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1952-04-16 第13回国会 参議院 大蔵委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月十六日(水曜日)    午前十時三十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            菊川 孝夫君    委員            岡崎 真一君            黒田 英雄君            溝淵 春次君            小宮山常吉君            森 八三一君            野溝  勝君            油井賢太郎君            木村禧八郎君   政府委員    特別調達庁財務    部長      川田 三郎君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    大蔵省主税局長 平田敬一郎君    大蔵省主税局税    関部長     北島 武雄君   事務局側    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君   説明員    大蔵省管財局総    務課長     小林 英三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障條約第三條に基く行政協定の  実施に伴う所得税法等臨時特例に  関する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障條約第三條に基く行政協定の  実施に伴う関税法等臨時特例に関  する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障條約第三條に基く行政協定の  実施に伴う国有財産管理に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障條約第三條に基く行政協定の  実施に伴う国税犯則取締法等臨時  特例に関する法律案内閣提出、衆  議院送付) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障條約第三條に基く行政協定の  実施に伴うたばこ專売法等臨時特  例に関する法律案内閣送付) ○特別調達資金設置令の一部を改正す  る法律案内閣送付)   —————————————
  2. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 第四十回の大蔵委員会を開会いたします  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う所得税法等臨時特例に関する法律案、同国税犯則取締法等臨時特例に関する法律案、同関税法等臨時特例に関する法律案、同国有財産管理に関する法律案、同たばこ専売法等臨時特例に関する法律案予備審査特別調達資金設置例の一部を改正する法律案予備審査)右六件について質疑を行います。
  3. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その前にちよつとあとでよろしいのですが諮つて頂きたいことがあるのです。それは合同審査の問題ですが、電源開発促進法案ですが、あの電源開発に関する法律案は恐らく安定委員会にかかつておるのじやないかと思うのですが、あれはまあ外資導入の問題もありますし、それから国内資金も相当動員するわけでありますが、それと関係がありますのでできましたら合同審査を申入れて頂きたいのですが、これをお諮り願いたいと思いますが。
  4. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  5. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。
  6. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この国有財産管理に関する法律案について質問したいのですが、この法律案目的は、行政協定第三條に基いて国有財産管理、処分するというのですが、第二條において「国は、日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第一條に掲げる目的遂行するため」に無償国有財産使用を許す。安保條約第一條に掲げる目的遂行といいますと非常に範囲が広くなつて来るのですが、その範囲をどの程度に考えられておるのか。これは安保條約審議のときにも非常に問題になつた。これは岡崎さんにも別の機会に質問しなければならないのですが、この極東における国際の平和と安全の維持に寄與し、それからまあそのほかに「内乱、騒じようを鎭圧する」、そういうためにアメリカ軍が駐留することになつておる。「極東における国際の平和と安全の維持に寄與し、」その範囲は相当広いと思うのですね。そこで国有財産使用を許す範囲というものを大体どの程度に考えられておるのか。殆んど日本国有財産全体が一応対象になるような非常に広範のものじやないかと思うのですが、その範囲をどの程度に考えられておるのか、先ずそれを聞きたい。
  7. 小林英三

    説明員小林英三君) 只今の御質問でございますが、この国有財産管理に関する法律の第二條は、実を申しますと行政協定の第二條にございます「日本国は、合衆国に対し、安全保障條約第一條に掲げる目的遂行に必要な」というところの規定と申しますか、勿論行政協定のあれがいろいろございましようが、この法律作つた趣旨といたしましてはこうした規定を受けておるのでございます。今御質問範囲はどうか、こういうような問題でございまするが、実を申しますとこの国有財産管理に関する法律は一応こういう前提があるわけでございます。アメリカ合衆国軍隊の用にどの財産を供するかどうかということについての取極めと申しますか、それがきまつたということを前提といたしまして、そのきまつたものが国有のものでありますれば、これを無償使用を認めるということになつております。従つてこの法律といたしましては、どの財産をどういうように提供するかということについてはこの法律としては触れてない、こういうことになります。
  8. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そこでいろいろな疑問が出て来るのですが、日本国民としては国有財産の中でこういうものに使われてもらつちや困るといういろいろな施設やなんかがあると思うのですが、そういうときにいろいろ條件が付いておれば問題にならないのですが、今のお話ですと一応向うとこれこれ使うということがきまつて、それがたまたま国有財産であつた場合にそれを無償で貸興する、こういうことになつておるのですがね。そこで具体的にお伺いしたいのですが、連合国軍使用財産というのを資料として頂いたのです。この中には民有財産国有財産もありますが、三月三十一日現在で五千三百七十二億円ですか、これは正確かどうかわかりませんが一応そういう資料を頂いたのですが、これは今後この範囲はもつと大きくなる公算が大きいのかどうか。大体この程度のものが今後無償使用されると理解してよろしいのですかどうですか。
  9. 小林英三

    説明員小林英三君) 実はその資料につきましては、この委員会のほうに御要求がありましたけれども、まだこの数字正確性その他から申しましてまだ発表すべき筋合のものでもないので、委員会のほうに正式に提出をせず特に木村委員のほうからという御要求がありましたので、私のほうのまだ発表しないようなものについて差上げたわけでありますからその点御了承おき願いまして、只今の御質問についてお答え申上げたいと思いますが、御承知通り連合国使用している財産というものにつきましては、一応占領軍が進駐して来たということで使つておる財産のほかに、これはもう勿論旧軍用財産というのも或いは民有財産を接収したというのもございますし、更に又新しく終戦処理費使つた財産というようなものもございます、なおこのほかには例の国連軍として、現在は占領軍でございますが、英濠軍の使つておるようなものもある。こういうことでございますが、この数字がどの程度動くかということにつきましては、実は個々的にすべての施設をやつておるのでございまして、或る場合においてはこれが減るというようなケースもあるわけでございます。ただ問題は新しくいろいろなもので作るような場合も考えられて来るわけでございますが、この点を抜きにいたしますと、私のほうといたしましてはそれは減るのではないか。又もつと減らしてもらうという考え方におきまして、先ほど御指摘がありましたような個々の具体的な問題につきまして、この点はこつちで使うのだからということで折衝しておるようなことでございます。まだ明確にどの程度になりますかということを申上げられないことは甚だ残念でございます。
  10. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 国連軍の今使用しておるのはどういうことになりますか。
  11. 小林英三

    説明員小林英三君) この国有財産管理に関する法律といたしましては、国連軍のことについては一切関係がないのでございます。
  12. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そこで別に協定とか何かを結ばなければならないということになるのですか。
  13. 小林英三

    説明員小林英三君) この問題はこの国有財産全部の問題のみならず、いろいろなほかに関連いたしますので、この場合主税局長が申上げたように別途協定がなされるように聞いております。
  14. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 今の民有財産連合国使用せしめる場合、それはどういう形ですか、無償連合国には貸興するのですか。民有財産のことです。
  15. 小林英三

    説明員小林英三君) 行政協定の中に定められた目的のために、駐留するような軍隊が使う場合におきましては、国として使用を認める場合においては民有財産につきましても、国としてはアメリカ軍に対してはその使用料を取らない、こういうことになつております。
