○
説明員(
家治清一君) 第一条、先ほど申上げましたこの
法律の目的でございまするが、ここに問題となりますのは「当分の間」という点と、それから「
漁船の
乗組員が
抑留された場合における
給与の
支払を保障」するという点にあると思いますが、当分の間、これは要するに恒久法ではない。国際
関係の改善とか或いはこの制度に代るもつといい制度ができます場合においては、それに代るということを予定しております。それから「
給与の
支払を保障」、
保険するわけでありますが、ここで狙
つておりますのは、
抑留された
乗組員の
留守家族に姓する
給与の
支払を保障しようということでありますが、これはほかの、例えば船員
保険法或いは失業
保険法、労働者災害
補償法等の
関係法律の
関係でございますが、この
関係をいろいろ当
つたのでございますが、今申上げた各
法律におきましては、こうい
つた抑留中の
給与の
支払を保障するという措置はどうしてもとれないので、ここに新しいこうした
保険という方法によりまして
給与の
支払の保障措置をとろうというのであります。それから第二条の
漁船乗組員給与保険の仕組でございますが、これは
漁船損害補償法の規定による
漁船保険組合が行う
漁船乗組員給与保険事業及び
政府が行う再
保険事業によ
つてこの
漁船乗組員保険というものを行うという規定でございます。第三条の定義の点でございますが、この
法律において「
漁船乗組員給与保険」と申しますのは、
乗組員が
抑留された場合に、その
抑留期間中
事業主が当該
乗組員に対して
支払うべき
給与の全部又は一部に代えて
保険金を支給するために行う
保険を言うのであります。この
法律において「
乗組員」と申しますのは、
事業主に雇傭されて、
漁船に乗り組む者を申します。なお「
給与」と申しますのは賃金、給料、手当その他名称の如何を問わず、雇傭
関係に基き、
事業主が
乗組員に
支払うすべてのものを言います。但し賞与その他これに準ずるもので省令で定めるものはこの限りではありません。つまり賞与的なものは除いて、本来の何といいますか、固有の
給与というものを保障しようという趣旨でございます。この
法律において「
抑留」とは、
乗組員が自己の意思に反して
日本国の領土外に連行留置されることを言うと謳
つておるように、自分の意思でなく、
日本国の領土以外に連行されるというふうにきめたわけでございます。
それから第二章は
漁船乗組員給与保険事業の内容であります。「
保険者」として、第四条は、「
漁船保険組合は、総会又は総代会の議決を経て、この
法律の定めるところにより、その区域内に住所又は
事業所を有する
事業主につき、
漁船乗組員給与保険事業を行うことができる。」、現在
漁船損害賠償法に基きまして設立せられ、運営せられております。
漁船損害保険組合、それがこの
保険の
保険者になるのであります。「
組合は、前項の規定により給與
保険事業を行おうとするときは、総会の議決を経て、省令の定めるところにより、定款にその旨を記載し、且つ、
給与保険事業に関する約款を定め、農林大臣の認可を受けなければならない。」、「受けねばならない」というのは誤植でありまして「受けなければならない」であります。これは
漁船保険組合としましては、
組合員としてこの
給与保険を行う必要で入れるんじやなくて、約款に基きまして、つまり員外と申しますか、すべて別の資格では同じ
組合員であるのが通例であろうと思いますが、
給与保険の
契約者としては、その資格においてはこの
保険組合の員外者として
組合と契約を結ぶということになるわけであります。それから
保険の加入の手続でありますが、「
事業主は、
給与保険に加入しようとするときは、左に掲げる事項その他省令で定める事項を記載した申込書を
組合に提出しなければならない。」第一は「
契約金額」、これはその
保険契約に係る
乗組員の全員が
抑留された場合に
組合が
支払うべき一カ月分の
保険金の額を言います。二は
漁船名並びにその
乗組員の氏名及び職名。三が
契約金額に基き
組合が
支払うべき一カ月分の
保険金の各
乗組員についての内訳」、これは一船単位に
保険を附する
関係上、そこの乗組んでおります一人々々についての内訳金額を書くわけでございます。
それから四は、
保険金受取人の氏名又は名称及び住所、これは個々の
