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1952-03-14 第13回国会 参議院 水産委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月十四日(金曜日)    午後一時五十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事            松浦 清一君    委員            青山 正一君            秋山俊一郎君            玉柳  實君            藤野 繁雄君   衆議院議員    水産委員長   川村善八郎君            松田 鐵藏君   事務局側    常任委員会專門    員       岡  尊信君    常任委員会專門    員       林  達磨君   説明員    水産庁漁政部協    同組合課長   浜田  正君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十六年十月の台風による漁業  災害復旧資金融通に関する特別  措置法案衆議院提出)   —————————————
  2. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。  昭和三十六年十月の台風による漁業災害復旧資金融通に関する特別措置法案議題に供します。この前の委員会におきまして、提案者を代表して衆議院水産委員長から提案理由説明がありました。なお逐條に亙つて浜田課長から説明がありましたが、一応委員質問もありましたが、なおこれについて御質疑がありましたら、お願いいたします。
  3. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 前委員会においても質問をいたしまして水産当局浜田課長から、協同組合の斡旋する……斡旋すると言いますか、仲介によつてこの資金を借入れる場合に利鞘をとることはいけないが、事務費をとることは差支えないという御答弁がありましたが、これは結果におきまして利鞘をとるのと変らない。若し金額の少い場合には或いは利鞘以上のものをとるような恰好になりまして、一割一分というものを上廻る結果が必ず出て来ると思うのであります。この融資の問題は非常な異常な災害によつて業者が大きな損害をこうむつて、立上りのできないというものを救済する意味においてこの法案が成立しようとしておるのでありますので、さような協同組合が扱いますこの資金については、本文にあります通り手数料も又この利鞘と申しますか、貸付利子も一切とらないという方針の下に進むことが至当ではないか。若しこれが必要であるならば、他の方法によつてこの貸付を受ける業者からとるのでなしに、他の方法によつてこれを補給すると言いますか、補いを付けて行くというような方法にしてこれに対しては借入者からは何らのものもとらないということに進むことが、この法律を制定した趣旨に副うものである、かように考えますが、そういうふうな方針で進む御意思がないか、いま一度お尋ねします。
  4. 浜田正

    説明員浜田正君) 只今の御質問、私も同感に存じます。最初この法案を書けと言われていろいろ考えたときも、実は利子に更に利率を付けてはいかん、更に手数料もとつてはいかんというように実は最初原案には考えたのですが、実際問題として、それは具体的に全国一律にそれを法律でぴしやりと抑えてしまつて、果してその結果がどうなるかということを次に考えた場合において、建前としては、今申しましたようにできるだけとらしたくない、本当は一つもとらしたくない。これを法律にきめた場合、結果がどうなるかということを考えなければならない。とらなくても行ける組合もあるし、或いは事務的に斡旋してやつたり、或いは奔走してやつたり、書類を書いてやつたり、いろいろこの場合初めからいかんときめた場合に、却つて組合のほうで積極的にやれなくなる。そうなれば従つて金が借れなくなるというところもあり得る。従つてこれを一律にとつてはいかんときめてしまうのは悪い結果が出る場合もあり得る。そうすると、何と言いますか、角を矯めて牛を殺すという結果が出たら困る、こう考えまして、それは一般的に組合がやつているやり方に従えばいいのじやないか、建前としまして、先生が今おつしやいましたように、災害みたいな異常なところにはとらんようにしなさい、こういうふうな指導はいたしますが、法律にこれを書くことは、今言いました逆効果もあり得るだろうと、こう考えたのです。それからもう一つ考えましたのは、中金からそれを捻り出そうと。こういう考えもあつて中金とも交渉したことはあるのです。ところが捻り出すということは、利子を負けろということになり、利子を負けろということになれば、又そこでその貸出を澁るということになつて効果が来んとも限らん、そこで結局常識的にやつて頂くということしかないのじやないかと、こう考えたわけなんです。考え方としては、只今の御質問と私も同感考えております。
  5. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 我々もその今の御答弁の中の、頼んでやるということになると、この資金を本当にうまく利用し得ない欠陷が出やせんかということも、必ずしも杞憂ばかりではないと思いますが、併し他にも、農業方面にも何か例があるという話も聞いております。又他の予算措置等によつて何らかの方法を講ずればできないこともないのじやないかと思うのですが、若しそれを認めれば、恐らくどの組合も皆手数料と言いますか、そういうものを恐らく徴收することになると思うのです。そうすると、折角のこの法律もそこに、見かけは大変結構だけれども、実質においてはちつとも結構でない、一割一分の額は……、まあここでは組合拂うのは七分でありますけれども、やはり八分なり、九分というものを拂うことになりますと、この恩典が何らの恩典にならないという感じもしますので、勿論それは四分の補給の中の二分くらい助かるかも知れません、二分だけとられた場合には……。だが金額が少い場合について二分以上のものが事務費にかかるかも知れない、そういつたような懸念もありますので、何らかの方法を案出するために他の例を一つよくお調べを願いたいと思います。若しそういう方法で何らかの処置が付くものとするならば、この運用の面においてさように考えてもらつたほうが非常にいいのじやないか、とつてもいいということになりますというと、恐らく大多数の組合はこれをとるだろうと思う、そうすると、この本旨が非常に曲つてしまうのではないかと思いますが、どういうふうに考えますか。
  6. 浜田正

