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1952-04-21 第13回国会 参議院 建設委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月二十一日(月曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            深水 六郎君            徳川 宗敬君            松浦 定義君   事務局側    参     事    (議事部長)  河野 義克君    常任委員会專門    員       武井  篤君    常任委員会專門    員       菊池 璋三君   説明員    特別調達庁管理    部次長     桜井 良雄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障條約第三條に基く行政協定の  実施に伴う土地等使用等に関する  特別措置法案内閣送付) ○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命  令に関する件に基く建設省関係命令  の措置に関する法律案内閣提出、  衆議院送付)   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 只今から建設委員会を開会いたします。日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う土地等使用等に関する特別措置法案を議題に供します。政府より逐條御説明をお願いいたします。
  3. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) それでは只今法案につきまして説明員から御説明を申上げます。提案理由につきましては前回におきまして、調達庁長官より御説明を申上げた通りでございます。本日は逐條的に大体の意味と問題の所在を申上げて御説明をしたいと存じます。  第一條はこの法律目的でございまして、これはもう申上げるまでもございません。ここに書いてありまする通りでございますが、問題は例えばB国についてはどうするかというような点がございますが、これはこの法案は目下駐留軍、つまりアメリカ合衆国の軍隊だけしかございませんが、これを相手にしました法案でございまして、B国等におきましては個々に條約ができますれば格別でございますが、この法案は直接関係ございません。  それから第三條は定義でございますが、「土地等」と書いてございます文字定義でございまして、これはそこにございますように「土地若しくは建物若しくはこれらに定着する物件又は土地收用法五條規定する権利」を言つておるのでございまして、更に「建物にある設備又は備品当該建物運営上これと一体的に使用されるべきものを含む」というふうに定義してございます。そこで「土地若しくは建物若しくはこれらに定着する物件」というのは読んで字のごとくでございますが、「土地收用法五條規定する権利」と申しますと、いろいろそれらのものに設定されておりますところの地上権でありますとか、賃借権、或いは地役権鉱業権その他もろもろの権利がございますが、そういつた権利もこの法律目的になる。従いまして、「土地等」の概念の中に含めましたわけでございます。更に「建物にある設備又は備品」と書きましたのは、行政協定の第二條に、やはり施設区域の中にあるもので、その「施設及び区域の運営に必要な現存の設備備品及び定着物を含む。」という文字がございますので、やはりこれらのものは駐留軍の必要に応じまして、行政協定に基きましてこれを提供しなければならんというふうに日本政府は義務付けられておりますので、やはりこれを「土地等」の概念に含めましたわけでございます。併しながら飽くまでもそれはその建物運営上これと一体的に使用されるものに限りましたわけでございまして、何でもかんでも建物の中にある品物をこの法律使用するということではございませんので、それがなくしては建物運営上支障を来すというような場合に限りたいというふうに考えているわけでございます。  第三條は土地等使用したり收用することがこの法律でできるということを書いたわけでございまして、この際いろいろ問題になりますのは、大体土地等を必要とするということは、行政協定によりまして、日米合同委員会を通じまして両国政府がこれを決定するということになつておりますが、その関係と二行目に「適正且つ合理的」と書いてありますが、それは一体誰がどうしてきめるのか。そういつたものはもう合同委員会できまつているのじやないかというようなことが考えられるわけでございますが、これは大体どういつた土地等を必要とするかということは、日米合同委員会を通じまして両国政府が決定をいたしますと、大体こういつた土地等が必要であるということが一応きまるわけでございます。その場合に以下第四條、五條、六條等によりましての手続を経まして、これが適正且つ合理的であるというふうに認められましたときには、この法律を運用いたしまして、これを使用し又は收用するということに決定したわけでございます。  そこでこの四條以下はその手続でございます。即ち土地等が必要であるということがきまりますと、調達局長は先ず原則といたしまして、自由な契約交渉を開始するわけでございます。一定の基準によりまして、契約條項によりましてこの土地等政府を通じまして駐留軍提供するように所有者その他の関係人と自由な契約交渉を始めるわけでございますが、それが不調に終りましたときに、初めてそれではこの法律によつて使用し又は收用しなければならんということになるわけでございまして、そこで第四條によります手続が始められるわけでございます。その際所有者又は関係人意見書その他の書類を添附いたしまして、使用認定申請書、或いは收用認定申請書調達庁長官を通じまして内閣総理大臣に出しまして、その認定を受けるということに相成つているわけでございます。これは土地收用法におきまして、事業認定ということがございますが、その手続に該当するものでございまして、土地收用法におきます場合の事業認定手続が大変混み入つておりまして又暇も非常にかかる、併しながら駐留軍に対しましてそういつた手続をとりましては、必ずしも駐留軍の緊急な用に応ずるために適当であるとは認められませんので、その点を簡素化いたしましたためにこういつた規定なつたわけでございます。  そこで第五條に参りますと、内閣総理大臣調達局長からそういつた申請を受けますと、それを調査いたしまして、土地等收用使用等認定をするわけでございます。その際に第六條にございますように、必要な場合には関係行政機関の長及び学識経験を有する者の意見を求めるわけでございまして、元来が合同委員会を通じまして、両国政府の決定したものは一応その通り決定したわけでございますが、更にこういつた愼重手続を経まして、関係行政機関意見でありますとか、関係人意見とかいうものを参酌いたしまして、総理大臣愼重手続をやつて認定をするというふうにしたわけでございますが、この認定の結果が合同委員会等意見と合致いたしません場合には、更に合同委員会を通じまして訂正を申込むということも事実あるかと思われますが、大体はそういつた矛盾は起らないものというふうに考えているわけでございます。第七條はそのような認定をいたします場合の処分の通知告示、或いは公告といつたようなことを書いたわけでございますが、これは所定のそこにございますような官報による告示或いは調達局長公告、そういつた手続を書いたものでございます。第八條はそのような告示がありました後、土地使用收容の必要がなくなりましたときは調達局長から大臣に報告する。又その他必要のなくなりましたことがもう関係人等通知をしてしまつあとでありましたときは、又関係人等にもその旨を通知しなければならないという当然の規定でございます。第九條は「建物使用に代る收用請求」という條文でございますが、これは大体土地收用法の八十一條土地使用した場合において、その使用が三年以上に亘りますとき、又はその使用によりまして形質が変更いたしました場合等には、所有者からその土地收用してくれという請求権を認めることになつておるのでございますが、土地收用法ではいろいろ土地に関する規定建物に準用することになつておりますが、この八十一條におきましては、建物に対する收用がございません。従いまして建物收用いたします場合には、土地收用法八十一條では間に合いませんので、特にこの九條に建物收用の場合を規定いたしたわけでございます。ここでいろいろ問題になりますのは、従来占領期間使用されておりましたもの、それは或るものは三年以上経つておりますものもございますが、そういつたものは一体直ちに收用できるのかということでございますが、原則といたしまして、占領期間中の使用はこの期間の計算には含まない、飽くまでもこの法律によりまして使用したもの、その使用が三年以上にわたるとき云々というふうに解釈するわけでございます。それから第二項にございますのは、土地收用法八十一條土地收用いたします場合に、その上に乘つている権利存続というような存続請求條文でございますが、それをただ建物の場合にも適用するというのでございます。第十條は土地等使用に対します損失補償支拂に関してでございますが、通常土地收用法によりまして、土地等使用いたします場合には、最初使用期間に対しまして、全期間に対しまして、その使用によります損失補償金額を決定いたしまして、事前に全部拂つてしまうということの建前なつております。ところが駐留軍の場合におきましては、起業者が国でございますが、実際上使うのは軍であるといつたような建前もございますし、又財政的見地等を勘案いたしましてその金額使用の全期間或いは数年分とか十数年分とか、一括して前拂いするということは必ずしも適正妥当ではない場合もございますので、こういつたように一年分ずつに分割して支拂うことができるということにしたわけでございます。