  16. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういたしますと、私有財産については一応日本国がその私有財産を提供しておる日本国民に、その補償料なり使用料なりを拂うのですね。そうしてその資金関係はどうなんですか。今までは終戰処理費からそういうものは拂つてつた。今後はそれは防衛分担金の勘定から拂うことになるのかどうか。それらの関係ちよつと伺いたい。
  17. 小林英三

    説明員小林英三君) 実はこの民有財産につきましては私のほうの直接所管でございませんで、特別調達庁或いは主計局のほうから説明があることと存じますが、私の聞いておる範囲といたしましては民有賜産の、今木村委員からお話がありましたようなこの使用料なり或いは補償料という問題につきましては、防衛支出金のうち予算額としては大体九十二億と聞いておりますがその中から拂われるというようなことでございます。
  18. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 今までの御説明では一応民有財産でも講和後駐留軍に貸す場合には、政府所有者に代価或いは使用料拂つて、そうして進駐軍なり駐留軍に使わせる。こういうお話ですが、今後新規にそういう不動産使用するようになつた場合、その不動産私有財産である個人の財産であるという場合、その立退を命ぜられたり何かある場合、そういうものの移転料とかそういうものはどういうふうになるのですか。
  19. 小林英三

    説明員小林英三君) これは私ども国有財産のほうの関係をやつていないところで御説明するのは如何かと思いますが、私のほうで聞いておる範囲その他について御説明申上げてみたいと思います。実はこの民有土地等使用につきましては別に特別法案という形で御審議願うと聞いておりますが、この場合においても補償関係につきまして、これを通常の賃貸借契約使用料を拂い得るような場合におきましては勿論強制收用の問題もございましようが、この行政協定の取極によりまして、どうしてもそこの民有財産について提供しなければならんというような約束をするようになる場合におきまして、当該の所有者なり或いはその他の権利者が、その財産につきまして政府のほうに貸すなり或いは又そういう点を承諾しないような場合におきましては、今申上げたようなこの法律土地等使用又は收用ということをするわけでありますが、これについての補償関係につきましても別途いろいろな補償の基準とかいろいろなものをやりまして損失を補償するということになるように聞いております。
  20. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうして一応国が接收した今度は国有財産になるのです。それを今度は駐留軍に貸すときは無料なんですね。そこが我々としては納得行かないのですよ。それは当然防衛分担金に含めるべきです。だから防衛分担金から差引くべきだと思う。我々としてはですよ。  それからもう一つ伺いたいのはいろいろな土地物件使用料その他こういうものは、今国有のものとしてはこれはどれくらいになりますか、現在。その現在進駐軍に貸しているもの、こういうものは金額に見積ると使用料としてどれくらいになるか、これはもうごく大ざつぱでいいです。
  21. 小林英三

    説明員小林英三君) 一番目の御質問の点でございますが、この民有財産関係使用数なりその他に相当するものにつきましては、防衛支出金といたしましての一億五千五百万ドルですが、日本側負担する金額範囲でそれが大体九十二億ということでそこから差引くということになつております。ただ国有財産のほうについては金額がそこから差引くということになつておらないのでございます。  それから第二の御質問でございますが、現在進駐軍にどの程度その使用料として若しとればどれくらいになるかというようなお話でございますが、大体まあ私のほうでは実はこの計算もしておらないのでございますが、一応まあラフに見積れば四、五十億じやないかというような計算もしておるわけでございます。
  22. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほどの九十何億は使用料ですね。ですからその場合には民有不動産政府收用した場合、それによつて生ずる補償関係も入るのですか。
  23. 小林英三

    説明員小林英三君) 私のほうが主計局のほうから聞きまして、それから又この前主計局長お話なつた点からでございますが、大体現在の使用料につきまして相当こう安くなつておりますので、その点も相当今後この切替えのときに上げる、併しそのほかにいろいろな又民有の借上げの場合もあるしというようなことを計算し、それから又いろいろな補償金その他も含めて九十二億でやり得るだろう。こういうところでございますので、御質問の点も今の九十二億の中に入つているのだろうというふうに聞いております。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 補償関係も入つている。  それから第二の問題です、この現在進駐軍使用せしめている国有財産賃貸料、これを一応概算して見れば四、五十億と言われたのですが、併しこれは又正確にやつてみなければわかりませんが、一応まあ我々に渡して頂いたこの資料を見ればそんな安いものじやないように思われます。仮に金利を非常に安い五分と見積つても百五十億は超えていると思うのですね。ですからそれだけのものは、これはまあ今度大臣に伺わなければならないですがあとで、一応事務当局としてお伺いしたいことは我々の解釈のし方ですね。防衛分担金以外にまあその金額が幾らになるか、これは一応別問題にしまして、それ以外に無償でこの防衛分担金として、分担として負担していると、こういうふうに解釈していいわけですね。
  25. 小林英三

    説明員小林英三君) これにつきましては差当りとしてはそういうことになるかと思いますが、将来においていろいろな又協定といいますか、いろいろな又取極によつてその点も改正される余地はあるというふうに我々聞いております。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはどういうことなんですか、将来その余地があるというのは。進駐軍駐留軍移転する移転費についてはそういうようなことがあり得るようなことは、まあ新聞なんか見て想像しておつたのですが、それはリツジウエイ大将主務大臣と会見して移転に関する費用は一切日本に迷惑をかけないというように言つたところから見て、あの例の五百六十億についてはそういうことも言えますが、これについてはどういうわけで将来そういうことがあり得るのですか。これも将来今無償国有財産を提供しておるから、それも使用料を一応換算して防衛分担金から差引くことが可能である、将来そういう可能性もある、こういうふうに解していいわけですか。
  27. 小林英三

    説明員小林英三君) 或いは私の説明が不十分だつたかと思いますが、この行政協定では無償協定存続期間中合衆国負担をかけないで提供するということがありまして、これは形式論ということになりましようか、いろいろな協定の取極如何によつては又そういうこともあり得るのじやないかというだけのことでございます。
  28. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 一応わかりました、その点は。今の防衛分担金以外にそういうものを無償で提供していいのだという、そうするとそれは例えば使用料賃貸料に換算すれば先ほど御説明なつた少くとも四・五十億、私はもつと多いと思うのですがそういうものが負担なつて来ると思う。こうまあ了解できたわけです。この民有不動産や何かを接收した場合のその費用を、米比協定なんかではその立退かされる居住者のその移転費なんかは、これはアメリカフィリピン政府に弁済することになつているのですね。そうすると日本の場合ではどうなんですか、今度の場合は。
  29. 小林英三

    説明員小林英三君) 民有のいろいろな移転補償とか若しそういうような場合がありますれば、先ほど申上げました防衛支出金の中のといいますか、この九十二億の範囲で拂うということになるわけでございます。
  30. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうするとアメリカがこれは弁済するのじやないということですね、そうですね。
  31. 小林英三

    説明員小林英三君) 防衛支出金の中から拂う、こういうことでございます。    〔委員長退席理事大矢半次郎委員長席に着く〕
  32. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 わかりました。それから第五條ですが、「国有財産法第二十四條の規定は、第二條規定により合衆国国有財産使用を許すため必要を生じた場合について準用する。」こうなつていますが、頂いた資料の中に二十四條の規定ちよつとないのですが、これはどういう意味ですか。
  33. 小林英三

    説明員小林英三君) この国有財産法におきましては実は民法の特例を設けているわけであります。でこの国有財産法の二十四條におきましては、国有財産を貸付けておいた場合におきまして、国がどうしてもいろんな公用とか公共の仕事に使う場合におきましては解除権を行使することができると、こういう規定なつております。そこでこの第五條におきまして、こうしたどうしても国有財産について現在これを貸しているような場合におきまして、これを提供しなきやならんというようなまあ約束をしたという場合におきましては、これを解除権を行使して行かなければならん。こういう解除権を行使し得る規定を設けるために、第五條にこうした法律技術的にこういう規定を置いたわけでございます。
  34. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 次にお伺いしたいのですが、この国有財産のほうは一応わかりましたが、次に行政協定二條に基く所得税その他の免税の問題ですが、これは実は特別調達庁の人がいるといいのですが、実は主として今度まあ直接調達なつたいきさつを聞きたいのです。それとそれが関接調達になるためにどういう弊害が出て来るかということを一つ聞きたいのですが。
  35. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) 特別調達庁のほうには出席方を今要求しております。そのうちに来るかと思います。
  36. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうですね、その点を主として……。まだお見えになつていないのですねそうですか。じや菊川さんどうぞ。
