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政府委員(
鈴木俊一君) 議員数の縮減並びに
議会の開催方法の変更の二点についてのお尋ねでございますが、先ずなぜ
議会の議員数を、減らすという案を提案をいたしたかという点でございます。この点は御承知のように神戸
委員会即ち地方行政調査
委員会議の勧告におきましては、大体二分の一乃至三分の一程度の議員の減員を勧告いたしております。これは地方の自治行政の
合理化或いは簡素化というような
見地から、事務の再配分に関連をいたしまして、かような少い議員数で自治
運営をすることが適当であるという
見地に立たれたものであるわけであります。又他に
政府のこれは
法律上の機関ではございませんが、政令諮問
委員会等におきましても、二分の一くらいに議員数を減らしたらどうかというような勧告があ
つたのであります。
政府といたしましては、かような現行議員数を三分の一なり三分の一に一挙に縮減するという
考え方は、
アメリカ等の議員数の現状から考えまするならば、
一つの
考え方であろうと思いまするけれども、やはりこれはさような急激なる変革は適当でない、又議員数が余りに少くなりまするということは、
住民のあらゆる要素、あらゆる意見を反映する上においては、必ずしも適当でないというようなことも考えられまして、大体現行法の一割乃至二割くらいの縮減にとどめたらどうかというふうに考えたのであります。と申しまするのは、大体終戰直前の議員数というものに対して終戦直後その程度の議員数を増加いたしておるのであります。国会については、参議院のほうは従来の貴族院と比較したしまして百五十人も議員を減じ、
衆議院は同じ数を維持しておられるのにかかわらず、地方
議会につきましては、都道府県につきましても、市町村につきましても、今申上げた程度の議員の増員をいたしておるのでございまして、これを国力の落ちました今日におきまして、従来の難度に戻すということは、決して無理なことではないというような
考え方から、一、二割程度を縮減するという、こういう案に
同意したのでございます。而もこれは
地方団体に自主的に議員数を決定せしめるような案にしておるわけでございまして、従来のように
法律で議員数を決定して縛
つてしまう、こういうような
方式でなく、自主的に決定できるようにしておるわけでございまして、かような点から見て現行法よりは、より
地方公共団体の自主性を増しておるというふうにも考えられるわけであります。これを
衆議院におきましては、そういうような議員数の縮減は適当でないという
見地から、現行の法定数をそのまま残しておきまして、ただ都道府県については、
條例で現在の議員数を減少することができる、こういう
規定だけを入れて議員数の縮減の途を開いたわけでございます。
政府といたしましては、
考え方の根本においては、この
修正と興なるところはございませんので、これに
同意をしたわけでございます。
それから
議会開催の方法でありまするが、これは現行法におきましては、定例会、臨時会という開催
方式をと
つておるのでございますが、
政府案はこれを通常会、臨時会という開催
方式に変えようということであります。
議会は現在の定例会
制度におきましても、三月又は三月に開かれまするいわゆる通常
予算を議する定例会というのは特に長期であります。都道府県ならば三十日前後でありまするし、五
大都市等では二十日前後、
一般の市町村でも通常の
議会よりも長い、一週間なり十日なりが普通であります。ところがそれ以外の臨時案件を議する定例会というものは、一日なり二日なり数日で終るというのが通例であります。ですから同じ定例会と呼んでおりましても、実質が違うわけであります。これは国会においては通常会、臨時会という建前で開かれておりまするし、古い地方
制度でもさような建前にな
つてお
つたわけでございまして、これはやはり
議会の一番重要な使命は、一年の全体の計画を定める通常
予算を議するというのが沿革的に申しましても、やはり一番重要な
議会と考えられるわけでありまして、それを通常会として特に二月、三月に毎年開く。そして一定の期間をきめておく。それ以外の
議会は臨時会、こういうような建前にしたのが原案であ
つたのであります。臨時会につきましては、いろいろ
制限がございまして、なかなか実際開かれる機会が少いというようなことがありましたので、その点を自由に緩和いたしまして、臨時会を容易に招集できるようにいたしたのであります。さような通常会、臨時会
方式については、
衆議院におきましてやはり現行の定例会、臨時会
方式のほうがよろしいというような
見地から御
修正になりまして、現在定例会が毎年六回以上開かれなければならないとな
つておりますのを、毎年四回というふうにされたわけであります。定例会の
性格を先ほど
説明申上げましたような通常会と然らざる臨時会というふうに分ける
政府案は、
一つの方法であると考えておるのでございますけれども、併し現在の定例会、臨時会という
方式が絶対に不適当であるというふうにも考えないわけでございまして、
政府といたしましては、現行の建前を更に継続をして行
つて、併しながら定例会の回数を
実情に即して四回にするという
衆議院の案に、さような
意味で
同意をしたわけであります。