきましては、石炭を幾らまでは需用に合わして焚けるかということを判断してきめるようにしておりますが、大体昨年度計画も、実績で見ますと、三月末の実績でありますが、三百億程度ということになつておりますが、先ほど御説明申上げましたように、年間五%の豊水で申しますと、これが十五、六億キロワツト・アワーくらい違うのでありまして、平水に戻して見ますと、この二百八十七億という数字の上によりまするものは、この一年間増加しました発電所の増加供給力、それから石炭を昨年よりも余計焚くということを予想することによつて期待できる増加電力量、それからロス利用率等が若干でも改善できるならば、その大部分を考慮するというようなことにいたしておりますので、大体この電気事業のほうで出しておりまする数字とそう大きく変更の余地もないのではないかと私どもは考えておる次第であります。併しなお今努力いたしておりまするので、この需用端供給力の右の端の数字はもう若干殖えることは期待いたしておるわけでありますが、この供給力の枠内で只今予想されまする二十七年度需用を賄いますのには非常に苦しいのでございます。で三千キロワツト以上の特別大口需用の面につきましては、先ほど経済安定本部からの御説明がありましたが、非常に大きな計画が要望されておりますし、又電燈、小品電力その他につきましても、昨年の実績等をも勘案いたしますると、それから予想いたしますると、それを集計した数字は非常に大きくなるのでありまして、どうしても供給力の枠内で国家の産業政策上必要とするいろいろな要請をも活かし、又実際の需用家に対する影響も成るべく少いようにするという調節面を出すのに非常に骨が折れるのでありますが、これらの点は供給力の出ますのに合わせて経済安定本部ともよく打合せをいたして、そうして数字の決定をいたしたいと思つております。この只今の表で御参考に、電力会社が一応出しました案、これはまだそういうふうで未定稿でありますが、これと計画及び実績割合を内訳的にすべて見て頂きますると、例えば電燈の全体の計の欄で御覧頂きますと、会社が一応はじきました数字の分では、二十七年度六十億六千三百万を予想いたしておりますが、二十六年度計画はこれが五十九億六千九百万であり、実績は五十八億九千七百万、大体実績と似通つて、少しは上廻つたかと思うくらいの数字なつております。又電力一般、これは特別大口を除いたものの集計で見ましても、二十六年度の当初計画は百八億五千七百万であり、実績は百九億三千四百万でありまして、今度の想定需用が百十二億六千万で、少し上廻つた傾向なつておるのであります。それから特別大口につきましては、これは特殊電力の分の大部分がやはり特別大口に食われますので、概算としてはその特別大口特殊電力を加えたもので見ますと、およその見当がつくのでありますが、表の数字は正確にそれを加えた数字でないものでありますから載せてございませんが、今のようにしておよそのめどをつけるために集計した数字で申上げますと、二十六年度の当初計画が百九億六千二百万であります。実績が百二十四億八百万となつております。会社の想定需用ではこれが百二十五億七千六百万というような数字なつております。この百二十五億七千六百万という数字を会社側は一応彈いて参つておりますが、これに対応する数字が、先ほどの経済安定本部数字説明しました百三十九億九千万という数字の間にどう調整するかという問題になるのでありまして、このほうを供給力で殖えた分がプラスになりますけれども、それは先ほど申上げたように三百七億という数字からは出ない。大きくは狂わないと思いますので、どうしてもその辺の点は調節をせざるを得ないのでありまして、これらの点はそういう電力会社からの最終的な供給力数字が出ましたならば、その上に立つて協議の上で決定をいたすべく準備をいたしておる次第であります。
  42. 栗山良夫

    栗山良夫君 もう一つあとで御質問をいたす資料として承わりたいのですが、只今平井技術長から御説明を頂きました電力数字総計欄がございます。二十六年度の当初計画二百八十七億、同実績三百一億、会社想定需用三百七億というのがありますが、このうちで水力発電の分と火力発電の分の内訳がありますか、それを……。
  43. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 只今の御指摘の数字は、これは需用端供給力でありますので、需用端換算の数字水力火力はどうなつておるかということの数字は、ちよつと手許にないのでありますが、発電の数字は一番最初に御説明申上げました一枚刷の分に実績及び計画数字が出ておりますので、大体これからロスというような形で圧縮されたのが主たる供給力なつているのであります。それで以て大体の見当を付けて頂きたいと思います。
  44. 栗山良夫

    栗山良夫君 大体の見当は計算してもわかるのですが、今資料を頂いたばかりだからその傾向ちよつと知りたいわけです。例えば二十六年度の当初計画で二百八十七億でありますが、それは山元に換算いたしますれば、山元のほうの水力火力の部分を発電力の比でそれを分けて頂いても大体この傾向がわかると思いますが、若干そこにコレクシヨンを加えて頂ければよろしいと思いますが、それを見て頂いて、この当初計画実績とでどういう工合に火力のほうが余計に入つたのか減つたのか、或いは会社の今度の想定では火力をどの程度入れておるのかということが、見当が付くのじやないか、それが出して頂けると思いますが……。  もう一つ今度の供給力増加を会社側が出しておりますが、その供給力の日増加を見込みました分でございますね。内容がちよつとわかりますれば承わりたい。例えば損失率をどれだけ減してどれだけになつた。或いは炭を余計焚くことによつてどれだけ増えたとか、或いは出水率をどれだけ見込んだためにどれだけ殖えたかという内訳がわかりましたならば……。
  45. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) それは只今出しております中間的な三百七億という数字の内容で申上げます。水力が発電端の数字でございますから、そのお含みで……。これは利用し得る水力であります。これを三百十五億キロワツト時と想定いたしております。この三百十五億キロワツト時の想定の中には、十カ年平均の出水率を基礎としまして水の利用率が九一・九考としてございます。それで九一・九を掛けました数が只今の三百十五億であります。従いましてこの中には一年間に完成しました水力によるキロワツト・アワー増加が若干は含まれているわけであります。  それから火力におきましては、八十三億九千万キロワツト時を予想しております。これは今年度の分につきましては、最近石炭消費量が非常に殖えましたので、石炭の炭質の低下等もありますので、そうした点も若干考慮せざるを得ない面があつたのでありまするが、石炭トン数に換算いたしますと、これは重油混使用分約三十万キロリツトル弱を加えまして八百三十万トン、石炭換算八百三十万トンの炭を焚くという想定の上に立つております。  その次に受電が七億五千四百万であります。それから委託発電がこの計画で四億二千五百万キロワツト時ほど見てございます。合せますると発電端の供給力の発電力量が四百十一億キロワツト時ほどになつております。これに対しまして送電損失率を二六%と見まして需用端換算の供給力は三百四億、これに住友の分を加えまして換算しました数字が、先ほどの三百億になるのでありまして、それを除いた数字は三百四億でありまして、住友の分を調節しまして三百七億になるわけであります。
  46. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今数字は中間報告だというお話でありますが、成るべく早くこの委員会に二十六年度実績或いは当初計画をもとにせられまして、二十七年度の発電力並びに需用供給電力等の計画をせられた内訳を整理して提出されるようにお願いをしたいと思います。今御報告頂いたので大体わかりますけれども、併し水の利用率にいたしましても、二十六年度から二十七年度でどういう工合に変化があるのか、或いは石炭の効率にいたしましても、そこがよくわかりません。又損失率にいたしましても、二十六年度全国二七・二%ということになつておりますが、これも二六%に予定をするとしますと、一%は相当に大きな数になるであろうから、そういうものがどういう根拠で行われておるのか、一応私どもが理解のできるような資料一つ提出願いたいと思います。
  47. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 只今栗山君の資料はいつ頃出して頂けますか。
  48. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 今の中間的に出しておりますものでございましようか、近く出ました上で……。
  49. 栗山良夫

    栗山良夫君 いつの資料にするかは、今日委員会が終るまでまだいろいろ調査が進むでしようから、その結果私申上げます。
  50. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 大体公益委員会と安本のほうから御説明願いましたが、通産省側からはこれに対して御意見ありますか。
  51. 永山時雄

    政府委員(永山時雄君) 特に発言ございません。
  52. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 大体官庁側の説明が終りましたので、委員諸君から今度総合的に御質問願います。
  53. 栗山良夫

