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1952-06-10 第13回国会 参議院 地方行政委員会 第48号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月十日(火曜日)    午後四時三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            岩木 哲夫君    委員            岩沢 忠恭君            石村 幸作君            高橋進太郎君            宮田 重文君            岡本 愛祐君            館  哲二君            若木 勝藏君            原  虎一君            吉川末次郎君            岩男 仁藏君   国務大臣    国 務 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    地方財政委員会    事務局長    荻田  保君    地方自治庁次長 鈴木 俊一君    地方自治庁財政    課長      奧野 誠亮君    建設省住宅局長 師岡健四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井 群嗣君    常任委員会調査    員       法貴 三郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○地方自治庁設置法案に関する件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (地方公共団体建設行政に関する  件)   —————————————
  2. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それではこれより委員会を開会いたします。  本日は、先般来修正案を決定いたしましたので、本日は討論、採決に入りたいと思いますが……。
  3. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 昨日要求をしておきましたこのたびの衆議院における修正、それに加えて参議院でこれから提案せんとする参議院修正案、それを計算いたしまして、どのくらいの歳入欠陥になるか。又政府側が見積る地方税府県税及び市村税自然増、それとはどういう関係になるか。そういうことを表にして出してくれということを要求しておきましたが、それが出て参りましたか。
  4. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) お答えいたしますが、大体できているようですが、今持つつて来るそうでございますから……。それでは、それが来ます間他に御意見があればこの際御発言願いたいと思います。
  5. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 どなたも発言がなかつたら私ひまつぶしに一つお尋ねしたい。丁度地財委奥野課長がおられますから……。先日来大阪府会大阪府の二十六年度剰余財政約三十億を府下市町村配分せよとか、この金をどうせよとかいう非常に府会がこの間大論議があつたようでありますが、そういうように平衡交付金を渡さないのだがべらぼうに剰余金があるといつたような自治体のこうしたものに対して、自治庁の長官及び地財委はどういうような勧告をなすか、或いはそういうようなものにはどういう処置をとるのであるかを承わつておきたいと思います。
  6. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 一体決算をいたしました際に黒字が出ました場合には、その団体財政が非常に楽なやり繰りをしていると、こういうような誤解があつてはいけませんので、剰余金なるものの性質を申し上げてみたいと思います。と言いますのは、国の場合におきましても常に或る程度黒字が出て参るわけであります。半面事業計画いたしました場合に、必ず三月三十一日まで、年度末までに完全に事業が完成するかと言いますと、やはり常に地方の場合には、殊に国庫の支出が遅れて参るとか、或いは契約の関係で着手が遅れますとか、そういうふうな関係自然事業が終らないのであります。従つてそういうものを翌年度に繰越してやらなければならないというふうな場合もあるわけなんでありまして、或る程度剰余金が常に翌年度へ翌年度へと繰越して行くような財政でございませんと、その団体やり繰りというものは実際問題として不可能になつて参るわけであります。そういう意味において常に相当剰余金がなければならないはずであります。そういう面からも従来からも或る程度の繰越しというものは常に持つてやり繰りをして参つて来ているわけであります。大阪府の場合には私はやはり御指摘のように他の地方団体よりはかなり楽な財政であろうというふうに考えております。併しながら半面にそれじやその団体におきましては他の設備が十分に完成しているかどうか。例えば戦災に遭いましたものにつきまして庁舎の復旧が完全にできているか、或いは道路が完全に設備されてしまつて戦前状態に復しているかというと、やはりいろいろな点において十分を期していないだろうと思うのであります。殊に災害復旧、これが大阪でありましたら、防潮堤工事等があるわけであります。併しながらそういうようなものを好きなようにやつていれば、約二十億の黒字相当赤字になるだろうと思うのであります。そういう意味から見まして大阪府の財政状態が今すぐに財源が過多であるという考えを私どもは持つていないのであります。併し私ども考えと比較して、他の団体と比較いたしました場合には、相当差がある、こういうような考えを持つているわけであります。
