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政府委員(長野士郎君) それでは私のほうで第三節
委員会及び
委員という所から御
説明申上げます。
第一款通則と申しますのは、
地方公共団体の
組織の中に現在各
法律等に基きまして
各種の執行
機関が特に
委員会或いは
委員という形で設けられておるわけでございますが、これを今回の
改正におきましてこれらの
委員会及び長、
議会等との相互的な
関係を明かにいたしまして、運営の
合理化ということを
考えたわけでございますが、この第一款通則におきましては、各
法律において設けられております
委員会等が明確に
地方公共団体の執行
機関であるということを明かにいたしますために掲げたのでございまして、現行のそれぞれの特別法において
規定しておりますところの
趣旨を
変更はいたしておらないのであります。で、百八十条の四で「執行
機関として
法律の定めるところにより
普通地方公共団体に置かなければならない
委員会」、即ちこの場合には
都道府県、
市町村、
地方公共団体を通じまして現行制度の
建前上置くべきものとされておりますものを掲げたわけであります。この第一といたしまして教育
委員会、二番目に選挙管理
委員会、従いましてこの教育
委員会は
建前上としては県の教育
委員会、
市町村の教育
委員会、全部含まれておるわけであります。二の選挙管理
委員会も同様でございます。三番目の「
人事委員会又は
人事委員会を置かない
普通地方公共団体にあ
つては公平
委員会」、これも同様でございます。四農業
委員会、それから第二項といたしまして、そのほかに
都道府県に限
つて置くことを義務付けられております
委員会や
委員というものを掲げておるのであります。こういうものとして地方労働
委員会以下の
規定を入れておるのであります。それから第三項におきましては、それ以外に
都道府県につきまして
都道府県国家地方
警察の運営管理を行わせるための
都道府県の公安
委員会、
都道府県の公安
委員会は
都道府県の執行
機関の一部類に属すると思うのでございますが、
内容としては国家地方
警察の運営管理を行な
つておりますという
関係上、三項として特別に掲げたわけであります。第四項は自治体
警察を維持する公安
委員会を「市及び自治体
警察を維持する
町村」ということで掲げておるのでありまして、
府県におきましては一項、二項、三項が通常
府県に置かなければならない
委員会その他の執行
機関でありますが、
市町村につきましては一項と四項が置かなければならないという
意味で義務付けられておる
委員会であるということを明かにしておるのであります。第五項は
法律に特別の定がございません場合にはこれらの
委員会の
委員又は
委員という者は非常勤であるということを明かにしておるのであります。
百八十条の五におきまして、これらの
委員会又は
委員は通常独立の権限を有しておるのでありますけれども、
地方団体を代表し
地方団体を統轄いたします
意味での執行
機関の長、市長とか
知事、
市町村長という者との差異を明かにいたしますために、そういう
種類の権限を通常は持
つていないということを明かにいたしますために百八十条の五を掲げたわけであります。
百八十条の六は、これらの
委員会又は
委員とそれから
地方団体の長のほうの補助
機関、
組織等との間におきまして
委員会及び
委員の権限に属する
事務の一部を、長の同意を得ましてそれぞれ補助
機関たる職員その他の者に補助執行させる、或いは又その
事務の一部を
委任をさせる、或いは又委託をして調査をさせるというようなことができるように
規定を加えたのであります。
次の第二款教育
委員会と申しますのは、特に教育
委員会は独立の執行
機関といたしまして、
知事、
市町村以外の執行
機関中では最も重要な
意味を持
つております
機関でありますのみならず、法制の
建前上もその独立性が最も明かでありまして、そういう
趣旨におきまして
地方自治法におきましても第二款といたしまして教育
委員会という項を掲げることが適当であるという
意味で掲げたわけであります。
百八十条の七第一項は、現在教育
委員会法において
規定されております教育
委員会の権限をそのまま
規定をいたしたのであります。第二項は今回の
地方自治法の
改正におきまして
機関の
事務処理に属するいわゆる
機関委任事務につきましてはこれを
別表に掲げまして、将来そのような
事務の膨脹することを防ぎたいという
趣旨を表しておるわけでありますが、その
趣旨に従いまして教育
委員会の権限に属するものの中で、
機関委任事務に属するものにつきましては
別表第三、第四というのに分けまして掲げることにしたわけであります。第三と申しますのは、
知事等の
府県の
機関の
事務で
事務処理に属するものを掲げておるものであります。第四のほうは
市町村の
機関で
事務処理に属しておるものを掲げておるわけであります。第三項は、教育
