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1952-03-14 第13回国会 参議院 大蔵委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月十四日(金曜日)    午後一時五十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君            菊川 孝夫君    委員            岡崎 真一君            黒田 英雄君            溝淵 春次君            小林 政夫君            田村 文吉君            野溝  勝君            波多野 鼎君            菊田 七平君   政府委員    大蔵政務次官  西村 直己君    大蔵省主計局法    規課長     佐藤 一郎君    大蔵省管財局長 内田 常雄君    大蔵省銀行局長 河野 通一君    通商産業省臨時    通商業務局長  佐枝 新一君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    国税庁徴收部管    理課長     桃井 直造君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国有財産特別措置法案内閣送付) ○一般会計歳出財源に充てるため  の米国日援助物資等処理特別会計  からする繰入金に関する法律案(内  閣送付) ○財産税等收入金特別会計法を廃止す  る法律案内閣送付) ○郵政事業特別会計法及び電気通信事  業特別会計法の一部を改正する法律  案(内閣送付) ○農業共済保險特別会計歳入不足  を補てんするための一般会計からす  る繰入金に関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○日本輸出銀行法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 第二十三回の大蔵委員会を開会いたします。  国有財産特別措置法案予備審査)、一般会計歳出財源に充てるための米国日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案予備審査)、財産税等収入金特別会計法を廃止する法律案予備審査)、郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計法の一部を改正する法律案予備審査)、右四條を一括して提案理由を聽取いたします。
  3. 西村直己