  7. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それは実情をあなたが知らんからそういうことを言うのです。繰越金じやないのであつて、余つているのです。つまり三十億以上に余つている金であります。で大阪行つて御覧になつてもわかる通り大阪市内道路住宅は建たず、銅像は壊れたままだし、電車はぼろぼろだし、住宅は進んでおらないし、未だに都市計画は進んでおらんし、そうして防潮波堤も進んでおらない。ところが大阪市以外の田舎に行くというと、一日一回くらいしか通らない田舎の道が、田圃道が皆アスフアルトコンクリートになつている。アスフアルトコンクリートの上を肥車が牛車でのろのろと歩いているという姿が大阪府下全体であります。大阪府下にはいろいろの住宅は建ちますが、大阪市内には住宅は建たない。道路は悪い、防潮波堤はできない。防潮波堤も府が受持つ部面は十分やつているが、市が受持つ部面がないために片ちんばだから工事が進まない。こういう実情で、それは多いほうがいいにわかつておりますけれども、こういつた均整といつたようなものをやはり実情に応じて何らか急速に調整する方法が望めるのではないかというところが私の質問の要点で、出さんからどこにひつたくれといことと違うのです。ですからそういうところを何とか調整する方法はないのか、あるのか。実情御覧なつたら実に大阪府がべらぼうな黒字で、大阪市内がべらぼうな赤字であつて、もう道路等都市計画においてははつきり分かれあつていると、こういつたことをこれはまあ将来地方制度調査委員会等で調整されることだろうと思いますが、当面こうした問題は何らか調整する方法はないのですかどうかということをお伺いしたい。
  8. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 今御指摘になりましたように、大阪市の財政は非常に苦しいのじやないか、半面大阪府の財政がかなり楽じやないか。これは私どももさよう考えておのます。従つてども大阪府市の間に事務の再配分考えたらどうか、或いは財政負担の問題についてなお協調の余地があるのじやないか、こういうような見解を持つております。そういう意味合いにおいて大阪市に意見を出したこともあるわけであります。そうして考えた場合にはやはりあの地方において事務を担当して行きます場合に、必ずしも財源がさほど楽になつているというふうに思わないのでありますけれども府県間の面から見ました場合に、御指摘のように大阪府が非常に楽であります。併し逆に大阪市が他の場合には府県が担当しておりまするような事務を市が担当しております。そういう面も非常に多いわけであります。そういうところに我々は問題の所在を感じているわけであります。  それともう一つ申上げたいことは、やはり将来府県税について府県の性格と一緒に考えて行かなければならない問題があるだろうと思うのであります。御存じのように府県税種入場税遊興飯食税、それから事業税でありますから、都市的な所に偏在して行きます。従つてこれは税制全体の問題でありますけれども、併しながら一般的に申上げますと、独立税を殖やしました場合には或る程度楽な所と楽でない所とが出て参るだろうと思います。自治を確立しようとする以上は、独立税を殖やして行かなければならない。独立税を殖やした場合に偏在して行く。偏在があるようでは、今日租税負担が全体が重いのだから、それではやはり国民租税負担の軽減という意味から考え直さなければならない。そういう意味でなお将来府県税制のあり方として十分検討して行きたいというふうに考えているわけであります。
  9. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 これはまあ何しろ地財委といい、自治庁といい、府県役人の味方をするような考え方から、どうも偏頗的な解釈の上に立つて府県が持つ事務を市が持ち過ぎているとか、持つておるからというようなことはとんでもないことで、これはもうおのおの税制の当然振り当てられたる行政事務の再配分によつてそう確定しているのであつて実務機関である市町村が当然やることはやつているのであつて、これは持ち過ぎているから赤字になつて、楽だから黒字の所がある。従つて赤字の所のものは事務黒字の所に廻したらいいじやないかというように、財政状態に応じて事務の再配分を適宜にこま切れにやるような、そういうべらぼうなことはあり得る道理がないので、やはりこうしたような大都市、大府県の問題については極めて深刻な問題があるから、これはもう昨年あたりからこの傾向は顕著に現われているのだから、当然地財委なり自治庁がやることは早くやらなければならんものを、いい加減に放つとくから、最近地方制度の問題が一層やかましくなつて来る。これは何とか私は地財委なり自治庁がこうした不均整を早くやらないと、仮に地方制度調査会明年度ゆるゆる審議をされて、これが法文化して、国会で審議して実行に移るには、三年も先になると思う。よほど順調よく行つても三年先になりますから、当面する問題に対して何らか処置を打つ方法があるのかないのか、それを一遍簡単に承わつておきます。何とかやる手があるんじやないですか。
  10. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 大阪市と大阪府の事務の問題につきましてそれぞれ担当する事務に応じた財政需要を測定して行かなければならないわけであります。ところが御指摘になりまするように、現在制度として定つておりまする部分から考えて行きましたら、大阪市はそれ以上のものを担当しているということが言えると思うのであります。それじや一体財政需要を測定する場合に、制度として定つている実情に応じて財政需要を測定すべきであるか、或いはそれを離れて任意にやつている問題であつても、すべて任意にやつているから必要な財政需要を全部測定すべきであるか。こういうことになつて参りますと、平衡交付金制度の建前から考えました場合に矛盾があるわけであります。やはり制度的に定まつているところに応じて財政需要を測定して行かなければならない。併しながら制度的に定まつておりまする問題につきましては、いろいろと批判があるわけであります。そういうふうな見地から地方制度調査会におきましても十分論議して頂かなければならない。それによつて制度的に改正される。改正された制度によつて財政需要を測定することによつて合理的に財源配分を講じなければならない。こういうような方向に応じて検討して参つているわけであります。
  11. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 この問題については議論がありますが、資料も来たようでありますから後日に譲ります。
  12. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 今資料を提出してもらいました。これで見ますると、昭和二十七年度地方税収見込額移動調というのが一番よくわかると思いますが、それで衆議院修正参議院修正合せて収入減地方自治庁見積り地方財政委員会見積りでは、両方で七十二億三千三百万円という収入欠損になるようであります。而して昨日も政府委員説明がありましたように、財政計画による地方税収見込額補正地方税収見込額、これがすでに同じく七十六億一千万円という収入減が見てある。こういうことになるようでありまして、合せて百四十八億四千三百万円というものが二十七年度における収入減ということになるのでありますが、それについて大体の説明を願つておきたい。