第十一條は、土地等返還及び原状回復に対します制限でございまして、これは土地等返還いたします場合には、その所有者から何も請求が来ません場合にはそのままに返すのでございますが、若し原状回復してもらいたいという請求がありました場合には、原則としては原状回復しなければならないということになつておりますのが土地收用法建前でもございますが、併しそれも必ずしもいろいろ社会上、経済上適正妥当であるとは常に限つたことはないのでありまして、そういつた場合に土地等原状、元の姿に回復するということは非常に困難な場合もございますし、又むしろ原状回復しないで、そのままに返したほうが有効且つ合理的に使えるという場合もございます。そこでそういう場合には原状回復しないで、そのまま返すことができるというふうに規定するほうがむしろいろいろな観点から適正ではないかということで、こういつた條文を特に設けたわけでございます。そこで第二項におきましては、併しながらそういつた場合に、若し土地所有者関係人等損失を受けますれば、これを補償しなければならないというふうにしまして、損失の面でこれを救うわけでございますし、三項はこういつた土地等原状回復しませんで返還するという場合におきまして、実際問題といたしまして、いろいろ使用中に軍が費用を投じまして、中のいろいろな施設等を附加えましたり、或いは改良いたしました結果、価値が生じておるという場合が多々あるわけでございますが、その場合にその利得の存する限度でこれを国にその利得金を納めさせるというふうにいたしましたのは、これも民法の建前から申しましても、百九十六條でいう有益費の償還をさせることができるというふうな原則がございますのに対応いたすものでございまして、併しながら、第四項におきまして、その金額を一遍に納めることができない場合もございましよう。そのために七年以内の範囲でこれの延納を認めようではないかというのが第四項でございます。これは現在、この通りにやつて来て処理して来たものでございますが、今後もやはりこういつたことが必要ではないかと存ずるのでございます。第十二條におきましては、こういつた返還をいたします際に、原状回復しないということに対して不服もありましようし、又それに対する損失補償或いは利得の納付ということについての不服もありましようが、これにつきましては総理大臣に対して不服の申立をすることができるということにいたしまして、所有者或いは関係人保護をしたわけでございます。この使用に関しまするいろいろな補償につきましては、若し協議が整いません場合には、收用委員会にかけるというのが土地收用法原則でございますが、この使用の済んだ建物土地等返還いたします場合に、この二十一條にありますような補償なり、利得ということにつきまして協議の整わない場合には收用委員会にかけるようになつておりません。そこでこれは総理大臣に対しまして不服の申立をすることができるというふうにしまして、ここで救おうということでございます。そこで総理大臣は、この不服に対しまして裁決をしようとするときには、中央調達不動産審議会意見を聞かなければならないというのが第二項でございまして、現在調達庁設置法によりまして、中央調達不動産審議会というものが設けられておりまして、いろいろ借上料基準等につきまして、ここで意見を聞いて長官が決定するということになつておりまするが、その機関を利用いたしまして、民主的にそういつた不服に対する裁決をしようということでございます。第 十三條は引渡調書なつておりますが、これは土地收容法にはこういつた細かい規定はございません。と申しますのは、大体收用を主としたような土地收用法建前でございますので、それを返還いたしまする場合に細かいことは規定してないのでございますが、駐留軍に対しまする土地等提供につきましては、軍としましては必要な期間だけ使うというのが建前でございまして、やがてそれを返すのであるということが原則なつておりますので、この返還をいたしますときの規定をやや詳細に設けなければならんというのがこの趣旨でございます。従いましで、土地收用法におきまして、土地使用するときに土地調書でありますとか、物件調書というようなものを作るのでございまするが、それをこの駐留軍によりまする土地等使用につきましても、そのまま採用しておりますが、返還をいたしますときにそれに対応する調書がございませんので、それがこの引渡調書ということになるわけでございます。そこで土地等返還いたしまする場合には引渡調書を作ること、それにはどういう事項を記載しなければならないかというようなことにつきまして規定したのがこの條文でございます。  それから第十四條は、これはこの法律土地收用法に対する特例法なつております建前上、この條文によりまして、この法律に特別の定のある場合はすべて土地收用法條文をそのまま使うのだ、ただその場合にいろいろ事業の名称でありますとか、「起業者」と言う代りに「調達局長」と読むとか、いろいろそういつた読み替えがございますが、そういつた点、それから收用法の中で要らなくなつた規定もございます。例えば事業認定に関する規定でございますとか、いろいろ一般のの土地收用の場合にだけは必要があるけれども、そういつた駐留軍に対しまする土地提供には必要がないというような條文がございますが、そういつたものを除くというようなことを書きまして、それ以外は全部適用するのだということを細く書きまして、混乱を防いだわけでございます。この細かいことに関しましては、いずれ技術的な事項といたしまして、政令で読み替えの規定を作るというのが第二項でございます。   以上が本文でございますが、附則といたしまして、相当重要な事柄を経過的に定めてあるわけでございます。第  一項「この法律は、日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約の効力発生の日から施行する。」、これは当然のことでございます。  第二項はいささか問題でございまして、現在連合国軍最高司令官の要求に基いて使用中の土地等についてはどうするかと申しますと、これは大体條約発効後九十日間はなお占領軍として残ることができるということが平和條約第六條にございますので、一応この九十日間は在来契約をそのまま延長いたす手続をとりました。従いまして條約発効後九十日間は在来と同じような契約で引続き使用いたしておるわけでございますが、その間にいろいろこの新らしい法律によりまして、或いは自由な契約等交渉を始めるわけでございますが、何分にも契約件数等非常に多量でございまして、今度自由な契約交渉をいたしますにつきましても、或いはこの法律によりまして所定手続を踏むにつきましても、非常に慎重な考慮並びに手続は踏まなければならん。そのためには相当な日数が要りますので、これを又あわててやりますと、最初占領後初めて接收いたしました時のような非常に混乱状況に陷りまして、所有者関係人等権利等が非常に混乱状態のうちに必ずしも適正に保護されないというような状況に鑑みまして、やはりどうしても九十日以後六カ月間だけはそういつた日にちを、猶予期間を頂戴いたしませんと、実際に技術的、物理的にその処置が困難であるという意味におきまして、九十日以後六カ月間だけはなお一時的に使うことができるのだということを規定したのが第二項でございますが、勿論政府といたしましては、九十日以内、或いはこの六カ月の間にあらゆる努力を拂いまして、個々契約の点につきまして新らしい任意契約をし、或いはいけなければその場合にはどうしても六カ月間だけは一時使用するということにして頂きませんと……この六カ月の間におきましてそういつた契約の成立しないものにつきましては更に契約の成立、或いは今度はこの法律本文によりまするところの細かい詳細な手続を始めて、六カ月を越えましたならば本当の自由な契約か、或いはこの法律本文手続を経た使用によるか、いずれかになるわけでございます。なお、行政協定交換公文によりますると、協議の整わないものにつきましては、引続きそのまま使うことができるということになつておりまして、それにつきましては別に期間の定めがございませんので、協議が整いませんと、ずるずると相当長い期間使用されるということも懸念されるのでございますが、それを無制限に一時使用ということではなりませんので、政府といたしましては、六カ月の間にあらゆる努力を拂いまして、自由な契約、或いは新らしい法律によります正当なる使用ということに努力をいたしたいと存じまして、その猶予期間がまあ六カ月間、その間止むを得ず一時的に使うことができるというふうに規定いたしたわけでございます。併しながらその使用に関しましては第三項にございますように、自己の見積つた損失補償額を前以て拂い渡すということもございますし、又第四項によりまして、そういつた損失土地收用法によりまして、通常使用の場合と同じように補償をしなければならん。つまり後の清算といたしまして、一応損失補償額は前渡しはいたしますけれども、見積つた損失補償額でいたしますけれども、通常方法によりまして計算いたしました補償をしなければならんというのが第四項でございます。  第五項は、従いましてあらかじめ見積つた損失補償額というのはその場合は内拂として差引くのだということが書いてございます。  而もなお第六項におきまして、そういつた一時使用損失補償につきまして協議が成立しない場合には、收用委員会に対し裁決申請ができるということで、愼重保護方法をいろいろ考えているわけでございます。  第七項は、そういつた一時使用の場合においてその使用期間が満了したときは返さなければならんというのは当然のことでございます。  第八項は、その場合に所有者はやはり土地等原状回復請求ができるのでございますけれども、この場合にはやはり先ほど申上げましたように、原状に帰らないで返すこともできるし、又その場合には補償し、或いは利得を納付させることができるというのが第八項、第九項の規定でございます。  第十項は、この法律によりまして、調達庁設置法に影響がございますので、設置法中央不動産審議会に関しまして、更に先ほど申上げましたような「内閣総理大臣の諮問に応じ、意見を述べることができる。」という権限を一つ與えましたわけでございます。   以上大変簡單でございますが、一応問題の所在を申上げまして御説明に代えたわけでございます。
  4. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。
  5. 赤木正雄