    政府委員西村直己君) 只今の四法案の御説明を申上げます。最初に只今議題となりました国有財産特別措置法案提案理由を御説明申し上げます。  終戰以来軍用財産引継などによりまして、普通財産である国有財産はにわかに増加したのでありますが、更に近く平和條約の発効に伴いまして、賠償指定解除連合国軍接収財産の返還などが予想されておるのであります。このような事態に対処して厖大な国有財産処理を適切に行うと共に、他面これらの国有財産処理に当りましては、公共福祉の増進、民生の安定、産業経済振興等国の各般の政策に寄與するために、国有財産管理及び処分について国有財産法特例を設けることが適当と考えましたので、この法律案提案いたした次第であります。  次にこの法律案内容の大綱について申し上げます。先ず第一に、旧軍用財産貸付及び讓渡特例等に関する法律規定によりますと、国有財産無償貸付は、従来公共団体において水道施設及び臨港施設の用に供する場合に、旧軍用財産限つて認められておりましたが、今回これを擴張して普通財産一般につきましても認めることといたしました。  第二に、国有財産地方公共団体等減額讓渡又は減額貸付することができる場合を擴張いたしまして、医療施設社会福祉事業施設又は学校などの用に供する場合のほか、公民館図書館博物館公共職業補導所公営住宅などの用に供します場合にも減額を行い得ることとすると共に、その減額率を五割に引き上げる等の措置を講ずることといたしました。なお戰災、風水害等の災害を受けた地方公共団体につきましては、小学校中学校など法律上その設置義務のある学校の用に供する場合には、特に七割を減額することができるようにいたしました。  條三に、国有財産を無償讓與することができる場合を擴張いたしまして、地方公共団体から寄附を受けた財産地方自治法施行の際都道府県使用していた財産戰災者引揚者等収容施設として現に使用されている財産についても、これを地方公共団体に讓與することができるようにいたしました。  第四には、新たに、電源開発その他緊要な天然資源開発事業の用に供するため必要な国有財産については、その事業成功條件として売拂又貸付契約をいたしました上で、一定期間無償使用を許可することができるようにいたしました。なお、電源開発事業事業主体地方公共団体である場合には、五割を減額して国有財産讓渡又は貸付をすることができることといたしました。  第五に、賠償指定解除を予想される国有機械器具については、中小企業等合理化を推進するために、事業者が従前から所有する老朽機械と交換することができる道を開くことといたしました。  なお、第六に、旧軍用財産のうち特別のものにつきましては、将来における国の需要などをも考え併せまして、適当と認める者に対して当分の間管理を委託し、その範囲において無償使用を認めることができる制度を定めました。  第七に、従来旧軍用財産及び物納財産限つて認められていた讓受代金延納制度国有財産一般につきまして認めるように擴張いたしました。又その延納期限を延長することといたしました。  以上が国有財産特別措置法案提案趣旨でございます。  次に一般会計歳出財源に充てるための米国日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  昭和二十六年七月一日以降米国の対日援助は打切られまして、又同年九月一日以降軍拂下物資拂下も打切になりました結果、昭和二十七年度における米国日援助物資等処理特別会計は、同年度に持越を予想されます若干のストツク物資処分並びに売掛金の回収という清算事務の段階に入りまして、その事業規模は著して縮小を見ることとなつたのであります。これに伴いまして、この会計昭和二十七年度歳入歳出予算は、歳入におきましては、ストツク物資売拂収入及び前年度剰余金受入等合計六十億六千百七十六万一千円となりますのに対して、歳出におきましては、事務取扱費及び援助物資の輸入諸掛費等を合ぜて二十億六千百七十六万一千円となり、差引き四十億円の剰余を生ずる見込でありますので、この金額一般会計に繰入れてその歳出財源といたしますため、この法律案提出した次第であります。  第三番目の法案といたしまして、財産税等收入金特別会計法を廃止する法律案につきまして提案理由を御説明申上げます。  財産税等收入金特別会計は、財産税法及び戦時補償特別措置法に基く税収入並びに物納財産管理処分に伴う収入支出一般歳入歳出と区分して経理するため、昭和二十一年度から設けられておつたのでありますが、同特別会計法規定によりますと、この会計存続期間は五年間とし、昭和二十六年度限り廃止することとなつているのであります。現在までの改入実績からいたしましても、財産税及び戦時補償特別税賦課徴収はおおむね終了している状況でありまして、もはやこの特別会計を存置して一般会計と区分経理する必要はないものと認められましたので以上の理由によりまして、財産税等収入金特別会計法昭和二十六年度限り廃止いたし、この会計資産及び負債は、これを一般会計に引き継ぎ、その後の経理一般会計において行うことといたしたいのであります。  なお、資産及び負債一般会計への引継の時期は、現金並びに昭和二十六年度分の未收金及び未拂金につきましては、この会計附和二十六年度出納完結の日とし、その他の財産につきましては、この法律施行の際といたしたいのであります。  最後只今議題なつております郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計法の一部を改正する法律案につきましてその提出理由を御説明申上げます。  この法律案は、郵政事業特別会計及び電気通信事業特別会計につきまして、その経理合理化を図ることを目的といたしたものであります。改正の第一点は、両会計所属固定資産について、一般物価の変動によりましてその価額が帯しく不適当となつた場合に、一定の基準に従つてその価額評価替えをすることができることといたしますと共に、これによつて生じまする評価増又は評価減につきまして、両会計経理上、固実資産評価積立金勘定を設けて経理することにいたしたことであります。  改正の第二点は、両会計所属作業資産について、その出納経理上必要がある場合には、その価額を改定することができることといたし、これによつて生ずる増減額については、物品価格調整引当金勘定を設けて経理することにいたし、又、作業資産事業の用に供した後不要となつた場合に、これを売却処分しないで、再び作業資産に繰り戻し、その価格相当する額を物品価格調整引当金勘定を設けて経理することといたした点であります。  改正の第三点は、会計法規定では、主任の職員に前渡した資金については、その前渡の時に支出として経理するのが建前でありますが、両特別会計におきましては、前渡を受けた職員が現実に支拂をしたときに支出として経理するごとにいたしたことであります。  以上申し上げました諸点の外、今回の財政法及び会計法改正に伴いまして所要の改正を加えることといたしておるのであります。  以上が国有財産特別措置法案ほか三法案提案理由でございます。何とぞ御審議の上速かに御賛成頂けまするようお願い申上げます。
  4. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 次に国有財産特別措置法案について内容説明を聽取いたします。
  5. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 只今西村政務次官から本法案提案趣旨につきまして御説明がございましたから、私からは御趣旨を省略いたしまして、内容につきましてやや詳細に説明を附加えるようにいたしたいと思いますが、この法律案は全條十一カ條附則が附いておるのみでございまして、比較的簡単な法律案複難な点はないと存じます。各條ごとにそれぞれ独立いたしまして、国有財産管理処分等に関する特別の措置規定いたしてありまして、特に詳しい御説明を申さなければならないほど難澁な点はないと存じますが、若干の説明を附加いたいと思います。  内容の第一は、国有財産無償貸付特例でありますが、現行の旧軍用財産貸付及び讓渡特例に関する法律は、これは昭和二十三年の法律でございますが、この法律は、旧軍用財産限つて公共団体において水道施設及び臨港施設として公共の用に供するときには無償貸付けることができることとなつておりましたけれども、これを旧軍用財産に限らず国有財産全般につきまして擴張いたすようにいたしてございます。  第二は、この国有財産無償で讓與する場合の特例でありますが、現行法では国有普通財産無償讓渡することができますのは、極めて制限された場合に限られておりますのを、これを擴張いたしまして、次のような場合には地方公共団体に対して無償讓與ができるようにいたそう、こういうのであります。即ちその一つは、地方公共団体から特定用途に供する目的で国に寄附されました財産につきまして国がその用途を廃止しました場合には、これを地方公共団体に戻すのでありますが、ただ無條件に戻すのではなくて、当該地方公共団体がその財産公共の用に供する場合に、これを地方公共団体無償で讓與するということになつております。その第二は、地方自治法施行の際に、国の機関であつた都道府県が、国の機関である都道府県事務事業或いは職員の往戻の用に供しておりました公用財産を、地方公共団体等が引続き同じ用途に使つておりますこれらの財産につきまして、これを無償讓與するのであります。その三は、戰災者引揚者その他の生活困窮者収容施設として現に使用をされておりますところの国有財産につきまして、これを無償讓與範囲に及ぼすのであります。これらの財産は従来の法律でありますと無償讓與されませんで、貸付のみが認められて来たものであります。  次は国有財産価格割引して讓り渡し或いは割引して貸付けることにつきましての特例を設けておるのであります。現行法ではこれらのものを割引讓渡又は割引貸付することのできまするのは、相手方として地方公共団体及び学校法人に限られております。又財産範囲としては旧軍用財産に限られております。使用目的としても医療施設社会福祉事業施設及び学校等の用に供する場合のみに限られております。又割引率讓渡については四割引貸付については五割引と、かようになつておるのでありますが、これを擴張いたしまして、相手方としては社会福祉法人、即ち社会福祉事業法第二條の規定による法人を加えましたこと、更に財産範囲についても、旧軍用財産のみならず国有財産全般につきまして減額讓渡又は減額貸付ができるようにいたしたのであります。更に使用目的といたしましては公民館図書館博物館公共職業補導所公営住宅及び試験研究所などの用に供する場合もその適用を受けることに擴張をいたしておるのでございます。又割引率につきましては、減額讓渡の場合も、減額貸付の場合もこれを五割とすることに割引率を引上げおります。なお又小学校中学校、或いは盲亜学校聾学校など学校教育法上、これらの学校設置地方公共団体義務とせられておりまする学校については、その割引範囲を五割でなしに、特に七割まで割引するというように規定いたしております。  その次は賠償指定解除される財産処理についての特例でございますが、そのうちでも機械でございます。賠償指定解除を予想される国有機械は約三十万台ございます。そのうち現に一時使用を認可されまして稼働中のものが約五万七千台、未稼働のものが約二十四万台でございます。これらの機械賠償指定解除されましたあと処分いたしまする際に、処分方法といたしまして、産業経済の発展、殊に中小企業などの設備改善による合理化を促進するという産業政策的の見地を取入れまして、これらの機械を單純に売拂い処分をするのでなしに、従来民間事業者の持つているところの老朽した旧式機械と交換するというような方法をとり得ることもをこの項は規定いたしているのであります。  その次は、国が将来必要とするであろう特定施設につきましては管理委託等の途を設けたのでありまして、賠償指定解除されましても直ちに売拂い、直ちに貸付けるという最終処分をいたすことを避けまして、管理費用相手方の負担といたしまして、管理委託をしながら一部相手方使用収益を認めるという特殊なやり方をも規定いたしたいと考えております。  その次は天然資源開発のための特別措置でありまして、電源開発その他天然資源開発などのための特定緊要事業の用に供しますものについては、これらの事業を助成するために次のような措置を講じたいと考えております。即ち、事業者に対しまして、その事業成功條件として国有財産売拂又貸付契約をした場合において、その事業指定期間内においては無償でこれを使用、収益することができるということにいたしたのであります。更に地方公共団体電源開発事業主体となります場合には、電源開発を緊要とする期間、即ちこの法律施行後五年間を限りまして時価の半額でこれらの財産を譲渡又は貸付するようにということを規定いたしました。  最後はこの国有財産売拂代金延納制度の擴充でありまして、現行法規では旧軍用財産並びに物納財産限つてこれらの代金の延納は認められているのでありますが、これを国有財産一般に擴張いたしますと共に、必要な場合には延納期限を従来の最高五年から十年までに延長するということを規定いたさんといたしております。必要な場合と申しますのは、相手方地方公共団体学校法人社会福祉法人若しくは政令で定める重要産業に属する事業を営んでいる事業者、こういうことに規定をいたしております。更に又、住宅又は宅地を現在使用している者に国有財産を売渡しいたします場合にも、これらに十年以内の延納を認めるという規定適用をいたさせました。年賦式住宅が取得できるという途を開くことによりまして、従来処理に非常に困難をいたしております物納財産処理が円滑になるわけであります。  あと附則におきまして若干の経過規定が設けてありますが、殊に御説明申上げて触れるような事項もございません。  以上御説明申上げました。
  6. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) お願いしてある資料を至急一つお願いいたします。
  7. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 承知いたしました。
  8. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) それでは次に一般会計歳出財源に充てるための米国日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案、これについて内容説明を聴取いたします。
  9. 佐枝新一