委員会の任命する職員の中で、特別な資格や職名を有するものにつきまして、これも他の執行
機関の補助
機関等におきまして特別な資格、職名を持
つておりますものを掲げることにいたしておりますので、同じように掲げることにいたしまして、
別表第六といたしたわけであります。従いまして第二項、三項がこの
改正法案に教育
委員会を加えましたことから新しく
規定を加えたことになるというわけであります。
第三款の選挙管理
委員会は現在の選挙管理
委員会の
規定でありますが、これを第三款として教育
委員会の次に置くことにいたしたのであります。
百八十一条の第二項の
改正部分は、選挙管理
委員会の
委員の数が現在
府県六人、
市町村四人とな
つておりますものを、行政簡素化という
趣旨に基きまして、
府県と五大市、百五十五条の第二項の市にありましては四人、その他の市及び
町村にありましては三人ということにいたしまして、それの
改正に応じまして
関係規定を整理いたしたのであります。即ち百八十二条の第四項におきましては、現在
委員は同一政党に属する者は三人以上、
府県におきましては三人以上同一政党に属してはいけない、
市町村にありましては二人以上ということにな
つておりますが、今回定数を縮減いたした
関係上、その中の二人が同時に同一の政党に属することにな
つてはならないということにする必要が起きたわけであります。
百八十六条の一項はこれは「
法律又は
政令」を「
法律又はこれに基く
政令」に変えるという
建前をとりましたので、これに従いまして改めたのであります。
百八十六条の三項は、選挙管理
委員会の執行しなければならないいわゆる
事務処理に属する
事務というものを、やはりここでも
都道府県の選挙管理
委員会にありましては
別表第三、
市町村の選挙管理
委員会にありましては
別表第四として掲げることにいたしたのであります。
百八十九条は選挙管理
委員会の開催のための定足数でございますが、これも定数を縮減をいたしました
関係上、
都道府県や五大市にありましては三人以上という現行
通りでいいのでありますが、
市町村にありましてはすべての
委員の出席ということに
改正を加えたのであります。
百九十条の第二項は、
委員の数を縮減をいたしました
関係上、
委員として
議決に加わる権利を
委員長が有することにする必要がございますので、第二項を削除いたしたのでございます。
百九十一条は、
委員会に書記その他の職員を必ず置くことにな
つております
建前を改めまして、「置くことができる。」ということにいたしました。それから書記その他の職員の定数は条例で定めるというのが、これは常勤の職員についてのみ定数条例があり得べきであるという地方公務員法の
趣旨に鑑みまして
改正を加えましたのであります。但書も同様であります。それから三項の「又は第百八十条の三の
規定による職員」というのを入れましたのは、これは前の
規定、百八十条の三というので、執行部局の長のほうの補助
機関の職員を選挙管理
委員会の
事務を補助させるためにこれに充てることができるというのがございますので、充てられた職員について
委員長が指示することができるという
関係を明かにしたのであります。
第四款
監査委員につきましては、
政令で指定する市におきましては四人まで
監査委員を置くことができるということにいたしましたのと、それから百九十六条の三項に新たに学識経験を有する者の中から選任されるものは常勤とする。これは特別な
法律の定めがなければ非常勤とするという一般
原則を立てましたので、三項で直接の定めをきめることにいたしたわけであります。
百九十九条の二項は、
監査委員が
監査をするに当りまして、いわゆる最小の
経費で最大の効果を挙げておる、合理的な運営に資しておるということを
監査の重点にすべきであるということを明かにしたわけであります。次の八項は、
監査委員が
監査の結果に基きまして
地方団体の
組織や運営の
合理化に資するためその
意見を提出するということにいたしまして、
監査委員の
監査の注意を払うべきところを明かにすることにしたわけであります。
二百条の
改正部分は、先ほど選挙管理
委員会の書記について申上げましたのと同様であります。
第五款の「
人事委員会、公平
委員会、公安
委員会、地方労働
委員会、農業
委員会その他の
委員会」という款を設けましたのは、やはり同様の
趣旨でございまして、先ほどの通則に挙がりました
委員会につきまして現在それぞれの
法律、地方公務員法或いは
警察法等で掲げてありますものを、基本的な
事項だけをもう一回
地方自治法の中に掲げることにいたしまして、これらの
機関が
地方団体の
機関であることを明かにしたわけであります。それ以外に例の
機関委任事務になりますものにつきまして
別表に加えることにいたしましたのと、特別な資格や職名を持
つておらなければならないという職員について
別表に加えることにしたのを新たに加えたわけであります。