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1952-04-03 第13回国会 参議院 大蔵委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月三日(木曜日)    午前十一時五分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君    委員            岡崎 真一君            黒田 英雄君            西川甚五郎君            溝淵 春次君            大野 幸一君            下條 恭兵君            菊田 七平君            油井賢太郎君   委員外議員            小野 義夫君   政府委員    大蔵省主税局長 平田敬一郎君    大蔵省主税局税    関部長     北島 武雄君    大蔵省主税局税    制課長     泉 美之松君    大蔵省銀行局長 河野 通一君   事務局側    常任委員会專門    員       小田 正義君   説明員    大蔵省理財局総    務課長     宮川新一郎君    大蔵省管財局外    国財産課長   佐々木庸一君    大蔵省管財局総    務課長     小林 英三君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○ポツダム宣言受諾に伴い発する命  令に関する件に基く連合国財産及び  ドイツ財産関係命令措置に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○補助貨幣損傷等取締法臨時特例案  (小野義夫君外七名発議) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障条約第三条に基く行政協定の  実施に伴う所得税法等臨時特例に  関する法律案内閣送付) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障条約第三条に基く行政協定の  実施に伴う関税法等臨時特例に関  する法律案内閣送付) ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障条約第三条に基く行政協定の  実施に伴う国有の財産管理に関す  る法律案内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) では第三十五回の大蔵委員会を開催いたします。ポツダム宣言受諾に伴い発する命令に関する件に基く連合国財産及びドイツ財産関係命令措置に関する法律案、これに対する質疑を行います。
  3. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 第一番に資料の提供ですが、連合国財産返還、その状況はどんな工合になつておるのですか。お持ちになつておりますか。
  4. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 御説明申上げます。敗戰後施行されました敵産管理法によつて管理せられました財産の総額は当時の管理人の作りました評価に基きますと四億三千七百万になつておるのでございます。返還の問題といたしましては敵産管理にして処分等措置行なつたものを返すというのが問題になるわけでございます。その敵産管理に付されました財産のうち、返還せられた数はおおむね六〇%乃至七〇%であるまいかと見ております。返しましたものにつきまして一々返す際の評価を調べるのが筋であつたろうかと思いますけれども、事務手続が煩瑣でありますし、実際のその評価の仕方がないものでございますから、返しましたものの具体的な価額というものを評価しておりませんので、その四億三千七百万に対して幾らの金額になるかということを申上げられませんのは甚だ残念でございます。ただ数量的に申上げますと、土地につきましては百二十六万坪敵産管理をいたしまして返すべきものがございました。これに対しまして七十三万九千坪返還いたしました。土地につきましては大体数量的には五八%返還が完了しておると考えております。建物につきましては、返すべきもの九万八千坪余りに対しまして六万五千坪を返還しております。返還率は六六%と見ております。株式におきましては返還すべきものは二百七十万株でございます。これに対しまして百五十四万株余り返還されておりまして、五七%の返還率になつておると見ております。このほか動産等があるのでございますけれども、動産比較が必ずしも正確に参りませんので省略さして頂きます。
  5. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の土地のほうは原形のままだろうと思うのですが、建物はかなり状態が変つて来ているのと思うのですね。そういうのは返還する際にどういつたような条件で具体的に言うと返すことになるのですか。
  6. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) お話のように建物につきましては、即ち開戰から返還いたします間に相当期間がございまするのでいろいろな変貌をこうむつております。第一に一番多いのは戰災による破壊損耗でございます。これらにつきましてはそのものが返しますとき現在の状況によつて返すというのがおよそ各国平和条約において返還が論ぜられますときの原則になつておりますので、必ずしも完全な形に修理して返すということはいたしておりません。返しますときの現状で返すということでございます。従いまして或る場合におきましては、敵産管理によつてその家屋が日本人に売却されまして日本人が改良している場合もございます。改良している場合におきましては改良した形で返される場合があるのでございます。
  7. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その場合、日本人に対して補償制度は今度の法令ではあるのですか。
  8. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 連合国財産返還いたしますために、損害を受けます現在の所有者日本人等につきます補償の問題につきましては、現在の政令規定は根本的な解決あとに讓りまして暫定的な解決措置をとつております。その解決措置と申しますのは、敵産管理人が売却しましたとまの売却代金というものを返還した人に返すということでございます。それは必ずしも現在の時価でないことは明かでありますので、時価との比較をいたしました場合においてはまだ損出の残るものがあるそのものにつきましては追つて法律で定めるということになつております。
  9. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それでは何ですね、もう返還させられる日本人がどつかへ移つたりなんかすることは各自の責任においてやることになつており、政府が別にそれに対して面倒をみるというようことはないのですか。
  10. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) ちよつと質問趣旨がわかりかねますが。
  11. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 現在日本人が改良して入つている建物があるとしますね。そういつたものを返還させられますね、その場合に、これは強制的でありましようから、自分で他に移転する費用であるとか或いは建物を物色するとかいうのは、全部返還する人の責任においてやるのですか、国家では何らそういうことはあとは面倒をみないのですか。
  12. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 現在のところではお話通り返還させられる人の責任で行われるのであります。
  13. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それは今あなたのお話の追つて法律が出るというのはいつ頃の予定ですか。
  14. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) この問題につきましては、他の戰争による損害補償の問題との均衡を見なければならないというふうに考えられますので、なお検討中でございます。
  15. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の建物の件についてもう少し、詳しく説明願いたいのだが、建物は一体どういう地域にあるのが多いのであつて、その戸数とかをわかるだけ説明願いたい。  それともう一つはそういう被害をこうむる日本人政府に対して何らかの措置を講じてもらいたいということは言つて来ておるのですか。それともそういうことは余り問題にしていないのですか。
  16. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 第一点についてお答えいたします。戸数坪数でみておりますので必ずしも明かになりませんが、返還いたしました坪数は六万五十坪余りということを先ほど申上げました。これらのものの大部分は外国人が多く居住しております神戸、横浜地区に多いのでございます。なお持つております主体となる連合国人の側から見ますとシエルとかスタンダードという石油会社が多いのです。  御質問の第二点の返還させられたために損害をこうむつた人からの補償請求はないかということでありますが、この問題につきましては、時折現在の支払金額の少いことについて疑いを持ちながら不満の意を述べられるかたがございます。
  17. 大野幸一

    大野幸一君 その敵産ということを知つて取得した者と知らんで取得した者との間においては、法律上の権利効果において相当の開きがあるのだが、敵産なりと知らずして現に取得した人に対して何ら補償しないという、又補償規定もなくしてこれを制定するということはどうかと思うのだが、その点はどうなつておりますか。
  18. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 敵産であることを知つて買つた人と知らないで買つた人区別を行うべきでないかということにつきましては、確かに動産等につきましてはお話通りであろうと思います。併しながらおよそ返還というものをやりますときに、善意取得であるか否かによつて区別することを認めないというのが司令部の今までの方針でございました。條約上の義務の履行としましても、動産返還いたします場合に、取得者が現に持つているならば返還しなくてもいいという原則はどうも今までの先例等を見まして立てにくいのであります。従つてその区別なく一応返還義務というものを履行して頂くということにはいたしております。ところで返還いたしました際のその補償取扱いでございますけれども、第一次取得者が受ける金と、転々売買されましたときに現在持つておりました人が受くべき補償と違うのではないかという点につきましては、御指摘のような問題があるということは十分考慮いたしておりますけれども、現在の補償方法は完全な解決を一応後に延しまして、第一次取得者がその返還すべき財産を買取りましたときに払いました代金を戻すという建前で暫定的に処理をいたしております。
  19. 大野幸一

    大野幸一君 そうすると善意無過失に取得した人に対する請求権はこの法律によつてあとの問題に残されるものであつて、この法律ではその権利を失うということは前提にしていないわけですか。
  20. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) お話のようにこの法律補償請求権が消滅するという形にはなつておりません。事務的にも返還されました人の損失の状況承知いたします限り報告をして頂いておる次第でございます。
  21. 大野幸一

    大野幸一君 それはその売買当事者間のみならず国家に対する請求権も又残存する、こういう意味に解しておつてよろしいですか。
  22. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 売買当事者と御指摘になりましたのは、日本人間において連合国財産を売買したのは無効ではないかという御懸念ではないかと思いますが、それは法律効果は国内的には確定しておるという立場をとつております。従つて転々売買をいたします場合は売主に遡及することは考えておりません。現在返還した人に補償すべきであるというふうに考えます。その現在返還いたした人が国に請求する請求権につきましては、この政令乃至はこの政令を切換えます法律案におきましては、その請求権を消滅させるような規定は何ものも設けておりません。
  23. 大野幸一

    大野幸一君 と同時にこの取得した人は無権利者から取得したということになれば、この民法の規定によつて取得者はその損害賠償を要求するという権利は、それは私法上の関係当事者間の争いに任しておいて、この法律によつてはその権利まで消滅するというわけでもないと思うがどうですか。
  24. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 戰時中敵管理が行われました場合に、その敵産管理によつて形成されました法律効果、敵産管理後の取引に基いて形成されたその法律効果を無効にするかどうかということは条約上いろいろの扱い方に違いがございます。ドイツの場合第一次大戰ドイツベルサイユ条約におきましては、ドイツがやつた敵産管理処分効果連合国が一応承認するという立場をとりました。イタリーにおきましてはイタリーがやりました敵産処分法律効果連合国はこれを承認しないという立場をとりました。短い期間の間に若干法律取扱変更があつたように思われます。ところで日本の場合におきましては平和条約には何にも書いてないのでございます。書いてないというのは敵産管理処分を有効と見るのか無効と見るのかという問題がございますけれども、国内的に取扱に関する限りは今までの法律によつて行われた取引というものは法律効果は変りはないと考えております。
  25. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 返還する場合の相手所有者でなくてはいけないのですか。それとも実際上においては委任状かなんかで包括的に連合国側でそれを接收するというようなことをやつておるんですか。
  26. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 今までの建前は前所有者でございます。前所有者日本へ来て取引返還を受けるということを建前にしております。併しながら所有者自体日本に参れない場合もございますので、日本取引受取代理人を置くということを認めて参りました。平和条約は更にその前所有者の属する国の政府が請求し得る場合も規定していると思われますので、この法律案におきましては、最後の場合の政府が請求する手続をも規定いたしました。併して今までのところは現実問題として起つておりません。前所有者その承継人乃至は代理人となつております。
  27. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 大体さつきの御説明では六〇%見当返されているというのですが、連合国財産返還等に関する政令はもうかなり期間がたつておるんですが、その間において今言つたようにまあ代理権まで認められるとすれば、四〇%残つているというのは大変ふしぎにさえ思われるのですが、それはなんですか、代理人等において全部処理するということでなしに、やはり前所有者の意思が十分我が国のほうへ到達されなければこの手続はとれないと、こういう制度になつておりますか。
  28. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 最後お話通りでございます。
  29. 大野幸一

