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1952-02-14 第13回国会 参議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月十四日(木曜日)    午前十時三十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君    委員            石川 榮一君            島津 忠彦君            深水 六郎君            徳川 宗敬君            前田  穰君           小笠原二三男君            三木 治朗君   政府委員    建設省管理局長 澁江 操一君   事務局側    常任委員会專門    員       武井  篤君    常任委員会專門    員       菊地 璋三君   説明員    建設省管理局営    繕部長     木村 惠一君    建設省管理局企    画課長     落合 林吉君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○河川道路、都市及び建築等各種事  業並びに国土その他諸計画に関する  調査の件  (昭和二十七年度建設省管理局関係  予算に関する件)   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) これから建設委員会を開会いたします。本日は管理局長から管理局予算について御説明をお願いいたします。
  3. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 二十七年度算案建設省関係分管理局予算木につきまして御説明をいたしたいと思います。お手許にございます資料に四という資料がございますが、これを中心にいたしまして御説明いたすことにいたします。管理局関係予算総額はここにございまするように、二十七年度要求額といたしまして二十六億六千四百余万円となつておるわけでございます。前年に比較いたしまして約千七百万円ほど減になつておるわけでございますが、この中の費目につきまして若干御説明を申上げることを要します点について申上げます。この二十六億の中の大きな項目といたしましては、ここにございますように官庁営繕費が十二億六千万円ございますが、これにつきましては後ほど営繕部長から補足いたしまして御説明いたすことにいたします。更にもう一つ金額の上において大きな部分を占めておりますのは建設機械整備費の十二億九千万円の分でございます。前年度と比較いたしまして特に御注意を願つて頂きます点は、一つ特殊物件処理委託費関係でございます、御承知のように特殊物件につきましては、終戦後内務省、引続きまして建設院建設省というふうに所管を引継ぎまして現在に至つておるわけでございますが、概ねこの事務処理も見通しが付きましたと申しますか、大部分終了をいたして参りました。現在残つております仕事は主として代金の取立回收事務が主要な事務なつておりますのと、最近出て参りました沈船等の引揚の分がございます。その他におきましては大部分終了いたしております関係も、ございまして、今回これを大蔵省の管財局のほうへ引継ぐことにいたしました。従いましてこれは建設省所管から外れるという意味合いにおきまして全額経費が削除されることになつておるわけでございます。それからその次に御注意願いますことは、特定地域総合開発事業調査費補助でございます。金額といたしまして千二百万円の計上をされておるのでございますが、御承知のように昨年度総合開発法に基きます十九地域特定地域指定政府といたしまして決定されましたので、来年度といたしましては專らこの特定地域中心といたしまして開発事業調査を進めて参らなければならん、それによりまして計画作成を急ぐ、こういうことになるわけでございます。金額として千二百万円の金額は甚だ少額であるという御批判も受けると存ずるのでございますが、御承知のように開発事業計画作成につきましてはそれぞれ特定地域内におきます各事業官庁事業調査費というものは別途計上されておるわけでございます。これらを集約いたしますと、公共事業費で付きました公共事業調査費の五億四千万円と、特定地域関係事業調査に充当せられる分が一億五千万円程度に上つております。この事業調査費特定地域計画に必要な調査費補助の両々相待ちまして、計画作成促進するようにいたしたい、かように考えでおるわけでございます。営繕関係につきましてはここにございますように、前年度に比較いたしまして二億二千万円の減額を見ておるのでございますが、後ほど営繕部長よりも御説明申上げますように、広い意味の営繕予算といたしましては、このほかに講和関係諸費から充当されるでありましよう警察予備隊施設拡充という問題がございます。更に電通、郵政、文部、法務関係建設省予算外営繕関係としまして計上せられております分は後ほど資料としてお配りいたそうと思つておりますが、相当額、ございまして全部を合せまして約八百三十四億九千余万円に上つているわけでございます。そのうちの十二億ほどが建設省予算として計上されているというふうに御承知を願いたいのでございます。  それから最後に建設機械整備費、これは前年度に比較いたしまして、約二億二千万円ほどの増加に相成つております。この建設機械整備費内容といたしましては、本年度予算より金額におきましては増額いたしておりますが、内容自体の特色につきましてはそう大した変化はないのでございますが、ただ一点御注意願いたいことは、この建設機械整備費補助という費目におきまして一億七千万円を新規計上せられておる点でございます。御承知のように終戦後、司令部覚書に基きまして道路関係につきましては專ら改良よりも維持補修という点に重点を置いて参つたのは御承知通りでございますが、今回この覚書終了の段階に至りまして、新らしく補修につきましては国の助成をできるだけ縮減して行きたい、かような観点に立ちまして、それに代るべきものといたしまして、むしろ地方公共団体建設機械を充実する、殊に道路維持補修に要します機械を充実するという意味合いにおきまして、この助成費を組んだわけでございます。これによりまして地方庁といたしまして購入いたします機械費の概ね三分の一程度補助いたしまして、地方庁道路機械整備を図り、それによつて維持修理の完璧を期する、こういうことによつて補修事業費補助という部面の縮減に代るべき新らしい企画を立てて参りたい、かような考えでございます。本年度計上しました一億七千万円は初年度分で、ございまして概ね三ヵ年間乃至五ヵ年間の計画で、この補助によつて機械の充実を図つて行くようにいたしたい、かように考えておるのでございます。  以上が大体管理局関係につきましての主要な点でございますが、なお質問によりまして補足して申上げたいと思います。
  4. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 御質問ございましたら……。
  5. 赤木正雄

    赤木正雄君 国土総合開発調査連絡旅費というのでありますが、前年度においてはこの旅費はどの方面にお使いになつたのですか、どの府県において……。
  6. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 前年度国土総合開発連絡旅費は概ね開発法に基きます地方計画作成、それから資料整備、そういつた方面に対します指導監督旅費、乃至は打合せ会議をいたします際の旅費として充当いたしたものでございます。
  7. 赤木正雄

