運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-07-28 第13回国会 参議院 大蔵委員会 第77号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月二十八日(月曜日)    午前十時五十九分開会   —————————————   委員の異動 七月二十五日委員佐多忠隆辞任につ き、その補欠として江田三郎君を議長 において指名した。 七月二十六日委員堀末治辞任につ き、その補欠として溝淵春次君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君            木内 四郎君    委員            岡崎 真一君            黒田 英雄君            西川甚五郎君            溝淵 春次君            小林 政夫君            小宮山常吉君            森 八三一君            江田 三郎君            大野 幸一君            菊田 七平君            油井賢太郎君            木村禧八郎君   政府委員    大蔵省主計局長 河野 一之君    大蔵省理財局次    長       酒井 俊彦君    農林省畜産局長 長谷川 清君    食糧庁長官   東畑 四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○接収貴金属等数量等報告に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○食糧管理特別会計法の一部を改正す  る法律案衆議院提出)   —————————————
  2. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) それでは第七十六回の大蔵委員会を開会いたします。  接収貴金属等数量等報告に関すする法律案について質疑を行います。
  3. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 目下衆議院でこの接収貴金属に関連して、ダイヤモンド接収された数量と、その接収解除によつて返された数量に非常な違いがあるという点をめぐつて非常に問題になつておるようです。殊に又新聞等でも相当大きく区取上げられておるのですが、どういういきさつで、どういう経過になつておるのですか、この際一応お聞かせおき願いたい。
  4. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 衆議院ダイヤモンドについて御審議を願つておりますが、これは衆議院大蔵委員会中野委員でございましたか、そういうお話で、どうなつておるかということの御質問がございました。私どもといたしましては、ダイヤモンドにつきまして、結局占領軍占領解除と同時に、こういうものがあるからお前のほうで受取れという指令がございまして受取つただけの話でありまして一体幾ら接収されたのか、それから又当時推定でどのくらいあつたのかというようなことが、実は大蔵省ダイヤモンド所管省でもございませんでしたので、わかりませんでした。そこでそういう事実がわからないためにいろいろな問題が起り、そういう事実をつかみたいというために、この法律をお願いしておるわけでございまして、この法律を速かに施行して頂いて、その手掛りを与えて頂きたい、こういうことを申上げまして、大蔵委員会のほうは大体そういうことを御了承下さいまして、目下行政監察委員会のほうでこれをどうするかを取り上げておられるのであります。行政監察委員会のほうはまだ私ども出席いたしておりませんので、今後どういう運びになりますか承知いたしておりません。なお大蔵委員会参考人でございますか、出席して御意見をお述べになりましたのは、元交易公団の嘱託をしておられました何とおつしやいましたか、当時の……池山さんとおつしやるかたでございますが、そのかたから縷々当時の取扱いの模様についてお話がございました。それから終戦当時大蔵省接収される虞れがあるから一応疎開するようにという依頼があつたという話が伝わりまして本件に関しましては、終戦当時の外資局長でございました久保文蔵氏、金の係をやつておりました桜井郡二氏を呼びまして、事情をお聞きになつたようであります。そのいきさつ委員会でもはつきりいたしておりますが、そういう事実はございませんで、何か思い違いであつたのだというふうに伺つておるのであります。大蔵委員会といたしましては只今申上げましたように、多少問題は起りましたけれども、まあこの問題は本件法律とは関係ない、本件法律はできるだけ早くそういう事実をつかむために国民から報告をとり、それをどう処置するかということは、別個の法律できめるわけでございましてそういう点を御了承下さいまして、今のところは只今申上げた程度経過でございます。
  5. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 まあ衆議院関係のことは衆議院速記録等を私も見ておるのですが、併し衆議院においての質疑応答の疑問の点等については機会を見て質問したいと思います。ただ、只今お話の、今後の方針ですが、この報告をおとりになつて、いわゆる民間で以て接収された物件に対しては、どういうような措置をとるという根本の方針は、きまつておられると思うのですが、それを返すとか、或いは返すことが不可能な場合には金に換算して時価相場に換算して支払うとか、そういつたような方針がなくて、単なる報告だけを徴するといつても、なかなかこれは納得できないのじやないかと思います。それはどういうふうな御方針になつておりますか。
  6. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 私どもがたびたび申付けておるのでございますが、接収行為自体には直接関与しておりませんので、従つてどの程度のものが接収されたのか、そうして例えばこの間も申上げましたように、それが、接収されたものが、いろいろなもの、集めて熔解されて一つになつて、どうも接収解除された数量と睨み合せ、或いは数量が不足しておるかも知れません。例えば接収されたものが貴金属だと思つてつたものが、これが実は貴金属でなかつた、或いは品位が非常に惡かつた、又ダイヤモンドだと思つてつたものが実はにせであつたというような、いろいろなケースがあろうと思います。それぞれ事実を調べまして突き合せると、そういうことがわかつて参ります。まあ総体の数量が合えばいいわけでありますが、足りない場合にはどうするか。例えば按分して返すのだというような、そういつた問題も起つて来ようかと思います。それから又これは重要な点でありますが、戦時中に国民が金或いはダイヤモンドといつたようなものを供出いたしております。これは一応は戦時物資活用協会金銀運営会とかいうようなところに、当時の時価で売渡しております。従つて所有権法律的に申しますならば、接収当時は金銀運営会戦時物資活用協会所有になつております。併し一体戦時国民供出したものが、今日までのインフレの結果、相当殖段が出ておるものを、そのまま戦時物資活用協会金銀運営会に返すことが適当であろうかというような問題も出て来るのであります。要するに具体的の材料が我々の手にございませんので、一体どう処置したらいいのかということがはつきりわからない。それでそういう事実声つかむために国民から報告ル頂いて、先ず第一段階として報告を頂いて、その上で考えて行きたい。そういう意味でこの法案を出しておりますので、確たる、こうするのだということには直ちに申上げる段階にまだ私どもの考えもまとまつておりませんようなわけであります。
  7. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それから調査期日ですが「九月三十日までに」ということが第三条に規定されておりますが、九月三十日までにこれは全部報告を受けることが可能ですか。
  8. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) この会期中にこの法案が若し成立をいたしますれば、新聞ラジオ等の公告み通じまして宣伝もいたすつもりでございますし、まあ二カ月あれは報告はとれると思います。
  9. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 報告受取るまでが二月として、その整理は何カ月ぐらいあとかかるのですか。大体どうもお役所仕事というものは、報告手受取つたはいいけれども、そのあと整理が半年たつても一年たつても何をやつておるのかわからんということが多いのですね。この際はそういう点については、どのくらいの期間で以て処置をなさるという御予定ですか。
  10. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 実は報告を頂いて見ないとわからないのでございますが、どのくらい報告が出て来て、どういうものか、本当に確かな証拠が出て来るのか、相当調べなければわからないような証拠が出て参りますか、その辺のところによつても違うと思いますけれども、私どもといたしましては、大体報告を頂ければどういうケースがあるということがわかりますので、そうすれば大体の処理方針ども考えやすくなりますので、できれば通常国会までには何とか処理法律案作つて御提出したいというふうに考えておる次第であります。なお非常に事実のはつきりしたやさしいものと、非常にむずかしいものとがございます。例えば日本銀行から接収したものはどうするか、これは日本銀行の記録と日本銀行の金庫がそのまま接収されたのですから、突き合せればすぐわかりますので、わかつておるものは成るべく早く処分する、そういう実際の処理段階を追つてつて行きたいと思つております。
  11. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それから第四条の罰則規定ですが、虚偽報告という点で、まあ実際よりか過大報告したというような場合には、これは当てはまりますが、大分古いことになつておりますので、或いは過小に報告をして、あとで気が付いて又追加報告をするといつた場合、そういうことは虚偽報告とは我々みなさないと常識上思うのですが、その期限が切れたのでもそういうことは受付をされるのかどうか、又過大報告をしたというのも善意の過大報告であつてあと間違つたということで、この期日後に訂正をした場合にはそれを引受けるかどうかそういう点はどうですか。
  12. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) この罰則の適用につきましては、勿論故意に過大報告をしたというような場合に罰則がかかるのでございまして、記憶違いであつたとか或いは整理漏れで少な過ぎたというようなことでございますれば、これは別に罰則の問題に関係なく、事実は事実としてその後に訂正されるということも仕方がないことだと思つております。
  13. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 第一に伺いたいのは、占領軍接収されていたものを解除になつて返す。どういうわけで返すんですか。占領軍接収されていたものであつたが故に返すのか、解除されたから返すというのはこの貴金属限つてどういうわけで返すのか、その根拠を伺いたいと思います。
  14. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 筋から申上げますと、この前にも申上げたのでございますが、接収行為自体日本政府は関与いたしておりません。進駐軍が直接に接収した。従つて日本国内法に関する限り政府にこれの所有権移つたというふうに解釈すべき根拠は余りないようでございます。そういたしますと、事実上接収しておつたものを四月二十八日独立と同時に、お前のほうに返すからということを言われますと、政府の、勿論中には国の持つてつたやつもございますけれども政府所有でないものを政府に渡された。そうすればこれは国が取るという筋でもございません。従つて本来なら所有者に返すべきものと考えまして私どもはこういう法律案を御審議つておるわけでございます。