    政府委員佐枝新一君) 私通商産業省臨時通商業務局長佐枝でございます。本案提案理由につきましては大蔵省のほうからお話があつたと思いますが、この機会に御参考までに昨年六月を以て打切られました米国日援助、その後臨時通商業務局において取扱いました内容につきまして概要をお話申上げたいと思います。  臨時通商業務局というのがこの仕事を扱いましたのは昭和二十五年の四月以後でございます。昭和二十五年四月にこの仕事を始めて以来、本年の二月までに業務局が扱いました米国日援助物資の総額は、ドル価格で約四億ドルでございまして、主な品目としては綿花食糧衣料石油肥料、麻、こういつたものでございます。その金額綿花が一番多くて一億八千万、食糧は一億三千二百万、衣料が二千三百万、石油が同じく二千三百万、肥料が四百万、麻類は比較的少くて二百万、こういつたものでございます。なおそのほかに公団から引継いだ物資が約七十七億ほどございます。これらはすでにその大半を処理いたしまして、現在ではコトンリンター・パルプとマニラ麻が若干あるばかりでございます。事実上殆んど全部の処理が済んでいるという状況であります。ただ米国日援助と並行しまして占領軍拂下げ物資がございますが、これらのものにつきましても、昨年の九月を以て大体拂下げが打切りになりました。併しこのうち自動車用の古タイヤ、これが相当ございますが、それ以外は殆んど処理しているという状況なつているのでございます。なお御存じの通り売拂いました米国日援助物資につきましては、そのドル価格を三百六十円で換算して見返資金積立てております。業務局の扱いました昭和二十五年、六年両年度におきましては、二十五年度で一千三百八億、二十六年度、本年度におきましては殆んどもう積立は終りましたけれども、それが四〇三億、二十四年度以降を合計いたしまして、三千四十億というものが積立てられております。  以上のような状況で大体援助物資特別会計業務処理は済んでおりますが、この二年間の処理におきまして、今度の提案されました法律案にありますように、約四十億の剰余金が出ます。これを一般会計に入れて頂きたいというために今回の法律提案になつたのであります。この四十億の剰余金は、結局は取扱いました物資のうち一番多いのは綿花関係でございますが、綿花関係買付を……これは援助物資ではありますが、実際問題として、昭和二十五年度におきましては、我々のほうで対日援助綿花ドル金額の枠を與えられましたその範囲内におきまして、できるだけ安い価格で多量の綿を入れるという目的から、こちらで実際上の問題として買付けましたそれを国内で販売いたします場合には、国内の、当時はマル公がございまたので、そのマル公を、大体海外市場の当時の相場に輸送費或いはその他の諸チヤージを加えて改訂いたしておりましたので、結局買付当時の市価より相当上つて参りましたので、売抑当時の市価、これは朝鮮事変以来相当つたので、こういつた剰余金が出るようになつたのでおります。そのほか石油その他若干のものについてそういうものがございます。合計しまして大体その程度の剰余金が出る見込がはつきりつきましたので、こういつた法律案提出をいたしましたような次第でございます。  甚だ簡単でございますが、概要を申上げます。
  10. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 何か委員として資料政府に要求なさるものはございませんか、ありましたらあとで一つお願いいたします。  次に財産税等収入金特別会計法を廃止する法律案、これについて説明をお願いいたします。
  11. 桃井直造