  37. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 じや私、所得税法等臨時特例に関する法律案について疑問の点を二、三お尋ねしたいと思います。  第一点は、これはミスプリントだと思うのですが、この二條の二項の「アメリカ合衆国との間の安全保障條約」括弧あとに又「條約に基き」こうなつているのはこれはミスプリントですか。
  38. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 今のは括弧して(以下「條約」という)この字句でございますか。
  39. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 その次に又「條約に基き」と書いてあります。これは正誤をしておいてもらわなくちや。
  40. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) ちよつと今の点すぐ取調ぺまして御返事しますが、私どもの原案の印刷物には入つていないのですが、或いは法制局字句最終修正をやります際に、ほかの法律を全部一緒にするためにそういう用語を使つたのかも知れんと思うのですが。
  41. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それじやすぐ調べて下さい。  次に第三條の一項の二号「不動産及び不動産の上に存する権利」というのがございますが、これは不動産の上に存する権利というものは、一般建築物等を指しているのでございますか。
  42. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 建築物は当然不動産になるわけでございますが、不動産の上の賃借権地上権、それらのものを不動産の上に存する権利……。
  43. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次にこの括弧の中に「投資のため又は事業を行うために有する資産を含まない。」とございますが、一体駐留軍家族軍属日本に今後参りましたときに、こういう投資又は事業を行うことを認めるという前提の上に立つてこういう除外例を設けておられるのかどうか、この点を伺いたい。
  44. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 恐らく私は軍人軍属の場合は余り該当がないじやないかと思いますが、家族の場合になりますと或いは株式等を持つ、或いは何か簡単な事業でもやるという場合があり得ないわけではないと思います。それでなかんずく、或いは今後軍属等軍隊をやめてから引続き日本にいたいというような人がありますような場合におきましては、軍属資格のあるときから日本におきまして一定資産等を買うという場合が考えられ得るわけでございまして、そういう場合にはこれは本来軍隊のために日本に駐留するということの必要性を越える一つの所得でございますので、そういうものに対しましては一切日本税法で課税するということを明らかにする意味におきまして、こういう字句を用いておるのでございます。
  45. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 私が申上げておるのはその反対を申上げておるので、大体投資事業を行うために来ておる、こういうことをやるということは、そもそも駐留軍の、アメリカ合衆国軍隊構成員軍属又はこれらの者の家族としての特権を、そういうことをやつた場合には認めるべきではない、これは一般居留民として扱うべきではないか、従つてこういう字句はそもそも要らんのじやないか、大体こんなことをやるようなことは、そうした駐留軍構成員又は軍属家族として認める必要はない、こう思うのであります。駐留軍家族というような特権を利用しつつも投資だとか事業を行うのを認める予定でありますか、この点を伺いたい。
  46. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは御承知のごとく私も余り例は少いのではないかと思います。併し禁止する理由はこれ又ないのでございます。又勿論軍人軍属でありますれば、向うの内部の軍の規律におきまして一定制限を加えられる場合があるだろうと思います。或いは日本法令でいろいろの制限を加えられる場合があるだろうと思います。そういう法令範囲内におきまして、投資又は事業等のために資産を持つという場合が仮にある場合におきましては、これは当然課税しようというので、税法の上におきましてまさにお説のようにしたい、免税特典をそういうものにつきまして認めない。一般日本人と同様の條件にしようという趣旨でございまして、禁止するということは、又それぞれ各法律によつて制限するということはあるかと思いますが、そういう制限範囲内におきまして、やはりこういう場合がございますれば、課税上におきましては少くとも特権を認めない、こういう次第でございますので、この條文を作ります上におきまして私ども特に注意いたしまして、こういう規定を設けた次第でございます。
  47. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 私の申上げるのは、大体軍人軍属、これらの家族として取扱われて特別な利益、権利を保有する人たち日本国内において投資だとか事業を行うというようなことは、当然行政協定においても拒否すべきだ。そういう資格特権を持つて来て、そうしてまたおまけに投資事業を行うというようなことは、これは許すべきでないのではないかと私は思うのです。そういう特権においてこちらで投資事業をやられたりしたのでは、いろいろの機密も情報網等を通じましてわかる。それで投資をやらすということは許すべきごとではないのではないかと思いますが、いろいろこういう除外規定を認めている以上は、税金はかけても暗に認めているのだ、そういうことは今回の行政協定においても暗に認めているということになると思うのですが、その点はどうですか。
  48. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは、私はやはり各ほかの法律でそれぞれ規制される、その範囲内におきまして例えば家族等が日本の株式を買う、或いは公債を買う、そういうような場合があり得ましても、それを絶対にいけない、いやしくもちよつとでも買つていたら一切の特権を認めないという必要はないのではないか。そういうことがありましたら、そういう部分に対しましては飽くまでも課税上の特権は認めない、こういうことで十分じやないかと思います。私どもは、やはり軍人自体の場合は恐らく向うの軍の内部にも軍規等があつてそういう場合は殆んどないのじやないかと思いますが、その他の場合にやはりあり得るということは考えられますので、こういう規定を設けまして課税上は特別扱いはしないということにいたしておるわけでありまして、むしろこういう規定がありましたほうがはつきりしていいのじやないか。日本の銀行に預金しておるという場合にもやはりこれは課税するつもりでおります。
  49. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に第三号におきまして「維持又は運営」と、こういう言葉がありますが、これは個人契約者で維持又は運営とあるけれども、大体歳出外資金によつて設置されたものを契約によつて運営させるという場合がこれはあるのですか。私は軍人用販費機関等というのは、これは日本の曾つて軍隊における酒保のようなものである、こういうふうに思つているのですが、日本の酒保におきましてもこれは一般の民間人にやらしたというのがございますが、今後この軍人用販売機関即ち新聞だとかキヤバレーだとかああいつたものを、殆んどこれが維持又は運営を民間人にやらせると、こういう趣旨でおられるわけですか。一方におきましては、歳出外資金というのは特別の政府資金だけれども歳出外の資金だという昨日の御説明つた。これを直営でやるという、いわゆる師団の経理部等によつて昔の軍隊日本流に言うと酒保によつてやらせるという、これを個人にやらせるということになると御用商人がどんどん入つて来てこれを個人運営でやるということになると思うのですが、この点を行政協定において認めているのですか。
  50. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 今御指摘の三條の三号でございますが、第三号にはPX等の施設等の「建設、維持又は運営」これは除く、従いましてそういう建設のためにアメリカからアメリカの契約者を連れて来てやるという場合の契約者はここに入りません。これらは一般のものと同様になります。括弧をいたしまして除いているわけでございます、三号からは。  それじやPX自体に対して課税をどうするか、この問題がもう一つあるわけでございます。これは昨日も説明いたしましたように、予算から直接支拂われる資金でやるのにあらずして、特別の何か資金を持つておりましてそれで運営されているのでありますが、これは一種の準公法人みたいなものでありまして例えば共済組合であります。日本におきまする曾つてのそういうような性格を持つておるものでありまして、これにつきましては相当向うの軍隊でいろいろな規制と監督を加えてやつておるのでございます。従いましてそういうものの運営によりまして生じた所得、これはその部分に対しましては、非課税にしよう、併しそういうところに誰か請負いまして事業をやつておれば、そういう場合におきましては、その請負つてつた事業者の場合はこれは勿論課税になります。そういう販売機関自体の收益でございますが、これに対しましてはやはり課税しないほうが妥当であるというので免税規定を設けております。但しそれはすべて七号で書いてございまするように、軍人軍属等、つまりこの法律におきまして各種の免税特典を認めておる人に対してなす商品の販売又は役務の提供から生ずる所得ということに限定いたしておりまして、先般申上げましたように、新聞等の場合におきましては一般にも販売するようになつておるようでございますが、一般に販売した分に対しましては課税するということにいたしておる次第でございます。それが第三條の七号でございますね。二條第七号からの規定でございます。