    大野幸一君  これは初めに遡つて恐縮ですが、日本国民が敵産を取得したということは何年頃からのことですか。例えば昭和十六年とか、昭和十八年とか。
  30. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 敵産管理法が施行されましたのは昭和十六年の十二月の二十二旧となつております。法律が施行されましたのは十二月末でございますので、実際の敵産処分は十七年の四月以降から行なつたと思います。
  31. 大野幸一

    大野幸一君 この法案に若し関係なかつたら取消しますが、ちよつと記憶がないのですが、株式を新らしい会社から更に発行せしめるというようなことになつておりますか。
  32. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) これはこの法案のうちに含めております。四十三頁の真中頃に第五条というのがございますが、四行目のところにかつこしまして「(連合国財産である株式の回復に関する政令の一部改正)」というのがございます。ここの第五条で改正されますもとのポツダム政令お話になりましたような株の返還規定しておるものでございます。
  33. 大野幸一

    大野幸一君 そこで新らしい株券発行すれば、今まで発行している株券効果はどうなるのですか。
  34. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) そのまま有効でございます。
  35. 大野幸一

    大野幸一君 そうすると二重発行になることはないのですか。
  36. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 増資をしまして株を発行するという形になつております。同じ株券について株が二つ出るという形にはなつておりません。
  37. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 略奪の点のこの間説明があつたんですが、略奪関係について事情をもう少し詳しく御説明願いたいと思います。
  38. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 略奪関係返還につきましては、従来賠償庁の所管として処理されて参りました。事務の内容については細かいことを申し上げかねるのでございますが、大体数量を申上げますと、略奪財産返還状況は次のようになつているのであります。金属類が約九千八百六十トンほどでございます。機械は五万五千七百三十台でございます。自動車の返還いたしましたものが百一台、原材料が四千七百トン、その他雑品が千二百万個ということになつております。略奪財産につきましては日本側はおおむねこの返還は済んだというふうに考えております。平和条約規定を定められます際にも、略奪財産規定は必要ないのではないかというふうな意見を立てられたと了解しております。併しながら略奪されました国の側におきましては、なおそういうふうには考えられないということでございまして、平和条約第十五条の規定は、開戰時から終戰時までの間に日本にあつた連合国財産ということで、時点ではございませんで期間を定めますことになおしてありまして、その開戰時から終戰時までに日本にあつた連合国財産というのは略奪財産を含むのだというふうに定められました。それで連合国財産返還政令にもこれを含めることにいたしました。併し日本側といたしましてはもう大体返し得るものは返し議したと考えている次第であります。
  39. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これはあなたのほうの関係かどうか知りませんが、昨日あたりの新聞に、国籍不明の略奪品処分した金を各国に分割して払つているようですが、あれはやはりこの法令関係あるのですか。
  40. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 確実に確めかねますので推測を申上げるのは甚だ恐縮でございまするが、略奪をされた財産返還をされますと、これが司令部によつて競売に付されるわけであります。その競売に付されました代金処分の問題かと考えます。併し確実ではございません。
  41. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これはあなたのほうでおわかりならちよつと説明しておいてもらいたいのですが、そのうちにアメリカは全然返還相手国になつていないのですね。イギリス以下皆ありますが、何か特別にそういうふうな措置があるのですか。
  42. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 必ずしも私のほうで明らかにわかつておりません。
  43. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 どなたがそういうことがわかるのか、調べてあとから御通知願いたいと思います。
  44. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  45. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。
  46. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) ドイツ在外財産処分につきましては、昭和二十年に行われましたポツダム協定、詳しくはベルリン会議の議事に関する議定書というのがございます。その中でドイツ在外財産というのは英米仏ソの四カ国の処分に服するということになつているのでございます。同じそのベルリン議定書の中でソヴイエトは東地区以外のドイツ在外財産に対する請求権を放棄すると述べてあるのであります。従いましてその効果といたしまして、東ヨーロツパ以外の地にありますドイツ在外財産所有権英米仏と三カ国に帰属しておるというふうに解せられておるのであります。
  47. 大野幸一

    大野幸一君 先ほど株券については同種株で渡すとこういうのです。そうして前の株主は何ら権利影響はないということであるとこういうわけですね。ほかの財産との権衡上の問題ですが、株券を取得していた人は無損害であるわけです。ほかの財産については今のようにこれから法律をこしらえると、こういうようなものの救済の方法とか何かというふうなことは後廻しになつておりますが、均衡を失つしてやしないかと思うのですがどうでしようか。
  48. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) お話通り均衡の問題があるかと思います。当初株券について返還規定をいたしましたときには、元株の記載名の番号に応じまして追求するという手続をとつております。これは恐らく当時物価権衡を非常に重んじておつたのだろうと思われます。併しながら御承知のように、株は騰貴いたしますと物価に混乱を與えますので、ほかに変更方法があるならばそれを以て替えたいというので、新らしく政令規定を設けた次第であります。なお詳しく申しますと、株の返還のうちで敵産管理委員会から買いとりました第一次取得者が今もなお持つております場合には、その人に返還して頂くことになつております。株につきましてそのように流通影響のない場合においては、連合国財産の他の物品の返還と同じ方法をとります。流通の場合に価値のあります場合には、特別の方法をとつておるのでございます。
  49. 大野幸一

    大野幸一君 そういう趣旨も考えて、他の動産に対して成るべく国民個人損害に帰せないようにしてもらいたい。
  50. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) はい。
  51. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) この法案質疑は、只今はこの程度にいたしておきます。   ―――――――――――――
  52. 平沼彌太郎

  53. 小野義夫

    委員外議員小野義夫君) 補助貨幣損傷等取締法臨時特例の案でございますが、これは私ほか七名のかたがたの共同提案形式とつたのでございますが、これは本来大藏省から出して頂きたかつたのでありますけれども、まあ議員提出にしろというお言葉でございますから(笑声)そのお言葉従つて提案いたした次第であります。この法案提案理由はこの法案にくつついておりますけれども、更にお手許にお廻しした理由書を朗読さして頂きます。  補助貨幣損傷等取締法臨時特例案提案理由説明只今議題となつております「補助貨幣損傷等取締法臨時特例案」につきまして、その提案理由を御説明申上げます。  補助貨幣損傷等取締法は、御承知通り補助貨幣損傷と鋳つぶし並びにこれを目的とする蒐集を禁止しているのでありまして、これに違反したものには一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する旨を規定されておるのであります。  現在補助貨幣といたしましては、五円以下の多種のものが発行されておりますが、経済取引の実情を見まするに、一円以下の補助貨幣が使用されていることは稀であるように見受けられるのであります。又他面一円以下の補助貨幣がたまたま非鉄金属類に混同して溶解される場合もあるのでありますが、かかる場合本法罰則適用を受けることは余りにも不都合な結果を生ずることになるのであります。従いまして一円以下の補助貨幣につきまして根本的な措置を講ずることが望ましいのでありますが、物価その他関係するところが諸般に亘り、早急に解決することが困難でありますので差し当り一円以下の補助貨幣損傷取締につき本法特例を設け罰則適用を一時排除することが機宜を得た措置であると考えられるのであります。  なお、この措置によりたとえ一円以下の補助貨幣が鑄つぶされるようなことがあるといたしましても先に申述べました通り経済取引現状からしまして実際に影響するところは極めて少いものと考える次第であります。  以上がこの法案提案理由であります。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げる次第であります。
  54. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) それでは質疑を行います。
  55. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この法案によつて適用される補助貨幣の額は大体どんな見当になるのですか。
  56. 小野義夫

    委員外議員小野義夫君) 私が承わつておりますところは、形式の種別的で五十四種類、それからその一銭とか一厘とかいうような、そういうノミナルの価値に分けるとそれが二十数種類であるということを承つております。
  57. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 金額でどのくらいですか。
  58. 宮川新一郎

    説明員宮川新一郎君) お答えいたします。種類は五十四種類ございまして昨年十二月末の流通高が九億三千二百万円であります。
  59. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この九億三千三百万円というのは発行額そのままだろうと思うのですが、若しこれを鋳つぶされるものとすれば時価に換算するとどの見当になるのですか。
  60. 宮川新一郎

    説明員宮川新一郎君) 流通高で九億三千百万円でありまして、地金価格に換算いたしますと三十九億五千五百万円程度になります。
  61. 大野幸一

    大野幸一君 こういう鋳つぶしのことは調査するとわかるものですか、わからんものですか。鑄つぶしを仮に調査する、検査する、検挙するということは、わかるものですか、わからんものですか。例えばそういう貨幣がどこに温存されているのかというようなことが明かであるのですか、明かでないわけですか。
  62. 宮川新一郎

    説明員宮川新一郎君) 全体の貨幣につきましてどの辺に温存されているかはわかりかねますが、ただ製錬所等におきまして硬貨がときどき混つて参りましで、製錬いたします場合にそういうものを鑄つぶしている例が検察当局に摘発されております。
  63. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これは結局今までにも相当鋳つぶされたのがあるというふうに常識上考えられるのですね。そうすると実際問題で、さつきの数字九億三千二百万円というものはかなり減つたものと解釈してよろしいのですか。
  64. 宮川新一郎

    説明員宮川新一郎君) お説の通りでございます。
  65. 大野幸一

    大野幸一君 若しこれを罰すると却つて効果的に使用できない、こんなものは通用もしないし、或いは又これは罰しないほうが却つて警察上いいのじやないですか。廃止したほうが警察上いいのじやないですか。これは特例として廃止しているのでしよう。「当分の間」というのですか、「当分の間」とつけたのはどういうのでしようか。
  66. 宮川新一郎

    説明員宮川新一郎君) 現在の地金価格から申しますと、流通価格を上廻ることになりますが情勢の変化によりましては下がる場合もあります。補助貨幣損傷等取締法を制定いたされましたゆえんのものは、やはり通貨の信用を維持し経済の取引の円滑を期する、こういうことでございますので、一切こういう法律はやめろということはできないのでございます。
  67. 大野幸一