乗組員の指定した
受取人の氏名、名称及び住所を書くわけであります。それから五としては各
乗組員の
給与月額、それから「前項の規定による
給与保険加入の申込は、
漁船ごとに、当該
乗組員の全員についてしなければならない。」、部分的な加入は困るということでございます。それから第六条は
契約金額でございます。「
契約金額は、各
乗組員の
給与月額の
合計額をこえ、又はその百分の六十を下るものであ
つてはならない。」、これは先ほど申上げました超過
保険は困るということと、又百分の六十以下の
保険は困るということ、こういうわけであります。それから「
契約金額は、
保険契約が成立した後においては、変更することはできない。」それから第七条は、内訳
保険金額であります。「内訳
保険金額は、各
乗組員の
給与月額の
合計額で
契約金額を除して得た数を、各
乗組員の
給与月額に乗じて、算出する。」それから第八条、
給与の月額であります。「
給与月額は、
事業主が当該
乗組員に対し、雇傭契約に基き
抑留期間中において
支払うべき一箇月分の
給与の額とする。」、「
事業主は、
給与月額を定める場合には、当該
乗組員の同意を得なければならない。」、こう規定されております。当該
乗組員に村して雇傭契約に基き
支払うべき一カ月分の
給与額、これはつまり
保険関係で新らしい雇傭契約に必要な要素を入れるのでなくて、
抑留期間中において
支払うべきものと契約されておるその実体を
保険しようという、こういう考え方でございます。それから第九条は
保険金の
受取人で、「
事業主は、第五条第一項第四号の
保険金受取人を定める場合は、各
乗組員の指定に従
つてしなければならない。」、これは五条で御
説明申上げた
通りでございます。
それから第十条は
保険引受拒否の
制限で、
組合は、
保険組合でありますが、「
事業主から
給与契約の申込があ
つたときは、これはに対して、正当な事由がなければ
給与保険の引受を拒むことができない。」第十一条「
乗組員は、
漁船ごとに、当該
漁船の
乗組員の総数の二分の一以上の者の連署をも
つて、その代表者から、その
事業主に対し、
給与保険に加入すべき旨の申出をすることができる。」、「前項の申出があ
つたときは、
事業主は、正当な事由がある場合の外、遅滞なく当該
漁船の
乗組員に係る
給与保険に加入しなければならない。」、これは一応
保険契約そのものは自由ではありますけれども、
乗組員二分の一以上の申出があ
つた場合は
事業主は拘束せられる。それによ
つて保険加入の義務を負う、こういう規定でございます。第十二条、「
給与保険契約は、
組合が
保険料を受け取
つたときに成立する。」、「
組合の
給与保険契約に基く
保険金の
支払責任は、約款で別段の定をした場合の外、
保険契約が成立した日の翌日から始まる。」、二項は通例の規定であります。それから第十三条は
乗組員への通知義務、「
給与保険契約が成立したときは、
事業主は、遅滞なく当該
乗組員にその旨を通知しなければならない。当該
保険契約の内容につき変更があ
つたときも、同様とする。」これは先ほど御
説明申上げましたように、この
保険金の
支払というものは
給与の
支払に代る性質を持
つておるものでございますので、
事業主は
保険契約が成立したときは遅滞なくその旨を通知しなければならない、こういうことにな
つております。それから第十四条、
保険期間、「
給与保険の
保険期間は、四箇月とする。但し、
組合は、省令の定めるところにより、約款で別段の定をすることができる。」、勿論省令で或る程度の監督をいたすわけでありますが、特別に今定めを約款でしない場合は、これは原則として四カ月である、こういうふうなわけであります。第十五条、
保険契約の内容の変更、「
事業主は、
給与保険契約が成立した後において、
乗組員の異動等により第五条第一項の申込書に記載した事項について変更があ
つたときは、遅滞なく、省令の定めるところにより、
組合に変更の通知をしなければならない。この場合において、
契約金額が
乗組員の
給与月額の
合計額をこえることとなるときは、第七条の規定にかかわらず、内訳
保険金額は、当該
乗組員の
給与月額に相当する額とし、
契約金額が
乗組員の
給与月額の
合計額の百分の六十を下ることとなるときは、第六条第二項の規定にかかわらず、
契約金額を
