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1952-02-12 第13回国会 参議院 大蔵委員会 第12号 公式Web版

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  1. 予算委員長からの申入に関する件 ○財政法、会計法等の財政関係法律の (会議録情報)

    昭和二十七年二月十二日(火曜日)    午後三時五十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君            菊川 孝夫君    委員            岡崎 真一君            黒田 英雄君            西川甚五郎君            溝淵 春次君            小林 政夫君            大野 幸一君            波多野 鼎君            油井賢太郎君            木村禧八郎君   政府委員    大蔵省主計局法    規課長     佐藤 一郎君   事務局側    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○予算委員長からの申入に関する件 ○財政法会計法等財政関係法律の  一部を改正する等の法律案内閣提  出、衆議院送付)(第十二回国会継  続)   —————————————
  2. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) それでは第十二回の大蔵委員会を開会いたします。  先日参議院予算委員長から申出がございましたので、それを朗読いたします。   昭和二十七年二月九日    参議院予算委員長 和田博雄参議院大蔵委員長殿    財政法会計法等財政関係法律の一部を改正する等の法律案に関する申入の件   表記法律案については既に貴委員会において篤と慎重審議中のことと存じて居りますが、本案に関しましては、当委員会としましても特に継続費等については予算審議立場から重大な影響を有つものと認め過般来検討を進めて参つた次第であります。いま、これについての一応の結論を得ました。即ち継続費の設定については、己むを得ないと認められる場合にも、戰前に於ける継続費運用上の弊害に顧み、その対象、期限、又は金額につき適当の節度を保持し、苟も予算審議権を阻害す等悪用せらるることのなき様に処置せられるべく特段の御配意を希望致します。   右予算委員会として申入れます。  以上  以上であります。   —————————————
  3. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) それから各党の代表の懇談会一つ昨々日開きましていろいろと修正案について御意見を伺い、その方針について決定をして頂いたのでございます。それで大体修正案賛成かたがたによりまして案を練つて頂き、そうしてGHQのほうにそれを申出まして、そうして本日GHQ波多野委員小林委員菊川委員の三省がおいでになつて只今お帰りになつたばかりであります。その前に、この前の理事会において波多野委員から修正案を出されましたにつき、速記録にとどめたいというお話から、この大蔵委員会において正式に修正案を出したいというお話がございました。つきましては波多野委員より修正案についての御説明をお願いします。
  4. 木村禧八郎君(木村禧八郎)

    木村禧八郎君 それと共に……どうも委員長の報告は正確でないのですね。その理事会のときに予算委員長和田氏が見えられてこういう申入れがあつたので、そうしてそれを我々理事会として聞いた。よつてこれを本日報告されるということにしないと正確でないと思うのですね。あのとき理事会に来られて申入れされたのです。どうでもいいようですけれども、正確にしておいて……。(「あれは委員長に対して話したのだから」と呼ぶ者あり)
  5. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) 若し理事会にであつたとすれば、私の失言ですから、そう訂正いたします。
  6. 木村禧八郎君(木村禧八郎)

    木村禧八郎君 大したことじやないですけれどもね。
  7. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) それでは波多野委員
  8. 波多野鼎君(波多野鼎)