  15. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはそれでわかりましたが、政府日本銀行、旧軍需会社等が保有していたもの、それから占領軍に属する権限ある軍人又は軍属が貴金属を占有しておる個人から接収したものもあるわけですね。それで国が持つていたものが接収されて国に返つて来るのは国に返つて来るわけですね。それから又個人から接収したものは個人に返す、こういう建前のようですが、この貴金属類戦時政府が、さつきあなたが言われましたように、事実上強制的に民間から、何といいますか、供出させたんですが、それも返すということになるわけですか。
  16. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 只今お尋ねのございました国民から戦時中に供出いたしました分でございますが、法律的に申しますと、現在これらの接収貴金属のうちにそういうものがございましたとすれば、中間機関として戦時物資活用協会金銀運営会所有になつておるものでございます。返すといたしますれば金銀運営会等機関に返すのが法律的の筋だろうと思うのでございます。ただそれがいいかどうかということには問題がございますが、先ほども申上げましたように、供出のときに国民は強制的に供出させられたのでありますが、正当の代価を受取つております。従つてもう所有権はないというのが一応の法律論だろうと思いますが、ただそれを実際にどう処理したらいいかということは又別個に考える必要があるかと思います。
  17. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その返す、例えば戦時物資活用協会に返す、そこだけに返して戦時物資活用協会個人から供出さしたその個人に返すということは問題にならないんですか、又問題としていないんですか。
  18. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) まあこれは先ほどお尋ねがありました処理方針に関することでございまして、私どもまだ今確たる方針を持つておりませんけれども、直接には政府が一々供出した個人を見付け出してその人に返すということは、目的でもございませんし、又この法律だけではそういうことはむずかしいかと思います。所有者でございませんので……。
  19. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 何だかこの返還について、結局まあ政府、日銀、旧軍需会社、大体こういうところに返すようなことになるように実質的には考えられるのです。それで公平の観念からいつて供出ということから見れば進駐軍接収されたのも、政府接収されたのも大体大して違いはありやしないのですよ、実際問題として。そこで返すのなら返すようにやはり公平の観念からいつて変でないように処理しなきやならんと思うのです。そこで今伺いますと結局まあ戦時物資活用協会あたりまで返す、そういうことになると、そこだけが何だか儲けてしまつて、その利益は一体どういうように処理するのか、そこは個人から供出さしたものである、戦時物資活用協会に返さないなら返さないではつきりわかりますが、返すとしたら、そこに利益が生ずる場合、それを認めたら変なものになると思うのですよ。だからそこは返さないなら返さないではつきりします。併し返した場合戦時物資活用協会が当時実質的には強制的に個人から供出させておいてそれでこういう措置によつて……、私は不当だと思うのです。不当の利益をそこで得てしまうというのはこれはどうもおかしい、そこらあたりはつきり聞きたいのです。返すなら返す、返す場合にどういうふうにして返すか、物がなければその他の措置というのがありますね。このその他の措置を具体的に伺いたい。どういう措置か。そうしてその個人にまで遡及しないというのは私はおかしいと思いますが、その点はどういうふうに処理するものか。そこのところを、たまたま接収されたものが返還されるのに便乗して不当な利益を与えることはよくないと思うのです。そこで調査すること自体についてはこの法律案自体は何らいいとか惡いとかいうことは筋合いじやないと思うのです。その間を少しはつきり説明して頂きたいのです。
  20. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 先ほども申上げましたように、戦時中に供出されて、それが金銀運営会戦時物資活用協会等移つてつたものをそのまま返すのがいいかどうか、成るほど公平論があると思います。我々としてもそれを金銀運営会等に返すことがいいのかどうか、問題があると思います。それらの根本的な方針につきましてはこの報告を頂きましていろいろな事実をつかみました上で、十分検討して、この次の法律でおきめ願いたいと思います。おつしやるように不公平の議論が出て参ります。それから又戦時中に供出いたしましたものにつきましても或いは戦時物資活用協会等からすでに軍などに売り渡されて、他の目的に使われてしまつたというものもございましようし、たまたま残つていて進駐軍接収さもれたものもございます、それらの見分けもなかなかむずかしいのでございまして、個別的にどれが誰のものということはなかなか証明がむずかしいと思います。そういつた関係を考慮いたしまして、じやどうするのかということは、この次の処理に関する法律までに十分検討して方針を立てたいと思つております。
  21. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから貴金属以外で接収されたものはあるわけですね。土地とか機械とか、その他ですね。そういうものは今度返還に当つて土地等使用等に関する法律とか、そういうものによつて強制的に貸上げされたりするわけですね。そういうものとの関連もあるわけですね。これはまあ返すとすればそのままの物として返してしまうのです。ところが、ほかの土地、建物、機械、そういうものについてはそのまま返すわけじやないのですね。そういう点でやはり不均衡の点があると思うのです。ただこれだけ接収解除になつたからこれを当然返すのだと、そういう簡単なものじやないのですね。大体これはまあ問題が小さいようですけれども、やはり戦時補償の問題に関連しておるのです。政府戦時補償についてはでたらめにやつてしまつたが、ドイツみたいに相当真剣に戦時補償政策というものを考えなければならん。どさくさに紛れて、戦争被害をこうむつた者が馬鹿をみた、戦争被害をこうむらなかつた者は得をした、こういう実態になつておる。戦争被害に対する補償なんか殆んど政府は公平にしていない。その一環としてこういうものも出て来ておるのである。これは今度この法律が出て来るのであるから、私は法律が出て来ましたときに、もつと突込んで資料も出して頂きたいと思います。よその国の補償関係とか、そういう点できるならばもつと突込んで聞きたいのですけれども、併し全然まだ用意ができていないようですから止むを得ないと思います。そういう点十分検討されたいと思うのです。
  22. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) お話の趣旨よくわかりましたのですが、この次の法律を作りますまでにそれらの点も十分に考えまして、できますれば次の通常国会あたりまでに、処理に関する法律案も提出して、そこでいろいろ御意見を伺い、又法律案自体の御審議も願いたいと思うのです。
  23. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 調査ですが、政府日本銀行、旧軍需会社等のものは割合に簡単じやないのですか。実際に調査の対象になるのはどういうところなのですか、この法律によつて……。
  24. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 政府日本銀行のものは、これは割合に簡単でございます、おつしやるように。それから国の機関に準ずるようなものの持つておりますものでございましたら割合はつきりいたしております。ただ我々聞きますところでは、進駐軍関係者が元の軍需工場等へ参りまして貴金属があつた場合に、これは元陸海軍から貸されておつたものじやないかというような疑いで、どんどん持つて行かれる。それがその会社所有物であつたのか、元軍が持つてつたものの一部を原材料として借りておつたのか。そういうケースが相当ございまして、それはなかなかわかりにくい事項だと思います。
  25. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この旧陸海軍の持つてつたものは、これは相当あつたのでしようね。そういうものの調査はありますか。
  26. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 軍関係の持つておりましたものにつきましては、殆んど金だけでございまして、金は多少南方諸地域から持つて来て、略奪物資として認定されて、又返還されたというようなケースもございますけれども、まあ金が主でございまして、ただそれがその軍需会社に貸付と言いますか、材料として使わせるために貸下げてあつた分軍需会社がそれは自分のものだという報告をされ、或いは陸海軍資料じやこうであると……、その辺の区別などがやはりこの報告調査をしてみないとはつきりしない点がございます。
  27. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ダイヤモンド等があつたんではないか。これは戦時物資活用協会を通じて軍がやつた、これなどはやはり軍に行つて使つたのではないか。
  28. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) ダイヤモンドの場合は、確か私もはつきり記憶はございませんが、あれは交易公団が買上げましてそしてこれを軍が必要とする場合には何とか工場にこれだけやるようにというようなことを指示しておつたかと思います。單が直接それを交易公団から買取つて自分のものにしたケースは聞いておりません。
  29. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういうものは調査はないのですか、交易公団とか……。それではできましたらば、この次に法律案が出て来るが、そういう参考にしたい資料ですね、直ぐでなくていいから資料をできる限り出して頂きたい。
  30. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 交易公団その他からの資料でございますが、これは実はダイヤモンド等につきましては、大蔵省主管省でなかつたものですから従来は報告がございません。接収されたあとで若干簡単な報告をもらつたこともございますけれども確かでございませんので、この法律によつて初めてそういう資料を頂きたいと、そんなふうに考えておるわけでございます。
  31. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これで若し旧軍需会社等買つた場合に非常な利益が出た場合に、それはそのままとして与えてしまうのですか。
  32. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 若しこの次の処理法におきましてそれを仮に返すということにきまりました場合には、これはやはりそのまま利益会社のものになり、そうしてそれに対して一般の税がかかるということになろうかと思います。返すか返さないか、どういう返し方をするかということは、もとがきまつておりませんので、どうなるか。確たるお答えはできません。ここいうふうに考えておりますので御了承願います。
  33. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 返すか返さないかもはつきりしていないのですか。この法律案を見ると返還する貴金属が載つておる。それは一応返還するという建前調査はするが、返すか返さないかはまだ今後検討すると、こういう意味ですか。
  34. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 建前は、この法律案にもございますし、先ほども申上げましたように現在政府所有権を持つておりませんので、国内法的に形式的に考えますならば、所有権は依然として接収された当時の所有者のものである。従いまして筋としては返すことが当然だと思うのでございます。ただ先ほど木村委員からお話がございましたようにいろいろなむずかしい問題が出て参りますので、そのままの形でもう無条件に返してしまつていいかどうか、ほかとの釣合いもございますので、多少考えてみたいという気持でございます。
  35. 大野幸一