    説明員桃井直造君) 財産税収入金特別会計概況を申上げたいと思います。  昨年の十二月末現在においては、徴収決定額及び物納許可額が七百八十四億でございます。そのうちの収納済が七百六十二億、不納欠損が一億九千万円收納未済が十九億ということになつております。そうしてこの收納未済の十九億は徴収決定済額に対しますというと二・五四%の未済率でありまして、財産税特別会計收入といたしましては、その未済が更にこの……今申しましたのは十二月まででございまするから、一月、二月、三月、四月と経過いたしまして大体十五億ぐらいの未済として一般会計へ、若しもこの法案が通れば繰り込まれることになるのではないかと考えております。未済内容財産税で七億、戰補税で十二億ということになつております。なお未済内容につきましては、国税徴収法執行停止にかかるものも相当あるように見受けられております。  概況でございまするが、簡単に申上げました。   —————————————
  12. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 次に農業共済保険特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、これについて質疑を行います。ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  13. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。別に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決を行います。農業共済保険特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手
  16. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四條により、本委員会における質疑討論表決の要旨を報告するごとにしてあらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。  それでは本院規則第百七十二條により、委員長が議院に提出する報告書に対する多数意見者の御署名をお願いいたします。  多数意見者署名     伊藤 保平  田村 文吉     菊田 七平  黒田 英雄     菊川 孝夫  小林 政夫     波多野 鼎  溝淵 春次     大矢半次郎  岡崎 真一   —————————————
  18. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 次に日本輸出銀行法の一部を改正する法律案、これについて御質疑を願います。
  19. 小林政夫

    小林政夫君 第四條を設けてですね、その資本金を増額するときは大蔵大臣の認可を要するということにするようでありますが、第四條の第三項を新らしく入れると……。この意味はどういうことなんでしようか。こういうことをやつて、順次に例えば資本金の増額を図るといたしましても、第一項の資本金は百七十億円とするということがあるので、増資をする場合には、例えば三十億増資するとしても二百億になれば第四條第一項のほうの改正を要するわけですね。
  20. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この改正は、実は日本開発銀行法の建前と同じように合せたわけであります。本来ならばこういう政府機関でありますから、大体政府の出資が現実にありますわけでありますから、或いは予算でありますとかその他の関係で、結局国会の御承認を得なければ増資ということはなかなか困難なのでありますが、予算その他の関係で政府が出資をいたしますことにきめました場合、そのたびごとにその法律を直して行くということの煩わしさを避けたい。従いましてこの新らしい三項によりまして資本を増加いたしました場合におきましては、現在の百七十億の資本金というものはいずれは直したほうがいいと思います。併し増資をいたしました場合に直ちに法律資本金を変更しなくても済ますようにして参りたいということでありまして、前例は開発銀行において同じような規定なつております。
  21. 小林政夫

    小林政夫君 予算措置と併行してすぐやりたいということだと、今局長の言われたことと同じ趣旨に私も了解しておりますが、併しそういうことならば、第一項の書き方を、百七十億円とするというコンクリートな書き方にしないほうがいいんじやないか。どうも百七十億円とあるものを大蔵大臣が認可して二百億円にする、二百五十億円にするということはおかしいと思いますね。立法上差支えないのですかね。
  22. 河野通一

    政府委員(河野通一君) これは開発銀行について現にそういう制度なつておりますので、元の資本金と申しますか、基本的な資本金は一応百億円なら百億円ということにいたしまして、今後予算上の措置その他によつて増資をいたしました場合には、元の資本金百億に対して五十億増資をいたしますれば、この五十億が資本金になりますが、直ちに百億なら百億の資本金というものは、法律改正してすぐ面さなくてもいいということにいたしたいと、こういうことであります。
  23. 小林政夫

    小林政夫君 まあほかのほうを考えればそれでいいですが、どうも私は開発銀行に例があるということについては納得できないのですが、その点はあとで研究するとして次に第十五條、第十五條の書き方で行きますと、代理人を置く場合においては、総裁或いは副総裁、理事おのおの各自が誰でも前を代理人にするということができると読めるわけですね。そういうことでいいんですか。
  24. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この場合におきましては、銀行の業務を行います場合に、総裁、副総裁等が代表権を行使するなら普通の状態であります。併し事故がありましたりしました場合におきましては、理事自体も事務を代行できるようなことになつております。従つてその範囲においては、理事が支配人を任命するということがあり得る、こういうふうに思つております。
  25. 小林政夫

    小林政夫君 理事が代表することがあり得るということは、総裁なり或いは副総裁に事故があつた場合にという規定で行くわけですが、外部に対して輸出入銀行を代表するものは総裁又は副総裁ということにはつきりなつておりますね。それでそういうものに事故があつた場合にはその業務を理事がやることができるということがどつかにありましたが、そのことなんですか。対外的な代表権というものは総裁か副総裁しかない規定なつておりますね。理事が代理するということならば、日常の業務を総裁、副総裁に代つて代表する。対外権でも理事が代表するということはないのじやないのですね。
  26. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 改正案の十一條の三項であります。「理事臓、総裁の定めるところにより、日本輸出入銀行を代表し、」ということになつております。後段のほうは、これは総裁を補佐したり、副総裁を補佐したり、又事故がある場合に総裁、副総裁の事務を代行するということで、後段はお話のように総裁とか副総裁が欠員の場合にやる場合、併しその前段は総裁の定めるところによりまして輸出入銀行を理事が代表する場合もあり得る。然らば支店長を理事がやつております場合に、これらの点につきましては銀行を代表して職務を行うということはあり得ると思います。その限りにおいて支配人を任命するということもあり得る、さように考えております。
  27. 小林政夫