  13. 荻田保

    政府委員荻田保君) この二十七年度の当初の見積りつまり現在の地方財政計画基礎にしております数字地方税総額で二千九百二十四億三千六百万円でありますが、これに対しまして現在集め得る資料に基きまして、相当推測も入ると思いすまるが、一応見積りをし直しますると、二千八百四十八億二千六百万円、ここに七十六億一千万円の違いがあるわけであります。一番大きく響いておりますのは、何と申しましても法人収入が、収益率が非常に下つたということでございまして、まだ的確な全部の資料が出ておりませんけれども、我々の集めました資料では鋼業、造船、造機、或いは食品工業、こういうものは去年の九月決算に対しまして、今年の三月決算相当殖えておりますが、その他の部分、殊に量の上におきまして非常に大きな部分を占めまする繊維工業等が四割一分と半減以下になつております。そういうことからしまして、大体全体を見まして一割五分程度減つた、去年の九月決算に比べて三月決算が大体一割五分減つた。今年の九月決算本年度収入になるでありますが、これにつきましてはこれこそ将来の問題でありまして、まだ推測資料はございませんが、一応三月決算のままとしますと、本年度で一割五分下る、こういうことを基礎にいたしまして、事業税法人分及び市町村民税法人税割、この三つによりまして相当大きな減収を来たしておるのであります。それから又個人につきましてはこれは昨日もちよつとお話ししましたように、大体本年度事業税個人分見積りは昨年の事業所得というものを基礎にします。それにつきましては昨年二十六年度補正予算のときの国税事業所得基礎になります。これを使つておりまするが、その額がすでに国税におきましても御承知のように七割少ししか入つてない。そこに三割近いものがすでに減収になつておる。このことを加味いたしますると、ここに五十五億九千万円というものが減つて来る、こういう考えを持つておるのであります。で殖える方につきましては遊興飲食税において若干、それから電気ガス税におきまして、この間行われました電気料金引上げを入れまして、入費七千七百万円、この数字が少いじやないかというお話しがあつたのでありまするが、実はこれは確かにこの間の料金引上げの分だけを計算いたしますると、もつとこれより大きいのでありますが、その前に百二十億六千九百万円という当初の見積り錯誤がございまして、その錯誤の大きな理由は免税事業の占める割合というものを少し過小に見過ぎておる。従つてこの百二十億六千九百万円というのが多過ぎたということをこの際是正いたしますると、料金値上げの分を差引きにまして六億六千七百万円にしか増収にならん、合計いたしまして七十六億一千万円で、これに対しまして衆議院修正で五十億円、参議院修正でこれを十月から実施するといたしまして二十一億五千六百万円の減収になるわけであります。この内訳につきましては、別の表を御覧願いたいと思います。これは昨日お配りいたしましたのでありまするが、その後「参議院修正による税額移動調」と書いてあります。これでございます。これは昨日お配りいたしましたものを訂正いたしたのでございまするが、その後修正の箇所に相違が出、或いは内容につきましてここで又はつきり御意見を承わりましたので、それによりまして直したわけでありまするが、大体総額におきましては昨日の数字と同等であります。内訳説明いたしましようか……。この数字をこちらに移しましてこういう数字になつております。
  14. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 お尋ねしておきますが、二十七年度地方税収見込願移動調におきまして、財政計画による地方税収見込額A補正地方税収見込額Bとその差がすでにもう七十六億一千万円ある。この七十六億一千万円のこの欠損と申しますか、それはどういうふうにして埋めるつもりであつたか、それを伺つておきたい。
  15. 荻田保

    政府委員荻田保君) 実はまだこれにつきましてはそれほど的確な対策を立てておらんのでありまするが、こういう地方税法修正という問題がありましたので、急にこれだけのものを見たのでありまして、勿論この数字につきましては十分検討しなければならんと思います。いずれにいたしましてもここに見積り違いが出て来たという場合には、将来これを補正しなければならないわけでございます。その際には勿論この地方税だけではありませず、他のいろいろの歳入につきましても検討を加えると同時に、歳出につきましてもまだ種々当初の計画に対して是正すべきものがあると思います。現にこの夏期手当財源等もこれも全然今のところは予定がないのでありまするが、こういう歳入歳出とも洗いまして、この次に補正予算等の行われます機会に是正したら、こういう考えを持つているのでございます。
  16. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 例えば入場税遊興飲食税、これがまあ半減になるのでありますが、この計算では十月一日から半減するという計算になつておる。これがずつと延びて三月三十一日にやるということになると、よほどそこに緩和ができると思うのですがどのくらい見られますか、六ヶ月……。
  17. 荻田保

    政府委員荻田保君) 三月三十一日になりますると、入場税にしろ遊興飲食税にしろ、これは翌月に納めるということになりますから本年度に響かない。三日三十一日から実行するその税金は翌年四月一日以後における……これは二十八年度になります。
  18. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 そうするとこの減額にのぼせてある入場税の二十四億、それから遊興飲食税の二十九億というものは浮いて来るわけですね。
  19. 荻田保

    政府委員荻田保君) さようでございます。
