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1952-03-20 第13回国会 参議院 建設委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月二十日(木曜日)    午前十時四十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            赤木 正雄君            田中  一君    委員            楠瀬 常猪君            徳川 宗敬君            前田  穰君            三木 治朗君            松浦 定義君            東   隆君   政府委員    建設省都市局長 八嶋 三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○屋外広告物法の一部を改正する法律  案(内閣送付)   —————————————
  2. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) これから委員会を開きます。  先ず以て政府から屋外広告物法の一部を改正する法律案、これについて一応説明を求めます。
  3. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 今回提案いたしました屋外広告物法改正に関しまする法律につきましては、大綱につきましては先に大臣のほうから提案の理由の説明をいたされておるのでございますが、別に……大体それによつて尽きるのでございますが、各條項ごとに一応簡単に説明を申上げておきたいと思います。  「第四條第一項第二号を次のように改める。」というので、二号、それからまあ四号も同じように改めておるのでありますが、これは別に内容は殆んど変りはないのでありまして、法律改正になりましたので、前にはいわゆる市街地建築物法といつたものが建築基準法に改められましたので、その中におきまする住居専用地区並びに美観地区の問題をただ引用する條項を書いただけでございます。森林法につきましても、昭和二十六年に従来の森林法改正になりましたので、それの引用條項をただ書いただけでございます。  その次は今回新たに一條一項を加えようといたした趣旨のものでございますが、それは違反広告物につきましては、従来の規定では美観風致維持し、又は公衆に危害を与えるものを防止する意味におきまして、都道府県知事除却その他の措置を命ずることができる、その命令が履行されないような場合におきましては、代執行法適用もあるというふうなことに相成つてつたのでございますが、その違反広告物責任者が明らかでないという場合の措置が実はできておらなかつたのでございまして、従いまして相手がはつきりいたしませんので、代執行法公告もできないということのために、その履行を確保する途がありませんので、今回新たに規定をいたしたいというのでございます。それにつきましては、いわゆる直接執行適用を与えて行こう、この知事又は知事の命じたもの、或いは委任したものがこれに対する処置ができる。但し広告物を掲出する物件、いわゆる財産的の多少価値のあるものについては條例の定めるところによりまして、一定の期間を定めてこれを除却すべき旨及びその期限までに除却しない場合には、知事みずからが、或いは自分の命じたもの、或いは委任したものがそれを除却することを公告をして、初めてその期限が到来した後において行なつて行く、こういう処置を講じて行こうということにいたしているのであります。  その次は、広告物の一般の統制というものが、これが大体府県単位においてやらしているのでございますが、いろいろと事務簡捷の立場から、知事の行いまする行為を、いろんな許可とかといつたようなものの仕事を市町村長に委任ができるという規定一つはつきり書いて、事務簡捷の途を図つて行こうと、こういうことを考えたのでございます。それに基きまして市町村長のやりまするいろいろな許可とかいつたようなものにつきましても訴願の途が開ける途を一つ講じておこうというので、訴願に関しまする途を、従来「知事処分」となつておりましたものを「知事又は市町村長処分」といたしたいということについての改正でございます。
  4. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 何か御質問ありませんか。
  5. 田中一

    田中一君 美観地区のですね、例えばこの「道路、鉄道、軌道、索道又はこれらに接続する地域」というのは、若しこれが私の……何と言いますか、民有地とか、或いは鉄道のように一応特殊公社というようなものの所有地に、その者が自分でそういう施設をするといつた場合はどうなるんです。
  6. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 自分がやるというような場合におきましても、結局はやはり一つの、この一定地域にありますればやはり私は美観地区の問題としてやつて行くべきものだと思います。適用さるべきものだと思つております。
  7. 田中一

    田中一君 いわゆる屋外広告定義というものはどうお考えですか。例えばここは危ないから……或いは商業的な意味広告ということを指しておるのか、広告というものの定義はどうですか。
  8. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 広告というものの定義は、大体第二條にその定義を実は書いておるのでございまするが、ここでいろいろ屋外広告物対象といたしておりまするものは、先ず第一に屋外でなければならないという点が先ず第一番の問題でございます。その次は広告というものは一体何であるかという問題になるだろうと思うのでありまするが、それは常時又は一定の期間継続して掲示されるものである。それでまあ看板であるとか、立看板であるとか、はり紙であるとか、はり札であるとか、並びに広告塔であるとか、広告板であるとか、建物その他の工作物、その他の工作物というのは大体我々として考えておるのは煙突であるとか、塀であるとか等といつたようなものだろうと思います。「建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するもの」、「これらに類するもの」というのは、まあ例えて言えばネオンサインであるとか、アドバルーンであるとか、或いは航空機による吹き流しといつたもの等を「大体これらに類するもの」というふうに実は考えておるのでありまして、内容それ自体は商売に必要なものであるということのみに限らないのであつて、すべて私ども対象にしておりまするのは、美観風致維持ということと、危害の防止という点から、その広告物というものを取締つて参ろう、こういう意味において実は考えておるのでございます。
  9. 田中一

