○
説明員(
伊東正義君) 昨年は三億四百十万円になります。それで合計いたしますと、去年の三十二億が三十五億四千百九十四万四千円になります。そうして今年が
北海道を入れますと五十四億九千五百五十六万一千円と
なつております。大体二十億程度殖えております。仕分けをいたしますと大体
資源の
維持培養、或いは
漁業経済の安定でありますとか
漁業制度の完成、それから
講和締結に伴いますところの
海外漁業との
関係の若干の
経費というようなものに大きな項目で分ければなるかと思います。勿論
試験研究費等はみんなこれに関連した
関係の費用と
考えております。それからこの
予算にありませんでこれもまだ未確定でありますが、さつき申上げました金融の
特別会計の中の配分の問題、それからもう
一つ官房のほうに一括しまして計上されているのでありますが、
応用試験の
研究費というのが八千万円ございます。これは官房に一括して挙げてあります。これにつきましては昨年も
水産庁に四百万ばかり配賦したのでございますが、本年度からは官房におきまして一括計上して、適当な
委員会といいますか適当な組織を作りまして、そこで
農林省といたしまして最も必要だと思われる
試験研究費に
使つて行こうという金が八千万入つております。そのうちから若干は
水産庁も使い得るというふうに
考えてよろしかろうと思つております。そこで先ほど申上げました
通り詳細はこれで御覧願うことにいたしまして、特に御注意して御説明するものだけ簡単に御説明いたしまして、あとは御質問を受けたいと思います。この番号の順序を逐つて参りたいと思います。
二審目の、一番目は問題ありませで、二番目の
小型機船底びき
網漁業減船整理の問題でありますが、これは二十六年度の二億五百万というのは
補正予算で計上されたのでありますが、これは御承知の小型の底びきが全国で大体三万五千ぐらいある、大部分は無
許可が多いのでありますが、これを五年
計画で二万隻まで持つて行こうという
計画で二十六年度から
予算を計上いたしておるわけなんであります。これはまあ先ほども申上げました
資源維持の一つの大きな対策として
考えておるわけなんでありますが、特に瀬戸内、有明とか或いは伊勢湾とかいう所の問題でございます。これも二十六年度に引続きまして来年度千二百十隻ばかりのものを今年と同じ
考えで築磯にいたしますとか、或いは他の
漁業に転換いたしますとか、或いは運搬船に改造いたしますとかいう同じ構想で隻数を殖やしまして来年度も実施いたして参りたいと
考えております。単価その他につきましては二十六年度の
補正予算通りの
考え方をいたしております。これにつきましては目下国会に出ております
整理の
特別措置法が
継続審議に
なつておりますので、この法律の成立を待つて来年度はこの金を
使つて行きたいというふうに
考えております。
それから次の
まき網漁業でありますが、これは全然新らしく入つております。金額は少いのでありますが新らしく入つております。これにつきましては
漁業制度の改革が一応
免許漁業は手を着けましたが、今度は
免許漁業から
許可漁業へという
考えで
まき網等につきましても或る程度の
調整をする必要があるのじやないかということで、これは先般の国会で成立いたしました
漁業法の改正で、中型の
まき網でありますかこれの
許可を知事さんがいたすのでありますが、その
最高限は
農林大臣がきめることに
なつております。それから
指定中型につきましては指定の海区を作りましてそこで
農林大臣の
許可、六十トン以上の大型のものは
農林大臣の
許可ということに
なつておりますので、その
許可の基準でありますとか或いは入会の問題とかいうようないろいろな問題が出て参りますので、金額は少くて
事務費だけでありますが新らしい構想としてこういうものが入つております。
それから三番目の
食糧増産対策経費のうちの
水産増殖に必要な
経費、これは従来からあらました
水産増殖の
予算が増額いたされたものであります。これも
資源維持として一番大きな問題でありますが、これは従来の
考え方のほかに新らしい構想が一つ入つております。それは浅海の開発と申しますか、内湾或いは外海でも未利用の海面で利用可能な所を高度に利用して行こうという
