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1952-01-30 第13回国会 参議院 水産委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年一月三十日(水曜日)    午後一時二十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事            千田  正君    委員            青山 正一君            秋山俊一郎君            小滝  彬君            藤野 繁雄君            門田 定藏君   政府委員    水産庁長官   塩見友之助君   事務局側    常任委員会專門    員       岡  尊信君    常任委員会專門    員       林  達磨君   説明員    水産庁漁政部長 伊東 正義君    水産庁漁政部漁    政課勤務    桐谷 要蔵君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○証人喚問に関する件 ○水産物増産対策に関する調査の件  (昭和二十七年度水産庁関係予算に  関する件)   —————————————
  2. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。  先ずお諮りいたします。真珠事業法に対する証人喚問を、この前の委員会において大体話をいたしましたが、これを十五日の金曜日にやつたらどうかと思いますが如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ではさよういたします。そうして喚問する証人はこれは如何いたしましようか。私の大体思いつきでは知事一名、それから協同組合側から、この間出張されていろいろ事情を聞かれました浜島の漁業協同組合長にいたしたい。あと反対意見の人二人、賛成意見の人二人はいずれ皆さん協議した上で決定して六名にしたら如何と思いますが如何ですか。
  4. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 協同組合をもう一名くらい……。
  5. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 母貝生産協同組合があれがいいと思いますが、知つておられる人ございますか。
  6. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 たくさん……。
  7. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは協同組合側から二人、業者反対意見の人が二人、賛成意見の人が二人、それに知事を加えて七名とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それでは人員その他は先ず皆さん協議の上で決定いたしたいと思います。
  9. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 このマ・ラインの解除を前にしまして、以西底曳関係業者の神経は相当に尖つているのでありますが、昨年来多数の漁船漁民が中共に拿捕されておりまして、そのうち抑留者が百五十何名でございましたか先般送還されて帰つたようであります。暫く中国における漁業に対する取扱その他について消息がわかりませんでおりましたが、これらの漁業者は相当長期間向うに滞在しておつたはずでありますので、この際帰還船員の五、六名のものを証人として本委員会に喚問しまして諸般の事情をよく聴取し、かたがた懇談会等において隔意ない意見交換等をしたらどうかと思いますが、お諮り願いたいと思います。
  10. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今秋山委員の御提案でありますが、漁船不当拿捕に関する件について抑留された船員の中から四、五名の証人を喚問して委員会参考にいたしたいという御提案でございますが、御異議ありませんか。
  11. 千田正

    千田正君 異議ありませんが、証人喚問の際、一つ注文を付けておきたいと思います。それは委員質問に対して、十分に答え得られないような人も、たまには証人の実体を知らないで我々が喚問するとよくそういうことがありますので、証人の選考につきましては十分こちらの委員会希望を反映するような証人を選んで頂きたいと思います。
  12. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 千田委員の今の御発議に対しましては十分その意を体して、できるだけ事情のわかつた議員質問に対しては十分答弁し得る人を選定いたすことにいたしたいと思います。  それからその証人の数は只今秋山委員は五、六名と申されましたが如何いたしましようか。大体五名程度あと二名くらいを参考人として列席してもらつた如何かと思います。参考人と申しますのは船員組合とか或いは底曳組合から一名ずつぐらいの参考人にしまして、証人は五名くらいにして選定いたしたら如何かと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それではさよう決定いたします。その証人につきましては、各船主或いは船員組合或いは底曳組合に十分その人の選定をお願いいたしまして適当の人を得たい、こういうことにいたします。  それからその証人喚問委員会委員会の都合上十一日に開いたら如何かと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは十一日の午前十時から証人喚問委員会を開会することにいたします。   —————————————
  15. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは本日の委員会として、公報に載せておきました水産庁所管昭和二十七年度予算につきまして水産漁政部長から一応御説明願いたいと思います。
  16. 伊東正義

    説明員伊東正義君) それでは私から二十七年度水産庁所管予算につきまして御説明申上げます。詳細にこきましては、たしか昨日お配りしたと思うのでありますが、水産庁所管昭和二十七年度予算要求概算説明書というのを、お配りいたしておりますのでそれを御覧願いたいと思います。私から特に新奇な問題でありますとか、特に問題として取上げております事項とか、そういうものにつきまして簡単に御説明申上げます。  先般長官が、新らしく長官となりまして大体どういう気持で水産庁行政をやつて行くかという御説明をいたしたのでありますが、この予算につきましては、あの長官説明通りのことにはなかなかなつておりません。例えば北洋の問題でありますとかいろいろの問題があるのでありますが、予算的には、そう大した予算はそれに関して出ておりません。大分前に組んでありますので若干その間のずれがあることは御承知願いたいと思います。長官が申しましたように水産行政につきましては新らしく講和締結によりまして希望が明けて来たのでありまして、そういう面に大きな漁業がどんどん出て行つて沿岸に占めておる漁業者につきましてもそのあとへだんだん伸びて行くというようなことが基本方針であることは間違いないのであります。それでこの予算につきましてはそういう面も若干入つておる、それから資源維持培養、これは五ポイント計画にも示されております重要な点でありますが、資源維持培養、例えば増殖の問題でありますとか或いは整理の問題でありますとか、或いは取締というような関係費用はかなり組んであります。それから漁業経済の安定と申しますか、協同組合中心にいたしまして漁業経済の安定を図つて行こうというような考え方。それから特に去年のルース台風でありますか、あれを契機としました災害補償の問題でありますとか、或いは漁船災害補償の問題、或いは漁港の問題というようなものがここに入つております。ただ漁業経済の安定という点から行きまして大きな問題になります金融につきましては水産庁予算には計上いたしてはありません。これは大部分官房のほうの農林漁業資金融通特別会計というほうに上つておりまして、ここには金融の問題はそう上つておりませんが、それにつきましては後刻御説明いたします。それから漁業制度改革のまあ仕上げと申しますか、海区漁業調整委員会中心といたしまして、今後漁業権漁業から許可漁業調整という面まで考えまして、従来の漁業制度改革に関する経費使つて行こう。それからいよいよ二十七年度からは免許料許可料徴收も始まりますので、これに関する費用等がここに計上してあります。それでこの厚い書きものの表だけで御覧願つて結構なんでありますが、ここの表で総計が最後の所に出ておりますが、去年が三十二億三千七百万円で今年が四十九億となつておりますが、このほかに今はつきりわかつておりますものでここに計上してよいもので北海道漁港関係がここには抜けております。それで北海道漁港関係は今年五億八千九百三十万という金になります。
  17. 千田正