    大野幸一君 それに関連して……。この法案の末尾の理由という所に「返還その他の措置を講ずることに資するため、」とあるが、「その他の措置を講ずることに」ということはどういうことを予想しておるのですか。
  36. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) お答え申上げます。返還と書きましたのは例えば現物が残つておりましてそのまま所有者はつきりしていて物を返すという場合がございます。それから金等接収されたあとで保管の便宜上鋳潰されて、ほかのものと一緒になつておるものがございます。その場合にそれでは元の純金だけをこま切れにして返すかどうかということは、なかなか問題があろうと思います。なお金は現在御承知の通り政府が集中の方針をとつておるので、その辺のことを考えると現物をそのまま返さないで、場合によつては、かねで返すというようなことも考えられるのであります。そういう意味で「その他の措置」と、こういうふうに書いたのでございます。
  37. 大野幸一

    大野幸一君 「その他の措置」というのはやはり返還に代るべき措置ということですね。
  38. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) はあ、さようでございます。
  39. 大野幸一

    大野幸一君 これは連合軍接収されて、而も日本国政府に引渡されないと想像されるような金属があるのですか。
  40. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 占領軍接収した事実、それは私どもはつきりいたしておりませんので、まあ多分間違いはなかつたと私どもは確信いたしておりますが、接収されて返されないものがあるかどうかということは必ずしも現在明らかでございません。多分連合軍接収自体が相当厳密な監督の下に行われておりましたものですから間違いはなかろうと思います。場合によつてはそういうものが出て来るかも知れません。
  41. 大野幸一

    大野幸一君 これは連合軍によつて占領されたものだけであつて、軍人によつて強奪されたものはこの中に入るのか、入らないのか。
  42. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) いわゆる軍人の個人的な行為によつて強奪されたものはこの中に入りません。連合軍接収という正当な権限を以て接収したものだけでございます。
  43. 大野幸一

    大野幸一君 どうしてそういうものを……独立後だからそういうものははつきりしてもよさそうなものだが、それらのものをここへ入れたつてかまわないじやないか。
  44. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 只今個人的に強奪されたものはむしろ一般の犯罪、刑法的なものでございまして、私どもとしては占領軍が権限を以て接収したもの以外は……、現に私どもに引渡されておるものも、そういうものとして渡されております。個人的に強奪されたようなものにつきましては、大蔵省としてはちよつと処置のしようがないわけでございます。
  45. 小林政夫