    栗山良夫君 その前に先ほど私がお願いしました数字が若しわかればちよつとお願いしたい。
  54. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 栗山君の先ほどの御質問の御答弁を願います。
  55. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) それでは数字を読上げますからお書取り頂きます。  先ず二十六年度の当初計画需用電力量の総電力量に対する標準電力量分のパーセンテージを読上げます。  計画の分で、例えば一番上の進駐軍九六%、それから定額電灯分は、これは細かく分けてありますが、定額の計の所で九十三、それから従量電灯が六十三、大口電灯が七十八、臨時電灯九十七、電灯計では七十七であります。それから業務用電力は八十七、小口電力八十九、大口甲九十三、大口乙九十四、臨時電力九十八、事業用発電力の計が九十三であります。以上の計が八十八になつております。特別大口が九十八、合計で九十二であります。  それから実績のほうを読み上げますと、実績では進駐軍関係は九十六、それから定額の関係は計で八十五、従量電燈六十一、大口電燈八十一、臨時電燈九十二、電燈の計は七十七であります。それから業務用電力は八十八、小口電力八十九、大口甲九十二、大口乙同じく九十二、臨時電力九十四、事業用九十七、電力の計で九十一であります。以上の計が八十七であります。特別大口が九十四、合計の欄で九十……。
  56. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちよつとこの数字で質問をしたい。特別大口の九十四というのがありますが、どういう計算になるのですか。
  57. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 実績のほうでございますか。
  58. 栗山良夫

    栗山良夫君 実績のほうです。実績のほうが特別大口が百億ですね、電力じや……、それに対して実績のほうは百三億であります。四億二千殖やして……。
  59. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 実はそのお手許に配りました印刷物の数字ちよつとミスプリントがありますので御疑念だつたと思うのでありますが、只今特別大口数字が、総量のほうが一、〇〇六となつておりますが、その上へもう一つ一をつけて頂きたいのでございます。一一、〇〇六でございます。印刷で一という数字が落ちておつたようでございます。そういたしますと只今の九四という数字になるわけでございます。
  60. 栗山良夫

    栗山良夫君 当初計画は百六になつているのですよ、どうしてこんなに殖えたのだ。
  61. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 百六と申しますのは、百四が年次の当初計画でございまして、実際には四、五、六等の月において若干の割当量も増加をいたしておりますので、実際の数字は百六程度になると思います。
  62. 中川以良

    中川以良君 先ほどちよつとお伺いをしておいたのでありますが、中座いたしましたので、栗山委員が今要求した表を拝見して更にお尋ねすれば一番よいと思いまするが、二、三お伺いいたしたいのは、供給力で二十六年度は先ほどの御説明で、出水率において約五%の豊水なつております。これは今後の供給力基礎算定においては十カ年の出水率を基準としておとりになるということははつきりしておるのでありますか。
  63. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) これは従来とも、将来の予想を立てまする場合に、翌年が豊水であるか渇水であるかの予想というものは誰しもいたしかねるのでございます。いろいろな日本の統計から何らかの基準を見つけようと苦労いたしましても、なかなか思うように出てくれないのでございます。そこでやはり長年の統計に基いた平均値を以てそうして見通しを立てるということを従来ともずつと続けておりまして、で現在のところで全国的にその平均値を全部拾いまするのが丁度十カ年分拾えるのでございます。それ以前の記録は戰災その他で散逸いたしておりましてないのでございます。部分的にそれで十カ年間の分、昨年は九カ年間の平均をとつております。本年は更に一年を加えまして十カ年の平均に基いてやつております。実際にその平均値通りに水はなかなか出ないのでございまして、年によつて非常に渇水いたしまして、又渇水した年度でも月によつて豊水の月も出るというようにいろいろでこぼこがある、供給力が十分でありますれば、渇水すれば火力供給量の石炭増加することによつてそれを賄つて行くことができると思います。現状はその彈力性の余地が非常に少いのでございます。又豊水でありまする場合には、供給力が潤沢である場合には、豊水であつたときにはそれだけ予定しておつた火力のいわゆる石炭の量を焚くのを減すことができるわけでありまするが、現状では需用のほうがどうしても、まあ供給力の不足がちな状態でございますので、水が出ましたならばそれだけはやはり抑制せられておつた需用の面に供給が殖えることになるのであります。昨年度は偶然年間を通じては五%の豊水でありましたので、実施後非常にそれを上廻つた嬉しい結果を得たのでございます。予想といたしましては、先ほど申上げましたように、やはりその平均をとつて行かないと、逆の場合も同じくあるのでありますから、そういう計画を立てております。
  64. 中川以良

    中川以良君 今会社側の出しておりまするところの数字というものは、供給力においてやはりその豊水率というものは十カ年の平均をとつて基礎でありますか、どうですか。
  65. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) そうです。
  66. 中川以良

    中川以良君 それに対していろいろな状態を勘案して公益事業委員会ではおきめになるという御答弁があつたのでありますが、その基礎が狂うというようなことが想像されるのですか、どうですか。
  67. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 成るべく狂いはないはずなんでございますけれども、例えば今の十カ年平均の流量自体にはもう狂いはないわけであります。平均値を取るわけでございますから、誰が計算しても同じ数字が出るものなんでございます。ところが水力発電というものは水を溜めておいて必ずしも使いませんものですから、深夜間の需用のないときには無駄に放流するということがどうしても若干出るわけでございます。それでも発電所が、百なら百の発電所が全部皆同時に稼働するということはどうしても期待できないのでありまして、或る程度停止率と申しますか、そういうものを見込まなければならない。その中では事故等のために、どうしても交る交るばたばた倒れるのでございます。それから又修理計画を実施しますために計画的に停止をやるのでございます。こうしたものがありまするので、まあそうしたものを総合して、計算上出た使えるべき水の量に或る利用率という数字の量を掛けてそれをきめておるわけでございます。利用率と申しますのは、今申しましたような停止計画に事故、深夜間でどうしても使わない分というようなものを、長年の統計の上に立つてそうしてきめておるわけでございます。例えば昨年の記録はたしか九一・一%という利用率を使つてつたと覚えております。二十六年度計画では九一・一%を使つてつた。その前年度はたしか八十台と思います。これは需用も多いし、又自然深夜の無効放流が出るだろう、それから又停止計画需用の多い際であるから何とかやり繰りをやらなければならんという、そういうような合理化の努力も織込み得るだけ織込んで、昨年は一応九一・一ということにきめてやつたのでございます。ところがその結果はさような上廻つた実績を示しております。そこで電気事業者のほうも昨年は九十一で押えたものですから、その供給力を保つために停止予定が大分予定通りとめられなくなりまして、非常に危險だから是非とめさしてくれい、もう少し辛棒しろというような折衝を随分我々との間でやつたのであります。電気事業者としては利用率が余り無理をしないようにという点はありますが、一面供給力が非常に足らない際でもありますので、何とか若干無理という形になるかもわかりませんが、我々やり繰りのできる限度は利用率をそこまで無理をして上げて行きたいということで、供給力を少しでも多く出るようにしたいというので電気事業者にやつてもらつております。恐らく若干これよりは上廻つた結果が出て来るものと見ております。
  68. 中川以良