    赤木正雄君 その打合せ或いは指導のためにはどの府県にお出しになつたのですか。
  8. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 只今詳しい資料手許に持つておりませんが、地方計画は殆んど全国の各県がいずれもいたしております。それから特定地域関係も、これは全国県数と言いますか、県単位に見て参りますと、三十五県に及んでおりますので、箇所といたしましても、これは殆んど全国的と言つていいかと思つております。
  9. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、国土総合開発は、これは全国的、言い換えるならば各都府県において皆国土総合開発をやつて行くのでありますか。
  10. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 開発法によりまして、地方庁開発計画作成については御承知のように、三つの種類に分れておりまして、都府県計画、それからそれ以上のブロツクを單位といたします地方計画、更に別途にこの災害、それから未開発資源の多い箇所中心といたしました特定地域計画、この三種類に分れて、それぞれ地方としては仕事をしているのであります。
  11. 赤木正雄

    赤木正雄君 今おつしやつた通り、大体三種類なつていることは存じておりますが、特に建設省として特定地域のほうに主力を置くべきではないかと思いますが、或いはそうでなしに、どの方針によつてつて行つても、やはり建設省としてはそれに関連を持つて連絡員を派遣しておられるのですか。
  12. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 本年度までの経過といたしましては、勿論特定地域指定をいたす関係上、その重点特定地域中心にいたしておつたと存じますが、さればといつて地方計画の分についても全然こちらはあずかり知らんということにはいたしておりませんので、これについても若干の指導監督ということはいたしております。ここに予算面に現われておりますように、来年度といたしましては、專ら特定地域計画作成を急ぐということに事実上相成つて参るというふうに考えているのでございます。
  13. 赤木正雄

    赤木正雄君 国土総合開発調査費、これもありますが、やはりこれも主として特定地域のほうに重点を置かれるのでありますか、或いは地方開発にも同じようになさるのですか、この点を伺いたい。
  14. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) お尋ねの点に対しましては、やはり私どもの気持といたしましては、特定地域重点考えて行きたいというふうに考えているのであります。
  15. 赤木正雄

    赤木正雄君 前年度において百二十一万六千円をお出しなつていますが、これはやはり主として特定地域出しているのですか、或いはそれでなしに、万遍なく出しているのですか。もう一遍申上げますと、国土総合開発調査費が本年度においては……。
  16. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 只今局長から御説明申されました内容を若干詳しく申上げます。二十六年度におきましては、まだ国土総合開発法に基きまする特定地域指定なつておりませんので、この特定地域を選定するのに必要な調査重点を置きました関係上、都府県計画作成に力を入れる、その関係で一応全国的に調査費を配付いたしまして特定地域等を選定するための基礎的な調査を主にいたしております。二十六年の十二月に十九の特定地域指定されましたので、二十七年度におきましては、それらの特定地域計画立案に必要な調査をするために調査費を主として使つて行きたいというふうに考えております。
  17. 赤木正雄

    赤木正雄君 特定地域総合開発事業調査費補助金、これは補助割合はどういう割合なつておりますか。
  18. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 二分の一でございます。
  19. 赤木正雄

    赤木正雄君 この補助はどの地域にお出しになるのですか。
  20. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) これは特定地域関係いたしております府県に対しまして補助するのであります。
  21. 赤木正雄

    赤木正雄君 そうすると特定地域関係しておる地域はまだはつきりしていませんか。
  22. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) これは先ほど申上げましたように、三十五県ございます。
  23. 赤木正雄

    赤木正雄君 国土総合開発調査事務費補助金、これは本年度に九百二十万円出ておりますが、この率は幾らですか。
  24. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) これも一率といたしましては二分の一、各府県に対しまして一県当り二十万円というこになつております。
  25. 赤木正雄

    赤木正雄君 四十の都府県に対してこれは平等に割つて、結局各府県二十万円ということになると思いますが、そういうふうな補助割合でこれは至当とお考えなつておりましようか。
  26. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) これは従来から御承知のように、まだそういう法律ができません前に、十三の特定地域というものを実は建設省といたしまして指定いたしておつた時期がございますが、その時におきましても、そういう画一的な頭割の補助費を一応出しておりました。その経緯もございまして、従前の方針を踏襲して来たわけでございます。
  27. 赤木正雄

    赤木正雄君 この国土総合開発、これは地方開発にいたしましても、特定地域にしても、非常に大きな生命問題になつていまして、この仕事に早く入り込まんと、補助金ももらえぬのみならず仕事ができぬ。この地域に入れば何とか仕事をしてもらえるのだということで、各府県ともこれは仕事をしておるのか或いはどうか知りませんが、そういう観念で一日も早く総合開発に入れて欲しい。それがために実際調査しておるのかどうか知りませんが、あなたの手許にもたくさん調査したものが出て来ておると思いますが、僅か二十万円の補助で実際何人くらいの人が使えるのですか。
  28. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 御質問の点は、二十万円の補助の額の問題、それから又この配付の方法について果してそれで十分かという御懸念もあると思いますが、その点は私ども、この点について十分だとは承知いたしておりません。そのために相当職員地方庁としても要し、又調査に対しても相当経費を充当しておるということも事実であるというふうに承知いたしております。ただ御承知のように、この地方財政法関係におきましても、実行国土計画につきましては、これは国として全額調査費負担をしなければいかん、併し地方計画についてはこの国、地方、両方で持つて行くという建前にいたしておりまして、実はその率については明確な基準をいたしておりません。国の財政上の都合からいたしまして十分なるこの国の負担すべき部分についての調査費が行き渡らないという結果といたしまして、計画作成上やはり地方としては只今赤木委員仰せになりましたように早く計画を立てて、これによつて事業促進を図つて行きたいという熱意からいたしまして、相当のこれに対して負担を拂つておることに対しましては、私どもはできる限り今後計画作成を急ぎまして、それに対する事業費補助なり事業促進なりというものを進めて行くことが先決ではないかというふうに考えておりますのでございます。
  29. 赤木正雄

