○
委員長(
廣瀬與兵衞君) それじや私
ども、私と小笠原君と
建設委員会を代表いたしまして十勝沖の地震の視察に参りましたのですが、
簡單に御報告申上げます。
私
ども三月八日から三月二十一日まで十四日間北海道、青森、岩手、この三県の地震の被害について調査に参りました。先ず札幌に集まりまして、道庁で
説明を聞きまして、全部で釧路から浜中、霧多布、こういうふうに参りまして、あとは全部でその被害地を歩きますと、非常に時間がない、日がないので二班に分れまして、十勝班と日高班に分れまして、それから日高班が青森、十勝班で岩手、こういうふうに廻
つて参りました。大体被害の報告はお手許に道庁から参
つておりますのでただ特筆したことだけ申上げますと、被害の
程度は非常にひどうございましたが、火災がなか
つた。学校が倒れかか
つてもストーブを持出したというようなことで被害が非常に少なか
つた、火事がなか
つたために。それともう
一つ津波で被害が多か
つたのは霧多布、トコタン、これは氷山が津波と一緒に参りまして、家をめちやめちやにしてしま
つたというのが今までの我々の地震にあ
つたことと違
つたところでありました。大体において非常に被害はあ
つたけれ
ども、軽微で済んだ、こういうことにな
つております。あとは思想問題でソ連に近いとか、或いはどこで共産党が宣伝をしたとかいうようなことがありましたけれ
ども、これも無電がよく発達しておりまして、心配ないというようなことで、思想問題は大した問題を起さずに済んだというようなことでありまして、ただ私
ども参りまして感じましたことは、今まではずつと、いわゆる北海道に行きますと、夏行きまして見物が多か
つたので、北海道はいい所だというふうに感じて参りましたが、今回は災害地を細かく視察いたしましたので、自動車がなくて消防自動車に乗せられたり、トラツクに乗せられたりいたしまして、如何に北海道はひどい所であるかというふうなことを感じて参りました。雪が多くて途中で乗合自動車がとま
つてしま
つて後押しして帰
つて来たというようなこともございました。大体において北海道の道知事が来て、いろいろ議会にも
説明し、内閣にも頼んで、そして何とかこの
損害を早く復旧できるようにというようなことを頼んでおりますが、大分これも進んだようであります。あと特筆して申上げることはございませんが、青森も、岩手も地震の被害は非常に少か
つたのですが、津波の被害で土台をやられてしま
つた、或いは青森のごときは海を埋められてしま
つたというようなことがございまして、目に見えた被害よりも目に見えない被害が大分あ
つたように感ぜられます。あとは明日本会議で何か報告しろということでございますから、どうぞ
速記を御覧下さいまし、お願いいたします。
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