    中川以良君 今のお話通りなんでございますが、私がお尋ねをいたしておりますゆえんのものは、いわゆるこの出水率の計算如何によつて一%、二%の違いでも供給力は非常な大きな相違になる。そこで本年のごとく利用の非常に多い、需給のアンバランスの場合に、徒らに公益事業委員会において机上においてこういう計画をお立てになつた場合には、一般の中小企業等に大きな影響がある。又大企業においても、これは地区的には非常に困る所ができて来るという点を私は虞れているのでありまして、飽くまで十年の平均をおとりになる基本計画、御見地かどうか、或いは場合によつてはこういう点で以て調査をずらして机上のプランを立てるというような考えがおありなのか、これを私は伺つているのであります。
  69. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 先ほど来経済安定本部のほうからも、詳細に来年度需用見込のお話があつたわけです。公益事業委員会といたしましても、電気事業というものは公益事業であり、できるだけ需用の面に即応するように供給を殖やして参るということが当然の責務であると考えているのでありまして、そういう意味で、只今お話利用率の問題でありますとか、或いはロス傘の点でございますとか、それから又委託発電等におきましても、勿論各自家用の発電所を持つておられる所ではこの際フルに運転して頂かなければならんと思いますが、それに対しましても只今電気事業のほうとして、いわゆる委託発電という形式で、全体の供給力にプラスをしてもらえるようにお願いをする点も、相当会社側の現在の案では昨年度実績に比べては殖やしておりますが、更にそういう点ももう少し再検討する必要があるのではないか、あらゆる面で今申しましたような点で再検討を今願つているのであります。  結論におきましては、大体どなたが御覧になつてもこの程度電力会社としても努力しているならば、これ以上止むを得んじやないかというところまでは、この際洗いざらいさらけ出し供給力の増強に向わなければならん、こういう考え方で、委員会もその考えでおりますし、又そういう意味で電力会社のほうにもいわゆる内面的の指導と申しますか、いたしているつもりであります。
  70. 中川以良

    中川以良君 私は本年は需用が多いのでありますから、供給力を増さなければならんことはもうこれは全く同感であり、これに努力しなければなりませんが、それには或いは送電線の設備を変えるとか、電源開発は間に合いませんけれども、電源開発の事業の期間というものをもつと繰上げるとか、或いはもつと火力におきましても資金的な面を見て、十分に協力をさせるということは当然やるべきだと存じますが、天然が相手のいわゆる出水率に対しまして、これを動かして辻褄を合わすというようなことは絶対にしてはならんと私は思うのであります。余計殖えれば当然これは使えて、余剰電力になりまして、これは各産業とも非常に利益をこうむるのでありますが、少くともそれを机上のプランで計画を立てた場合に、渇水時期において予想以上の苦難が各産業、殊に中小企業その他地区的の面にしわ寄るという点がありますので、そういうことは是非一つなさらないようにお願いをいたしたいと思うのであります。  それから今の停止計画でありまするが、昨年は四〇%とおつしやつたのですか、四%ですか……四%で済んだわけですか。ちよつと御説明がわからなかつたのですが。
  71. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 全国の平均で四・五%でございます。それが実績でございます。
  72. 中川以良

    中川以良君 そうすると昨年は相当にうまく行つたと思うのでありますが、本年もこれをまあ成るたけ停止しないでやろうということが考えられるのでありますが、併しなにさま物でありますから、オーバー・ロードになつた場合には、将来の修繕その他において相当にやはり懸念が私はされると思うのでありまして、この点は本年は一体どの程度を見ておられるのでしようか。
  73. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) これは手許に今正確な数字を持つておりませんが、昨年はこれは四・五%という実績を実は得たのでありますが、これについては実際に私ども昨年の実績を詳細に見てみますと、停止率をここまで締付けるということについては非常に無理があると考えております。と申しますのは、昨年の計画は七・二%で、四・五%に圧縮した結果になつたのですが、そのために昨年度停止計画及び修理改造計画というものはかなり持越になつておりますので、こういうことをたびたび繰返すと、丁度戰時中に来年は電気がなくなつてもいいからめちやくちやに焚けと言つて火力を焚いたために、戰争末期から終戰直後にかけて果して供給力はがた落となつた。こういうことはどうしても防がなければならないと思いますので、そういう面からいたしますと、やはり電気業者がいろいろ意図しておる計画量を達成し得るようにやつてやりたい気持はあるのですが、と言つてそれも十分できませんので、合理化の面で凌げる程度は凌いでもらつても、昨年の実績まで追い込むということは無理ではないかと考えております。若干その間のところで先ず見通しの立つところを見つけたいと考えております。
  74. 中川以良

    中川以良君 その点でありますが、どうもいろいろな伝えられているところによりますと、流れ込式発電所の補修期間、それから工事等を短縮して、利用率を高めて、ここに辻褄を合せようとしているような御計画があるように伺つておるが、こういうことはやはり天然相手と同じ結果になつて、日本の生産に及ぼす影響は極めて重大だと存じますので、こういう机上のプランは是非おとりにならないように、飽くまで公正な正直な数字の面において一つ供給計画を立てられて、一方において合理化促進に対しては十分に御鞭撻を頂くということにして頂かなければならんと私は思うのであります。そこで今の年次の利用率ですか、それから出水率の表を一つ頂戴いたしたいと思うのですが。
  75. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) どれくらいの期間のものですか。
  76. 中川以良

    中川以良君 一つわかりやすいようにやつて頂ければいいと思います。一つお願いいたします。それから本年の需用計画というものが相当大きくなるのでありますが、殊に新聞等で見ますと、日米経済協力の線というものが非常に大きく出ておるのですが、それは一体どういうものを示すのであるか、これは通産省か安本かで一つお答えを願いたいと思います。
  77. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 日米経済協力の実態につきましては、まだはつきりした方向、乃至具体的なあれはつかんでおりませんが、予想されますものといたしましては、非鉄金属関係或いは鉄等のアメリカ向の輸出、或いは肥料の南方諸地域向輸出も或る意味においては経済協力の一部であると考えております。その他いろいろ機械工業方面の需用等も出て参るのであると思いますが、そういうことにつきましては、或いはこの特殊鋼でありまするとか、機械工業であるとかいうものにつきまして若干電力量増加が期待されると思つております。いずれにいたしましてもいろいろな面がございまして、先ほど申上げましたようなアメリカ向けの資材という面のほかに、国内におきまして直接駐も軍の需要に応ずるという面もございます。或いは南方開発関係の資材等もございます。まだ具体的な数量方向等につきましてはつきりした方向乃至需要等をつかんでおりません。非常に抽象的な御説明でございますが、これ以上ちよつとわからんのでございますから……。
  78. 中川以良

    中川以良君 新聞等によりますと、大口のほうに、持に今度は特別大口電力を廻す。その中には日米経済協力というフアクターが大きく出ているのでありまするが、今の御答弁によりますと、それに対して何ら具体的のものはないと極めて漠然たるお話でありますが、そういたしますると、安本で以てその需用計画をお作りになる際には、そういうものが十分私は考慮されておると思うのでありますが、その辺はどうなんですか。
  79. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) その一部としましては、今申上げました化学肥料輸出というものもこれは日米経済協力の一環だと考えております。それからそのほかに先ほどちよつと落しましたが、アルミニウムの関係が若干増加する。その他につきましては鉄等につきましては或る程度の量の増加があるだろうということで、ここにございますように昨年の額に比べまして若干の増加を考えております。なお非鉄金属の関係の亜鉛或いは銅等につきましても或る程度増産が必要じやないかと思いまして、亜鉛につきましては比較的電力量が多いものでございますからその一部を考えております。
  80. 中川以良

    中川以良君 そうすると、大体のお見込は一応あつたのじやないかと思うのでありますから、関係方面との御折衝があつたんだと存じまするが、それに対して、これぐらいの電力を充てるのだというような一応そのお見込の基礎計算というものが私はなければならんと思いまするが、その点はどうなんでございますか。或いはそれは外部へ出さないのですか、どうですか。
  81. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) そういう方面の需用を見込みました結果がお手許にある計画数字でございます。
  82. 中川以良

    中川以良君 それはわかるのですが、この中にどのくらいな、日米経済協力という線を出しておるのですから、日米経済協力はこのくらいだという、やはりその内訳なり或いは基礎的な数字をお持ちかどうかということを私は伺つているのです。
  83. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 先ほど肥料につきましては申上げましたが、約十五万トン程度輸出可能ではないかと見ております。それから亜鉛等につきましては国際原料割当会議の意向がやつと最近はつきりしましたが、一四半期三千トン程度輸出なつております。銅につきましてはもつと大きい数字でございますが、そういうようなものがだんだんに出ておりまして、全体のあれとしましては、鉄につきましてはこのうちで約百五十万トン程度のものが輸出可能であろうと思います。
  84. 中川以良