    大野幸一君 わかりました。
  68. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 他に御発言もないようですから質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もないようでありますから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります補助貨幣損傷等取締法臨時特例案を原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  71. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたします。なお諸般の手続は前例により委員長に御一任願います。それから多数意見者の御署名をお願いたします。    多数意見者署名     菊田 七平  下條 恭兵     西川甚五郎  岡崎 真一     大矢半次郎  黒田 英雄     油井賢太郎  伊藤 保平     大野 幸一  溝淵 春次
  72. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  73. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。それでは休憩いたします。    午後零時八分休憩    ―――――・―――――    午後二時二十四分開会
  74. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 午前に引続き大蔵委員会を再開いたします。
  75. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 法案とはちよつとかけ離れているかも知れませんが、銀行局長に緊急にお尋ねしておきたいことがあります。それは先般資金運用部の資金を百五十億預託を各方面にされたのでありますが、そのうち五十億は中小企業のために各金融機関に渡されたということが発表になつております。併しその内容を見ますというと、果して中小企業のために本当に縱の流れを通つてつて行くかどうかということが多少疑問のようにも考えられるのですがどういう見地でどんな、振合いでこの五十億というものをお廻しになつたか。先ずそれを一つ御発表願いたいと思うのです。
  76. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 最初にお答え申上げます前にお断りいたしておきますが、今油井さんのお話は、この百五十億は資金運用部からの預託というふうなお話でございますが、そうではないのでありまして、一般国庫の余裕金を預託したということに相成つております。この点はそういうふうに訂正いたしておきます。先月の末に百五十億の国庫の余裕金と申しますかを各金融機関に預託をいたしたのでありますがこれは趣旨は二つに分れております。そのうちの百億は銀行に預託をいたしました。これは将来あるべき資金運用部における金融債の引受或いは買入等に資するために、それまでの間これらの金融債を一時銀行において保有をしてもらうというための資金としてこれを放出いたしたのであります。なおこれに関連いたしまして、直接債券を発行いたしまする銀行、興業銀行でありますとか、勧業銀行でありますとか、それから北拓でありますとか、こういうところにもその百億の中から或る程度の預託をいたしております。それから残りの五十億が今お話のような中小金融の疏通のための資金として預託をいたしたのであります。これは内訳を申上げますと商工中金に六億いたしました。なお商工中金にはすでに約二十二億の預託をいたしておりますので、今般の預託を合せますると二十八億の国庫の預託をいたしていることに相成ります。それから農林中金に五億、農林中金にもすでに預託をいたしておりまするものが数十億でございますので、それに……、そういうふうに御了解願いたいと思います。それから相互銀行に三十七億、信用金庫に十二億、こういうふうな割振りにいたしているのであります。そのうち商工中金と農林中金につきましては特に御説明申上げることもないと思います。これらの金庫が中小の商工関係の金融の疏通に当つているわけでありまして、これらの資金源を拡充するためにとつ措置であります。相互銀行及び信用金庫、まだ相互銀行に転換いたしておりません無盡会社も含んでおりますが、又信用金庫には転換の終つておりません信用組合も若干含んでおります。これらに預託をいたしまする相互、銀行二十七億、信用金庫十二億の配分の仕方は、昨年八月にこれらの中小金融機関に預託をいたしましたときと同じような方針でこれを配分をいたしたわけであります。原則といたしまして、大体資金量に応じましてこれを何段階かに分けた預託の方法をとつているわけであります。資金量の多いものに多く行くという形になつております。数は相互銀行につきましては現在五十八行ございますが、これに全部。それから相互銀行になつておりません無盡会社七社、相互銀行関係で六十五行社ということに相成つております。それから信用金庫におきましては百五十一金庫、それにまだ金庫になつておりません信用組合で相当大きいものがございますので、これを一組合入れまして、百五十二金庫及び組合、こういうものに按分いたしております。そういうふうにいたしたのでありますが、金庫等につきましては、御案内のようにすでに二百数十の金庫ができているわけでありますが、そのうちから特に百五十一だけを選んだのはどういうことであるかというお尋ねがあるかと思います。この点は去年の八月にいたしましたときにも同じ問題が案はあつたのでありますが、国庫の指定預金という性質から言いまして、余り小さい方面に万遍に数多く分けるというのも如何かという氣もいたしまして、又この資金は御承知のように極めて短期の資金でありますので、これが何カ月か後に回收いたされる場合に非常に小さい信用組合におきましては、これらの回收がうまく行くかどうかについて、資金全体の金廻りの状況から見まして若干不安を感ずる点もございます。国庫金を預託いたしまする立場から申しますと、その点についても若干或る程度の枠をきめざるを得ないというような観点もあるわけであります。この点はむしろ金融行政をやつておりまする私どもの考えよりも、むしろ国庫金を預託いたします立場にある国庫の管理者としての立場のほうからそういうふうな或る程度金庫等につきましても数を制限して、割合資金量が大きくて、何カ月か後にこれを引揚げます場合に、そう金繰り上制限のないようなものを選んで参るということになつたわけであります。従いまして金融行政の立場から申しますと、すべての中小金融機関に万遍なく割振るということが適当であるという意見も実は成り立つわけでありまして今申上げました国庫金の管理者という立場からそういうような制約が出来る。かたがた資金量も五十億という限られた資金量でありますので、これを余り多くのものにばら撒きますと、一金庫当りの預託資金量というものも相当小さいものになつてしまいます関係で、單位を余り落さないようにして行かなければならないというような点も考慮いたしまして、只今申上げましたような方針でこれを配分いたしたわけであります。
  77. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 詳細の御説明で大体はわかつたのですが、相互銀行あたりはなかなか大手の貸付を最近やつているというようなことも聞いておるのですが、そういう方面に二十七億と、それから全国の信用金庫の十二億というものと比べると、何かそこに割切れないような感じがするのですが、資金的に見て相互銀行は信用金庫全体よりもこの率で行くような、いわゆる中小企業に対する資金面の機能を発揮しているのですか。
  78. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 相互銀行と信用金庫の資金の量という点から言いますと、信用金庫一金庫当りと、一相互銀行当りと比べますと、非常に大きな開きがあります。併し信用金庫全体の資金量と申しますと、数が御案内のように非常に多いのであります。相互銀行は僅かに五十八でありますが、信用金庫は信用組合を加えますと六百近くになります。そういうわけで数が非常に違いますので、全体の資金量ということになりますと、必ずしも相互銀行に劣るわけではございません。併し一單位当りは遙かにその資金量は違つておる。それから相互銀行の二十七億と信用金庫の十二億がバランスがとれておるかという点でございますが、これはいろいろな見方がございまして、資金量に必ず比例して実は分けたわけではございませんが、先ほど申上げました昨年の八月に指定預金をいたしましたときには、相互銀行関係が二十一億数千万円、それから信用金庫関係が九億たしか八千万円くらいじやなかつたかと思いますが、それらの比率から見まして、今度は若干両者共金額を殖やしましたが、バランスは昨年の八月にやりました当時のバランスと大体同じようなバランスで分けておる。こういうふうに御了解願いたいと思います。
  79. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の御説明ですが、信用金庫あたりは何か預金のレベルで以て一億四千五百万以上の預金があるところというように限定されたというのですが、これはやはり各県に連合会もあり、更にその上の全国の連合会もあると思いますが、そういうところにやつて更に再分化して行くというような方法で万遍なく潤いを蒙むらせるような方法はなぜとらなかつたのですか。
  80. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 先ほど申上げましたように、全部にばら撒きますと、ばら撒くという言葉はどうかと思いますが、すべての信用組合なり信用金庫なりに全部に割振りますということも金融行政の立場から見ると考えられますが、併しこれは国庫預託の立場から、国庫金管理者としての立場からは、今申上げましたように何カ月かのちに引揚げます場合に、金繰り上直ちに引揚げることができないような事態に階ることがあつては非常に困るということが一つと、それから金額が何分にも五十億という金額でございまして、それを六百からの信用金庫、信用組合すべてに分けてしまいますと、一單位当り非常に少くなる、端数が付いて非常に少い金額になるという点もありますので、金額の点も余りに單位当りに小さいものにしないという観点もありまして、かたがた昨年八月にいたしました方針とも睨合せまして、只今申上げたような方針でばら撒いたのであります。
  81. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 まあ中小企業のそういうふうな資金を幾分でも潤わせるという趣旨から言つたら、今のような單に手続上の簡素化というか、簡單だというばかりでなく、万遍なくこういうものに恩惠を蒙らせるというほうが、国民の血税をそういう方面に使う意味において妥当じやないかと、こういうふうに思いますが、これは一つ将来そういう点を御勘案願いたいと思います。それからもう一つ承わつておきたいのは、この引揚げは大体何カ月ぐらいで百五十億を引揚げなさるおつもりですか。
  82. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 預託の条件について申上げます。まず金利は一銭八厘であります。これは昨年に行われました指定預金と同レートでありますそれから引揚げの時期でありますが、これは各金融機関によつてこれを差違を設けまして、相互銀行信用金庫につきましては五〇%を三カ月、あとの五〇%を四カ月という期限にいたしております。それからから商工中金につきましては、すでに預託をいたしておりまする二十二億を加えまして二十八億を七億ずつ、五、六、七、八、四カ月に引揚げろ、こういうことにいたしております。それから銀行につきましては、これは先ほど御説明申上げましたような金融債……。資金運用部が将来引受けるであろうような金融債の見返りというような観点に立つておりますのでこの資金運用部が今後引受けるであろう、計画に合せて預託期限をきめる。具体的に申しますと約六〇%程度を二カ月、五月の末、そして残りの四〇%のうち三〇%程度を、少し端数はございますが、約三〇%程度を三カ月、残りの約一〇%程度を四カ月、こういうふうにして引揚げて参るつもりでございます。
  83. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これはやはり中小企業あたりも今二カ月や三カ月ぐらい政府資金が多少のところばら撒かれても、恐らく根本対策にはならないと思うのです。従つてこれは本当の日の前に六百億なり七百億なり吸い揚げた身代りとして、ほんの即効薬程度にばら撒かれたのではないかと思われるのです。これに恒久的な対策も勿論お考えになつておられると思う。それはどういうふうな見地で以て中小企業の金融をなさる方針があるか、併せて伺いたいのです。
  84. 河野通一