  51. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そういたしますと二條の七項に軍人用販売機関につきまして定義のところでは、構成員とそれから軍属並びにそれらの者の家族の利用に供せられるものを軍人用販売機関ということになつておる。それがここに七号になりますと軍人用販売機関等が個人の契約者若しくは法人契約者の被用者に対してなす商品の販売又は役務の提供から生ずる所得ということになつております。そうすると軍人用販売機関という定義には明らかに家族まででありまして、契約者それからその被用者は認めておらない、定義のところには。にもかかわらずここには被用者、契約者に対して物品を販売したものに対しても所得税を免除するというようなことになつております。これはいいのですか。定義と食い違つておるのではないですか。
  52. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) この種の機関はもともと大体軍人軍属又はその家族一定のサービスをするという目的の下にできておるものでございます。従いまして大部分はそれでその問題は解決するのでありますが、先般からたびたび申上げました日本調達困難な工事等を請負わすために、軍属等に準ずる被用者契約者をアメリカから連れて来た場合ですが、連れて来た場合にPXの使用を認める。認めた場合におきまして、その部分はやはり課税しないでおこう、こういう趣旨でございます。御指摘の通り、本来の業務と更に附随いたしまして若干こういう者に対しましてもサービスをする。そのサービスの部分はやはり同じく非課税にしようとこういう趣旨でございます。それで契約者の範囲は相当限定されるということは先般もたびたび申上げた通りでございます。
  53. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 ちよつと昨日もお尋ねしたのでありますが、こういうふうにしてまあ私一、二の例を取つてつたわけだけれども、すべて何か軍属、準軍属的の証明書を寄してどんどんやつて来るだろうと言つたが、もうここでそもそも第二條の七項においては明らかに軍人用販売機関とはこういうものだと言つて構成員軍属家族に限定して販売するものを軍人用販売機関だと言つておりながら、今度は三條の七号に来て、個人契約者若しくは法人契約者の被用者に対してなす商品の販売まで無税にするということになりますと、これは軍人用販売機関の第二條の定義を直さなければいかんのではないのですか。その範囲を限定しておるのですから。
  54. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは先ほど申上げましたように、附随的にPXの施設をこういう人にも認めよう「本体は飽くまでも軍人軍属又はその家族にサービスするためにできておる機関でございますが、この契約者というのは昨日も申上げました通り、これは日本で到底工事のできないようなものを請負わすために、アメリカから特に連れて来る非常に特別のものという、通常アメリカに居住する者でありまして、向うで締結しました契約を履行するために日本にやつて来る人であつて、而もそういう軍の事業だけをやる、ほかの仕事は全然やらない、こういう人に対しまして一定の利用を認めようというわけでございますので、まあ附随的に、この程度施設の利用を認めましても御指摘のような弊害には及ぶまいと私ども考えている次第であります。まあ勿論日本におりまする一般の外人等は使用は全然認めません。ただ新聞だけは先ほど申しましたように一般に販売することを認めるので、その場合におきましては七号に限定されました所得範囲に該当しませんので、その場合は課税するという考えでございます。
  55. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうしますと、その次に問題になるのは、個人契約者又は法人契約者の被用者の家族、契約者の家族に対する販売はどうしますか。これらの個人契約者とか、それから法人契約者の被用者等が家族を随伴して来る場合もありうる、当然今アメリカ人たちは盛んに家族を連れて来ておりますが、こういう家族に対する販売は認めるか、認めないか。
  56. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これらの者に対する家族につきましてはPXの使用権を認めておりません。
  57. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 いや使用権はこれはアメリカ軍人用販売機関が認める、認めんをきめるのであつて日本法律ではないのでありまして、そうすると、契約者等の家族に販売した場合には当然これは課税はすることになるわけです、正式に申しますと。だからしてそれらの家族に販売した場合には何でございますか、別に報告をさしたあなたのほうはこれに対しては所得税を課すということができますか、実際問題として。これはまあ法律上から言つたらしなければならんことになつておりますが。
  58. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 仮にあるとすれば当然そういうことに相成るかと思いますが、大体行政協定の十四條で、この特別の契約者に関して定義を掲げる場合どういう特典を認めるかきめているのでございますが、その行政協定自体の中にも、家族のかたには契約者に対しまして特別の特典を認めることになつていないのでございまして、まあそこまで認める必要はなかろうという考えでございます。仮にそういう場合があるといたしますれば、勿論税の上におきましては課税になります。
  59. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次には第三項につきまして、まあ解任とか除隊があつた場合には当然日本に居所を有していると見るのが当然だと思いますが、そのあとの所で八頁に「軍人用販売機関等が軍人用販売機関等である期間は、」こういう字句がございますが、これは日本に住所及び居所を有していない期間とみなすということになつておりますが、仮に軍人用販売機関が軍人用販売機関でなくなつたというようなときには、そのままこれで今度は日本一般の商店のような工合に営業を認めることになるのですか、居所を有する者として。反対に解釈しますと。
  60. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) この軍人用販売機関は予算外資金でやるのでございますが、これは法律的にはそうでございますが、実際的には軍の別働隊みたいなものでありまして、それがそのままあと日本に残つて居住するということは考えられないと思つております。ただそこに従事していた人がPX等に対する雇用関係をやめまして、つまり辞職をいたしまして、そうして自分で何か店を日本で始めるという場合はこれはあり得ると思いますが、それ以外に機関自体が機関をやめて後も日本で引続きやるということは私はあり得ないと思つております。
  61. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に行政協定の十五條の3項で、これらの軍人用販売機関等が販売する品物は、これらの諸機関から購入することを認められない者に対して日本で処分してはならないということになつているのですが、合衆国の当局と日本国が相互に合意する條件従つて処分を認める場合は販売してもいいことになつておりますな、この軍人用販売機関が。従つてこれは日本人の或いは労務者に対してだとか、或いは家族に対して、先ほど言つた個人契約者若しくは契約者の被用者等に対しまして、日本政府が合意した條件を備える場合には当然その処分を認めるということになるのですか。
  62. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) ちよつと失礼ですが何條ですか。
  63. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 十五條の3項ですが、行政協定の十五條の3項に両方が合意した場合にはこれらの持つている品物を処分することができる。例えば今石鹸だとか化粧品が盛んに流されていますね、今後こういうものをどんどん持つて来まして、最後に合意によつて流されるということになりますと日本一般業者を相当圧迫することと思うのです。現に石鹸なんか相当圧迫していると思うのですが、これはみんな関税のほうは無税でやつて来るのです。将来これを処理する場合は、こういう合意をする場合には……。
  64. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 合意をする場合には御指摘の通り日本の経済或いは日本の商業等に不当に影響を及ぼすか及ぼさないか、それを判断して合意するかしないかきめる。もう必要でないものを流されては困る、こういう場合は十分合意によつて話合いができる。併しそういう弊害もそれほどない、むしろ或る程度は処分してもらつたほうがいい、こういう場合におきましては、関税法特例規定がありまして、免税しまして輸入しましたものにつきましてはその際に輸入したものとみなして、処分した際に輸入したものとみなしまして讓受人から関税並びに物品税等を徴收するということにいたしております。
  65. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 その場合には当然所得税のほうの免税もなくて、これによつてつた利益というものは所得税も徴收することになるのですか。営業税というのか、そういつたようなもの、地方税、これはどうなんですか。
  66. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 所得税はさつき申しましたように一定資格のある者に販売したものに対してだけ免税するのでございますから、それ以外の者におきましては課税いたします。ただ残品の処分で極く僅かなものを整理するような場合は、これは或いは今後の話合によりまして、極く僅かなものでございましたら附随的なものとして、強いて課税するかしないかその辺はよく相談してみたいと思いますが、相当大量にそういうことが行われますれば、その分の所得に対しては課税するということになつております。
