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政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
災害
によりまする
措置
につきましては、
個々
の
経費別
に国が
相当
の
負担
をいたします。二更に又、その他の
部分
につきましても
相当
地方債
を充当いたして参りまして、その他の面につきましては
地方財政平衡交付金制度
で
運用
するということになるわけでありまして、
地方財政平衡交付金制度
が
災害
に対する
財政措置
の全部でないことは言うまでもありません。併し
お話
のように、
地方財政平衡交付金
の
普通交付金
及び
特別交付金
の
両者
におきまして、
相当
部分
が
措置
されると
考え
ております。
普通交付金
の面につきましては、
只今ちよ
つと申上げましたように、
税收入
が減
つて
参る。
税收入
が減
つて
参りますれば、
自然平衡交付金
が殖えて参るというような仕組にな
つて
おるわけであります。
kokalog - 国会議事録検索
1952-05-09 第13回国会 参議院 地方行政委員会 第29号
公式Web版
地方財政法の一部を改正する法律案 (会議録情報)
0
昭和
二十七年五月九日(金曜日) 午前十一時五十四分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
西郷吉之助
君 理事 堀 末治君
中田
吉雄君 岩木 哲夫君
委員
岩沢
忠恭
君 石村 幸作君
若木
勝藏
君 原 虎一君
国務大臣
国 務 大 臣
岡野
清豪
君
政府委員
地方自治政務次
官
藤野
繁雄
君
地方自治庁財政
課長
奧野
誠亮
君
事務局側
常任委員会専門
員
福永与一郎
君
常任委員会専門
員 武井
群嗣君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
地方財政法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
委員長(西郷吉之助君)(西郷吉之助)
1
○
委員長
(
西郷吉之助
君)
只今
より
委員会
を開会いたします。 本日は前回に引続きまして
地方財政法
の一部を改正する
法律案
の
質疑
を続行いたします。
若木勝藏君(若木勝藏)
2
○
若木勝藏
君 第十条の「国がその全部又は一部を
負担
する
法令
に基いて実施しなければならない
事務
に要する
経費
」、これにつきまして、この第一号から二十三号までを選定してありますが、これはまあここに抽象的に「その円滑な
運営
を期するために」というようなことで以て一応の抽象的な
説明
がありますが、実際においてこれを選定した
理由
についてお聞きしたいと思います。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
3
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
法令
に基きまして
地方団体
が実行を義務付けられておりまする
事務
でありましても、その
経費
の
全額
を
地方公共団体
が
負担
いたしましたほうが民主的な
運営
ができますし、又
経費
の効率的な使用ができるというふうな
考え
でいるわけでありまするけれども、それらの
事務
がまだ
十分地方公共団体
に同化せられておりません間におきましては、
個々
の
事務
につきまして国が
計画
的に
地方公共団体
に指図して行かなければならないというふうな場合もございますので、その間国が
経費
の全部又は一部を
負担
することにしておきたいというふうに
考え
ておるわけであります。主としてその
事務
が新らしいために
地方公共団体
に十分同化されていないというふうな事由があるのを、なお円滑な
運営
を期するために、国が
経費
の全部又は一部を
負担
する必要があるのだというふうに
考え
ておるわけであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
4
○
若木勝藏
君 そういたしますというと、その
立場
から、従来は
義務教育費
の
給与関係
の
項目
がこの中に入
つて
お
つたの
が、まあ
平衡交付金制度
によ
つて
、一時停止されておる。今回それを削除したということになるのでありますが、これにつきまして特別従来入れてあつたものを省かなければならない
理由
ですね、これをお伺いしたい。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
5
○
政府委員
(
奧野誠亮
君) 従来
経費
の
負担
を国と
地方団体
とにおきましてどういうふうに分担して行くかというふうな
方針
につきましては、専らその
事務
の持
つて
おりまする性格に鑑みまして区分して参つたわけであります。専ら国の
利害
に関係いたしまするものにつきましては国が
負担
する、又国と
地方公共団体相互
の
利害
に関係いたしますものにつきましては、
両者一定
の
負担割合
に
従つて経費