    赤木正雄君 二分の一の補助でありますからして二十万円の倍の四十万円が調査事務費、こういうふうに了解し得ると思いますが、一体四十万円の金でどんな調査ができるでしようか、私はこいつは技術官のかたにお伺いしたい。
  30. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 御指摘のように、この根本的な事業調査なり、いろいろの計画に必要な調査をするためには相当経費を要することは、これはもうその通りであります。四十万円という金額で何ほどの調査ができるか、おつしやる通りだろうと思います。專らこの四十万円を以ていたしましたことは、資料の取りまとめと、その作成ということに当てられたのでございます。
  31. 赤木正雄

    赤木正雄君 この前の国会で、総合開発のあの委員のかたに出てもらいまして私質問したのであります。一体どういうふうな調査をしておられるのか、実に調査は杜撰と思つたのですが、今ここに数字が現われておる通りに四十万円くらいの金で調査しておられるから、あんな杜撰なものが出るのです。それを又根本の調査基礎としてあなたがたの国土総合開発は十九地区か三十地区か知りませんが、その地区を選定なすつた、あんな馬鹿なものをなぜ大つぴらにお出しになるようなことをなさるのか、私はあなたに申すのではない、審議会の人に申すのですが、実際ああいうものを出し国民を惑わす、もつとお出しになるのならば根本的な調査をされて相当の金をかけて初めてできるので、四十万円ぐらいの金で、これは計算して御覧なさい、一人の人が仮に幾らつて何日働けるか、これは小学校の生徒でも、余り馬鹿馬鹿しい話なんだ。四十万円でできた調査を麗々しく審議会にお出しになることが私は不思議千万なんだ。これは国民を非常に迷わす。もう一遍この調査をやり直す方針は、ございませんか。
  32. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 四十万円を基礎にした調査ということを取上げて参りますれば、お話通りであろうと思うのです。ただ先ほども私申上げましたように、四十万円を以て調査の全部をやり、それによつてあの地域指定をしたというふうに言われておるかも知れませんが、そうではございませんので、この特定地域内の調査につきましても、事業に要する調査につきましては、公共事業費の分から相当充当されておるものもございます。これらにつきましてはその事業費での調査によつて調査された結果を活用するということも一つ方法でございます。それから又地方庁といたしましては四十万円のほかに、地方自身負担において相当額調査に充当いたしまして計画作成に当つたわけでございます。勿論十分な調査費ということは、それらの事業調査費、他の事業調査費用、更に府県のみずから負担した調査費用、それ全部を合せましても十分とはこれは申し難いと思いますけれども、現在の地方財政なり中央財政から参りますれば、これらの條件の下にやはり計画作成をいたし、指定するということもこれ又止むを得ない処置ではないかというように考えておるのであります。
  33. 赤木正雄

    赤木正雄君 河川工事にいたしましても、道路工事にいたしましても、或いは港湾事業にしても、水産関係森林関係、或いは土地関係、それぞれ皆相当大きな仕事部面を持つております。又それに関連している役人も、やはり自分事業のために一生懸命になつていると思うのです。そういう仕事をしていながら、なおああいうふうな国土総合開発調査ができるとするならば、私はこれは非常に不思議なものがある。役人の数が多過ぎるがためにこういうことをやつているのか、或いは一方のそういうふうな調査を杜撰にして、この調査に当つているのか、どつちかではないか、そうして又この県が、自分の自費、県だけの金でどんどん調査をするものならば何もこういうふうに調査費を国が補助しなくてもいい。どつちを考えても、要するに私はこの間お出しなつたあの調査は実に杜撰である。ああいうものを基礎にして麗々しく国土総合開発はこういう箇所にするのだとあれが私は不思議なんです。まだその質問も十分完了していないのであります。それに対してあの調査は正しいものというふうな考えで、国土総合開発審議会にお出しなつているのでありますか、それを一つ伺いたい。
  34. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 調査費の活用の問題につきましては、お話通り現在各事業を担当しております官庁がそれぞれ事業調査をやつております。ただこの総合開発計画という計画作成につきましては、できるだけこの調査に重複がないように、而もその調査の相互の関係を十分調整し得るように、こういうふうに持つて行くことが又、これ一つ重要なことではないかというふうに私ども考えておるのでございます。ただ只今指摘になりました調査の結果が非常に粗漏であるという点につきましては、地域指定をしたということは、まだ計画作成完成を意味しているのではないのでございまして、計画作成の前提としての調査というものはまだ今後も進められるべきものでございまして、要するに未開発資源等生産力なり、そういつたようなものを一応想定いたしまして、地域指定したのでございまして、その結果、計画作成の上でどれだけの資源があるか、例えば森林資源としてどのくらいの数量がある、或いは水資源としてどのくらいの流量が予定されるかと、こういつたような調査につきましてはまだ今後も継続せられるべきものだというふうに考えておるのでございます。
  35. 赤木正雄

    赤木正雄君 一体府県でどれほどこの調査費出したのでしようか。それがわかりませんか。
  36. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 正確な数字としては申上げられませんが、相当多額の経費を充当しておる県につきましては、数百万円の経費調査費出しておるというふうに承知いたしております。
  37. 赤木正雄