考え方でありまして、内湾につきましては特に今三つ限定して
考えておりますが、有明と豊前海と三河湾でありましたか三つの所を特定いたしまして、干潟の整地でありますとか或いは深部の耕転でありますとか或いは客土なり整地をするというようなことを新らしくやつて行こう、これにはトラクターとか要りますのでその
機械工具費の三分の一を補助で見て行くというふうに
考えております。特に内湾につきましてはその
地元負担の分を或る
程度特別会計のほうの融資で見て行こう、三分の一は補助、あとの分につきましては
特別会計から融資をしようということで、今
農林省の官房のほうで金の分け方のときに問題にして
考えております。これは金額は別といたしまして、当然そういう
考え方で
金融等もそれに裏打ちをした恰好で進んで行くということに
なつております。それから外海の分につきましては、やはり
岩面掻破でありますとか或いは投石でありますとか、そういう
事業をやりまして藻類とかそういうものの増殖を図つて行こうということを
考えております。それが新らしい構想としましてここに金額が殖えております。そのほかは従来ありました
浅海資源の
維持でありますか、これは御承知の
貝類等の種苗の
供給地を確保するということで、従来からやつておりました
事業をたしか十六カ所でありましたかを八十万円ばかりの
補助金でやつて行こうというのが従来
通りの構想で入つております。それからそのほかに内水面の問題、これも従来やつておりましたが、
県営等でやつておりますところの種苗の
供給施設の確保、これは主に「あゆ」でありますとか「ます」とかそういうものの種苗を確保しているのでありますが、そういう県の
事業に対して補助をして行く。それから
組合なり県なりが
放流事業をやつておりますが、これに対しても
組合の
負担金と
事業費の差額についての二分の一を見るという従来の
考え方でやつております。これは先ほど申上げました浅海の
開発増殖ということが新らしく入りましたので、金額は昨年度よりもかなり殖えております。
それから次の
真珠養殖事業でございますが、これも今御
審議願つておりますところの
法律案と
関係のあるものでございます。これはずつとあとのほうに真珠の検査、
研究所の金が出ておりますがそれを一緒にお
考え願つて結構なんでありますが、今年はその金は
補正予算で一億入つております。これは
真珠研究所の施設を作るという
考え方で今年一億入つております。これはこの前御質問も出ましたように若しも法律が
通りませんとこの
補正予算の一億も使えんという金でありますが一応二十六年が一億入つております。二十七年度といたしましては一応
研究所ができてその
研究所を運営して行く金と、それから
検査所は一応
真珠会館を借りるという形に
なつておりますが、その
検査所の金と最初のほうに出ておりますところの
振興事業に必要な
経費五百八十七万円であります、これは法律と
関係あるといえばあるのでありますが、若し法律が
通りませんでも
使つても違法ではないと思われるような金でありますが五百八十七万五千円ございます。これは内容は御承知の
漁業協同組合がやつておりました母貝の生産を確保して行く、採苗でありますとか、底質の改良でありますとか或いは投石でありますか、そういうような
事業につきまして
漁業協同組合に補助いたしまして、適当な型の母貝を生産して行く場合におきまして、従来三十万貫ぐらいあつたやつが十万貫くらいに
なつておりますので、これを狙つておりますのは五万貫ぐらいの二十八年度以降で増産になるということを
考えたいというのでこの
補助金を計上されてあります。これは
漁業組合を対象にいたしております。
それから次の
小型底曳の
取締でありますが、去年より金が減つておりますのは二十六年度につきましては五十トン級の船を一隻新造いたしましたので、その
関係で二十六年度よりも二十七年度は減つております。二十七年度はその般を使いまして更に傭船三隻をいたしまして
小型底曳の
取締をやつて行こう、これは先ほど述べました
底曳網漁業の
減船整理の裏腹をなしております
予算であります。
それからその次の
沖合漁業の
取締でございますが、これも御承知の