を支出して行こうというふうにいたして参つたわけであります。併しながら
負担金
の
制度
につきましては、或いはそれらの
負担金
の
交付
の申請、
調査
或いは現実の
交付
或いは又
監査等
を通じまして非常な
事務
的な
経費
を必要といたしますし、又これらの
負担金
の
交付
を通じまして
負担金
の
交付
を扱うものの
意図
というものが、不当にそれらの
行政
の
運営
に対しまして、圧迫を加えて参るというふうな点もございますので、国として
地方行政
の
運営
に対しまして掣肘を加える必要があります
部分
につきましては、それぞれ
国会
の議決を経ました
法律規定
に基いてやればよろしい、殊更に
補助金
を以てそれらの
運営
を掣肘するようないたし方をしないほうがいいんじやないだろうかというふうに
考え
られまして、
地方団体
の
事務
とされておる以上は、
全額地方団体
が
負担
して行く、併しながら税源の乏しい
団体
におきましては、そういうことは困難でありますので、新たに従来の
地方配付税制度
に代えまして、言い換えればかなり
簡素化
な形において
地方団体
間の
財源調整
が行われておりましたものを、
地方財政平衡交付金制度
に切替えることによ
つて
、どの
地方団体
におきましても、その
地方団体
に委託されておりまする
事務
に要する
経費
は
全額
を国において保障して行こう。即ち
通常地方団体
に必要とされております
事務
に要しまする
経費
は
全額
交付
されるという
制度
がとられたわけであります。従いまして国と
地方公共団体
の
相互
の
利害
に関係いたします
事務
につきましても財政的には十分保障されているわけでございますので、殊更
負担金
を国が支出する必要はない。又これによ
つて種々
の弊害をかもし出す必要はないという
考え
を以て参つたわけであります。従いまして従来の
負担金制度
というものは
義務教育
に限りませず
相当
多くの種類に亘りまして廃止するという方途を講じたわけであります。併しながらなお
事務
の性質が新らしいために、円滑な
運用
を期しがたいというものだけが十条に掲げてあるわけであります。或いは十条に掲げてあるものだけが重要だというふうな誤解を持たれてはいけないと思いまして、むしろ
地方団体
といたしましては逆に重要なものであれば積極的に進んでやるだろう、だから
財源的補助
はよろしい、殊更に
負担金
を国から
交付
する必要はないという
考え
を持
つて
いるわけであります。
負担金
を国が出します以上は、その国が出します
負担金
の
部分
だけは
地方税
や
地方財政平衡交付金
には含まないわけであります。
負担金
を出さないようにすればそれだけ
地方
の
一般財源
は増加する。
負担金
を出すようにすればその
部分
だけは
地方
の
一般財源
を減額するということになるわけであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
6
○
若木勝藏
君 そうしますというと、今
衆議院
のほうにおける、いわゆる
自由党
の
調査会
におきまして
義務教育費国庫負担法
というようなものを提案するとかしないとかということは、あなたのほうの御
説明
と反してとられるような形になるわけでありますが、この点はどういうことになりますか。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
7
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
お話
のように
政府
といたしましては今直ちに
義務教育費
につきまして
国庫負担
の
制度
をとることは適当でないというふうに
考え
ているわけであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
8
○
若木勝藏
君 近日中にそれが提案されるというような話を聞いているわけでありますが、そのいきさつは、或いは
情勢
はどういうふうなものにな
つて
おりますか。これらの点について伺いたい。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
9
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
自由党
のほうの
人たち
から
義務教育費国庫負担法案
が
衆議院
に提案されたと聞いております。
若木勝藏君(若木勝藏)
10
○
若木勝藏
君
提案済み
にな
つて
いるわけですね……。そうしますというとその間の、
自治庁
としてはそれらに対してどういうふうなお
考え
で進まれる御
意向
でありますか。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
11
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
先ほど
申上げましたように、
義務教育費
につきまして新たに
国庫負担
の
制度
をとるかどうかということにつきましては、昨年来いろいろ議論せられているところでありました。併しながら
政府
におきましては今直ちにこの
制度