    説明員浜田正君) これはとつてもいいと積極的に言つておるわけではありませんので、従来のやり方で、趣旨としてはそれはとるべきものでないのですから、それはそういう指導はいたしますが、従来のやり方で以上のことをやれということを認めておるわけではございません。それから先ほどの問題と関連しますが、結局これは協同組合運動の問題でありまして、協同組合組合員と離れて存在はあり得ないのでありますからしてこういう災害会つた場合、それから立上るために協同組合こそここで活動すべきものでありますからして、そういう機会一つつてやろうという考えそのものが、そもそも私は協同組合運動として間違いだろうと思うのです。だからその点は指導をして、とんでもないことにならんように、積極的に斡旋するという方向を、金をとるということでなくて、手数料をとるということでなくして、積極的に斡旋するという方向指導するように、これは一つやりたいと、こういうふうに考えております。
  7. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ほかにございませんか……。ちよつと私から川村委員長にお尋ねしますが、この前の委員会におきまして、この法律案提案理由の御説明中、「漁船漁具及び養殖施設等」という字がありましたが、この「等」はこのときの説明では私はつきりしていません。何かはかに漁船漁具養殖施設のほかに何か加わるようなことがあるかないか、又「等」というのは、この三つであるからして複数意味において強く「等」とされたか、その辺を一つもう一遍はつきりとお願いいたします。
  8. 川村善八郎

    衆議院議員川村善八郎君) 当初立法いたしますときの基準としては、先般も申した通り漁業施設全体に金融を付けてやつて、その災害復旧貸出させるという大きな幅を以て立法にかかつたのであります。それ以来大蔵当局提案者松田君が折衝した結果において、結局三十五億程度のものが損害を受けておるにもかかわらず、十億程度にこれを圧縮された、こういう点から、いわゆる当初我々が考えたこととは全く意に副わないものができたのであります。従つて先般申上げましたように、広く融通したいという考えを飜えして、ここで立法をしなければならんということに相成りましたので、まあ説明には「等」という字を使つておりますけれども、要するに言葉を使つておりますけれども、予算内容がかようになつておりますので、三つに制限すべきである、即ち漁船漁具養殖施設、これだけに限定すべきであるということを自由党政調会でもきまりまして、それだけを対象にしろということに相成つたような次第であります。
  9. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それではこの「等」という文字は、この三つ複数意味の「等」と解してよろしうございますか。
  10. 川村善八郎