    田中一君 そうしますと、その内容でないと、工作物広告だと、あなたが今おつしやたような第二條定義によるような工作物というものが広告だと、内容の如何を問わずということなのですね。
  10. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) さようでございます。
  11. 田中一

    田中一君 若し鉄道の沿線などで、交通上危ないからこうせい、ああせいと書くことも、やはり広告物とお認めになるのですか、どうですか。例えば「踏切りに注意すべし」というようなものが、若し出ておつた場合には、それは広告とみなされるのか、或いは何という定義を以てそれを認められるのですか。
  12. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) それはまあ一応は広告というもの、広告言つても私はいいと思うのでありまするが、一応それらは公益上止むを得ないもので、許可を受けないということにいたしておるのでございます。これは大体條例で書いておるのでございます。
  13. 田中一

    田中一君 それが民有地であつても、無論そこにも入り込める、都道府県知事認定の範囲内に入るということなんですか。そういう場合でも、民有地に、まあ掲示板と言いますか、そういうもので公共的なものでないものはどうなりますか。
  14. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) それは大体民有地であろうと、民有地でなかろうと、この取締り美観という点から一つ地域というものを抑え、或いはものを抑えておるのでございまするが、それらの場合におきましては、大体許可をする場合におきましては、相手方承諾を求めさせるという方法は講じておるのでございます。
  15. 田中一

    田中一君 相手方承諾しない場合にはどうなりますか。強制権は持つのですか、持たないのですか。
  16. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 相手方承諾を与えないような場所に貼るということは、これは私はいけないと思います。
  17. 田中一

    田中一君 私の申上げておるのは、美観地区ときめられておるところが民有地であるとすると、自分でそういうものを掲示したいという場合に、美観地区だからいけないという強制権都道府県知事が持つわけですね、この規定で行きますと……。別に東京都の審議会規定がありますが、この審議会規定認定というものが参考になつて都道府県が権限を持つと、こういうわけなのですか。認定の場合は……。
  18. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 実は先ほどお話のありましたこの公益上止むを得んとか、或いは法令上止むを得んということは、実はこの條例の中に謳つておるのでございます。東京都の條例を申上げまするならば、東京都の條例の第五條というようなものが大体それだろうと思うのであります。「次の各号の一に該当する広告物及びこれを掲出する物件については、知事は第一條及び第二條規定適用を除外することができる。その基準について必要があるときは知事が別に規則で定める、他の法令規定により表示又は設置するもの、公益上やむを得ないもの、看板その他慣例上やむを得ないもの」といつたようなもの、これに関しまするいろいろな細かい規則というものを発表しております。そしてそれにつきましていろいろと審議会に譲つておるというような場合もあるのでございます。いろいろな基準を定めるとかいつたような場合も審議会でやつて行く、或いは違反によつていろいろな除却をさせるというような場合におきましても、例えば十三條の2項には「前項の命令に従わない広告物又はこれを掲出する物件知事行政代執行法により除却して又は除却せしめようとするときは、知事審議会意見を聞かなければならない。」といつたようにして、審議会といつたようなものが、いろいろな一つの標準をきめるような場合とか、或いは違反広告物に対する処置をしようといつたような場合におきましては、できるだけ民主主義的な方法をとりまして、審議会意見を聞くといつたような方法條例によつて義務付けさせておるといつたようにいたしておるのでございます。
  19. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 昭和二十四年にこの法律を初めに審議した場合、随分をの当時この法案に対しては議論はあつたのです。併しまあ都市美観を保つという観点から、この法案でいいだろう、併しその際私は諸外国の例を話しまして、例えばドイツにしても、イギリスにしても、広告をする場合は一定場所に、広告する立派な場所をきめてそこにやつておる。そうしますれば、今のような電信柱にいろいろなものを貼つたり、壁にいろいろなものを貼つたり、ああいう美観を害するようなことをなくするがいいというので、みんな御賛成になつてこ法案通つたのです。この法案通つたのですけれども、一向改まつていない。そういう点はあなたのほうはどう考えておるのですか。
  20. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 只今の御意見誠に御尤もの御意見であり、又非常に私どもの痛いところを実は突かれておるのでございますが、これはお話通りに、私どもとしましてもあつちがいかん。こつちがいかんというのではなくして、やはり積極的にこの廃告掲示する場所というものをいわゆる積極的に作るとうようなことが一番必要だと思つております。そういう意味におきまして、実は條例あたりを作る場合におきましても、私どもといたしましては、できるだけ指導をいたしたのでございまするが、これにつきましても、私どもとしましては、積極的にそうした面を第七條におきまして、これは第七條というのは東京都のいわゆる屋外広告物條例の第七條でございますが、第七條一つの助成といつたような規定を実は入れさせたのでございます。「美観風致維持又は向上するため、知事が指定する場所若しくは施設を利用して別に定める規格に従い表示せられた広告物については知事は、第一條及び第二條規定適用を除外することができる。」、更に第2項に「知事は、広告物及びこれを掲出する物件美観風致向上に資すると認めるときは、これらに対して第一條及び第二條規定適用を除外することができる。」、いわゆる積極的に、ただ取締りだけじやなくして、美観風致向上に資するという点にこの広告物というものを一つ利用して行けということで、この趣旨の主たる意味は今赤木先生の御指摘なされましたように、一つ場所を積極的に一つ提示しよう、提供しよう、こういうような実は趣旨においてこの規定等を入れて実は指導いたしておるのでございますが、現状赤木先生の御指摘のように十分に行つていないという点につきましては、私ども指導の至らんところ誠になげかおしく存ずる次第でございます。こういう点については、更に私どもは各方面に十分注意を払つて参りたいと思つております。
  21. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) もう一遍伺いたいですが、今お話通りで、実際この前にこの法案を作つたときは、法案のできる前と何ら変つていない。この都市美観というものは私どもの目から見ますと、やはり今おつしやる通りですね。多くの八の目に見えて、而もたくさんそこにかためて広告しても、それほど街の美観を害さない。そういうところは必ずあろうと思うのです。それはもう必ず外国都市ではやつておるのです。それで初めてほかの電信柱にいろいろな広告を貼るとか、壁に貼るとか、それをやらないでは都市美観などできるはずがないのです。それをもつと私はやかましくおつしやらんと、折角法律作つて法律の精神が抜けてしまうのじやないかと、そう思いますね。
  22. 田中一

