運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-02-21 第13回国会 参議院 地方行政委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十一日(木曜日)    午前十一時二十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            堀  末治君            中田 吉雄君    委員            石村 幸作君            高橋進太郎君            岡本 愛祐君            若木 勝藏君            相馬 助治君   政府委員    地方財政委員会    委員      木村 清司君    地方財政委員会    財務部長    武岡 憲一君   事務局側    常任委員会專門    員       福永与一郎君    常任委員会專門    員       武井 群嗣君   説明員    大蔵省銀行局資    金運用課長   高橋 俊英君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (地方財政に関する件)   —————————————
  2. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは只今より委員会を開会いたします。出席者はここには少数でありますけれども、過半数登院いたしておりますから、今から審査を開始いたします。  本日は二十六年度決算に関連いたしまして、赤字対策としての繋ぎ融資の問題に検討を加えます。本日大蔵省資料が配付してございますが、先ず資料について大蔵当局説明を求めます。
  3. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) お手許にお配りいたしました資料には、総金額七十六億という数字を出しておりますが、これは現在資金運用部から各公共団体に対して融資されておる短期融資総額ではございません。総額は二月十日現在でございますが、短期融資総額は百十二億円ということになつております。それと別に災害の関係応急融資といたしまして出ております金は三十二億円、なおこれは短期資金とは言うわけじやありませんが、形式起債前貸として、まだ起債にならない手前の段階にあるところのもので融資されておる金が二百七億、合せまして二月十日現在では三百五十一億円が本年度資金として融通されております。これは起債前貸二百七億円を含んでおります。そのうちでこちら、当委員会の御注文によりましてはつきりした起債前貸等は、これは起債に振替るものでありますから、こういうものは除外いたしました。又平衡交付金をもらうことになつてつて、それを引当にする。これはつまり確実な引当財源も除きまして、補助金繋ぎというものも除きまして、普通の税収見返りにして融資しているようなもの、それを挙げたものが本日お配りした資料でございます。ただこれを見て頂きます際に、これがつまりいわゆる赤字相当するものとかいうふうになりますと、私のほうでも責任を持てません。例えば平衡交付金繋ぎ融資でありましても、それはまあ一つ形式である場合もあります。起債税収見返りに出しておると言いましても、それが必ず赤字であるというわけじやありません。三月までに取れるところの税金引当にしているのでありますから、それが赤字であるかどうか、税が取れるかどうかにかかつている、こういう意味のものでございます。併しながら総じて最近出ております中には、私のほうで見まして金繰りの上から言つて三月末までに全額の返済はできないかも知れない。つまりみずから取つたところの税金やその他の財源で返せないかも知れない、そういうものがかなり含まれていることは事実でございます。それでそういう場合にはおおむね年度末、年度末と言いますと、私のほうの年度末は三月末におきまして、銀行等からまあ一時肩代りの意味で借りて、そうしてこちらに一応払う。併し又四月になりましてから、もう一遍資金運用部から融資を受ける、こういうふうなことを予想した上で融資しているものがかなりあるのでございまして、まあそういうふうな面が含まれているということをここに御説明申上げたいと思います。
  4. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 更に大蔵省説明を求めますが、一月三十一日現在で資金運用部短期資金融通現在額調というのが出ておりますね。それについても併せて御説明をお願いしておきます。
  5. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) それは只今二月十日現在で御説明ちよつといたしましたが、少し前に作りましたものですから、一月末現在の数字拳げてございますが、二月十日現在における起債前貸はどうであるとか、短期の分はどうだということを申上げましたが、その趣旨と同じことでございます。日にちが違うだけでございます。
  6. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは御質問をお願いいたします。
  7. 相馬助治

    相馬助治君 今の説明の中でちよつとお聞きしておかなくちやならないのは、はつきりした補助金、それから起債の枠、そういうものを見合にした融資と、それから税金で取つて埋めなくちやならない融資と、こうあるというお話ですが、まあその通りですが、これが会計年度末における操作税金引当てて融資した分については一旦銀行からでも借りて、そうして埋めておいて四月に又肩代りする措置に相成ろうという御説明でしたが、平衡交付金等で確実に入るという見通しのものについては、そういうふうな操作はさせないでそのまま続けて行く、こういうことを意味しておるのですか、御説明を……。
  8. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) 平衡交付金見返りにしておると言いますが、それは四月——三月に入る平衡交付金ではなくて、三月までに入るところの平衡交付金引当てにしておる、そうすればこれは確実に返済ができる、併し平衡交付金をもらつたときにそれは返せるのだけれども、他の面で、今度は税収が初め予想したほどに入らない、そういうことから又金繰りの必要が起きて来る場合もあるわけであります。ですから一概に、平衡交付金繋ぎ或いは補助金繋ぎだから、それは完全に返済可能である、税収見返りでは返済できないのだと、こういうことにはならないということを申上げたのですが、概して言えば、はつきりした財源がもうなくて、税金以外にいろいろ引当てるものがないというもののほうが返済が不確実である、こういうことになろうと思います。
  9. 相馬助治

    相馬助治君 その平衡交付金というものは昭和二十七年度なんですか。その翌年度をも含めてのお話かと思つたのですが、今の補足説明でよくわかりました。そこでそうしますと、会計年度を超える際の融資については、一応の措置としては全部銀行からでも何でも借りて一旦は埋められるから、そうして四月に肩代りすると、こういうのですか、これが質問の第一点。それからそれは形の上でそうなれるけれども、帳面づらでの操作で片付けて、一旦入つた、そしてすぐ又貸出したと、こういうような、言わば好意的な措置もそこでする、こういうことなんですか、その二点。
  10. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) この短期融資はいわゆる公共団体、先ずお断わりしておかなければなりませんのは、公共団体赤字相当あるというふうな話がある。その赤字というものは、これは公共団体会計年度で、つまり決算を行いますのは五月末で行いますが、それによつて現われて来るところの決算上の赤というものと、私のほうで申上げておる金繰り上の問題とは少し違うわけです。そこで資金運用部としては、いわゆる資金としては会計年度というのは、資金の面から四月から三月まで、そこで四月—三月の中に融資を回収するものはいわゆる短期融資である。若しこれをどこかに何らのけじめを作らずに短期融資を続けるということになりますと、短期融資でありながら、実際は何ヵ年度にも亘るということになります。そこで問題になるのですが、三月末で一旦お返し願わないで、そのまま続けて短期融資をやつて行くとすれば、これは四月以降はどこへ行つてもゼロになることはない。繋がつてしまいますから、短期融資であることの意味がなくなつてしまう。起債の形はとらなくとも、実際は二ヵ年度以上に亘つて短期融資の形で及んで行けるということになります。これは止むを得ない。三月末ということを一応私どものほうの資金計画にも関係ございますので、三月末から四月にかけて幾ら繰越金を持つかということが、いわば予算と同じ程度の重さを持つて来ておる。そこでその三月末ということを一つけじめにした。ですから私たち見通しでは銀行から借りるということは表向きには言いたくありませんが、実情が金の支払にどうしても差支えるので、仕方がないから、この辺は適当におやりになつて頂いて、そうして又四月になれば資金運用部から貸すということがはつきりしておる以上、金融機関等でもそう長い金ではありませんし、まあ面倒を見てくれる場合が大多数であるということから、一旦はお返し願うというか、そこで帳簿面で返したことにして、又すぐ出すという操作ちよつといたしかねるのですが、その間少しの空白が生じますけれども、昨年もこういう例は実際上あとから調べて見ましても、実は銀行から借りて返したという例がかなりあつたわけであります。そのことは決算上の赤とは関係ありませんけれども、三月を渡る問題として仕方がない、こう考えております。
  11. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 今大蔵省の御説明を聞きましたが、地財委が来ておりますので、地財委のほうの説明も聞いたほうが御質問の参考になると思いますので……。
  12. 相馬助治