    赤木正雄君 この調査に専念すると申しますか、或いはこの調査だけの事務員或いは技術官が各府県にいるのでありますか、或いはほかの事業をしていながらこの調査をやるのですか、それはどうなんですか。
  38. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 全国国土総合開発法が施行されましてから、それの審議機関としましてすでに三十一県に審議会ができております。それから審議会を作るためには、府県條例を作るようになつておりますが、その條例が作られましてまだ審議会が発足していない県が十二県ございます。條例のまだ未完成であるという県が二県ございまして三十一県はすでに発足しましたし、十二県は近く審議会が発足するというふうになつております。従いましてこれも審議会ができますと、それの事務局としての若干の職員が要りますので、その職員は全部配属されることになると思います。それからそのほかにこれらの事務を掌ります機関として、名前はいろいろございますが、計画課とか企画課とかいうふうな機構が各府県におおむねできております。それらの責任者は或る県では総務課長がなり、或いは知事番付の人がやり、或る場合には土木部計画課長責任者になるような工合になつておりまして、その下に二、三の兼任の職員がおりまして、そしてその他の職員は各道路とか、河川とか、農地の関係職員が兼務して課を構成しておるという状態であります。
  39. 赤木正雄

    赤木正雄君 この前の審議会で私申したのですが、例えて申しますと、琵琶湖のごとき……誰が見てもこれは水力発電といたしまして、金は安くて而も電力の出量は最も多いというふうな観点から来る総合開発を先ず第一に取上ぐべきものじやないか。あのときも、知事のほうではそういうことがないから取上げない、こういうふうな御答弁がありましたが、ああいうふうな重大問題に対してはどういうふうな考えを持つておりますか。
  40. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 御指摘のように、琵琶湖開発総合開発計画の上でも重要視さるべきものであるということは、仰せ通りであるというふうに存じます。ただこの総合開発法観点といたしましては、やはり地方のそれぞれの意見というものも尊重し、それによつて国土総合開発審議会が勧告するというふうな、国としてはむしろ地方計画を受けてこれに対して所要の措置をとるという建前にいたしております関係がございまして、従いまして琵琶湖の問題につきましては、地元県である滋賀、京都、そういつた県のそれぞれ意見としまして計画を立てそれを中央に提出するという開発法一つ所要の手続に則らない限り、これを中央から指定して行くということはどうであるかという点も考えまして、特定地域の問題とはならなかつたようなことがございます。なお琵琶湖地域につきましては、昨年の十二月に閣議了解をいたしておりまして、一つ開発法特定地域にするかどうかという、この所要調査をする調査地域という取扱を、実は政府としては決定されておるわけでございます。
  41. 赤木正雄

    赤木正雄君 今ちよつと聞き洩らしましたが、調査地域と言うのですか。
  42. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) そうです。
  43. 赤木正雄

    赤木正雄君 調査地域というとどういう所にある……。
  44. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 調査地域としては八つ地域が挙つております。京浜或いは千葉の港湾地帶を含みます東京湾地域、これが一つ、それから九頭龍川地域、それから琵琶湖地域瀬戸内海地域吉野川地域備北地域有明海地域球磨川地域、これら八つのものが調査地域として決定されております。
  45. 赤木正雄

    赤木正雄君 その調査地域というのは、国がみずから調査する地域なんですか。
  46. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この取扱については、まだはつきりはきまつておりませんが、調査地域として国が指定いたしますからには、これに対しての調査のやはり相当負担をして参らなければならんというふうに実は考えているのでございます。
  47. 赤木正雄

    赤木正雄君 それは、少くとも調査地域指定されている以上は当然調査さるべきものと思いますが、その費用はどこに載つているのですか。
  48. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この費用は、経済安定本部費用に載つていると存じますが、資料を持ち合せませんので、金額についてははつきり申上げられませんが、経済安定本部経費として計上されていることと存じます。
  49. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、国土総合開発に関して一部分建設省国土総合開発調査、一部分は又同じことを調査地域という名前で経済安定本部この両方にされているのですか。
  50. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 特定地域については、これは開発法の上ではつきり取扱がきまつているのでございまして、府県調査取扱うその窓口、これは建設省所管して行くべきものであるということが、法律上規定されているわけであります。調査地域については、そういう法律上の取扱が実はきまつておりません。従つてさような関係で、今御指摘になりましたような取扱をいたしているのでございます。
  51. 赤木正雄

    赤木正雄君 そうすると、調査地域というのは安本といたしますと、あなたにお伺いしても無理かも知れませんが、これは全部国費で調査なさるのですか、或いは府県補助なんですか、或いは国費が主体として、府県からも金を出しているのですか。
  52. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 全額国費ではなくてやはり国費、地方費の両方で負担して行くことになると考えております。
  53. 赤木正雄

    赤木正雄君 特定地域に十九地域ですか。あれはそうすると、もう全部調査済になつているのですね。
  54. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 先ほど申上げましたように、計画作成上必要な調査は、まだ全部済んでいるというふうには考えておりません。今後も調査はやはり継続され、従つてそれに必要な国の負担というものも当然あり得るというふうに考えているのであります。
  55. 赤木正雄

    赤木正雄君 今おつしやつた地域ですか、それは調査地域として御調査なすつて、それが特定地域に或いは将来なり行く性質のものなんですか、どういうふうなのでしようか。
  56. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 調査地域の将来の問題については、今はつきりしたことは申上げられませんが、要するに特定地域指定の際に、御承知のように全国で五十一地域の候補地が実は挙げられて、地方からの要請があつたわけでございまして、そのうちの最重点に置きました地域特定地域というふうな指定を受けたわけであります。併しながらその地域と比較対照いたしまして、調査の結果によつては十分特定地域としての指定條件ありというふうな想定をいたしまして、それを一応調査地域といたしたわけでございますから、この地域の今後の調査なり計画内容なりによりまして特定地域指定される可能性はあるというふうに考えておるのでございます。
  57. 赤木正雄

    赤木正雄君 特定地域関係している地方庁からして申請がなければできないというふうにも考えますが、そういたしますと調査地域で、これは特定地域に入るべき資格があると、こうお考えになりましても、やはり地方庁から申請がなければ特定地域に入れないものですか。
  58. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 地方のやはり意見というものを開発庁としてはできるだけ尊重したいというふうに考えております。ただ地方庁意見としては特定地域の要請が仮になかつた。併しながら国としてはその地域の重要性は十分認められるという関係があります場合におきましては、これは又特定地域として手続をとる途も開かれております。
  59. 赤木正雄