をそのままにおいて採用することは適当でないというふうなことで、すでに成立いたしました
昭和
二十七年度の
国家予算
にもその
金額
は盛られておりませんでしたわけであります。従いましてこの案につきましては
地方財政委員会
といたしましても反対であるということで、その間の意見というものを常に公にいたして参
つて
いるわけであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
12
○
若木勝藏
君 そういうようなことは私は
新聞紙上
でもその他でも知
つて
いるのでありますが、併し一旦
自由党
の
政調会
の案が提案されたということになれば、その門におきまして
政府
との
折り合い
がついたものと
考え
ますが、その点はどうですか。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
13
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
自由党
と
政府
との間においていろいろ話合いがあつたわけでありまするけれども、現在のところ
折り合い
がついた上で出されたとはまだ
考え
ていないわけであります。なお、御
承知
だと思いますが、
自由党
から出されました案の中では、第十条のように
義務教育費
の
部分
につきましても
負担金制度
をとりたいという
意味
で、この
規定
を修正したいような
意向
があるようであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
14
○
若木勝藏
君 その点について今
事務当局
からの御
答弁
がありましたが、政務次官に伺いますがその点は
折り合い
がついているか、ついていないか、その点をはつきりしたい。こう思います。
政府委員(藤野繁雄君)(藤野繁雄)
15
○
政府委員
(
藤野繁雄
君) 重大な問題であ
つて
、すぐ
大臣
が見えますから
大臣
から詳細に亘り
答弁
して頂きたいと思うのであります。現在のところでは、私の知
つて
いる範囲内においてはまだ完全に
了解
ができていないのじやないかと、こう想像しているわけであります。確実なところは
あと
で
大臣
から御返事することにいたします。
若木勝藏君(若木勝藏)
16
○
若木勝藏
君 それでは更にその十条の
規定
の
項目
の中に、
産業教育
だけを含めていることの
理由
を伺いたい。二十三の「
産業教育
の
振興
に要する
経費
」はこの
国庫負担
のほうに切離して入れるということ……。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
17
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
先ほど
も申しましたように、まだ同化していない
事務
につきましては積極的に国が
個々
の
団体
につきまして
一定
の
計画
を示しながら、
半面
それぞれの
経費
を算定いたしまして一部を国が持つというふうにしたほうがよろしいと
考え
ているわけであります。そのような
意味合
から
考え
て参りますると、他の
義務教育費
につきましては、何十年来
地方団体
においてその
事務
を担当いたして来ておりまするに鑑みまして、
産業教育
の問題につきましてはそれらの
施設
が従来から非常に遅れているといいますか、或いは又国が積極的にこの種の
教育
の
振興
を、従来とは
違つた角度
からや
つて
行こうというふうに
考え
られておりますので、まだ
産業教育
の
施設
の整備といいますか、そういう面につきましては同化していない面があるというふうに
考え
ているわけであります。御
承知
のようにこの
法律
も昨年立法されたばかりでございます。他の
義務教育
の
規定
の面とは
大分趣き
を異にしているというふうに
考え
ているわけであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
18
○
若木勝藏
君 そういたしますというと、これは将来は
平衡交付金
の中に組込むというふうな御
意向
を持
つて
いると解してよろしいですか。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
19
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
産業教育
の
振興
が
一定
の標準まで達して行きました場合には、国があえて干渉の
制度
を設ける必要はないだろうというふうに
考え
ます。
若木勝藏君(若木勝藏)
20
○
若木勝藏
君 そうしますとこれもやはり
義務教育費
の場合と同様に
自治庁
としてはお
考え
だ、こういうことにと
つて
差支えないですか。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
21
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
義務教育費
の場合と同じということを私は申上げているのじやございませんで、国が
意図