    ○小林政夫君 戦争中に買戻し条件付きで金の加工品等を売つておるものがありますね。それを返してもらいたいという要求を今まですると、占領軍接収されておるので政府としては如何ともしがたい、こういうことでありましたが、そういうのは将来どうなりますか。
  46. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊君) 大体売戻し条件付きのものは形式上は日本銀行所有になつております。つまりそのときの時価を、金の時価を支払いまして、一応日本銀行が買取つて、ただ将来売つた人の要求があれば売戻すという条件で売つております。そういうときは我々は日本銀行にそういうものはお返ししよう、あと日本銀行とそれから条件付きで供出されたかたがたとの間の一般の私的な関係で解決されるものである、こういうふうに解釈いたします。
  47. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の小林委員のに関連してちよつと腑に落ちないのですが、買戻し条件付きの、紐付きですね、売渡しをしておるのは当人が希望した場合はいつでも、それは現在でも買戻しする制度になつておるのですか。それは実施されておるのですか。
  48. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) これは連合軍からの覚書によりまして一応接収されてしまつて、そうして四月二十八日講和発効と同時に日本政府へ引渡されましたけれども、他のものの関係もございますので、未だ日本銀行返還をいたしておりません。日本銀行所有分を返還しておりません。日本銀行としては実際上政府に管理が移されておりますので、売戻してくれと言われてもこれは不可能である。そういう状態になつております。
  49. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それは日本銀行へ来ておるのははつきりしているし、当然返還すべきものでありながら、どういう理由で急いで返すことはできないのですか。それからいつ返すようなことになるのですか。
  50. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 原則は返すことになると思うのでございますが、全体の接収された貴金属の量と、実際にこちらに返つて来ました貴金属の量と比べまして、そこに若し相違が出て来たら、例えば接収されたといわれる量よりも返されたほうが少なかつた、そういう場合に、所有者はつきりしたものはどんどん返す。接収貴金属のうちで所有者はつきりしない、熔かされてしまつたとか、ダイヤモンドのように外されてしまつた、そういうわけのわからなくなつたものはあとにするということになりますと、全体の負担の公平からいつて如何か。その辺のことをどう処置するかという問題が残つておりますので、まだ日本銀行に返しておりません。
  51. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 どうも政府のやり方は大抵そうなんです。何か百のもののうち一つ故障があると、その一つの故障を理由にして、残つた九十九までも巻き添えをくわして、あと廻しにする。それが如何にも公平だというふうに思いがちになられる。併しそれは成るべしならわかつたものはどんどん処理して行つて、わからないものについては特別な措置を講ずるというほうが政治のやり方じやないかと思います。そういうお考えにはなれないものでございましようか。
  52. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 実際のやり方といたしましては、先ほども申上げましたが所有者の比較的わかり易い金銀等は実際の処理としては早くなります。併しその場合にも一応どういう形体か。誰からどのくらい接収されたのか、その数が余り大きく開き過ぎるときには相当考えざるを得ない事情も起つて来るかも知れません。接収の事実の御報告を頂いて、大したことはないこういうことであればこの辺は適当にわかつたものから処理して行くということも考えられますしとにかく前提としては一応報告をとらして頂くということでございます。
  53. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 返還の場合、損害が生じた場合、接収されて返してもらつたものよりも返還するほうが差引き多くなつた場合、結局それは日本政府の損になるのでしよう。そういう場合の措置は日本の損なんですか。
  54. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) これは接収行為自体日本政府の権限によつて日本政府がタッチして行なつたものではございません。一応理屈から申しますと、日本政府はそれについて補償するということは出て来ないのでございます。先ほども御発言がありましたが占領中における連合軍の行為によつて損害を受けたものは、どうするかということになるわけでございます。一応形式的に申しますと、政府は何ら関与していなかつた。そこで政府が損害を負担するということは、それ自体からは出て来ないということでございます。
  55. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 併し接収されたような人が報告によつて調査によつてわかつて来て、それがはつきりしたときに、その人に返還をしなければならないでしようね。その返還しなければならない、併し必ずそこにそうすれば損害額というものが出て来るのです。どこが負担するというするしないにかかわらず、どつかの負担にならなければならない。
  56. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) それはいろいろな方法が考えられると思います。私どもとしてはどの方法で行くかときめておりませんけれども、そういう損害をみんなで公平に、少しずつ分担して行くとか、或いは政府がそれを負うとか、方法としては幾つかあると思います。それをどうするかはまだ考えておりません。
  57. 小林政夫

    ○小林政夫君 先ほど油井委員からもお話がありましたが、買戻し条件、或いは逆にいえば売戻し条件の付いておるものまで、はつきりした契約書も当人は持つておる。その授受の関係は明らかなんです。而もそういう買戻し条件の付いておるものは、具体的に申しますと、例えば金鍋、これは金鍋料理ということを看板にして営業をやつておる料理屋が、戦争中はできなかつた終戦後再開しようとしても、看板になる金鍋がないということでできない。こういうことで、ただ単に金を取られたということだけでなしに、営業上の損失も相当受けておるというような業者もあるわけです。これは明らかにそういう証書等を持つておるわけであります。一般のものと切離してでもやろうと思えばやれる。そういう点については一つ敏速な措置を講ずるように願いたいと思うのです。
  58. 酒井俊彦

    政府委員酒井俊彦君) 御尤もでございますが、私どもが考えておりますことを申上げますと、先ほど申上げましたように売戻し条件付の貴金属は、これは一応形式上日本銀行のものでございます。そこで日本銀行に返すわけですがさつき木村委員からもお話がありましたように、接収された数量と、返された数量というものが合わないというような事態が若し起つて来た場合に、日本銀行にも若干公平に負担させるかどうか、そういう問題がございますので、売戻し条件付の貴金属等の返還も一緒になつて、この法律報告をとりましたあとで、とりたいと思つておるわけでありまして、そういう金鍋その他の売戻し条件付の品物がそのまま還るかどうかということは、日本銀行と元の所有者との間の契約履行、条件履行の問題になると思います。従つて日本銀行に返されました場合には、恐らく私は日本銀行は元の契約によつてすぐ請求があれば売戻しに応ずることになるだろうというふうに想像はいたしております。
  59. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べ願います。……別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。接収貴金属等の数最等の報告に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  62. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般の手続は先例により委員長に御一任願います。  それから多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     菊田 七平  大野 幸一     木村禧八郎  伊藤 保平     小林 政夫  西川甚五郎     小宮山常吉  岡崎 真一     木内 四郎  江田 三郎     油井賢太郎  溝淵 春次     黒田 英雄  大矢半次郎     森 八三一   —————————————
  63. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 次に食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、右について質疑を行います。
  64. 森八三一

    ○森八三一君 最近非常に食糧事情が好転したというように言われておるのでありまするが、海外から仰いでおりまする、年によつて多少の増減はありまするが、三百万トン以上の供給があるということによつて、一応量的に最少限度の数量が確保せられておるという意味が、まあ食糧事情が非常に好転したということであろうと思うのでありますが、翻つてその内容を見ますれば、今申しまするように、相当多くの数量を海外から補給をされなければ安心ができない、かような事態を根本的に考えますると、必ずしも食糧事情が非常に都合よく順調に行つておるということではなくて、更に根本的に国内の増産を図つて行くという必要が痛感されると思うのであります。そこで問題は、量の確保ということも一つの方法であることは勿論でありまするが、同時にこの問題を解決いたしまするために、質的な問題を考えて行かにやならんということも、各方面で言われておりまする当然のことであると思います。その一環として水産の発展なり、或いは畜産の拡充なりということが考えられて参りますることは必然でありまするがその一環として本年度から三カ年間でありまするが、取りあえず三カ年計画を立てまして、全国五十万の無畜農家を解消するという仕事が進められておるというように私は理解をいたしております。その施策を完成いたしますために、不足しておる飼料の補給、不足するであろう飼料の確保という問題が考えられて参つて、今回の食管法の改正によつて輸入飼料の確保をしようとすることに相成ると思いまするが、そこでお伺いいたしたいことは参考資料としてお出しを願いました飼料の需給推算でありまするが、これは今申しました、今年度から三カ年間を以て出発いたしました無畜農家解消運動を推進するために、この数量が一応計算の上で出て参りまする数量であるというように理解されて然るべきだと思いまするが、そういうように量的に考えてよろしいのかどうかということを先ず第一にお伺いいたしたいのであります。
  65. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 今お手許に配付いたしました飼料の需給推算の数字は、本年度予想家畜頭数に対しまする需要最を積算したものでございまして、従つて畜産三カ年計画の数字と一応マッチしておるというふうにお考え願つていいと思つております。
  66. 森八三一