以東底曳の問題であります。これは三千隻ぐらいありまして非常に殖えまして、
沿岸漁業との問題を起しておる越佐の
底曳というようなのはこれに該当するわけであります。これもこれの
整理につきましては、実はまだ
予算はとつておりません。実は小型の
整理に着手いたしまして、これも着手して見当をつけてからその
以東底曳の
調整をやつて行こう、
整理といいますか
調整をやつて行こうという
考えでおりますので、これにつきましては減船の
経費は組んでありませんのでまだ
取締だけであります。これにつきましては来年度傭船五隻と
新造船を一隻造りまして、越佐の
底曳の
取締なり指導をやつて行こうという
考えであります。これは
底曳だけというのではありませんので、例えば「さんま」でありますとか施網とかいうものも非常に問題に
なつておりますので、そういう方面も一緒に
取締をやつて行こうというような
考えでおります。私どもとしましては、できれば来年度の
補正予算というものの機会が若しもあればこの
以東底曳の問題については是非取上げたいというつもりでおります。
それからその次の
遠洋漁業取締でございますが、これは「
かつお」、「
まぐろ」でありますとか或いは以西の
底曳の
取締が主でございます。それで
隻数等につきましては今年度と大体同じものが計上されてあります。今の
考えでは
東支那海でありますがこれに九隻とそれから「
かつお」、「
まぐろ」等の
太平洋岸に四隻というようなことをこの
予算では
考えております。併し北洋の
問題等が起りますればこれも若干
計画は変更にはなるかと思いますが、今の
考え方ではそういうことで一応
予算は計上してございます。
それからその次の
水産資源維持の
基本設計に必要な
経費でございますが、従来からありますところの「おつとせい」の
調査、これは二十四年から
司令部から話がありまして「おつとせい」の
生態調査をしておりますがこれを続行して行くということと、それから漁場の
探測調査をまあ新らしくやろう、いわゆる
海中探測でございますが、これで底魚の生態でございますとか、或いは稚魚の生態、或いは網の曳き方とかいうようないろいろな問題をこれで
調査をしようというのでこれは新らしく入つております。
科学研究所とか或いは北大に頼んでそういうものをやろうという
経費が新らしくここに入つております。そのほかは従来
通りであります。
次の
基礎調査は従来
通りでありまして、
水産研究会、
資源研究会、これは
農林省の
水産研究所ではできないような、又民間の
企業会社とか或いは
協同組合ではやれないというような丁度中間的な
資源をずつとやつておるのでありますが、その
水産研究会には千二百万円ばかりの金が入つております。そのほかは各地に出しておりますところの
基礎調査員の
人件費これは前年度
通りでございます。
それから次の
協同組合の
指導監督でございますが、これも
考え方は従来
通りでありまして、現在
組合が四千数百できておるのでありますが、これはまあ殆んど
部落単位でできて、
漁業権が
組合に相当行くということを前提にいたしましたような
関係で
組合が非常に余計できたのでありますが、これの
常例検査をやるというようなことをやつてもう少し
沿岸漁業の
漁業経済の安定を図つて行く中心の組織であります
協同組合の強化を図つて行くという措置であります。これは従来
通りの
考え方であります。
それから次の
標準漁業協同組合の育成という、これは新らしく入つたのでありますが、今申しますように非常に
組合が乱立いたしておりますので、これから折角
漁業制度改革によりまして新らしい漁場の
計画に基く
漁業権が生きましても、これは漁場の管理でありますとか或いは
生産協同体の中心になりますところの
協同組合が弱体では困るというので、これはまあ一応
計画でありますが今の四分の一くらいにこれをまとめてもいいのじやないか、そして強化したらどうだろうという
考えでこれはかかつております。
年度計画にかかつておるのでありますが、金の内容はその
組合が集ま
つて協議をする
協議会の
開催等に関する費用でございます。これは一年度やつてみましてどういう結果を見ますか何でございますが、
組合を或る程度の
経済単位としての