乗組員の
給与月額の
合計額の百分の六十をこえる額まで増額しなければならない。」、これは
保険契約の内容が
乗組員が四ヵ月の期間中に異動があるということで変る場合がありますが、その場合につきまして規定いたしました。いわゆる超過
保険に該当しない、それから百分の六十を下らないという範囲内での変更でありますと、これは前の
保険金額の変更の原則でそのままになるわけでありますが、超過
保険の場合はこれは超過分がなくな
つて、やはりまあ
給与月額の一〇〇%の線にとどまる。それから百分の六十を下るという場合は、これは
保険金額を百分の六十を超えるところの線にまで増額しなければならん、こう書いておるわけであります。二項は「前項後段の場合においては、
事業主は、省令の定めるところにより、当該増額分に対する
保険料を
支払わなければならない。」、三項としまして、「
組合が第一項の通知を受領したとき(同項後段の場合にあ
つては前項の規定による
保険料の
支払があ
つたとき)は、その時において
給与保険契約は当該事項につき変更があ
つたものとみなす。」それから十六条であります。
事業主の通知義務、「
事業主は、
乗組員が
抑留されたときは、約款の定めるところにより、遅滞なくその旨を
組合に通知しなければならない。当該
乗組員につき
抑留が終
つたときも、同様とする。」、これは
保険事故の発生並びに
事故の終了、それをお互にそのいずれの場合においても
事業主に、
組合に通知するという責任を負わしてあるわけであります。それから第十七条、「
組合は、
乗組員が
抑留された場合には、当該
乗組員が
抑留された日の属する月から当該
乗組員につき
抑留が終
つた日の属する月まで、当該
乗組員に係る
保険金を
支払う。」「前項の規定の適用については、
乗組員が、たい捕された時に、
抑留が始
つたものとし、
抑留を解かれて
日本国に上陸した時、又は
抑留中に死亡したことが判明した時に、
抑留が終
つたものとする。」、これは
組合の
支払責任の規定であります。それから
保険契約の失効、第十八条「
給与保険契約は、当該契約に係る
乗組員につき、前条の規定により
組合が
保険金を
支払うべき最初の
抑留があ
つたとき(同一航海において数回の
抑留があ
つた場合は、その最後の
抑留があ
つたとき)は、
保険金の
支払に関する事項を除き、その効力を失う。」それから
保険金の
支払第十九条、「第十七条第一項に規定する
保険金の
支払は、
事業主に対する
支払に代えて、第五条第一項の規定により申込書に記載した当該
乗組員の内訳
保険金額に従い、その月分を省令の定めるところにより、
保険金受取人に直接
支払わなければならない」。あとは日割計算の規定でございます。これは
保険組合が直接その
保険金受取人に
支払うということを規定しております。「
組合は、前項の規定により
保険金を
支払つたときは、その旨を
事業主に通知しなければならない。」
次は
組合の免責理由、第二十条「
組合は、
乗組員についての
抑留が、国際法規、法令又は法令に基く命令に違反して航行し又は操業したために生じたときは、
保険金支払の責を免かれることができる。」、ここで国際法規というのが出ておりますが、例えば領海侵犯のような場合には、
保険組合の
保険金支払の免責の事由になるわけであります。
それから第二十一条、「
組合は、
事業主が、第十六条の規定による通知をしなか
つたため又は虚偽の通知をしたために誤
つて保険金を
支払つた場合には、当該
事業主に、当該誤払に係る
保険金の額に相当する金額を納付させることができる。」、「前項の場合における誤払に係る
保険金については、
事業主がその金額に相当する額の
給与を当該
乗組員に
支払つたものとする。」、これは少しわかりにくいのでありますが、この二十一条に言
つておりますのは、若し
事業主が正当な通知をしなか
つたために、或いは虚の通知をしたために
組合が直接
保険金受取人に対して
保険金を
支払つたという場合においては、
組合としてはそれの誤払に係る金額はその
事業主から取戻すことができる。併しながらその個々人に
支払いました
保険金につきましては、これは正当に
支払われたものとする。従
つてその部分については
事業主はその本来の
給与の
支払を免責される、こういう趣旨でございます。それから第二十二条は重複