    千田正君 昨年はどうですか。
  18. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 昨年は三億四百十万円になります。それで合計いたしますと、去年の三十二億が三十五億四千百九十四万四千円になります。そうして今年が北海道を入れますと五十四億九千五百五十六万一千円となつております。大体二十億程度殖えております。仕分けをいたしますと大体資源の維持培養、或いは漁業経済の安定でありますとか漁業制度の完成、それから講和締結に伴いますところの海外漁業との関係の若干の経費というようなものに大きな項目で分ければなるかと思います。勿論試験研究費等はみんなこれに関連した関係の費用と考えております。それからこの予算にありませんでこれもまだ未確定でありますが、さつき申上げました金融の特別会計の中の配分の問題、それからもう一つ官房のほうに一括しまして計上されているのでありますが、応用試験研究費というのが八千万円ございます。これは官房に一括して挙げてあります。これにつきましては昨年も水産庁に四百万ばかり配賦したのでございますが、本年度からは官房におきまして一括計上して、適当な委員会といいますか適当な組織を作りまして、そこで農林省といたしまして最も必要だと思われる試験研究費に使つて行こうという金が八千万入つております。そのうちから若干は水産庁も使い得るというふうに考えてよろしかろうと思つております。そこで先ほど申上げました通り詳細はこれで御覧願うことにいたしまして、特に御注意して御説明するものだけ簡単に御説明いたしまして、あとは御質問を受けたいと思います。この番号の順序を逐つて参りたいと思います。  二審目の、一番目は問題ありませで、二番目の小型機船底びき網漁業減船整理の問題でありますが、これは二十六年度の二億五百万というのは補正予算で計上されたのでありますが、これは御承知の小型の底びきが全国で大体三万五千ぐらいある、大部分は無許可が多いのでありますが、これを五年計画で二万隻まで持つて行こうという計画で二十六年度から予算を計上いたしておるわけなんであります。これはまあ先ほども申上げました資源維持の一つの大きな対策として考えておるわけなんでありますが、特に瀬戸内、有明とか或いは伊勢湾とかいう所の問題でございます。これも二十六年度に引続きまして来年度千二百十隻ばかりのものを今年と同じ考えで築磯にいたしますとか、或いは他の漁業に転換いたしますとか、或いは運搬船に改造いたしますとかいう同じ構想で隻数を殖やしまして来年度も実施いたして参りたいと考えております。単価その他につきましては二十六年度の補正予算通り考え方をいたしております。これにつきましては目下国会に出ております整理の特別措置法継続審議になつておりますので、この法律の成立を待つて来年度はこの金を使つて行きたいというふうに考えております。  それから次のまき網漁業でありますが、これは全然新らしく入つております。金額は少いのでありますが新らしく入つております。これにつきましては漁業制度の改革が一応免許漁業は手を着けましたが、今度は免許漁業から許可漁業へという考えでまき網等につきましても或る程度の調整をする必要があるのじやないかということで、これは先般の国会で成立いたしました漁業法の改正で、中型のまき網でありますかこれの許可を知事さんがいたすのでありますが、その最高限は農林大臣がきめることになつております。それから指定中型につきましては指定の海区を作りましてそこで農林大臣の許可、六十トン以上の大型のものは農林大臣の許可ということになつておりますので、その許可の基準でありますとか或いは入会の問題とかいうようないろいろな問題が出て参りますので、金額は少くて事務費だけでありますが新らしい構想としてこういうものが入つております。  それから三番目の食糧増産対策経費のうちの水産増殖に必要な経費、これは従来からあらました水産増殖の予算が増額いたされたものであります。これも資源維持として一番大きな問題でありますが、これは従来の考え方のほかに新らしい構想が一つ入つております。それは浅海の開発と申しますか、内湾或いは外海でも未利用の海面で利用可能な所を高度に利用して行こうという考え方でありまして、内湾につきましては特に今三つ限定して考えておりますが、有明と豊前海と三河湾でありましたか三つの所を特定いたしまして、干潟の整地でありますとか或いは深部の耕転でありますとか或いは客土なり整地をするというようなことを新らしくやつて行こう、これにはトラクターとか要りますのでその機械工具費の三分の一を補助で見て行くというふうに考えております。特に内湾につきましてはその地元負担の分を或る程度特別会計のほうの融資で見て行こう、三分の一は補助、あとの分につきましては特別会計から融資をしようということで、今農林省の官房のほうで金の分け方のときに問題にして考えております。これは金額は別といたしまして、当然そういう考え方で金融等もそれに裏打ちをした恰好で進んで行くということになつております。それから外海の分につきましては、やはり岩面掻破でありますとか或いは投石でありますとか、そういう事業をやりまして藻類とかそういうものの増殖を図つて行こうということを考えております。それが新らしい構想としましてここに金額が殖えております。そのほかは従来ありました浅海資源の維持でありますか、これは御承知の貝類等の種苗の供給地を確保するということで、従来からやつておりました事業をたしか十六カ所でありましたかを八十万円ばかりの補助金でやつて行こうというのが従来通りの構想で入つております。それからそのほかに内水面の問題、これも従来やつておりましたが、県営等でやつておりますところの種苗の供給施設の確保、これは主に「あゆ」でありますとか「ます」とかそういうものの種苗を確保しているのでありますが、そういう県の事業に対して補助をして行く。それから組合なり県なりが放流事業をやつておりますが、これに対しても組合の負担金と事業費の差額についての二分の一を見るという従来の考え方でやつております。これは先ほど申上げました浅海の開発増殖ということが新らしく入りましたので、金額は昨年度よりもかなり殖えております。  それから次の真珠養殖事業でございますが、これも今御審議願つておりますところの法律案と関係のあるものでございます。これはずつとあとのほうに真珠の検査、研究所の金が出ておりますがそれを一緒にお考え願つて結構なんでありますが、今年はその金は補正予算で一億入つております。これは真珠研究所の施設を作るという考え方で今年一億入つております。これはこの前御質問も出ましたように若しも法律が通りませんとこの補正予算の一億も使えんという金でありますが一応二十六年が一億入つております。二十七年度といたしましては一応研究所ができてその研究所を運営して行く金と、それから検査所は一応真珠会館を借りるという形になつておりますが、その検査所の金と最初のほうに出ておりますところの振興事業に必要な経費五百八十七万円であります、これは法律と関係あるといえばあるのでありますが、若し法律が通りませんでも使つても違法ではないと思われるような金でありますが五百八十七万五千円ございます。これは内容は御承知の漁業協同組合がやつておりました母貝の生産を確保して行く、採苗でありますとか、底質の改良でありますとか或いは投石でありますか、そういうような事業につきまして漁業協同組合に補助いたしまして、適当な型の母貝を生産して行く場合におきまして、従来三十万貫ぐらいあつたやつが十万貫くらいになつておりますので、これを狙つておりますのは五万貫ぐらいの二十八年度以降で増産になるということを考えたいというのでこの補助金を計上されてあります。これは漁業組合を対象にいたしております。  それから次の小型底曳の取締でありますが、去年より金が減つておりますのは二十六年度につきましては五十トン級の船を一隻新造いたしましたので、その関係で二十六年度よりも二十七年度は減つております。二十七年度はその般を使いまして更に傭船三隻をいたしまして小型底曳の取締をやつて行こう、これは先ほど述べました底曳網漁業減船整理の裏腹をなしております予算であります。  それからその次の沖合漁業の取締でございますが、これも御承知の以東底曳の問題であります。これは三千隻ぐらいありまして非常に殖えまして、沿岸漁業との問題を起しておる越佐の底曳というようなのはこれに該当するわけであります。これもこれの整理につきましては、実はまだ予算はとつておりません。実は小型の整理に着手いたしまして、これも着手して見当をつけてからその以東底曳の調整をやつて行こう、整理といいますか調整をやつて行こうという考えでおりますので、これにつきましては減船の経費は組んでありませんのでまだ取締だけであります。これにつきましては来年度傭船五隻と新造船を一隻造りまして、越佐の底曳の取締なり指導をやつて行こうという考えであります。これは底曳だけというのではありませんので、例えば「さんま」でありますとか施網とかいうものも非常に問題になつておりますので、そういう方面も一緒に取締をやつて行こうというような考えでおります。私どもとしましては、できれば来年度の補正予算というものの機会が若しもあればこの以東底曳の問題については是非取上げたいというつもりでおります。  それからその次の遠洋漁業取締でございますが、これは「かつお」、「まぐろ」でありますとか或いは以西の底曳の取締が主でございます。それで隻数等につきましては今年度と大体同じものが計上されてあります。今の考えでは東支那海でありますがこれに九隻とそれから「かつお」、「まぐろ」等の太平洋岸に四隻というようなことをこの予算では考えております。併し北洋の問題等が起りますればこれも若干計画は変更にはなるかと思いますが、今の考え方ではそういうことで一応予算は計上してございます。  それからその次の水産資源維持基本設計に必要な経費でございますが、従来からありますところの「おつとせい」の調査、これは二十四年から司令部から話がありまして「おつとせい」の生態調査をしておりますがこれを続行して行くということと、それから漁場の探測調査をまあ新らしくやろう、いわゆる海中探測でございますが、これで底魚の生態でございますとか、或いは稚魚の生態、或いは網の曳き方とかいうようないろいろな問題をこれで調査をしようというのでこれは新らしく入つております。科学研究所とか或いは北大に頼んでそういうものをやろうという経費が新らしくここに入つております。そのほかは従来通りであります。  次の基礎調査は従来通りでありまして、水産研究会資源研究会、これは農林省水産研究所ではできないような、又民間の企業会社とか或いは協同組合ではやれないというような丁度中間的な資源をずつとやつておるのでありますが、その水産研究会には千二百万円ばかりの金が入つております。そのほかは各地に出しておりますところの基礎調査員人件費これは前年度通りでございます。  