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高橋進太郎君
大臣の御趣旨非常によく了解いたしたのでありますが、ただ問題は、私はその七十六の法令だけの問題ではなくて、例えば
府県における耕地課長を変えるにいたしましても、ちやんと通牒か何かで、耕地課長を変える場合においてはこれは農林省とあらかじめ
会議してくれと、こういうような工合で、非常にまあそういう法令以外のいろいろな通知があるのであります。それから又町村におきましても、先ほど来町村財政の貧窮を言
つておりますが、私は先般山形県の町村につきましてこれを調べてみますると、一町村当り約五十万円
程度の寄附金をしておりますが、その
内容を見ますると、或いは警察署の庁舎の建築費に対する寄附であるとか、或いは簡易裁判所に対する建設費の寄附であるとか、その他国のそういう予算の「しわ」が町村の寄附というような形で現われて来ておるのでありまして、従
つてこういうところがどうも、そういうような話をそれなら拒絶したらどうかと言
つても、なかなか弱小の町村におきましては、十分これを拒絶するところの力もないし、且つ又その後のいろいろなトラブルを恐れてようしないと、こういうような実情でありまして、成るほど
地方行政と申しましても、国の第一線の行政を承わ
つておりまするけれ
ども、実情を見ますると、これがいわゆる一万有余に分割しておるために、非常に却
つて力が弱い。こういう現状が、従来ともすれば中央の行政によ
つて地方行政が非常に複雑多岐になり、又非常に混乱を来たしており、その弱体性を暴露していると思うのです。そういう
意味から申しますれば、ただにこれは七十六の法令の問題じやない、言い換えるならば毎日々々の
地方行政というものを中央においてしつかりと見守
つて、
地方行政に対して毅然たる、或いは確立したところの態度が必要であり、又それを成して初めて
地方行政というものが本当に
見通しのよい、或いは又はつきりした形において運営されるものと考えるのであります。そういう見地から見ますれば、どうしても私は
地方行政のためにはその責任を持つところの一省の設立がどうしても必要なのでありまして、且つ又国の予算から見ましても、国全体の予算の半数というものは
地方行政に使われておるのでありまして、従
つて地方行政のためにはむしろ二省でも三省でも、いわゆる
地方行政の中央行政との均衡から言うなら、省が
二つや三つあ
つてもよいくらいなんでありまして、少くとも一省はどうしても必要であり現に
地方行政なり、或いは国の行政なりがそのあるべき姿において運営される上から見ましても、どうしても必要と考えられるのであります。先般
新聞紙上で、或いは内政省というような形で機構問題を取り上げられておつたのでありますが、そのことが何か警保局の出先の、或いは復活でないかというようないろいろな雑音が入
つているようなんでありまして、私はむしろそれは我々が
地方行政について要望しておりまする線とは全く違つた問題でありまして、いわゆる我々は
地方自治省、むしろ
地方自治省と、そういう責任省の設置を希
つているのでございますが、
只今申上げたような観点から、それらの経過等について
大臣のこの際御
意見或いは御所見を承わりたいと思います。