    小林政夫君 これは一応予備的で大した問題じやないので、念のため的に理事によつて代理人が任命されるということでいいでしようが、併し今の程度の業務範囲で代理人を任命する場合において、必ずしも理事の名前でなくても総裁、副総裁辞令というか、そういうような場合には総裁一本でもいいんじやないか、特にこう三つ総裁、副総裁、理事と並べて代理人を選任することができるということも少し広きに失するような気がいたします。それから第二十條で、今度新らしく三ヵ月をこえて六ヵ月以内のものについて考えられるようになつているわけでありますが、これは普通の市中銀行の割引融資等から言えば、普通は三ヵ月以内、そのちよつと超えたぐらいのことなんですが、この程度のものを輸出入銀行で、而も一応銀行を経由してやる融資において、実際問題においてこのくらいのことは市中銀行でやつてもいいんじやないか。すべてが單独に輸出入銀行独自に直接業者へ貸付けるということが行えれば別ですが、全部の建前が銀行と協調融資であるときに、特にこういう短期なものについてやる必要があるのかどうか。まあ先般の委員会においては、こういうことができれば、中小企業に対してかなり輸出入銀行の融資分野が開けるというような山際さんの御説明菊川委員の質問に対してあつたわけですが、この点は如何ですかね。
  28. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 三ヵ月以上六ヵ月の間のものは便宜市中銀行でその程度のものなら金融をしたらどうかというお話であります。できるだけ市中銀行で付きますものにつきましては、輸出入銀行といたしましてそれまでに手を延ばして行くということは必要ないと思います。先般の委員会でも山際さんから御説明申上げたと思いますが、現在のところやはり貿易手形その他の取扱い方が市中銀行では大体三ヵ月ということになつております。四ヵ月、五ヵ月、六ヵ月等のものにつきましてはやはりどうしても……六ヵ月以上では少し窮窟な点が残つております。四ヵ月のものもございますし、五ヵ月というようなものもございますので、これを全然輸出入銀行が取扱わないということにいたしますと、輸出の振興上非常に支障が多い、金融上支障が起るという場面も現に実は出ております。市中の金融で付きますものならば、これはあえて輸出入銀行が手を延ばす必要はありませんけれども、現実に六ヵ月で押えられているために相当金融上不便を感じたこともございますので、これらの事例をカバーいたしますために三ヵ月まで短縮するという途を開いておきますが、併しこれを以て市中銀行で金融の付くものまでも輸出入銀行でやるということは毛頭考えておりません。
  29. 小林政夫

    小林政夫君 今輸出入銀行は金があり余つているわけでありますから、相当融資範囲を擴げるように規定を変えておかれても差当つて支障はないと思いますが、どうかと思うわけでございます。それから第二十二條の業務方法書の中に物資等の品目をきめるということになるのですね、一々輸入原材料等のどの物資という品名を業務方法書へ書込む必要があるのか。どうもそうするとまあ輸出入銀行の融資というものが大分機動性を失うと考えるのですが、業務方法書というものは一体理事会でどういうふうに……簡單に若しこれを追加しようと思えばすぐ追加できるというものであるかどうか。
  30. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この輸入金融につきまして物資範囲業務方法書に書くということにいたしましたのは、プラント輸出と違いまして、輸出の振興に役立つような原材料を入れる、そのための必要な金融をこの新らしい輸出入銀行でやつて行く、こういうことに相成つております。従いまして、どういうものが輸出との間にリンクして参るかという問題になります。勿論物によりましては、綿花にいたしましても輸出にすぐ繋がるものではありますけれども、輸出入銀行というものの性格から見まして、それが或る程度長い地下資源の開発というようなものを中心にした原材料、これを我が国に輸入を促進いたしますところの金融ということに相成るわけであります。従いましてその性質上、物につきましても輸出に役立つものならば何でもいいという性質のものではなく、短期的なものはこの場合考えておりません。従つて輸出に勿論役立つものでなければいけませんと共に、今申上げましたような、産地の開発、殊に地下資源が多いのですが、鉱物資源等の開発に役立つような輸入金融、従つてこういう品目は、この前御説明申上げたかと思いますが、鉄鉱石でありますとか、或いは粘結炭でありますとか、或いはマンガン、銅、或いは塩、そういつたふうなものを一応予定しております。併しこれは事情によりましては、一応品目を指定いたしましても、更に予想いたさない同じような性質のものが新らしく出て参りまする場合には、これは追加いたして参ります。輸入金融について何もかも輸入金融をやるのじやなく、特別な輸出入銀行でなければできないような輸入金融業務をやるのだという趣旨を明らかにする意味において、品目についても業務方法書に書く、かように考えております。
  31. 小林政夫

    小林政夫君 その趣旨はわかるのですが、併し一応この法案にもあなたの言われたような輸入金融についての定義というものは明らかになつているわけですから、その品目までを業務方法書へ並べておく必要があるかどうか。まあそれは一応置いてもいいのです。それを敏速に変えられるものならそれでいいのです。一体業務方法書の品目をどれとどれとを置くというような事務的な決定の筋道をちよつと話して下さい。どういう方法でやるのか。
  32. 河野通一

    政府委員(河野通一君) これは、実は今お話のように、輸入金融業務は或る程度制限された形の輸入金融業務ということでありますので、実は私ども内部でも審議をいたしておりました途中におきましては、品目を法律に書いてはつきり制限を付けたらどうかという意見も実は部内でも議論が出たこともございます。併し、その点今小林さんから御指摘のように、非常に彈力性を損う、併しながら輸出入銀行の行います輸入金融業務というものは、性質が必ず制約を受けた、制限されたる業務であるということをどこかへ現わしたい、現わすのには、法律に書くよりも、今申上げましたような理由で、業務方法書にこれを書いておくのが一番いいのじやないか。なおこの事務方法書は、今の制度といたしまして、大蔵大臣の認可とか、そういつたものは全然ございません。自主的に銀行当局者でこれを定めまして、届出を私どものほうで受ける、そういう形になつてあります。勿論内部的にはいろいろ打合せいたしますが、制度としては割合簡單に彈力性を以て解決できる途が開けてあります。
  33. 小林政夫