    相馬助治君 その前に一点だけ聞きたい。十三日に私が本会議で緊急質問いたしました際に、池田大蔵大臣はこういうふうに答えておる。昭和二十六年度地方財政状況から考えまして、私は昭和二十六年度におきましては相当程度短期融資年度を越したい、こういうことを委員会で言明して参りましたが、今日もそういう方針でやつております。即ち二十六年度地方財政状況を見ると、赤があるのを認めて短期融資年度を越したいといことを委員会で言明したが、そういう一貫した考えを今日も持つておる。前段でこういうことを言われて、短期融資の性質によりましては、地方起債に肩代れるものは肩代りいたします。こう言つておる。そこで地方起債に肩代るというのは、この場合には会計年度、翌年度の分の地方起債の枠があれば、それに肩代れるということであろうということで、私は了解しておつたのですが、それで差支えないとすると、あなたの今のお話といささか食い違いますが、これは即答でなくともよいから、即答でき得るのでしたらお考えをお聞きしておきたい。
  13. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) 只今大臣お話でございますが、甚だ迂闊なんで、私はその年度を渡るという意味がどこの年度を指しておるか、地方公共団体に赤が生ずる。これは先ほど申したように地方団体等年度決算上の赤である。そこで三月というのは一応会計年度にはなつておりますが、実際上決算意味ではございません。その三月を渡る意味大臣がそれを言つたのか、或いは決算上の赤の問題にしますとしてそういうことを言つたのか、そこが問題であろうと思います。決算上の赤の補充ということになりますと、これは短期融資で繋げると思います。決算上の赤でございましたら、四月以降において私のほうはとにかく短期融資ができるのでありますから、ですから仮に赤だと御承知の上でも、支払いに必要な資金短期融資しますが、それでまあ帳簿上は赤でも金としては困らん、こういうことになろうかと思います。ただ三月から四月に跨がるところでございますと、私のほうのいわゆる資金計画そのものに影響いたします。つまり五百四十七億円までは地方団体長期融資できることになつておりますが、短期融通を見込んでやることはないわけです。そういう点で少し話が、私のほうで十分に話合いをしておりません。なお確めた上でお答えいたしたいと思います。  ついでに申上げますが、地方団体財政が非常に苦しい、又金繰りも苦しいように伝えられておりますけれども、手続の関係もございまして、現在出ておるのが二百七億円しかございません、二月十日現在で……。そういたしますと、これが五百四十七億円まで行けるわけでございますから、成るほど短期資金百十二億返さなければいけませんけれども、なお差引きいたしまして、これから先二百億円は地方団体に又その金がネツトで出る、三月末までに……。こういう状態でございます。ですからここに私のほうから見ましていろいろ考えて行きたいと思いますけれども金繰りの面から見ますと、決算の場合は別として、さほど苦しくないというような状態のところが相当にある。殊に今日お配りいたしましたこの短期融資資料によりましても、県別に見ましても都道府県のごときは、私のほうから全然借りてない所のほうが多い、こういう事情でございます。ですからその実態をもつと把握した上でなければ、この団体交渉的なことでは容易にきめかねるので、一つ一つ見た上で本当に困る所は何とかしたい、こういうふうに考えております。
  14. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは地方財政委員会から説明を求めますが、先般来国会に対して、地財委のほうでは大蔵当局事務折衝を続けておるのだという回答であつたので、もう時日も経過いたしましたから、その折衝も完了したと思いますので、地財委側から繋ぎ融資についての説明を求めます。
  15. 木村清司

    政府委員木村清司君) 大蔵当局と実はまだ折衝が完了いたしませんので、ここに御報告申上げる段階に達しておらないのは甚だ残念でございますが、私どもの交渉しておりますのは、いわゆる現金繋ぎ融資という意味じやなくて、財源として不足するという意味で交渉しております。財源的に不足する、無論財源的に不足する結果現金が不足になりますけれども起債が多いとか、何とか或いは事業を繰延へるとか、事業の実行が遅れているとかいうことによつて現金にはさほど困らなくても、今年度財源として困るという場合には、これを措置することが適当であるというのが私どもの建前でありまして、ここにあります先ほどの大蔵省資金運用課長の御説明のように、この中に本年度税収入又は平衡交付金を以て返還できないもの、そうして当然に一時民間から借りるけれども、これはほんの名目的に借りるだけであつて、実質は継続して借りなければならん永久的な、長期起債的な性格を持つておるものであるというもののうち、相当部分のものはこの際財源措置をすることが必要であろう、これは地方団体の経理を又健全ならしめるゆえんであるというふうに考えておる次第であります。只今まだ大蔵当局から御返事を頂いておりませんが、大蔵当局におかれましても非常に誠意を持つて考慮されておる模様でありますから、もう暫らくちよつとお待ちを願いたい、こう申上げておきます。
  16. 中田吉雄