する
程度
まで
産業教育
の
施設
が引上げられた場合には、殊更その上になお任せておいても十分行われるものを、紐付きの
負担金
を持つ必要はないというふうに
考え
ているわけであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
22
○
若木勝藏
君 それでは他の
方面
に
質問
を移しまして、今の十条に示されてあるところの各
項目
についての
負担率
の問題でありますが、これは先般この
委員会
におきまして私もその点を
考え
て
質問
いたしたのでありますが、その後又
中田
君からも同様の
質問
が出たようであります。結局私の懸念しているところは、その
負担率
の如何によ
つて
は
地方財政
上非常に困る問題が起
つて
来るのではないか、そういうことでまあ
伺つて
お
つたの
でありますが、この資料はできたでしようか。
委員長(西郷吉之助君)(西郷吉之助)
23
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 今の
若木委員
の御
質問
にお答えいたしますが、概括的なものが、
昭和
二十七年度
地方予算
における
事項別
の
国庫負担金
に関する調べ、こういう
負担率
という項がありまして、概括的なことは出ているのですが、御要求になりましたことはもつと詳細なことですから、更に……。
若木勝藏君(若木勝藏)
24
○
若木勝藏
君 それでは現在の
負担率
で以て、
地方財政
上
地方
の
負担
の上から見て、先ずこの
程度
でよいか、或いはこれに対して欠陥があると、こういうふうなことについてのお
考え
を伺いたいと思います。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
25
○
政府委員
(
奧野誠亮
君) 現在
国庫負担
の
制度
をと
つて
おりまするものにつきまして、一番問題の起きております
部分
は、
負担率
の点よりも、むしろそれの基礎になりまする
単価
に問題があるようであります。例えば
職員費
につきまして、国が
負担
することにな
つて
おりましても、その
職員費
の
単価
をそれでは設置できないような
金額
にして来ているというふうな事柄でございます。併しながら、これらの面につきましては、今回の
改正法案
に基きまして、それらの
算定基準
というふうなものも
法律
又は政令で定めなければならない、現在定められていませんものは、来年の三月三十一日までに定めなければならないというふうなことにいたしておりまするので、これらの点も、この
改正法
の成立と同時に整備されて来るものであろうというふうに期待いたしております。
若木勝藏君(若木勝藏)
26
○
若木勝藏
君 第三の
質問
といたしまして、先般起りました
北海道
の
震災
でありますが、それから、続いて
鳥取
の大火によ
つて
非常な打撃を受けておるのでありますが、これらに関しましては、おのおの繋ぎ資金のようなものによ
つて
まあ当分の
措置
はなされておるのでありますが、その後におけるところの処理というふうなことにつきましては、これはまあ
災害
に関する
国庫
の
補助
、そういうふうなものもありまするけれども、これは
平衡交付金
というふうなものによ
つて
処理される部面があるのじやないかというふうに
考え
ますが、この点はどういうふうにな
つて
おりますか。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
27
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
お話
のように、
災害
によりまする
経費
につきましては、第十条の三に
規定
いたしまするところによりまして、国が
相当
部分
を
負担
するわけでありますし、又国の
負担
の
仕組み
も他の
経費
とは異なりまして、復興に要しまする
経費
にその
団体
の
財政規模
と照し合せまして、非常に多くなりまする場合には、
漸次国
の
負担
する率を高めて行く、場合によりましては、
全額
を
負担
するというふうな
仕組み
をと
つて
おるわけであります。併しながら、
地方
の
負担分
につきましては、これを何らかの形において
措置
して行かなければならないわけでありまするけれども、
原則
として
災害
が起きましたような
団体
におきましては、それらを賄な
つて
行く能力は、
地方債
以外においてはないだろうと
考え
るのであります。
従つて
、こういう
経費
に関しまする
地方負担分
につきましては、
全額
を
地方債
で賄うというような
方針
をとるべきではなかろうかというふうに
考え
ております。又こういうふうな
地方債
につきましては、それらの
元利償還費
というものを
平衡交付金
の
基準財政需要額
で測定して行くということにいたしておりますので、将来その
団体
の
税收入
が伸びて参りません場合には、
元利償還費
が
全額地方財政平衡交付金
で保障されて行くというふうにな
つて
来ると
考え
ておるのであります。現在
制度
上はそういう
仕組み