    中川以良君 どうも今の御答弁極めて不明確でありますので、資料として一つ出し頂きたいと思います。その上で私は拝見いたします。  それでただ私はそこを申上げたいのは、漠然たる日米経済協力の線で特別大口に無計画電力を机の上で割当てられた結果、中小企業方面に非常に不当な圧迫をもたらす、更に又地区的に安い電力を他地区に送つて、そこで火力を使わなければならんというような非常なアンバランスの状態が起りますから、これは一つはつきりした基礎を以て私はおやりになるべきじやないかと思うのであります。  もう一つ伺いたいのは、この日米経済協力の線に沿うて電力はたくさん使われるのでありまするが、裏付となるいわゆる電源開発なりその他電力関係に対するアメリカの協力というようなものが或る程度明確にされて来ておるのかどうか、この点は官房長がおられるので官房長から一つ御答弁を願いたい。
  85. 永山時雄

    政府委員(永山時雄君) 電源開発につきましてはむしろ安本のほうが主管をしておられるのでありまして、御承知通り電源開発審議会等を設置して鋭意資金の面、いろいろな面についての審議をしておられるのであります。又一方今度の国会に電源開発に関する持別法人の特殊会社を設置しようというような考え方も目下研究が一面において進んでおるのでございますが、日本の電源開発に対する外国からの援助につきましてはいろいろの噂は聞いておりますが、私は責任を持つてお話をする立場ではありませんので遠慮いたしたいと思います。
  86. 中川以良

    中川以良君 その点は一つ十分に努力をされて、日本の電源開発の促進に私は一層の努力をしてもらわなければなりませんが、今日はその点についてそういつた御質問は申上げません。  それから今いろいろ聞くところによりますると、持別大口のほうに余計廻します結果、一般電灯並びに三千キロ以下の中小企業というものが圧縮をされるようでありまするが、今の表を見ますると、大体昨年二十六年度と同じぐらいは持つて行こうということが言われるように私どもは考えられるのでありまするが、併し実際の面におきましては、供給力がいわゆる机上のプランになりますると、どうしてもこちらに私はしわ寄せが参ると思いますが、その辺は供給力を殖やしまするためにそういうところを或る程度天引きに圧縮をするというような御計画があるかどうか、この点を伺いたいと思います。
  87. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 今まで議論しておりますことは、全体の電力供給量の問題でございまして、先ほど御説明しましたように特別大口の百五十三億という数字はなかなか確保はむずかしいだろうというふうにお答えしたわけでありますが、安定本部としましても、この特別大口増加のためにその他の一般産業が特別にひどく圧縮されるということはできるだけ避けておりますが、遺憾ながら電力量が十分に供給できません場合には、或る程度は止むを得ないかと思つておりまして、むしろ机上の数字よりも具体的な場合の制限の問題かと存じております。制限につきましては、これは特別大口たると然らざるものとを問わず、同じ方法でやつております。御説のように同じ業種でも特別大口もありますが、同時に中小企業の多い面もございます。そういう面につきましては同じような業種制限をつけるというのは適当かと思つております。昨年もそういうことで参つておりますので、幸いにしまして水が出まして制限の段階に至りませんければ結構であります。或る程度従来の実績に徴しますと、水の出ることもございますので、そういう場合はそういう措置はとらずに参れるかと存じます。
  88. 中川以良

    中川以良君 更に具体的に申上げまするならば、新聞等によつて見まするところによると、三千キロワツト以下の大口電力及び業務用電力供給を四乃至五%圧縮して、三億キロワツトを浮かせようというようなことが言われておりますが、そういうような御計画があるのかどうか承わりたいのでござ円います。
  89. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 特別大口の枠の増加のために三千キロ未満を特別に圧縮するということは考えておりません。特別大口といえども業種によりましては一般産業と同じように圧縮することが妥当かと思つております。これは偏に制限の段階だと思つております。
  90. 中川以良

    中川以良君 実際としてはその法的に制限をされる際にはこの小品のほうだけが切られてしまうという結果に私は今までから見ましてもなると思いますので、若し又停電々々というふうなことが、二十七年度におきまして社会不安等を招き、又不当に中小企業が圧迫されるのではないかという点を私は恐れて伺つているのですが、そういう御懸念はございませんですか。
  91. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) お言葉でございますが、制限段階におきましては同じ基準で業種によつて制限を加えますので、三千キロ未満につきましても三千キロ以上と同じような制限を加えるわけであります。なかんずくこの特別大口の中におきまして一番電力を食います電気化学工業につきましては、場合によりましては昨年の秋、東北で経験いたしましたように、むしろ小口よりもひどい制限をこうむつているという時期もございます。これはそのときの状況によるものと見ております。建前としましては、大中小を問わず同じ基準で参る。又逆に業種によりましては中小企業ばかりのところもございます。そういうようなところについてむしろ制限を緩和している業種もございますので、全般のこととしましては、特に特別大口のために一般産業が被害をこうむるということはないと思つております。
  92. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 公益委員会のほうにお願いいたしますが、先ほど中川さんの三千キロ圧縮したという新聞記事に対して公益委員会の御見解を承わります。
  93. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 先ほど岩武次長からお話がございましたように、要は総供給力をどの程度彈き出し得るかという点が一番の問題だと思うのでありますが、私先ほど申上げましたように、勿論この單なる机上のあれになつてしまつたのでは申訳ないのであります。従つて利用率ロス率等を必ずしも二十六年度実績がこうであるからその実績まで上げるというようなことは愼重に検討しなければいけませんが、併しながら今日のようにいろいろな面で供給力増加しなければならない時期でありますから、先ほど申上げましたようにそういう線に沿つて供給力の常識的な増強方法というものは十分講じたいと考えております。併しながら例えば特別大口だけでも先ほど安本のほうから御説明がありましたように百五十数億の需用があるのであります。従つて供給力と相照し合わせまして考えましたときに、到底それだけの特別大口数量を充たすということは実際問題としてむずかしいと思います。併しながらその特別大口、而もそのうちでも先ほど来お話がありましたようなアルミとか化学肥料とかいうようなほうにどうしても相当の量をつけなければならんという、産業政策全体から見ての要請があるとすれば、総供給力に限りのあります以上、或る程度他のほうにそれだけのしわが寄つて来るということは、これは理窟の上からいつて止むを得ないことだと思うのです。併しその場合にもただ三千キロワツト未満のほうだけがすべてしわ寄せをされて、三千キロ以上のほうは何ら影響ないというのでは非常に不公平でありますので、仮にしわが他のほうに寄せられるといたしましても、その間の均衡というものは十分考えて行きたい、かように考えております。
  94. 中川以良

    中川以良君 火力の面でありまするが、まあ二十六年度は六百八十万トンの消費の見込というお話があつたのでありまするが、石炭需要は二十七年度も大して私は心配はないと存じまするが、大体この使われておりまする炭のカロリー計算は一体平均どのくらいになつておりますか。
  95. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) これは宇部炭、常磐炭或いは九州炭によつて内容がいろいろ違うのでありますが、今回の電力会社予想によりますと、平均いたしまして五千五百カロリーとなつております。
  96. 中川以良

    中川以良君 それから二十七年度には重油の消費というものはどういう見込でありますか。
  97. 平井寛一郎

    政府委員平井寛一郎君) 先ほど申上げました数字に重油二十九キロリツトル、約二倍といたしまして、石炭に換算して六十万トンにはちよつとなりませんが、五十数万トンぐらいの石炭に換算した熱量と御覽になつたらよいと思います。
  98. 中川以良

    中川以良君 油のほうは統制がなくなつて来るのでありますが、今まで一応あれは割当をしておられたわけでありますね。今後統制解除をされた場合にはその取得というものはどういうようになりますか。価格の面においてどういうふうにお考えになりますか。これは安本かも知れませんが……。
  99. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 御承知のように現在重油にはマル公がついております。このマル公が今の通常の船運賃を、タンカー・フレートを基礎にしましたものに加えまして若干しぼつております。パーセントはたしか一か二でありましたかしぼつております。多分その分はかかるかと思いますが、極めて僅かであります。いずれにしましても統制が近く外れますと、やはり通産省の輸入形式でやられるものと思います。
  100. 中川以良