    波多野鼎君 財政法会計法等財政関係法律改正案でありますが、これにつきましていろいろ大蔵委員会で長い間慎重な御審議願つて、私ども少し遅れて委員に参加いたしました関係上、私ども意見を述べる機会がなかつたので、この前の理事会意見を述べる機会を與えて頂くことになつたのであります。それで簡単に意見を述べておきたいと思います。  この財政法等改正法律案重点は、言うまでもなく継続費の問題にあると考えております。継続費を認めることが憲法に牴触するかどうかということが一つの問題であり、継続費を認めるとして、どういう形でこれを認めて行くかということが、この委員会で論議されたもう一つ重点であろうと思つております。私ども継続費を認めることの必要ということについて否定的な考えをとつておりません。むしろ積極的に肯定的な考え方をとつております。特に計画経済の方向に今後の日本が行かなければならんと確信いたしております関係上、継続費というものが必要であるという点をむしろ主張したい立場であります。併し旧憲法継続費があつたのを、新憲法においては削つたというこの事実は、これにはいろいろの重要な意味が含まれておると思いますので、その意味を活かしながら、継続費を認めなければならんというふうに考えておるわけであります。新憲法においては、私ども憲法第八十五條の規定によつて継続費を認めることが可能である、できる、憲法には違反しないという解釈をとつております。併し第八十六條の「毎会計年度予算」という問題にかかわりまして、継続費年度割額は毎会計年度の、この会計年度を一年と理解いたしまして、その各年度予算の中に年度割額は計上さるべきものであり、そして同時にこの年度割額についても国会審議権を持つということを明らかにしておく必要があると考えております。これを明らかにすることが、旧憲法にあつた継続費規定を新憲法で削除したその意味を活かすゆえんであるというふうに考えておるわけであります。  そこで財政法等改正法律案につきまして、この第十四條の二という所に或る修正を加えまして、「前三項の規定は、国会継続費成立後の会計年度予算審議において、当該継続費につき重ねて審議することを妨げるものではない」という規定を挿入いたしまして、そうして年度割額、これは予算書に現われて来る年度割額をきつかけとして、継続費全体についても重ねて二重に審議することができるということを明らかにして国会審議権をそこで確立しておきたいというのが、私ども修正案趣旨であるわけであります。このようなこと、そういう規定を挿入しないでもいいじやないかという意見も大分あるようでございます。旧憲法時代においては、憲法学者解釈としては、年度割額につき国会がこれを審議することは殆んどできない。ただ死んだ数字をそこに挙げておるだけだという憲法学者解釈が一般に大体確立しておつたと思う。ところが国会慣例では、その旧憲法時代においても継続費の総額並びに年度割額につき次年度以降で審議をし、或いは削除をし或いは削減するというようなことをするのが国会慣例であつたということも聞くのでありますけれども、若しそうであるとすれば、その憲法学者解釈国会慣例との間に非常に大きなギヤツプがあつて、そのギヤツプを埋めて置くこともむしろ必要じやないか、その意味においてこの修正規定を第三項……私の修正案では第三項に入るわけですが、これを入れたいと、こう考えたわけであります。  ところでこの間の理事会におきまして修正意見を立てたかたがたのお集りの際、それと合せて第十四條の二の「その完成に教年度を要する」というその数年度というものについて、それからその終りのほうの「数年度にわたつて支出することができる。」というこの数年度という年度解釈を確定しておく必要がある。或いはもつと別の言葉で言えば、これを数年度なんというあいまいな言葉で言わないで、年数を切つたほうがいい。数字で現わしたほうがいいという御意見があつて、或いは五年度亘づてというようなふうにわしたいという御意見もありまして、その点については私は、数年度というのは、これは常識的に言つて五、六年というのが常識的解釈であるが、併し曾つてこの数年度という言葉によつて、十数年度に亘るような継続費が計上されたような例もあるというようなことを聞きまして、それならば五、六年、数年度というのは五、六年という常識的な解釈国会においてとられないような場合もあると、そういうことが将来起ることを防ぐだめに、五年度、併し必要に応じて国会の議決を以て更にその年度を延ばすことができるという意味修正を加えたらどうかという御意見が多数でありまして、私もそういう点において明確にするということは必要である、明確にしたほうがいい、よりいいという意味においてこの修正案に同意しておるわけであります。  そういう意味で私どもはこの修正案を出したということだけを明らかにしておきまして、あとで今日の司令部側との折衝のことを御報告する機会があれば御報告したいと思つております。
  9. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  10. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。
  11. 大矢半次郎君(大矢半次郎)