    田中一君 この違反に対する措置で、專門員から出ておる参考資料を拝見しましたが、現在までに罰則適用した事実ですね。この法律施行後、事実の集計か何かありましたならば御提出願いたいと思うのですが。
  23. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 実は全国の統計というものを集めておらないのでございまするが、東京あたりの大体実情お話申上げるほうがいいのじやないかと思うのでありますが、まあ東京都の担当の者の意見を聞いて見まするというと、大体違反広告物というものにつきましては、どういうふうに取扱つておるかということの措置方法でございます。第一番には、その問題から申上げるほうがいいと思いますが、まあ違反と思われるものにつきましては、年間にはやつぱり相当ある。私どもには神奈川県の例が大体年間に二百件、群馬県で六百件という数字のものが手許に来ておるのでありますが、大体この除却を命ずるとか、いわゆる第何條でありますか、広告物法の第七條の第一項によりまして除却を命ずるとかいつたようなことを、積極的に命令を出してやらせたというものはまあ殆んどないといつたようなことでございます。大体いろいろと持つて参りましたものを見まして、あそこはいけないとか、ここはいいといつたようなことで大体指示を与えてやりますので、又そのときにはどこがいかんといつたようなことにつきましては、美観地区とか、風致地区とかいつたようなもの、又こういうものがいけないのだといつたようなことにつきましては、その都度申請をする者につきまして紙を渡しておりまして、こういうところを十分注意をしてもらいたいということで大体やつておりますので、除却を命ずるといつたような行政的な、一方的な措置においてやつておるという例は殆んどない。まあないと言つていいほうであります。除却についてこの審議会にかけたということは今までにおいてないという情勢であります。ただ違反の場合におきましては、本人を呼出しまして、そうして一つあれは違反になるのだから、何とか撤去してもらえないだろうかということを十分話しまして、本人が納得してそれを除去する、或いはほかの色に塗り潰す、こういつたようなことをやつておる情勢であります。軽いものにつきましては、仮に始末書をとつて処置をしておるという程度であつて、そう大きな問題としてやつておるというようなものは実はない。それならここで、広告について実は何か普通我々が考えているより以上に変な広告というものがあるか、現状的にあるかということを聞いて見たのであります。まあサンドウイツチ・マンなんかが一つの例でありますが、これも広告であることは間違いない。そのほか一遍こういう例があつたそうでありますが、死人の真似をしたという例があるわけでございます。数寄屋橋かどこかにおいて、何かゴムのカツパ見たいなものですか、それを着て船の中かなんかで死人の恰好をしてやつてつた。それはどこの商品であるかということは、船を上つたときに表示をしようというようなものがあつたらしいのでありますが、これは案は警察のほうで最初取締りましたので、広告物のほうの違反として取上げるという段階には行かなかつたというような話であります。これは余談でありますが、そんな実情でございます。
  24. 田中一

