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政府委員(
塩見友之助君) 今年の北洋のかに工船の出漁の問題につきましては、我が国としましては、計画はかに工船一隻と、それから独航船三隻と、それから製造箱数は六万箱、これは半ポンド、四ダース半です。そういうことで業界のほうとしては出漁したいという方針をと
つており、
政府もそれを認めておつたわけであります。で、これは過去のブリストル湾等における資源の点から見てもこの程度の出漁であれば、これは資源保存上何ら支障がない、こういうように認められると信じております。又日米加の
漁業協定が効力を発生する前には、平和条約の発効後、吉田、ダレス氏書簡というふうなものによ
つて日本のあの地方への出漁が規制されるわけでございますけれ
ども、これによ
つてもかに
漁業は保存
漁業とはな
つておらないわけですから、
法律的には行けると、こういうような見解をと
つておつたわけであります。これは現在でも正しい見解と信じております。で、そういうような見地から、三社の間で共同に出漁するというふうな形で話を進めてお
つてもらつたわけですけれ
ども、それが、結着を見ないときに、最近総司令部の外交局の
漁業官として赴任されたネヴイル氏が情報をもたらしてくれまして、それでそれによれば、三社の共願というふうなことが三船団出漁、三船団というふうな誤報にな
つてアメリカに伝わつたという点も原因の
一つになりまして、それでアメリカの太平洋岸の
漁業者をかなり刺戟したようでありまして、まあそういうような
関係からしましても、今後の日米加間の
漁業を円滑に進めて行く上に、かに工船につきましては、これは正式に日米加の
漁業条約が発効しました上に、その後にとにかく出漁するというふうなことが大局的に
考えて得策であると判断をいたしまして、
政府としては今年度は出漁を見合わせるのがいいという結論に至つたわけであります。来年度は勿論日米加の
漁業協定は発効いたしまするでしようし、資源保存という見地から見ても、一船団であれば何ら障害はないと
考えられますので、これは是非出てもらいたいし、又
政府のほうでも出たいという意思がある限りは出したいと、こういうように
考えておるわけでございます。