  20. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 なお今日狩猟者税関係の協会の人が来まして、多年の要望によつてそういうふうに下げて頂ければ税収は減るどころか上るということを言つて来ておるのであります。それは二十一県においてすでに三千六百円というものが非常に高かつたというので、入らん分が非常にある。つまり脱税をしておる者がおる。それで二千四百円に下げれば喜んで皆入る、そのために二十一県においては却つて税収が殖える、従つて減税にならんということを申しておる。それで遊興飲食税の場合におきましても、これまで陳情した業者半減して頂けば決して減税のために府県財政収入が減るようなことはないというようなことで陳情があつたのですが、その点はどういうふうにあなたがたは見ておりますか。
  21. 荻田保

    政府委員荻田保君) 遊興飲食税につきましては、税率の下りましたのに応じまして例の問題になりましたこの所得税法法人税法の決定がありましてからあとで更正をするという規定がありましたので、その趣旨を勘考しまして大体年間で十六億、まあ極く少しの減税つまり税率が下つたのに比べれば少ししか減収額を見ませんでした。ただこれに対しまして地方団体からは逆の意見もあるのでありまして、やはり法律税率が下る、そこは納税者の受ける心理から税率が下つただけは今の税金が下るという、こういう意見があるからなかなか税収を強く見ることは税務当局にとつてむずかしい問題が起る、こういうすでに申出があるわけでありますが、我々といたしましては中間をとりまして、その程度減収は大体カバーできると考えております。
  22. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 もう一点伺つておきますが、入場税半減する、遊興飲食税が大体半減をするというための免税のものも出て来るということになりますれば、この入場料遊興飲食料消費者が払います料金、そういうものは大分安くならなければならないと思うのであります。これまで入場税なんかについて入場税を百分の百五十から百分の百に下げましたときにも当初の間は入場料が下つたのでありますが、すぐ二、三ヵ月すれば、それが元に復するということになつて入場者又は消費者にちつとも恩恵にならないというのでありますが、このたびはそういうことはあつてはならない。入場税遊興飲食税半減によつて少くとも四分の一ぐらいは減らなければならない。こう我々は思うのでありますが、その点はどういうふうに考えておりますか。
  23. 荻田保

    政府委員荻田保君) 我々も全く同様に考えておるのでございまして、税が減りましただけは、入場料金なり飲食料金の減る、下るということを期待しておりますが、御承知通り何らこれに対しまして価絡統制等強制力もないのでありますから、もつぱら業者の良心に待ちたいと考えております。
  24. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。それでは御質疑は終了したものと認めて討論に入りまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。  それではこれより本法案に対しまして討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べをお願いいたします。なお修正意見討論中にお述べを願いたいと思います。
  26. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 私は緑風会を代表いたしまして、私、それから西郷吉之助君、自由党の石村幸作君、社会党中田吉雄君、同じく社会党原虎一君、改進党の岩木哲夫君、民主クラブ林屋亀次郎君、以上七名を提案者といたしまして、地方税法の一部を改正する法律案に対しまして修正案を提出いたしたいと存じます。この以下述べます修正の案文は、衆議院修正に加えたものでありまして、その意味において提案をするのであります。朗読をいたします。  地方税法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する   第七十七条の改正規定中「純舞踊、」の下に「雅楽、」を、『能楽」を』の下に『、「会場」の下に「若しくは文化財保護法昭和二十五年法律第二百十四号)の規定により助成の措置を講じられた無形文化財を公開する会場」を』を、「、運動競技」の下に「(競馬、競輪その他射こう的な行為を伴うものを含まないものとする。)」を加え、「アイス・スケート場」を「地方財政委員会規則で定める運動競技の施設」に改める。   第七十八条の改正規定中「第七十八条に次の一項を加える。」を『第七十八条中「第十条の社会教育関係団体、」を「第十条の社会教育関係団体若しくは第二十一条の公民館、」に、「社会教育団体が行う社会教育」を「社会教育関係団体若しくは公民館が行う社会教育」に改め、同条に  次の一項を加える。』に改める。   第七十八条の二の改正規定中「免除を受けた者」を「免際を受けた催しの主催者」に改める。   第百十四条の改正規定中第三項「遊興し、又は飲食する」を「前条第一項に規定する遊興又は飲食に類する遊興又は飲食をする」に改め、同項「前条第一項」を「同条同項」に改め、  第百十四条の二の改正規定を次のように改める。   第百十四条の二に次の二項を加える。  2 道府県は、もつぱらめん類、茶菓その他これに類するものを提供する場所又は大衆食堂地方財政委員会規則で定めるものにおける飲食で、一人一回の料金が百円以下であり、且つ、一品の価格が五十円以下のもののみに係るものに対しては、遊興飲食税を課することができない。  3 道府県国際観光ホテル整備法昭和二十四年法律第二百七十九号)の規定により登録を受けたホテル又は旅館における外客の飲食及び宿泊で地方財政委員会規則で定めるものに対しては、遊興飲食税を課することができない。  第百十五条の改正規定を次のように改める。   第百十五条中「百分の四十」を「百分の二十」に、「百分の二十」を「百分の十」に改める。   第百二十四条の改正規定中第三項「又は決定しなければならない。」を「又は決定することができる。」に改める。  第二章第六節の改正規定の次に次の改正規定を加える。   第二百三十七条中「三千六百円」を「二千四百円」に改める。  第三百四十八条の改正規定を次のように改める。   第三百四十八条第二項第七号中「(昭和二十五年法律第二百十四号)」を削り、同条に次の一項を加える。  5 市町村は、森林法、農業協同組合法、消費生活協同組合法、水産業協同組合法及び中小企業等協同組合法による組合(企業組合を除く。)及び連台会が所有し、且つ、使用する事務所及び倉庫に対しては、固定資産税を課することができない。  第四百八十九条第一項の改正規定を次のように改める。   