    中田吉雄君 丁度資金運用課長さんがおいでになつておりますので、この際地財委と両方にいろいろお尋ねして見たいと思うのですが、先般の地財委説明では大体三百九十億くらいですか、赤があつて特別交付金の残りが百二十億、起債が五十億ですか、あつて、大体二百億見当の赤が地方財政で予定されるということになつて、その赤をいろいろ考えて見ますると、徴税の努力が足らないものである、或いは県単独で積極的に事業をやつたとか、或いは濫費をやつたとか、或いは国の法律に基く義務的な経費というようないろいろな問題が、平衡交付金配分方法というようないろいろな問題が予想されるが、荻田局長濫費なんかもあるが、併しそれは大勢に対してはさして大きい決定的な影響を及ぼすものではなしに、地方税の持つ性格並びに国の法律に伴う義務的なものが大部分である、こういうふうに承わつたわけで、そうしてそれを裏付ける諸資料を要請いたしまして頂いているのですが、そこでそういうものを、只今高橋さんから御説明のような短期融資でやつてもらいましても、これは全くの繋ぎ融資で、新たな法的な措置をとりませんと、どうしても地方財政赤字というものは来年度に繰越して行く。私の乏しい体験からいたしましても、全国の都道府県、市町村の昭和二十三年頃が繰越金が最大でありました。その頃まではかなりの余裕を以て繰越して来ておる。小さい県でも、最も小さいような県でも一億五、六千万円繰越し、昭和二十五年頃には半分になり、そうして二十六年度はそれらの繰越金の一切を使つて、なお且つ二百億くらいな赤字が出ておるわけであります。従つてこの問題は短期融資というような性格でありましたら全くの繋ぎで、そうして赤字を持ちながら地方公共団体は不安のうちに二十七年度を迎えるということに私はなると思うわけであります。そこで大蔵大臣短期融資なら幾らでも貸してやるということをしよつ中言われておりますが、それは短期融資の法的な性格を変える、或いは政治的な措置をとられねば、これは地方が要望しておるような形に変らないと思うのですが、この辺の関係高橋さんにお尋ねしたいのですが、短期融資で出して、それがどういう形でやつたら……、長期融資に切替えるその性格上、その短期融資性格はいろいろ法的にきまるわけで、何としてもやり繰りの限度があるのですが、その関係、そうして地財委とされては、そういう短期融資の形でこの問題が財源措置として根本的な解決をして、禍根を残さずに二十七年度を迎えることができる短期融資で行けるかどうかという問題について、一つもう少しお話を聞きたいと思います。
  17. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) 誠に御尤もでございまして、短期融資年度に亘りましても、このまま直ちに赤字が消えるわけでもなし、将来に禍根を残すという点は確かにあろうと思います。ただ私たちは今年度赤字を直ちに今年度において埋めるという措置が実際のところ非常に困難で、これはまだ地財委大蔵省との折衝の過程にありましても、これをどうするかということは結論が出ていないのでございますが、いずれにしても、例えば若しそれが本当に赤があるということが認められますならば、埋めるとすれば平衡交付金を増額するとか、地方起債の額を殖やすとか、それらのこと以外にないわけであります。それが直ちにできるかどうかという点が問題なわけでございますが、若しこれが全般として余りうまく行かない場合におきましても、例えば明年度におきまして六百五十億の起債をやる、平衡交付金相当多額にあるわけでございますが、これの配分の仕方についても余ほど考え直して行かなければならん、と申しますのは、これは例を挙げて申上げたいのですが、例えば大阪の例をとりますと、大阪市というものと大阪府というものが財政事情がまるで違う、東京の場合は一体ですからいいのですけれども、今の税体系が惡いのか、何か知りませんが、大阪市は非常に赤で、聞くところによると、大阪府は黒である。両方合せれば或る程度うまく行くのだ、こういうことでありました。なおその他の面からいろいろ例があるのですが、全体が非常に……、地方公共団体の全部が非常に赤だというわけじやない。赤なものは相当赤を出しておるが、或る所は黒字を出しておるところもある。ですから平衡交付金なり、起債なりを割当てる場合に、これを従来のこの一、二年の実績をよく考えた上で、非常に黒を出しておるところには殆んどやらないで、赤字の多いところはその赤字の多い原因を衝いて、真に止むを得ない赤字であるということであればそれは面倒を見る。そうではなくして、先ほどお話がありましたように、起債がなければ本当はできないような事業起債がなくてもやつてしまう。単独事業をどんどん殖やしてやつてしまう、そういうふうな積極的な、まあよく言えば積極的だし、惡く言えば放漫な財政から生れているものは、それを抑えることによつて次その赤字を減らすように努力せしめる、こういうような措置、これはまあ私のほうの管轄の問題じやございませんけれども、まあそういう対象に対する対策としては、それぞれに応じた逐次ような方法でこの赤字を将来に向つて縮めて行く、こういうことが必要であり、又そうやつてもなお埋め足りないものは、国の資金を何らかの形で出して埋めるというほかはないだろう。一例ではありますけれども、一昨年なども相当赤字のところがございました。そのうち或る一市の市長さんに私最近会いました。このかたは自分の市の赤字原因放漫財政だ、それで三億五千万の予算を持つてつたものを、年度の真中におきまして二億五千万にずつと縮めた。それによつて赤字はなくなつた。今年度としてはなくなつた、こういうことなんですが、まあ随分大きな違いがあるものでして、そのままにやれば大変な赤字になるわけです。これはまあ一つの例でございますから、極端かも知れませんが、さようなこともございまして、それは殊に地方のほから短期融資相当繋いで、その短期融資を自力で或る程度返した、こういうことになつた例もございます。ですからまあそれぞれに応じまして、できるだけの措置を許される財源の中から操作いたしたい、どうしてそれでやり切れない面は国として何か起債平衡交付金かで考えざるを得ないだろう、そういうふうに思つております。
  18. 木村清司

    政府委員木村清司君) 私ども財源、まあ大蔵省当局折衝しておりますのは、財源措置というわけでありまして、いわゆる繋ぎ融資じやない。それがどういう結果に現われますか、結果は大蔵当局折衝が完了した上でお答え申上げたほうが適当かと思います。なおこれは申すまでもなく赤字だからどうするという事態はよろしくないと思うのです。やはり従来財源推置が適当でなかつたのだという理由でやるべきものだろうと、大本としてやるべきものだろうと考えております。従いましてなお只今大阪等の例が出されましたけれども大阪府のほうには殆んど起債は非常に僅かだけ認められている。平衡交付金行つておりませんが、そういう工合に財源掛そのものとしてはできる限り、そういう本来地方税法なり、その他によつて収入のあるところには、起債及び平衡交付金も少くし、又はなしにするという措置をとつておりましても、なお且つ足らないところというところに、財源措置がまあ大体不適当と認められるというところ、不適当と認められるということを基本的な考えとして財源措置をしてやるという考え方でございまして、放漫だからすぐ見てやるという考え方自体にはなつておらないのであります。
  19. 中田吉雄