    中川以良君 それから火力のほうですが委託発電をやられるという御計画があるようでありますが、今まで火力設備を持つておる所は、結局その火力だけで一方の買電が減らされます関係上、積極的に使つておりませんが、そういう面について今後もつと積極的に自分のところの火力は自分で使えて、買電のほうは切られないというところを或る程度改めるというような考えがあるかどうか。
  101. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) お話のようにこの際すべてを挙げて電力供給力を増強しなければならんのでありますから、勿論各需用家におかれましても自家発の増強に万全を期して頂かなければならんわけでありますから、同時に又各電力会社のほうといたしましても、総供給力を殖やす意味からいたしまして、言い換えれば電力会社供給いたします総供給力を殖やす意味から申しましても、できるだけ自家発をお持ちになつている所に対していわゆる委託発電という形式でお願いしなければならんことになると思うのであります。実際問題としましても、先ほどお話しましたように二十七年度の会社側の傾向から行きましても、二十六年度計画より相当上廻つた委託発電計画をいたしているのであります。この際に従来ややもしますというと自家発を持つておられる所に対しては電力の割当を加減されるとかその他いろいろな意味で不利をこうむる場合が多いという御意見が少なからずありますが、これに対しましては、そういう自家発電を奬励し、委託発電をお願いする建前から申しまして、それが余りに支障なつて、結局自家発の奬励ということができないようになつてはいけませんが、又同時にそれがすべて各需用家のほうの一般の負担に全部廻つてしまうというようなことであつてもいかんと思いますので、その間の調整につきましてはときどきの需給のバランスの点を絶えず見まして、必要に応じては電力会社は勿論負担する。併しながらそうでない場合におきましては、できるだけ自家発をお持ちの所は自家発で賄つて頂くということも起つて来ると思いますが、これは今後の推移に応じまして、電力需用供給のバランスを絶えず考える意味において、自家発の奬励が本来の趣旨に副つてできるようには十分考えて参りたいと思います。
  102. 中川以良

    中川以良君 いろいろ伺いたいことがたくさんあるのでございますが、時間がないようでございますからもう一点だけ伺いたいと思いまするが、火力地帶と水力地帶との地域差の問題でありまするが、今回計画されておるような、需用供給がアンバランスになりますると、どうしても火力地帶のほうは無理に火力を使つて、そうして安い水力を一方北陸なり或いは関東、東北に送らなければならんというような状態になるのでありまするが、この際の一体料金の問題というのはどういうふうに御決定になるというようなお考えでありましようか。私は不当に火力地帶がそのために安い電力を返して高い火力を使わなければならんという状態に追い込まれますると、その地帶の産業というものは非常に困難に直面すると思うのでありまするので、この点は非常な重要な問題であるので、愼重に御考慮を頂きまして、公平な処置をして頂かなければならんと思うのでありまするが、その点はどうでありましようか。
  103. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) その点につきましては最後的の決定をいたしておりませんので、大体の考え方だけを申上げることにとどめておくことをお許し願いたいと思いますが、何分にも二十七年度の問題といたしましては、総供給力をできるだけ殖やすという問題以外に、いわゆる地域間の電力の融通をどうするか、逆に申しますならば、地域間の電力需用がどういう工合に変動して参るか、その変動に応じてどういう工合に供給力を付けなければならんか、こういう問題が第二の問題として非常に大きく二十七年度は取上げられると思うのであります。そういう意味で、二十六年度のいわゆる電力の融通量に比べて二十七年度相当殖えて参ると思います。従つてその間に、例えば火力地帶から止むを得ず水力地帶のほうにも電力を送らなければならんというようなことが起つて参りますが、そういう場合に、然らば火力地帶の水力火力を総合した平均の値段水力地帶のほうに応援するとするならば、水力地帶のほうはいいかも知らんが、火力地帶のほうは一層料金等に惡い影響を来すのじやないかというようなこともございますので、大体火力地帶で実際かかります実費というものは、特に石炭費等を中心にいたしまして、それに要する実費というものはやはり水力地帶のほうでも見てもらわなくちやならん。特別に融通をしなければならん以上は、その程度のことはやはり受けるほうでも考えてもらわなくちやならん。そういうことにいたしますれば、自然今お話の地域差の問題は却つて大きく開くのではなくて、むしろ全国的に現在という変りのない、或いは地域によつてはむしろ地域差が下るような所もあるのじやないかと思いますが、いずれにしても、結果的には地域差が現在以上大きな開きを来すようなことにはならんと思います。ただこの地域差の問題については常にいろいろ議論のあるところでありまして、九分割をいたして、いわゆる電気事業の再編成をいたした以上は、地域差が次第について行くということは止むを得んという一つの議論もあります。それから又少くとも経過的には、今日の産業の立地條件等から考えて、俄かに地域差が開くようでは困るというような御意見といつも両立するのでありますが、現在のようにいろいろな要請に応じて産業政策に大きな一つの転換が参るような現在におきましては、ただ徒らに理想論ばかり申上げてもどうかと思つておりまして、自然地域差等の問題につきましても、今申しましたような実際の結果的な数字から申しましても、さほど地域によつて従来に比べて非常な開きを来すというようなことはないようにしたい、かように考えております。
  104. 山川良一

    山川良一君 私は少し具体的にお伺いしたいと思つておりましたけれども、今日各委員からの質問に対して御回答を聞いておりますというと、非常に予期に外れた、反したようなことだと思うのです。というのは、少くとも供給力くらいは詳細な基礎に立つて数字がもう決定しておるかと私は思つてつたのです。従つてその供給力に対してどういうふうに割当をするかということをお伺いすることができるだろうと思つていたのですが、それも従つてできなかつたわけであります。それでまあ一口に申しますと、今日のお話は甚だ不満であつた、こういうような気がするのであります。それで至急に国民が納得するような基礎に立つた供給力を決定して頂いて、それに当てはまる電力の割当、更にその国民が納得する供給力ということを申上げたのは、今電力料金の問題が相当世間の問題になつておりますが、これも国民が納得するような基礎に立つた供給力基礎にしなければ国民は納得せんだろうと思いますので、至急にその供給力を先ず決定して頂きたい。従つていつ頃までに確定した見通しができますか、それをお伺いしたい。
  105. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 只今大体山川委員お話になりましたような線で、私のほうから電力会社のほうにもいわゆる内面指導と申しますか、いたして供給力を彈いております。その結果は恐らく極く最近のうちに出るだろうと思います。それに対しまして併行して経済安定本部のほうともよく緊密な連絡をとつて、そこで一応最後的の決定ができる、こういうことになると思いますので、いずれにしましてももう来年度も目の先に控えておりますので、近くお示しをすることができると考えております。
  106. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) ちよつと私から松田さんにお伺いしますが、今の資料は来週の火曜日くらいにはできますか……。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  107. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記を始めて。
  108. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は今日の会議は成るほど二十七年度需給バランスの問題を伺うのが中心になつておるようでありますが、それだけではないのでありまして、料金の価上げ問題と密接な関連があるというよりは、料金値上げの作業の基礎をなすものであるからこれをお伺いしておるわけなんであります。従つて問題の所在点をもう少し整理して御質問いたしたいと思いますので、一つさような気持でお答えを願いたいと思います。  一番問題になるのは、私先ほどから二十六年度、七年度のいろいろな作業の計数的な内容を資料としてお出し願いたいということをお願いしましたのは、電力供給力とは一体何であるかということが一番問題になるわけであります。二十六年度に、例えば当初予定計画よりは実績のほうが上廻つておる。これは発電所の新設等もありましたけれども、本当のところを申しますと、それ以外に相当無理な運転を昨年の夏から秋にかけて行なつたことも事実であります。従つてそういうようなことを毎年繰返すということになりますと、電力の設備の荒廃を来たすことにもなるわけであります。従つていわゆる電気事業の安定した設備の運転の範囲内においてそうして供給力の確保を図るということが前提でなければならんと思います。その場合に私は今山川君からもお話がありましたが、二十七年度供給力というものは紙の上で書かれたものは絶対に確保できる、そうして而も長い目で見た電気事業の設備の保善に対してはいささかも影響はないと、こういうことを具体的に明らかにして頂かなければいかんということであります。その問題につきましては各委員からもやはり同じような気持であつたと思いますが、質問が出ておるのでありますから、それを資料として早急に御提出を願いたいということであります。そういう工合にして供給力が決定いたしました場合に、それと料金の関係をどうするかということが一番問題になるわけであります。そこで私は先ずお聞きしたいことは、電気事業者が要求する値上げの内容というものは、これは又別個に検討する余地があろうかと思うのであります。例えば物件費の値上りとか或いは人件費の高騰とか、その他いろいろそれは値上げの申請をするわけでありますから理由があるでありましよう。その理由が適当であるかないかということは、公益事業委員会が熱心に検討をせられるわけであります。それは本日はまあ触れないことにいたしますが、そういう工合にして、いわゆる値上げを実行いたしまするときに、公益事業委員会の考え方としては、それを値上げの影響を受ける需用者側の立場に立つて、それをどういう工合に処理しようとしておられるのか、その値上げに対する態度、需用者の立場に立つた基本的な考え方というものを先ず公益事業委員会に承わりたい、こう考えるわけであります。
  109. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 只今値上げのお話が出ましたんですが、各電力会社としましても近く値上げの申請をすることは事実のようであります。併しながら委員会としましてどういう点をどういう工合に検討して、その値上げの方針をきめるかということは、まだ申請もございません今日、委員会として何ら正式な決定はいたしておりませんので、そういう点について私から申上げるわけにも参りませんが、要するに問題は一方におきまして、供給力について相当強い要請があるという点と、それから他方において料金値上げということについてはできるだけ料率を下げて低くしてもらいたいということが需用者側のほうの御要求であることはまあ当然であります。従つてその間産業用の電力でありますとか、或いはいわゆる電燈等の一般の要用等の関係もよく公正に、特に昨年度との比較等を改めて十分考えましてやらなければならんむずかしい問題がいろいろあると思いますので、そういう点については先ほど申しましたように、十分委員会としてそれからの点を彼此勘案して結論を出さなくちやならんことでありますので、今ここで私から必ずこういう方針で料率の決定をするということを申上げるわけにも行ぬと思います。同時に先ほどお話のような人件費の問題であるとか或いは燃料費の問題であるとか、或いは修繕費の問題であるとか、そういつたような点等も彼此勘案しまして、結論を出さなければならんのであります。従つてここで抽象的に大体こういう考えであるということを申上げる時期でもまだございませんし、又そこまで委員会として正式な何らの方針をきめてないということを率直に申上げまして、いずれ時を逐いましてそういう問題について又お話を申上げる機会があるかと思います。今日はその程度で御了承願いたいと思います。
  110. 栗山良夫