保険の禁止でございまして、同じ
乗組員につきまして重ねて
給与保険に入
つてはいけない、こういう規定でございます。それから第二十三条の
組合の経理でございますが、「
組合の
給与保険に関する会計は、他の会計と区分して経理しなければならない。」、これはほかの
漁船関係の
損害補償の経理と区分しろ、但し附加
保険料及び
事務費についてはこれは
組合の費用全体として扱
つて差支えないという規定であります。この
給与保険の
事業年度もほかの
保険と大体同じ調子で、四月一日から翌年三月三十一日までといたしております。それから第二十四条、これは
支払備金等の積立、これは準船
保険組合自身についても謳
つておるところでございまして、「毎事年度の終において存する
給与保険につき、省令の定めるところにより、
支払備金及び責任準備金を積み立てなければならない。」、これはつまり未経過
保険料の積立というような意味を持
つております。それから二十五条は準備金の積立であります。「
組合は、
給与保険の会計における不足金の補てんに備えるため、毎
事業年度、
給与保険の会計において生じた剰余金の全部を準備金として積立てなければならない。」、利益があればこれを全部積立金にしろと、こういうわけであります。それから第二十六条は約款の変更であります。「
組合は、総会の議決を経て、約款を変更することができる。」、「約款の変更は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。」、「農林大臣は、
給与保険の
保険料率についての約款の変更を命ずることができる。」、「前項の規定による約款変更の命令があ
つた場合には、第一項及び第二項の規定にかかわらず、その命令により、約款変更の効力を生ずるものとする。」、約款の変更の農林大臣の命令は強制的効果を持つ、こういう規定であります。それから第二十七条は
事業の廃止、「
組合が、
給与保険事業を廃止しようとするときは、総会においてその旨を議決し、且つ、定款の変更を行わなければならない。」、これは当然の規定と思います。それから二項は「
組合が
給与保険事業を廃止したときは、当該
事業の廃止に係る定款変更の認可があ
つたときに、
給与保険契約は、その効力を失う。」、「前項の場合には、
組合は、まだ経過しない期間に対する
保険料を払いもどさなければならない。」、未経過
保険料はそれぞれの
事業主に返すと、こういうことであります。それから「
組合が
給与保険事業を廃止したときは、理事は遅滞なく決算報告書を作り、これを総会に提出してその承認を求めなければならない。」、それから解散の規定でありますが、この二十八条「
組合が解散したときは、合併の場合を除いては、
給与保険契約は、その効力を失う。」、「前項の場合には、前条第三項の規定を準用する。」、未経過
保険料の払戻しという規定を準用いたします。それから二十九条「
組合は、前二条の場合に
給与保険の会計において生じた剰余金を
漁船再
保険特別会計に納付しなければならない。」、これは清算した場合に剰余金が出ました場合に、これについては、或いは現在の
契約者に返すとか、或いは今までの無
事故であ
つた事業主に返すとか、いろいろ問題はありますが、ここでは一応
政府の
漁船再
保険特別会計に納付する、こういう建前を
とつたわけであります。それから第三十条、これは
政府が
事務費の補助をするという規定でございます。予算の範囲内におきまして政令の定めるところに従いまして補助をするというのでございます。それからあと大体同じような性質の規定は、
漁船損害補償法の規定を準用いたしております。第三十一条では「
組合の
給与保険については、
漁船損害補償法第十二条(非課税(、第三十七条(
保険証券の交付及び記載事項)、第四十条(相殺できない場合)及び第四十一条(
保険金額の削減)」その他一応省略いたしますが、
関係の
漁船損害補償法、それから商法の一部、こうい
つた規定を準用いたしております。
それから第三章は
政府の再
保険事業の
関係でございますが、「
政府は、
組合が
給与保険事業によ
つて事業主に負う
保険責任を再
保険するものとする。」、再
保険金の前渡の
関係の想定が次にございます。「
政府は、
組合が
保険金の
支払いをしようとする場合において、必要があると認めるときは、政令の定めるところにより、当該