    中田吉雄君 大蔵省のかたがおいでになつておるので、特に地方財政委員会として一言申上げたいのですが、大抵大蔵省の支配的な見解は、平衡交付金配分方法が適切でないから、地方財政赤字が窮迫の度合を高めておるというような見方が、非常に大臣に接触いたしましても、主計局長さんに会つても、大体そうなんですが、この点は一つ私はやはり一万有余の地方公共団体に非常にこのバラエテイがある。これを殆んど先金に捕捉するということは、とても如何なる天才的な技術を以てもこれは不可能だ、やはり全体の枠が非常に少いから、平衡交付金でもこういうふうに右に厚くして左にというふうになる。例えば配付税のときでありましたら、国が取りますところの法人とそれから所得税の三三%出しておつた、少くとも昨年でありましたら、千八百億くらいな配付税のときなら、もう自動的に来るわけであります。二十七年度でありましたら六千幾らでありますから、二千億の配付税が予定されるわけでありましてそういうふうに来るのなら、なかなかこれは技術的にもうまくやれるのですが、それがこの二十六年度は千二百億ですか、来年度は千二百五十億というような、絶対額が非常に圧縮されていますから、これをどちらに転がしてみても、その限界は知れたものである。本当に百五十億か、二百億プラスされると、私は非常にそれが限界効用が高くなつて、この地方財政の問題もうまく解決される、こういうふうに考えておるわけであります。その点は一つ十分お考え頂きたいと思いますし、そういう先のような例がありましたら、一つ私なんかは特別調査でもやつて把握して見たいと思うわけなんですが、私も実は地方議会を担当し、かなり組織的な研究もやつて見たのですが、二十三年度財政的に一番余裕がありました。それから二十四年では繰越金なんか半分、昨年はそれを全部使つて、或る府県の議会のごときは当初予算を組んで殆んど追加がやれないというようなところも、特に特需景気のないような地方にはそういう変化も非常に起つておるわけでありまして、多い公共団体の中でありますから、若干あると思いますが、そういうことが全般のように思つて地方財政濫費しているというような形で一つ問題を取上げて頂かないように切にお願いしておきたいと思うのですが、地財委のかたにお伺いするのですが、そうしますと、短期融資性格は、只今課長さんからも御説明のあつた通りでありまして、結局財源措置がよろしくなかつて財政欠陥ができた、それを一時便法を図る、併しそれでは根本的でないのだから、最後に締め上げて見て、どうしても行けんというのなら、それを根本的に解決するという仕方で、長期融資或いはその他でやられる意味で、この短期融資を是認しておられるのですか。その関係をお伺いしたいと思うわけであります。地方公共団体ではこれは短期融資でと言われているが、何か長期或いはその他の方法に切り換えてもらえるということを一般的に考えていますので、その辺の一つ呼吸をはつきりして頂きたいと思うわけであります。
  20. 木村清司

    政府委員木村清司君) 私ども大蔵省とも目下折衝しているのは、いわゆる財源措置としての融資と、こういう意味で、つまり繋ぎ融資、三月三十一日に返さなければならんというような意味繋ぎ融資じやないのであります。それで御了承を得ると思いますが、その結果どうなるかということは、それはもうおわかりになるのは当然……。
  21. 中田吉雄

    中田吉雄君 ちよつとその辺ですが、大蔵大臣と会うと、短期融資幾らでもやるというようなことで、大臣の部屋で会いますと、それはもう幾らでもやる、相当枠はある、こう言つておられるのですが、あの緊縮財政地方財政に対してはかなり手きびしい。大臣がああ言つておられるところは、短期融資の法的性格をちやんと呑み込んでやつておられるのだが、そのわなにかからないようにやることは、これは非常に必要なので、その辺のところを一つ預金部のかたの御理解と地財委の善処を一つはつきり要望しておきたいと思います。
  22. 相馬助治

    相馬助治君 木村委員お話の筋はよくわかりましたが、今私たちは全般の財政計画としての問題をお尋ねしておるけれども、その一つの前提として、本年度末の赤を一体どうするのだという問題を取上げているわけなんです。そうすると、大蔵大臣は、地方財政が窮乏して全く越すに越されないような短期融資幾らでもとは言わぬけれどもやる、別に心配するな、こういう調子である。そして私が、それには裏にちやんと仕掛けがありて、今大蔵省説明なんか聞いてもよくわかるように、地方では赤字じやない、今大変ざつくばらんにおつしやつたことに掲げ足をとつて言うのではございませんが、今の話は三億五千万円のところを一億も減らしてしまつて、而も市の財政が何とか立ち行くようにしたというのは、どういう事業をどういうふうに圧縮したのか知りませんが、手品師のお話を聞くようなことですが、まあそうした特殊な例も中にはあつたのかも知れませんが、大蔵省がそういう例を出すということは、私は大蔵省の基本的な見解は、地財委が騒ぐほど、勿論地方が騒ぐほど赤などはありはせんのだと……それはもう荏苒と日を空しうしておれば、短期融資などは要求するほうでもどうにもくたびれてどうにか納まるだろうと、こういう頭があろうと思う。木村委員短期融資大蔵省のほうと話合つておるからうまく行くと、こうおつしやるのですが、私が言いたいことは、地財委が把握している、即ち本年度の末における短期融資で以て見合つてやらなければならない金額を幾らと踏み、そしてそれがどういう方法でどの程度の額が大蔵省との話合いが付くのであるか、こういうことを具体的にお聞きしておきたいのです。で、それを聞く際に、基本的な我々の地財委に対する見方を申上げますと、昨年度あたりに当委員会地財委が出された資料並びに木村さん初め委員がここで述べられた主張等を見ると、大蔵省に肉迫し、大蔵省資料をやはり叩いて、相当地方の側の要望というものを大胆、かなり率直に代表していたと思う。ところがどういう風の吹き廻しか、昨年あたりからは地財委がまるつきり大蔵省資料をよしというふうに積極的に肯定しないまでも、これに反駁する態度をやめてしまつた。そして今木村さんのお話を聞けば、大蔵省のほうと話合い中だからうまく行くだろうという、そういう不渡手形になるかどうかよくわからんものを我々はここで聞いておくことはできない。もつと私は地方財政の逼迫というものは甚だしいものだと思うわけです。そこでその辺の見通しを大体で結構ですから木村委員から再答弁され、具体的な計数に亘る場合において係の人をして一つ補足説明さして下さい。
  23. 木村清司