    赤木正雄君 第三條でありますが、先ほどの御説明には、どのような土地を向うが使うかは合同委員会で決定すのである。で合同委員会で決定しないいものはわからないことになつておりますが、私はこの法律を審議する前に、むしろこれこれの土地を使うのだということをあらかじめきめられて、その土地が果して、この法律を適用していいか惡いかを審議するのが本当で、今後合同委員会土地が決定されるとそこに矛盾があるように思うが、これはどうでしようか。    〔委員長退席理事小川久義委員長席に着く〕
  6. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) まだ合同委員会はできておりませんので、只今は御存じの予備作業班ができておりまして、その予備作業班で全国的に、いろいろ施設なり区域範囲を決定しつつありますが、それがそのままで合同委員会に引継がれることになつておりますので、予備作業班でやつておりますことは合同委員会でやつたと同じことになつていますが、それを通じて決定することが行政協定に書いてございますので、それは飽くまでもこういつた措置が必要である、よかろうということで両国政府が決定するわけでありますが、それではそれをどういうふうにして提供するかということは何も決定してございませんので、それを先ず契約でやり、契約がいけなければ果してこういつた收用使用手続でとるのがいいか、適正で合理的であるかということをその後愼重にきめて、この法律で以てやるという順序を計画しているのでございます。
  7. 赤木正雄