    栗山良夫君 それは松田さんと私の考え方がまだぴつたりしてないのでありまして、僕は幾らに値上げをされるのかという質問をしているわけではないのであります。で、先ほどから段階を追つて御質問しておりますように、供給力はまあこれで不動のものがきまつた、それから総括原価からいいまして値上げをしなければなん総額というものもきまつた。これは適正にきまつた。その場合にその値上げをしなければならん総額というものを、どういう工合にして需用家に転嫁するか、その転嫁の仕方についてどういう基本方針をお持ちになつているかということを私は伺つているわけであります。それをもう少し煎じ詰めて申しまするならば、それは要するに二つに私は問題はなると思う。一つは地域差に対する考え方の問題、それからもう一つはその値上げの率を家庭用の電燈から始めまして大口、特別大口まで、どういうようなウエイトで負担をさせるか、この二つの問題が基本方針だろうと思います。そういうものがまだきまらんと……実際の申請を出して来なければきまらんというのは、電力行政を指導される公益委員会の立場では私はないと思う。そういうものは申請が出ようが出まいが三百六十五日、八千七百時間、しよつちゆうこれは考えておられなければならん問題だろうと私は思う。従つてその考え方を伺つているのです。
  111. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 暗に私もそういう点に触れてお答えをしたつもりでありまするが、要するにまあ地域差の問題については先ほどちよつと、方針ははつきりしたわけではないが、大体私の考え方というものを申上げておいたつもりでありますが、なお御質問の点は、要するにこれだけの供給力を殖やすということは、取りも直さず先ほど安定本部のほうからお話がありましたような、産業の方面に相当供給を殖やして行かなくちやならんような点もあるので、従つてその負担はそういう方面でこうむるべきじやないか、又従来から相当一般電燈方面の料率が産業方面に比べて高いから、そういう点も併せて考えるべきじやないかというような非常にデリケートなお話だと思うのであります。従つてそういう点につきましてはいずれ委員のどなたかが参りましてお話を申上げなくちやならん点だと思いますが、そういうようないろいろな点につきましては、私どものほうとしましてもあらゆる点を考えまして、適正に結論が出るようにいたしたいと考えております。併しながらそんなら今ここではつきりこういうほうは下げてこういうほうは上げるという方針であるのか、その逆の方針であるのかということは、事務総長としまして今ここで申上げる時期ではないと思うのであります。その点は賢明なる栗山委員一つ御推察をお願いしたいと思います。(笑声)
  112. 栗山良夫

    栗山良夫君 まあそこまで松田さんがおつしやれば私はそれ以上申上げませんが、褒めてもらつたから申上げませんが、(笑声)もう少し注文を出しておきます。  先ず第一に、今お出し願つた資料を拝見しましても、もう明瞭に出ている。私は大体二十六年度の当初計画はよくないということを昨年指摘した面であります。例えば標準電力料金のパーセンテージというものは当初計画で総平均九二%になつておつたわけであります。従つて料金の率においてすでに電燈小口、中口、大口全部差等が付いております。従つてその上でなお且つ火力料金の負担の割合を業態によつて差等を設けるということは、これは二重に操作をすることになります。従つて私は料金の單価においてはつきりとその業種によつて差等を付けた以上は、火力料金の負担率というものは各業種とも私は均等にすべきであるという信念を持つているわけであります。ところがここで見ますると、例えば一番甚だしいのは従量電燈、家庭用の従量電燈でありますが、需用計画では六三%が標準料金でありまして、三七%の火力料金を負担しているわけであります。実績におきましてもやはり従量電燈というのは六一%、予定より下つております。三九%という高額なものを火力料金で負担をしているわけであります。で従量電燈のこれは標準料金の割当の絶対値が正しいか正しくないかということにまあなるわけでございますけれども、二十キロ・ワツトというような数字ではこれ足りない、私は松田さんのお宅のメーターを御覧になればすぐわかることだと思うのであります。従つてそういうような心組からいたしまして、これは岩武さんでも御同感だろうと私は思うのです。若し六一%の標準料金程度でいいということをおつしやるならば、岩武さんの奥さんはよほど賢明なる奥さんじやないかと私は思う。(笑声)それでどうしてもこの問題については、私は料金の單価で差を付けたのだから、標準料金の單価はこれは全部の業種を均一にすべきである、そういう工合に考えるのであります。松田さんは今日は委員でないからお答えできないということでありますから、委員によく伝えてもらいたいと思います。私は又改めてこの問題については委員に意見を申述べる、そういう工合にいたしたいと考えるわけでございます。そうしてそういう工合に標準料金のまあ仮に枠というものが或る方針できめられますと、その次にいよいよ各業種別の單価をどうするかということが私は話題になつて来ると思う。その場合にもう一度確かめておきたいことは、料金算定の基準にありまするように、公益事業委員会は飽くまでも個別原価主義の線を貫いて今度の料金算定に当られるかどうか、個別原価主義の線は崩さない、こういう工合にはつきり御確約ができるかどうか、この点を伺つておきたい。
  113. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 原則としてその線に沿つて進んで参りたいと、かように考えます。
  114. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますと、松田さんのお考えはわかりましたから、今申上げましたように、私は順序を追つて質問をし意見を申上げておるのでありますが、その点は委員に私はそういう点はそういうふうに考えておるということをお伝えを願いたいと思います。  それからその次に、この問題とはちよつと別個になりますが、最近の衆議院におきまして、地方自治団体等から強い要望がありまして、戰時中に電力統制令の実行によりまして、地方自治体が経営しておつた電気事業を当時の発送電或いは配電会社に吸收をしまして、その損失を補償するためにいわゆる公納金制度というものが設けられております。今年の三月三十一日を以てその期限が切れることになります。これに対して地方公共団体の要請もあつたようでありますが、衆議院におきましては、議員立法を以て公納金制度を将来自治団体に電力設備が返還されるまでの間延ばしたい、又公納金の額につきましても、古い單価でなくて、今日の貨幣価値による適正な価格を算定してこれによられたい、こういうことを中心にしまして公共事業令の変更法律案が提出されるやに承わつております。そこで松田事務総長に伺いたいのは、公共事業令は御承知のようにポツダム政令であり、まだ国内法にはなつておりません。そういう立場にあるときにこういうような議員立法というものを出し得るかどうかという法的な根拠を一つ。  それから第二点は、そういうような工合にして公納金の取扱いをしましたときに、これは電力原価に影響を及ぼさないかどうかということが一つ。それから及ぶといたしましたならば、その金額は大体どの程度になるものであるか。この三点を伺いたいと思います。
  115. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 私も法律家でというほどのこともないのですから、特に第一点につきましてははつきりした答えもできませんが、今日私のほうでは、公共事業令、電気事業再編成令、これをそのまま講和條約の発効後も持続して参りたいという意味で、これをそのまま法律に変える立法を衆参両院のほうに只今提出いたしておるのであります。従いましてその際にその法律の修正という意味でお出し頂く分には法律的にはできることではないかと思うのであります。それからなおこの公納金制度につきまして、委員会といたしましての率直な態度を申上げますならば、本来この電力統制をいたしましたときに、いろいろの当時の事情もあつたことと思いますが、お話のように公納金制度というものが、地方自治体のほうにつきましてはたしか十年間、それから電鉄関係におきましては五年間というような期限が附いて公納金制度というものが実施せられたのであります。従つてもう電鉄関係のほうはすでに期限が切れておるわけであります。こういう問題については当時のいろいろな事情から見まして、五年乃至十年間というものを切つて、その間電力会社のほうで公納金を納めるが、併しながら本来こういう問題はいわゆる国の方針として行われたものでありますので、それを單なる電気事業者がいつまでもその負担とすべきものではない。こういう意味もあつたと思いますが、従つて公納金を納めました分だけは電気事業会社の法人税の中からそれだけ差引いてもらえるということになつておつたのであります。従つていよいよこの三月末で十年のお約束の期限も切れるので、ここでもうこの問題はきれいさつぱりに限りをつけるべきものである。若しもその後地方自治体の財政上のいろいろな観点からして、どうしても苦しい立場であるという場合には、別途国として直接そういう問題を解決せらるべきことが当然ではないか。それをいつまでも一方において法人税でそれをどうするから、電気事業者がいつまでも負担しろということは、今日においては余り複雑な行き方ではないか。又制度的に見ましても、十年経ちました今日においては、この問題は従来の方式による方法は少くもこれを取り止むべきではないか。こういう方針を委員会としてはとつております。  で次に、今お話のように、然らば仮に公納金制度を今後も継続した場合にはどうなるかというのなれば、それを先ほど申上げましたように法人税その他で差引いてずつと頂けるならこれも又一つの方法かと思いますが、なかなか只今大蔵当局と折衝をいたしましたところによつては、いろいろな意味で非常にむずかしいようであります。そうなれば結局それによつて電気料金にやはりはね返つて参るということになつて参るのであります。そうなりますというと、それが全需用者のほうの負担になつて参ります結果になりますので、最初申上げましたように、若しもその必要があれば別に国として考えて頂くべきであつて、いつまでも電気事業者にそういう負担をかけるということは面白くないと、かように考えております。
  116. 栗山良夫