組合にして行こう、或いは漁場の管理に適当な
組合まで持つて行こうというような
考えでございます。
それから次の
再建整備でございます。これは水産につきましては
補正予算でありましたか、農業のほうの
協同組合と全然同じ
考え方でございます。二十六年の十月にこれは六百五十ばかりが要
再建整備の対象となる
組合となりましてこれを取上げてやつております。御承知の
固定化資金の
利子補給とか或いは増資の
奨励金というような金がここに入つております。これは
考え方は全然前年度
通りでございます。
それから
水産物の
取引改善に必要な
経費、これも前年度
通りでありまして、
中央卸売市場法に基いてやつておりますところの十一の
卸売市場の監督であるとかということをやる
人件費であります。
それからその次に
海産物関係の
商品取引所、これは
商品取引所法に基きまして、函館と小樽に
海産物の
取引所ができております
関係の法的な問題でありますとかその他に必要な
人件費であります。これはまあ大した金ではありません。
それからその次の
水産科学技術振興に必要な
経費、これは実は前年度ゼロに
なつておりますが、前年度限りとしまして五千三百万ばかり入つておりますがその中に二千八百万ばかり今年入つております。これは御承知の海藻の
高度利用の金であります。それで来年度三千万丸く入つておるのでありますが、これはまだ私どもとしましてはどういうほうに幾らという配分の
計画はいたしておりません。大体の
考え方はまあ
海藻利用の問題でありますとか、或いは
合成繊維の利用、
合成繊維の試験を県の
試験所なんかにやつてもらうというようなことを中心に
考えたらよいではなかろうかと思つておりますが、まだどこに幾らというふうな用途の割り振りはいたしておりませんが、
今ちよつと触れました
合成繊維によるところの
漁網等は非常に進歩しまして、
価格等の点からいつても却つて割安ではないかというようなデータまで出ておりますので、これは成るべく普及させたいというような意味から試験場にでも補助しまして広めるというようなことを
考えたらどうだろうというつもりでおります。
それから次の
漁業災害復旧資金融通に関する
臨時措置法施行に必要な
経費とありますが、これは全然新らしく入つたものであります。これも
漁業経済の安定という面から行きますと、まあ非常に
考え方としては今まで何度も
大蔵省に交渉して入らなかつた項目なんでありますが、法律は実は今
議員提案の
関係でございますが、我々も一緒になりまして今
大蔵省と交渉いたしております。近く提案になると思うのでありますが、これは
考え方は、昨年の十月の
ルース台風によりまして被害を受けました漁具でありますとか或いは漁船でありますとか、或いは
養殖施設というものにつきまして融資を一応七億五千万円予定しております。
うち農林中金が五億、特に中金につきましては
預金部資金で
農業債券の引受もするというようなことに
なつております。中金が五億、その他二億五千というものを予定いたしまして、それの四分の
利子補給というのがこの金額でございます。それでもう一つの
考え方は、三割の
損失補償をする金額という
考え方も入つておりますが、初年度の来年度につきましては
損失補償はまだ期限が来ませんので組んでおりません。これは長いものは
償還期限は五年、短いものは一年というものもありますが、長いものは五年、三年ということに
なつておりますので、来年度は
損失補償は組んでおりません、
利子補給だけです。
利子補給が入りましたものは、これと畜産の家畜導入の
利子補給の問題、それからこれは前からありますが、不意の災害によりますところの農業倉庫などを入れましたこの三つが
農林省の
予算の中で
利子補給として入ることに
なつているわけであります。それからこれは
ルース台風だけに限定いたしておりますので、その点も
予算面は限定されておりますので、今後の問題としてその点は問題になろうかと思います。
それからその次の漁船損害補償実施に必要な
経費、これも相当新らしい
考え方が入つております。これは御承知の漁船保険法を改正いたしまして、漁船損害補填法という名前でこの国会に提案することにしておりまして目下衆議院の法制局と交渉いたしております。これは