保険責任に係る再
保険金を当該
組合に前渡することができる。」、「
政府は、再
保険金の支出を円滑にするために、政令の定めるところにより、
漁船再
保険特別会計に基金を設けることができる。」という規定でございます。この
関係では
政府の再
保険特別会計の関連が出て参ります。それから第三十四条「
政府は、
組合が第十七条第三項の規定により
保険料の払いもどしをしたときは、政令の定めるところにより、再
保険料の一部を払いもどさなければならない。」、再
保険料の払いもどしの問題でございます。それから第三十五条「
政府の再
保険については、
漁船損害補償法第百十五条から第百十七条まで、第百十九条から第百二十一条まで及び第百四十三条並びに商法第六百四十三条及び第六百六十三条の規定を準用する。」、これは先ほど
漁船保険組合の
給与保険に関連して
漁船損害補償法の準用をいたしましたのと同じ趣旨でございます。
次に第四章は
給与との
関係でございます。第三十六条「
事業主は、第十七条の規定により
組合が
保険金を
支払うべき
抑留があ
つた場合において、当該
乗組員に対する
給与の全部又は一部を
支払つて、その
支払つた金額の範囲内において当該
保険金に係る
保険金受取人となることができる。この場合においては、第十五条第一項前段の規定を準用する。」、これは
事業主は自分のところで
給与の
支払いができるという場合におきましては、あらかじめ自分が払
つておいて、そうしてその
事業主自体が
保険金の
受取人になることができると、こういう規定でございます。それから三十七条は「
組合が第十九条第一項の規定により
保険金を
支払つたときは、
事業主は、その
保険金の額に相当する金額につき、当該
乗組員に対する
給与支払の責を免かれる。」、これはこの
保険制度の趣旨に従いまして
保険金を直接
保険金受取人に払
つた場合において、
事業主はその
乗組員に対する
給与支払の責を免れるという規定でございます。
所得税等との
関係、第三十八条「
組合が第十九条第一項の規定により
支払つた保険金は、
所得税法の規定の適用については、当該
乗組員の受ける
給与とみなす。」、源泉控除の
関係、それから税率の
関係、すべて
乗組員の受ける
給与として扱うと、こういうことであります。それから二項で「船員
保険に係る
保険料その他法令に基いて
給与から控除することができるものについては、省令の定めるところにより、第十九条第一項の規定により
支払う
保険金から控除することができる。」、これは
所得税以外の
保険料その他の、何と申しますか、不断源泉控除をや
つております事項についてやはり適用をしておるわけであります。それから
保険料の転嫁禁止、三十九条「
事業主は、
給与保険に係る
保険料を
乗組員に負担させてはならない。」、これは飽くまでも
事業主の
乗組員に対する
給与の
支払を保障するという建前からいたしまして、
給与を受けるべき
乗組員がその
保険料の一部を持つのはおかしいと、こういう規定であります。それから第四十条、この
法律の実施のための手続その他その執行についての必要な事項は省令に委ねております。
それからあとは罰則でございます。例えば
給与月額をきめる場合に
乗組員の同意を得なか
つたような場合、或いは通知義務に違反したような場合、そうい
つた場合に備えまして過料を課する、これが第四十一条であります。それから
組合の役員の
関係、これが法規に違反した場合におきましてはやはり過料を課すると、こういう規定でございます。
それから附則でございますが、「この
法律施行の期日は、公布の日から起算して六箇月をこえない期間内において、政令で定める。」ということにな
つております。これはこの
法律をすぐに運用いたしますためには、実は
政府の再
保険を行います
漁船再
保険特別会計の収入支出の予算の調整も必要でございます。それから部分的には、再
保険特別会計法の一部修正も必要でございます。尤もこれは一般会計で負担する分は実は大してないはずでございますけれども、そうい
つた手続的にまだこの
法律をすぐ実施するということはできないというような
関係でございますので、これは公布の日から起算して六カ月を超えない期間内で政令できめると、その間に予算の補正を組み、手続を整える、こういう趣旨でございます。