    政府委員(河野通一君) お示しのように、この国庫の指定預金は一時的な国庫金の余裕を預託いたしますのでありますから、そう長い間これを据置くわけには参りません。国庫の放出がだんだん進んで参りますに応じて、これらの資金はやはり一定の期間後には引揚げなければならないということに相成るわけであります。その意味におきまして、油井さんからもお話のように、この措置は決して長い長期資金を供給することにはなつておらないわけでございます。中小企業に対する金融の措置につきましては、全体といたしましていろいろな方法を講じて参らなければならんと思います。併し何分にもこれはこの前も油井さんの御質問にお答え申上げただろうと思うのでありますが、本筋はやはりこれらの金融機関が中小金融機関が自分の力で以て資金源を拡張して行く、言葉を換えて申上げましたならば、預貯金を増強して行くということによつて、できるだけ中小金融のための資源を拡充することが本筋であろうと思います。国庫金でありますとか、或いはその他資金運用部の資金等政府資金、財政資金等をこれらに流して参りまするものは、いわば保管的な作用をなすものと思つております。できるだけ自力で以て預貯金を拡充して行くのが本筋で、それで足りないものを国庫金なり政府資金で以て補つて行く、こういうふうな考えで進まなければならんと思つております。而も国庫金は今お話のようにいわゆる短期のものでございますので、更に長期的な資金源を拡充いたしますためにはどういう措置をとるのがいいかという点につきましては、いろいろ現在研究をいたしております。商工中金、農林中金等につきましては、資金運用部によつて金融債を引受けるという措置を今後といえども大いに積極的に進めて参りたいとかように考えておる次第であります。現在の法制ではこの資金運用部の資金をその他の一般金融機関に預託をしたり或いは貸付けるということは法制上できないことに相成つておるわけであります。資金運用部の資金は長期資金でございますので、こういう制度ができれば甚だ都合がいいわけでありますが、現在の法制ではそれができないことになつております。従いまして、極めて短期間という一つの不便はございますけれども、国庫の余裕金を金融状況或いは国庫の財政の收支の状況等両者を勘案いたしまして、今後においても国庫金の預託ということは必要に応じてやつて参りたいとかいうように考えておる次第であります。
  85. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 もう一点伺つておきたいのはこの三月中旬かと思いますが、たしか商工中金に九億を中小企業対策として出されたことがあつたはずです。ところがその中の二億四千万円をルース台風関係のほうへ何か特別に使われたというようなこと聞いているのですが。それは事実なんですか。而も若しそれが事実だとすれば、ルース台風被害の対策というような費用はそういう中小企業関係の費用とは全然切離してやるのが至当じやないかと思うのですが、そういうことがあつたのですか。
  86. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 二億四千万を九億の中からルース台風の関係の金融に紐をつけて預託をしたということはございません。
  87. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 そうですが、なければそれでよろしいです。いずれこの金融関係の問題については又時期を改めてもつと深く掘下げて伺いたいと思うのですが、次にこの銀行員の給與の問題ですけれども、最近やはり各銀行とも比較的業績は挙つておるにもかかわらず、銀行員に対する給與というものは大蔵省が監督していて、或る一定の基準を超えては支給できないというようなことになつておるわけなんです。そのためにほかの産業から比べて最近給與ベースが比較的低位にあるというふうなこと々耳にしているのですけれども、銀行局長としてはこの点はどういうふうにお考えになつておられるか。
  88. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この問題は先般の当委員会で木村さん及び菊川さんから御質問がありまして、詳細実はお答えを申しておいたのであります。私どもは銀行の職員に対する給與について直接的な干渉或いは命令等はいたしておりません。ただ事前に御連絡を受けていろいろ御意見は申上げております。それから御意見を申上げるにいたしましても、銀行なり、金融機関の経理という問題については銀行の健全性を維持しながら、そうしてできるだけ顧客或いは預金者に対する、或いは貸付先に対するサービスの向上にできるだけ充てること、それから内部留保を厚くして健全性を維持すること、こういう点を重点として経理については私ども申上げております。  それから今お話の銀行の職員は一般の他の産業の給與ベースに比較して低くなつておるというお話でありますが、これは具体的にお調べ願えれば銀行給與の状態は決して低いのでございません。ただ尤も銀行の給與よりも高いものはございます。高いものはありますけれども、その一番高いところに比べればそれは低いということは言えるかと思いますけれども全体として見ました場合に、他産業の給與に比較して必らずしも私は低くないというふうに見ております。なお従来金融機関は非常に給與が高かつたのでありますが、殊に大銀行等は非常に高かつたのでありますが、だんだんその辺の給與を自粛して参りました結果、他産業が一方で上つて参りますために、その鞘は若干違つてつておりますことは事実でございます。かように考えております。
  89. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 とかく最近金融機関が産業界に君臨しておる形なんですがそういう形にあつて従業員の状況はどうかというと、やはり事務相当に多忙を極めて夜遅くまでまあ毎日のように勤務しておるような姿を我々はしよつちゆう目にしております。金融機関そのものは利益を相当挙げ、又産業界に対して横暴であると言われるような誹りも受けるかも知りませんけれども、従業員に対してはこれはやはり別な見地から銀行当局あたりも見てやらなくてはならないのじやないかと思われるのです。それは何故かというと、銀行というような業態からいたしまして、やはり行員の不正を防止するというような意味から言つても待遇は相当に向上を図つて決して他のほうへ気を向けるようなことのないようなことも一つのこれは方策じやないかと思うんですが、そういう点から言うと、この給與ベース関係について余り大蔵省でまあやかましく名前は監督であつても、事実上それ以上待遇ができないというような監視下に置くというのはどうかと思われるのですが、これについてもつと緩和するようなお考えはあるのですか。
  90. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 建前は経営者の自主的な判断によつてやられることが望ましいと思います。だんだんそういう方向へ進んで参りたいと思います。ただ私どもは銀行の経理という点、これは普通の事業と違つて公共的なものであるその点から利益の源も必らずしも普通の單純なる経理事業と違つておる、具体的に申上げますれば預金利子を若干引上げることに今私どもが金利調整法でやつております。預金利子を若干引上げるということをやつておる、或いは貸付利子を若干下げるということもいたして、或いは日本銀行の再割引金利政策を若干左右することによつてこれらの点によつて銀行の利益というものは非常に違つて参ります。これらは結局まあ銀行の御努力によつて出て来る利益というものがないというわけじやありませんけれども、その幅は、一般の單純なる営利事業とはおのずから非常に違つておる。その点は十分銀行という特殊の公共的な使命から考えまして、普通の單純な党利事業とはおのずから程度の差違はあるというふうに私ども考えております。それから今の非常に銀行の職員の間に不正な行為がときどきあるというようなことを御指摘なつたのでありますが、この点は誠に往々にしてそういう事態はございます。これは甚だ私も申訳ないことだと考えておりますが、ただそれをなくするために給與を上げたらどうだということになりますと、これはおのずから程度問題で、その点だけから考えればこれは多々ますます弁ずるということになるかも知れません。おのずからそこにはそういうことも頭に加味して問題を考えなければならんことは事実だと思いますけれども、その点で絶対に給與をよくして不正をなくすということをやろうとせられるならば、これは全くどこまで上げていいか実はわからんということになります。そこらあたりはやはり他の業種との給與の均衡等も頭に置きながら、妥当なところをきめられることを私どもは期待いたしておるわけであります。
  91. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 まあその点はその辺にして、もう一点伺いたいのは、銀行の両建問題ですが、最近各事業家が銀行に金融を依頼すれば、必ず歩積みというのを或る程度させられる。ところがその歩積みというのは、非常に金利が安い。それでその歩積みをまあ大体平均すると、まあ三割見当までさせられているのが通例になつておる、或いは四割ぐらいまで行つているのもあるようなんですね。そういう状況において歩積みのほうは非常に金利が安い。それに見返りに手形を割引くとか、或いは貸付をするというようなときは金利が非常に高いというのは、これはどうも納得が行かんというのが一般業者の声なんですが、何分にも金融界というのは先ほど申上げたように、事業界の上に現在は位するようなことになつています。それで表向きそういうふうな文句を言うのはないんですが、これは銀行局長として、両建という面から見ても少し不合理がありはしないかというふうに考えられないのですか。
  92. 河野通一

    政府委員(河野通一君) いわゆる両建預金と言わておるものにもいろいろな実はカテゴリしかあるわけであります。金利の制限を逃れたりするための両建は、これは嚴重にとりやめるような通牒を昨年の夏までに数回に亘つて私から出した。その結果を二度に亘つて検査をいたした。最初にいたしましたときに比べまして、第二回目に検査をいたしましたのは去年の秋でありますが、いわゆる両建と、その先はドレツシングということをよく言われます。その両者をよく調べたのですが、改善のあとは極めて著しくなつた。勿論絶無、全然ないというわけにも参りませんが、改善のあとは極めて顯著でございます。ただ境のところに行きますと、債権確保上どうしても必要ないわゆる両建と金利をもぐるための両建とのその境というものは、なかなかむずかしい。例えば歩積みという制度はこれは当然あつていい制度だと思う。ただ歩積みが度を越してはいけない。それで金利をもぐるということに度を越して悪用されてはいけな。そういたしますと、一体正当なる歩積みとしての限度はどのくらいかということになりますと、これもなかなかいろいろ意見はありますけれども、はつきりした数字は出ない。私は大体まあ歩積みの性質から言いますと、何カ月か積んだ最後に、せいぜい三〇%がまあ最大限度であろう。だんだん積んで参りますから、必ずしも、手形が落ちることに利益をだんだん積んで行くから一挙に三〇%天引きして預金させるという問題じやありません。五%ずつ積まして行くとか、手形の落ちるごとに五%ずつ積んで行くという措置をとつているわけであります。然らば三一%になつたらいかんかという問題になりますと、なかなかそこははつきりしたけじめは付けがたい。歩積みにつきましては、その制度自体は私ども否定いたしておりませんが、これが今申上げますような意味で濫用されることは私はいけない。その大体の限界は三〇%程度ではないか、最終において最高三〇%までだんだん積んで行つて、それがまあ最高じやないかというふうに考えている。そういうふうな指導方針で、銀行にはいろいろ御注意申上げておる次第であります。御指摘のように、未だ根絶に至りませんことは甚だ残念であります。今後もそういう点については十分注意をいたしたいと考えております。
  93. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 歩積みの三〇%は、私もこれは銀行取引をしている以上業者としても或る程度は止むを得ない、又当然だとも思われるのです、お話通り……。ところが場合によるというと、いわゆる歩積みの蓄積まで割引してもらわない場合でも、それでもその金利は割引のほうと歩積みのほうとはまるで違うというのが現状なんです。つまり今言つたことを簡單に申しますと歩積みの積んだよりももつと低い借入金しかしてなくても、その分に対してやはり高額の利率を課している。こういうのは健全な運営機関のあり方かどうかということが、問題になつているのですがね。これはそういう見合勘定あたりのはつきりしておる場合には、金利は当然預金利子と大差のない利率を以て貸付の利子をきめて行くということは当然じやないかと思うのでありますが、そういつたようなことは今のところは考えられないのですか。
  94. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この点は私どもといたしましては、特にそういう場合には金利を下げろというような指導はいたしておりませんが、具体的に例えば本当の意味の預金担保貸出しというものがございます。これらの場合には、その利鞘というものは極めて低い措置をしておるわけであります。そういうふうに銀行当局者の良識によつて、その点は実情にあつたような措置は幾らでもできるのである。ただ歩積みの預金は、これは預金でありますから、これは預金の利子を上げるわけには行きません。これは一般の最高限度を抑えられておりますから、貸出しのほうは最高限は抑えられておりますけれども、下げるほうは別に差支えない。今お話のように歩積みよりも貸出しの額が少いというのは極くレア・ケースだと思いますから、これは限られた極く例外的な事案だろうと思います。そういう問題につきましては、個々に銀行の当局者の良識によつて措置されることが一番望ましいと私どもは考えております。
  95. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 これは私、関西方面で或る業者の真実な話を聞いたので、具体的にそういう例があるのですね。それですから、そういう業者というものは、いつ如何なるときに銀行の世話にならないとも限らない。そういう関係上、内容が非常に充実して、歩積みをだんだん積んで行つたのは定期預金に振替える、その定期預金を見返りに貸出しの際にも、そういう高率の貸出し日歩でとつておる。そういう金融機関というものに対しては或る程度注意を……、いわゆる業者というものは力が弱いから、思切つて銀行当局にぶつかつて行けない、そういうものに対して親心のある政府の方針を示されて、又自己蓄積というものの充実を図らしてやるというような一つの心がけも、将来何かのとき具体化して頂きたい、こういうことをお願いして、私の質問を終ります。
  96. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 油井委員の先ほどの国庫余裕金の預託についての御質問に関連してちよつと伺つておきます。相互銀行とか、金庫に対する面は大体了解いたしましたが、普通銀行に対する預託について伺いたい。これは将来資金運用部で買上げるべき金融債券の見返りとして出したと、こういうお話でありますけれども、果してそれがうまく目的通りつているものか。どうか新聞紙上で承知するところによりますれば、その相当部分は日本銀行の借入金の返済に当てられる。従つて産業界方面には殆んどこれが潤つていないというような記事もありましたし、又果してそういう百億の金融債が、右から左に普通銀行が手に入れられるような状態であるかという、この点もちよつと疑問でありますからして伺いたい。
  97. 河野通一