    栗山良夫君 これは大体見当が付くだろうと思いますから、各九電力会社別に公納金を只今納めております相手並びに金額、それからそれを最近の時価に直して適正な価格にいたしました場合の額というものがどの程度になるものか、それを一つ委員会に御提出を願いたいと思います。  それからもう一つ、これは委員長にお願いしておきますが、地方自治団体の財政強化のためにはそれは成るほど結構なことであります。ありますが、同時にそれは電気料金の原価構成の中の値上げの中へやはり一つの理論的の正しさを以て食い込んで来る問題でございます。従つて政府の価格政策とも関係をするものであります。そこで公益事業委員会とは別に政府の考え方もやはり聞く必要があろうかと思いますから、その点も一つ取上げておいて頂きたいということであります。  それから次に御質問をいたしますのは、今度の料金更改の中で、電気事業が持つておりまするいろいろな諸公課、特に地方税関係にあるわけでありますが、非常に電気事業なるが故に不当に高くせられておるものがあるようであります。私の知るところでも一カ村において数千万円の税金をただ発電所があるというだけで受けておりまして、そして、村内の経費はその発電所一つの税金で全部賄われまして、なお且つ余つておるというような所があるのを聞いております。そういうような税制が果して正しいかどうか私は別問題といたしまして、今電気事業が公益事業として、まあまじめにやれやれということを委員会でも相当強調しておるのでありますが、そういう強調されておる電気事業者が、片方においては地方のほうで搾られるということになると、これは事業者としてかわいそうかと思うのであります。従つてそういう問題も今度の料金更改の中でははつきり政府側と打合せになつて、一つの方針をきめて行かれる御用意があるかどうか、この点を伺つておきたいと思います。
  117. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) 只今お話の点は全く委員会としても同感のことでありまして、特に従来電気税、ガス税等の問題もございますようであります。  それから又固定資産税等につきましても相当の額が取られておりますので、従つて同じく電気事業の経理面を堅実にいたします方法といたしましては、やはりそういう点について特に最近のような電源開発の緊要性を叫ばれておるときにおきましては、そういう点についてできるだけの緩和措置を講じてもらいたい。実は只今経済安定本部のほうでいろいろ御検討になつて頂いております電源開発促進法の中にもそういう問題について、單にいわゆる電源開発会社と申しますか、安定本部でお考えになつておりますその会社についてのみならず、従来の電力会社につきましてもそういつた固定資産税でありますとか、或いは登録税でありますとか、そういう諸税について、過去に遡ることはむずかしいといたしましても、少くとも今後建設をして参ります分だけでもそういうことの、税の減免と申しますか、緩和措置を講じてもらいたいということは、経済安定本部のいわゆる電源開発連絡会議等におきましても強く委員会としては申述べておるのでありまして、従つてそういう点は経済安定本部とせられましても、又大蔵当局のほうとせられてもいろいろ考えて頂いておることだと思うのであります。まだその点について最後的にはつきりこの点はこういう工合に緩和してよろしいというところにまで至つておらんのが実情であります。そういう点につきましては国会におかれましても十分お取上げ願いまして、御検討頂くことは誠に委員会としましても仕合せに存じておるわけであります。よろしくお願いいたしたいと思います。
  118. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今の問題は非常に重要な問題でありますので、公納金の問題と合せてこれはこの委員会としては一つ関心を持つて処理を願いたいと、こう思うわけであります。公益事業委員会のほうも終始御賛成のようでありますが、もう少し政府筋、大蔵大臣に相当難色が仮にあつたといたしましても、これは押してやつて頂きたいと、こう思うわけであります。  それれからもう一つ基本問題としてお伺いしておきたいのは、私最近東北の方面いわゆる雪の多い地帶へ参つて、これは何とかしなけりやならんということを痛感しておる問題の一つとして、要するに東北方面の普通の民家の……工場もそうでありますが、家屋の構造が雪が多いために非常に窓が少くて暗いわけであります。従つて雪の降らない表日本のような一般電力使用料というものと同じ基準で搾るということは、いわゆる火力電力を非常に大巾に徴收することになりまして、私はこれは誠にお気の毒だと思うわけであります。結局家屋の構造もそうなつております。又事実雪が降つて固まれば、これはもう起きておる間は電燈を点けなければこれは仕事にならないわけであります。この表日本の私どもの住いである所のように、幾ら冬でも電気なしで仕事ができるという所とは違うわけであります。従つてそういう所に対しましては今度の料金の値上げの更改のときに特別な措置を講じて、やはり標準料金の枠を少し特別な例として引上げて行く必要が私はあるのじやないかと思います。そういう考えをお持ちになつていないかどうか。これは松田さんとそれから安定本部岩武さんに見解を一つつておきたいと思います。
  119. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) お話しの点は実際問題として非常に御尤もな点でありまして、例えば一つの例といたしましては、使用制限の点は実際問題として非常に御尤もな点でありまして、例えば一つの例といたしましては、使用制限のごとき措置を法的に講じておりますような場合には、特にそういう積雪地とか、又はそういう積雪の時期とかいうような場所並びに時間的の点は考えまして、例えば電燈を点ける時間等についても或る差をつけるようにはいたしております。ただ今のお話の点については割当の、延いては電気料金等の問題と関連してその問題をどうするかというお尋ねでありますが、まあこれにつきましては現在一応の算定方式によつて一律にいたしておるのであります。この際そういう点を何とか改めるかどうかということについては、事情は御尤もと思うのでありますが、いろいろ困難な点がありはしないかと思います。併し私そのほうの專門家でございませんので、よく経理方面の專門家のほうとも連絡をいたしまして、何か考慮ができないかどうかということは研究はいたしますが、容易にその問題が持別な意味で解決し得るかどうかはちよつとここで即答申しかねますので、一応お話の意味は十分承わりまして、研究をさせて頂きたいと思います。
  120. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今の問題が一種の社会政策的な問題であるから取上げられないと、こういうようなお考えであれば、これは又別個に考慮しなければならん問題だと思いますが、要するに現実の問題として、そんな雪の降る所に住んでおるのが惡いじやないかと言つて一笑に附することも私はできない問題だろうと思うわけです。まあ何千年かとにかくそういう所に住んで来た人でありまして、今更よそへ行けと言つて、電気の問題だけでどう始末することもできない。従つて私は社会政策的な意味とはちよつと違うと思うわけであります。この問題は一つ、まあ余り松田事務総長のお考えでは熱心に取上げてやろうというところまでは御発言がなかつたようでありますが、是非ともよく実情を調べて頂いて、そうして少くとも何割かを殖やしてやつて、そしてあちらの人が満足されるように願いたいと思うわけであります。昔と違つて今新らしいそういう料金制度ができたからこういう問題が起きたわけであります。昔とは違うわけでありますから、是非ともそういうことを考慮せられたい、こう思うわけであります。これは物価庁のかたにも伺わなければならんわけでありますが、岩武さんのほうはこれは余り御関係ございませんか、只今の問題は。
  121. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 電力料金の問題につきましては実は余り関係しておりませんので、先ほどちよつとお話がありましたが、冬の二十キロというのはほうぼうで問題があるのであります。そういう問題と併せまして、東北のほうは恐らく一戸当りの消費量は定額にしましても従量にしましても、若干予想よりは低いものと思う。統計を見ますとそういうことになつているようであります。若干その辺は変りがないかと思います。
  122. 栗山良夫