議員提案の法律でございます。近く提案になると思うのでありますが、新らしい
考え方といたしましては、今まではこれは任意加入でありまして漁船が全部で四十三万五、六千隻あるのでありますが、そのうち入つておりますものは二万八千隻くらいであります。折角制度ができておりましてもなかなか加入できん。これは料率の
問題等いろいろございましようが加入いたしておりません。保険に加入せんということは一つは金融がそれだけ都合つかんということになるのでありまして、何とかこの漁船保険法をもう少し強化しようということに
なつたのでありますが、幸いこのたびの
予算で
予算的に認められたわけであります。内容といたしましては、二十トン未満の船につきましては
漁業協同組合が中心になりまして、
漁業協同組合で加入の決議をすれば当然加入になるというような構想をいたしております。決議ができん場合は駄目でありますが決議をしたならば二十トン未満のその
漁業協同組合の持つている船が全部加入するというような構想をとつております。そうし工特に二十トン以下の船につきましての保険料の半分は国庫が負担するという
考えでやつております。それですから二十トン以下の当然加入をした漁船につきましては保険料の半分は国庫が負担するという
考えでございます。それが
漁業協同組合が今度地域別にできますところの漁船保険
組合に一括して加入するという形になるわけであります。そうしてその
漁業協同組合につきましては保険料の三%だけの手数料を国から交付する、こういう
予算も組んでございます。又
漁業協同組合が斡旋をして入れました船につきましても保険料の三%は国から交付する。これはたしか五百七、八十万の金でありますが、それが
漁業協同組合の交付金として出すというふうに
なつております。大体今申しました保険料の国家負担が約九千万円ばかりになります。
それからもう一つ、今までありました漁船保険協会というのがあるのでありますが、これを形を変えまして法的に認められました漁船保険中央会というものをここに作つて行く
考え方をいたしております。この中央会は一つは国の諮問機関ということにも
考えられまするが、そのほかに料率の算定の問題でございますとか或いは災害の防止なり予防の
調査研究をする。或いは
特別会計の委託によりまして損害の
調査をするとか、或いは漁船の損害の
調査をするというようなこともこの中央会を通じてやつて行こうという
考えであります。これは全然新らしく法的にできるわけでございます。それからそのほかに勿論漁船保険
組合に対する国の
事務費の補助もございます。これは純保険料の大体一〇%ぐらいをこれに充てるように
考えております。そのほかに御承知の拿捕等を保険事項といたしますところの特殊保険をやつているのでありますが、これが二十六年度につきましては拿捕が急増いたしまして八千万円のこの
特別会計が赤字に
なつております。それで一般会計から特殊保険のために八千万円の繰入が新らしくここに入つております。保険料から申しますと特殊保険の保険料は若干上ります。それから普通保険は若干下る保険料というような結果になります。我我としましては加入の予定が現在は二万八千ぐらいでございますが、四十三万の漁船中に当然加入するであろうというのがたしか七万七千ぐらい予定しております。それから任意加入が一万一千でらいあるのじやないか、合計八万八千になるのじやないかというような計算をいたしております。
先ほど申しました二十トンというトン数の問題でございますが、これはいろいろ各方面に御意見はあるのでございますが、この
予算を以てしましてはトン数を上げるということはなかなか困難でありますので、現在の法律は二十トンということを前提として今作つているような次第であります。トン数を上げるという問題は今後の研究課題として我々としては研究して行きたいというよう
なつもりであります。
次の資材対策は、これは特に申上げることはございません。石油の割当や何かいたしておりますので、そういう案件でございます。
それから次の漁船、乗組員養成