    政府委員(河野通一君) これは非常に実は複雑な仕組になつておりますので、詳しく御説明を申上げなければならんかと思いますが、極くあらましを申上げますと、こういう仕組になつているわけです。資金運用部が金融債をいつ引受けるか、或いは買入れるかという問題につきましては、今後の情勢を見て考えなきやならんと思いますが、仮に五月に入りまして、資金運用部が金融債を五十億なら五十億買取るということにいたします場合には、その金融債を買取る五十億に相当する金額を大体においてこの預託金から引上げる、こういう仕組になつているわけで、仮に資金運用部が金融債を引受けません場合には、それ相当期間、引受けますまでの間、その預託金を延ばして行く、こういうことになつております。具体的に各銀行はどういうふうにして預託したかと申しますと、例えば甲なら甲という銀行が興業銀行なら興業銀行の金融債を自分の金で二億持つといたします。そういたしますと、その二億に見合うべき資金運用部の金融債の引受額は、御承知のように資金運用部資金法によりまして、市中で消化されたもの四割に対して資金運用部は六割まで、四六の形でパーテイシペイトして資金運用部が持てるというように相成つている。従つて甲の銀行が二億の金融債を自分の資金で持つたといたしますと、大体においてその何と申しますか、四分の六、一倍半、一倍半に当るものを国庫金から預託をいたす、こういうふうになつております。その資金で以て市中銀行は興銀債なり、或いは勧銀債を現実に引受けるわけです。その引受けた金融債を資金運用部なら資金運用部がこれを買取り得る時期に来た場合にそれを買取る、こういう措置をいたしたわけであります。併しながら金融債というものは四月に一遍に出るわけじやありません。或いは五月になるものもあります。六月に発行されるものもありましようから、それまでの間の資金は、預託のほうは一時にいたしますから、仮に十億預託を受けた銀行があるといたしますならば、四月分、五月分としては或いは五億くらいしか金融債は引受けないことになる。あとの五億は暫らくの間自由な金として使える。こういうことに相成るわけでございます。その自由な金として使える部分につきまして、これは一般の銀行の資金の中に入つて来るわけでありますから、貸出しに当てることもできましよう。又資金の需要がそれほど旺盛でない場合には、一時日本銀行からの借入金を返すという措置になることもあります。いろいろな措置によつて銀行自体の金繰りから、金繰り機関として措置されることに相成るのであります。併しながら私どもはこの資金を預託した趣旨は、飽くまでも金融界に対する資金の充実を、短期でありますけれども、資金の充実をお考えてやつたのでありまして、必要な資金のほうにこれが融資に使われることは大いに期待いたしているわけであります。その点は特に指定預金として紐が付くわけじやございませんので、一般の銀行の資金繰りの一環としてこの問題が取上げられた、こういうふうに御了解頂きたいと思います。
  98. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 私はそういうむずかしいコースをとるよりは、端的に、興銀なら興銀、勧銀なら勧銀という方面に預託さして、そうして金融債発行をするまでの管理をさしたほうが、本当に産業界のためになるんじやなかろうか。然るに特に普通銀行にそういうふうにして、そうしてそれが将来各銀行の計画通りにその資金繰りが果してついて来るかどうかも疑問なのに、なぜそういう方法をおとりになつたか。ちよつと腑に落ちないように考えますか……。
  99. 河野通一

    政府委員(河野通一君) その点は詳しく実は御説明申上げる必要があつたのでありますが、なぜそういう廻りくどいことをしたかと申しますと、全く原因は資金運用部の資金法の現行の建前上そういう措置をとらざるを得なかつた、こういうことであります。と申しますのは、先ほどもちよつと申上げましたように、資金運用部が金融債を引受ける場合には、或いは借入れる場合には、市中で消化されたもの四に対して六割まで持てる、こういうことになります。従つて金融債をとにかく発行することが必要です。後ほど資金運用部でこれを買取ります場合にも、とにかく金融債が発行された形にしておかないと資金運用部が買取れない。具体的に申しますと、これは興業銀行に指定預金をいたします。そうして興業銀行がそれでどんどん金融をして参りますと、興業銀行はこの国庫の金は三カ月なら三ケ月で引揚げてしまう、そうするとすぐそこで困るわけでありますから、この資金は興業銀行としては金融債の形に何らかの形で直ることが必要である。そういたしますると、金融債を資金運用部でこれを将来買取るなり引受けるところの道を開いておくためには、市中銀行が何らかの形で金融債を持つておることが必要である。その金融債を持つておるもののうち、六割は資金運用部において買取ることができる、これをいたしませんと、金融債が自金で各銀行が持つたもののうちから六割しか持てないことになる。金融債を全体として資金運用部から成るべくたくさん引受けることにして、長期資金源を拡充しようという趣旨から言いますと、一時とにかく何らかの形で発行されて、それがどこかの機関によつて引受けられるということにいたさなければ、これは資金運用部資金法の現行法の建前上、どうしてもそうならざるを得ない。この点からちよつとお考えになれば、誠に廻りくどい間接的な措置と言われましたそういう御批判を受けるのも御尤もでありますが、止むを得ず現行の法律建前上、そういう措置をとらざるを得ない、こういうことになつたわけであります。
  100. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 資金運用部の昭和二十七年度の運用計画から言えば、金融債なんかに投資する余裕がないようになつておるにかかわらず、将来それを引受ける、或いは買上げるということを予定してそういうことをおやりになる、それはかまわん、こういうお考えですか。
  101. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この点は資金運用部の運用計画は御承知通り予算には別に拘束されておりません。資金運用部資金運用審議会の決議によつて適当に改正ができるわけでありますこれは手続上の問題でありますが、資金運用部の資金計画、二十七年度につきまして当初私どもが考えでおつたのと若干これを変更いたしまして、資金運用部では金融債を持たないような一応の計画になつておりますのは、狹義の財政だけでなくて、広い意味の政府資金を含めた見返資金、或いは資金運用部資金全体を含めた国の総合的な收支を均衡させるという観点からそうなつているわけです。然るところ一方におきまして、その後国庫の收支状況も非常に好転いたしたと申しますか、相当余裕のできた状態になつておる。従いまして、一般会計のほうで或る程度そこで收支上の余裕があればそれに見合うだけのものを資金運用部で更に投資するということは、広い意味の財政の均衡という原則から言いまして、必ずしも破れるわけじやない、こういうふうな考え方を、いたしております。従いまして、今後の国庫全体、国庫と申しますか、財政全体の收支の見通しから言いますと、或る程度資金運用部で従来の計画に加えで金融債を持つことは、財政全体の收支の均衡という原則を破らないで持てるという見通しを私は持つております。金額等につきましては更に十分今後の推移を検討いたすことが必要でありますけれども、少なくとも年間といたしまして数百億の金融債は財政の全体の均衡を破らないで持てるであろうという見通しを私は持つております。
  102. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 銀行の預金はですね、なかなか殖えない。一方において長期資金の需要が非常に多い。で資金運用部の資金の増加はこれに比べて割合に強い、こういう情勢からいたしまして、資金運用部の資金を金融債のほうに運営する場合に、今お話になりましたような制限を今後そのままに残しておくのがいいかどうか、ちよつと非常にその点は問題だと思うのでありまして、殊に例えば商工中金のごときはどうしてもあの方法では行かないだろうと思う。従つてそういう点もお考えになつてですね、過渡的の措置としても、今の普通銀行にたくさん預託するのを避けて、そうして直接必要な方面にできるだけやつて、或る期間繋いで行つて、適当にその法規の改正し得るときが来たならば、うまく乘換えて行くということは是非考えなければならんと思うのでありますが、如何でありましようか。
  103. 河野通一

    政府委員(河野通一君) お示しのように現在の資金運用部資金法の金融債に対する運用にはまあ制限が非常にきつくついているわけであります。これを全部外してしまう、無制限にしてしまうのがいいかどうかの問題は、私は相当慎重に研究しなければならんと思いますが、少なくとも現在の非常にきつい制限は適当な機会に少なくとも或る程度は緩和して行くべきではないかというふうに考えております。併しこれは今お示しのように、法律の改正を要しまする点もございますし、できるだけ早い機会にそういつた考え方の下に具体案を作成したいと思いますが、時期その他につきましてはなお研究をさして頂きたいと、かように考えております。
  104. 大野幸一

    大野幸一君 百五十億国庫余裕金を出されたあと、現在どのくらい残つておりますか。
  105. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 国庫余裕金というのはなかなか計算が非常にむずかしいのでありまして、ただ一概に日銀にある政府当座預金の残高が国庫余裕金とは言えないわけであります。御承知のように一方で日本銀行から借入れておつてそうして一方で預金になつておるという両建的のものもございますし、それでは日本銀行からの借入金を全部政府の当座預金から落してしまつて、その残高が国庫の純粋の余裕金と言えるかどうかというと、そうでもないと思うのであります。はつきりした数字は申上げられませんが、ただ事実を申上げますれば、現在政府の日銀への当座預金は約六百億であります。これは事実でございます。事実でございますが、これは今申上げましたように、これだけがすべて国庫の純粋の余裕金であるという御解釈は成り立たないと、こう思います。
  106. 大野幸一

    大野幸一君 余り短期に引揚上げるというので、実際それによつて金融……中小企業者が潤おわせられるということは非常に困難になるのでありますが、特に商工中央金庫ですか、これは今までの二十二億とまぜて二十八億をこの際引揚げるというようなことをしてしまつて、それであの金庫が成り立つて行けるのかどうかと、このようにちよつと考えられますが、その点はどうですか。
  107. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 先ず国庫の指定預金の引揚げの期限をできるだけ長くして、安定した資金として使えるようにしてはどうかという御意見、これは私どもの立場から申上げますと、できるだけ安定した資金で長く融資をされることが望ましいと思います。併し何分にも国庫の余裕金と言いますのは一時的に生ずるものであつてみれば、これは注意しなければならんものである、財政收支自体の立場を十分考えて参らなければならん。その意味から言いますと、やはり三カ月程度が今後の情勢を見通し得る最大限度ではないかという点もございますので、一応三カ月といたしたのであります。その後におきます状況におきまして、当時の金融情勢が、或いは国庫の收支の状況等も見まして、必要があれば更に期限を延長するとか、預託をするとか、更に預託を追加するとかいうことは、今後も考えて参りたい、かように考えております。それからもう一つ何でしたか。
  108. 大野幸一