    赤木正雄君 合同委員会が今の準備委員会あとを引継ぐのだ、それは了承いたしますが、私の質問の趣旨は、根本問題として行政協定のことについてもそういう問題が実際は起るのです。あれほどの行政協定があるならば、もつと詳しく審議すべきだ、それをつまり白紙委任にしてしまつたのだ。我々もそうなんですが、それがために問題が起つた。そういうことがありますから、むしろこういう土地、こういう建物、それをはつきり合同委員会できめられて、それから初めてそれに適応する法律を審議する。できるものがわからんうちにこの法律を審議するのは間違いじやないか、こういうふうに考えます。
  8. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 併し合同委員会といたしましては、最初に全部一時にはきめ得ないでございましようし、それがあの交換公文にもありました精神で、とにかく協議が成立しないものは取りあえず続けて使うのだということにしてありますぐらいでありまして、合同委員会で一時にきめ得ないから量なり質のほうに非常にむずかしい問題があろうかと思われますので、それを全部きめましてからやるということになりますと、それまではどうにもそういつたものが使えないというので、逐次そういつた委員会できめられますので、それをどういうふうに扱うかというのでこういう法律が必要であるというふうに解釈しているのでございます。
  9. 赤木正雄

    赤木正雄君 そこが根本の考えの相違で、きまらん、きまらんで止むを得んから暫定的の措置をやる、こういう法案のごときはさまつてからのちに審議すべきである。それが本当のように思いますが、どうですか。
  10. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) もうそういつたものは、個々にきまりました以上は、やはり向うとしましては直ちに使用が始まらなければ軍の駐留の目的は達成できませんし、又一方国民といたしましては、区域がきまり、使用が開始されますれば、一日も早く正当な補償をしなければならん、国民を保護しなければならんというためには、やはり一日も早くこういう法律を設けまして、個々使用の開始されたものから補償をし、保護して行くということが必要だと思つている次第であります。
  11. 赤木正雄