    田中一君 今局長からお話伺つて、そうした全国的な法を施行して、その育ち方と言いますか、それをはつきり統計資料として持つていないという現在において、なぜこの違反に対する措置改正しなければならないか。この点は無論、私は常に思うのですが、一つのものを作りますと條例になる。併しどういう工合にこの法律が施工されておるかどうかということを生んだ親は見極めておられると思います。併しながらその数字を持たない、どういう工合になつておるか。ただ今お話神奈川県或いは東京の一例を以て全部を承知されたというように伺いましたが、それではなぜ四條並び七條の一、二などを改正しなければならないか。無論改正しようという場合には、全国的なこの法の施行上何かの欠点なり何かがあつて、それで改正しようというような意図が生れたものと思うのです。前文のほうの森林法建築基準法その他の法律によつて、この美観地区ですね、文化財保護法その他の法律によつて一応ここに明記しなければならないという点は了承できますが、違反に対する措置については、その違反の事実、育ち方の事実がびつこであるか、めつかちであるか、そんなものがわからずにここに漠然と改正案を出すということは、どういうお考えでやつていらつしやるか。又どうも子供の、改正するのはこれは病気を治療するということなんですね。それにもかかわらず、子供がどんなことになつておるか知らないで、ここに突如として改正しなければならんということは甚だ怪訝に思うのです。従つて都市局としては、もう一度その点を全国的に確められて、違反に対する措置はこの改正でいいのかどうか。これで適当なものであるかどうかということをはつきりとおつかみになつて改正案を出さなければならないと思うのです。今局長の御答弁は甚だ不満足です。
  25. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 只今田中先生のお言葉に対しまして、計数がないのにどうしてこういうものを出したかという、こういうお話でありますが、これは違反件数につきましては、今申上げましたように、全国的な統計というものを集計しておらないということは、私どもとしてはそれはお叱りの点は御尤もだと私は存ずるのでありますが、今回改正をいたしまする問題につきましては、実は主任官会議の際におきまして、これはしよつちゆう問題になる大きな問題であります。美観地区或いは風致地区におきまして、べたべた人の知らんうちに、いつ貼つてしまつたかわからんというようなものが相当にあることは、これは事実でございます。そういう件数をここに一々拾い上げて参るということは、これはちよつと今のところむずかしいと思います。例えば議事堂のまわりなんかは一つの大きな美観地区になつておるのでございます。ここらにも至るところにべたべたと街の体裁を害するようなことがあることは、これは現実の姿でございます。これに対しまする措置といたしましては、やはり積極的に責任者が明らかでないものにつきましては、除却し得る途を作つておかなければ、これは私はどうしてもいけないということを客観的な事実において、件数はわかつておらんでも、客観的な事実において当然要請さるべきものだと思つております。そういう意味におきまして、各地区における主任官会議においても、この問題が叫ばれますので、今回新たに御提出した次第であります。御了承願います。
  26. 田中一

    田中一君 この広告物には制限されない場所におけるところの場所ですね。制限されない場所におけるところには自由に掲示又は施設をしていいということですね。
  27. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) さようでございます。
  28. 田中一

    田中一君 仮に今の制限された場所に対しては、必ずその施設をするものが届けをしなければならない、申請しなければならん。その場合に全部をいけないというのじやなく、除外例があるから、そういう場合には、そういう物件に対する許可を受けるという措置で以てやつておられるのですか、現在は……。
  29. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) さようでございます。
  30. 田中一

    田中一君 そうしますると、或いは誰が掲げたかわからんというようなものがある場合に、これを除去する。これは悪意を以ちまして、例えば同じ歯磨の例にすれば、一つ歯磨違反と見なされる美観地区どんそん相手方のものを、仮に何と申しますか、クラブ歯磨ならばクラブ歯磨がやつて行く、ライオン歯磨ならライオン歯磨がやつて行くという場合に、クラブ歯磨がいつも違反でやられる。誰が掲示をしたかわかりません。わからないが、内容によつてクラブ歯磨がやつたのじやないかということが推定される場合、内容については罰則適用がない……。
  31. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 内容につきましては、私ども罰則の問題は屋外広告物法における問題としては考えておらない。今後もいろいろな除却を命ずるような場合におきましても、できるだけ慎重な態度をとりまして、管理者、今度改正いたしまする第二項のところでも「当該広告物を掲出する物件を設置し、又はこれらを管理する者を過失がなくて確知することができない」という條件を入れまして、大体推測が付くという場合には、ものによりまして、例えばライオン歯磨ならばライオンの会社だという場合は、この規定によらないで、第一項の規定によりまして、除却を命ずるという方法はとりたいと思つておるのであります。どうしても過失なくして確知することができないという場合にだけやつて行きたいと考えるわけであります。
  32. 田中一

