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政府委員(
平田敬一郎君) 最初に先ほど菊川さんの
お話に関連してお答えいたしますが、どうも
日本の今の貿易が何と申しますか、一定の地域から入
つて来ないことに
なつているわけでございます。でそういうことがむしろ
関税政策その他を
考える場合におきましても、それがむしろ原因でございまして、こういう
措置をや
つたからなお更そうなるというものではないことを御了承願いたい。と申しますのは、こういう
関税をきめたり
関税政策をきめます場合におきましては、いろいろな客観情勢から来るいろいろな止を得ない
事情、これはまあその
事情といたしまして考慮せざるを得ない。そういう前提の下に現在どこの国からどういうものが
日本に来ているか、それが又
日本としましてはどうしても
輸入せざるを得ないか、その場合におきまして、その
値段がどういう
状況になるか、まあそういう点を考慮いたしまして妥当な
関税政策を立てざるを得ない。こういう
事情でございますので、決してこういう
措置をや
つたためにそういうことを間接に助長するという筋合のものでないことを、
一つ先ず御了承願いたいと思う次第であります。
それからもう
一つは
大豆とか
菜種等につきまして
大分御議論がございましたが、これは私も卒直に申上げますと、だんだん情勢はやはり
関税を
引上げるという情勢に昨年より今年は一歩来つつあるのではないか。と申すのは
国内の
生産も
増加しておりますし、海外の
相場と
国内の
相場とも漸次接近しつつある。安い物がどんどん
日本に入
つて来るということになりますと
国内産業の保護ということを
考えまして、こういうものにつきましては
相当然るべく
関税はかけて行くと、こういう方面に行くべきものだと
考えますし、私は今の情勢がだんだん続いて来ますれば、
大豆とか
菜種とかいうようなものにつきましては、もう一年更に延期するという
事情にはならないで、恐らくその次の年からは
課税して然るべきじやないかと、こういう
事情によほど接近しつつあるのではないかと
考えている次第でございます。
ただ現況から申しますと、特にまだこの際
関税の
免税の特典をやめまして
課税するということは、
日本の食糧
事情、油脂工業並びに油脂類の供給という点から見まして如何であろうかという
意味で一
年間延ばすということにいたした次第でありますことを御了承願いたいと思います。
それから更にこういう
免税措置をと
つておりますが、現在
免税措置をや
つておりますものは、我が国の
国内的な
事情の必要からしまして、こういう
免税措置をと
つているわけでございまして、こういうことにつきまして特に
相手国が
日本に対しまして
相当売りたい、安く値をくずして持
つて来るというような
事情になりますれば、これは逆に私は妥当なる
関税をかけて保護するという方向に行くべきものだと思います。それで通商協定の問題は、これは一応通商航海條約が結ばれまして、その後におきましては
関税率につきましても相互に話合う機会が出て来ると思います。その際におきましては、私どもは先ず第一に御承知のガットでございますが、これは国際的に最恵国待遇の規定を協定する
一つの国際会議でございますが、あれに一刻も早く加入いたしまして、それで
日本で
関税を下げるから
相手国の
関税を下げてもらいたい、こういうことにつきましても議が十分できるように今後早く持
つて行きたい。ガットに入らなくても或いはアメリカとの間には
状況によりましてはそういう個別交渉ができる事態にだんだん
なつて行くのではないかと
考える次第でございまして、今回のこの
措置につきましては、主として
国内事情を
考えまして、
日本町で
措置している事項でございますことを御了承願いたいと思います。