    大矢半次郎君 只今波多野委員から話のありました修正点につきましては、理事会の席におきまして、私ども自由党といたしましては反対いたしたのでありまして、その理由は、根本趣旨においては別に不賛成ではないのでありますけれども、併しながら旧憲法と新憲法との根本的の差異は、国会審議権の内容にあるので、新憲法の下においては、国会最高審議権を持つておりまして、従つて今の問題になつておる継続費の後年度においての審議ということも十分にできるのである。それから年限の点についても、若しも政府提案が濫に互るようなことがあつた場合においては、予算審議の際に十分にそれは検討し得る。こういう立場からして、むしろ国会審議権尊重、新憲法根本精神則つてそういう規定をおかないほうがいいではなかろうか、おくというと、却つて或いは反対解釈を他の方面において惹起する虞れもなきにしもあらず、こういう意味において反対いたしたのでありますが、併しながら全体の趣旨におきましては、この修正案提案されたかたがたと私らのほうとにおいて何ら食い違いがないと思うのでありまして、従つて若しも強いて申上げますれば、継続費の後年度においての国会審議は更に重複してやり得るということを明確にしておけば、それで足りるかと思うのであります。その点につきましては先般大蔵大臣は本委員会におきまして、はつきり政府側を代表しての見解を述べておられるので、政府としての解釈は明らかでありまするが、更に本委員会におきましても政府側と全く同じような解釈をとるのだということをこの際明確にしておきまして、将来これを基礎にいたしまして国会審議における一つ慣行を打ち立てて行つたならば、それで十分ではなかろうか。こういたしますれば賛成反対のあれも別になく、非常に愼重に審議した結果、総体の意見が一致したということになつて、誠に有終の美をなすように考えられますので、一つそのようにお考え願えれば仕合せと存じます。
  12. 油井賢太郎君(油井賢太郎)

    油井賢太郎君 大矢さんのお話も御尤もですが、いずれ司令部から至急に回答がありましようから、その上で以て討論に入ることを希望いたします。
  13. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) 只今大矢委員から、GHQのOKの如何よりも、すでに国会最高審議機関であるから、それに対して国会慣行を打ち立てて行つたらいいという御意見と、今油井委員から、いずれ向うからの回答があるだろうから、その回答を待つて討論採決に入つたほうがいいという御意見がありましたのですが、如何なものでしようか。
  14. 小林政夫君(小林政夫)

    小林政夫君 緑風会は、最初にも申上げたように積極的にみずから修正案を出すということでなしに、他から修正の動議が出た場合に、今同調をいたしております二点については賛成をいたすということにしておるわけであります。本日関係当局との折衝模様等から考えても、今大矢委員提案趣旨も非常に結構なことであります。国会慣行として、又政府も一体となつてそういつた解釈を下すということであれば、非常に我々の意図するところは達せられる。今改正の要点は念のための改正でありますから、そこで改めて関係当局のアプルーバルかデイス・アプルーバルか、その返事を待つという期間はありますが、一応大矢委員提案も取上げて、各党でこの線に沿つた態度で行けるかどうか検討してもらうということもいいと思います。そういう意味でお取上げ願いたい。
  15. 大野幸一君(大野幸一)

    大野幸一君 専門員の今まで、或いは法制局の経験からどうでしようか、この許可をしないでそのままずつと回答しない、ノー・アンサーはノーという意味に解されて、長引くということはありませんか。法制局は今まではどうですか。
  16. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  17. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて。いろいろ御意見もありますのですが、結論的なことを申上げますが、それは大矢委員から、成るべく全会一致になるように各党帰つて御研究願いたいという御意見一つと、もう一つは、GHQからの回答を速かに取るようにして、そうしてその結果、討論採決に入るというふうな御意見であつたと思いますが、そういうふうに決定して差支えございませんか。
  18. 波多野鼎君(波多野鼎)

    波多野鼎君 それは二つは併行的なことなんですね。
  19. 大野幸一君(大野幸一)

    大野幸一君 只今委員長の、大矢委員の御意見のうち、これは修正するとしないとにかかわらず、解釈としては自由党も同じ解釈をとつているのだ、こういうことも附加えて、こういう意味においての御意見である、こう解釈してよろしいのですか。
  20. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) その通りです。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  21. 委員長(平沼彌太郎君)(平沼彌太郎)

    委員長平沼彌太郎君) 速記を始めて。  それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後四時四十八分散会