  67. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 こういう機関におきまして調達しました品物が存外軍の移動であるとかその他によつて売れ残りがたくさんできるのでありまして、これは日本の共済組合……戰前でも蔵ざらい品というのが必ずたくさん出て来るわけです。そうしてこういうものを一々十五條の3項によつて処分されるということになつたら、この法律上では所得税も課される、それから地方税その他のもの一切課税できることになつておるのですが、これは実際問題としてはできない。今平田さんの言う少しくらいのものは大したことはないから処分してしまえということになつて相当流れて来て、これが日本の経済に相当影響を及ぼすだろう。特に中小企業者には私は影響を及ぼすだろうと思うのでありますが、従つてこの十五條によつて向うから日本政府に対しまして合意を求められた場合に、あなた方、今の平田さんの御答弁によりますと、大したものでなければ税金のほうもほうかむりをしてやらせよう、こういうお話のようでありますけれども、これは私は飽くまでもこの法律を嚴格に守つてやらんと弊害が起ると思うのでありますが、どうですか。
  68. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) お話のように弊害が起るような場合におきましては、先ずその合意する際におきましてできるだけ承認しないということが一つ、それから認めます場合におきましては勿論当然課税するということで行きたいと思います。
  69. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次には第四條の「使用又は保存に因る減もう等に因り減価するもの(家屋を除く。)」こうございますが、この家屋というのは住宅、勿論その他の建造物一切を指して家屋と言つておるのですか、それともこれは例えば飯場だとか、施設を建設する際に設けられる仮建造物、こういつたものを一切を指してこの家屋と言つておるのかどうか、これを一つお伺いしたい。
  70. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) この家屋と称しておりますものは、固定資産税でございますか、昔の家屋税法でございますが、あの家屋税法におきまして家屋と称する程度のものを指しておりまして、極く一時の使用に供するために臨時に建設するようなものは従来もたしか家屋から除外して扱いがあつたと思いますが、その辺は実情によりまして判定いたしたいと思つております。
  71. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それではこの「使用又は保存等に因る減もう等により減価するもの」、たいてい使用又は保存によつたならば減もうする、減もう等によつて減価をするものだと思うのですが、一体こういうものはどういうものを指して具体的にここに現わされたのでございますか。
  72. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは例えば車両とか、ブルトーザーとか工事用のいろいろの機械設備ですね、そういうものをもう日本で仕事が目的を達成したというので不用になつたから売つて帰る、こういう場合におきまして讓渡所得税の問題がそこにあるわけでありますが、そこまで追及しなくてもよかろう、こういう意味でございます。そういうものにおきましては、工事用の上におきまして必要な施設でございますし、それを処分して帰る際に讓渡所得税の課税をするに及ばない、こういう考えでおります。ただ家屋となりますと、これは相当まとまつた相当のものでございますので、そういうものにつきましては果して家屋というものをそのために建てる必要があるかどうか問題になります場合もございますので、そういう際におきましてはこれはやはり讓渡所得税を課税しようという意味で、特に家屋を除くというようにしておる次第でございます。大体「減もう等に因り減価するもの」というのは、いわゆる償却資産でございますが、その中で家屋だけは除きまして、家屋を持ちまして家屋を讓渡した場合は課税しよう、こういう考えであります。
  73. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に第五條ですが、これは個人契約者又は被用者を合衆国軍隊資格で派遣して来るようなことは、私は先ほどもお尋ねしたのでありますが、実際問題として個人契約者や、その被用者を合衆国軍隊軍属資格で派遣して来る場合はないであろうかということは一番大きな問題だと思うのでありますが、これはその行なつておる事業等について内容に亘つて監査する自由はこちらにあるかどうか、この点を一つお伺いいたしたいと思います。
  74. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) その点は実は私どももそういうことを心配しまして、むしろ契約者をはつきり軍属から分けまして、特掲して協定に達したい、軍属の中につき混ぜてごさつとやりますと、今いろいろ菊川さんから御懸念がありましたように、どうもはつきりしないものが入つて来る虞れがあるという感じがございましたので、私どもも契約者というカテゴリーを別に作りまして軍属と別にしてはつきりさしたい、その契約者につきましては、それぞれ第何條に該当する契約者であるという身分の証明、それをはつきりさせる、それによりまして常に入国の際におきましても、旅券にそういうことを掲示させる、その後におきましても所得税免税その他の関係からいたしまして、はつきり向うから報告してもら一う、そういうことによりましてはつきりさせよう。その際におきましてお話通りどうも外の仕事も少しやつてるようだ、こういう疑問の場合はこつちから申込んで課税する。いやしくも外の仕事をやるとこのほうはなくなるのであります。先ほど軍人軍属家族につきまして他の事業をやりやしないかという御懸念がありましたが、軍人軍属家族の場合はたいしたことはないと思いますが、こういう契約者の場合におきましてはそういう懸念がございますので、アメリカで契約してアメリカ合衆国軍隊一定の工事をやる人にのみ限つて、その人が他の仕事を同時に日本でやり出しますとその人は資格がなくなつて来る。こういうふうに思つておりますので、その辺は私どもも運用の際に御趣旨の点を十分注意をいたしまして適切を期したいと思います。
  75. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に第五條についてでありますが、個人の契約者又は法人契約者の被用者、その家族日本で相続した場合には、当然これは相続税を課せられることになりますね。ところがね、それらの家族が相続すると申しましても戸籍もない、又財産を登記しているわけでもない。一体法律上は相続税を課することになつておるのだが、相続の登記、戸籍もないという者を今後一体どうして相続税を徴収して行きますか、できますか。この法律上によつたらやらなければならんし、できることになつてはおりますね。
  76. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 日本の相続税法は、御承知通り日本に住所又は一年以上居所がある人が、相続財産を取得しました場合に一切の財産に対して課税します。そういう人でなくても日本にある資産について誰かその所有者に相続が開始しました場合には、外国に住んでいようとどこに住んでいようと日本の相続税を課税する。問題はこういう人は一時に来るものでございますので、日本に住所がありということにはしないで、それはアメリカに住所があるという規定を設けておりまして、そういう人が日本で死にましてもアメリカにある財産まで課税はしない。これは一つ規定を設けておる。その人が日本において財産がある、そういうことを規定しておるのでありまして、工事をやるために、さつき申したいろいろな工事用の機械設備、こういうものが日本にたまたまあるわけであります。その際に死んだ、それに相続税を課税することは常識的じやない。それは課税しない。例えばさつき申しました家屋を持つておる人が、その場合は相続税を課税するわけであります。先ほど申上げましたように、或いはその他何かほかの資産日本で取得して持つておる、事業はできないが資産を持つということだけは、これは別に制限するわけに行かないと思いますが、資産を持つておる場合にはその資産に対しては相続税がかかつて来る。日本にありますものについてだけ。そういう際の調査は勿論一般の外国人の場合も同様でございますが、この場合は特に契約者としましてはつきりわかつておりますので、どちらかと申しますとほかの場合よりも調べやすいのじやないかと思います。実際問題としては大したケースはなかろうと思いますが、調べやすいことになると思います。
  77. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に第八條でございますがね、印紙税法の場合に、合衆国軍隊及び軍人用販売機関等これが発する証書及び帳簿については印紙税を課さないとなつておりますが、これは個人契約者或いは法人契約者その他の軍人軍属には印紙税を皆課することになつているのですが、大体向うの人たちは領収書を日本人に渡すとかいうようなときに一々これに日本の印紙をはれといつてはらせますか。
  78. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) それは日本人と同じようにやるべきであると思つております。これをやつておりますのは、軍隊及び軍人用販売機関が発する証書、帳簿についてだけ課税いたしません。日本の場合でも国が発するものにつきましては、印紙税を課税しておりません。軍人用販売機関はさつき申しましたように軍隊の附属機関でございますので、これは課税しない。その他の場合においては軍人たると家族たるとを問わず、すべて一定の契約を結びまして印紙税を拂わなければならん書類を作成しました場合には、全部印紙税法の適用を受ける、契約者は勿論適用を受けることになります。
  79. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうしますと印紙税法違反の場合には、軍人家族軍人軍属が印紙税法の違反を犯した場合には日本法律によつて処罰しますか。その場合今度は刑事事件になつて参りますと、これは刑事属人主義でおやりになるわけだが、その他の、刑事事件じやない事件でございますから、これは日本法律によつてやはり処罰することになるわけですか。罰金をとつたりなんか。