    赤木正雄君 それならばこの前、審議会質問した通りに、琵琶湖のごときは誰が見てもほかの特定地域にされているものと比べて先ず第一にこれは考えるべきものである。これは素人が見てもわかる。それでありながら地方から申請がないからといつてこれを特定地域に取上げていない。これは非常に不思議に思う。今のように地方から申請がなくても、前のように取上げられるという場合には、当然琵琶湖のごときは特定地域に取上げなければならない、これは当然考えることなんですが、これはどうなんですか。
  60. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 中に技術的な内容を持つた関係もありますので、若干補足して御説明いたしますと、実は琵琶湖におきましては、最も関係の深い滋賀県から発電地域を含まない別な地域特定地域として指定の要請をして参りました。滋賀県の意見としてはそうなんでございます。私ども事務取扱う者としましては滋賀県で特定地域指定するのに最もふさわしい地域としましては、やはり今問題になつております発電地帶というものを含まなければならないという工合に考えております。それからこれは琵琶湖の周辺を特定地域とします場合には、滋賀県については今申上げました通り、そのほか大阪、京都或いは関連して兵庫県なども入ります関係から、たとえ国が指定いたします際にも、府県の同意を得なければいけないことになつておりまするので、相当関係府県の意向が固まつておりませんと、要請いたしましても果して同意が得られるかどうかという懸念もございます。それから特定地域としまして要請しますときには、その地域開発計画の大綱等の説明をいたさなければならないことになつておりまするが、その計画自体に又私ども承知しておる範囲は、いろいろな案がございましてまだ十分熟していないというふうなことが考慮されましたので、第一回の指定からは一応外しまして、問題点をもつと突込んで研究するほうがよろしいのではないかという工合に考えまして、調査地域というふうなことになつたものと思います。
  61. 赤木正雄

    赤木正雄君 特定地域或いは国土総合開発についてはまだ質問がたくさんありますが、これは又次の機会に譲りまして、次にお伺いしたいのは、建設技術研究補助金、これはどういうふうに今年度はお使いになるのですか。
  62. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この建設技術研究補助金でございますが、これは金額は千五百万円で、本年度の経過を申上げますと、これにつきましては建設省といたしましては、大きく建築関係とそれから土木関係、こういう二つのカテゴリーに分けまして、建築研究所、土木研究所、これが中心になりまして、民間の研究テーマをそれぞれ検討いたしまして、そのうちから建設省内におきまして、この研究助成をいたしますテーマの選択につきまして、協議会を設けまして、議会が中心になりまして検討審議をいたしまして、それによつて取上げましたものにつきまして、それぞれ助成をする、こういう方法をとりましたのでございます。詳しい研究テーマその他につきましては、現在資料を持ち合せませんが、後ほど又資料としてお届けすることに用意いたして参ろうと存じておりますが、若し御入用ならば差上げることにいたします。
  63. 赤木正雄