    政府委員木村清司君) 財源措置として大蔵省に要求しておるのであります。従つて大蔵省ではその相手は主計局なんです。つまり繋ぎ資金という意味でなしに、資金運用部資金というような資金考えようによれば、若し起債を認めるというならば、豈地方債、預金部の資金のみならず、一般の市中の資金でもよろしいとまあ考えるという意気でおるわけです。要するに財源措置として考えておるのです。勿論それで只今その金額や交渉等につきましては、勿論私ども地方財政の擁護の戦費にあるわけですから、大蔵省と全然話が付かない場合におきましては、その経過等について皆様方に御報告すべき義務があると思います。実は只今のところ交渉中でありますから、交渉の過程においてお話申上げるわけに行かんと、こう考えております。そういう意味におきまして、只今のところは財源措置として、つまり起債、簡單に言いますと、起債ということですが、起債措置として長期債的な性格を持つものとしての地方財源の補填を大蔵省に要求して折衝中であります。
  24. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕
  25. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 速記を開始して……。
  26. 中田吉雄

    中田吉雄君 大体の見通しですね。どのくらいの見通しですか。若干地方でも財政欠陥についての報告は山がかけてあると私も睨んでおる。それをだんだん絞られた結果があの辺になつたと思うのですが、それを目下折衝中であるわけですが、大体どれぐらいの額が大蔵省当局との話でまとまりそうで、それはいつ頃ということを一つ財源措置の話合いの付くのはいつ頃付くでしようか。そうして額は大体どの程度に踏んでおりますか。
  27. 木村清司

    政府委員木村清司君) これはまあいろいろあると思うのです。つまり税収入の見積り、今年度における税収入の見積方も、私どものほうでは或いは当該団体に強く要求中であります。それから又考えようによりますというと、赤字を出したから金額やらなければならんとも考えておらんのです。それはつまりこちらの財源が少い結果非常に緊縮してやつておるところもあるわけです。ですから赤字を出したからといつて、全額まるまるやるということは、やはり公共団体の全体の公正の立場から考えて如何かと思います。従いまして、こういういろいろな要素があるものでありますから、まあそういう……。その後我々ここに調査した税収入の見積方等にも弾力性が実はあるのです。そういう意味におきまして、先ほど中田さんから御指摘になつ数字には相当及ばない程度でありますけれども大蔵当局折衝中で、これは相当最近の機会に御確答があるものと私ども期待いたしております。これは今年度赤字ですからね。御承知のように財源措置ですからね。速かに財源措置をする必要がある。これはもう大蔵当局においても、事務当局において相当程度は、額においてまだ多少一致しない点がありますけれども、成る程度認むべきものではなかろうかという意見もあるやに承わつておりますから、その程度一つ今日は何して頂いたほうがいいと思うのですが、そうしてその程度にまで交渉が来ておりますから、そう長いことではないだろうと、こう思つております。なおこれは十分皆さん御満足行くとは思いませんが、各団体に十分満足とは行かないと思いますが、赤字そのものを金額そのまま認めるという考え方は、これは非常に節約する団体に対しても不公平になりますから、そういう点も併せて公平に考えてやる必要がある、かように考えます。
  28. 中田吉雄

    中田吉雄君 そういたしますと、大体相当有望なと見て、この質問は打切るのでありますが、成るべく早く決定して頂きませんと、やはり年度末の収支の関係もありますし、余りこの財政を絞るということは、地方公共団体としてもそれぞれの責任もあるし、躍起になつて中央に運動し、必要以上に出張旅費を使つたりして、却つてこのことが汚職その他の地方財政濫費になつて来る。例えばこの公共事業費なんかにいたしましても、単価増も絶対認められないというような形でありますから、既定計画をやらんと災害が拡大してはいけないのでやると、そこで工事を粗雑にして土建業者と話合いをしたりして、年々歳々非常に公共事業なんかにおいては、却つて国が締めることによつて赤字が出て来る。例えば京都の平和池なんかにしても、工事を始めてだんだん物価が騰貴するにもかかわらず、単価増が認められないから、地方は寄附金を募つたり、やり繰りしてやつているが、それにも限度があるから、結局手を抜いて、又新らしい災害を拡大して、結局大局的見地に立つと、限度を越した地方財政の圧迫は、私はむしろ国家的見地から言えば濫費になつて来るというふうな考えを持ちますので、一つ、もう二月も終いになりますので、いろいろ事情はあると思いますが、早急にきめて頂きたいと思います。それから課長さんが申されましたが、大阪府なんかは黒だと言つているのですが、平衡交付金はこれでも行つていないから一つ……。それは私はやはり地方税法の欠点から来ていると見ている。併し幾ら裕福でも、それを取上げてプールしてやることができないのが地方税の今日の欠陥なんでして、これは大蔵大臣も、この地方行政委員会にシヤウプ勧告に基く地方税法案が出たときに、これはもう最善の、ベストなんだと言つて、力説これ努められた責任もあるわけでありまして、こういう税法が改正されん限りは、やはり面倒を見てやるということが私は必要じやないかと思うのですが、現行税法では如何に大阪なんかでたくさんとり、且つ平衡交付金をやらず、又長期融資はしないということができるのですが、更にとれ過ぎているからといつて、それを取上げて他の公共団体へやることができないというところに地方税法の問題があるわけでして、それを改正せん限りは若干黒のものがありましても、その点は十分御了承願いたいと思うわけであります。
  29. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 遅く来て恐縮ですが、銀行局のかたに聞くのですが、この頂いた短期資金の融通額調というものは、実際に融資された額ですか。
  30. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) そうでございます。これは先はど御説明申上げましたが、短期融資、つまり起債の前貸でないもののうちで、更に税収引当に貸している金額だけを掲げてあります。殊に補助金繋ぎとか、或いは平衡交付金繋ぎというのがございますが、それらを除きまして、三月までの税収を目当てに貸したものだけであります。
  31. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 十日ほど前に大阪市長中井君が見えまして、短期融資ができるという話なんだけれどもちよつともできないと言つて大いに訴えておられたのですが、大阪市にはもうすでに六億の短期融資が認めてあるけれども、話が違うのですが、この点は……。
  32. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) 大阪市には相当多額に貸してございます。これは六億はただ税収見返りの分だけでございまして、今大阪市の分の総額数字は覚えませんが、一番甚だしいときには二十億を越えたのじやないかと思いますが、現在でも多分十数億円ある。そのほかに銀行からも十数億円借りておる、こういう状態であります。何しろ全体の融資のうちの相当な割合を大阪市だけで占めているというような状態でございますが、まあこれはここで言うのは何ですが、大阪市の場合には、私は財政の、自分の財源考えない、つまり税制が昔のほうがよかつたらしいのですが、変つても依然として支出の面ではやり方が変つておらんと、そういうふうに考えております。
  33. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 名古屋市は短期融資はこの表ではありませんが、申込みがないのですか。どういう状況ですか。
  34. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) 一体に愛知県名古屋市、あの辺は地方財政においては裕福な所じやないと思いますが、実際殆んど借入れを要するようなことが起つておらないのであります。
  35. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 これも五大市の市長が揃われて我々に陳情されたところでは、名古屋市長が先立つて言われたのでありますが、非常に地方財政が窮迫しているというお話つたんですが、申込みは全然ないのですね。
  36. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) ちよつと伺いますが、只今資金運用課長の御答弁に関連して伺うのでありますが、大阪の場合もこのほかにたくさんあるというお話でしたが、今我々が検討している年度末の赤字融資起債の問題とは別個のことで、従来といえども大きい市ですから、そういうことをやつてつたのであつて、この大蔵省がお出しになつたのは、我々の繋ぎ融資の問題に関する資料を出された。それは六億しか出てないで、やはり今岡本君が聞かれた大阪市長の言は間違いではないので、それが苦しいのであつて、課長の言われたのは、従来とても毎年やつているところの普通の融資を言われたのではないですか。
  37. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) お説の通りであります。毎年やつていると言いますか、年度内の私のほうで言うところの四月乃至三月内の短期融資ですね。実際は大阪市の場合を見ましても赤字なんでございます。引当ての財源が必ずしもない税収ということになつておりますけれども、それでその通り必ず入るとも限らない。そういう意味赤字金繰りによつて繋いでおると、こういう資料でございます。
  38. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 木村委員に先ほど来の御答弁に関連してお伺いいたしますが、今長期債的な性格起債の増額を要求して折衝中だというお話でしたが、それは二十六年度地方起債の枠の拡大という意味であつて、それは三十七年度の六百五十億に食い込むのではないのですね。その点を……。
  39. 木村清司