    赤木正雄君 国内の土地收容は、国内の人が行うときには同じ同国人でありますから、それほど面倒なしに済むかも知れませんが、この場合は非常に違つた場合でありますからして、利害が非常に違つて来る、そういうことも考えられるのであります。でありますからして、私は一般の土地收用とは無論違いますし、むしろ全部の全貌を示されて、その個々に当つて果してこの法案を適用するかどうかというのが本当じやないかと思いますが、どうですか。
  12. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 御趣旨誠に御尤もと存じますけれども、何分にも事柄はいろいろ駐留軍の作戰にも関係いたしますので、こちらから全部のそういつた計画を示せということを言いましても、必ずしも軍といたしましても非常に困難であろうとも思いますし、又個々施設区域等につきましても、利害関係その他によりまして簡單に協議の成立しますものもございますし、非常に問題の起るものもございますししますので、やはり政府といたしましては問題の簡單なものから個々に憲法の二十九條に照しまして、やはり合同委員会で必要だときまりましたものは、これは公共の目的に関するものであるということになりますので、それは正当な補償の下にこれを提供することができるという精神の下に補償を適正合理的ならしめるようにこの法律を適用してやつて行く。それが行政協定実施いたしまして、行政協定、條約の遵守と、私有財産権の調整を図るという目的に副うゆえんであるというふうに考えておる次第でございます。
  13. 赤木正雄

    赤木正雄君 今お話のようになかなか面倒な問題もあるようであります。そういうことがあればあるだけ私は先の私の説を強く言いたいのであります。そうでないと、後々困難のものが起つた場合にこの法律を適用されてそれで処理するということはこれは非常に不都合が起りはせんか。私の言うのは、まだわからんところのものを審議するのは無理なように思いますが、一体アメリカが駐留して日本を守つてくれる、これは大いに私は感謝しております。併し日本の軍隊がおつたときでもすでに問題が起りまして、どの土地を軍隊が使用するか我々知らなかつたのです。それがためにいろいろな不都合のことが起つたのであります。まして、アメリカの軍隊が駐留する以上には国民としてはあらかじめ知りたいのは当然であります。これは知るべきだと思います。幾ら行政協定があろうとも何があろうとも、我々は先ず以てその土地の全貌を知るべき責任がある。その全部の土地、或いは公共物、或いは私有物それを向うがどう使うか、どの目的に使うか、それがわかつて初めてこういう法案は審議し得るので、そういうものがわからないうちにこの法案を審議するのは少し順序が間違つておる、こう思いますが、如何ですか。
  14. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 御質問誠に御尤もと存じまして我々も御同感申上げる次第でありますが、やはり施設並びに区域の決定はいろいろ作戰上の問題でもございますし、或いは朝鮮戰線の変化等によりまして随時変つて行くようなものでもございますし、或いは政策といたしまして、都市の中の接收物を空けまして郊外に移るとか、いろいろな問題に絡んで参りますので、全貌を決定してこれだけということはなかなか駐留軍としても言い得ないのではないか、むしろ合同委員会個々に決定し参りまして、そうしてだんだんその審議が進みますに連れまして、もうこれ以上接收は駄目だ、そういうものは全国的にばらまいてあるから駄目だとか、或いはそれが欲しいなら前のこれはやめろということで、だんだん合同委員会で是正して一方は返還し、一方は改めて收用して行くというようなことで是正して行くような措置がとられるのではないかというふうにも考えておる次第でございます。
  15. 赤木正雄

    赤木正雄君 今お話の通り軍隊のこれは秘密を守る必要があるかも知れないが、国民といたしましては、日本の軍隊がおつてさえ相当秘密を知りたい、知ることが必要だつたんです。それを知らないためにいろいろな不祥事件も起つておるのであります。まして駐留軍隊であるならば、よし朝鮮事変があろうと何しようと、一層国民としてはあらかじめ知るべきことだと私は思います。その観点からして今の説明では納得しがたい。相当全貌を知つて初めてこの法案の審議ができると思う。あなたのほうではまだどういうところの土地を向うは使用するとか、そういうようなことはわかりませんでしようか。
  16. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 目下合同委員会の前身であります予備作業班で全国的に審議を始めておるようでございますが、いろいろ分科会も設けまして、例えばコマーシヤル・ポート、商港そういつたものの分科会もあります。工場の分科会、住宅の分科会、演習地の分科会等もありまして、その他のものは一切本会議でやつておりますようでございますが、なかなかやはり個々施設につきましては相談がまとまりません。例えば商港委員会には私も出席いたしておりますが、横浜をどうするかというような問題でも、ノース・ピヤという大きな波止場があります。とれを軍は提供せよと言うし、日本側は横浜では一番大事なところだからなかなかむずかしいとか、いろいろ問題がありまして、それで分科会では意見決裂で、これは予備作業班の本会議に移そうというようなことになつておりまして、そういう工合で各地でなかなか一朝一夕に解決が付かない状態にございます。その軍隊の数にいたしましてもよくわかつておらない状況でございますので、取りあえずこういつた行政協定を結びました以上、当然それを果すべき義務がございますので、それに対しまする義務と私有財産権の調整を図るために、どうしてもこういう法律が必要であるという結論に達したわけでございます。
  17. 田中一