    赤木正雄君 これについてお伺いしたいことがありますが、その資料をお示しになつた場合に、その資料について私はお尋ねいたします。今日は資料をお持ちになりませんから、この次の委員会の際に、その資料をお出し下さればその資料によつて改めてお伺い申上げます。
  64. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほどの赤木さんの御質問に関連する簡單なことですが、特定地域総合開発事業調査費補助金の千二百万円というのは二分の一というのですが、十九地域、三十五県に跨るそれは二千四百万円の調査費を以て十分な調査がなし得ると、こういう計画の下に置かれておる予算考えてよろしうございますか。
  65. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この点につきましては、実は当初の予算要求におきましては二億数千万円の実は要求をいたしておりましたのでございますが、財政の都合等で非常な削減を見たのでございます。そこで御指摘のように、二千四百万円の金額を以て十分とは実は私ども考えておりません。おりませんが、一面先ほども申上げましたように、この特定地域内のそれぞれの事業調査、これを対象としました調査費につきましては、別途公共事業費の五億四千万円の費用がございますので、そのうちできるだけ特定地域内に含まれます事業調査の面に重点的に配分を考えて頂く、これも一つ方法であるというふうに考えまして、これから一億五千万円の補助費を一応この紐付と申しますか、イア・マークするような方法において関係部局とそれぞれ打合せをいたしまして、おおむねそういう結果に成り得るであろうというふうに考えておるのでございます。
  66. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その一億五千万円というのは、十九地域に対してだけのものですか。
  67. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 十九地域の中にございます河川でありますとか、港湾でありますとか、道路、そういつたようなそれぞれの事業調査費で二ざいます。
  68. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 別な観点からお伺いしますが、一億五千万円の、それぞれの事業に伴う調査費が出ているにしましても、先ほど説明員からお話もありましたような審議会或いは企画課等において、1人件費その他相当額かかるのですが、それだけでも二千四百万円は吹つ飛んでしまうのじやないかと考えるわけですが、又我々承知しておるところによると、各府県当局が再三上京し、各方面にそれぞれ要請をするなどという費用は、これは相当莫大なものがあるように我々は見るのですが、結局は国が千二百万円しか出せないという場合にも、地方の持ち出す分というものが、それに見合つた千二百万円だけではなかろうと思うのです。必ず私たちの想像では恐らく一億を突破するこの関係費用が必要ではないかと思うのです。そうしますと、これはちよつとお尋ねするわけですが、こういう調査費特定地域における事業調査費は、地方財政平衡交付金配分における財政需要の算定基礎の中に繰込まれるように、新規のものですから……、地方財政委員会との間に話合いがあつて、そのほうの金と見合つたものかどうか、お伺いしたい。と申しますのは、私そのほうの委員会のほうにおつたのですが、各官庁独自にどんどん事業或いはその他のことでやつて、それに見合う地方財政のほうはさつぱり考えないという向きがある。で、地方財政は県だけでも今回歳入欠陷が三百億に近いと言われ、問題になつておるのですが、ちよつとした頭を出すだけで、あとは地方で出せと、地方の熱意如何によつて特定地域開発ができる、できないということが、一にかかつて地方の熱意にあるのだと、こういうやり方は私には解せない。そういう意味から、氷山の一角みたいなものですけれども、そういう方面は、どういう考慮を拂つておられるのか、この際お伺いしたいのです。
  69. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) その点については十分な御説明にならないかも知れませんが、人件費その他のことにつきましては、これは飽くまで計画作成一の調査に必要な補助でございまして、人件費その他を対象といたしてはおりません。従いましてその部面につきましては、平衡交付金の配分の一つの基準の問題として別途考えて頂かねばならんというふうに考えておるわけでございますが、ただ先ほども申上げましたように、この特定地域調査そのこと自体は、これは国としても勿論相当負担をいたさなければならないわけでございますが、これはやはり地方開発という問題に直接触れて来るわけでございまして、地方といたされましても相当負担考えられるのではないかというふうに存じておるのであります。なお特定地域調査は、これは県を単位に考えて参りますと、県としては特定地域調査も勿論あり得るわけでございますが、又一方、中央自体としての都府県計画及び地方計画調査も又同じ事務費の中において、それぞれ考えられておることと存じますので、私のほうは、專らこの特定地域事業調査というものを対象としてここに計上をいたしておるわけでございます。
  70. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ではもう少し一般的にお伺いしますが、三十五県が特定地域指定されたことによつて、その府県財政需要は確かに上廻ると思う。これは一般的にどうしても上廻ると思いますが、これについて建設省のほうで、総合的に各種の費用が上廻ることについて平衡交付金その他で見合つた財政カバーを中央がやつて行くということについては、地方財政委員会等とお話合いを進められておるのか。又特に二十七年度からそうなるのですか、その関係のほうはどういうふうに解決しようとしているのか、お伺いします。
  71. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) その点につきましては、御指摘になりましたように、この特定地域というものを指定され、この仕事が漸次今後引続いて行くということも確定したような段階に立ち至つたのでございますから、御指摘のように地方財政委員会とその点については話合つてみたいというふうに考えております。又現在法律の改正も考えておりまして、それによつて調査費負担歩合というものも、はつきりきめて行くような方向に持つて行きたいというふうに実は考えております。
  72. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 もう一つ、それでは千二百万円というのは頭割の配分をするわけですか、それとも調査の進捗状況に見合つて具体的に配分するようになつておるかということが第一点又もう一つは、予算を出すに当つて地方調査計画、或いはその需要見積りというものを新年度にそれを地方から取つて、それに見合つてこういう予算を作つたのかどうか。その点をお伺いしたい。
  73. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) お話の前段の問題につきましては、この調査費の配分を如何にするかということは、今後御意見等も参酌しつつ検討をいたして行きたいというふうに考えております。果して画一的な補助の配分の方法をとるほうがいいか、或いは御指摘になりましたように、計画作成の進捗その他の状況を勘案しつつやるほうがいいか、これは十分検討して参りたいと存じます。  後段の点につきましては、予算要求の際におきましては、格別地方からの所要金額というものを調査し、提出をしてもら一つたというような手続はいたしませんが、併し実際問題としましては、おおむね本年度乃至はその前年度におきまして地方負担した実績というものもわかつておりますので、それらを勘案しつつ要求はいたしたのでありますが、実際問題としては、ここに数字の挙げられましたような削減をしたような結果に相成つております。