    政府委員木村清司君) これは実質、形式とが……、形式、実質の問題になると思うのですけれども形式上は……実質上はそうなりたくないと思いますが、形式段階的にはそうなるのじやなかろうかと思います。
  40. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) ちよつと今の御答弁によりますと、実質上は食い込むだろうという話なんで、私は恐らく食い込むのじやないかと思うのですが、それで伺うのですが、木村委員は、二十六年度赤字であるから年度内に解決しなければいかんのだというさつきの御答弁だつたのですが、食い込むということになると、年度内に解決するということでなく、二十七年度予算をそれだけ食うということになると、その点少し変ではないかと思うのだ。今まさに二十七年度予算の審議中です、国会は……。そして来年度の四月も間近に控えておつて、もう余り期間がないのに、目下折衝中であるというのでは、果して間に合うかどうか。この辺は大蔵省の巧みな戦術に引つかかつて不渡りになる虞れがあると思うのですが、その辺は如何ですか。
  41. 木村清司

    政府委員木村清司君) それは事実が証明することと思いますけれども、実は食い込む、これは速記にとめていいかどうかわかりませんけれども、食い込む問題は、実は災害関係で三十億、実は毎年食い込んでおります。毎年といつても去年以来、ですからその意味においては食い込むことは実質上すでに三十億は昨年以来、一昨年以来食い込んでおるという例に倣うということになつて、この額が殖えるじやないか、こう思います。
  42. 相馬助治

    相馬助治君 木村さんにお尋ねしますが、資金運用課長説明されたこの資料を見て、私たちが不思議に思つておりますのは、課長の説明によると、この短期融資でも、都道府県分はこういうふうにまあ少いと、そうして又それはそれだけ困難じやないのだというような積極的な発言でないけれども、そういうような意味合の説明がまああつたわけなんですね。私たち一つ知りたいことは、これが現に融資されておる額であると同時に、事実、仮にまあ都道府県だけについて言えば、都道府県はどの程度短期融資を要求しているかということは、府県別地財委としては把握されていると思うのですね。で、そういう資料をここでお持ちになつていられれば、すぐに私は尋ねたい点がありますし、お持ちになつていなければ、そういう資料を見せて頂きたいと思うのだが、その辺はどう相成つておりますか。
  43. 木村清司

    政府委員木村清司君) 只今のところでは手許に持つておりませんが、ただ私どもの言うのは、財源措置の結果ですね、例えば起債などが比較的少い府県において大きな人件費を持つておりますね、それで例えば三月の教員俸給を払うのに困るじやないかという実情にあると思うのですね、で、そういう意味の人件費、三月の教員俸給を、人件費を支払うのに困るから、速かに解決してほしいという要望が相当ある、そういうのは本当に財源不足から来ておると思うのです。市町村等につきまして、これは例えば仕事のやり過ぎと言いますか、見越してやつている、或いは起債をするまでの手続が済まんと、そういうようなことがあつて、これは大蔵当局の御見解によれば、町村には我々のほうから言つて平衡交付金をやり過ぎておる、府県のほうはやり足らないじやないかという御説ですし、又従来主張されておりますが、これは我々の見方から見ますのは、やはり府県が預金部からこれは借りておらなくても、財源措置としては速かにやらなければならない実情であるというように考えておる次第であります。この表、例えば市中銀行から借りている場合も相当ありますし、それから現に借りなくても、三月分の経費をどうするかという問題に差迫られておる県が相当ある。そういう意味におきましては、我々の月給と同じようなもので、何か大きな仕事をしている場合と、月給だけでやつている場合と考えて見ますと、人件費の多額に上つておるところと、人件費よりも仕事の分量が多いというところは、財政の見方の相違があると思うのですが、そういう意味におきまして、ここに現われました数字とは考えておりませんで、却つて町村等につきましては、今度の特別平衡交付金等によりまして、大体赤字が、町村のほうはいわゆる実質上の赤字は殆んどなくなるのじやないか、特別平衡交付金を町村のほうに余計に見ました結果、市町村のほうが余計になりました結果、町村等につきましては、赤字が殆んどなくなるじやなかろうかというような一応の推計も持つておるわけであります。そういう点もかれこれ併せますというと、この数字自体が、直接に今度のいわゆる繰越さなければならん、財源措置せねばならん数字を示しているとは考えておらない。
  44. 相馬助治

    相馬助治君 どうも私が頭が惡いのだか、何だか、お聞きしていることにどうもぴつたりするお答えでないので、わからないのですが、私の言つているのは、例えば兵庫県を見ると、六億五千万円短期融資されているわけですね。それでは兵庫県が一番赤が多くてやり繰りが付かないのかというと、そうじやないと思う。兵庫県というのは私もあの地方財政の様子を見たことがあるのですが、そこで私の聞いているのは、銀行局から発表されておるこの資料で、これだけ分、これだけ現実に貸してあるということはわかるけれども、実際に府県分が要求している、即ち資金運用部からこれだけ借りたいという要求と、それから現に出ておるこれと、この間の関連を私どもは知りたい。それを知らなければ、本当に大蔵省考え方というものについて、或いは反省を求める、或いは積極的な意見を申上げることができないので、それを尋ねておるので、そうすると、都道府県分として、今仮に都道府県分の資金運用部からの短期融資を要求しておる額というものの資料は、ここ二、三日うちに頂戴することができますですか。
  45. 木村清司