  80. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 軍人さんの場合には印紙税のかかるような書類、証書、帳簿を作る場合は少いと思いますが、家族等の場合はあろうかと思います。殊に先ほど申しました投資又は事業目的のために財産売買をするといつたような場合には、そういう場合があろうかと思います。或いは不動産を買うという場合、これは当然日本人と同じく適用を受ける。印紙税法は間接国税といいまして通告処分ができますので、そういう証書を発見いたしました場合には、証書の作成者に対しまして日本税法によつて通告処分を行うわけでございます。それを履行しなかつた場合におきましてはこれは向うの裁判になる、こういうわけでございます。
  81. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に第九條に公認調達機関というのがございますが、合衆国軍隊の公認調達機関、こういうのは一体何を指すのであるか。これには定義は法律の中にはございませんけれども、公認調達機関というのはどういうものをこの法律では指してここに現わしておられるのか、その点伺いたい。
  82. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは現在日本におきまして日本需品本部、JLCと俗に称されております機関が、現在公認調達機関として活躍しておるようでございますが、名前は今後変るか変らないかわかりませんが、私ども大体これに相当する、これがそうだろうと考えております。例のPXの物資を調達いたしておりますCPOはこれに該当しません。この公認調達機関は向うの軍隊の用に供する品物を調達している機関ですが、家族なり軍人さんの私用に供するものをPX等で売る、それを調達する機関とはつきり分れております。ここにいう公認調達機関というのは、向うの軍需品、軍隊が購入する品物を調達する機関のことを公認調達機関と称しておるわけでございます。
  83. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 将来におきましてこれは長く駐留軍がおるということになつて来ると、この公認調達機関が日本人を指名して公認調達機関とさせるというようなことがあり得る場合、これは以前の日本軍隊の場合をそのまま引用して想像するのはどうかと思いますが、長くなつて参りますと日本の実情に合つたような、例えば昔の三井物産、今はいろいろ分れておりますがこれらを利用して公認調達機関とするというような場合があり得るかと思いますが、それをこれは認めることになるのでありますか。ならんのかどうか、伺いたい。
  84. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) そういうのはここにいう公認調達機関とはならない、ここにいう公認調達機関は実は軍の機構の一部をなすようなものでございまして、勿論そういう機関がそういう商社を通じまして調達するということはあり得ると思いますが、そういう商社はここにいう調達機関にはならないと解釈いたしておるわけでございます。
  85. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうしますと、我々の解釈では、この公認調達機関とは合衆国軍隊の師団の経理部というようなものを指していうのである、こういうように解釈しておつてよろしうございますか。その他の日本の商社等がこれにはならないものである、これでよろしうございますか。
  86. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) むしろ常識的にはそのようにおとり願つておいたほうが間違いないかと思います。例の兵たん司令部と称するああいう機関、そういうものでございます。軍の機関の一部でございますから。
  87. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そういたしますとこの公認調達機関もやはりこの定義の中に語つておかなければならんのじやないか。日本人の常識からしますならば、直ぐ公認会計士とか、公認というようなことをえらく自由に使われているのですが、これはこの場合の法律用語としてこういうところに公認調達機関としますと、今後合衆国軍隊の公認調達機関の出先となつて、日本において物資の調達を行う商社等が駐留軍公認というような看板を掲げてやるということになると思うのでありますが、この公認調達機関の定義を第二條で謳う必要はございませんか。
  88. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは私ども実は非常にその辺疑問の余地なくはつきりしておりますので、特にそういう必要はないかと思つておるのでございますが、民間の機関がこういうようなものになるということは全然考えられないことと思つております。
  89. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 これは表現が軍の経理部であるとか調達部であるとかいうふうに書かれておるのならいいのですが、公認調達機関というのは、これは曾つてどこの軍隊でもですが、本当の出先へ参りますと、直接軍が調達するのではなくて、実際問題としての調達は民間商社等を使つてやらせるのじやないですか。
  90. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) この公認調達機関が民間の商社等を通じて調達するという場合は、これは当然あり得ることでございまして、それは別段差支えないと思うのでございますが、やはり最後の買主が、取得者と申しますか、物を調達する最後の責任者、最後の機関が、軍の公認調達機関でなければならない、こういう意味でございます。
  91. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうしますと、この第九條の一号というものは、最後はこの公認調達機関の手に入るのであつて、第一段階、一般の商社が出先になつてやる場合には、この公認調達機関の委託を受けてやる場合も当然これに含むことになるのですか。
  92. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは所得税免税その他には全然関係ないのでございますが、軍用の物資を……。
  93. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 物品税のほうは……。
  94. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 物品税がないことは、それは私ども当然然るべきだと思うのでございます。製造所からは直接軍が買わなくても、その他の問屋さん等を通じまして買う場合におきましては、その買う物品が結局軍用に供するために買う場合におきましては、これは物品税を免税するということは当然のことだと思います。
  95. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 その場合に物品税免除の特典がありますために、相当公認調達機関へ行くのだといつて、中に入つた商社等は直接に、今あなたの御説明に言われた師団の経理部とか需品部とかいうような恰好のものであつた場合には、直接調達はやらずにむしろ商社を通じてやらせる、百調達してもその中の五十なりが物品税脱税に悪用される危険もなきにしもあらずということを私は思うのでありますが、それを防ぐ方法をどこかで考えておられますか。
  96. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) そのために只今御覧になりました九條の二項に実は規定を設けてありまして、製造所から出て行くときに軍隊が買うというので出て行く。その際一応免税してある。「前項の規定の適用を受けた物品で所轄税務署長の指定した期間内に同項各号に規定する用途に供されたことの証明がされないものについては、製造者から直ちにその物品税を徴收する。」つまり免税しない。輸送の途中が滅失したのだという場合には、物品税の追徴はしないのです。
  97. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それでわかりましたのですが、この証明ということについて尋ねようと思つてつたのですが、一体証明されたということは、普通軍のやつで証明されたというのは、合衆国軍隊によつて証明されたとかなんとかいつて、証明する主体というものがあるわけですが、これはその「証明がされないものについては、」というだけですが、一体証明はどういうふうなことになるのですか。
  98. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) この証明につきましては、今実は予備作業班でどういう証明をするか、どういうフォームにするか、書類の記載事項ですね、そういう事項をも向うですでに作成いたしまして協議いたしておるような次第でございまして、これは勿論軍の公認調達機関ですね、これの証明書がなければならない。で、公認調達機関は先ほど申上げましたように、常識的に申上げますならば今私直接やつておりませんが、私の係の者が相手にいたしております何とか大佐とか中佐とかいう人々で以て構成されておる機関でございまして、そういうところの地方部局もございますが、そういうところから証明が出してもらえるということになるのでございます。
  99. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に第九條の二号で、「政令で定めるもの」というふうにございますけれども、大体どういうものを政令で定めることを折衝の際に向うも要求しておるか、こちらもどういう品物を政令によつて定めようとせられるか。物品税の免除の対象になるもの、それをわかつておりましたらお伺いしたい。向うはどういうものを要求しておるか。
  100. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 一般軍人用の個人的の用途に供するいわゆるPXと言つておりますのは、相当日本の広汎な物資を買つておりますが、御承知通りこれはもう物品税免税じやないことは先般も申上げた通りであります。軍用品は免税ですが、併し免税するにしましても範囲を非常にはつきりして参りたいというので考えておりまして、殊に契約者が買う場合におきましては特にそれをはつきりさせようというので、これは必要の程度をよく見まして限定してきめたいと、免税したいと、こういう趣旨でこの規定を設けておるわけでありますが、今大体問題にいたしておりますのは写真用の乾板、フイルムそれから感光紙ですね、それから紙、これは五%かかりますが紙、こういうものを指定してもらいたいという先方の要求がありまして、目下それにつきまして打合せ中であります。