    ○森八三一君 そこでお伺いいたしたいのは、そういうことになりますると、ここに計画されておる品種別と申しまするか、飼料の種類別の目標数字でありまするが、この数字は政府でお考えになつておる畜産拡充計画、そのそれぞれの家畜の種類から出て参りました数量ということになるのか、或いは更に突込んで参りますれば、畜産拡充三カ年計画の本年度分を推進するために、その持つておるそれぞれの飼料の成分と申しまするか、需要価値と申しまするか、そういうものがどうしても家畜の生理的な立場から、こういう種類のものを絶対に必要とするというような科学的の計算の上に立つて考えられたものであるのかどうか、この点はどうなりましようか。
  67. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 家畜及び家禽の飼料の必要量の見方でありますが、お手許に配付してあります資料について申上げますると、三枚目の「家畜家禽一頭羽当り年間飼料需要量」というのがございますが、それを御覧になればよくわかりますように、乳牛だとか、役肉牛、馬、豚、或いは緬山羊等、各家畜別に一応の給与標準というのがいろいろ研究せられた結果、出ておるのでございまして、例えば乳牛について申上げますると、モリソン氏標準というものがございましてその標準に従いまして蛋白だとか、或いは澱粉とか、その他の固形物、こういうようなものを計算をいたしまして、その総量を今度は逆に穀類で幾ら、或いは糟糠類で幾ら、或いは油粕類で幾らというふうに当てはめまして、一応従来の実績等を勘案をして作りましたのが、お手許に配付してありますところの年間の需要量でございます。ところが御承知のように、農家は自分の家でも濃厚飼料を生産をいたしておるのでありまして、その需要量の中から農家がみずから生産をいたしまする、いわゆる自給に待つものが幾らくらいあるであろうかということを、これ又従来の実績、或いは将来の見通し等によりまして積算をいたしまして、その結果最後にどういたしましても、流通飼料によつて農家が外から買わなければならない飼料がどのくらい日本にあるかということを算出をいたしましたものが、先般来申上げまする本年度の需要量として百六十万トン必要である、こういうふうに結論的に出て来た次第であります。
  68. 森八三一

    ○森八三一君 私のお伺いいたしましたのは、百六十万トンの所要量で国内補給量が百四十万トン、そうしますと不足数量は二十万トンだから、多少は安全弁をみて二十五万トンになる総体の計算は一応理解をいたしました。なお今お伺いいたしましたのは、その第三表に出ておりまするような飼料の種類別の補給所要量というものが、その家畜の何といいますか、栄養といいますか、そういうような観点からこのものを絶対に必要とするということであるのかどうか。と申しまするのは、先日も油井委員から御質問のございました、いろいろ現在この問題をめぐつて意見があるのであります。同じ飼料を確保するといたしましても、そのことに関連して行われておる国内産業との調整を考えて行くべきではないかということでありまして、それは第一に例をとりますれば、大豆粕を輸入するということではなくて大豆を輸入して国内の油脂工業の育成を図りつつ、飼料を確保して行くということも考えられて然るべきではないかという問題もあり、或いはそれに関連いたしまして大豆を輸入して国内産業の油が非常に増加するということは、今年度における菜種の非常な増産からいたしまして、菜種のほうに非常な圧迫が来るというようなことで、それを他の面から考えますると、必ずしも好ましい姿ではないというようなこともありますので、この大豆粕とか何とかいうようなものが、絶対にこの表に出ておりますような数字そのものを必要とするというふうに、強く絶対のものとして考えなければならないのかどうか。これはそういうようないろいろ生ずるであろう国内の産業との関連等を考えますると、栄養的にこれだけのものが補給されればよろしいので、このものを考えなくてもよろしいということになるのか。「とうもろこし」といつても絶対にこれでなくちやいかんのか。こういうように考えなければならんのかという点をお伺いいたすわけであります。
  69. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 家畜の給与標準につきましては、先ほど申上げましたようにそれぞれの家畜に対しまして標準の給与を与えるということを前提にいたして計算をしてあるのでありまするが、その内容はいわゆる蛋白質或いは澱粉その他の固形物、こういうふうに主なる成分を分けております。それに基いて糟糠類、穀類、油粕類というものがそれぞれ出て来るのでありますので、糟糠類、穀類、油粕類のそれぞれの内訳におきましては、或る租度流用がききますけれども、糟糠類と油粕類をそのまますぐ代替をするということになりますると、家畜に与えまする影響が相当変つて来るというふうに考えなければならないと思うのであります。只今お話の大豆粕について申上げますると、大豆粕とお話の菜種粕との間には相当の代替性が考えられると思いますし、従つて国内産の菜種の増産が相当期待されるというようなことになりますと、大豆粕の消費量は或る程度縮小するというようなことも考えられると思うのでありますが、一応我々は菜種につきましても本年度の生産目標というものを基礎にいたしまして計算をして、なお且つ大豆粕といたしまして年間四万トン程度のものが不足するから、これを一応輸入に待とう、こういう計算をいたしておるのでありますがこれの実施に当りましては市場に出廻りますところの、これらの粕類の出廻数量等と睨合せまして、実情に即するように輸入をやつて行きたいというふうに考えておる次第であります。
  70. 森八三一