を講じておるわけであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
28
○
若木勝藏
君 そうしますというと、
平衡交付金
に関係して来るものは、払えない場合の、いわゆる
起債
の
元利償還
ということに
考え
られるわけですな。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
29
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
平衡交付金
の中で、
災害
に要しまする
費用
というものを
公債費
の形で
基準財政需要額
に加えているわけであります。
従つて
、
基準財政需要額
が
基準財政收
入額を上廻
つて
おりまする場合には、上廻
つて
おりまする額が
平衡交付金
で補われるということになるわけであります。併しながら
半面
その
団体
では
税收入
も
相当
減
つて
来るわけでございますので、
税收入
の
減つた部分
だけはそれだけ多く
地方財政平衡交付金
が
交付
されるということにもな
つて
参るわけであります。これらは
普通交付金
の
運用
の面において操作されるわけでありますけれども、なお
特別交付金制度
によりましてこれだけでは賄いがたいような
財政負担
というものを見て行きたいというふうな
考え方
を持
つて
おるわけであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
30
○
若木勝藏
君 それで大体わかりましたが、そうしますというと、二十七年度の
予算
として
平衡交付金
が千二百五十億ですか、そういうふうにきま
つて
おるのでありますが、これに対する補正とか何とかということは
考え
なければならないように思うのでありますが、その点どうですか。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
31
○
政府委員
(
奧野誠亮
君) 毎年
相当
の
災害
が起きて参りまして、これらの
災害復旧
に要しまする
経費等
を、やはり
相当
地方財政平衡交付金
の
配分
に当りまして
考慮
をいたして参
つて
来ておるわけであります。
只今
まで
昭和
二十七年度の
地方財政平衡交付金
の
配分
に当
つて
考慮
しなければならない
部分
として、起きた
災害
が従来に比べまして特に過大であるというふうにも
考え
ておりませんので、現在のところ千二百五十億円の
地方財政平衡交付金
の
運用
におきまして従来
程度
の
措置
は十分できるというふうに
考え
ております。
若木勝藏君(若木勝藏)
32
○
若木勝藏
君 そうしますというと、その始末は大体において
特別交付金
の
考慮
においてなされるということになりますか。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
33
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
災害
によりまする
措置
につきましては、
個々
の
経費別
に国が
相当
の
負担
をいたします。二更に又、その他の
部分
につきましても
相当
地方債
を充当いたして参りまして、その他の面につきましては
地方財政平衡交付金制度
で
運用
するということになるわけでありまして、
地方財政平衡交付金制度
が
災害
に対する
財政措置
の全部でないことは言うまでもありません。併し
お話
のように、
地方財政平衡交付金
の
普通交付金
及び
特別交付金
の
両者
におきまして、
相当
部分
が
措置
されると
考え
ております。
普通交付金
の面につきましては、
只今ちよ
つと申上げましたように、
税收入
が減
つて
参る。
税收入
が減
つて
参りますれば、
自然平衡交付金
が殖えて参るというような仕組にな
つて
おるわけであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
34
○
若木勝藏
君 そうしますと、
災害地
といたしましては、今当面金が必要なんでありますが、いわゆる
平衡交付金
の
概算交付
というようなものによ
つて
、その点は
北海道
なり
鳥取
の
方面
においては特別の
考慮
がされてあるのですか、その点伺いたい。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
35
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
平衡交付金
の
概算交付
は、前年度の
普通交付金
の四分の一ずつを
配分
して行くという方式をと
つて
参
つて
来ておるわけであります。併しながら、
北海道
の町村の中で
震災
を受けました所に対しましては、本年度の
普通交付金
は昨年度よりも
相当
多くなることは事実でございますので、そういう
意味
で、
概算交付
の額を若干多くいたしました。
鳥取
県につきましては、すでに
概算交付
した後でございましたので、この次に
概算交付
いたします場合には
概算交付
の
金額
につきまして特例を定めて、若干多く
交付