  101. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 この場合にこの前の大蔵委員会でも問題になつたのですが、実は電気冷蔵庫ですね、これを米軍の関係免税してもらいたいというような陳情もあつて問題になつたのですが、こういう品物はどうする見込ですか。
  102. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 電気冷蔵器は軍隊の専用ですね。九條の第一項に該当します場合はこれは免税になります。まあ軍人の私用に供するもの、家族の私用に供するもの、或いは契約者の私用に供するようなもの、これはもう免税しない方針でございます。
  103. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 その次第十條につきまして、第十條の二号個人契約者又は法人契約者に対する揮発油税の免除は行政協定の第十二條の3の規定と照してちよつとこれはおかしいように思うのでございますが、「個人契約者又は法人契約者がその締結した建設等契約に係る建設、維持又は運営のみの事業をなすために消費するもの」揮発油税の免税の場合は十二條では「合衆国軍隊または合衆国軍隊の公認調達機関が適当な証明書によつて日本国で公用のため調達する資材、需品、備品及び役務は、日本国の次の租税を免除される」ということになつております。これは公認調達機関がやる場合にはなつておりますけれども、個人契約者又はこれらが揮発油税免除というのは、ちよつとこれはこの十二條と、私もよくわからんが、又はかの條項に揮発油税免除のことを要請されておるなら別としましても、ちよつと読んでみたところおかしいのですがどうですか。
  104. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これはその行政協定との関係ちよつとあとで調べて申上げますが、やはりこの種の契約者が日本で自動車等を使いまして軍の工事をやるわけでございますが、ブルトーザーその他を使いました場合において特に必要があると認められます。そういうものにつきましては又この保税地域から引取ります場合に軍用品と同じく免税したほうが妥当であると、こういう考え方で契約者が軍の仕事を請負つているその仕事をするためにやりますものにつきましては免税するということにいたしておる次第でございます。なお行政協定の第十二條には御承知通り表面は一応三項の最初にはお話通りでございますが、そのあと「最終的には合衆国軍隊使用するため調達される資材、需品、備品及び役務は合衆国軍隊の適当な証明書によつて、物品税および揮発油税を免除」するというわけでありまして、これは終局におきましては結局合衆国軍隊の用に供せられると同じ結果になるものでございますので、同様な扱いをするという考え方でございます。
  105. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 先ほどあなたの説明では公認調達機関に納まるというような場合には、これは最終的には、私はこの最終的にはという意味は、あなたがさつき御説明なつたような日本の商社その他を通じて調達しましても、最終的には公認調達機関に入るものはこれに該当するんだと、で、個人契約者というのは向うのまあ土建業者ですか、それが多いんだと思うのです、こういうような人が参つてこの人たち日本で営業する場合にも、これも「最終的には合衆国軍隊使用するため」こういうふうに広範囲に解釈するのでございますか、これは解釈はちよつと広過ぎるのですが。
  106. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 今の十二條の解釈におきましてはお話のような場合も入るかと思いますが、今私が申上げましたようなことも入り得る。ただそういうものをやたらに拡張しますと弊害がございますので、やはり法律ではつきりそういうものとしまして認める限界を明らかにいたしております。この條項に該当する以外の場合におきましては、類似の場合がありましても免税しないという考えでございます。
  107. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に第十一條で但書に「政令で定める手続により所轄税務署長の承認を受けた場合」というのがございますが、これは揮発油を「前條第一項各号に規定する用途以外の用途に供すために讓り渡し、又は讓り受けてはならない」というふうにして禁止しておいて、但書で以て揮発油税の免除を受けたものを税務署長の承認によつては讓り渡してもいいという、こういうことになるわけでありますが、大体どういうのを税務署長の承認によつて揮発油税の免除を受けたものを讓り渡すことを認めるのですか、特殊な事情について。
  108. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これはやはり一応免税目的で引取りました後に不用になつたために処分したいという場合はこれはあり得ることでありまして、そういうのを全部禁止しましては、アメリカの本国に持つて行けと、こういうわけにも参りませんので、これはやはりそういう場合におきまする規定を設けておるわけであります。手続といたしましてはそういう処分をしようという都度一定の事項を記載した申請書を税務署長に出させまして、承認した上で処分をさせる、その場合におきましては当然税金を徴收すると、こういうことにいたしておるわけでございます。
  109. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうしますとこれはこういう税務署長の承認を受けて讓り渡す場合には全都讓り受人から物品税並びに揮発油税をとるということになつておりますが、大抵これは日本人に譲り渡したり、或いは又その他の場合もあると思うのでありますが、特にこれはアメリカ軍構成員家族、或いは軍属だとか、それから個人契約者等の私用に供するためにこれを譲り渡された場合につきましても、一々物品税、揮発油税の追徴は実際問題としてできますかどうですか。又なかなかこれは法律上はうまくやることにできておりますけれども、揮発油税なんかそれは実際問題としてこれはちよつとできないんじやないですか。これがあつたつて向うのほうの施設、区域内において勝手にやつてしまうやつが整理ができる見込みでございますか。
  110. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) まあお話のような問題がありますので、今度は外国商社からは軍人軍属及びその家族の私用に供するものは全部課税することにしたんです、輸出するものは免税するがと、こういうことにしたわけで、これは大して販売者のほうには大分陳情等がございますがこれはいかぬというのでそういう原則にいたしたい。そういう細々したものにつきましてはたしかにそういうお話のような点がありますのでそういうふうにいたした次第であります。ただこれらは軍隊で要するものとしまして軍隊がまとめて買つたものでございます、或いは契約者が工事に使うものとしまして少しまとめて買つておるものでございましてケースも比較的少いだろう、或る場合は或る程度まとまつておるだろう。従いまして私はこの程度にしておきまして実行する上におきましては大した難点はない。契約者等が勿論こういう規定に違反しましてやりました場合には、これはもう横流れとしまして必要な処罰をやるという現定を設けておりますのでこの場合は先ず実行できるのではないかと思います。これに反しまして例えばPXで免税しましてこれを軍人等が買つてはあれする場合におきましては、内国品につきましては特に横流れした場合に発見等がむずかしいのでこれは免税しない、輸出しない限り免税しないと、こういうことに今度はいたしておる次第でございます。
  111. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 いろいろお尋ねしましたが、一貫して成るほど細かくできて法律の上におきましてはうまくできることになつておりますが、何といつても一方はこの間まで占領軍として君臨しておつた、一つの大きな権利を持つていばつてつた連中である。而もそれがにわかに駐留軍として切換えられたとしましても、一方は無力の本当の小国である。一方は大国という背景を持つて来ているのであります。従いましてそうでなくても軍隊が駐在した場合にはこうした細かい、日本人でさえもこうした今の細かい税金につきましてはややもすると面倒くさいと思つているわけです。それを一々法律で以て処理しようとしたつて法律上はできることになつておるかも知れませんが、運用の面においては極めて困難であるしなかなかむずかしいことだと思います。従つて今の税務署の機構だけでこれをやつて行こうとした場合に私は相当無理がほうぼうに起きて来ると思うのですが、平田さんこの点についてこれを運用するために或る程度の機構改革に伴い、この間は行政整理をやつたのですが、今度は人員を増加してでもこの点運営の完璧を期したいというようなお考えを持つているかどうか、その点を一つ最後にお伺いしたい。
  112. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) お話の点は非常に尤もな点でありましてこれは昨日もたしか申上げたと思うのでありますが、これはやつぱり国民全体の何と申しますか雰囲気と申しますか、そういう点が一番大事じやないか。それでまあ役所のほうにおきましても適用すべき法律は十分守つてもらうということにつきまして努力を十分傾けたいと思う次第であります。そういう点につきまして一つ国会におきましても十分御鞭撻下さいますならば、運用上も非常に仕合せかと存ずる次第でございます。それから機構、人員等につきましてはこのために特別の措置等は今考、えておりませんが、できる限り現在の監視官吏等を十分有効に運用しまして違法処分の摘発には万全を期したいと考えておる次第でございます。