  74. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 特定地域指定されたところは、それを以てもう国も十分応援し、積極的にこの事業遂行をしてもらえるんだということで、指定なつたそのことを以てもう万歳というような形でおる向きが多いようですが、実際は調査費そのものさえ、こうした少額なものであり、又公共事業費等においても特段にこういう特定地域重点的に注ぎ込むということについても、はつきりした御意見も伺えない、こういう状況で、この国策として総合開発法によつてこういうことをやつて行くということで、実際最初考えられたような事業遂行ということが進められるとお考えなつておるのか、或いは事情やむを得ずこれは相当先へ延びて、どんどん仕事が進められない状態になるというふうにお考えになるのか、この際もう少し一般的に予算面その他から見合つて、金がとれたとか、とれないとかということから見合つて意見を伺いたい。
  75. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 私の管理局の立場からこういうことを申上げることは甚だ当を得ていないかとも存じますが、只今質問になりました点は非常に重要な問題でございまして、私どもも、この総合開発計画のこれは法律として制定された以上、この結末を十分法律の目的に副うように努めなければならないということは、当然だというふうに考えておるのでございますが、併しながらこの国の財政地方財政とのやはりバランスということは、絶えず考えてやらなければ、この総合開発計画の中に盛られる事業費の額は、これは申すまでもなく非常に厖大な数字になるわけでございますから、当然考えて行かなければならんというふうに考えておるのでございます。そこでこの特定地域指定を以て、すでに地方側としましては事業費重点的な配分というものが、これが確保されたのだというふうにとられておることも、これも事実でございます。事実でございますが、併し私ども総合開発計画を担当する者としては、必ずしもそういう楽観的な気持を以てこの仕事取扱うべきものではないというふうに実は考えておるのでございます。総合開発計画一つの狙いは、御承知のようにこの公共事業の中にある各事業が、いわゆる相互の関連性、そういうものを密接に持たせまして、そうして一例を申上げますならば、最近盛んに唱えられておりますような多目的なダムの建設、これによつて洪水の調節をやり、一面は電源開発に資する、更には灌漑用水を確保する、こういつたような相互の関連性を一つの施設によつて達成するということ、それによりまして同じ事業費を注ぎ込むにいたしましても、その経済効果を高める、こういう観点考えて行かなければならないというのが一つの狙いでございますので、そういうふうな観点で国の同じ注ぎ込まれる公共事業費の経済効率と申しますか、資金の効率を高めて行くような方向に、先ず以て努力して行く。これが先ず最初に考えなければならない問題であるというふうに考えております。徒らに地域内の事業費を総体的に高めて行くということだけが総合開発計画の狙いではなく、そういうふうな経済効率を高めるような事業費の配分、それから計画性を持たせる、こういうことに先ず以て目を向けて行かなければならないのではないかというふうに考えておるのでございます。従いましてそういう観点に立つた計画が逐次出て参りますならば、むしろ重点的にそういう計画の下に立つた事業費に対しては、これは国として大いに考慮を拂うべきものであるというふうな推論が、これは当然出て来ると思うのでございますが、そういう意味合いにおいては地方側の総合開発に対するこの事業費重点的配分という要望も又根拠のあるものではないかというふうに考えております。要はそうした計画について立ち得るか、立ち得ないか、立つように国としては指導する。地方側もこれに応じて計画を立てる。その結果として、いい総合方式の計画が立つならば、これに対しては国としては相当の考慮を拂うべきじやないか、こういうふうなことを考えておるのでございます。
  76. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 よくわかりました。そうすると今後特定地域指定を拡げて行くということは、結局財政的には限られたものもあるのですから、前段のほうの予算を有効に使う、総合的に使つて行つて節約して行こうという意味合いにおける特定地域指定というものが殖えて行くのだ、その程度にしか考えられないように思うんですが、大体そう考えていいんですか。
  77. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この事業費の使い方としましては、これは国の財政なり、地方財政が窮屈であれば窮屈であるほど、そういつた計画性を持たして効率を上げるということを考えなければならんことは、これは当然であろうと思うんです。ただそういつたような計画が多く出て来るということに対して、これを国としてはチェックする、或いはそれを従来の公共事業費に充当されているものに対しまして、そういう総合開発計画の方式に則つた事業あるが故に、全体の事業費を節約分だけ縮小して行く、これは又現在公共事業費についてなお不足の声は到る所にあるのでございますから、その節約が仮に可能だとしますと、その節約分は他の事業費に充当するというような方法考えるべきじやないかというふうに思うのでございます。
  78. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 お話はよくわかりました。金も大してない、それに特定地域指定している。ところがそれも調査の段階で、調査の、或いは計画完成を見るのもまだまだとてもかかる。又その間に個々の公共事業がその総合的な見地で切換えて進められている部分は、それはこうあるわけですけれども、いつ、一通りこれでいいんだというところまで行くかわからんという事態にあるのに、特定地域指定を拡大して行くということは、何か矛盾しているのじやないか。重点的に片付けて行くという方式と、総花式にやつて行くという方式と、どういうふうにお考えになるか、まあどういう観点で実際特定地域指定し、事業遂行をやつて行こうとしているのであるか、基本的な態度が、私わからんので、お伺いしたいと思います。
  79. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) これはお話の点は、特定地域指定の場合にも非常に問題になつた点で、ございまして各地方側としては五十一の公共事業を挙げて来ておるようなことに対して、どういう取扱をするかということでございます。私ども考えを端的に申上げまするならば、やはり国としては重点的に事業費の配分を立てる。その内容としては只今申上げましたような多目的な施設による経済効果の高いものというふうなことに重点を移行してやるということが理想的であるというふうに考えるわけです。従つてその意味からいいますれば、できるだけ地域の数を少くして、国の助成すべき事業の対象もできるだけ少くして、早期完成をする、これが然るべきことであろうというふうに理想的には考えるのでありますが、併しそれかといつて現在災害復旧その他いろいろの公共事業費の要請は、これは幾らつても足らないというような地方側の要望に対して、これを無視して重点的に十九地域乃至は十九地域の一部だけに移行する、これもなかなか困難なことでございます。そこで私ども考えを端的に申上げますならば、計画作成の過程において出て参りますでありましよう公共事業の遂行、これを私ども計画ができないが故にチエツクするということは、これは当を得ないことでございます。併しながらその過程においても、できるだけ一部分でも総合開発方式に切換えまして、公共事業費の節約なり、使い方を有効にするという観点で、仕事をいたして行くべきではないかというふうに考えておるのでございます。
  80. 赤木正雄