それから次の協同組合指導監督でございますが、これも考え方は従来通りでありまして、現在組合が四千数百できておるのでありますが、これはまあ殆んど部落単位でできて、漁業権が組合に相当行くということを前提にいたしましたような関係で組合が非常に余計できたのでありますが、これの常例検査をやるというようなことをやつてもう少し沿岸漁業漁業経済の安定を図つて行く中心の組織であります協同組合の強化を図つて行くという措置であります。これは従来通りの考え方であります。  それから次の標準漁業協同組合の育成という、これは新らしく入つたのでありますが、今申しますように非常に組合が乱立いたしておりますので、これから折角漁業制度改革によりまして新らしい漁場の計画に基く漁業権が生きましても、これは漁場の管理でありますとか或いは生産協同体の中心になりますところの協同組合が弱体では困るというので、これはまあ一応計画でありますが今の四分の一くらいにこれをまとめてもいいのじやないか、そして強化したらどうだろうという考えでこれはかかつております。年度計画にかかつておるのでありますが、金の内容はその組合が集まつて協議をする協議会の開催等に関する費用でございます。これは一年度やつてみましてどういう結果を見ますか何でございますが、組合を或る程度の経済単位としての組合にして行こう、或いは漁場の管理に適当な組合まで持つて行こうというような考えでございます。  それから次の再建整備でございます。これは水産につきましては補正予算でありましたか、農業のほうの協同組合と全然同じ考え方でございます。二十六年の十月にこれは六百五十ばかりが要再建整備の対象となる組合となりましてこれを取上げてやつております。御承知の固定化資金利子補給とか或いは増資の奨励金というような金がここに入つております。これは考え方は全然前年度通りでございます。  それから水産物の取引改善に必要な経費、これも前年度通りでありまして、中央卸売市場法に基いてやつておりますところの十一の卸売市場の監督であるとかということをやる人件費であります。  それからその次に海産物関係商品取引所、これは商品取引所法に基きまして、函館と小樽に海産物の取引所ができております関係の法的な問題でありますとかその他に必要な人件費であります。これはまあ大した金ではありません。  それからその次の水産科学技術振興に必要な経費、これは実は前年度ゼロになつておりますが、前年度限りとしまして五千三百万ばかり入つておりますがその中に二千八百万ばかり今年入つております。これは御承知の海藻の高度利用の金であります。それで来年度三千万丸く入つておるのでありますが、これはまだ私どもとしましてはどういうほうに幾らという配分の計画はいたしておりません。大体の考え方はまあ海藻利用の問題でありますとか、或いは合成繊維の利用、合成繊維の試験を県の試験所なんかにやつてもらうというようなことを中心に考えたらよいではなかろうかと思つておりますが、まだどこに幾らというふうな用途の割り振りはいたしておりませんが、今ちよつと触れました合成繊維によるところの漁網等は非常に進歩しまして、価格等の点からいつても却つて割安ではないかというようなデータまで出ておりますので、これは成るべく普及させたいというような意味から試験場にでも補助しまして広めるというようなことを考えたらどうだろうというつもりでおります。  それから次の漁業災害復旧資金融通に関する臨時措置法施行に必要な経費とありますが、これは全然新らしく入つたものであります。これも漁業経済の安定という面から行きますと、まあ非常に考え方としては今まで何度も大蔵省に交渉して入らなかつた項目なんでありますが、法律は実は今議員提案の関係でございますが、我々も一緒になりまして今大蔵省と交渉いたしております。近く提案になると思うのでありますが、これは考え方は、昨年の十月のルース台風によりまして被害を受けました漁具でありますとか或いは漁船でありますとか、或いは養殖施設というものにつきまして融資を一応七億五千万円予定しております。うち農林中金が五億、特に中金につきましては預金部資金農業債券の引受もするというようなことになつております。中金が五億、その他二億五千というものを予定いたしまして、それの四分の利子補給というのがこの金額でございます。それでもう一つの考え方は、三割の損失補償をする金額という考え方も入つておりますが、初年度の来年度につきましては損失補償はまだ期限が来ませんので組んでおりません。これは長いものは償還期限は五年、短いものは一年というものもありますが、長いものは五年、三年ということになつておりますので、来年度は損失補償は組んでおりません、利子補給だけです。利子補給が入りましたものは、これと畜産の家畜導入の利子補給の問題、それからこれは前からありますが、不意の災害によりますところの農業倉庫などを入れましたこの三つが農林省の予算の中で利子補給として入ることになつているわけであります。それからこれはルース台風だけに限定いたしておりますので、その点も予算面は限定されておりますので、今後の問題としてその点は問題になろうかと思います。  それからその次の漁船損害補償実施に必要な経費、これも相当新らしい考え方が入つております。これは御承知の漁船保険法を改正いたしまして、漁船損害補填法という名前でこの国会に提案することにしておりまして目下衆議院の法制局と交渉いたしております。これは議員提案の法律でございます。近く提案になると思うのでありますが、新らしい考え方といたしましては、今まではこれは任意加入でありまして漁船が全部で四十三万五、六千隻あるのでありますが、そのうち入つておりますものは二万八千隻くらいであります。折角制度ができておりましてもなかなか加入できん。これは料率の問題等いろいろございましようが加入いたしておりません。保険に加入せんということは一つは金融がそれだけ都合つかんということになるのでありまして、何とかこの漁船保険法をもう少し強化しようということになつたのでありますが、幸いこのたびの予算で予算的に認められたわけであります。内容といたしましては、二十トン未満の船につきましては漁業協同組合が中心になりまして、漁業協同組合で加入の決議をすれば当然加入になるというような構想をいたしております。決議ができん場合は駄目でありますが決議をしたならば二十トン未満のその漁業協同組合の持つている船が全部加入するというような構想をとつております。そうし工特に二十トン以下の船につきましての保険料の半分は国庫が負担するという考えでやつております。それですから二十トン以下の当然加入をした漁船につきましては保険料の半分は国庫が負担するという考えでございます。それが漁業協同組合が今度地域別にできますところの漁船保険組合に一括して加入するという形になるわけであります。そうしてその漁業協同組合につきましては保険料の三%だけの手数料を国から交付する、こういう予算も組んでございます。又漁業協同組合が斡旋をして入れました船につきましても保険料の三%は国から交付する。これはたしか五百七、八十万の金でありますが、それが漁業協同組合の交付金として出すというふうになつております。大体今申しました保険料の国家負担が約九千万円ばかりになります。  それからもう一つ、今までありました漁船保険協会というのがあるのでありますが、これを形を変えまして法的に認められました漁船保険中央会というものをここに作つて行く考え方をいたしております。この中央会は一つは国の諮問機関ということにも考えられまするが、そのほかに料率の算定の問題でございますとか或いは災害の防止なり予防の調査研究をする。或いは特別会計の委託によりまして損害の調査をするとか、或いは漁船の損害の調査をするというようなこともこの中央会を通じてやつて行こうという考えであります。これは全然新らしく法的にできるわけでございます。それからそのほかに勿論漁船保険組合に対する国の事務費の補助もございます。これは純保険料の大体一〇%ぐらいをこれに充てるように考えております。そのほかに御承知の拿捕等を保険事項といたしますところの特殊保険をやつているのでありますが、これが二十六年度につきましては拿捕が急増いたしまして八千万円のこの特別会計が赤字になつております。それで一般会計から特殊保険のために八千万円の繰入が新らしくここに入つております。保険料から申しますと特殊保険の保険料は若干上ります。それから普通保険は若干下る保険料というような結果になります。我我としましては加入の予定が現在は二万八千ぐらいでございますが、四十三万の漁船中に当然加入するであろうというのがたしか七万七千ぐらい予定しております。それから任意加入が一万一千でらいあるのじやないか、合計八万八千になるのじやないかというような計算をいたしております。  先ほど申しました二十トンというトン数の問題でございますが、これはいろいろ各方面に御意見はあるのでございますが、この予算を以てしましてはトン数を上げるということはなかなか困難でありますので、現在の法律は二十トンということを前提として今作つているような次第であります。トン数を上げるという問題は今後の研究課題として我々としては研究して行きたいというようなつもりであります。  次の資材対策は、これは特に申上げることはございません。石油の割当や何かいたしておりますので、そういう案件でございます。  それから次の漁船、乗組員養成事業、これは御承知の船舶職業法でありますか、あれが改正になりましたので、大分小さい船五トンでしたかそういうものまで資格を持たなければならんということになりましたので、従来やつておりました漁船の乗組員養成に加えまして船長、機関長の養成でありますとか、或いは小型操縦士とか或いは丙種の機関士、こういうものの養成ということはやつて行こうという考えであります。これは従来大日本水産会に委託してこの事業をやつておつたのでありますが、そのほかに県に補助いたしまして県も中心になつてやつてもらいたい、これは大体三万人でありましたかを二年間にやるという計画でございますが、大水だけでなくて県にも一つこの事業をやつてもらいたいということで新らしい考え方が入つております。  それからその次の漁船の管理及び改善、これは大体従業通りであります。御承知の漁船建造の許可でありますとか、漁船の依頼検査でありますとか、或いは登録とか認定とかいう従来の仕事をそのまま継続いたすものであります。  それから陸上の無線局が今七十二ばかりございます。船が約三千隻ぐらい無線施設をつけておりますが、この陸上の局を来年も四局ばかり予定しております、新設を。六百七十六万ばかりがこのうちでその陸上の無線局の金であります。今候補地四カ所ありますが、今考えている四カ所は仙崎でありますとか、日和佐、佐賀関、式見という所を五、六カ所予定しておりまして、そのうちで四カ所ということになろうかと考えます。併しまだ場所はちよつと四カ所というくらいではつきりはきめておりません。  次の漁船研究室に必要な経費、これは従来通りであります。御承知の月島の船体の試験と、久里浜のエンジン関係の研究とそれの両方に要しますところの費用でございます。  