    大野幸一君 商工中央金庫の……。
  109. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 商工中央金庫の金繰りの問題でありますが、これは油井さんの御質問にお答え申上げましたように、これらの機関もできるだけ自分の資金で資金源を拡充して行くということが本筋だと思います。併しながら商工中金は御案内のように預金を受入れることができますけれども、なかなか性質上預金は集まつておりません。それがために金融債、商工中金の債券の発行ということを認めておるわけであります。本年度におきましては、今計画といたしましては、資金運用部において将来金融債を引受けるということを前提にいたして申上げますならば、昨年よりも商工中金債についてはできるだけ多く資金運用部で持つようにして参りたい、こういう配慮をいたしておりますが、具体的な数字をまだ申上げる段階に達しておりません。
  110. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) ちよつと銀行局長に対する質問がございませんければ……、ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  111. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。   ―――――――――――――
  112. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) では次に日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴う所得税法律臨時特例に関する法律案(予備審査)、同じく関税法等臨時特例に関する法律案(予備審査)、同じく国有財産管理に関する法律案(予備審査)三案について質疑を行います。
  113. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 主税局長にお伺いしたいのですが、前々から占領されておる日本として、我が国のいわゆる租税に対する威力というものがとかく第三国人に及ばなかつたのが相当つたんですね、最近における状況はどういうふうになつておりますか、おわかりになるだけお示し願います。
  114. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) お話の点は率直に考えまして、終戰直後は実は全然一時課税権がなかつた。それから先ずその次は連合国以外の国の人々、こういう人に対しまして課税していいことになつたのでありますが、その後暫らくなおドル、外貨による取引による所得、これにはやはり課税権はなかつたのでございます。これも御承知通りたしか二十五年から課税することになりまして今日に至つておるわけでございます。それで間接税の方面におきましても広く免税する。軍人等に対しましては購入するものは勿論課税しませんしそれからそれ以外の外国人の購入する物品につきましても関税、消費税をかけないということになつておりましたが、これもだんだん範囲を縮小いたしまして、今年の一月からもうすでに御承知通りそういう特別のものは全部やめまして、軍人さんの分だけが残つている。まあこれは補整と申しますか、関税の原則の移り変りでございます。実際問題といたしましても初期におきましてはいろいろな抵抗摩擦等もございまして、なかなか実行に移しにくかつた点もございますが、そういう点も徐々に改善されつつあるようでございまして、最近は勿論まだこれは完全とは言い難いのでこぎいまするが、相当申告その他の成績も実績が出ているようでございます。今その数字を手許に持ち合しておりませんが、いずれ必要でございますれば後ほど申上げても結構だと思いまするが、一部の外国人等の非常な問題等も最近はよほど解消いたしました。ただ所得の適正な把握がやはり日本人以上に困難であるという面はございましようが、徐徐に改善を見つつございまして、まあ私、今後におきましては更に努力を重ねて行きますれば、殆んど本邦人と同様な課税をするということが実現できるのではないかと、かように考えておるのでございまして、目下鋭意そういう方向に資料等を集めまして努力いたしておる次第でございます。
  115. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 具体的に申しますと、この関税でも、或いはその他所得税等の諸税でも、今までにおいて第三国人関係日本法律に抵触する行為があつて、それに対して我がほうで或いは抗議を申込み、或いはそれに対して課税をするという具体的の事例があつた場合ですね、手続上どういうふうなことで以て解決を図つているのですか。
  116. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) その点も初期におきましては、まあ名前を言うのは少し差支えあるか知れませんが、一部の東洋に属する国の人々、そういう人々につきましては、なかなか実際上調べに行くと拒否される、そして妨害行為をやられる、それから又大勢で税務署に押しかけまして、これ又なかなか言うことをきかない、こういう事情があつたのでございます。併しその当時におきましても、極端に抵抗するような者に対しましては、例えば米軍等の協力を得まして実行に移したこともございます。例えば横浜とか神戸等におきましてそういう例がございましたことは御承知通りでございますが、まあそういう点はだんだん最近はよくなりまして、向うが頭から拒否してかかる、或いは妨害する、そういうことは今日では殆んどなくなつて来つつある。ただ御承知のように密造の問題が今日まだ大きな問題として残つておりまして、これがなかなか厄介な問題として残つておりますが、或る程度しつかりした商売をやつておりまして、ちやんとした店を持つておる人は頭から拒否するというようなことはなくなつて、積極的に協力するようになつております。併しなお所得自体の適正な把握ということがまだやはり完全にできておらないことがあると思いますが、やはり帳簿の検査等も本邦人と同様な検査をして適正化を期するということにいたしたい。なおそういうことに関連した大きな摩擦等も私耳にしておりませんし、大体円滑に行きつつあると見ておる次第でございます。  それから関税等におきましても、御承知通り外人專門の店を置きまして、そこに行けば関税のかからないものが買えた時期が相当続きましたが、これも全部なくいたしまして、そういう店が持つておりました品物につきましては取得課税をいたしまして、そして今後入つて来るものは全部関税、物品税の課税をいたしまして取扱つて行くということになりましたので、その点も最近はよほどよくなりつつある。併し勿論これも私ども完璧だとはまだ言い難い点もございまするが、こういう点につきましても鋭意努力をいたしまして完璧を期するように努めたいと考えておるような次第でございます。
  117. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 こういう点なんかの場合はどうするのですか。例えば外人が個人で以て日本人と同様な所得があつた場合、その所得税を課せられる前に本国に帰つてしまつたといつたような場合も相当多いと思いますが、大体外人なんか日本に来て永住するなんて、そういう考えの人は少いと思います。とにかく日本に来て一儲けしたらさつさと引揚げるというようなことも相当多いのじやなかろうかと思います。そういつたような場合の所得の追及はそれは実際では不可能なんですか。
  118. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは税法の建前から行きますと、出国する場合に申告いたしまして、特別申告をしなければならぬことにいたしております。そうして税金を納める。その税金は併し一時でなくて分納にしでいい場合もありますが、そういう場合におきましては、納税管理人を指定いたしまして出て行かなければならん。法律ではそういたしておるわけであります。でありますが、出国の際にそれを一々検査するということまでは実はいたしておりません。アメリカ等におきましては、その辺よほど嚴重でありまして、税務署の発行した納税証明がなければ出国も認めないというところまでやつておるようでございますが、我が国の場合はそこまで行きますのはどうもやはり行き過ぎではないか。それに率直に言いまして、我が国は貿易等もせなくちやならないし、外国人等にも相当に来てもらわなければならん。そうしますと、善意の人々に対しまして、手続等に厄介をかけまして、手続も面倒なので、そこまでの措置を今のところとつていないのであります。従いまして今のお話のように、中には日本で商売して儲けて、税金を納めないで行つてしまつたということも成る程度なきにしもあらずで、先般も或る不正行為に関連いたしまして、いろいろな法令違反やつて儲けて、そうしてよく調べて見ますというともう行つてしまつたという例もかすかに私記憶いたしておりますが、あつたようでございます。併しまあそういう点につきましても、私どもできるだけよくやはり事実を調べまして、追つかけて間に合うようにいたしたい。そうして合法的に儲けた所得でございますと、送金その他の点につきましては、一つの記録等がございますし、又銀行との、取引の関連もございますので、そういう点もできるだけ調べまして、適正化をいたしたい。将来においては二重課税の防止協定を結びましてその協定によりまして、お互いに課税及び徴税の通報心する義務を設けまして、相互にできるだけそういう場合に抜け穴にならんように協力するというように進んでみたいと考えております。アメリカにおきましてはそういう点非常に進歩しておりまして、アメリカの税務官吏がヨーロツパ等に派遣されておるようであります。そうして、その国とそれぞれ連絡いたしまして、必要な資料を交換し合つて適切化を期しておるようでございます。日本の場合に今すぐそこまで行くかどうかは問題でございますが、やはりそういう点につきましても、私どもできるだけ将来におきましては合理的な方法を考えまして、抜け穴にならんようにいたしたいと思います。  それから短期間でありまして、日本に特に営業所を設けないで商売をするような場合でございますが、これは事業所得でございますと、なかなか源泉課税の方法がない。併し例えばいろいろな芸人とか、それから公認会計士、弁護士さん、そういう人々がこつちに来て仕事をしてすぐ帰つてしまう。こういう場合には源泉課税を相当拡張して行うことになりましたので、まあ少くとも或る程度の源泉課税をしておきますれば、よほどよくなるという点もございます。まあそういういろんな方策々考えまして、できる限り私どもといたしましても、妥当を期するようにいたしたいと実は考えている次第でございます。
  119. 大野幸一

    大野幸一君 この三案のうち一つ題名が、国有の財産管理に関する法律案だけは臨時特例ということを省いであるのですが一体この三案の終期というものはいつなんでしようか。北大西洋条約において別の又変更があるような場合、その他の場合に当然これが変更されるべきものの運命に至るのかどうかということですね。先ずこの国有の財産管理に関する法律案というのは、臨時というのが抜けているんですがこれはどういうわけですか。
  120. 小林英三

    説明員(小林英三君) 国有の財産のことにつきましては、この法律の条文の中におきましても、「アメリカ合衆国の軍隊の用に供する」ということになつておりまして、その点から十分臨時特例だということ、臨時的なものだということが読めますものですから、特にこの臨時という言葉を使わなかつたのでございます。
  121. 大野幸一

    大野幸一君 そうすると、本質は同じと解してよいのですか、題名が違つただけですね。
  122. 小林英三

    説明員(小林英三君) さようでございます。
  123. 大野幸一

    大野幸一君 これの終期はいつ頃を予想されるのですか、この三案の終期は……。
  124. 小林英三

    説明員(小林英三君) 日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定が失効するという時を以て終期と考えます。
  125. 大野幸一