第四百八十九条第一項第二号中「及び可鍛鋳鉄」を「、可鍛鋳鉄、純鉄及び電解鉄」に改め、同項第八号中「地金」の下に「(アルミナを含む。)」を加え、同項第十号中「(電解法によるものに限る。)」を「及びソーダ灰」に改め、同項第九号を第十号とし、以下一号ずつ繰り下げ、同項第八号の次に次の一号を加える。   九  ニッケル地金   同条同項に次の七号を加える。   十八 岩綿   十九 セメント   二十 電気鋳造耐火練瓦   二十一 かん水ヨード、かん水臭素、メタノール及び硫酸   二十二 金属ソーダ、過酸化ソーダ、塩素酸ソーダ、過塩素酸アンモン、過酸化水素、二硫化炭素及びけい酸ソーダ(電解法及び電爐法によるものに限る。)   二十三 ピニロン、ポリビニールアルコール、ポリアミド繊維、カプロラクタム、錯維繊維、鎖   酸繊維素、塩化ビニリデン系繊維及び塩化ビニリデン、塩化ビニル共重合物   二十四 砕木パルプ  第四百八十九条第二項を改正し同条に一項を加える規定中「同条に次の一項を加える。」を「同条に次の二項を加える。」に改め、同規定に次のように加える。  4 学校教育法第一条及び第九十八条第一項の学校(これに附置する施設を含む。」並びに地方財政委員会規則で定める学術研究機関において直接教育又は学術研究の用に供する電気又はガスで地方財政委員会規則で定めるものに対しては、電気ガス税は課することができない。   第七百四十条第三項の改正規定中「第七号に規定する新聞業」の下に「及び出版来」を加える。   第七百四十三条第七号の改正規定中「日刊の新聞を発行する新聞業並びに」を「新聞(毎月三回以上号をおつて定期に発行されるものに限る。)を発行する新聞業、」に改め、「取り扱う事業」の下に「並びに学術研究、学校教育、社会教育等に関する出版物を発行する出版業で政令で定めるもの」を加える。  第七百四十四条の改正規定に次の改正規定を加える。   同条第十一項を第十二項とし、以下一項ずつ繰り下げ、第十項の次に次の一項を加える。  11 医療法人が健康保険沖、船員保険法、国民健康保険法文は国家公務員共済副合法(昭和二十三年法律第六十九号)の規定に基く療養の給付又はこれに相当する給付につき支払を受けた金額は、第五項の総益金に算入せず、又、当該給付に係る経費は、同項の総損金に算入しない。  第七百四十七条の二の改正規定の前に次の改正規定を加える。   第七百四十六条第二項に次の一号を加える。   十一 医療法人   第七百七十六条の改正規定を次のように改める。   第七百七十六条第二項に次の一号を加える。   七 理容業   同条第三項第十号を削り、第十一号を第十号とし、第十二号を第十一号とし、同項に次の一号を加える。   十二 湯屋業   第七百七十七条の改正規定中「に改める。」を「に改め、第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。」に改め、同規定に次のように加える。  4 医業及び歯科医業については、所得計算上総収入金額から控除すべき金額は、前項の規定にかかわらず、必要な経費及び十二月分としての三万八千円の外当該業務を行う者が健康保険法、船員保険法、国民健康保険法又は国家公務員共済組合法の規定に基く療養の給付又はこれに相当する給付につき支払を受けた金額から当該給付に係る経費を控除した金額とする。   附則第三項を削り、第四項から第七項までを一項づつ繰り上げ、第八項中「第六項」を「第五項」に改め、同項を第七項とし、第九項中「第七項」を「第六項」に改め、同項を第八項とし、第十項中「第六項」を「第五項」に改め、同項を第九項とし、同項の次に次の一項を加える。  10 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。   附則第十二項中『「、第三百四十八条第一項」及び』を削る。   以上であります。  その他の政府提出原案並びに衆議院修正にかかります分につきましては緑風会といたしましては賛成をいたします。なおこの際特に討論の中に加えておきたいことは、先ほどの質疑応答で申上げたのでありますが、入場税遊興飲食税その他大巾に減額をされた税が一般大衆の利益にならないで、入場料遊興飲食の費用等が少しも安くならない、又値下げになつても又すぐ値上げになるというようなことでは困るのでありまして、多年業界の要望その他、余りに高いのではいけないということから、入場税及び遊興飲食税半減するというような持置ブとられるのでありますから、政府においても十分にそういう業者に対して入場料遊興飲食の費用等を軽減すると共に、脱税が絶無になるように御努力下さらんことを要望いたします。  討論といたします。
  27. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私は討論は省略いたしたいと思いますが、ちよつとお尋ねしたいのですが、医業及び歯科医業についての健康保険組合法によるその医療費は所得収入額から控除することについて、今岡本さんが朗読された中に健康保険法及び国民健康保険法のほかに船員保険法、国家公務員共済組合法の規定云々ということがあります。これは健康保険法及び国民健康保険法に包括されたものと解釈されますが、別個の問題でありますとこれ以外のものもあつたりなどして、昨日及び一昨日当委員会における議論としてその取扱いについては多少問題があつたわけであります。併し我々はこの案に反対ということじやない、この辺の事情がちよつとわからないからお尋ねしておきたいわけでありますが……。
  28. 法貴三郎

    調査員(法貴三郎君) 簡単にお答え申上げます。大体国民健康保険だけの二つを小委員会でおきめになりましたので、その範囲でいたしたいということで、技術的に法制局のほうと相談いたしたのでございますが、その性質が全く同じであり、給付の関係上この四つは包括して同一に扱うのが適当であるということが一つ点でございます。   次の一点は、特別所得税というものは所得課税でございまして、特別な規定でございますので、これを範囲を拡げて、共済組合及び船員保健法に拡張しても他との均衡は大して破れないという考えからでございます。
  29. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  30. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 速記を開始して。