次の漁港の整備及び管理に必要な経費、これも従来通りでありまして、漁港の予算は従来は公共事業でありましたが今度農林省に一括計上になりましたので、それに要しますところの人件費がここに分けて従来通り載つております。  それから次の水産業の改良普及の問題でありますが、これは農業、林業につきましてはすでに普及員ができておりまして大分進んでありますが水産庁はまだございません。これは従来からも大分問題になつたのでございますがなかなか適当な人も得られず、どういうことを普及したらいいんだろうかということから問題でございますので、まだ来年度につきましては農業なり林業なりというような一緒の態勢までに行つておりません。これは本省におきまして適当な模範事例を調べて印刷して配るとかいうような経費が入つているだけであります。今後のこれは研究課題として残つている問題でございます。人件費だけ一応頭を出したわけでございます。  それから次の漁業制度改革でございますが、これは御承知のように三月十四日で一応漁業権の切替は終るわけでありますが、先ほど申しましたように、今後は日本の漁業権の問題は勿論でございますし、許可漁業の問題もあり、漁業調整委員会を中心としまして相当な漁業計画の仕上げという問題が残つておるわけであります。これはここで地方の人が若干減つております。昨年度は五百五十二人ばかり県にあつたのでありますが今年度は二百三十名になつております。それで五百五十二人から二百三十名でありますので大分人は減つておるのでありますが、二百三十名同数だけ次の免許料、許可料の経費というところで、免許料、許可料の徴收の事務をしてもらうというふうになつております。若干は両方足しましても減つております。この免許料、許可料の問題でございますが、これは御承知のように漁業権証券は恐らく二月中旬くらいで二百八十億くらいの漁業権証券は全部出る予定でおります。目下漁業権証券の資金化についてやつておるのでありますが、遅れましたがこれも明日から三日間ばかり関係者全部集まりまして漁業権証券の資金化の問題、これは六十五億買上げになつておりますが、六十五億買上げの問題でありますとか、或いは十九億ばかりの漁業権証券を担保にしました中金からの融資の問題とか、或いはそれをやります手続の問題というのを明日から三日間関係者が集まつてやるのでありますが、漁業権証券のほうはそういうふうに進んでおります。これのうらはらになります免許料、許可料は、これは法律上は法律的に徴收することになつておりますので、来年度から県に先ほど申しました人も置きまして徴収して行く、来年度一応歳入予算には沿岸なり内水面関係が七億、それから遠洋関係の漁業の許可料が一億五千、来年度八億五千というものを考えております。これは大体二十五年間ということで免許料、許可料の徴収をやつて行くというような計画になつております。今の計画では二十五年間で二百八十億、これは結果的に見ますと利率は二分くらいになるのでありますが、一応そういう計画になつております。新らしくこれは今度予算に入つて来たわけであります。  内水面の漁業制度改革につきましてはこれは従来通りであります。人は若干減りますが、これも増殖等について折角漁業権の切替をやりましたので、これの裏付となりますところの増殖等を順にやつて行きたいという考えであります。  それから次に海洋漁業対策委員会に必要な経費、これは金額は少いわけでありますが新らしく頭を出したわけであります。これはこれから講和條約締結に伴いまして、特に外国との漁業の協定なりいろいろなる交渉が問題になるわけなんでありまして、それをやります場合の人事委員会と申しますか作りまして、これも専門的に捕鯨の問題でありますとか或いは「かつお」「まぐろ」でありますとか、或いは鮭鱒とか、「かに」とか「おつとせい」というように部門別に分けまして、そこで外国の漁業の実態の調査でありますとか或いは資料による過去の実績とか、現在の状況の調査でありますとか、或いは外国間の漁業協定の現状、いろいろな準備をして行く委員会を作りたいということであります。その金とこれはまあ南方の「まぐろ」漁業の労働力の生産性の調査という金が委託費として若干これに入つております。そういう金でございます。  それから次に北太平洋漁業條約の締結に必要なる経費、これも新らしく入りましたので、御承知の日米加協定が仮調印されておるのでありますが、来年度は北太平洋漁業委員会に出ます委員の任命でありますとか、或いは北太平洋の漁業委員会に出ましていろいろ勧告とか決議をする場合、それに参與する委員を選びますとか、或いはその外に特に鮭鱒の調査をしよう、これは取締と一面は監視船にも使えると思うのでありますが、北太平洋につきまして漁船二隻、一ぱいは役所の舶であり、ますが一ぱいは傭船いたしまして、漁業取締を兼ねて鮭鱒の試験調査をしようというような金がここに含まれております。これはまあ新らしく入つたわけであります。  それから次の漁港施設に必要な経費、それから漁業施設災害復旧に必要なる経費でありますが、これは昨年までは公共事業として上つておつたのでありますが、これは一方落ちとなつてこつちに来ております。その外に先ほど申上げましたように今年は五億八千九百三十万という金が北海道についてあるわけであります。北海道開発庁ができておりますので、これは五億八千九百三十万円を開発庁の方に上げまして、金を使いますときにはこつちに移し替えをするということになるわけであります。それで漁港につきまして特に北海道でございますが、北海道については昨年北海道開発局ができました関係上、二十七年度から第三種と第四種の漁港につきましては国が直営をするということに相成つております。一種、二種の漁港につきましては道庁でやりまして三種、四種は国が直営するということに話がきまつております。これは事業主体が昨年度と若干違う点であります。この漁港施設につきましては継続が二百十九ばかりあるのでございますが、今年度といたしましては新規に内地に六十九、北海道に二十くらいのものを一応予定しております。昨年度は新規事業として内地が五十五、一北海道が二十一であつたのでありますが、今年度は内地六十九、北海道二十というものを一応予定はしたのでありますが、これはまだ安本との交渉が済んでおりませんのでこの数にきましても若干異動があるかも知れませんし、又各地名につきましても異動が或いは生ずると思いますのでまだここで御報告する段階には至つておりません。一応数はそういうふうに予定いたしております。  それから災害復旧費でございますが、これは大分金額が殖えております。そうして過年度の災害が二千五百カ所残つております。国の援助を要する所だけでも二千カ所あるという状態になつておりますので、その中の或る部分をこれでやるという恰好になります。  それから水産研究所、これは御承知のように八海区にあるわけでございますが、特に御説明する必要はございません。ただ一カ所日本海にあります七尾の水産研究所、これを新潟に持つて来ようというようなことに大体なつておりますが、官房のほうに連絡いたしておりますがまだ設置法としては外に出してはおりません。若干その点で箇所数は殖えませんが所在地は変更になることがあるかも知れません。  それから真珠は先ほど申上げた通りでございます。これは法律が通りませんければ使えない金でございます。講習所は下関の第二水産講習所、これは殆んど前年度通りでございまして、特に御説明する必要はございません。  最後に北海道の鮭鱒孵化事業でございますが、これは従来は北海道に委託をして道庁が全部やるという形であつたのでありますが、今年度から新らしく農林省が直轄事業として行うことになつております。ただ孵化の事業は従来通り北海道庁に委託する、採卵とか放流とかそういう事業につきましては農林省が直営でやつて行く。これはまあ従来は非常にとられていたのでありますが、鮭鱒分を除いても一番大きいところで六千三百万貫という数字になつておりますが、現在は三百万貫くらいに落ちております。これを二千万貫くらいまで持つて行きたいというのが農林省の計画でございます。これにつきましては今年から実は鮭鱒の孵化の共同施設につきましては融資しておりますことは御承知の通りであります。  それから一つ申し遅れましたが、先はど水産増殖の部分で食糧の供給地といたしまして従来内地では日光に養鱒場を持つていたのでありますが、二十七年度からは十和田湖も日光と同じように農林省が直営をするということになつております。  大体以上が順と追うた説明でございます。このほかに漁船再保険特別会計があるわけでございますが、これは先ほども漁船損害補償のところで申上げましたような構想で、歳入歳出とも漁船が昨年度は三億六千三百万くらいでありましたが、今年は六億九千七百万くらいに殖えております。これは加入の隻数が大分殖えておりますような関係で金額的に殖えております。内容は先ほど申上げた通りであります。このことにつきましては冒頭で申上げましたように特別会計の枠が百二十億が二百億に殖えたわけでありますが、その内訳につきましてはまだ確定いたしておりませんのでこれは確定いたしました上で御報告いたします。  それから試験研究費、これは先ほど申上げました通り八千万円というものが官房に一括計上されておりますがまだその配分はきまつておりません。  それから最後に定員の関係を御参考にちよつと申上げておきます。水産庁関係の定員は、これは定員法の法律の問題でございますが、二十六年度の定員は特別会計も全部入れまして千四百十人ございます。それがこの前の定員法の改正によりまして八十一人減員になりまして千三百二十九人という数になつております。これが現在の定員でございます。それで二十七年度の予算定員は大蔵省と交渉しまして予算となつておりますのは千五百四名でございます。百七十五名殖えております。それでその内訳は先ほど申しました北海道の鮭鱒の孵化場が、従来開発庁に上つていた分でございますが、これが直営になるということで百三十七人農林省のほうへ計上になります。これは二十六年度は北海道開発庁に上つていた定員でございます。それから水産大学に貸しておりました船が水産講習所のほうへ戻つて来ますので、それの船に付いた定員が文部省から二十人ばかり来ます。でありますからそれを足しますと百五十七八になります。これは純増ではございませんで文部省なり或いは開発庁のほうが減つてこつちが殖えるという格好でございます。それでプラス百七十五人のうち百五十七名が外から来まして十八名だけが純増という形に一応なつております。これは小型底曳の取締船が殖える関係とか、或いは真珠の検査所ができる関係とか、或いは水産講習所の学生が殖えて教官が若干殖えるというようなことで純増は十八名というようなふうに予算では相成つております。大分長くなりましたので以上で御説明を終りまして御質問があればお答えいたします。
  19. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 何か予算について御質問ありませんか。
  20. 千田正