事業、これは御承知の船舶職業法でありますか、あれが改正になりましたので、大分小さい船五トンでしたかそういうものまで資格を持たなければならんということになりましたので、従来やつておりました漁船の乗組員養成に加えまして船長、機関長の養成でありますとか、或いは小型操縦士とか或いは丙種の機関士、こういうものの養成ということはやつて行こうという
考えであります。これは従来大日本水産会に委託してこの
事業をやつておつたのでありますが、そのほかに県に補助いたしまして県も中心に
なつてやつてもらいたい、これは大体三万人でありましたかを二年間にやるという
計画でございますが、大水だけでなくて県にも一つこの
事業をやつてもらいたいということで新らしい
考え方が入つております。
それからその次の漁船の管理及び改善、これは大体従業
通りであります。御承知の漁船建造の
許可でありますとか、漁船の依頼検査でありますとか、或いは登録とか認定とかいう従来の仕事をそのまま継続いたすものであります。
それから陸上の無線局が今七十二ばかりございます。船が約三千隻ぐらい無線施設をつけておりますが、この陸上の局を来年も四局ばかり予定しております、新設を。六百七十六万ばかりがこのうちでその陸上の無線局の金であります。今候補地四カ所ありますが、今
考えている四カ所は仙崎でありますとか、日和佐、佐賀関、式見という所を五、六カ所予定しておりまして、そのうちで四カ所ということになろうかと
考えます。併しまだ場所はちよつと四カ所というくらいではつきりはきめておりません。
次の漁船研究室に必要な
経費、これは従来
通りであります。御承知の月島の船体の試験と、久里浜のエンジン
関係の研究とそれの両方に要しますところの費用でございます。
次の漁港の整備及び管理に必要な
経費、これも従来
通りでありまして、漁港の
予算は従来は公共
事業でありましたが今度
農林省に一括計上になりましたので、それに要しますところの
人件費がここに分けて従来
通り載つております。
それから次の水産業の改良普及の問題でありますが、これは農業、林業につきましてはすでに普及員ができておりまして大分進んでありますが
水産庁はまだございません。これは従来からも大分問題に
なつたのでございますがなかなか適当な人も得られず、どういうことを普及したらいいんだろうかということから問題でございますので、まだ来年度につきましては農業なり林業なりというような一緒の態勢までに
行つておりません。これは本省におきまして適当な模範事例を調べて印刷して配るとかいうような
経費が入つているだけであります。今後のこれは研究課題として残つている問題でございます。
人件費だけ一応頭を出したわけでございます。
それから次の
漁業制度改革でございますが、これは御承知のように三月十四日で一応
漁業権の切替は終るわけでありますが、先ほど申しましたように、今後は日本の
漁業権の問題は勿論でございますし、
許可漁業の問題もあり、
漁業調整委員会を中心としまして相当な
漁業計画の仕上げという問題が残つておるわけであります。これはここで地方の人が若干減つております。昨年度は五百五十二人ばかり県にあつたのでありますが今年度は二百三十名に
なつております。それで五百五十二人から二百三十名でありますので大分人は減つておるのでありますが、二百三十名同数だけ次の
免許料、
許可料の
経費というところで、
免許料、
許可料の徴收の事務をしてもらうというふうに
なつております。若干は両方足しましても減つております。この
免許料、
許可料の問題でございますが、これは御承知のように
漁業権証券は恐らく二月中旬くらいで二百八十億くらいの
漁業権証券は全部出る予定でおります。目下
漁業権証券の資金化についてやつておるのでありますが、遅れましたがこれも明日から三日間ばかり
関係者全部集まりまして
漁業権証券の資金化の問題、これは六十五億買上げに
なつておりますが、六十五億買上げの問題でありますとか、或いは十九億ばかりの
漁業権証券を担保にしました中金からの融資の問題とか、或いはそれをやります手続の問題というのを明日から三日間
関係者が集まつてやるのでありますが、
漁業権証券のほうはそういうふうに進んでおります。これのうらはらになります
免許料、
許可料は、これは法律上は法律的に徴收することに
なつておりますので、来年度から県に先ほど申しました人も置きまして徴収して行く、来年度一応歳入