    ○田中一君 この土地收用に関連する予算として二十七年度予算にどれだけとつてありますか。
  18. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 予算につきましては先ほどからの御質問にもありますように、なかなか全貌がわかりにくいということでございまして、それから又補償基準等にもよりますので、基準も目下作成中でございますが、果してこの基準協議が成立するか、或いは成立しない場合に收用委員会にかける、そういたしますと收用委員会がそれを上廻つて採決しますというようなことも考えられますし、しますので、全体的の予算としての数字は大変つかみにくいわけで、まだ確定的なことを申上げられない次第でございます。
  19. 田中一

    ○田中一君 我々が伺つておるところでは、二十七年度予算においてたしか九十七億か六億かのうち、この土地收用に、いわゆる不動産に対する予算ともう一つは役務に対する予算と二つになつておつたと思うが、それをどう分類されて幾らになつておるかということを伺つておるのです。
  20. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 政府の防衛支出金の中に九十二億が日本政府が責任を以て支出し得る金額なつておりまして、それはもつぱら不動産関係使用されるということになつておりますが、この九十二億の内訳そのものは非常にまだ不明確でございまして、これには土地使用に関しまする借上料に相当する補償料も入つております。又收用しなければならん場合、收用する費用も含めなければならん。又一方解除になつて行きます場合に、解除しましたものにつきましては、それの損害まで補償しなければなりませんが、それと共に借上げに関しまする補償料は減つて行くという、いろいろ錯綜した事柄がございまして、九十二億の内訳が果してこれで足りるか足りないかという問題もございますのですが、政府といたしましては相当の解除があるという見込をつけまして、又補償等の基準も適正にいたしまして、この九十二億でどうしてもやらなければならんというふうに思つておりますが、万一これで不足いたします場合には、それは止むを得ないことでございまして、やはり補正予算等を組みまして解決しなければならんのじやないかというふうに考えておる次第でございます。
  21. 田中一

    ○田中一君 大体六百五十億の防衛分担金というものを支出した場合に、これ以上出さん、防衛費にはこれ以上分担しないということが建前なつたように我々了解しておるのですが、そのうちの九十二億というものが不動産並びに役務も入つておりましたか、そういうものに使われる。併しその九十二億の内訳は先ほど赤木委員の言つたように白紙の状態で、白紙委任をさせられた形で、原則は何ですか、根本のこの特別措置法が土地收用というものよりも土地使用ということが主眼になつているように考えられるのです。例えばこの第三條にあるように、使用又は收用とありますが、事実においては九十二億程度のもので……、飛行場一つ作りますにも莫大なる金がかかるわけなんです。その場合の原則として政府收用目的か、使用目的か。そのうちの第九條にあるように建物は三年というようなことを一応考えておるようですが、この考え方は使用目的か、收用目的か。明白にして頂きたいと思うのです。
  22. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 只今御指摘のありましたように、使用原則というふうに考えておるわけでございます。それは実は使用者が国ではございますが、事実使うのは軍でありまして、軍といたしましては、これは必要な期間だけこれを借りて置けばよろしいのだ、あとはもう撤退すればそういうものは要らんというのが建前でございますので、やはり国といたしましては、これは使用すればいいのだというのがどうしても原則になるわけでございますが、それを使用するために非常に期間が長くなりましたり、形質を変更しましたりしまして、所有者等がこれではたまらんということになりますと、やはり財産権を保護いたしまする建前から、收用請求権を認めたということでございまして、或いは場合によりますと、政府みずから使用をいたしますよりは收用したほうがいいという稀な場合には、政府が自発的に收用することもございますけれども、政府建前といたしましては使用を主といたしまして、止むを得ず請求のありました場合には、所有者保護する意味におきまして收用権を認めたということでございます。
  23. 田中一