    田中一君 もう一つの問題は、主任官会議で以てそう言われたから、だからこうするのだというお言葉ですが、少くとも実際そうなのか、どうなのか、或いは百人集まつても今度の改正案に対して、こうして欲しいということであつたのか、それは主任官会議議事録でも出してもらいたい、主任官会議が、行政官がそうだからそうしたというのじや余り法律作つた国会を無視される傾きがあると思う。事実を実際お示しになれば、地方的に我々も調査しなければ。……どうも主任宮会議でそういうような空気だからこうするのだというようなことでは、甚だ元締めの都市局としては至らない点があるのじやないかと思うのです。それを我々が納得するような形で以て資料なり何なりで明示して頂きたいと思うのであります。
  33. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) つまり主任官会議ということを申上げたのは、ちよつと言葉が迂闊であつたと思うのでありますが、実は最初からこの法律を作るときの欠陥であつたということは、これは言えると私も思うのであります。ただ相手方はつきりせんという……。大体広告物というものは届出をして、そうして違反の場合においてはするという正当なことだけを考えておつたのでありまして、初めからべたべた貼つて行くというのが実は現状においては非常に多いのでございます。これは事実をどこできめるかとおつしやるならば、私は東京の都内の先ず議事堂の周囲を御覧になつてはつきりしておると思う。これは現実の事実がどうだとおつしやられるならば、その事実を一つ調査願つてもいいと思うのであります。主任官会議というものは、私ども当初案を作つたときにやつて見て、抜けたなと思う点を指摘されたのでありまして、これは皆様がたこの法案を通して頂くかどうかということは、何も主任官会議ということによつて我々は動いたということじやなく、皆様がたの正当なる御判断によつてこの問題を御審議願いたいと思うのであります。
  34. 田中一

    田中一君 大体私の目の前に見える御指摘のような議事堂のまわりにべたべた貼る、このことについては了承します。併し全国的なそうしたものの欠陥が、こういう場合、ああした場合と御説明願えませんか。例えば大きなビラだとはがせばいいが、はがすにも金がかかるのであります。そういう意味の予算と申しますか、そういうものが條例によつて人夫賃金がかかる、こういうものを、事実こういう管理をしますところの都道府県或いは市町村長が、そういう予算をとつておるかどうかということを考えますと、どうも突如としてこれが出たということは、どうも全部そうした意味の予算措置がとられておるのかどうか、これが出ると、地方は必ずそういうもののはぎ取りの人夫賃なり、或いは大きなものですね、大きなものに対しては相当な金をかけて除去しなければならん、そういう点もお考えになつておるのかどうか、伺いたいと思います。
  35. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 予算をとらない限りは法律が出せんということになるだろうと思いますが、これはまあ一つ都市美観というものは必要でありますから、少くともそういうような費用につきましては、それは非常に大きくなる場合は、そういう事例が非常に多いということになりますれば、積極的に国としても考えなければならんと思うのでありますが、現在のところはそうした地方にこれだけの費用を命じましても、大きな負担にはならないのじやないかという実は予測の下にやつているのでありますが、若しもそういうような事例でたくさん費用がかかつて行くということになれば、国としても考えなければならんのじやないかと思つております。
  36. 田中一

    田中一君 大体除去する場合ですね、誰がやつたかわからんものを除去する場合はどのくらいの期間を、これは條例に任して置くのですか、どのくらいの期間を置いて除去するということは、これは一応の腹案はあるのですか。
  37. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) これはそこに書いてあります「條例で定めるところにより、相当の期限を定め、」というように……。
  38. 田中一

    田中一君 どのくらい……。
  39. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 條例によつて定めますから、一週間なり、何なりといつたようなところじやないかと思うのです。ものによるだろうと思いますけれども……。これは別に一週間ということをここではつきり申上げる意味じやありませんが。
  40. 田中一