    小林政夫君 次は第三十八條の四項ですが、この「帰属する会計」というのはどこですか、この納付金の帰属する会計は……。
  34. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 帰属する会計は、大体本筋は一般会計から出資がされております限りにおきましては一般会計に属する、現に今実は見返資金からも或る程度支出されておる、今後におきましても見返資金から出資されることもあり得る、そういたしました場合には、その利益金の一部は、やはりその出資会計に、何と言いますか、分割して帰属させるということが必要になつて参る場合もあり得る。従いまして、そういうことは今後の見返資金、それから現状等から考えまして必ずしも一般会計に当然入るということでなしに、場合によりましては、出資者たる見返資金会計にも利益金が入り得るような途を開いておく、こういうことであります。今後十分この点は検討して参りたい、かように考えております。
  35. 小林政夫

    小林政夫君 それは勿論出資額によつて按分するということでする、入れるときは……。
  36. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 大体原則は按分になると思いますけれども、そこらあたりはいろいろ事情を考えまして、どこへ帰属させるかわからない。なお御参考までに申上げておきますが、二十七年度の予算におきましては、一般会計のほうへ十億程度の納付金、こういうことになつております。
  37. 小林政夫

    小林政夫君 第三十九條の「外国の銀行その他の金融機関から外貨資金の借入をすることができる。」、この「外国の銀行その他の金融機関」という、その「その他」は外国へかかるわけですね、外国のその他の金融機関……。
  38. 河野通一

    政府委員(河野通一君) はあ。
  39. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、最近入つて来た、去年の暮ですか、綿花借款等の場合、この輸出入銀行で保証をするというような、その含みがあるわけですか。あれは一応日銀が受けたようですが、将来ああいつたものを……、今具体的な例として綿花借款等については、日銀でやるというのは変則だと思う。
  40. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 今のお話は、借入金の問題でございましようか、債務の保証の問題でありますか、ちよつと私聞き洩らしたのでありますが、債務の保証の問題でありますならば、これは輸出入銀行が本来行うべき業務相当するものについての保証、こういうことに相成ります。借入金も、何もかも借入れてそれを輸出入金融に使うのではございません。輸出入銀行は、おのずから行うべき業務については一般の市中銀行と違つた性格を持つておるわけであります。その業務に必要な限りについて借入金をする、従つて、借りて来てその金をどんなふうに使つてもいいことには相成らんわけであります。輸出入銀行が本来行うべき業務のために必要な限りにおいては、その資金は本来の業務使用される、こういうふうな制約があるわけであります。
  41. 小林政夫

    小林政夫君 それは綿花借款のごときはこれは短期で強いて輸出入銀行でやらなくてもいい、そうすると直ちにああいつたものは今のところは予定していない、将来この輸出入銀行の融資の対象となる借款というのは今忽ち具体的な引き当てはないということですか。途を開いておくということだけですか。
  42. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 今のところは御承知のような外貨事情でございます。殊に輸出入銀行について具体的な話はございません。将来の外貨の事情その他から考えまして、こういう途を開いておくことが必要であろう、こういう観点であります。なお輸出入銀行は、今お話のような広い意味の外資導入と申しますか、貿易金融をやらしたらどうかという御意見も実はいろいろ出ておるわけであります。この点は輸出入銀行自体の性格の問題に実は関係いたしますし、外国為替銀行の機構の問題、日本の外国為替銀行の機構の問題とも関連いたして参りますというような問題も承わつております。現在この問題につきましては、私どもでいろいろ案について検討を加えております。これらの問題の解決の仕方如何によりましては、輸出入銀行の性格を変えて行くということも、場合によりましては絶無ではないと思います。これは将来の問題でありまして只今のところでは輸出入銀行の性格変えということは考えておりません。
  43. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、アメリカに輸出入銀行がありますね。それから、例えば東南アジアの開発等の関係からいつて、向うに、借款、借入を申込む、借りるということになつて来ると、受入口は、今のあなたのほうのお考えだと、これで受入れようということなんですか。
  44. 河野通一

    政府委員(河野通一君) さようでございます。
  45. 田村文吉

    田村文吉君 只今小林委員の御質問の中にありました「又は外国の銀行その他の金融機関」云々というのは、外国の金融機関という意味であつて、その他のものは全然含まないということは、はつきりそういう意味でよろしうございますか。
  46. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 今お話の通りでございます。従いまして、金融機関は、国内金融機関からの借入は考えておりません。と申しますのは、その理由は輸出入銀行は政府機関でございます。その資金は、できるだけ民間で調達できない資金について政府の出資なり、或いは政府からの借入金にする。勿論輸出入銀行が、一般の産業資金に充てるべき市中銀行の資金を調達するということはできるだけ抑えておく。そうして、そういうふうな資金は、できるだけ市中金融の円滑化に資せしめることがいいのであつて、輸出入銀行で資金が必要であれば、政府からの借入を待つ。外国につきましては、外国の銀行だけに実は限りませんでしたのは、或は銀行という名前を使わない金融会社も外国にはあり得るわけであります。そういつた外国のつまり金融機関から借入はできる。従いまして、只今のお尋ねの点は、お話の通り、外国の金融機関にかかるわけであります。外国の銀行、外国その他の、こうかかるわけであります。
  47. 小林政夫

    小林政夫君 予算書を見ますと、輸出入銀行の事業損金の項の中に、目として税金があるのですね、十五万円、三十七年度は。二十六年度においては一億二千五百九十七万八千円、この十五万は大体地方税であるということでありますが、今度法律では、地方税の事業税は免除するということになつておつて、この十五万円は住民税等ですか。
  48. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 只今のお尋ねは、昭和二十七年度の予算でございますね。これは、所得税とか住民税とかいうものではございませんで、固定資産税といつたような性質のものでございます。
  49. 小林政夫