予算には沿岸なり内水面
関係が七億、それから遠洋
関係の
漁業の
許可料が一億五千、来年度八億五千というものを
考えております。これは大体二十五年間ということで
免許料、
許可料の徴収をやつて行くというような
計画に
なつております。今の
計画では二十五年間で二百八十億、これは結果的に見ますと利率は二分くらいになるのでありますが、一応そういう
計画に
なつております。新らしくこれは今度
予算に入つて来たわけであります。
内水面の
漁業制度改革につきましてはこれは従来
通りであります。人は若干減りますが、これも増殖等について折角
漁業権の切替をやりましたので、これの裏付となりますところの増殖等を順にやつて行きたいという
考えであります。
それから次に海洋
漁業対策
委員会に必要な
経費、これは金額は少いわけでありますが新らしく頭を出したわけであります。これはこれから講和條約締結に伴いまして、特に外国との
漁業の協定なりいろいろなる交渉が問題になるわけなんでありまして、それをやります場合の人事
委員会と申しますか作りまして、これも専門的に捕鯨の問題でありますとか或いは「
かつお」「
まぐろ」でありますとか、或いは鮭鱒とか、「かに」とか「おつとせい」というように部門別に分けまして、そこで外国の
漁業の実態の
調査でありますとか或いは資料による過去の実績とか、現在の状況の
調査でありますとか、或いは外国間の
漁業協定の現状、いろいろな準備をして行く
委員会を作りたいということであります。その金とこれはまあ南方の「
まぐろ」
漁業の労働力の生産性の
調査という金が委託費として若干これに入つております。そういう金でございます。
それから次に北太平洋
漁業條約の締結に必要なる
経費、これも新らしく入りましたので、御承知の日米加協定が仮調印されておるのでありますが、来年度は北太平洋
漁業委員会に出ます
委員の任命でありますとか、或いは北太平洋の
漁業委員会に出ましていろいろ勧告とか決議をする場合、それに参與する
委員を選びますとか、或いはその外に特に鮭鱒の
調査をしよう、これは
取締と一面は監視船にも使えると思うのでありますが、北太平洋につきまして漁船二隻、一ぱいは役所の舶であり、ますが一ぱいは傭船いたしまして、
漁業取締を兼ねて鮭鱒の試験
調査をしようというような金がここに含まれております。これはまあ新らしく入つたわけであります。
それから次の漁港施設に必要な
経費、それから
漁業施設災害復旧に必要なる
経費でありますが、これは昨年までは公共
事業として上つておつたのでありますが、これは一方落ちと
なつてこつちに来ております。その外に先ほど申上げましたように今年は五億八千九百三十万という金が
北海道についてあるわけであります。
北海道開発庁ができておりますので、これは五億八千九百三十万円を開発庁の方に上げまして、金を使いますときにはこつちに移し替えをするということになるわけであります。それで漁港につきまして特に
北海道でございますが、
北海道については昨年
北海道開発局ができました
関係上、二十七年度から第三種と第四種の漁港につきましては国が直営をするということに相成つております。一種、二種の漁港につきましては道庁でやりまして三種、四種は国が直営するということに話がきまつております。これは
事業主体が昨年度と若干違う点であります。この漁港施設につきましては継続が二百十九ばかりあるのでございますが、今年度といたしましては新規に内地に六十九、
北海道に二十くらいのものを一応予定しております。昨年度は新規
事業として内地が五十五、一
北海道が二十一であつたのでありますが、今年度は内地六十九、
北海道二十というものを一応予定はしたのでありますが、これはまだ安本との交渉が済んでおりませんのでこの数にきましても若干異動があるかも知れませんし、又各地名につきましても異動が或いは生ずると思いますのでまだここで御報告する段階には至つておりません。一応数はそういうふうに予定いたしております。
それから災害復旧費でございますが、これは大分金額が殖えております。そうして過年度の災害が二千五百カ所残つております。国の援助を要する所だけでも二千カ所あるという状態に