  31. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 先ほど私が朗読いたしました修正案に誤りがありましたから御訂正お許しを願います。それは「第七百四十四条の改正規定に次の改正規定を加える。同条第十一項を第十二項とし、以下一項ずつ繰下げ、第十項の次に次の一項を加える。」その次にありますが、「医療法人が健康保険法、船員保険法、国民健康保険法又は国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)」こう申しましたがそれは謀りでありまして、医療法人が健康保険法又は国民健康保険法の規定に基くそういうふうに訂正をお許し願いたい。
  32. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 他に御意見ございませんか。
  33. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それから末項にあります。末項に訂正しなければならん…。
  34. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 なお、それに続きまして、その関係上「の規定に基く療養の給付又はこれに相当する給付」ということもこれはおかしいのでありますから、「又はこれに相当する給付」を削りまして「療養の給付につきで」と改めたい思います。
  35. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 いやその字句の前にやはり船員保険法、国家公務員共済組合という字句があるでしよう。
  36. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 なおそれと関連いたしまして、第七百七十七条の改正中におきまして、「同規定に次のように加える。」として四項加えております。その中に初めは省きまして「当該業務を行う者が健康保険法、船員保険法、国民健康保険法又は国家公務員共済組合法の規定に基く療養の給付又はこれに相当する給付につき」とありますのを、当該業務を行う者が健康保険法又は国民健康保険法の規定に基く療養の給付につき支払を受けたと、こういうふうに訂正させて頂きたい。
  37. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 他に御発言はございませんか。御意見がなければ討論は終局したものと認めまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 委員長西郷吉之助君) それではこれより採決に入ります。只今地方税法の一部を改正する法律案につきまして採決いたします。  先ず、先ほど討論中にありました岡本提案修正案全部を議題に供しま女。岡本提案修正案に賛成のかたの挙手をお倣いいたします。    〔賛成者挙手〕
  38. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 全会一致と認めます。よつて岡本君提出の修正案は可決せられました。   次に只今の岡本提案修正文を除いた内閣送付案全部、即ち参議院修正案を除いた衆議院修正案と政府原案全部ということでございます。……ちよつと今込み入りましたから重ねて申しまするが、只今岡本提案修正案を除く衆議院送付案全部につきまして採決をいたします。只今の参議院修正案を除く衆議院送付案全部に対しまして賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  39. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 全会一致であります。よつて只今の参議院修正案を除く衆議院送付案は全会一致を以て可決せられました。よつて地方税法の一部を改正する法律案は全会一致を以て修正可決せられました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の御署名を附することになつておりまするから本法案を可とせられましたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名    岩木 哲夫    石村 幸作    岩沢 忠恭   富田 重文    若木 勝藏   原  虎一    吉川末次郎   岡本 愛祐    館 哲二    林屋亀次郎
  41. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 御署名漏れはございませんか。ないと認めます。   —————————————
  42. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 皆様にお諮りをいたしたいのですが、地方自治庁設置法案、これは内閣委員会が審議をいたしております。それに対して地方行政委員会から修正意見を出したらどうだと思うのであります。それで各会派におかれて御研究になつておりますから、修正意見を持ち寄りまして非公式の小委員会でも作つて検討して、その結果本委員会に諮つて、そして決定をするようなお取計いを委員長においてとられることを希望いたします。
  43. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは本日先般の修正案のときと同様に小委員会を設けますか。
  44. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 小委員会を設ける必要はないじやありませんか。各会派今日中ぐらいに御検討願つて、明日修正案を持ち寄つて非公式に小委員会でも作つてそしてお話合いをしたらどうでしよう。
  45. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 只今の岡本君の地方自治岸設置法案につきまして、修正案をまとめる提案がありましたが、非公式の小委員会を設けまして修正案をまとめることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。それでは非公式の小委員会を設けます。各党で一名ずつ代表をお出し願いたいと思います。それでは後刻各党できめることにいたします。   —————————————
  47. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) なお先般から岩木委員からの建設大臣に対する御質疑がございますから引続いていたします。今住宅局長が来ておりますが、大臣も間もなく見えます。