    小林政夫君 先般福田君には聞いたのですが、今日は局長が見えているので特に伺いますが、輸出入、今では輸出銀行の余裕金は法律によつて国債を持つなり資金運用部に入れる、或いは日銀に入れるというようなことになつておりますが、もう少し彈力性を持たせる必要はないか。特に今度は輸出入銀行として少し業務を擴げるということでありますが、現在為替管理委員会において円資金の問題等もありますし、外国為替管理委員会政府機関でありますから、余裕金があればそこへ一時持つて行く、或いはスクラツプ等のために使うと申しますが、そういうふうなことをやるほうが、この輸出入銀行の本来の趣旨に副うような方法、勿論安全でなくちやならんけれども、そういうことに使えるように余裕金の運用の範囲を擴げたらどうかと思うのですが。
  50. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 小林さんの御意見は誠に御尤もな点があると思います。ただ私どもこの点につきましては、実はこういうふうに考えておるのであります。輸出入銀行、今度は輸出入銀行になるわけでありますが、輸出入銀行にしましても、これはすべて出資の形、或いは借入金の形で政府から出ておる。従いまして、その資金政府のどこかの機関に預けられて、その資金として何と申しますか、或いは、今お話のような、スクラツプのために必要な資金を供給するとかいうようなことは、そういうことを目的としての運用会計ではございません。例えば、資金運用部でありまするとか、その他のように、運用を目的としておりますのではございません。これらのものを活用することによつて、今お話のような点は支障なく動く。問題は結局輸出入銀行で折角余裕金を持つておるならば、それで金利を稼いだらどうかという点が実は残ると思います。まあ運用の目的としましては、私どもは同じ政府機関でございますので、これが何か高利廻りに運用することによつて稼ぎ出すというふうなことまで輸出入銀行は為替銀行として考える必要はないじやないか。ただ問題は、余裕金の運用といたしましてここに限定されているのが非常に窮窟だ。出し入れとか、技術的に手続が窮窟だという点がございますれば、これは又別でございますけれども、只今のところは、そういうふうな窮窟な問題も実はございません。円滑に動いておる。問題は金利、利鞘を或る程度稼いだらどうかという問題に盡きるのではないかと思います。この点につきましては、只今申上げましたような考え方に立つております。
  51. 小林政夫

    小林政夫君 政府資金の全体の均衡と言いますか、均衡予算という点から言つて、輸出入銀行への例えば出資は、一応対民間との関係において、拂出しでね、撒布ですね。その点は一応余裕金があれば、少々の金ならいいですが、相当これは大きい金ですね。今のところはこういうことは余り望ましいことではないけれども、それが逆に政府機関の国債を持つというようなことになると、一応均衡、超均衡財政の更に超を加えるものになるということから考えて、もつといわゆる拂出しは拂出しとして使えるような方向に行けないか。
  52. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この点はこういうふうに実は考えておるのであります。お示しのように、二十七年度なら二十七年度を通じても、今お話のような総合均衡の建前に立つております。時期的にはどういうことになるかと言いますと、これはやはり歳入の入つて来る状況とか、或いは支出の時期的な関係の調整を勘案しながら出資というものは行わなければならない。一方においては、輸出入の業務のために必要な資金にも事欠かないように勿論考えて参らなければなりません。非常に正確に申上げれば、こういう政府機関につきましては、一般会計なら一般会計から出資いたします場合にも、時期的に四半期ごとなら四半期ごと、或いはもつと月ごとでもいいと思うのですが、月ごとに必要な資金を出資なり或いは貸出の形で供給すればいいのです。非常に極端なことを申上げれば、年度の初めに百億なら百億というものを一括して輸出銀行に出資をする必要はないわけです。輸出入銀行が必要とする資金だけを、その時期において分割して放出すればいいのであります。従いまして、そこは非常に正確には参りませんけれども、資金というものは要るだけ出資をする。勿論出資の枠は年度内にきまつておりますけれども、その現実の出資、その必要な資金に応じて出して行くということであつていいのじやないか。従いまして余裕金がありますれば、それはまあ極く一月か二月とかの間、暫らく残る金であります。一年とか二年とか長い間金がずつと出たままになつておるというような状態は、国庫金の最も効率的な運用という面から言いましても適当でない。余裕金というものは、極く例外的な場合に多少考慮して行けばいいと思います。
  53. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 第十八條に「日本輸出銀行は、第一條に掲げる目的を達成するため、左の業務を行う。」として第一番に「設備並びにその部分品及び附属品で本邦で生産されたもの」とありまするが、これは、その生産された完成品としての設備に対する金融と、こういうふうに読むのですか、どういうふうに、これを解釈するのですか。
  54. 河野通一

    政府委員(河野通一君) この点は設備自体ができておるものを輸出するために金融するという問題でございますが、やはりそれを生産をいたします金融も入つておるわけなんであります。生産期間中の金融も入つておるわけであります。
  55. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 現実はそのようですけれども、法文から言つて私はちよつとどうも欠陷があると思われますのが一つであります。それから元来この輸出銀行というのは、プラント輸出をして先方の輸入先においてすぐ代金を拂われない、数年間その設備を活用して、それによつて得た金を返して来る、この間の金融措置というものが本来ではなかつたかと思うのですが、そうではなかつたのですか。
  56. 河野通一