    栗山良夫君 今の問題も委員会の一つ問題として取上げておいて頂きたいと思います。私ももう少し実際に研究をして行きたいと思いますが、お願いをいたしておきます。私の質問はこれで終るわけでありますが、もう一遍念のために、委員長に議事を今後切廻して頂くためにも、又公益事業委員会なり安定本部のいよいよ結論を出される場合の是非とも意見として取上げてもらうためにも、整理して申上げておきます。  先ず最初に、今度の電気料金の値上問題につきましては、昨年の夏のときにいろいろと世論の批判もありました通りに、電気事業者が要求する値上の所要総額というものが恐らく適当であるか否かということについて問題が起きると思います。従いまして値上をいたしましていわゆる收入を増さなければならんということは、反対に電気事業者の経費が足りないということになるわけでありますから、いわゆる経費が、値上を予定いたしましたところの反対の立場にある経費が、反対の立場でなくて、値上をしなければならん根拠になる経費が、各方面に亘つて合理性を持ち真実性を持つかどうかということについては、これは当委員会が最も関心を払うところでありますから、極めて明快なる資料を用意せられて、成るべく早く説明をせられたいということが第一点であります。  それから第二点は、先ほども繰返して申しましたように、料金値上の基礎になりますのは、いわゆる供給力の問題になるわけでありまして、従つて供給力につきましては、今日持つておる電気事業の発電設備等を総動員をいたしまして、そうして一キロワツトといえども無駄にしないところの計画が必要であることは私は否定をいたしません。併しながらそういうような心組でやります場合に、実行不可能ないろいろなアサンプシヨンがこれに織込まれ、或いは又実行が短期間ならばできますけれども、そういうことを毎年繰返しているために、電力設備というものが戰争中と同じように荒廃して行くような傾向を持つのでありまするならば、これはやはり限度がありまして、適当なところで切らなければならんと思うわけであります。そういうようなところを勘案せられて、そうして二十七年度電力供給力の算定というものは、どこから見ましても絶対に確実であり、而も電気事業の経営にはいささかも不安を與えない、そういう数字であるものを早く作つて頂きまして、この委員会に説明を願いたいということが第二点であります。  それから第三点は、そういうふうにしてきまりました場合に、いわゆる料金の値上の負担を需用家にさせるわけでありますから、従つてその負担をさせる場合には、單価が業種によつて違うことは箇別原価主義の考えからいつて当然でありますが、併しそれは單価の違いと電力の標準電力量の割当との相乗積を以て差等を設けるべきでは絶対にない。飽くまでも單価は、先ず標準料金の枠にある電力料というものは全需用に対しまして一律にいたしまして、そうしてそれによつて火力料金の單価或いは標準料金の箇別的な原価主義に基くところの單価が出て来るでありましようが、そういうものを余り政策を加えないで、理論的に出すべきである、そういうことを私は考えるわけであります。この点を特に関心を強めて頂きたい。  それから今の場合は地域差の問題には触れませんでしたが、当然各社別に行うわけでありますから、従つて現行の地域差料金を縮めるのか縮めないのかということは、各社の融通のやり方並びに融通する卸売電力の單価の問題と併せ絡みましてこれもおのずから結論の出て来る問題であろうと思うわけであります。従つて電力料金の値上の問題は非常にむずかしいように考えられますけれども、そう大してむずかしいというのではないわけですから、そういうような中心点において一つ手落ちなく解明せられて、昨年の夏この委員会で紛糾をいたしましたようなああいう、何と申しますか、手落ちというか、拙劣さを再び繰返さないように、一つ……。そうして更に電気事業の健全な発展を図りますためには経費の節減に努めなければなりませんが、節減を努める努めると言いながら、先ほど申しました公納金だとか或いは諸課税等が電気事業にますます加わつて来るというようなことは好ましくない……。自由党が出されんとしている電源開発促進法を見ましても、これはいろいろな意味において国の公益事業としての電源開発企業体に対して特別な措置が講ぜられております。そういうものが電源開発特殊法人であるが故に講じ得る。そうして電気事業は講じ得ないという理窟は私は成り立たないと思います。その点もやはり発電から配電まで一貫した一つの方針として、公益事業としての電気事業を見てやる。こういう私は気持がなければならんと思うのであります。そういうような考え方から今度の料金値上は、私はただ電気料金を何円のものを何円に上げるのだ、その上げ方が多過ぎるじやないか、少な過ぎるじやないかというような皮相な考え方で研究をし検討をしたいとは考えておりません。電気事業が持つているいろいろな只今の矛盾は、すべて電気料金にいわゆる集中的に現われて来るわけでありますから、従つて国民が納得し得る電気料金が設定されるということは、結局言い換えますと電気事業に対する国の考え方なり政策なり、更に大きく言えば、産業政策そのものがやはり一つ表現せられるということになるであろう。こう考えておりますので、今日は山川さんが指摘された通りにまだ序の口でありまして、余り内容まで入る資料もありませんし、そういう状態でありますから、この辺で私は注文はたくさんつけておきまして、質問を終ります。
  123. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) ちよつと委員長から公益委員会にお願いしたいのですが、これは私の意見ですが、二十六年度におきましても小さい電源開発をした竹中部におきましては平岡の発電所ができた。そういうような小さいと申しますか、あれも五万キロくらいでございますが、そういう新発電所或いは新火力発電所、それから国鉄とかその他のほうから新規に受電するもの、こういう電力は二十七年度ではどれくらい予定しておられますか。大電源開発のほうは別といたしまして、どれくらい予定しておられますかこれをちよつと資料をお出し願いたいと思います。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  124. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 速記を始めて。本日はこれで散会いたします。    午後一時五十六分散会