  113. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次にちよつとこれは、これとはかけ離れますが一言だけ特にお伺いしたいのですが、平田さんがいる機会ですから。今新聞でも毎日問題になつておりますのは税務署の襲撃事件でございますが盛んに火焔びんを投込まれたり或いは集団の襲撃を受けると、成るほど余り税務署が横柄にやつて大衆に臨んだ場合にはこれに対する反感として多数が抗議のために押しかけて来るデモ程度のものは、そんなことは我々はあり得ることだと思うのですが、暴力で以て税務職員を強迫したり、或いは暴行を加えるというようなことはこれはもう是非排撃しなければならぬ。税務署なんか個人で行きますと威張つちやつて、なかなか取合わないというので多数で行つて代表者を挙げて交渉するというようなことはこれは認めるべきだと思う。これは当然起り得ることだと思います。僕らも税務署に個人で行つた場合にはいつまでも待たされたりすることがあるのでありますから、こういつた場合には大衆としても要求をまとめて行くというようなことはこれはいいと思うのですが、この間大阪におきましては密造部落を調査をしようとしたときに警察も手の出ないような暴行を受けて逃げて帰つて来たというような事件もございますし、私の手許に参つております統計を見ますと、この税務署に対する暴行事件が相当たくさんあるわけであります。従つてそういう暴力と大衆の要求というものをごつちやにしてはいかん。暴力はさせないようにしなければいかんと私は思うのでありますが、そうするとどうしても税務署としても対抗手段も或る程度は講じておかなければならん。そうしなければ善良なる税務官が震え上つて業務ができないようになるのじやないかということも恐れるのであります。そうすると強いものは、そういう襲撃を受けるようなものは捨てておいて、弱く、やらないようなもの、或いは民主主義を守るような人たちに対しましては強く出て来るので、そうしてそういうものにだけ強くやるというようなことではこれは税の公平な徴收はできないというふうに思うのであります。それで最近税務署あたりで実情を聞いてみますと、鉄道における公安官というような、そういう組織もちよつと無理かと思いますが、守衛等の機構というか、人員を殖やしてもらいたい、せめてそれだけは増してもらわんと、今は税務の仕事をやる人たちが毎日交替で夜警をしているのだというようなわけでありますが、而も警察に協力を求めても警察の協力も余り得られないというので非常に憤慨している税務署があるわけでありますが、それらの対策について警察の協力を求めること、そういう不当な暴行を受けた場合には警察の協力を求めること、又税務署自体としての自衛措置につきまして、主税局長、あんた、法律で取ることは、かりでなしに、そういうこともお考えになつておかなければならんと思うのですが、そういうこともお考えになつているかどうか、これを一つ。ちよつとこれは離れまして恐縮でございますが、ちよつと簡單にあなたのお考えを。あなたは法律をこしらえるだけで我々がそれに賛成するだけでなく、なかなか下部に行つて運営をうまくやらなければならんと思いますが、この点について。
  114. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 菊川さんから誠にどうも有難い御意見及び御注意を頂きまして感謝に堪えないところであります。全くこの事件、私ども聞いておりまして、民主主義下の日本といたしましてはあるまじきことではないかというふうに私ども考えております。それに対しましては勿論税務行政のやりかた自体に対しましても十分注意してやることはこれは必要でございますが、同時にそういうものに対しましては必要な対抗措置を部内におきまして講ずる必要のありますことは勿論のこと、警察等の協力も得るように私どもとしましても十分に連絡をいたしている次第でございます。それで警察が余り援助しないようだというお話は、私はそうでなくてやはり警察は相当そういう問題につきましては援助を、これはまあ当然の職責でもございますのでやつてもらつているものとこういう報告を受けております。これはひとり税務署だけの内部の警備だけでは満足でないので、やはり全体の治安の維持ということにつきまして役所におきましても十分注意をしまして、それから又民間の世論といたしましてもこういうものに対しまして排撃するような世論が醸成されることが必要である。そういう問題につきましては国会におきましても大きな問題としまして取上げて、一つ十分御鞭撻願いますことができますれば仕合せと思う次第でございます。それで夜勤等につきましてもこれは今御指摘の通り十分な守衛等もやはりおりませんので、職員が交替でやつている状態でございます。ただ大都市のほうの税務署におきましては幸いにしまして或る程度の人数がございますので、若干輪番制でやればそう過重な負担にはならないわけでありますが、人数の少い所ではなかなかそうは行かないのでございまして、ひいては職員の執務にも影響して来るということにもなりかねない場合があるようでございます。そういう点につきましてはよく人員の配置等につきましても考えまして、政府としましても十分善処いたしたいと考えている次第でございます。この問題はむしろ一つ世論及び国会等におきましても是非そういう問題をなくするように御盡力願えますれば非常に仕合せだと思う次第でありますことを重ねて申上げたいと思う次第でございます。
  115. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 具体的に、日本財務労働組合の幹部が来まして、是非せめて税務署の警手ぐらいを確保してもらいたい、尤もだと思いまして、僕らも税務署の横柄な態度に対しては或る程度不満を持つておるものもございますがこれはこれとして、別にあれは内部の税務行政として大いに加勢して民主化するようにやつてもらわなければならない。この点を追求するには僕らも寸毫の仮借のない追求をしなければならんと思うのでありますが、それと同時に善良な税務職員が通勤の途中でも夜ちよつと遅くなつて来るとこわいというようなことでは気の毒だと思いますので、警手についてあなたのほうも考えておられるのですか。具体的に今国会でやつてくれというようなことを言われて逃げてしまわれるのだけれども、或る程度の警手等の配置については部内においても検討されておるかどうか、その点を一つ伺いたいのですが、併し予算の面においてできないとか、この点について具体的に一つ。
  116. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 先ほど申上げましたように、人員が相当たくさんの税務署の場合におきましては交替制でやりましてもそう過重な負担にはならない。そういう所では割合に今の人員を別に増加しなくてもできるように聞いておりますが、少い所は少し問題でございますので、そういうものにつきましては今国税庁で配置転換等につきましても若干考えておるようでございます。警手自体をどの程度増員するかそこまで私は報告を受けておりませんが、そういうことにつきましても今後よく注意いたしまして、内部におきましても十分対処するようにいたしたいと考えております。
  117. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この機会にちよつと伺つておきたいのですが、二三日前の新聞に横浜の密輸団が何か検挙されて、一億近いいわゆる密輸入品があつたというようなことが出ておつたのです。我々も街を歩いて見ますと外国製品が相当店頭に氾濫しておる状況なんですが、ああいうものは一体密輸入品であるか、或いは正当な関税、物品税を拂つた品物であるかということは一般国民にはわからないことです。これに対して政府当局では一体どんな手段をとられておるのか、この際お聞きしたいと思います。
  118. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 御指摘の点は特に昨年の夏以降相当に見られた現象でございます。これは御承知通りスペシヤリテイ・シヨツプ即ちSPS、特殊保税倉庫になつております。これは軍人軍属に対しては赤伝票によりまして免税でそういう品物が買えるようになつております。ところが軍人軍属の名を偽造したり、或いは又職員、SPS等の使用印を偽造してそうして免税が行われたという例が非常に多かつたと存じます。この点につきましては、昨年の夏以降極力税関を督励いたしまして、特にSPS等は東京に非常に多うございます、横浜税関の指揮の下に東京税関支所の職員も相当動員いたしまして一齊に調査いたしまして、その結果特に不良な業者についてはこれは免許取消をいたしましたり、或いは又刑事々件に持つて参りまして目下相当数東京地方検察庁において審理中でございます。このSPSは御承知のように昨年の年末を以ちまして一切特殊保税倉庫の取扱いをやめまして、それ以後は正当に関税、物品税を納めた物のみを販売いたすことにいたしております。昨年々末に際しまして税関官吏を動員いたしまして、所得課税を厳重に私は行なつたつもりでおります。その結果現在出ております物は、これは昨年の夏から秋にかけて行われたような密輸入品が外に出ておるのではないのじやないか、大体において関税、物品税はその後税関を督励いたしまして検討いたしておりますが、おおむね支拂われたものであるという報告が私どもに来ております。
  119. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 あれは簡單に見分ける何かあるのですか。
  120. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 証票等をはりませんので、その点は実は実際街頭に出ております物は無免許の物であるかどうかということは判断がつきません。元の所でガツチリつかまえてその所で果して関税、物品税を納めたかどうかということを税関吏が毎日行つて調べます。表に出ております物は表示がございませんのでわかりません。
  121. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 あれは何か簡單な表示でもやつて買うほうでも安心して買えるほうが効果的ではないのですか。
  122. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 御承知通りたばこだけにつきましてはそういう制度がありますが、これは専売の関係で特にいたしたのでありますが、凡百の物品につきまして証票を施すということはちよつと実行が困難ではなかろうかと私どもは考えております。むしろ現場の官吏を督励いたしましてこういう物を常時監視いたしまして、元においてそういうことの起らないようにするほうがむしろ経済的ではなかろうかとこう考えております。
  123. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) 本日はこれを以て散会いたします。    午後零時二十六分散会