    政府委員木村清司君) 預金部の資金の要求は私のほうではとつておらんと思うのです。というのは、私どものほうでは年度末に今どれくらいの歳出がある、そうしてそのうちに歳出を減らすべきことはこれだけ減らせるじやなかろうか、これからでも……、それから債務はこれだけ見積つておる、併しながら税収の見積りはこれだけ足らないじやないか、その他の収入が足らないじやないかということを審査しまして、つまり客観的に足らんということを言うのであつて、本人が借金の申込をしたとか、しないとかというような、本人の多少随意的な、抜け駈け的なことがあつたが故の理由で以て左右せられるというのは、これは弊害があるじやないかというふうに考えております。従つて例えば兵庫県のこういう数字にとらわれないで、兵庫県に多く財源措置をする必要は、私ども兵庫県の財政状態から見ますと、東京、大阪等に次いでとほぼ言える程度財政状態はよくあるべきはずなんじやなかろうか。そうすると、今のこれらの税収入或いは法人税収入とか、そういう方面の税収入のとり方、或いは財政経理のやり方等について反省を加えるならば相当できるじやなかろうか、或いはそういうような点もあるじやなかろうかというような点も出て来ると思う。従つて申込があつたからということで、本人が借金を申込んだから、こういう財源措置をしてやるということは、そういう財源措置をしないで、せいせい歯を喰いしばつて財政経理しておるところの不均衡を来たすことを私どもは非常に恐れておるのであります。要するに我々はそういう非常に健全な措置をしようというところに不利益を与えることは成るべく避けたいというように考えております。
  46. 相馬助治

    相馬助治君 地財委としては、資金運用部から借りようが、どこから借りようが、要するに赤がどうであろうかということが問題だという意味お話、その通りだと思う。それでは具体的にお聞きしますが、府県側が地財委の意思には関せずに、銀行局とどんどん交渉して貸借関係をやつておることに対して、地財委としてはこれを指導的に、或るものに対しては抑制し、或るものに対してはそれを奨励するといつたような意味の指導的な態度なり、何なりは一切しないで、これは府県分にただ任せて置いて、府県で以て腕つ節の強いのは大蔵省銀行局に行つて泣き言を言つてみたり、脅かしたり、お願いしたりして借りておる、こういうことですか。現実の問題としては……。
  47. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) 只今お話、私のほうに非常に関係がありますので、代つて一つ私の意見を述べさして頂きたいと思いますが、短期融資が、例えば今の兵庫県の例が出ましたが、これもこの金融が府県の財政を反映しておる、こういうことではないと思います。而もこれは短い間でありまして、例えば東京都なんというのはすばらしくいい財政なんです、昔のままで……。私のほうから見れば短期融資をすることもありますが、五億とか、六億とか、たまたまこれは或るときに現われた数字であるということは間違いないんですが、これは今のお話のように、私のほうへ来て金を貸せと言えば、そのまま黙つて貸すかというと、そういうことはないんです。むしろ私のほうで貸します際には、本当の意味金繰り表をとります。例えば今貸すとしますれば、一月末までの実績を全部押えます。各予算の項目ごとに税が幾らつて、何が幾らつてどれだけの支出をしたかということを一月末の現在の実績をとります。それから二月、三月の見込を見ます。そういたしますと、実績と見込とを比べて見ますと、この二カ月間と過去の十カ月間とどういう割合になつておるか、そうすればその見込がでたらめなものであるか、或いは非常に真実に近いものであるかということがわかります。そうやつた上で収入と支出とを引いて見ますと、どれだけ資金が足らなくなるかという数字が出るのでありまして、これは私たちはただ年度間の総額を挙げて云々するんじやなくて、実績を押え、且つ非常に真実に近い見積りを見た上でしかやらない。そういたしますと、幾ら総額で、赤字がどれだけ出ると言つてつても、こちらに来て金を実際に借りるとか、貸せとかいう場合には嘘のことは言えません。要らない場合には勿論利子を払うだけばからしいですから、恐らく若しこの貸付残高が物を言つて将来の措置考えられるとすれば、要らない金も借りましようが、実際には金が要らないのに借りるとすれば、おのおの県議会などは十分そういうものを監督しておりますから、そういうことはできないし、又私のほうでも要らないところにはお貸ししない。やむを得ないところへはできるだけの御便宜を図る、こういうことでございますから、地財委のほうで特にこの短期融資の非常に面倒なものを一々御監督になるということは私はむずかしいのじやないか、又貸したから、借りたからということだけで以て平衡交付金をやる地財委の参考にはそのままとれない。併し大体において申上げ得ますところにおいては、府県のほうからの借入申込は比較的少い。だから実際に金が必要であるというような状態になつていない。平均から言えばそうであるということだけを申上げられると思います。
  48. 相馬助治

    相馬助治君 私は今のお話を聞いて、ますます地財委に対して意見が出て来る。というのは、地方財政の実情を見て赤が出た、出そうである。だから当然これは平衡交付金或いは起債の枠を拡げることによつて措置しなければならない。こういうことを参議院の地方行政委員会では結論を出したのです。ところが現実には要求した二百億という平衡交付金は出なかつた。百億だけ出たという。当然そこに生れる赤字に対しては短期融資というものによつてこれを埋めてやる、こういうふうに大蔵省が言つた、そこで岡野国務相もそれを了承して、それを繋ぎとして地財委委員長も一応さようになるんだと言つた。そういう話の筋道から見て来れば、私は当然資金運用部といえども、これは大蔵省の指示によつて動くものではないのだから、地財委もそこにタツチして、総額として資金運用部からこれだけのものを短期融資にできる。ついてはこれを全国的な規模においては、こういうふうに府県分としては幾ら、それで府県分をこまかく分けてどういう方向については……、それは大体の腰だめになつておる、こまかい数字までは亘らんと思うけれども、大体こういうのだというふうな計画的な私は運用が行われておるとのみ思つてつた。ところが今聞いてみると、足らない分のこの赤を埋めるのには、資金運用部の金を使う場合には地方自治体が直接大蔵省行つて、それで銀行局のほうへ何かその収支のバランス表のようなものを出して御許可を願つて、その金を借りているということがわかつたのです。そうすると、木村さん、資金運用部の金の使い方はたしかにさようなんですね。そうして又地財委はこれに対しては全国的規模においてバランスをとるというような操作、又指導的な操作、こういうことは一切なしていないわけですね、この資金運用部に関しては……。
  49. 木村清司