    田中一君 これは殊に美観地区とか、制限されている地区に対する広告掲示というものは非常に効果があるのです。非常に効果がある、効果があるために違反を承知で以てどんどんそれを、どつちみち、これは政府なり或いは政府でない管理者都道府県なり、市町村がはいでくれるのだというので、却つて三日でも、一日でもいいでのす。そういうものが掲示されれば、してはならない所に、美観地区にすぱつと派手な広告一つ出す、誰がやつたかわからない場合、これは三日でも或いは半日でこの効果は大きなものなんです。これが広告屋の狙いなんです。商業広告の場合、商業広告は殊にそうです。従つてもう少し、除去するためには無論一応その国民のそうした投資と言いますか、そういうものに対する考え方を以て、或る一定の期間を置いて広告し、これを除去するということになつておりますけれども、これは半日やつてもらつてもその効果は絶大なものがある。制限地区におけるところの無届広告というものは価値があるので、却つてこれを助成するような形になるような気がいたしますが、どうお考えになりますか。実際に、どつちみち除去するのはやつてくれるのだ。ぽんぽんポスターを貼つておけば、或いは立看板を立てておつても、これはきつと都道府県なり市町村がとつてくれる。これはたとえ三日でも、三日の効果は莫大なものです。銀座の辺でたくさん看板のあるところへ又看板を持つて来るよりも、そうしたところにすぽつと貼つたほうが効果がある。広告としての価値は非常に高いわけです。その点はどう考えますか。
  41. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 誠に痛いところを突かれたわけでありますが、実はこれは私どもといたしましては、広告の価値がどうとか、こうとかいつたような内容について詮議しようという実は気持はないのでありまして、飽くまでも都市美観といつたような問題から立案をいたしているのでありまして、お話のような点はあるだろうと思います。私どもとしましては、できるだけ早く都市美観を保持したいという点は、これはお説の通りであります。その意味におきましては、あなたの今の御指摘の点と大体一致するだろうと思います。ただ何にいたしましても、一つの大きな財産権を持つておりますものでございますから、財産権の擁護という意味におきましては、やはり一定の期間というものはやるほうがいいのじやないか、こういういわゆる財産権の擁護という立場から、これだけ念入りなものを考えて見たのであります。それで但書を削つたほうがいいのじやないかという御意見も出るだろうと思いますけれども、財産権の擁護を或る程度我々も考えておかなければならんのじやないか、こういう意味において、実は万全の策という意味においてやつたのであります。広告の場合はどつちが効果があると言えば、お話の点は御尤もだということを申上げるより途がないと思います。
  42. 田中一

    田中一君 無論広告は除去することになつておりますから、これはすぐやつたほうがいいのじやないですか。無論そういうところへ承知でやるような広告は、恐らく最初はわからないのです。警察なり何なりが捜査権を発動して十分調べて犯人を捕まえて、そうして処罰するということにならないならば、そういうことがないならば、これは直ちに除去する、撤去するという権限を持つということが、あなたの考えている美観地区を守る、或いは法を完全に執行するには、そういう形のほうがいいのじやないか。あなたは財産権を守るとか、守らんとかいうことをおつしやるけれども、これは人間がはつきりわかつてつてやるならばいざ知らず、人間がわからないのが多いと思う、誰がやつたか、或いは誰が命じたかわからないのがある、そういう場合には直ちに撤去すると、無論誰それが、私がやりましたということを書いて出すものはない。恐らく無届で、誰がやつたかわからないような形で以てその広告をするのでしよう。恐らくそれ以外にない。その場合は直ちに撤去するようにしたほうがいいのじやないか。財産権と言つても財産権を放棄しておるものまで、これはおれのだと言つてつたならば財産権の擁護にもなるが、初めからそういう無届違反を承知でやつておる広告に対しては、初めから財産権を放棄しておる、そんな放棄しておる財産権まで守るというような法律ちよつとおかしいと思うが。
  43. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 実は守るとかいうような意味ではないのでありまして、最後に私どもは撤去するのでございますが、ただ慎重を期して行こうという意味でございます。
  44. 田中一

    田中一君 もう一遍局長伺つて置きますが、慎重を期する場合に、どういうものに対して慎重を期するか、もう少し明確にお話を願いたい。
  45. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 結局はこちらが心なくして、相手方が知ることができなかつたという点は、これはあると思うのでありますが、そういう意味におきましても、初めから故意にやるという場合は、お話のような点もあるだろうと私は思いますが、中には本当に美観地区であるということを十分知らないでやつたという場合もあるだろうと私は思いますので、その意味において慎重にやつて行こうと、こういう意味でございます。
  46. 田中一

    田中一君 どうもその美観地区を知らずにやつたと、知らずにやつたということで以て、それを守るということは、ちよつともう少しこの法律を普遍化し、国民に知らしめるならば、これはわかるのですが、この辺におけるところのビラとは違つて美観地区は相当大きな仕事になると思うのです。その際に一応自分自分で書いてペンキを塗つたということは考えられない。従つてそれ相当の業者に頼んでやるのではないが、その場合に、業者自身はよく知つておると思う。自分でやつた場合でも悪いものは悪い、間違いは間違いである。従つて一応時間を置くということは却つて逆効果を来たすのではないかと思う。これはあなたは非常に思いやりのある民主的なお考えで立法されておるようでありますが、悪いものはどこまでも悪いのであつて、この悪いものまでも擁護するということは決して法の精神ではないと思う、悪いものは悪い、従つてそこはもう少しあなたのほうで狙つていらつしやるものを表現するような形にならないものか、私はあなたの真意はよくわかるのです、わかるのですが、どうもここで以て却つてそういうものを助長するような形になるのじやないか。ただ撤去するというようなことくらいで以て済むものではないと思う。御見解はどうですか。
  47. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 同じようなことを繰返すようで誠に恐縮でございますが、実は我々としてはお話の点はよくわかるのでございますが、都市美観というものと、いわゆる財産権の調和というものを如何に保つて行くかという点から、実はこういう規定を置いたのでございまして、その点も実は御考慮願つて御審議願いたいと思います。同じようなことを申上げるようで誠に恐縮でございますが。
  48. 田中一