    千田正君 北太平洋漁業條約の経費を見ますと、予算の中に人件費を全然見ていないというのはどういうわけですか。
  21. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 人の問題でございますが、これは今申上げましたように純増になりました分は真珠検査所と、それから小型底曳船に乗込む人と教官とで十八名と申上げたのでありますが、大蔵省の定員の交渉につきましてはできるだけ内部でできるものは振替えてやつてくれというようなことになつておりまして、今申上げました純増の十八人につきましてはこれはどうしても内部で振替の付かん、真珠検査という特殊技能者でありますとか、或いは船舶の乗組員とか、教官とかどうしても振替えのつかん人はこれは止むを得んということで十八名殖えておるのでありますが、北太平洋條約の問題等につきましては一つ内部の人でやりくりしてやつてくれという話合になつております。これは勿論定員として新らしく上げませんでも、私ども考え方としましては実は機構も若干いじりまして、尤も協定の問題等が忙しくなつておりますところの海洋課につきましては海洋第一課と第二課に分けまして、課を二つにしまして各課からそこへ人を出して応援しようというような機構の改革も二月一日を期してやる考えであります。そういうようなつもりでおりますので、條約関係に手薄にならんように内部的なやりくりでやつて行こうというつもりでおります。
  22. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ちよつと私からお伺いしますが、前々国会であれだけ海区漁業調整事務局ができるということに法律でなりましたが、この事務局の職員は含まつておりますかどうですか。
  23. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 含まつております。
  24. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それから初めから五枚目に新たに浅海開発漁業を計上した、その予定は有明、三河湾、それからもう一つどこかあつたようですが。
  25. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 豊前を予定しております。
  26. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 漁港施設に対しての本年度予算北海道を入れますと、昨年より大分殖えておるのですが、いろいろ物価の値上りによる単価が相当上つておるのじやないかと思います。そういう点を勘案しました場合に、昨年の予算とどういう状態になりますか。昨年程度事業分量になりますか。或いはそれより少し落ちるということになりますか。
  27. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 今お話のありましたように、漁港予算はたしか今年は十三億五千万、来年度が十八億八千万ぐらいになるのでありますが、実はこれは結論を先に申上げますと、大体今年程度ぐらいの事業量じやなかろうかという感じがいたします。特に北海道につきましては法律の改正がありまして、補助の負担率が変更になつておりますので、三億四百万が五億八千九百万円になりましてもこれは事業分量としては昨年と殆んど同じでございます。  それから内地につきましても物価の騰貴ということをお考えますと、大体今年と事業量としては同じぐらいじやなかろうかということになります。
  28. 千田正

