○田村文吉君 本日決議案になりました問題は、昨日
委員会で話合をしましたときに、單に
中小企業というだけでなしに、実はもう関連するところが大
企業にいろいろ
関係する問題であるから、特に余りにこういうデリケートの問題について大きくやらないほうがいいのじやないかというような意見もありまして、或る
程度の決議案となり又趣旨の説明に
なつたわけであります。又仰せの
通り毎年年末になると金が詰る、これはさま
つたことなんでありますが、今年は特に物価の値下りの
関係上ひどい状況にな
つておるのでありまするが、併し
中小企業のそういうような問題は必ず大
企業に及ぼし、大
企業の金詰りは
中小企業に及ぼす、こういうことになるのでありまするが、これに対しまして
大蔵大臣は対症的に処理をして行く、大丈夫この年は越すという
お話でございまするので、私共は
大蔵大臣の御
言明を信頼申上げて参りたいと
考えるのでありまするが、対症的という意味は、適当の
措置をそれぞれにとるという意味は、必ずしもどうしてもいけないものを無理に起してやろうというようなことは、これは
一般観念からして無理な話でございますが併し一〇〇%のうちそういうものが一〇%も出て来てそれが
経済界の混乱を起すようなことがあ
つては困るというのが
委員全部の
心配する点であるのであります。なお年末はどうにかこうにか対症療法によりまして越しましても、一月、二月、実はまあ毎年、毎年といいますか過去の歴史から見ますると二月、三月くらいが却
つて実は危險なときが多いのでありまして、そういうような例を聞いておるのであります。そこで私は近頃の
金融状態を見ておりますると、金の動き方が非常にスピードがのろい、こういうことを痛切に感じておるのであります。と申しますのは、金は一日も早く有益に使われて、又右から左、左から右と運転されてこそ金というものの値打は同じ百円の金でも三百円、五百円になるし、金の廻りがおそいということになりますと、五百円の金が百円にも使えない、こういうようなことになるのでありまするが、終戰後におとりになりました方策から行くというと、農林中央公庫にしましても又商工
金融にいたしましても、これが十分練達のかたではありますが併し過去の御経験と大きな経営能力が失礼ですが上から下まで浸み渡
つているというわけにはいかない。そういうようなために折角金を借りようと思
つて行
つても何とかかんとかい
つて三月もかかり四月もかかり五月もかかる。たまに貸せばどうも変な所に貸す、それじや困るという間に変なことがあ
つて浮貸するようなことが起るというようなことになりますので、私はやはりこれはもう在来から大体その地方なら地方において十分な信用調査をや
つている地方の
銀行が金を貸すのが一番安全だ。でありますが、今のような問題は先ほど菊川
委員からも
お話がありましたように、皆オーバーローンのような形でそういうことがなかなかようできん。この間も私は地方に参りましたときに地方で訴えられたのでありますが、郵便局の窓口のほうがよほど親切で普通
銀行の窓口のほうがよほど不親切だという話を聞いたので、私は甚だおかしな話だと思いましたが、実は
市中銀行は金を持
つておれば直ぐ支出してやれますが、金がないのだから何とか断わろうというために非常に不機嫌な話が出、態度がなるんだ、こういうことは単なる道徳的の問題でなしに、どうもそういうような実際的の問題が起
つているということでありますから、これはひとり年末
金融だけでなく年を越してからの
金融にいたしましても、要するにもう少し
一般の
市中銀行というものに相当に又金が持てて融通ができるようにしてやる。これが一番応急
対策としてよろしいのじやないか。こういうように
考えますので私は現在ある制度、商工
金融の制度も決して惡くはない、大いに
一つ活用してもらいたいと思いますが、もう少し
市中銀行に
金融を十分にやり得るような方法を
考えてやらなければならん。それには現在のように預金が不足しているような状況では困るから、そこでまあ無記名預金というような問題が起
つて来るのであります。まあこれは今無記名預金の問題等についてお
考えもあるようでございますが、私はしいてどうこう申すのではございませんが、そこに
一つ大きな眼目をお置きにならんというと、折角百億、二百億のものが出ましても、スピードののろい金では無論役に立たない、ややもすればそれが浮貸になるというような虞れが多分にありますから、大蔵御
当局としてそういうような点についての、もう少し民間に
資金を廻して、民間の
銀行に
資金を
運用させるというようなお
考えがあるかという点を
大蔵大臣にお尋ねいたしておきたいのであります。