    大野幸一君 失効又は変更するとき……。
  126. 小林英三

    説明員(小林英三君) はあ、さようでございます。
  127. 黒田英雄

    ○黒田英雄君 私も一点聞いておきます。所得税の問題ですが、この第三条の二とか或いは五で……まあ五のほうで「個人契約者が、その締結した建設等契約に係る建設、維持又は運営のみの用に供するため日本国において有する資産で使用又は保存に因る減もう等に因り減価するもの(家屋を際く。)」を他の同様な者に譲り渡すときには所得税を課さないとあるのですが、これを「家屋を除く」というふうになり、前のほうも「不動産及び不動産の上に存する権利」というものは除いてあるんですが、こういうものは、前のは建設とか何とかでないのですが、個人でもこつちに来て住う家を自分で建てたというようなときに、それを又後任者に讓り渡すというふうなときにもこれは讓渡所得を取るという趣旨ですか、又契約者のほうでは工事をするためにそこに従業員を住わせる家を作るとかして住わしておいて、それを他の者がその工事を途中から引受けるというようなときに、それを讓り渡すというようなときには取るようになるのですが、特にそれを取らなくちやならんという、ほかのものと区別して取らなくちやならんという理由はどういうわけですか。
  128. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは主としまして、まあこの軍人及びその家族の場合は主として軍務を日本において遂行するために、それから契約等はここに書いてありますように特定の……主としてむずかしい工事らしいのでございまするが、工事を請負うために日本に来る。いずれもこれは日本に臨時的に来て仕事をする者、常識的に申しますとそういう者前提に考えております。そういう人々の場合におきまして、日本に来てそういう仕事をするために必要な範囲の資産ですね。これはどうしましても生活に必要な或る程度の資産、仕事をやる上におきまして必要な或る程度動産でございますが、これは必要だと思います。そういうものにつきましては、これはやはり仕事に関連しまして、日本に持つて来てそれが不用になつたら処分するこういうふうになるわけでございます。その範囲に関しましては、これはやはり日本において課税しないほうが適当であろう。それを超えました。例えば家屋を買う、土地を買う、或いは株でも買つて来る。こういうような場合におきましては、これはどうも本来のそういう人々が日本において仕事をする必要の範囲を超えているのじやないか、そういうものにつきましては勿論軍人、軍属及びその家族又は請負業者といえども、契約者といえども、これはやはり一般の外国人及び一般の日本人同じように、それぞれ税法の適用を受けるのが至当ではないか、こういうまあ考え方で立案いたしている次第でございまして、御指摘の二号も五号も趣旨は同様でございます。ただ五号は特に前段に個人契約者が有します特別の償却資産、例えば自動車、工事用の特殊な機械であるブルトーザー、そういうものにつきましてはやはり課税しないほうが妥当であろうか。家を日本で買つて住み要らなくなつて売る。こういう場合には必ずしも日本に来て仕事をする上において必要じやないのであります。日本で株を買う、或いは土地を買うというようなことは必要を超えたものでありまして、普通外国人としての行為の範囲内に属する。そういうものはそれぞれ課税して然るべきじやないか、こういう趣旨で立案している次第でございます。
  129. 黒田英雄

    ○黒田英雄君 それは建設とかいろんなことをするために必要なものはまあ免除をするということですが、そのうちでも「家屋を除く」というのですから、家屋は、勿論これに関係のない別荘とか何とかを持つならばこれは当然でしようが、そうではなく、建設するために建設の現場に作るとか、或いはそこに従業員を、労働者などを住わせるものを作るとかという建設のために必要な建物であるということになつても、やはり家屋になればこれはいかんということになるようですがね。その途中で、或いはいろんな仕事の運営とか何とかのために人が代るということがあるのですね。そういうときにあとの者がそこに入つてその運営に当るというような場合には最後にもう免税するならば、最後のときに日本人あたりはこれは無論課税してもいいんですけれども、途中で人が変つたからと言つて同様な免税を受ける資格のあるもんなんですから、それを特に家屋だけについては免税しないということの趣旨がはつきりしないのですが、勿論これに必要なものということを前提としてですね。
  130. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) その点先ずその前提をなします第三号でございますか、これを少しよく御説明を申上げたいと思いますが、この趣旨は決して相当広範囲に互つて請負業者に対して免税するという趣旨じやありません。その趣旨は大体日本ではなかなか調達できない、日本におりまする日本の請負業者、或いは外国の請負業者が通常引受けることのむずかしい特別の仕事ですね。まあ私ども聞くところによりますと、例えば電波設備等はそれに該当するらしいのでございますか、そういうものはどうしてもアメリカ本国から連れて来ないと工事ができない、で、そういう人々につきましては契約も従つて向うで結んで仕事をさせるわけです。そういうわけで向うが連れて来るという、こういう場合に限りましてこういう特例を認める。普通の外国人でも日本でほかの請負や仕事をやつている、軍の請負もやつているという場合、これは免税するという趣旨じやないのです。そういう場合には日本の請負業者と全く同じ立場に立たれるので両方とも課税いたします。ここにありますのは、特別の仕事を日本で引受けることがむずかしい特別な仕事をやらせるために、アメリカの本国から臨時に連れて来る者、まあそういうものを実はこの免税の対象にいたしておるのでございまして、まあ私どもとしましても、そういう範囲に限りたい。広く免税するということは妥当でない、そういう考え方からいたしまして、そのようにいたしたのでございます。まあそういう人がこの対象にたりまするので、ちよつと日本で家屋を持つなどということも普通の場合にはちよつと考えられない、併し家屋を持つぐらいになりまするとこれは相当固定して参りまするし、そういう段階になりましたら、これはやはり地方の固定資産税を課税する、或いは家屋を讓渡した場合には譲渡所得を課税する、そう行つて然るべきじやないか、こういう考え方で家屋を除いております。文章の書き方が「減もう等に因り減価するもの」ということで五号を限定しておりますので、この中には家屋だけが入つて来ますので、除いておるわけでありますが、こういう人々がほかの不動産を持つたり、或いは株式を持つたり、或いはほかの事業を持つたりする場合におきましては、やはりこれは同様にそれぞれ課税することに相成る次第でございます。この三号のうち、契約者と称しまするのは、私が申上げましたように相当異例に亙る場合の特別な仕事を請負うためにやつて来る、或る意味におきまして、非常に軍属に近い特定の人というふうに御了解願いますれば、その点おわかりかと思う次第でございます。
  131. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今度のこの行政協定関係で、関税関係で少し伺いたいのですが、公用以外の物件の購入というのもやはり相当あると思うのです。それはどのくらいの見込みがあるかないかということですね、かなりあると私は思うのですが、お見込みはどうです。
  132. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) この軍隊が直接軍用に供する、軍のために公用に供するものは勿論関税を課税しません。それから外国から、例えばアメリカ本国から、アメリカの軍人の私用に供するために物を取寄せる場合、それも関税物品税は課税しないことにいたしておる次第でございますが、これは御承知通り一般に外国人が引越荷物として持つて来ます場合には関税も物品税として一定の範囲では課税いたしておりませんし、この範囲で拡張になりますのは、こちらにおります者がその後取寄せるもの、或いはPXが自国から取寄せまして軍人に売るもの、それに課税しないということが一般の外国人の場合よりも拡張になつております。普通どうするかということを考えてみたのでございますが、これはやはりアメリカの本国から主として取寄せるということになりますと普通の日用品等を輸入して、それを使う場合に、相当高い日本の物品税、関税等を課税したのでは、これはどうもやはり常識的でないと、こういう意味で免税いたしておる次第でございますが、勿論物によつても大分違うかと思いますが、大体は普通の日用品、生活用品等は本国の物を消費しておるようでございますので、金額といたしましては或いは相当なものかと思います。これは勿論、それは兵隊の、軍隊のものその他に依存するかと思いますが、今額がどれくらいあるかということはちよつとはつきり申上げにくいと思います。私どものほうにもはつきり追及はいたしかねる次第でございますことを御了承願いたいと思います。
  133. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 公用でない、いわゆる物品も海外から輸入するときに関税をかけないというのはこれはまあ或る程度わかるのですけれども、若し日本の製品をPXあたりを通じて納める場合、その場合は当然物品税であるか何か当然かかるわけですね。そうしますとまあ輸入される物品と、内地から納めるいわゆるまあいわばドル獲得ですね、一種の……その物品との値開きが相当つきやしないかと思のですが、そうすれば課税して大変日本国としちやあ課税面における所得はあつても、値段が高いからアメリカから取寄せて何でもかんでも間に合せるといつたようなことがそこに一つ起るわけですね。そういう点は何か御検討なさつたのですか。
  134. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) そういう点は、CPOで買いましてPXで売つております品物を調べて見ますと、まあ大体はどつちかと申しますと奢侈品的な課税品の物が多い。こういうものはやはり日本の特別に珍しい物がいい、こういうところに着目して購入している。実際調べて見ましても、その大部分は郵便或いは帰る際に本国に持帰つたり、或いは外国に出しておるものが大部分のようであります。従いましてこの点につきましては、私ども輸出免税の手続比較的簡單な方法でやるということになりますれば、業界に及ぼす影響もなくて、且つ日本人は高い物品税を納めているのに軍人さんは物品税を免税されて軽くきれいなものを使う、といつたようなことがなくなりますので、輸出免税の手続をできるだけ簡素化いたしまして、外国に出る物に対しましては免税を容易ならしめるということにいたしますれば、大体におきまして問題は解決するのじやないか。勿論若干お話通り日用品等におきまして、課税がかかるかかからないかによりまして値段の差があつて、若干の影響は免れないものは出て来るかと思いますが、調べてみますと、その種のものはどちらかと申しますと、比較的少いようでございます、従いまして大体は今申上げました方法をうまくやりますれば、解決がつくのではないかと考えておる次第でございます。
  135. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その際はあれですか、持ち帰るものに対しては免税するということは戻し税を簡單に行う、こういう趣旨ですか。
  136. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは方法は二つ考えておりまして、一つはPX等に未納税で持つて行くことを認める。そこで買いまして、例えばすぐ郵便局で送る。例えば七宝製品とか銀製品というああいうものは調べて見ますと、殆んど郵便ですぐ送られておるようでございます。ただあとで送りますと、若干問題がございますが、そういうように未納税で一旦持つて来て、そこで向うに持つて行くものは免税する国内で使うものはこれは税込みのものを使つてもらう、こういうようなことによつて一つ行く。それからもう一つは、物が間に合わん場合がありまして、課税品を免税で売らざるを得ない場合が出て来る、そういう場合におきましては、税額控除の方法を附則へ入れております。還付又はほかの税額から控除するという方法によりまして、一種の輸出免税手続をする、両方活用いたしましてやりますれば、大体まあ所期の目的を達成するのではないかと考えております。ただ写眞機等の場合ちよつと問題がありまして、これは日本で使つてつて帰りたいということになりますと、そこの現場ですぐ送らせるわけに行きません。そこでその問題をどうするか、やはり今研究しておるのでありますが、この場合におきましては、やはり結局は一定の期間を少し長くしておきまして、持帰つたという証明を向うから與えてもらうような方法がありますれば、まあできるだけそういう方法を講じたいと思つておりますが、免税期間を長くいたしておきまして、その証明によつて輸出したものとして確認して行く、こういう方法をとりますれば、実情に即するのではないかという考えでございます。それからなおそれに関連しまして申上げておきますが、物品税の附則は軍人さんだけでなく、外国の旅行者等にしましても成るべく持帰るものにつきましては、免税を広く適用するようにいたしたい、こういう意味で、例えば銀座等のみやげ物專門店等は申請によりまして、あらかじめ指定しておきまして、そこに持つて来る際は未納税で持つて来ることを認める。そこから飛行場なんかに持つてつてみやげ物として持つて帰えるというものは製造場から買わなくても免税するようにいたしたい、これはまあ軍人さんでなくても一般の旅行者の場合でもでありますが、そういう場合におきましても、例えば写眞機等におきましては、日本で写して持つて帰りたいという場合があるかと思いますので、物品税の附則の二項はそれでございます。一旦免税しておきまして、ただ免税したということを、一定の為替手帳というものを出しておりますが、そういうものに記帳しておきまして、それを税関に提示して、帰えるときに持つていなかつたらそのときに税金を納めてもらう。こういうような方法を講じまして、極力輸出される物に対しましては、物品税を免税をいたしまして、日本の商品が外国に少しでも多く売れますようにというふうな配慮いたしております。そういう点なお細目今後検討を要する点がございますが、そういう方向でできるだけ調節を図りますれば、課税された途端に売行が悪くなるというようなことはなくて済む、全然影響はないということは言えませんが、非常に少くて済むということは言えると思います。
  137. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 軍人等は、自分の持物を、税金のかかつていない持物を、いわゆる譲渡禁止の条項はあつても、具体的にはなかなかこれを何するということは困難じやないかと思うのですが、これに対する対策はおありなんですか、それともよほど大仕掛のもの以外はまあ眼をつぶるというようなことになつてしまうのですか。
  138. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは主として輸入品について減税しておりますので問題が考えられる。従いまして関税の特例法ではその点相当嚴重にしておるのでありまして、免税される資格のある者以外の者、例えば日本人とか一般の外人等に処分します場合には、税関庁に申告をしまして承認を受けなければならない。でその規定に違反しますれば処分をしたほうとそれから讓受人と両方を処罰する。で勿論承認を受けで讓渡することはできるのでございますが、その際に譲受人から関税を徴收する、こういう法律建前にいたしております。これが果して励行できるかどうかというのが今のお尋ねはあるかと思いますが、やはり私どもは額の非常に小さい物につきましては一々こういうことをやりましても実益がございませんし、弊害がないと思いますので、政令で一定の額を先方とも打合せまして、零細な物は要らんことにしたい。勿論成るべく日本においてもらつておいたほうがいいものがございますから、全部持ち帰らせる必要もないんじやないか。併し例えば自動車とか、電気冷蔵庫などとか少しまとまつた値段のものにつきましては、こういうものにつきましては、先方の軍当局と連絡をとりまして、正規の手続をふんで、そういうふうにして税金を納めて持つてつたり、始末してもらうようにこれは万全の措置を講じたいと非常にそういうことにつきましては行政協定で両方誠実に協力する義務規定されておりますので、そういう条項をフルに活用いたしまして、遺憾なきを期して行きたいと考えております。
  139. 大野幸一