    政府委員(河野通一君) お話のような、何と申しますか、向うにおける資源開発というものを助けて行くためのプラント輸出、これは御承知のようにゴアにおいてそういう例を実は現実にやつておるわけであります。これは五年ですか非常に長い金融になつておりますが、そういうものも勿論輸出銀行としては大きな使命の一つとして取扱うことになつております。併しながらそれだけではなくして、プラントの輸出を促進するために必要なる金融をいたしまして、恐らく短期に回収されるようなものにつきましても、これは輸出を大い伸ばすという点から申しまして、必ずしも排除すべきものではない、殊に日本の外貨事情が現在は割合余裕もございますが、外貨事情の如何によりましては、できるだけ短期にこの金が回転することも、外貨が回転することも必要なる場合もございまして、従いまして長期の、長い開発資金を出して、その開発によつて出て来た産出物によつて返すというような形だけが輸出銀行の業務或いは使命であるというふうに限定して考える必要はないと、かように考えております。
  57. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 ところでこの輸出入銀行は単独に貸付をするものではなくして、他の銀行と協調融資することになつていますが、併し飽くまでも普通の銀行單独ではやりにくいものをするような建前になつておりますが、先ほど小林委員からの御質問の中にもありましたが、今度、貸付期間ですが、短縮いたしまして、まあ三ヵ月、従来六ヵ月のものは三ヵ月にするということはまあ一応わかりますけれども、その三ヵ月に改正すると同時に、それは又六ヵ月以内に限つて、趣く短期に回收するということはしておりますが、こういうのは普通銀行の金融で十分行けるのじやないかと思いますが、特にどうしてこの輸出入銀行に扱わせる必要があるのでございますか。
  58. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 先ほど小林さんの御質問にお答え申上げましたところと或いは重複するかも存じませんが、市中銀行で金融の付きますものにつきましては、輸出銀行は別にそれにタツチする必要はないと思います。併しながら現実にこれは山際専務理事もお見えになつておりますが、現実の措置についてお聞き願つたほうが結構かと思いますが、現実に市中では三ヵ月程度しか金融が付かない、而もやはり四ヵ月乃至五ヵ月程度の期間の金融というものがどうしても必要だ、これは重機械等についてあるようでありますが、そういつたことで非常にこの輸出金融の促進について、六ヵ月以上ということになつておりますために、どうもうまくそこが調整がとれなかつたという事例が出て参つております。従いましてそういう場合に、これは全然そういうものは取扱えないのだということにいたす必要はないと思います。勿論市中銀行で金融の付くものにつきましては輸出銀行は介入いたしませんが、市中で金融が付かない場合におきましては、それを三ヵ月程度ではやれるような途は少くとも開いておいてやる必要がある。現実に支障の起つた例もあるようでございます。濫用をいたしますつもりはございませんが、途だけは開いて汚く必要がある。現実の問題として支障が起つておるのであります。そういうような改正をお願いいたしたわけであります。
  59. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 これはこの前に山際専務理事と、それから大蔵省の福田説明員から伺つたのですが、今度の増資の計画から見ても、外国船の建造資金が非常に圧倒的に多いのです。而もこれは国内の造船所で造つておる期間の金融のようなもので、むしろこれは国内金融と言つてもいいようなものと思いますが、輸出入銀行が殆んど全力をそれに注ぐのはどうかというので御質問して、一応お答えは願つたのですけれども、まだ十分私は納得いたさなかつたのでありますが、それは一方において国内造船も非常に急がなければならんが、最も根本的の隘路は、資金が足らんという点にあると思う。で、外国船についてはそれだけの需要があるならば、むしろ外貨資金を取つて来てやられるという程度で十分間に合うのじやなかろうか。然るに外国船の注文をたくさん受けて、そやして国内金融だけで造船して、でき上つてしまつて外国に出してやればすぐその金は入つて来る、こういうような金融をこの際一方にやりながら、片方においては内国船の建造は資金が足りないからどうしてもいけないというので大騒ぎしておるというのはちよつと解しがたいと、腑に落ちない点がありますが、どういう事情がございますか。
  60. 河野通一

    政府委員(河野通一君) これはなかなか実はむずかしい問題であります。広く申しますれば、産業政策自体の問題であります。更に一連としての国内の金融政策の問題とも関連しますし、又もう一つは外貨政策と申しますか、為替政策、そういつた問題にも関連いたします。お話の点は例えば一方で輸出船をどしどし造りなら買船する、船を輸入しておるのじやないかといつたようなことは、表面的には甚だ矛盾したことだというお説も出て参つておるのです。この点は今全体的な産業政策、国内を含めての金融政策、為替政策の三つの観点を総合した立場からいろいろ検討して行くということで、いろいろ打合せをいたしております。現在のところでは輸出銀行といたしましては、これらの輸出船につきましては、国のその産業政策としてそのことが正しいということでありますならば、輸出をどんどんして行く。そうしてそれによつて外貨、殊にドルでありますが、ドルを稼ぐというような仕組は、政府の産業政策として認められた意味におきましては、これを進めて参るのはいいのじやないかと思います。併しながら今申上げましたような産業政策、金融政策全体の総合的な観点から、この問題をどう取扱うべきかということは、目下いろいろ検討を加えておるのでございます。もう暫らく日にちを貸して頂きたいと思います。
  61. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 それから輸出入銀行が普通銀行と協調融資をするのが建前となつておりまするが、これは普通銀行といつても興業銀行だけですか。ほかにもあるのでございますか。
  62. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 興業銀行に限つておりません。例えば為替を取扱つております銀行、貿易金融をやつております銀行も相当関係いたしております。
  63. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 もう一点、レートの問題ですが、單独融資をする場合に、普通銀行のほうのレートと輸出入銀行のほうのレートと違うのですか、同じですか。それは何かこの法文から言えば、普通銀行がその預金の金利を見なければ採算がとれないのだ、そういうことは余り考慮されないような建前になつておるのですか、実情はどうなつておるか伺いたい。
  64. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 協調融資いたしました場合の市中分につきましては、市中の一般金利によつております。それから輸出入銀行は御承知の通り七分五厘、こういうことであります。この点を金利上特別な差異を付ける必要はないじやないかという御意見があると共に、又他面で輸出入銀行につきましては更に輸出を促進するという観点から、資金のコストは非常に安いんですから更に金利を下げたらどうかという意見も又逆に出ております。現在のところいろいろ検討はいたしておりますが、一応これを上げたり、下げたりすることは只今のところは考えておりません。七分五厘程度で現在のところでは適当ではないかというふうに考えております。
  65. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 協調融資の場合の割合の何か大体のおきまりがあるのですか。
  66. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 大体八対二、輸出銀行が八割、市中銀行が二割になつております。併し市中銀行につきましては、これが二行か三行入つて参りますれば一行の持ち分は、或いは二行入つた場合は一割で済むという場合もございます。
  67. 平沼彌太郎

    委員長平沼彌太郎君) 本日の委員会はこれを以つて散会いたします。    午後三時十一分散会