    千田正君 この北海道に関する問題は、勿論北海道開発庁のほうの予算編成によるのでしようが、特にこの水産に関する漁港の設備その他に対しては、やはり開発庁の予算作成の際におきましては、水産庁意見が十分取入れられて作られる予算でありますか。全然水産庁とは沒交渉で開発庁独自の予算を作つておられるのですか。その点を一つはつきり伺いたいと思います。
  29. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 勿論予算を提出いたしますとき、それから大体公共事業といいますのは、一つ一つ積上げてというよりも、まあ政治的と申しますと何でありますが枠できまるようなことが多いのであります。交渉の段階におきましては勿論連絡をしてやつております。それから配分をいたしますときにも連絡はいたすのでありますが、かなり意見の食い違い等はきまる過程においてはあるということは申上げられますが、最後はやはり両方了解の上で按分をするというようなことをいたしております。
  30. 千田正

    千田正君 内地特に東北方面の漁港その他の施設については北海道開発計画に比較して非常に手薄である、ややもすれば北海道開発庁のほうは非常に強硬に出て来る。水産庁のほうではあれは政治的圧力がかかつて来るというようなこれは一つの見方でしようが、そういうふうなことを巷間伝えるところがややありますので、特にその点をお伺いしておるのでありまするが、およそ日本の領土であれば北海道、東北、九州、四国も同じであります。殊に水産行政については一貫した一つの大きな行政面から強く水産庁のほうの計画を遂行するように押して行かなければならないと思いますが、その点につきまして今後のあり方についても一応新らしく変られました長官並びに部長から、北海道水産の問題は開発庁でやるのだと、おれたちは余り知らないということでなくてはつきり一貫した日本の国の行政としてやつて頂きたいと思います。特に私から要望しておきます。どうかなお所信がありましたらお伺いしたいと思います。
  31. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) 御要望に副うてやつて参りたいと思つております。
  32. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 百五十五の水産科学技術振興に必要な経費として三千万円計上しておりますが、これは説明によりますと、海藻高度利用、或いは漁網の合成繊維の実用化の試験その他ということになつておりますが、大体この予定の内訳はわかるのであります。
  33. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これは実はまだなかなか、例えば海藻高度利用幾らその内訳はどこどこに幾らということに最後はなるのでありますが、まだそこまではやつておりません。
  34. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 この海藻高度利用については前年来継続してやつておるはずでありますが、これに対する試験の結果はどういうことになつておるか。
  35. 伊東正義