  48. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 あのちよつと岡野国務大臣がおいでになつておりますから、この機会に一言資料の請求について要求したいと思いますがお許し願いたいと思います。よろしうございますか。
  49. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) どうぞ。
  50. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それでは、この頃少し下火になつたようでありますが、先般来国会におきまして特に地方行政委員会を中心としまして猛烈なるところの運動がありましたかの五大都市の特別市制の問題でありますが、特別市制に関する私見につきましては今ここで申述べる限りではありませんが、あの猛烈なる運動に関連いたしまして、当該五大都市及び五大都市を含むところの五府県におきまして、あの運動のために莫大な運動費が使われたということが地元において相当に問題になつているように思われるのであります。それで私といたしましては特別市制には反対でありますが、ああした運動に必要な金が地元の自治体において使われるということは、これは地方財政上の一つ課題であると考えられるのであります。先般京都に参りましたところが京都の地方新聞におきましてもやはりそれが取扱われております。書かれておりますところによると、一億七千万円くらいの運動費が使われたということが書かれておりました。それで京都の市役所でも、市議会で問題にした議員があつたのでありますが、それに答えて高山京都市長は数字を出して二百数十万円という数字を挙げておつたのでありますが、もとよりそれは真実を語るものでないというのが第三者の批評であつたようであります。その正確なる数字を出すことは或いは困難であるかと思いますが、併し予算にその運動費として計上されているものが五大都市及び五府県においてもありましようし、なおそれ以外にいろいろと数字を御点検下さいますならば、実際に近い数字が或いは自治庁のほうで出して頂けるのじやないかと思うのであります。それで後日の参考のために一応そうした調査を伺つておきたいと思いますので、御面倒であると思いますが、その調査を一つ御報告瞬いたい。更にできるならばこの運動は極めて古く数十年に亘るところの運動であります。それが今日までに使われたところのこの運動に対する運動費というものは、貨幣価値の変動等もありましようが、統計的に十分了解するような基礎においていろいろ換算を願いまして総額を今日まで、私見を以てするならば無用なるところの、ばかばかしいところの、愚劣なるところの運動のためにどれくらいの無用なる運動費が使われたか、ということを一つ調査して頂きたい。資料の提出を委員長より当局に御要求願いたいと思います。
  51. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) では只今の要求につきまして……。
  52. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) 只今の御要求の資料でございますが、私どももそのことについて風説を聞かないわけではございませんけれども、さような関係資料を要求いたしましてどの程度のものを関係地方団体から出してもらえますか、ちよつと自信がつきませんが、若しお目にかけ得ますようなものが用意ができましたならば、御提出申上げたいと思います。
  53. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 只今鈴木次長の御答弁のように、若しできましたならばというのでは甚だ困るのでありまして、多少の困難性があることは十分御推知いたしますけれども、一つ厳格な態度において是非出すように委員長より当局に御請求願いたいのであります。と申しますのは、その運動が私の見解よりして無駄な浪費であるというばかりでなくして、随分いかがわしい風評が飛んでおるのでありますので、是非これを御提出願うようにお運び願いたいと思います。
  54. 鈴木俊一

    政府委員(鈴木俊一君) 関係地方団体に今の御要求の趣旨のものを提出するように要求いたしまして、それによつて出て参りましたものを一つ御参考に供するようにしたいと思います。
  55. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 昭和二十五年の四月の国会に通過した建築基準法によつて建築行政を都道府県から市町村に委譲することについて、全国でまだ八つの市、主なる市だけが委譲されて、残余のものは委譲されておらない。それらはいろいろ受入態勢が不十分であつたり、或いはその他の事情でかようなことになつておると聞いておるのでありますが、現に受入態勢その他必要に迫られて政府がこれを国会に提出し、そして両法案とも全会一致で承認されたものに、未だこの法律案の目的が達成されておらないが、そういうところから先日本全国の未だ委譲されない市町村のほうからこれが処置について関係道府県に交渉しておるけれども、言を左右にしてこれが委譲の実現を図らないという部面等があつて、非常に感情問題等も起りつつある向もあるようであります。そこでこの際自治庁主管大臣にお尋ねをしたいのは、この法律に基いて自治庁主管大臣は速かに建設大臣と協議の上、この法律を政府が提案し、これが法文化した、国会を通過した趣旨に則りまして、これらの希望せる市町村に速かに移管されるような手配をされたい。でこの間に相互の理解、協議がまとまらない場合には、主筋大臣はそれを勧告し得る条文があるのであります。それは建設大臣が勧告される建前になつておりますが、責任上自治庁大臣も当然勧告されるべきであると思われますし、こうした問題を整理するのが自治庁の主管大臣の責任であろうと思うのでありますが、こうした問題についてどのように自治庁主管大臣は処置されておつたか、又現在されておるのか、又将来これらの問題はどういう態度で処置に当らんとしておるのか。この辺を承わつておきたいと思います。
  56. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。理論的には無論法の精神によりまして移管さるべきものと思いますが、いろいろ事情もあることでございまして、建設大臣がそれに対しては主管大臣でありまして、私のほうでは直接の参加ができない。併し地方自治庁じや面倒をして見ているわけでありますから、主管大臣と一緒になつて善処いたしたいと思います。