    政府委員木村清司君) していない。
  50. 相馬助治

    相馬助治君 極めて怪しからんと存じます。
  51. 中田吉雄

    中田吉雄君 私はこの府県で、或いは市町村で短期融資をしているのは、財政的にむしろはつきりした見通しが付いているところ、むしろ裕福な県が借りているということになる。これは又預金部の短期資金の融通としては確実なんですね。私なんかが見て何故府県が借りないかというと、今やつている土木工事なんかにしても、第一、第二、第三、第四四半期というような分け方があつて、国がはつきり法律的にこれを割当てられている公共事業であるが、財政的の裏付がないから皆見送つている。例えば林道にしても、砂防、堰堤にしても、その財政的な裏付がないから赤字になつてまだ皆見送つている。これははつきりそういうものが県税とか、平衡交付金の割当の確実に入るというはつきりした見通しの付いたところが借りていると思う。そういう意味においてはこの金の貸し方は正しいと思う。併しこれでは私は逆だと思う。借りているところは財政計画がはつきりと立つている。ほかのところは皆繰越している、公共事業を繰延べているんです。そうしてはつきりその財源措置をしてから入札に出してやるということを私各府県で見ている。ですから私は借りているのは裕福な県が借りているというふうに私は理解している。それは自分の県を挙げて甚はだ恐縮ですが、鳥取県なんかは土木工事の災害復旧の割当なんか来ても入札に出していない。それは財源措置ができていないんです。それができて見てから直ちに入札に出すというふうで、短期融資というものは何としても返さなければならないということを知つていますから、やはり安定した長期の見通しの付いた財政措置がされんと、そういう大蔵省なんかをごまかして、いつまでも短期を始終こうやるということはできませんから、私から見ると、むしろはつきりした財政計画に立つて年度末に返せるところは借りている。これはどうでしよう。どう見られますか。
  52. 木村清司

    政府委員木村清司君) これは資金運用部のほうの運用方針でありましようけれども、私それは本当に短期資金の性質から見たらお説の通りだろうと思います。それで私どものは、いわゆる短期資金意味でなしに、財源措置的な性質を持つておらんければこれは意味がないんじやないか、私どもはそう思つております。
  53. 中田吉雄

    中田吉雄君 ですから私はまあ課長さんが、さつき府県のほうは余り困つておらんのじやないか。融資の申込がないと言われたんですけれども、私はむしろ逆で、見通しのないところは借りないと思う。返済計画が立つて平衡交付金特別交付金が来るとか、徴税の残りがあるとか、何とかいう見通しのないところでないと借りておらんので、これは窮乏の度合を示す一つの指標だと私は理解している次第です。
  54. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) これはそういう御見解も或いは立つかと存じますが、先ほど一番最初に御説明申上げましたときに言つたんですが、勿論資金運用部資金を運用するときには有利且つ確実の原則があります。例えば公共団体であつても不確実なものは貸さないというのが本則なんでございますか、併しそれは本則ですけれども、現在我々がとつている態度はそうじやない、そうじやありません。これは実際は税金と書いてあるが、返せないということがわかつておりましても、何とでもいいから辻褄を合わして三月を渡るときには何とか金繰りを付けてから返しますから、財源として年度決算をやつて見れば赤字なつちやつて、本当の財源じやないけれども、貸してもらいたいという申出がありますれば、これにもうどんどん応じているんです。そういう趣旨は財務局以下にかなり伝えております。先般も融資課長会議がありまして、そういうことは通しております。ですから私たちのほうから言えば、或いはその府県の中に、自分のほうで赤字になるようなことは避けたいという、非常に真面目な固いところがある。そういうことによつて逐次繰延べておるから金が要らないでいると、こういうこともありましようか、この席で私はつきり申上げておきますが、公共団体の現在の実情に即応しまして、私たちとしては必ずしも短い目で有利確実でなくても貸しはすると、そういう方針でやつております。
  55. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 相馬君とそれから中田君がお尋ねになつておるところは私も非常に大事だと思います。それと同じような疑問を私も持つておる。そこで端的に大蔵省のはうにお尋ねいたしますが、大体この十二月一日以降に貸し得る、融通し得るこの資金運用部資金の額というものは大体おきめになつておるのですね。つまり五十億なり、百億ということを岡野国務大臣言つてつたのですが、何か大蔵大臣は五十億というようなことに固守せられておつた。それでその枠が大体七十六億幾らに今までなつておりますが、まあ百億以下であつた。そこで早い者勝ちになつてしまつてですね、そして長崎県とか、それから兵庫県なんか手廻しよく何億という金を借りてしまつたというので、ほかの県から融資をしてもらいたいというときには、その枠の都合上でもうできないんだというようなことは本当になかつたのかどうか、それを一つ伺いたいのです。
  56. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) さようなことはございません。と申しますのは、今百億、五十億という枠というお話がございましたけれども、この短期融資はまあ内部的な私ども考え方からいたしますと、本来は年度末三月に近付くに従つてつて行かなければならない。多いときには百六、七十億にもなつたのでありまして、それが或る程度はどんどん減つておりますが、枠という考え方は現在とつておりません。枠がないからお貸ししないということをお話し申上げたことはない。それから各財務局ことに一応の枠を与えておりますが、その枠は相当大きな枠でございまして、その最高、相当高いときの枠をそのままにしております。今財務局に与えておる枠は据置つ放しでございますから、百八十億円与えております。ですから、その中でやつておることで、もう別に枠という考え方はないのでございまして、だから財務局はどこに行つても枠がないから貸せないといつて断わる点はない。ただ金が要らないのに借りに来れば、場合によれば熱海の浮貸事件のようなことも起りますから、要らないものを貸すということはいたしません。そういうことは御了解願います。
  57. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 それじや今後府県なり、市町村がどうしても短期繋ぎ融資が必要だというので、財務局のほうにどんどん申込むということがあれば、できるだけの便宜を図つて融資をせられるというふうに承知しておるわけですね。
  58. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) はあ。
  59. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 資金運用課長に伺いますが、最初に三百五十一億という起債の御説明の中に、起債前貸は二百七億、この前貸の起債というのはどの起債を指しておりますか。
  60. 高橋俊英

    説明員高橋俊英君) これは本年度融資受取の繋ぎ分を合すと、地方起債総額は五百四十七億円である。その五百四十七億円をその枠の中で割振りまして逐次決定しておりますが、それに見合う分でございます。それですでに枠の割当を決定した分に対しては、事業の進捗に応じてその分をお貸しする、こういうことになつております。その分でございます。
  61. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後零時四十四分散会