    ○田中一君 私はこの法律が仮に通過したものとすれば、相手方は駐留軍でなくて政府と考えるわけです。その際土地收用駐留軍というものが何年間駐留するという面から出発しなければ收用使用によるところの国民の利益、不利益というものは算定できないわけなんです。併し現在の段階において我々が客観情勢を判断するのに、日本の再軍備というものが今の内閣の行き方からするならば必然と見られてもいいと思うのです。その際例えば飛行場の滑走路を造る、その場合これは大型機は飛ぶんですから、もう再び農地とか或いは耕地に変えることはできないと思います。その際收用してくれという要求がどんどん出た場合に、九十二億で以て一応大体予備作業班がやつておりますか、あなたがたはやつぱり專門家であつて、一つの勘が働くと思う。收用してくれという場合に、九十二億でこれが賄い切れるか切れないか。無論現在まで占領軍收用又は使用しておつた建物土地その他がたくさんございます。これに対する予算の支出はこの九十二億以外のものであつたとしても、無論これに含まれるものとは考えられるのですが、恐らく九十二億の予算ではこれは賄い切れないのではないかというように考えられる。無論弾薬庫を造る、弾薬庫の傍には人家は危くて置かれん、殊に演習場というような周辺は、これは実際耕作なんかできるものじやない。九十二億の予算のあなたに説明を伺つても工合が惡いかも知れんけれども、九十二億で若し不可能な場合には政府は一体どうするか。結局それを強権を以て国民を圧迫するのではないか。自分の農耕地を取られて離職をする、地方に転住しなければならぬ。その場合にその土地が農耕地としては再び返らないと考えるのが常識なんです。今の自由党の政策ですと、どこまでも再軍備の形に進むように御苦心しておるわけですが、その場合にどうしても收用してくれと言つても、金の裏付がなければ国としても到底これは応じ切れない問題です。そうすると、どこまでもそういう使用原則だということを建前としている関係上、国民に対する不利益ということははつきりわかるような気がするのですが、桜井さんどうなんですか。
  24. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 再軍備の点につきましては、この法律は飽くまで駐留軍に対します事柄を規定しているのでございまして、駐留軍といたしましては、そう長い年限おるわけではないと考えるのでございますが、その後は再軍備の日本国内の問題に変ることかと思いますが、その際は別の法律によりまして、その補償等をすることになろうと思いますし、予算措置も従いまして別個に考えられると存じますが、駐留軍といたしましては、そう長い期間ではないと思われますし、或いは使用原則ですから、こういつた使用原則とする法律を作つたのでございますが、現在大体占領軍によります接收のためにいろいろ航空路等になつております土地を買つてくれという要求が各地にございますが、さほど思つたほどの数字になつておりませんでございまして、大体現在までに要求が取りあえず参つておりますものが約一億七千万円ばかりある程度でございまして、中にはこちらで買つたほうがいいじやないかと申しましても、これは先祖伝来であるからどんなことをしても売らん、これは返えしてくれというような希望もございますし、必ずしも收用請求が殺到するものとは思われないというふうに解釈しておるのであります。
  25. 田中一

    ○田中一君 桜井次長は一応駐留軍が何年いるとお考えになつておるのでありますか。
  26. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) そのことはどうも私としては何とも申上げにくいのでございますが、そう長くはないのではないかというふうにただ感じているだけでございます。
  27. 田中一

    ○田中一君 そう長くはないというのは何年くらいを考えておりますか。
  28. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) まあ新聞にはそんなに長くない、二十九年というふうなことも一つ書いてあつたかと思いますが、あれは信用できるかどうかわかりませんし、その辺のことは何ともちよつと申上げにくい、むしろお教えを願いたいと思います。
  29. 赤木正雄

    赤木正雄君 さつきの私の質問にも関連して聞きますが、二十八日から講和が発効するならば、少くともそれ以後駐留軍になると思います。従つて我々はこの法案を審議するときに、やはりさつき申しました通りに駐留するならあらかじめどのくらいの土地を使うのだろうか、実際日本の土地のどれを使うかということを知るのにこの委員会方法がない、これを審議する以外には何もわからない、その場合に我々が審議する上からも、大体講和が発効した場合には、それは協議しておられますから、協議の整つておる部分としてはどのくらいまでかかる、どの家を使い、どの土地使用するのだ、これくらいのことははつきり政府で示してもらわんと、審議ができないと思う。
  30. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 御尤と存じますが、先ほども申上げておりますように、目下予備作業班等でいろいろ検討中でございますので、例えば住宅などにおいては、全国で約個人住宅が二千軒ばかり接收になつておりますが、これが何としても本年度一杯には全部明け渡す方針である。七月末頃までに半分くらい、あとだんだんに明けて行きまして、本年度の末までに全部明け渡す方針であるというような大体のことはわかつております。それから都内の施設はだんだんに明けましてこれを郊外に移す、民有のものは成るべく解除して国有財産をこれに替えて行くというような方針もあるようでございますし、いろいろ娯楽的なものなどは全部返すというような方針もございますようでございますが、大体現在接收をされておりまする全国の施設、そういつたものをだんだんにそういう方針によりまして、一部を解除し、又それに代るものを接收して行くということになりますので、これはどうしても全体の表を今ぱつとお目にかけるわけには行かんと思うのでございます。
  31. 赤木正雄

    赤木正雄君 例えて申しますと、前田前侯爵の土地をリツジウエイ司令官が今お使いになつているようですが、我々は一体そのわけがわからないのです。どういうふうであそこをお使いになつておるか、そういうふうで具体的にあなたのほうでおわかりになつていることがあろうと思う。それを特に秘して明さないような御方針なんですか、それをはつきりして頂きたい。あなたも日本人ならはつきりお示しになつてもいいじやありませんか。
  32. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 前田邸がどういう工合になつておりますか実はわからないのでございますが、あれは或いは自由な契約ではないかと思うのでございますが、この法律によります以外に、この法律によります前に日本政府としては必要な提供を義務づけられたものは自由な契約でやる建前でございますが、全然そのほかに軍がドルで以てじかに契約をするということは勝手でございますが、まあそういつたものは恐らく普通の場合にはあり得ない、と申しますのは、そういう場合には自分が金を出さなければならんのでございますが、九十二億によつて日本政府がアメリカ軍に負担をかけないでそういつたものを提供すると約束しております以上、そういつたことは少いように思われますが、とにかく今進行中でございまして、ここに解除になりましたものが新聞紙上などでも発表されておりますししますので、どうしてもこれは全体的な表を一遍にお目にかけるということには現在は行きかねるようでございますが、先ほど申上げましたようないろいろな方針によりまして、だんだんに合同委員会で解除し、又国有財産のほうに移つて行くというような方向に進んでおるわけでございまして、全体としましては、民有のものは現在の数量よりは相当減るのではないかというふうに考えております。
  33. 赤木正雄