  57. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 主管大臣と善処されるということは、何でも政治的用語としてよく議会で使われている言葉であるし、世間でも使われていることでありますが、そんなことでは納得ができんので、政府はこの法律案を出して、これの実行を図らんとしているのにかかわらず、当時の自治庁大臣も閣議で了承し、そうあるべきを承知して国会で通過をさせたのであります。従つてこの法律案を国会において通過せしめ実現せしめたゆえんのものは、この目的を達するために全力をかけるというのが当り前で、ただ善処するというだけでは、ますますそれがはつきりしないのでありますから、速やかに自治庁大臣はこの基準法が起案され、国会において通過され法文化した今日、これが実現について建設大臣と協力して、これが実現に努力されんことを一つ望みたいと思いますが、重ねて御回答を承わりたい。
  58. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 御趣旨を尊重いたしまして建設大臣を鞭撻して速やかに実現を図りましよう。
  59. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 岩木君に申上げますが、建設大臣は今どうしても記者会見をやつておられるので外せないので、明日にしてくれということであります。
  60. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それでは建設省の住宅局長にお尋ねいたします。局長もかねて御承知のように、昭和二十五年の四月に建築基準法が通過して、都道府県から市町村に委譲されないものが全国非常に多い。まだ最近四つか五つに過ぎない模様である。もとより受入態勢その他において不十分のところもあつたり、まだこれを至急に要望しない市町村もあるかも知れませんけれども、早く委譲を熱望要求している。且つこの法律の通過したことによつて、その目的の実現を図らんとしている自治体が、未だに都道府県が感情問題やらいろいろなことで言を左右にしてこれが協議に入らない。協議に入つても不合理な言を使つて実現を図ろうとしない。こういうようなことが全国かなりあつて、さなきだに府県市町村自治体の感情抗争問題に油をかけている風があります。こうしてすでに法律が通過してその目的を達成するに、必要によつて勧告という条文も生まれていることでありますから、主管大臣、建設省としてはこの法律を起案し、この法律が通過し、この法律の目的を達成するに必要な手段をなぜ講じないのか。まだ講じておらないところがあるならば速やかにこの実現を図るように努力さるべきだと思うのでありますが、建設省としてはどういう態度でありますか。この際明らかにしてもらいたい。
  61. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 建築幕準法の制定の趣旨日から申しまして、できるだけ早い機会に市町村に建築主事が置かれるようになることが望ましいことであります。併しながらこのためには勿論財政措置その他の諸般の準備が必要なことでありまして、それらの準備が整いました後におきまして、府県側に協議がございました場合には、府県側といたしましては理由がなければ、これは当然移管が実現できるものと期待いたしております。従いましてこの協議によりまして建築行政の円滑な移管が行われることを、主務省としましては期待いたしておるのでありまして、若しもその間にいろいろな事情によりまして、円滑な移管が実現できない向きがありましたならば、十分に双方の意見を聞きましてこの移管が実現するように、建設省として特に努力して行きたいというふうに考えております。
  62. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 今局長が申された、まだ財政的その他で十分でないところなどはということでありましたが、財政その他組織、人間の問題等が、整つて府県側に移管の協議を申込んでも、その協議が府県側で一蹴されて、まだ時期が早い、何のために時期が早いかと言えば、何らその点の明答はいたさない。こういうことで一日延ばし一日延ばしにこの委譲を怠つている府県があつて、これらに対して建設省に当該市町村が陳情しているはずであります。ところが陳情を受けても、建設省はどこ吹く風かといつたような、何ら熱意を示しておらない事実があります。それはどこだとおつしやれば私が指摘いたしますが、それは私が言わなくてもわかつている。いわゆる市町村ではかなり欲求しているのに、建設省がこの際荏苒生ぬるい態度でいるということが、最近問題になつておるのであります。そういう生ぬるい態度なら、何故法律を起案し、これが通過を図つたのであるか。全くどうも合点が行かないのであつて、今日私がここで申すまでもなく、速かにかような財政的、組織、人間、すべてが整つて要求しているのに対して、府県が言を左右にして応ぜられないというような事態に対しましては、建設省は積極的に乗出して、これが解決を図るべきだと思うのでありますが、もう少し熱意のある態度を明らかにしてもらわないというと、ちよつと私のほうは了承できない。重ねてお尋ねいたします。
  63. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 決して熱意がなかつたわけではございませんので、ただ一、二の府県と市との間に問題があつたことは承知しております。これにつきましてはいろいろと問題が、ほかの問題とからんで来ておりましたので、多少そういう意味では静観しておつたのでありますが、その市で建築主事を置きたいという市の強い要望がありまするので、建設省としましては最近の機会に是非この解決を図つて行きたいという心がまえでおります。
  64. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それでは建設省の解決の態度なり、その実績、結果を今暫く見ることにいたしまして、建設当局及び自治庁大臣の言明を信頼して、これが速かに解決を図ることを要求して、暫く待機の状態で以後の質問は保留しておきます。
  65. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後五時十九分散会