することにしたらどうだろうかというふうな
考え方
で協議をいたしておるわけでございます。
委員長(西郷吉之助君)(西郷吉之助)
36
○
委員長
(
西郷吉之助
君) それでは
岡野国務大臣
がお見えになりましたから、
先ほど
若木委員
よりの御
質疑
をもう一度
大臣
に改めて御
質問
願います。
若木勝藏君(若木勝藏)
37
○
若木勝藏
君
岡野大臣
に伺いますが、今回
自由党
の
政調会
の案によ
つて義務教育費国庫負担法
が提案されたというふうなことを
伺つて
おるのでありますが、これにつきましては、過般来
新聞
とか、いろいろな情報によりまするというと、
政府
と
与党側
とにおいて、非常に、
一致点
が見出されないために、随分ごたごたした様子でありますけれども、提案されたというふうなことになりますれば、
政府
と
与党
との間において、
折合い
がついたというふうにも見られるのですが、この点はどういう工合ですか。
国務大臣(岡野清豪君)(岡野清豪)
38
○
国務大臣
(
岡野清豪
君) お答え申上げます。まだ
政府
と
与党
との間に、はつきりした
結論
に到達しておりません。けれども党のほうといたしましては、これは
あと
から
調整
をしてもできるような、何と申しますか、抽象的な
法案
であるから十分
了解
つくものと、こう
考え
ておる次第でございます。昨日も
池田大蔵大臣
と話しましたんですが、まあゆつくり
調整
しなければならんなと、こういうような話であります。
若木勝藏君(若木勝藏)
39
○
若木勝藏
君 その
折合い
のつかない点はどういうふうな点であるか、御
説明
を願いたいと思います。
国務大臣(岡野清豪君)(岡野清豪)
40
○
国務大臣
(
岡野清豪
君) 全般的にいろいろ問題がございますから、これは結局
国庫
が出しますところの
費用
、
給与費
だけにとどめるか、若しくは
材料費
とかなんとか
教材費
ですか、そういうようなものまで伸ばすか、或いは
起債
の枠をどうするとか、それから
起債
に対する
利子補給
をどうするとか、こういういわゆる
財政的見地
によりまして、いろいろとあの中に盛込まれておる
項目
もたくさんございます。その点において十分なる
了解
がついておりません。
若木勝藏君(若木勝藏)
41
○
若木勝藏
君 そういたしますというと
義務教育費国庫負担法
は
原則
といたしましては、
与党
と
政府
との間に
一致
をみたということになるわけでございますね。ただその他の今御
説明
があつたような点について今後
調整
をする、こういうようなことですね。
国務大臣(岡野清豪君)(岡野清豪)
42
○
国務大臣
(
岡野清豪
君) まあ大体
原則
として何か二十八年度以降そういうことを
考え
なきやならんということで
一致
しておるわけでありますが、併しながらそれをどう財政的に切り盛りして行くかということについてすつきりした
結論
は出ておらんわけであります。
若木勝藏君(若木勝藏)
43
○
若木勝藏
君
大分
その
維持費
であるとか、
建設費
であるとかいうようなところに問題があるようでありますが、今審議しておるところのこの
法案
の
立場
から
考え
ますというと、
災害復旧
の問題をあの中に入れるということについては
大臣
としてはどういうふうにお
考え
になりますか。この点お伺いいたします。
国務大臣(岡野清豪君)(岡野清豪)
44
○
国務大臣
(
岡野清豪
君) 入
つて
おるようでございます。
若木勝藏君(若木勝藏)
45
○
若木勝藏
君 いや入
つて
おることに対して
大臣
のお
考え
を伺いたいのです。この
法案
の
立場
から行けば当然切離してある。
国務大臣(岡野清豪君)(岡野清豪)
46
○
国務大臣
(
岡野清豪
君) これは
財政法
の一部
改正法
に書いてございますが、あの文部省の案はこれをもう少し具体的にや
つて
行こうということにな
つて
おります。それでそういう
趣旨
においては無論賛成でございますが、それをどのくらいな
負担区分
にするかというような点がまだはつきりきま
つて
おりません。
若木勝藏君(若木勝藏)
47
○
若木勝藏
君
先ほど
からの御
答弁
で私は非常に疑問に思うのですが、
与党
と
政府
とが完全なる
一致
を見ないままにここに
規定
されるということは、本当にこの
法案
を通される御
意図
であるか、或いは諸般の
情勢
から止むを得ずそういう形にして出したかというふうにいろいろ
考え
られるのであります。この点は如何ようなんでしようか。
国務大臣(岡野清豪君)(岡野清豪)
48
○
国務大臣
(
岡野清豪
君) お答え申上げます。
与党
といたしましては、二十八年度以降の問題に関する問題でございますから、先ず
方針
を確立しておきたいと、こういうことで出すことに
なつ
たわけでございます。それに対しては
政府
は無論異論はないのでございまして、何らその点に食い違いはないのであります。ただこれを取扱いますとのいろいろな財政的な
見地
から申しますというと、いろいろ
財政措置
をしなければならん、この点において
大蔵大臣
或いは私
たち
が主になりまして、十分今後
調整
して行かなければならんと、その
調整