なつておりますので、その中の或る部分をこれでやるという恰好になります。
それから
水産研究所、これは御承知のように八海区にあるわけでございますが、特に御説明する必要はございません。ただ一カ所日本海にあります七尾の
水産研究所、これを新潟に持つて来ようというようなことに大体
なつておりますが、官房のほうに連絡いたしておりますがまだ設置法としては外に出してはおりません。若干その点で箇所数は殖えませんが所在地は変更になることがあるかも知れません。
それから真珠は先ほど申上げた
通りでございます。これは法律が
通りませんければ使えない金でございます。講習所は下関の第二水産講習所、これは殆んど前年度
通りでございまして、特に御説明する必要はございません。
最後に
北海道の鮭鱒孵化
事業でございますが、これは従来は
北海道に委託をして道庁が全部やるという形であつたのでありますが、今年度から新らしく
農林省が直轄
事業として行うことに
なつております。ただ孵化の
事業は従来
通り北海道庁に委託する、採卵とか放流とかそういう
事業につきましては
農林省が直営でやつて行く。これはまあ従来は非常にとられていたのでありますが、鮭鱒分を除いても一番大きいところで六千三百万貫という数字に
なつておりますが、現在は三百万貫くらいに落ちております。これを二千万貫くらいまで持つて行きたいというのが
農林省の
計画でございます。これにつきましては今年から実は鮭鱒の孵化の共同施設につきましては融資しておりますことは御承知の
通りであります。
それから一つ申し遅れましたが、先はど
水産増殖の部分で食糧の
供給地といたしまして従来内地では日光に養鱒場を持つていたのでありますが、二十七年度からは十和田湖も日光と同じように
農林省が直営をするということに
なつております。
大体以上が順と追うた説明でございます。このほかに漁船再保険
特別会計があるわけでございますが、これは先ほども漁船損害補償のところで申上げましたような構想で、歳入歳出とも漁船が昨年度は三億六千三百万くらいでありましたが、今年は六億九千七百万くらいに殖えております。これは加入の隻数が大分殖えておりますような
関係で金額的に殖えております。内容は先ほど申上げた
通りであります。このことにつきましては冒頭で申上げましたように
特別会計の枠が百二十億が二百億に殖えたわけでありますが、その内訳につきましてはまだ確定いたしておりませんのでこれは確定いたしました上で御報告いたします。
それから
試験研究費、これは先ほど申上げました
通り八千万円というものが官房に一括計上されておりますがまだその配分はきまつておりません。
それから最後に定員の
関係を御参考にちよつと申上げておきます。
水産庁関係の定員は、これは定員法の法律の問題でございますが、二十六年度の定員は
特別会計も全部入れまして千四百十人ございます。それがこの前の定員法の改正によりまして八十一人減員になりまして千三百二十九人という数に
なつております。これが現在の定員でございます。それで二十七年度の
予算定員は
大蔵省と交渉しまして
予算と
なつておりますのは千五百四名でございます。百七十五名殖えております。それでその内訳は先ほど申しました
北海道の鮭鱒の孵化場が、従来開発庁に上つていた分でございますが、これが直営になるということで百三十七人
農林省のほうへ計上になります。これは二十六年度は
北海道開発庁に上つていた定員でございます。それから水産大学に貸しておりました船が水産講習所のほうへ戻つて来ますので、それの船に付いた定員が文部省から二十人ばかり来ます。でありますからそれを足しますと百五十七八になります。これは純増ではございませんで文部省なり或いは開発庁のほうが減つてこつちが殖えるという格好でございます。それでプラス百七十五人のうち百五十七名が外から来まして十八名だけが純増という形に一応
なつております。これは
小型底曳の
取締船が殖える
関係とか、或いは真珠の
検査所ができる
関係とか、或いは水産講習所の学生が殖えて教官が若干殖えるというようなことで純増は十八名というようなふうに
予算では相成つております。大分長くなりましたので以上で御説明を終りまして御質問があればお答えいたします。