○溝淵春次君 この際日本銀行総裁一万田氏に本
委員会に来て頂いて、独立後の日本金融政策についての日銀総裁としての意見をお聞きし
たらと思い
まするので、本
委員会において一万田総裁の御意見を聞くべしとの動議を提出いたし
ます。
理由は「日本銀行ハ國家經済總カノ適切ナル發揮ヲ圖ル為國家ノ政策ニ郎シ通貨ノ調節、金融ノ調整及信用
制度ノ保持育成ニ任ズルヲ以テ
目的トス」という、この日本銀行法の第一條の
目的によ
つて設立されたのであり
ますが、制定された
昭和十七年、更に終戰後の
昭和二十年の
改正等、二十二年、二十三年、二十四年、二十六年、逐次日本銀行法は
改正されて参りましたが、戰争中における状態と戰後における金融の状態と更に二十八日の午後十時三十分を期しての講和條約なり安保條約の発効によりまして、日本の独立が確立いたしました。そういたし
ますると、今日まで占領治下における金融政策と今後における金融政策との上におきまして、大局は大蔵所管大臣のそれぞれの
目的によ
つて決せられるのであると思い
まするけれども、金融の面を担当する日本銀行のあり方について十分当
委員会においても検討を加え、そうして日本銀行の持つその
目的に副うように運用して行かなければならんと思うのであり
ますが、一万田総裁の独立後における金融政策に対する見解をお聞きし、そうして将来日本の金融政策に対しての確固たる方針の下に、今日大企業は相当国家の保護を受けておる形がとられており
ますが、中小企業、地方農村の人々におきましても結局悩んでおる問題は金融の問題でありまして、いろいろなる事項が論ぜられましても、帰結するところ金融の問題が如何に解決されるかによりましてすべては決定されるのでござい
まするから、これにつきまして十分日銀を背負うて立つ総裁の意見を聞きまして、
大蔵委員会といたしましても今後日本の大蔵所管の事項についての適切なる
委員会の
審議を遂げて行く上におきまして必要だと存じ
まするので、日銀総裁の一万田氏の意見を求めるために出席を求むるの動議を提出いたし
ます。
併せてこの際他の民間銀行のかたがたの代表的な意見を聞く必要もあるのじやないかと思い
まするので、
委員長におかせられて適当に先輩
委員各位の御意見を徴せられて、他の銀行のかたがたの意見を聞くことについても適切なる考慮を拂われんことを附言いたしておき
ます。