○
赤木正雄君 どうして私だ先ほどあのような
質問を申上げたかについては、実は本
年度の治水費の中の
砂防に地辷り
対策といいますか、そういう費目が七千万円取
つてあるのであります。これは実に妙なものでございまして、
昭和十三年に内務省の土木局で
砂防事業はどういう仕事をするかと、これは省議で決定した項目があります。その中に地辷り
地帶も
砂防でやる。実際新潟県、長野県、山形県、あれらの地辷り
地帶を
砂防工事で仕事を起しまして、非常に成績がいいので、新潟県のごとき何ら
砂防に関心がなかつたのに、
砂防々々と言い出したのは、実はあの仕事をやつた結果なんです。ところがこれは建設省の
砂防課の連中にも、又
地方の
砂防に
関係している人にも、私は非常に責任があると思うのですが、衆議院のほうで地辷り
対策云々ということをされまして、
砂防とは違つた仕事をするような感じを持たせてしまつたのです。飛んでもないことです。そんな馬鹿なことはないのだ。一旦こういう技術的のことは
砂防でやるのだということを決定して、何も技術にはそういう退歩はあろうはずはありません。それに今に
なつてそれを
砂防ではない、地辷り
対策事業といいますから、これを私は非常に不可解に
思つておつた。その結果大蔵省としては今度地辷り
対策費用だけは……、普通の
砂防は三分の二が国の補助ですが、地辷り費用は二分の一出したというのです。私はこういう結果が必ず来る、それで惡くすると、大蔵省は御
承知の
通り成るべく補助率の少いほうが好みますからして、折角今まで長年苦労して起した三分の二まで
砂防の補助を用いたものを、地辷り費用は二分の一でや
つているのじやないか、そういうふうに将来引落す危険が非常にある、そうすると今持込むとあなたのほうの県にしましても非常に大きな影響がある、だから小策を弄して大本を誤
つてはいけない、そういう
趣旨を私はやかましく言
つているのです。その結果といたしまして、この
委員会でも建設省の
河川局長に来てもら
つて、そうして
質問しました。つまり
砂防堀辷りは治水に
関係しないところであるのだと、無論治水に
関係があるならこれは
砂防費で取れますから、併しその実
砂防費で計上しているのではないか、ところがこれは僅かな金で項目の出しようがなかつたから止むを得ずこうしているのだ、実際は治水に
関係しない畑なんかが地辷りしまして、そういうところでやるのだ、そういうふうな了解で一応は了解を得ているのです。これを仮に今申したその公共
事業費で一括なさる場合に、そういう惡い例がありますから、そういう惡い例に引つかか
つては困るのです。率を下げられては困るのです、実際を言うと……。でありますから、端的に申すなら、公共
事業費を殖やしてあなたたちの御
希望通りに仕事ができるならこれは一番いいと私は
思つているのです。