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江田三郎君 私は
飼料を
輸入することの必要なことは、これを否定するわけじやないのです。併しいやしくも
食糧であるとか
飼料であるとかというような対策は、
相当長期の
計画を立てなければならんのであ
つて、行き詰
つたからして、ほかのことは放
つておいて取りあえず外国から
輸入するのだ、こういうような
やり方では必らずより以上の行き詰りを来し、若し
一つ順調に行かん場合には多数の
畜産農家なり或いは
飼料の取扱業者を非常な苦しい
立場に追い込む。又そういうような根本的な対策がなくて行き当りば
つたりのことばつかりや
つているから、例えば大豆の
輸入にしても、腐
つたような大豆を
輸入されて、それに対して未だクレームがうまく付かなくて解決が付かん。搾油
関係の大豆はどうですか。
畜産局長頭をかしげておられますけれども、現にたくさんそういうことがあるじやないですか。
飼料についても必らずそういう問題が出て来ると思うのです。そこで今急場の間に合わないからして
飼料を
輸入するというのなら、然らば根本的には
日本の
飼料対策はどう解決を付けるのだということが
はつきりして来ないというと、我々としては安心がならないわけです。ただ根本問題を置き忘れておいて、急場のことばつかりや
つているというと、むしろ矛盾をより大きくして、いつか爆発するときが来るわけなんです。例えば
国内の二十万トンぐらいのものは
国内で本当に
増産しようとすればできるわけでありまして我々の狭い経験からすれば、大豆にしても、品種なり或いは栽培法を変えるならば殆んど従来の収穫の倍にすることができる。とうもろこしにしたところで、異種交配の方法によ
つて相当の
増産ができる。ところがそういうことを本当に普及し宣伝するための経費というものは、
政府は年々削
つておられるのではありませんか。
普及技術員の経費というものは削られて来る。内部の
補助金というものは削られて来る。そういうものを次々に削
つて国内における
飼料の
増産というものを放
つておいて、そうしてその解決を外国の
飼料に求めるという
やり方は、結果においていつか
日本の農業なり
日本の
食糧というものの自主性を失わしめることになるわけでありますから、そこで当面の
飼料の
輸入の必要性ということを私は認めますが、同時にこれをやるなら根本的に
飼料の
増産についてどういうことをやろうとするのかということが
はつきりして来ないというと、我々としては簡単には賛成し難いということなんです。その答えとしては併しながら
畜産局長の御
答弁だけでは私はなお足らないのでありまして、先ほどの
畜産局長の
普及技術員の
教科書にあるような
お話だけでなしに、もつと具体的に五カ年
計画なり、十カ年
計画というものを
政府の
関係大臣のほうから示してもらうことが必要だと思うのでありまして、これは恐らく私だけの気持でもなかろうと思うのでありますが、大臣が出て来られないということになると非常に困
つたものです。なおそのほかの大蔵大臣にお尋ねすべき問題等があるわけでありますが、まあ事務当局に対しましてはその
程度にしておきます。