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説明員(
高橋俊英君) 誠に御尤もでございまして、
短期融資で
年度に亘りましても、このまま直ちに
赤字が消えるわけでもなし、将来に
禍根を残すという点は確かにあろうと思います。ただ私
たちは今
年度の
赤字を直ちに今
年度において埋めるという
措置が実際のところ非常に困難で、これはまだ
地財委と
大蔵省との
折衝の過程にありましても、これをどうするかということは結論が出ていないのでございますが、いずれにしても、例えば若しそれが本当に赤があるということが認められますならば、埋めるとすれば
平衡交付金を増額するとか、
地方起債の額を殖やすとか、それらのこと以外にないわけであります。それが直ちにできるかどうかという点が問題なわけでございますが、若しこれが全般として余りうまく行かない場合におきましても、例えば
明年度におきまして六百五十億の
起債をやる、
平衡交付金は
相当多額にあるわけでございますが、これの
配分の仕方についても余ほど
考え直して行かなければならん、と申しますのは、これは例を挙げて申上げたいのですが、例えば
大阪の例をとりますと、
大阪市というものと
大阪府というものが
財政の
事情がまるで違う、東京の場合は一体ですからいいのですけれ
ども、今の
税体系が惡いのか、何か知りませんが、
大阪市は非常に赤で、聞くところによると、
大阪府は黒である。両方合せれば或る
程度うまく行くのだ、こういうことでありました。なおその他の面からいろいろ例があるのですが、全体が非常に……、
地方公共団体の全部が非常に赤だというわけじやない。赤なものは
相当赤を出しておるが、或る所は黒字を出しておるところもある。ですから
平衡交付金なり、
起債なりを割当てる場合に、これを従来のこの一、二年の実績をよく
考えた上で、非常に黒を出しておるところには殆んどやらないで、
赤字の多いところはその
赤字の多い
原因を衝いて、真に止むを得ない
赤字であるということであればそれは面倒を見る。そうではなくして、
先ほどお話がありましたように、
起債がなければ本当はできないような
事業を
起債がなくてもや
つてしまう。
単独事業をどんどん殖やしてや
つてしまう、そういうふうな積極的な、まあよく言えば積極的だし、惡く言えば放漫な
財政から生れているものは、それを抑えることによ
つて次その
赤字を減らすように努力せしめる、こういうような
措置、これはまあ私のほうの管轄の問題じやございませんけれ
ども、まあそういう対象に対する
対策としては、それぞれに応じた逐次ような
方法でこの
赤字を将来に向
つて縮めて行く、こういうことが必要であり、又そうや
つてもなお埋め足りないものは、国の
資金を何らかの形で出して埋めるというほかはないだろう。一例ではありますけれ
ども、一昨年な
ども相当赤字のところがございました。そのうち或る一市の市長さんに私最近会いました。この
かたは自分の市の
赤字の
原因は
放漫財政だ、それで三億五千万の
予算を持
つてお
つたものを、
年度の真中におきまして二億五千万にずつと縮めた。それによ
つて赤字はなく
なつた。今
年度としてはなく
なつた、こういうことなんですが、まあ随分大きな違いがあるものでして、そのままにやれば大変な
赤字になるわけです。これはまあ
一つの例でございますから、極端かも知れませんが、さようなこともございまして、それは殊に
地方のほか
ら短期融資で
相当繋いで、その
短期融資を自力で或る
程度返した、こういうことに
なつた例もございます。ですからまあそれぞれに応じまして、できるだけの
措置を許される
財源の中から
操作いたしたい、どうしてそれでやり切れない面は国として何か
起債か
平衡交付金かで
考えざるを得ないだろう、そういうふうに思
つております。