    大野幸一君 そこで免税の条件の一つとしてこれは契約地主義をとつているのですが、まあ言わばこういうことになるのですか、例えば所得税法第三条の三ですね、三の「当該契約(合衆国において締結されたものに限る。)」と、これが最終的の条件の一つだと、こう考えているのですか。
  140. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) ここは大分嚴密にしてあるのでございますが、通常合衆国に居住する個人でなければならない、つまり日本に普通いるような外国の例えばアメリカの請負業者は該当いたしません。先ず住所が普通アメリカにある人が日本に来る場合それからそういう人が向うで合衆国政府と契約身結んだ場合、それで而もそういうことだけをする場合、そういう人が日本で他の仕事をする場合には該当しない、免税したい、今申上げたようなふうに、臨時な非常に特定の、日本ではちよつと行われがたいむずかしい工事を引受けるようなために来る特別な管理者とか技術者、そういうものを免税の対象にしようという趣旨で三項を規定しておりまして、まあそういう場合は課税の原則からいたしますると、私どもはやはりこれは日本において業務が行われるのでございますから、契約はアメリカで行われようとこれは日本において発生した所得であると実は考えており、その見解は曲げないつもりでございます。でございまするが、こういう場合はやはり日本の所得税、法人税をかけますと相当高くなる殊に所得税の場合が高くなりまして、そういうむずかしい工事をさせるのに向うから要員を連れて来れないと、そういう点が大分問題になりますので、まあ特例におきまして免税すると、その代り今申しましたように相当条件を強く縛つておきましてそれに該当する人だけをこの条項に通用させようとこういう趣旨規定しておるのでございます。
  141. 大野幸一

    大野幸一君 通常合衆国に居住して契約当時は日本にいて隔地者間において契約が行われた場合にはどうなるのですか。アメリカが申込人になり、通常合衆国に居住する個人で、日本にあつて隔地者間の契約というあれによつて行われた場合はこの範囲に入るか入らないか。
  142. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) まあこれは普通の場合は向うで契約を結んで、その契約々履行するために日本に来る人でありますね。まあそれを普通考えておるのでございますが、来たあと又何か類似の仕事を引受ける、まあこういう場合でも、やはりこの条文から行きますと、例えば本国でその人の代理人を通じて軍当局と契約が結ばれる、こういう場合はやはり該当するとして扱わざるを得ない。併し日本で何か一般の競争入札でそういう人が入りましてそれを請負うという場合は、まあこういうものに該当しないというふうに考えたいと思います。
  143. 大野幸一

    大野幸一君 これはまあ全般的な話ですが、行政協定というのは、まあ政府の見解では条約じやないからこれは国会の承認を必要としない、こういうのであるのですが、そうすると行政協定実施に伴うという、この標題がいずれにも付けてあるのです。これはちよつと穏当を欠くようであつて行政協定実施に関してというふうにこれは題名を改むべきものじやないか。体面上言えばこの法律案こそ国会の承認を経なければならんもので、法律として実施するそのときにおいてのみいわゆる我々は発言権を持つんだ、こういうことになると、これは行政協定実施に伴うという題名は、印象を受けるところは何らか行政協定で既存の国の国家間の義務が発生してしまつた。ただそれを法律案としてもう呑み込まなければならんようなふうに印象を受けるのですが、殊更にこういうことにされたのじやないかと思うのですが、これはどういうお考えですか。
  144. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 今お尋ねの意味で特にこういう言葉を使つたわけではございませんが、御承知通り行政協定には国内立法を要するものは立法的措置をとるということをはつきり明記いたしております。で、それの立法的措置といたしまして、この措置を講ずる。で、行政協定はやはり私ども一種の委任命令と同じように条約に類似した、この国際間にはアメリカと日本国との間には効力を有するものではないかと見ておりますが、それが国内法として実行されますためには、やはり立法措置が講じられた上で完璧になる、そういうふうに解釈いたしておりまして、別段伴うという字句につきまして、お話のような意味合を持たしておることはございませんことを御了承願いたいと思います。
  145. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 まだ研究不十分でちよつとわからない点があるような気がするのですが、第二条の第四項ですか、第四項に括孤して「(通常日本国に在留する者並びに通常合衆国に居住する個人及びその者又は合衆国の法律に基いて設立され、若しくは組織された法人の被用者で合衆国軍隊のための合衆国政府との契約の履行のみを目的として日本国にあるものを除く。)」これはなぜこういう規定が必要であるか。それと第三条の、さつきあとからお話がありました第三号の「通常合衆国に居住する個人で、」云々というような制限があることの関係ちよつと呑み込みにくいのですが、御説明願いたいと思います。
  146. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 第二条の四項の括弧書きの点でございますが、この括弧書きで除こうとしておりますのは、三種類の個人を軍属からはずすと、こういうことでございまして、先ず第一は、通常日本国に在留しておる者、これは合衆国軍隊に雇用されましても、それは軍属として扱わないということにするのでございます。占領下におきましては軍属の範囲が非常に広くなつてつたのでございまして、通常日本国に商売のためにやつて来ておる者が軍に雇用されましても、それは軍属ということに扱つてつたのでございますが、今回の協定におきましては、そういうふうな広い範囲の者でなしに、軍属というのは、純粋に向うから連れて来た者に限るという趣旨で、通常日本に在留する者を除いたのでございます。第二番目は、通常合衆国に居住する個人、及びその者又は合衆国の法律に基いて設立され、若しくは組織された法人の被用者で、これこれを目的として日本にある者を除くということになつておるのでございまして、後に出て来ます、個人たる契約者、これを軍属の範囲から除くということと、その個人たる契約者又は法人たる契約者に雇われておる者も軍属の範囲から除きまして、特定の契約者に雇われている者として扱うという意味を現わしたものでございます。当初、これは先方の提案におきましては、軍属の中にそういつた特定の個人の契約者、又は個人の契約者若しくは法人の契約者に雇われておる個人を軍属の中に入れるという案がありましたが、そういつたものまで軍属としていろいろの特権は與えることは適当でないというふうに考えられますので、軍属の範囲から除きまして、限られた特典だけを與えるという意味合いにおきまして、軍属から除いておるのでございます。
  147. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 第三条の第三項ですが、一番終りのほうに、「これらの者が同法施行地に住所及び居所を有していたい期間とみなす。」とあるのですが、これは何のためにこういうふうなみなす規定が必要なんですか。
  148. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) これは日本の所得税の適用に関しましては、大矢委員が御承知通り、居所を一年以上持つておりますると、無制限の納税義務者に該当することになつております。それで、先ず第一に、合衆国軍隊の構成員、軍属又はこれらの者の家族であるとか、或いは個人の契約者、それから個人、法人の契約者に雇われておる者として日本におる間は、臨時的に日本におる、それらの地位におきまして、臨時的に日本におることになりますので、その場合に、ここに特掲しておりまする以外の所得があります場合には、その所得に対して課税することになるのでありますが、それにつきましては、一年以上軍人としてこつちにおりましても、それは制限納税義務者として、つまり日本に住所及び居所を有しない者として課税するということにしますと同時に、軍隊をやめて日本に居住することになりました場合におきましても、軍隊に入つて、最初から日本に来た当時から一年経つたら、直ちに無制限納税義務者として扱うという規定適用しますることは酷になりまするので、軍隊をやめてから後居住の期間を計算するということにするために、そのような地位におきまして日本におる間は住所及び居所を有していない期間とするということに規定しておるのでございます。
  149. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) ちよつと補足して申上げますが、まさに今税制課長から話した通りでございまするがこれは要するに、こういう規定がございませんと、ここには非常に限定して免税所得を規定してございます。従つて、軍人さんがアメリカに不動産を持つてつて、それから收入がある、株があつて配当收入があるという場合におきましては、外の非課税条項に入つて来ませんので、かかることになる。こういうものはやはり課税するのは妥当ではあるまいということで、無制限納税義務者でないことにしよう、制限納税義務者にしよう。然らば、日本に不動産なり株を持つてつたりしまして、取得があつたらどうするか、これは、それによる不動産所得があるわけでありますから、これは税法上かかりますから、その分は課税しよう、こういう点が主たるものであります。それと同時に、今税制課長から話がありましたように、いつから日本に居所があるようになつたか、この起算期の問題、この二つの趣旨でございます。
  150. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  151. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。  行政協定三案については本日はこの程度にいたしまして、ポツダム宣言受諾に偉い発する命令に関する件に基く連合国財産及びドイツ財産関係命令措置に関する法律案について質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) ではさように決します。  それでは本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後四時十一分散会