    田中一君 私はこれ以上申しません。どうも二本の並行線で、わかつていながら、どうも一本にならないと思いますから、私はこの点の質疑はやめます。それから実際にこの法律を二十四年に施行しまして、一体現実にどうなつておるかという資料ぐらいはお取寄せ置き願いたいと思うのです。むしろ初めからこの法律広告物取締法を改正して、これを出すというときに、屋外広告物法を出すときに、もうこの決定はわかつてつたのだということをあなたはおつしやつてつたのですから、そういう事例があるとするならば、これはますますもう少し慎重に審議してやらなければならないと思うのです。従つて具体的に二年前にこの法律を出すときに、以後はどうなつたかという点を一つ我々が納得するような資料なり、御説明なりを、事実に基いて御説明願えれば、もつと納得が行くのです。決して改正案に対する反対をするものではないのです。結構だと思いますが、実際に現実施行後の姿をつかんで考えないと私は考えておるのです。従つて若しその資料がお手許に揃うなら揃えて頂きたいと思います。
  49. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) まあ今のお話は御尤もな御意見だと思いまするが、実はまあ各府県の條例とかいつたようなものは、いろいろとまあ私のほうで出して指導をいたしておりましたので、そういうものは勿論ありまするが、ただ違反件数を全部毎年々々報告させるといつたようなところまでは実は行つておらないのです。ただいろいろと実情等はこの広告あたりの問題といたしましては、東京あたりでは最近多くなつて来ているのはネオンサインとか、ああいうものが非常に多くなつて来ている、これはまあ半分以上というものは、大体広告をしておるものはそういう方面に来ておる。広告内容等についてどういう種類のものがあるかというようなお話でございまするが、まあ処罰の問題につきましても、大体こんなような、これはまあ條例で科したやつを集めて見たりした資料等が、実はここに集まつております。全然地方に任せたからと、いつて、こつちのほうがのほほんとしているというような気持は全然持つておらないのでありまして、いろいろと最後の際におきましても、当時のお話を聞いたりしておるのでございますが、そのまとまつた資料というと、違反件数といつたようなことが主だろうと思うのでありますが、違反件数は今申上げましたように、べたべた無許可で貼つているやつを一々数えておつちやできませんので、これらの点はちよつと無理だろうと思います。
  50. 田中一

    田中一君 もう一つ、伺いたいのでありますが、屋外広告物というものが、例えば建築物を柱として道路上などに掲げられるものは広告物ですか、それともこれは建築物の一部でございますか、どちらでございますか。
  51. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) それはどういう意味かよくわかりませんけれども屋外と言えば一つ建物の外側ということだろうと思うのですが、その建築物の中に広告物として掲示されたようなものが建築の中に入つておれば、一つ広告物として取扱つていいと思います。
  52. 田中一

    田中一君 ちよつと質問の要旨がおわかりでないかと思うのでございますがね、こういうことなんです。これは場合によれば住宅局長をここえお呼び願つて伺つて見てもいいのですが、やはり建物自体を柱として、そこからものを出すのですが、これは屋外広告物か、或いは建築の一部かということです。
  53. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) よくわかりませんけれども、まあ柱であろうと、何であろうと、屋外のほうに表示するものがなければ、ちよつと広告物ということは言えないだろうと思うのであります。
  54. 田中一

    田中一君 実はその点は私も明確にしておきたいと思うのです。大体建築物の定義というものは、柱があつて屋根があるのだということだそうです。これは建築辞典を見ましてもそうなつておりますが、家というものは、建築物というものは柱があつて屋根があるもので、その柱は絶対に土地に固定しているものだということになつております。それは建築の定義だそうです。従つて建築物を柱としてそこから出る、よく出つ張つた看板がありますね。ああいうものはこの法律で締めて行くのですが、それとも建築物として取締つて行くだけの範疇に入るものですか、どちらでしようか。
  55. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 看板ということになれば、この第二條によつて私は広告物であるということになつていいのじやないかと思います。
  56. 田中一

    田中一君 例えば家を柱として、構造体を柱としてそこから提燈を下げている。建築物を柱としてそこから軸が出て、その上に屋根が上つているという建築工作物がたくさんあるのでございます。そういうものはこの法律で来るのか、それとも建築基準法で来るのか、どういうことになりますか。住宅局の定義を聞きますと、それも建築物の一部だという見方があるのです。建築物の一部という見方と屋外広告物法、これとの関連性はどうなりますか。明確に一線を引かれませんよ、御見解どうでしよう。
  57. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 建築物の一部でありましても、屋外に対して一つ広告として表示してあるならば、それは屋外広告物だと思います。
  58. 田中一