    衆議院議員川村善八郎君) その通りであります。
  11. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) わかりました。ほかに御質疑ありませんか。
  12. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) そのほかに、参議院論議なつたそうでありまして、漁具の問題でありますが、漁具の問題につきましては、水産動植物を採捕するために直接使用する器具というものを我々は漁具というように定義をしたのでありまして、網を干す場所とか、棚とか、そういうものは施設という考え方であつて漁具ではないというふうに考えて、この法案立法したのでありまして、この点御了承願いたいと思つております。
  13. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは川村委員長にお伺いしますが、この前網干し施設漁具に入るという御解釈をここで御訂正になつたと解してよろしうございますか。
  14. 川村善八郎

    衆議院議員川村善八郎君) その通りでございます。
  15. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) わかりました。ほかに御質問ありませんか。
  16. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 私はこの問題はもう少し考えたいと思います。勿論立法者の御意思はさようにあつたかも存じませんが、漁業をするために必要な、どうしても欠くべからざるものとするならば、そのうちの一部を拔かしてはいけないと思います。資金が足りないなら足りないなりに、さようなものを含めて考えるのが本当の立法だと、かように考えますので、この点はもう少し考究を要すると私は考えるので、さように、懇談会か何かによつてもう少しこれを考えてみたいと思います。
  17. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 速記をとめて……。    〔速記中止
  18. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 速記を始めて……。何か御質問ございませんか。
  19. 玉柳實

    玉柳實君 御承知のようにこの法律案の当初の要綱案におきましては、「漁船漁具又は養殖施設所有者農林大臣の指定する風水害によつて受けた損害復旧に要する融資」云々というふうになつておりまして、御承知のごとく昨年十月のルース台風に限定をせず、これに類似の他の災害につきましても同様の措置をとるという趣旨であつたわけでございます。その後恐らくは農林当局におきまして、大蔵省予算折衝の結果かと思われまするが、今回提案法律案には、これが昨年十月のルース台風による漁業災害復旧資金にのみ適用することに改められて参つたわけでございます。過般水産庁長官説明によりますれば、従来政府資金において、公共事業以外の個人財産損害に対する補償をするというようなことは、これを以て嚆矢とする非常に進歩した案のごとき御説明があつたわけでございますが、勿論公共事業以外の個人財産補償にまで及ぼすことは初めてであるかも知れないのでありまするけれども、当初立案いたしました際のルース台風に限局しないで、広く農林大臣の指定する風水害に適用するという当初の意図から申しますと、今回の法案はその意味において或る程度退歩したものであるというふうにも考えられるのであります。従いまして、これは当初要綱のごとく、農林大臣の指定する災害には広く適用するというふうに修正することができますれば、私としては非常に結構に存ずるのでありまするが、これにつきましては、予算折衝等の諸般の経緯から見まして、或いは相当の困難があるかも存じませんが、私といたしましては、当初立案趣旨をどこまでも貫いて頂くことを切に希望する次第でございまして、この点につきまして、提案者側の一応のお考えを伺つておきたいと存じます。
  20. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) 御尤もな次第でありまして、私どもといたしまして、この法案に対しては恒久的な法案として行きたいという考え方を持つてつたのでありますが、なかなか大蔵省との予算折衝関係で、実際的に現実の問題としてルース台風被害というものが多かつた。これに対する三十何億という被害額がある。そこでその被害額以外に、今利子補給するような具体的な予算というものは講ぜられないじやないか。であるから予算措置はつきり講ぜられないものに対して、恒久的な法律としてやるということはなかなか至難じやないかという大蔵省意見であつたのであります。我々は只今質問のあつたような角度から恒久的な法案としたいという考え方を当初から持つてつたのであります。で、現実の問題としてその予算措置の問題がなかなか思うように行かんので、これを契機として将来起きて来る災害に対して一つ灘形を作ろうと、そうしてとにかく応急策として緊急な法案をとにかく作つて行かなかつたならば、ルース台風によつて被害を受けた地方に対する救済意味が成立ん、かように考えたわけなのであります。故に只今の御議論に対しては我々も同感であります。併し実体がそういうようなことでありまするので、将来衆参両院よく協議をいたしまして、何らかの方法によつて値久的な法律を作つて行きたいと我々は考えておるのでありまして、そのとき一つ十分にお智慧を寿借したいと考えておるのでありまするが、ともかくもルース台風に対する措置をしなければならないという建前から、かような臨時措置法なつたわけなんでございます。この点御了承願いたいと存ずるのであります。
  21. 玉柳實