    ○森八三一君 只今お話で、この大分けの流用と申しますか、置替えるということは、家畜の栄養の点から非常に困難であるが、その大きな内訳の中における個別の問題につきましては、多少の変更も考え得るというようなお話であつたのでありまするが、そういうような点を十分勘案せられまして、国内産との関連において遺憾な結果が生じない……それは油脂工業の面を考えると同時に、菜種生産の面をも考えつつ善処せられんことを希望いたしたいと思います。  次にお伺いいたしたいのは、この提案理由の最後に「価格の調整を図るために」と、こうなつておりますが、そこで先日畜産局長のお話では、大体この計画を立案した当時における輸入市場の価格と国内における時価との差が二割程度であるというお話であつたのでありまするが、その二割程度のを輸入いたしましたものを時価で配給するという、二割程度の価格の調整ということで、お考えになつておるような無畜農家の解消運動ということを、農家の経済を順調に進めて行くというようなことを考えられているのかどうか。と申しまするのは、我々が聞いておりますところでは、最初に申上げましたような趣旨からいたしまして、無畜農家の解消運動ということに農家は相当の熱意をこめて、これに対処いたしておると思いますが、遺憾ながら飼料が不足であり、そのために市価が非常に高いということから、経済的には無畜の解消運動に乗込んで行く勇気を非常に阻害しておるというように聞くのであります。それを補うためにこれが出たわけでありますが、そこで数量は補給せられるが、価格が現在の時価程度ということになりますと、これ又無畜農家の立場がら申しますれば、折角家畜を導入いたしましても、経済的には逆になつて、却つて家畜を導入したために農家の経済は逆な結果を来たすというようなことも考えられはせんかという心配を持つのでありますが、そういうことはこの措置によつて解消するとお考えになるのかどうか。もつと端的に申しますならば、もう少し徹底した補給をしなければいかんのじやないかという気持を持つのでありますが、その辺の見通しはどうなのか、お話をお伺いしたいと思います。
  71. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 無畜農家の解消につきましては、お話のように政府といたしましてもいろいろ施策をいたしまして努力もいたしておるのでありまするが、この場合問題となります飼料につきましては、我々といたしましてはできるだけ自給飼料によりまする無畜農家の解消という線を強く考えたいと思つておるのでありまして、従いまして本年度の家畜導入の方針といたしましても、先ず農家の経営の内容におきまして飼料の自給度の高いところを優先的に取上げまして、これに家畜を導入するという行き方で進めて参りたいというふうに思つておるのであります。併しながら全部の飼料を自給飼料にのみ求めるということも困難でありまするので、必要最小限度のものにつきましては政府におきましてもできるだけこの数量を確保するということに努力をいたしたいと考えておるのでありまして、今度提案されております趣旨も、そういう意味におきまして、輸入飼料の必要量を政府の責任において確保する、而も又それを時期的に調整することによりまして、農家に安心して家畜を飼つて頂くようにしたいというふうに思つておるのでありまするが、その数量につきましては、これは或る程度数量が多くなれば、成るほど価格が瞬くなるということになるのでありまするけれども、一面従来からの輸入実績等、或いは輸出先の事情等をも考えられますので、一応本年度はこの二十五万トンを確保することによりまして、価格の安定を庶幾するということにいたしたいと考えておるような次第であります。
  72. 森八三一

    ○森八三一君 まあ数から言えば不足しておるから価格が高いので、供給量が殖えて来れば、経済原則に従つてつてつて、正常なところに価格が落着くであろう。そういうことになりますれば、畜産農家としても不足する部分だけを補給することでありますので、この有畜農業が経済的に成り立つて行くというように一応は考えられまするが、実際の問題としては、この制度がうまく活用せられるということになりましても、政府が売り渡しまする価格は時価で競争入札なり、随意契約で渡されるわけでありますので、時価がそんなに急激に下つて来ないということになりますると、畜産農家としてはやはり経済的に成り立たんということが、これは当然起きて来ると思うのでございますが、そこまでもう一歩踏み込んで頂かんというと、折角こういうように量を確保頂きましても、そのことは農家に本当の利益をもたらすという結論を生まんのではないか、そういう点について勿論これは予算的な措置を必要とすることでありますので、今後お考えになつておるということであれば、そういう点についても一つお話を願いたいと思いますが、私の聞かんとするところは、この措置を講ずれば経済的に需給数量のバランスがとれるということで、正常なところまで価格は下つて来るというように考えられるのだということであるのかどうかという一点を、重ねてお伺いしたいと思います。
  73. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 輸入飼料の価格が今後の問題になつて参りまするのは、端境期の価格が如何に推移するかという点であるのでありまするがこの点は御承知のように、昨年一昨年等の経験に徴しますると、例えば「ふすま」について申上げますると、大体端境期の値段は夏場の値段の五割乃至十割、即ち倍近いところまで値が上るというようなことを従来の経験が教えておるのでありまするが、この場合につきまして政府といたしましては、或いは「とうもろこし」でありますとか、或いは「ふすま」等を特定の値段つで特配をしたというようなことによりまして、市場の価格の安定を期した経験を持つておるのでありますが、その場合におきまして大体政府が放出いたしました数量は、これは別にお手許に配付してありますところの資料でおわかり願えますように昨年の暮から今年の初めにかけまして、大体総量において八万トン程度であつたのでありまするが、十分とは申上げられませんけれども、これによりまして成る程度市場の価格を操作し得たというふうに考えるのであります。今度この法案が成立をいたしまして、政府が二十万トン程度数量を端境期に持つて来るということは、市場価格を形成する上におきまして、又その価格を安定せしめる上におきまして非常な大きな効果を持ち得るものだというふうに私たちは期待をいたしておるような次第でございます。
  74. 森八三一

    ○森八三一君 私の質問の仕方が惡いのか知れませんが……、政府がこの措置を実施するに当つて、価格についてお考えになつておるのは、飽くまで時価を価格にするという建前であろうと思うのであります。そういたしますると、仮に米糠にとたしましても、「ふすま」にいたしましても、現在の「ふすま」の生産者と申しまするか、製粉業者等にいたしますると、やはり「ふすま」が現在の時価程度を保つておらなければ、その工業が成り立たないというようなことに置かれておるのじやないかと思うのであります。或いは大豆粕にいたしましても、油脂工業そのものが現在程度の粕価を維持して行かなければ工業は成り立たん。そこで政府が輸入したものを非常に安く売るということになりますれば別でありますが、時価で売られるとなりますれば、時価はやはりその持つております本質で下つて来ない。そうなりますると、量は確保せられましても有畜農家としては高いものを買わなきやならんということで、結局有畜農業というものは経済的に成り立たないという結論に追い込まれているのじやないか。数量は確保されましたが、時価で配給せられるということになれば、その時価は国内産の他の産業における経済的関係から、そんなに下つて来るということは考えられないのじやないか。若しそれを強いて下げて行くということになれば製粉業なり、或いは油脂工業が成立たないという結果に追込まれて行きやせんか。そうしますれば結局量は確保されましても、価格的、経済的には、そんなに有畜農家を裨益するという結果は生れて来ないのではないかという気がいたすのでありますが、そういうことにならない、経済的に成立つ程度の価格で供給せられるということが言い得られるかどうか。若しそれを言い得られるようにいたしますとしますれば、これは別個の配給の制度を立てなければうまく行かんのではないかというような気がいたすのでありますが、その辺は一体どう政府はお考えになつたのか。提案者のほうも、この点どうお考えになつておるのか。数量を確保しておけば、価格の点は時価でいいじやないかという考えか。数量を確保すれば時価が下つて行くというふうにとられるのか。現在でも米の配給をやつております業者からは、配給手数料が少くて、もつと上げてもらわなければいかんという要望が相当出ておる。こういうことが解決されるまでは、結局生産品である米糠なり「ふすま」なりというものは、相当の価格を保つということに勢いなつて行くのではないかというふうに考えられますが、その辺は如何になつておるのか。その点をお伺いいたします。
  75. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 飼料の価格の問題でありますが、大体この濃厚飼料の価格は「ふすま」が中心になりまして、飼料価格が形成されるのが通例であるのであります。時価と申しました価格は、現在のところ大体「ふすま」については三十キロ一俵六百円程度を考えておるのでありまするが、その六百円程度の「ふすま」が、実はこの端境期になりますると、これが五割も、或いは七割も八割も上りまして、七百円にもなり、八百円にもなると、こういうのが従来の例であるのであります。従つて我々といたしましてはこの際の処置といたしましては、その七百円なり八百円に上りましたところの「ふすま」の値段を、我々の今考えております時価六百円程度のものに、これを引下げるように操作をしたい。そのためには、今回のような措置によりまして、輸入飼料を豊富に、政府の責任において確保しておく。それから必要なる「ふすま」を生産をし、これによつて「ふすま」の市場価格を操作するということができますれば、六百円程度時価にこれを安定することができるのではないか。又そういうふうにしたいというのが今度の法案の狙いであるというふうに我々は考えておる次第であります。
  76. 森八三一