    説明員伊東正義君) まだ二十六年度途中でありまして結果は勿論出ておりませんが、私も参つたばかりで中間的にもまだ話の内容を聞いておりませんのでちよつと御答弁をいたしかねます。まだ報告は来ておりません。
  36. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 それはどういう所に何個所ぐらい何をやつておりますか。
  37. 桐谷要蔵

    説明員(桐谷要蔵君) 寒天関係では海宝化学、天城物産、ニユーアガー、加里沃度の関係北海道開発工業、三重沃度、アルギン酸の関係では東北化学工業、花王石鹸、北海道興発、鴨川加工とこれだけでございます。
  38. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 寒天については今後もやるつもりでありますか。実は聞きますというと寒天に対する人造寒天といいますか、そういうものが発明されて日本の寒天が非常に脅威を感じておるということを聞いておりますが、そういうために何かそれを凌駕するような非常にコストの安く上るような方法で行くのか、その寒天製造とか、試験研究については何を目標としておるわけですか、今おわかりでなかつたあとで。
  39. 伊東正義

    説明員伊東正義君) その狙いの問題でございますが、これは今もう少し研究してからお答えいたします。二十七年度の三千万円の使い方はこれは長官も新らしく見えましたし、研究部その他試験所と十分検討いたしまして最も有効な使い方をしたいと、今寒天を続けるとか何をどうするということをもう少し検討してからやりたいというつもりでおりますから、本年のものをそのまま続行するとかいうことでなくてもう少し一つ新らしい見地から研究したいと考えております。
  40. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 この研究については本当か嘘か知らんが余り香ばしくありませんような噂もありますし、殊に寒天については救済事業のごとき感じもするような話も聞いております。特に最近の海外の情報によりますと、今申しましたような人造寒天と申します。か、自然寒天でない方法によつて寒天同様なものができるということによつて非常な脅威を受けておるというようなこともありますので、果してこれをどういうふうに研究して行つたらいいのか、それをちようどナイロンその他の化学繊維と自然繊維といつたような関係になるのでありますが、これらの点については研究するならば研究するように一つの目標を以てやつて行かないと国費を入り用のないほうに使うということになりますので、お調べの上衣の機会においてお答えを得たいと思います。
  41. 小滝彬

    ○小滝彬君 百六十七番の海洋漁業対策委員会に必要な経費という項目があります。この委員会の業務を見ますと相当重要な事項が含まれておる、相当経費を要すると思うのでありますが、その金額は八十六万六千円だけが計上してあります。これを御当局のほうでは十分とお考えなつておるでしようか。この点お伺いいたします。
  42. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 私はこの予算を書くときにはおりませんのでその交渉の経過は知りませんが、率直な感じを申上げますと十分とは言えない気がいたします。
  43. 小滝彬

    ○小滝彬君 私は対外的に交渉をします場合に、こういう漁業関係のごときは特に資料をよく備えておくということが最も大きな武器でありまして、こういう予算でやられるというと、例えば横文字の印刷物を作つて何十カ国のものを、私の心に思つておるものは、捕鯨界の例をとりましても多数配らなければならない、そうすると書物を作るだけでも随分金がかかる、而もそれの研究費には水産庁予算で賄い得ないような項目が事実上出て来た例を私承知しておりますが、この辺は日本の水産業に非常な重大な利害関係があることなんで、もう少し考慮の余地はないものかどうか、事実この案を立てたかたともお話下さいまして、何かもう少し考えて頂けないかというふうに考えますがもう確定したものですか。
  44. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 一応これは確定したものとしてなつておるのでありますが、私も会計課長を三年ばかりやりまして、予算と実体と合わんような問題が出て非常に苦しいことがあるのでございます。これも御指摘の通り横文字の印刷で関係国に相当部数配るということになりますと非常に金がかかります。この場合は水産庁の問題としてでなくどうしても足りん場合にはやはり農林省全部として考えて頂いていろいろ各局彼此融通してやつて行くというようなことも考えられます。まあいろいろそういうことで業界や何かに迷惑をかけるとか何とかということのないように成るべく農林省一本でそういうものを賄つて行くというような態勢で、我々も足りん場合には交渉をするというようなつもりでおります。
  45. 小滝彬

    ○小滝彬君 例えば大きな会社でやつている遠洋漁業のごときはこの項目に出ております委託費のごときもので或いは賄えるかも知れませんけれども、一例をとると雌鯨のような小さなものの調査になりますと、水産研究所のほうももう係官の分担がきまつておると思います。非常に実際問題として困難があると思いますので今年度は仕方がないとしますならば、條約上の義務もありますしこういう研究調査は是非今後の追加予算なり或いは来年度予算にはこの点を重要視して頂くように水産庁に対して希望を申述べておきたいと思いまする。
  46. 千田正

    千田正君 今の問題に附随してですが、この太平洋條約に関する予算ですが、これはやはり各国分担ということになりますと外務省としての負担となるのですか、それとも水産庁が負担するのか。当然これはアメリカ、カナダ、日本との三国の間に結ばれる條約に基いての効果が発生した場合、派遣員の駐在費とか或いは常備調査の報告とか、相当額に上る予算を必要と思うのでありますが、これはいわゆる池田蔵相の言う想定に基く一応の暫定予算として組んでおるのですが、その点をはつきりして頂きたい。
  47. 伊東正義