    玉柳實君 いま一度お伺いいたしますが、この大蔵省との予算折衝の過程におきまして、昨年十月のルース台風に匹敵するような大災害を受けた場合には、同一の法律的な措置を講ずるということについて、何か言質でもとつておられましようか。或いはそうでなくても、必らず同様の法的措置が講ぜられると、提案者において確信しておられますか、どうか、ちよつとお伺いいたします。
  22. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) 私は自由党政調会総務会においてもこういう言葉を使つております。自由党政調会総務会が、この法案を通過させることに同意することは、自由党がこれまで進化したということである。こういう言葉使つて同意を求めております。要するに、それまでに社会制度に対する自由党が進化して行くということは、将来ともこうした災害に対してはやつて行くのであるということをはつきり裏付けしていることであるのであります。今回の北海道災害に対しても、農林大臣が直ちにこれと封じような法律を作るということが新聞にも報道されておるような次第でありまして、必らずでき得ることだと思つております。又皆さんがたに対しても、参議院側に対しても御協力を願いたいと存ずるものであります。それから先ほど申したように、もつと突込んで将来の法案考えて行かなければならない。かように考えておるものでありまして、御了承願いたいと存じます。
  23. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ほかに御質問ありませんか。
  24. 玉柳實

    玉柳實君 私から……。ほかにございませんが、今の問題に関しまして、委員長或いは同僚議員の間に御意見がございますれば、私のほうからも承わりたいと存ずるのでございます。
  25. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ちよつと申上げます。この前の委員会におきまして、川村委員長提案理由の御説明中にも、この問題は強く述べられております。只今松田君からの御説明相当強い意味の将来を約束しておるということにも解しますので、参議院委員会といたしましても、できるだけこれに協調して、是非恒久対策を作りたいと、かように思つております。
  26. 川村善八郎

    衆議院議員川村善八郎君) 先ほどの御質問中に、非常な力強い我々の考えておるよりもむしろ突込んでお考え下すつておるということにつきましては、誠に欣快に堪えないのでございます。勿論提案説明の最後には、今の意味を含んだ私は理由を申上げております。更に今度北海道並び東北等におきましては、十勝沖地震及び津浪による災害がありましたので、早速農林大臣に今度のルース台風法案と同様なものを作る、つまり提案するということを申上げましたところが、漁業はもう毎年こうした災害を繰返しておる。こうしたようなことを繰返しておることは、結局次々に法案を作らなければならん。次々に法案を作らなければならんということでは漁民も不安であろうから、今度こそ恒久的な、いわゆる農業災害と同じようなやはり救済法律を作らなければならん。目下水産庁にそのことを言い付けて立案の準備をしておるということでありましたし、衆議院水産委員会におきましては、こうしたような発言はつきり農林大臣がしておりますので、お説のような、いわゆる恒久的な法律衆参両院において是非とも今期の国会に提案することが最も適当ではないかということを申上げておきます。
  27. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ほかに質問がございませんければ、御質問は終了したものと認めて御異議ございませんか。
  28. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 私は質問という意味ではございませんが、先ほども申上げましたように、もう少しこの問題を考えたい点がありますので、採決は次の機会にして頂きたいと思います。勿論過ぎ去つた昨年十月の台風処置でありますので、一刻も早いことを希望することは皆さんと同じでありますが、ただ私としては、只今漁具その他につきまして、この災害の総額が六千万円程度のものであるというお話がありますので、その六千万円がまるまる六千万円でなくても、幾らかでもこれに加えて頂いて、これを対象にして頂くことができれば、九州の漁業者にとつては非常に仕合せすると、かように考えますので、その間にもう少し大蔵当局との折衝等において、どうしてもいけないものであるか、どうか、そこまで我々はもう一つ押してみたいと思います。そういう意味において、これを今日採決せずに次の回まで、もう今日まで延びて来たんですから、そこまで延ばして頂きたいと思います。
  29. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 秋山君の御提案に御異議ございませんか。
  30. 玉柳實