    ○森八三一君 私申上げましたのは端境期八百円に値上りする、然らざる時期に六百円である。その六百円と八百円をプールせられて、製粉業というものが一応成立つておる。こういうことの前提に立つております。それで年間を通じて六百円になるということは、これは有畜農家の立場から見れば非常に結構なことでありますが、それによつて生ずる附随産業の圧迫というものはどうなるのか。それを無視して考えましたらこれは実際の経済上の動きというものはそうは行きませんので、そこでそういうことを無視せずして、順調にこの仕事が目的を達するようにいたしますためには、もう少し具体的な補給の制度を考えなければいかんのではないかという気がいたすのでありますが、それを考えずしてこの目的を達するということは非常に困難であるということを申上げておるのであります。そういう点について今後十分一つ御研究を願いましてこの制度そのものが本当に生きて、有畜農家のために働き得るように作つて頂きたい。ただ数量を確保したというだけでは有畜農家はこれについて来ないという結果が生れて根本的に質的に食糧問題を解決するという政府の狙つておるところを、又民間でも非常に希望しておるところを具現するということはできなくなるんではないかという心配を持つのでありますので、そういう点を十分一つお考えを頂きたいと思うのでございます。  その次にお伺いをいたしたいのは、価格の調整をやるということでありますが、そういう関係からして国内産のものには全然手を触れないで、これはまあ同じような意味になるかも知れませんが、いいのかどうかという点はどうお考えになるのか。国産のものは放りつぱなしでおいていい、それで調整はつくんだというようにお考えになるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  77. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 飼料の需給調整並びに価格の安定を図りますために、その調整の方法につきましてはいろいろ方法はあろうかと考えます。最も徹底した考え方といたしましては、話のように輸入物も或いは国内物も一緒にいたしまして、いわゆる配給統制を徹底をするということが最も簡潔で徹底した方法であることは否めないと考えるのでありまするが、併し又一面、飼料のように主としてほかの産業の副産物というふうに考えられますところの数多くの種類のものを、一々配給統制をするということも実際問題としては非常に困難でありますので、この際といたしましては取あえず輸入物だけを政府が管理をいたしまして、それによつてできるだけ国内のものについてもその価格の安定を図るようにしたいというのが狙いであるのでありまするが、勿論この場合におきましても国内のものについて或る程度需給操作をし得る途がありますれば、なお需給上好ましい結果がもたらされるというふうに考えられます。併しどの程度に国内のものに手を触れるかというようなことにつきましては、やはりそれぞれそのときの情勢に応じまして必要がありますれば、行政的な処置によりまして業者といろいろ話合いを進めまして、政府の考え方に協力をしてもらうというような行き方で考えてみたらどうかというふうに考えておるような次第であります。
  78. 森八三一

    ○森八三一君 その次に配給上の問題で二、三お伺いをしたいと思いますが、第一は、種類によりましては必ずしも餌専用のものではなくて他の用途と競合しておるものがあると思いますが、折角政府が輸入をいたしまして畜産振興のために配給せられましたものが、他の用途のほうへ流れて行くという危険がないとは言えないと思うのでありまするが、そういうことについて何かそういう結果が生じないような対策をお考えになつておるのかどうか、それが一点。  それから今申上げましたような価格上の問題に触れるわけでありまするが、この配給に関しまして、お話によりますると、二十五万トンの輸入をして輸入格価と時価との差が大体二十億程度政府の負担になるのではないかということであつて国民の負担で二十億もの負担をしたものが中間で変なことになつてしまうというようなことになつては非常に遺憾でありまするが、そういうことから少くとも政府が配給いたしましたものについては最終価格を指定するというところまでお考えになるのかならんのか。これは法律とか或いは物価統制令できめるということでなくて何か配給業者にそういうような指示をされるのかどうか、そういう心構えはどうでありまするかをお伺いをいたしたいと思います。
  79. 長谷川清

    政府雲量(長谷川清君) 政府の確保いたしました輸入飼料の配給につきましては、過日も申上げましたように、飼料に関する需給調整協議会を設けまして、関係者の間において慎重に審議をとて頂きまして、お話のように折角政府が確保いたしましたものが他の用途に流れるとか或いは末端のほうにおきまして不当なる価格で販売せられることのないようにいたしたいというふうに考えておる次第であります。
  80. 森八三一

    ○森八三一君 そこで、お話がありましたように、そういう価格上の問題なり或いは他用途に流れて行くということを防止し、本来の目的に副うように、これが使用せられますようにいたしまするために協議会を設けて十分審議してやる。そのことはいつかもお話がありましたように、主として畜産農家の構成しておるような団体等を中心にやつて行くんだというようなお話これはまあ非常に御尤もと思うのでございます。曾つて行われました八万数千トンの政府手持の餌の放出につきましても、大体そういうような処置が講ぜられておるのでありまするが、ここで一つお伺いをいたしたいことは、畜産農家といたしましては飽くまでも経済的に安いものを要求するわけでありまするが、曾つての配給におきましても工場に配給いたしましたものは配給先別数量で見ますると一番多くの数量を占めておる。これは大体加工用の原料と思うのでありまするが、配合飼料の原料として配給せられたものと思うのでありまするが今後もそういうようなことが考えられるのかどうか。私の申上げたいことは、大体そのものを配給されれば、それで畜産農家はそれぞれ技術者もおりまするので十分その家畜に適合するような配合をして補給をするということが可能であるように思うのでありまするが、若し配合原料等にこれが多く廻されるということになりますると、却つて配合のために多くの余分の経費がかかつて農家に来る場合にはそのことによつて非常に高いという結果が生れる危険がないとは言えん、こう思うのであります。結局少くとも政府の入荷されましたものについては各団体を通じて直接そのものとして配給されることが好ましい姿のように思うのでございますがその点については一体どうお考えになるのか。
  81. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 飼料の配給につきまして、これを「とうもろこし」、大豆粕、「ふすま」等、それぞれの形でいわゆる単味で実需者まで渡すのがいいのか、或いは一定の規格によつてこれらの単味の飼料を適当に配合していわゆる配合飼料として実需者に渡すほうがいいかという点につきましては、これはいろいろ実情があるようでありましてものによりましては単味で直接実需者が受けるほうがいいものもあります代りに、又或いは養鶏飼料でありますとか或いは乳牛の飼料等につきましては一定の化学的な検討を受けました配合割合で配合して、それを実需者に配給するほうが、実需者の便益から言いまして都合がいいというようなものもあるのでありますので、それは具体的に、これらの飼料がどの方面に流れるかということによつて、具体的に考えて参りたいというふうに思うのであります。ただ配合飼料に廻ります場合におきましては、成るべくそのものが的確に配合せられ、その価格も的確に政府の期待しておる価格で実需者に渡りますように特定の配合飼料を作るというような処置を考えまして、所期の目的を達するようにいたしたいというふうに考えておる次第であります。
  82. 森八三一