    説明員伊東正義君) その負担の問題ですが負担と言いましてもいろいろな内容があると思います。例えば海外に出張して行くということもやはり負担と考えれば負担でありますが、海外出張等につきましてはここに金は計上してございません。これは大蔵省に一括計上してございます。毎年その都度国際会議に出ました場合は外務省、大蔵省と連絡しまして旅費等はそつちから出してもらつております。それから国際分担金のような問題になりますとこれもやはり大蔵省に一括計上いたしてありまして、例えば農林省が今度はFAOに加入したのでありますがそういう場合の分担金のごときは、やはり国際分担金として大蔵省に計上してあるものから出すわけなのであります。でここでそういうものは入つておりません。ただ今おつしやいましたほかの事実上の負担と思われまするいろいろな事務費がございますが、そういうものにつきましては外務省にお願いする、従来の経緯から行きましても外務省にお願いするといたしましても、なかなかあそこも予算がなくて逆にいろいろな問題でこつちへ要求があるというようなことがあるくらいでありまして、やはりこれにつきましては農林省予算で負担して頂きたい、そういうことに相成ろうかと思います。先ほど申しました旅費とか或いは国際分担金のごときは、これは大蔵省に一括計上してございます。
  48. 千田正

    千田正君 大体御趣旨はわかりましたが、さつきも同僚の小滝委員の御質問がございましたように、海外で日本の立場を或る程度主張するためには相当相手の国と比較して、十分こちらも主張し得るだけの資料を日本として整えなければならない。そういう意味から言いますと従来のような單純な考えではやつて行けないと思いますので、むしろこういう面のことも日本の水産業の世界的進出、或いは世界の国家群の中に国際的な立場で日本の水産が十分に認識されるように行くためには相当の予算を組まなければならないのではないかと我々は思考するのであります。これは一応今年度はこう組むにしましても十分にその辺を研究されて水産庁或いは各行政その他の関係する面において相当の資料を整えて、如何なる国に対しても十分日本の生産上の統計が集まつてつて恥かしくないものを持つて、日本の水産のために国際面に進出してもらいたい、こう思うのであります。この資料は我々も決して豊かな資料だと思いません。この点についてもうちよつと愼重に考えられて、事務の或いは増加できるような場合は増加するように一つ考え頂きたい。  もう一つお伺いしたいのですが、「おつとせい」の調査の問題なんですが大体前から私この問題で盛んにやつておりますのでその関係でお伺いするのですが、大分いろいろな三陸沿岸の魚類は相当「おつとせい」にやられているという報も聞くのでありますが、この点も実態調査は十分できているのでありましようか。この点についてはいずれ改めてお話を承りたいと思いますけれども、一応予算説明に基きましてその点特に出ているかどうかこの点についても伺いたいのであります。
  49. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) 「おつとせい」の問題につきまして日米加協定と併行しまして、それでアメリカ及びカナダから共同調査の申入がございまして、それで我々のほうとしてもそれは非常に結構な調査であるから協力しろというふうなことになつております。で実は一昨日アメリカのほうからウイルキー氏という専門家が見えておりまして、又あとアメリカ、カナダから一名ずつ来られることになつておりますけれども、できるだけ早くできればこの三月頃から六月にかけて「おつとせい」の状態、それからそれの季節別、月別に食つている魚の種類その他について生物学的にきちつとした調査をやつて、それで「らつこ」とか「おつとせい」の問題について資源の保護上必要な措置をとりたい、かように考えております。この経費は一応今年度はアメリカ政府のほうで持とう、来年四月以降になれば予備金等日本も一部は分担したほうがいいと思いますけれども、向うの専門家が来ました上で調査報告、隻数を何隻使うかというようなところからそろばんしてそういう分担会計をきめて参りたい、こう思つております。必要に応じては、先ほど小瀧さんからも国際的な問題についてお尋ねがありましたけれども、これは終戰直後においても漁区の第一回目の拡張、それから捕鯨出漁をやつてもらうときにも、私当時漁政課長をやつておりまして、数十万の金を、当時の数十万ですから大きいのです、それを内部で流用を認めてもらつて至急作りまして一、二、三とそれで四、五を検討して六月に漁区拡張をやつてもらつたわけですが、そういうふうな国際的な関係があります場合には資料が非常に大事なんで、全く御指摘の通りで、果してこの経費で全きを得るかどうかということについては必ずしも自信はございませんが一応計上してございますので、まあ本当に急速に資料の整備等の必要があれば、又その額が非常に大きければこれは予備金等によつてつてもらう必要も生じ得るかと思つております。「らつこ」「おつとせい」についてはそういうふうな形で考えることに大蔵省と下打合せができております。
  50. 小滝彬

    ○小滝彬君 先ほど千田委員からのお話に関連しまして「おつとせい」に関しましてはロシア、アメリカ等の協定によつて立派な研究発表がされておりましたが、爾来「おつとせい」の研究はずつと継続されておりますやら、その後の文献が残つておりますやら、参考のために一つ長官御存じでしたらお伺いしたい。
  51. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) 私も資料の点については詳細はまだ聞いておらないのですけれども、石野さん時代の資料は、政府のほうは燒けましたからなくなつておるかも知れませんが、あの当時の資料は学校であるとかその他どこかにあると思います。それから尾崎海洋課長が専門家としてこつちの関係はずつと長く昔からやつておりますから相当資料はあるとは言つておりますけれども、詳細についてはどれほどのものかはまだよく聞いておらないので又今度の機会にでもよく御説明いたします。
  52. 小滝彬

    ○小滝彬君 実はあのときの資料があれば、あれはアメリカ側もちよつと何されたような点もあるし、今度のあれにも非常に役立つと思います。
  53. 千田正

    千田正君 時間がありませんから簡單に二、三。十和田孵化場の問題ですがこれは大分、百四十三の「食糧増産対策経費の内」の問題ですが相当紛争しておつたようでありますが、これは無事解決ついて国営ということになつたのでありますか。その点を簡單に今後紛争がないのだろうかという点についてお伺いしたい。
  54. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これは今後紛争はないというふうに我々は考えております。解決して国営になつたというふうに考えております。それで事務所等は若干作りますが施設等も全部借りてやれるというふうに話合いがついております。
  55. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) まあ予算については伊東部長から詳細な今御説明がありましたが、まだ相当委員のお方から御質問もあろうと思いますけれども今日はこの程度で打切りたいと思います。  それから青山さん、小瀧さんはお見えにならなかつたのですが、先に秋山委員の御提案で二月十一日月曜日に漁船不当拿捕に関する件について証人を喚問して委員会を開くことに決定いたしました。その証人の数は大体五人、参考人は二人、この人選についてはいずれ皆様に御賛同頂いた上決定したいと思います。  もう一つは十五日に真珠養殖事業法に対する証人喚問をいたしたい。それは証人は全部で七名であります。それは協同組合側から二人、それから反対者から二人、賛成者から二人、それに知事を加えて七名であります。かようになつておりますからその日は是非御出席願いたいと思います。  なお明後日の委員会には農林大臣の列席を求めております。それで水産の一般的の御質問一つお願いいしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十五分散会