    玉柳實君 私も秋山委員と同様に、本日の採決は避けられまして、次回に延ばして頂いたらと思います。なお若干の研究をしたい点もございますから……。
  31. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは本問題の質疑を続行いたすごとにしますが、ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止
  32. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 速記を始めて……。再び昭和二十六年十月の台風による漁業災害復旧資金融通に関する特別措置法案議題に供します。
  33. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 先ほど来いろいろと漁具の問題について論議をいたしましたが、これにつきましては、各県の事情がそれぞれ一様でない点もあると思いますので、この資金貸出しの上におきまして、この法律運用については、一応県の意見を十分尊重されて、そうして県の実情に即したような運用方法をとつて頂くことが極めて妥当であると考えております。つきましては、水産当局においてこういう点につきましてどういうふうにお考えになりますか、今一度御答弁を頂きたいと思います。
  34. 浜田正

    説明員浜田正君) 水産庁としましても、県の実情が一々詳細にわかつておるものではありませんので、一応枠を割当てて、それから県の意見を尊重しながら運営して行きたい、かように考えております。
  35. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 提案者の御意思をお願いします。川村君。
  36. 川村善八郎

    衆議院議員川村善八郎君) いろいろ県の問題で議論がありましたが、提案者といたしましても、それぞれ県の事情が違いますので、県当局資金運用については当然尊重をいたしまして、水産庁とよく協議して資金貸出をすることが妥当だと思いますので、この点を水産庁同様考えておる次第であります。
  37. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ほかに御発言ございませんか……。それではこの法案に対する質問は終了したと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それでは討論に入ります。本法案に対して賛否を明らかにして御意見の御発表を願います。
  39. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 本法案に対しましては、私ども極めて適切な、又曾つてない進歩した事項を織込んだ適切な法案と思いまして賛意を表するのであります。ただ御承知のように、我が国は毎年々々殆んど例外なく台風の害を受けておりまして、海陸共に多大の損害をこうむり、殊に水産の貧弱なる水産経済におきましては、この種の被害の度合というものは極めて大きいのでありまして水産業の健全なる発達を願う上に非常に障害となつておるのでありまして、このルース台風で終止符を打つものでなく、台風に限らず、震災国でもあります。地震のごとき、最近北海道に起りました、或いは三陸方面を襲いました災害等もありますので、かような災害に対しまして、国家がこれを救済し、補償して行くという糸口をこの法律は開いたものであります。今後これを恒久的に是非とも立法せられまして、そうして水産業者並びに国民全体の、かような天災による損害をカバー治して行くような将来の措置を希望いたしまして賛成をするものであります。
  40. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ほかに御意見ございませんか。
  41. 玉柳實

    玉柳實君 私が先刻この法案につきまして、今少しく研究のために採決を次回まで延期方お願い申上げましたことは、この法案の個々の條文に関してというよりも、この法案趣旨を将来恒久的な立法措置としてやりたいという関係者一同の念願に関連いたしまして考えて見たいと存じた故であつたのであります。従いまして、この法案自体には何ら異議がないのみならず、むしろ双手を挙げて賛成し、その実現の一日も速かならんことを希望する次第であります。委員長から、ここに質疑打切つて討論に入られました以上、私も将来この趣旨を織込んだ恒久的な立派な立法措置が講ぜられますことを念願いたしまして、この法案自体には賛成意思を表明する次第でございます。
  42. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ほかに御意見ございませんければ、討論は終了したと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それでは採決に入ります。本法案に対して衆議院送付通り原案通り賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  44. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 全会一致と認めます。よつて本案全会一致原案通り可決することに決定いたしました。  なお、本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長において本案内容、本委員会における質疑応答の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者署名を付することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     秋山俊一郎 玉柳  實     青山 正一 松浦 清一     藤野 繁雄
  46. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十七分散会