の
結論
がまだ出ないという段階であります。
若木勝藏君(若木勝藏)
49
○
若木勝藏
君 それは私は極めて重要な問題だと思うのでありますが、財政的な
裏付
の
調整
、或いは
見通し
というふうなものが立たないままにその
法案
が提出されたということになれば、実際に提出されて、それを通過したとしても
意味
のない
趣旨
の
法律
ということになる。これは十分二十八年度において
調整
されるというお
見通し
があるか、この点お伺いいたしたいと思います。
国務大臣(岡野清豪君)(岡野清豪)
50
○
国務大臣
(
岡野清豪
君) 財政的な
調整
は、私は
調整
して行きたいという希望も持ちますし、同時にこれはたびたび各種の機会に申上げております
通り
、
只今
の
地方税法
とか又
平衡交付金法
というようなものには、
地方制度
の機構とか何とかいうようなものをいろいろ
調査会
で研究した結果、どうしてもこれを大幅に又抜本塞源的に改正して行かなければならんと、こういうような我々
計画
を持
つて
おりますものですから、そういたしますれば、最近
国会
に提出いたしますところの
地方制度調査会
というものができまして、それで
地方
の
行政制度
がいろいろ改革されます。これが改革されますというと、同時にそれに
伴つて
、
地方税法
とか、
平衡交付金法
とか、もう少し進んで参りますれば、
地方税
と国税とのいろいろな
調整
というようなことになると思いますので、そういうふうな財政的資源の関係は十分大きく改正されるはずで、そのときにそれとばつを合わして、そうしてあの
法律
も
調整
をして行こう、こういう
考え
を持
つて
おりますから、
与党
といたしましては、そういうような
計画
の下に我々は善処して行きたいと、こう
考え
ております。
委員長(西郷吉之助君)(西郷吉之助)
51
○
委員長
(
西郷吉之助
君)
委員長
より
大臣
に御
質問
をいたしますが、
与党
提案の
義務教育費国庫負担法案
によりますと、この中には、今審議中の
財政法
のこの改正案を修正する
部分
があると思うのですが、今の
お話
の
通り
与党
と
政府
と大綱が
一致
したならば、今審議中であるこの
法案
について積極的に
政府
が修正になるかどうか、そういう意思がないですか。
国務大臣(岡野清豪君)(岡野清豪)
52
○
国務大臣
(
岡野清豪
君) お答え申上げます。来年度以降のことでございまして、本年度はやはり現状のままで
地方財政
を
運営
して行きたいと思いますから、今日のところは今日あれを盛込んでこちらの
財政法
を修正するというような
意向
を持
つて
おりません。
委員長(西郷吉之助君)(西郷吉之助)
53
○
委員長
(
西郷吉之助
君) 今の点なんですが、私の
質問
の
趣旨
がおわかりにならないかと思いますが、今お聞きした
通り
、実施は二十八年度ということに承わ
つて
おりますが、この
法案
の条文の中に、
只今
審議中の
財政法
と抵触する
部分
があるように、
先ほど
政府委員
から聞いたのであります。その点を伺
つたの
ですが、実施は二十八年度ということを承わ
つて
承知
したわけですけれども、この
法案
の条文がこれで修正するような点があるように聞きましたので、その点を承わ
つたの
ですが、この点一つ……。
政府委員(奧野誠亮君)(奧野誠亮)
54
○
政府委員
(
奧野誠亮
君)
自由党
から提案されておりまする
義務教育費国庫負担法
が若し成立いたしましたならば、
義務教育
につきましても、その
経費
の一部を国が
負担
することになりまするので、
地方財政法
の中で国がその
経費
の一部を
負担
するものは
規定
いたしております。その中に追加いたさなければならないわけであります。これは併しながら
義務教育費国庫負担法
が成立した場合において必要になることでございますので、その
法律
を以ちまして
地方財政法
の
規定
の一部を改正すればよろしいということに
考え
ているわけであります。
委員長(西郷吉之助君)(西郷吉之助)
55
○
委員長
(
西郷吉之助
君) それから今の点で大体わかりますけれども、
先ほど
若木委員
の御
質問
にお答えに
なつ
たように、
政府
としてもその
法案
に大綱では
一致
したのだということになれば、責任も
政府
にあるのですから、今審議中でもあるのですから、実施はたとえ二十八年度でもこの責任を列挙しておる
部分
に落さないでやはりここに載せておくことが、両
法案
の
趣旨
から言えば
一致
するわけかと思うので、今
政府
提案のほうにはわざわざ落してある、今度
政府
と
与党
との大綱の
一致
した
法案
にはそれが載るのだということにな
つて
来ると、非常にそこが
法案
として形式上から言
つて
も、
趣旨
から言
つて
もおかしいように思うのですが、それで今お尋ねしたのですが、重ねて御
答弁
しなくてもいいと思いますが、そういう点を少し変に思つたわけですからお尋ねしたわけです。 他に御
質疑
はございませんか。それでは
大分
時間も経過いたしましたから、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十二分散会