    赤木正雄君 何だか殊更にはつきりしないような御答弁をしておりますが、もう少し……合同委員会できめた結果のことを私聞こうと思いません。もうすでに予備委員会でも相当きまつておると思います。或いは横浜でもさつき言う通り一部は必ず使うんでしようが、そういうふうにきまつたところの、国内でどこどこの土地を使うとか、どこどこを軍の飛行場に使うとか、どこどこの元の軍港の土地を使うとか、そういつたきまつたことまでもお示しになることはできないんですか。
  34. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 特にお示しを申上げないわけではございませんが、予備作業班でそういつたものがきまりますと、これを両方のアグリーメントといたしまして署名をいたしまして効力が発生することになつておりますが、それはただどういう形式で発表いたしますかという問題になるわけでございまして、只今それをここで発表しないということは申上げておりませんが、それがどういう形式で国会に発表されるか、ちよつとこれは私は存じないわけであります。
  35. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は委員長に要求いたします。先ほど私が言つておる通りに、どういうふうな土地使用され、どういうふうな建物が使われるか、これはすでに予備班と申しますか、そういうもので決定されたものがあろうと思います。それをお示し願いたい。そうしないとこの法案の審議に支障を来します。
  36. 小川久義

    理事小川久義君) お諮りいたしますが、その資料をお出し願えるなら出してもらい。今日はこの程度で審議を打切りまして、又続行することに……、では一つできるだけの資料をお出し願うようお願いいたします。
  37. 桜井良雄

    説明員桜井良雄君) 只今の資料につきまして、これは特別調達庁といたしましてよりも外務省の所管になると存じますが、外務省と連絡をとりまして、委員長の御指示によりまして善処いたしたいというふうに考えております。
  38. 小川久義

    理事小川久義君) お願いします。   —————————————
  39. 小川久義

    理事小川久義君) それでは次に当委員会で審議中の空中写真の法律につきまして、衆議院から参議院に送付されましたのが二月二十一日でありまして、今日は六十日を経過して、憲法五十九條に関連する点がありますので、議事部長からこういつた際の取扱の先例等に対して聽取いたしたいと存じます。
  40. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 今委員長からお話のございましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く建設省関係命令措置に関する法律案は今お話がございましたように、二月二十一日に本院で受領いたしております。通常期間の計算につきましては、民法の期間計算の原則が行われておる。つまり翌日起算主義になつておりますが、国会法におきましてはその期間計算がいつから始まるかということにつきましては、一般的には確定した解釈がございません。併しながら当日起算主義をはつきりとつている法條があります関係上、ほかの法條につきましても、国会法上の関係はすべて当日起算主義で行つておるのだということが多くの考えであろうと思いますし、大体曾つて決算委員会等におきましても、当日起算主義をとつて行くという建前から事を処置した例もあるわけであります。それで当日起算主義ということで仮に行きますれば、本日は六十一日目になると存じております。それで六十日満了した場合に、今委員長の仰せられた憲法第五十九條四項の関係が生じて参るわけでありますが、その場合どうなるかと申しますれば、六十日経過した場合に自動的に本院は本案を否決したという結果になるわけではないのでありまして、衆議院が憲法の規定によつて、参議院は本案を否決したという措置をとり得るということになるわけでありまして、衆議院がそういう態度をとるためには、第一に、憲法五十九條第四項によつて、所定期間を経過したから参議院は本案を否決したものと衆議院はみなすという議決をすることが必要であります。それから更に憲法五十九條二項に基いて、衆議院が三分の二の再議決をしようとすれば、更にその議決をする。つまり二段の議決をすることが必要であります。そういう参議院は否決をしたとみなすという議決を衆議院がしない限りにおいては、法案は依然として参議院にあるそのままの状態で継続するわけであります。  ところで先例ということでございますが、こういう法案が参議院において六十日を経過した例ありやということになりますれば、その例はございます。その場合に衆議院が、参議院は本案を否決したものとみなすという議決を憲法五十九條四項によつてした例がありやということになりますれば、そういう例はございません。それから六十日を経過した場合に、そのことに関して参議院から衆議院、若しくは衆議院から本院に対して何らかの正式な連絡、乃至は通知、乃至はその他の要求というような行為があるかと申しますれば、そういう行為は全然ございません。六十日経過したという事実を知つて、衆議院が欲すればこういう議決をするわけでありますし、そういう議決がない限り従来の通りで進むわけであります。それだけのことであります。  ちよつと速記をとめて。
  41. 小川久義

    理事小川久義君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  42. 小川久義

    理事小川久義君) 速記を始めて下さい  本日はこれで委員会を閉会いたします。    午前十一時五十九分散会