    ○森八三一君 まあ、お話のように配合をしてやつたほうがいいという場合が絶対ないというように断言をすることは如何かと思うのでありますが、今日の地方における実情から申しますれば、大体どこの地方にも畜産に関する技術者は普及をいたしておりまして十分指導する能力を持つておるということでありますので、配給につきましては、でき得る限りそのものを直接に配給されるような制度が好ましいと思いますので、十分御研究を願いたいと思います。同時にその配給の衝に当りまする団体の問題でありまするが、この前のときには参考資料としてお出しになつておるように、主として畜産関係の飼料を取扱つておる農家の組織する団体を中心に行われておるのでありまするが、このことにつきましても、これは形式的に畜産者団体が組織しておるということだけでは、飼料の配給はうまく行かんのではないかというような気持を、この前の配給の実績等からしばしば聞かされるのでありまして、この団体の選定等につきましては、いずれ協議会で十分協議されることとは思うのでありますが、徒らに形式に拘泥しないで、本当に飼料の配給に実際の力を持つておる団体を中心に考えられて行くということを十分お考えにならんと、必ずしも畜産農家が組織しておる団体だから、それはそのまま無条件に信用してよろしいということではないので、むしろこういう政府が輸入して配給するという取扱に関連をして、その団体の何か力を規制をして行く具にこれを使うというような点がないでもないかと思いますので、配給団体の選定につきましては、これは実際にその配給について力を持つておる、経験券のあるというようなことを中心にお考え願わないと、これによつていろいろな問題が巻き起つて来る危険性がないとは言えませんし、この前の配給の経過等につきましても、そういうことをしばしば聞かされるのであります。勿論それが真であるか偽であるか、私はその実態を調査したわけではありませんが、そういうことをしばしば聞くのでありますが、そういう点については十分一つ御考究を頂きたいと思うのであります。  それから配給上の問題でお伺いいたしたいのは、第三点として競争入札と随意契約というような二つの方法をお考えになつておる模様でありますが、競争入札と随意契約……団体を通じて配給をするということでありますれば、おおむね大体府県別の数量等を策定されるとか、その団体の配給対象の畜産農家を対象とされるということで、おおむね数量もきまつて来ようと思うのでありますが、それにもかかわらずなお且つ競争入札の制度をとらなければならん必要がどこにあるのかと、ちよつと理解に苦しむのでありますが、これは私の考えで申上げますれば、今申上げたように数量の取扱について実際に力を持つておる団体を選定し、その組織負の畜産の実力というものを勘案して数量をきめる。それを府県別に数量が策定されるということであれば、おおむね随意契約が中心になつてこそ、その目的を達するのじやないかという気がするのでございますが、その点はどつちに重点を置くか。若し競争入札でやるということになりますと、これは価格によつて府県別の数量等にもアンバランスが起きたり、或いはその団体の組織しておる畜産農家に対して供給が十分公平に行かないという結果が生まれることもあるのじやないかと思うのでありますが、その辺は一体どうお考えになるのか。私はやはり基本的に府県別の数量が策定せられ、その取扱団体を組織しておる団体の組合員の数なり、その数から生ずる家畜の頭数等が大体は策定できるので、随意契約が中心になつて然るべきではないか。むしろそのほうが目的を達するのじやないかど思うのでありますが、実際に取扱う方面においてはどう扱われるのかをお伺いしたい。
  83. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) こういう方法によりまして輸入飼料を政府が加工するということになりますれば、相当市場価格を牽制いたしまして、その安定を図ることができるというふうに考えられますが、そうなりまして、市場の価格が時価に近い場合におきましてはあえて指名入札或いは随意契約によりませんでも、一般の競争入札によつて払下げることで目的を達するというふうに考えられるのでありまするが、併しなおこの方法によりまして一般の市場価格が我々の考えておりまする時価を相当上廻るというような事態になりますれば、止むを得ず競争入札を避けて随意契約によつてこれを払下げるということをいたしたいというふうに考えておるのでありまして、その場合におきましては、お話のように府県別その他適当なる割振りを講じまして主として実需者団体を中心に配給をするということになろうと考えておる次第であります。
  84. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今日はもう時間がありませんから質疑はこの次に私はしたいと思うのでありますが、資料の要求をしたいのです。それは今日出されました「昭和二十七年度流通飼料需給推算」としうのがありますが、この糟糠類、穀類、油粕類、これの全部の各品目ことの一年間を通じて各月の相場の高低を示した表を出して頂きたいのです。これは最高価とそれから最低値と、各個の差を……、これはどうしてこういうことを申上げるかというと、政府委員の説明で相当相場の高低というようなことに中心を置いて、いわゆる価格の安定ということを図りたいという以上は、どういう時期にどういうふうな相場が現出しているかということを我々が知る心要があると思うのです。そこで又この間、たしか大豆粕の相場をアメリカで百十五ドルということをあなたのほうからお話になつたので、これは少し数字が違うのじやないかと言つたら、六月の衆議院委員会当時の値段であつて、現在の価格は百二十三ドルだ。そこで私のほうで調べますというと、百四十ドル内外と最近言われておりますね。こういうように値段が違うというと、政府の一体そういう資料というものはどこから出されるのか、我々のほうで疑問を生じます。少くとも政府で出される資料というものは、相当根拠のある、誰から見ても妥当だという数字を出して頂きたいということを特に附加えて私のほうに資料を出して頂きたいと思います。
  85. 江田三郎

    江田三郎君 いろいろ問題があるのですが、又質問は明日やりますけれども、ただ一つはつきりしておきたいのは、その時価によつてという場合の時価でございますね。それは先ほどの質問に対するお答えを聞いておりますと、時価というのは端境期等の特に釣り上つた相場でなしに、その他の場合の相場というように答弁ができておつたようでして、そう解釈してよろしいのか。そういう計算で二十億円という赤字を想定されておるのか。若しそうであれば、この際普通の状態における時価というものは各品目について具体的にどういう相場に見積つておられるのか。それをやはり資料として出して頂きたいと思います。その時価ということだけをはつきりして、その時価の定義だけを答えて頂きたい。先ほど森さんにお答えの通りなのかどうか。
  86. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 「とうもろこし」等内地で生産されますものにつきましては、大体内地で生産されるものの市場価格を中心に考えておりますが、大豆粕、「ふすま」等の価格につきましては、その工場生産におけるあるべき価格と考えられます市場価格を基本に考えておるような次第でございます。
  87. 江田三郎

    江田三郎君 ちよつと違つて来ると思う。そうでなしに内地の市場価格が端境期に非常に釣上つて来るとそういうことでなしに、この時価というものは端境期の釣り上つていないときの、普通のときの相場というように先ほどつておるので、そういう解釈でいいのかどうかということなんです。それならばそれではつきりとした資料を出して頂きたいのです。
  88. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) お話のように一応安定しておる場合の市場価格というように考えておる次第でございます。
  89. 江田三郎

    江田三郎君 これはこの次でいいから、はつきりとした答弁を頂きたい。これは先ほどのようにあるべき相場ということになると、いろいろな解釈が出て来るのです。ですから具体的に数字を出して頂きたいと思うので、そういう意味資料をお願いいたします。
  90. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) まだ御質疑がたくさんあるようでございますが、これから請願、陳情の小委員会をお願いすることになつております。なお厚生との連合委員会が午後一時からございますので、今日はこれで散会いたします。    午後零時三十二分散会