    田中一君 あなたは内容によつて広告物認定をしているのでしよう。内容の如何にかかわらず、そうしたものは広告なら広告に取上げるということになつているのでしよう。先ほどの定義はこのように御説明を伺いましたが、内容を見て判断なさるのは今あなたの御説明通りです。内容を御覧になつて、これは広告として認定なさるのか、建築基準法から見ますと、建物を軸として屋外に出ているもの、これは建築物の一部だとみなすことはできませんか、建築物でも、そのものの内容によつて広告と認められるなら広告だと、こうおつしやるのですか。
  59. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) それは建物の一部であつても、外に対して、いわゆる屋外に対しての広告ということになつておれば、一つ都市美観に影響すると思いますが、非常にあくどい色でそれをやつておるということになれば、私どもはやはり広告として措置すべきものと考えます。
  60. 田中一

    田中一君 広告定義について先ほどおつしやつておりましたが、工作物だとおつしやつたでしよう、先ほどの局長の御説明では……。
  61. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 工作物等に掲出されているというものを言つたものです。
  62. 田中一

    田中一君 その内容はどうなんですか。
  63. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 内容には触れておりません。内容が薬の広告であろうと、政治的なものであろうと、或いは単なる商売上の宣伝のものであろうと、それには我々は触れな、いのです。
  64. 田中一

    田中一君 もう少しその点調べて来てから、この次お伺いします。
  65. 前田穰

    ○前田穰君 この七條二項をお尋ねしたいのですが、大体只今田中委員の御質問と同じような感想を持つているのですが、ただ田中委員が触れなかつた点を一つだけお尋ねしたいのですが、只今東京都の條例を拝見し、それから都市局長の御答弁を伺つて見ますと、各府県とも許可をとるように條例ができているらしいが、そうしますと、「管理する者を過失がなくて確知することができない」というのは、一体どういうことを意味するのか。合法的になれば、許可を受けているので管理する者はわかつているはずなんですが、過失がなくて確知することができないというのは、許可を受けないでやつたというのと同じ意味になるのではないでしようか。
  66. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 勿論そういう連中は許可を受けないでやつていることは当然であろうと思います。許可を受ければ相手方がわかりますけれども、ただ先ほどの一つの例としてライオン歯磨の連中が許可を受けずにやつた、これは過失、よく調べれば、ライオン歯磨がやつたのだろうということは大体確知できると思う。ただばたばたと夜のうちに誰か知らぬうちに、闇にまぎれて首切反対であるとか、ばたばたとやつてしまつたというようなことになりますと、誰がやつたのか全然わからない、それをも知ることができないということをここに考えているのでございます。
  67. 前田穰

    ○前田穰君 私も今のお尋ねをしました趣旨は、若し過失がなくて誰がやつたのかわからないというものと、許可を受けないということと同じ意味だとすると、結局違法の広告を出したものに対する措置ということになると思いますが、それを先刻来田中委員がいろいろと疑問を持つてお尋ねになつておられるような状態であるにかかわらず、これほど慎重に考慮しなければならないかどうか。違法の広告に対してそういう疑問を持つのですが、例えばたとえ半日でも貼れば効果を満喫することができる。或いは明日の会合を今日貼紙をする、そうすれば広告をして慎重な態度をとつている間に完全に目的を達してしまう、そういつたようなのが実際に過失なくして確知することができないという場合に、違法な広告をしてそれが完全に広告の目的を達成するということが、この條文では当然できるようになつていると思うので、田中委員の先刻のお言葉と私も全然同感なんですけれども……。
  68. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 実はこれは二つに一応書き分けているのでございますが、簡単なものはもうその場でやつてしまう、すぐやつてしまう。ただ広告を確知する物件、多少財産的にも価値のあるというものだけは一応慎重に取扱つてやろう、こういうだけの意味でございまして、普通の余り財産権もないようなものをビラを貼つていたというようなのは、直接すぐ実行してとつてやろう、こういう実は考えなのであります。
  69. 武井篤

    ○專門員(武井篤君) ちよつと一点だけお伺いしますが、第七條の第二項の今問題になつておりましたところのあとの、「又はその命じた者若しくは委任した者」と申します「委任した者」というのは、どういうものを指しておりますか。
  70. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) これはまあ大体知事がやるというような場合は、例えば部下以外の者にやらせる場合は、私は命令権でなくて一つの委任だという工合考えております。そのほか第三者にやらせるというような場合も、これは委任だろうと思います。
  71. 武井篤

    ○專門員(武井篤君) 第三者というのは……。
  72. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 例えばそれを撤去させるようなことを商売としてやつているというものです。
  73. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  74. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 速記をつけて下さい。本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午前十一時四十六分散会