    赤木正雄君 もうちよつと聞きたいのですが、国土総合開発調査費は来年度は本年度より増しておりますが、それに反して国土総合開発調査事務費補助金が来年度は全然ないのです。これはどういうわけですか。
  81. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この国土総合開発調査事務費補助金というのは、これは実は昨年度においては特定地域指定がございません。従いまして予算面においてはごの国土総合開発調査事務費補助金という形をとらざるを得なかつたのでありますが、昨年特定地域というものの指定を見ました関係上、これは費目を切換えたのでございます。
  82. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと特定地域総合開発事業調査費補助金、これが本年度国土総合開発調査事務費補助金、これに該当するのですね。
  83. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) さようでございます。
  84. 赤木正雄

    赤木正雄君 これは後によく調べます。もう一つ、次に地方建設局庁舎其他補修費、私はほかの官庁営繕は存じませんが、これはどこどこを補修なさるのですか。
  85. 木村惠一

    説明員(木村惠一君) それはあの東北地方建設局の庁舎でございます。
  86. 赤木正雄

    赤木正雄君 そうですか。関東地建は今のままで、別に新たに新築するとかそういうことはないのですか。
  87. 木村惠一

    説明員(木村惠一君) 関東地建は要求はございましたのですが、大蔵省の査定で落ちたものであります。
  88. 赤木正雄

    赤木正雄君 私はほうぼうに住宅が不足の場合に、まだあれは十分使い得ると思いますから質問したのです。
  89. 田中一

    ○田中一君 建設技術研究補助、これは土木研究所、建築研究所で定められた別のテーマで研究する場合に補助する、こういうわけですか。
  90. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 補助金の使い方としては、大体大まかに三つの原則を立てております。一つは今御指摘のことに関連するものでございますが、両研究所で処理し得るものは対象にいたしません。これが一つ。それから建設機械等におきまして通産省で一般機械費用で改良ができる部門、これはそちらのほうにお願いすることにして土木建築関係機械だけを対象にするということ。もう一つは或る局部的な、利用面が局限されるものについてはこれを補助の対象とせず、相当広い範囲に適用するものでなければいけない、こういう三つの原則の下にやつております。そこで今御質問の両研究所で直接やり得るものは対象としないと申しましたが、理論的な研究だけは両研究所でやれるが、現地との結び付きば両研究所では機械設備等がないのでやれないというものは、実地との結び付きの分だけの研究を補助金の対象にしております。
  91. 田中一

    ○田中一君 土木研究所は五千九百万円以上の予算をとつているわけですね。それから建築研究所は二千八百万円とつている。そうすると、この費用機械設備や何か一切のことが完成できるのですか。機械設備やその他のものはこの経費から支出しておるのですか。千五百万円の金は、特定の機械などを買う場合にはこの分から買つておるのですか。
  92. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 只今お話のございました土木研究所、建築研究所の費用によつて、あそこの設備の拡充改善を図るという建前にいたしておりまして、この千五百万円からはそういう金を出すことはできない、こういうことでございます。
  93. 田中一

    ○田中一君 私は建築研究所も土木研究所も万全の設備があると考えておらないのです。従つてテーマによつて新らしい機械を購入しなければならないのです。そのくらいの幅を持たせなければ、研究所の本当の意味の研究はできないのじやないかと思うのです。資金があれば物がたくさんできるのだという考え方をする時代じやないと思います。結局技術的な研究が、同じきめられた資金でその研究によつてそれが二倍、三倍の効果を挙げ得るというのが、日本の今日の建設技術の研究じやないか思うのです。ただただ資金のみに依存して、百億あれば百億のものが建つというのじやなくて、百億で二百億分、三百億分のものを実現するというのが敗戦日本の姿じやないかと思います。従つて私は両研究所が……私も建築研究所にはちよいちよい見に行つておりますが、もつと活發に、余分によそに出す真意があるならば、これにもつと盛込んで、新らしいテーマを発見し、又民間からもいろいろな注文が来ると思う、そういうものを取上げてここで予算を如何にして節約するかということは、この研究所で以てその成果が挙げ得ると思うのです。これは大蔵省へは、その所要経費はどのくらいあなたのほうで要求したか局長に伺えばわかりますが、もう少し強く研究所の経費というものを大幅に盛つて、そうして国費の節約を図るというような形に持つて行くには、局長などの熱意も足りないんじやないかと思う。要求はどのくらいであり、今大きな研究はどんなものをしておるか。先ほど赤木委員から質問したときに報告があるというお話がありましたが、大体大まかなものだけ御説明できませんか、研究所の補助費の要求は幾らしたか、どんなものを研究したか。
  94. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 研究所の補助費の当初の要求としましては、これは御承知のようにスタツフのほうが大体活動の重複等を調整いたしまして、妥当な要求をするようにアドバイスいたしておりますので、それらともいろいろ打合せました結果、当初の要求額としまして本年度の千五百万円に対しまして五千万円、約五千万円要求しております。その内容は詳細な資料只今持合せていないのでございますが、大体土木と建築関係がほぼ同じくらいな分量、それから土木建築の機械関係がやはり同量、大体二五%くらいが土木関係、二五%くらいが建築関係、他の二五%くらいが土木建築の機械関係、それから残りの二五%が土地とか住宅とか或いは地方計画その他の関係という工合になつております。
  95. 田中一

    ○田中一君 この経費の面は、土木研究所の五千九百万円、これは幾ら要求しましたか。建築研究所のほうは幾ら要求したか、要求した額ですね。
  96. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 後ほど調べましてお答え申上げます。
  97. 田中一

    ○田中一君 私は大臣並びに次官が来れば聞こうと思つたのですが、研究所の費用というものを、今のような日本の貧乏した状態においてはますますここに有効に資金を注ぎ込んで、冗費を省いてその面から作業をやらなければならんという考えを持つているのです。これが得てして、建設省は殊にそうですが、研究所に交付する金は余分な金だという気持があるのじやないかという気持がする。金さえあれば何でもできるのじやなくて、研究すれば、百億のもので百億のものしかできないということでなくて、百億のもので三百億の効果のあるものができるのです。負けた日本の今日において、最も必要なものは研究じやないかと思うのです。この点について、これは局長、次の機会に、どういうことをやつておるか、又去年どのくらいやつて来たか、今後どうするかということを明確に示して欲しいと思う。次に建設業登録事務地方公共団体委託費、これは建築業のほうの登録料を取つておりましたね。この登録料の收入はどういう工合に使われておるか、この補助費の意味は、どういう方面に使うのか、一つ説明願いたい。
  98. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 建設業の登録につきましては、お話のように登録手数料というものを徴收いたしております。たしか中央の登録の場合は五千円、それから地方登録が三千円というふうになつておつたのでありますが、これが二カ年ごとに更新いたしておるわけでございますから、只今申上げました手数料の收入は一応国庫に帰属して、これが二カ年ごとに入つて来る。こういうことになります。この手数料を裏付として今の登録の地方に対する補助費の充当の財源に充てて行く、こういう考えでやつております。
  99. 田中一

    ○田中一君 そうしますと、ここにある百十八万八千円ですね、百十八万八千円ぐらいが登録料だと、こうおつしやるのですか。
  100. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この点は、実はこれは登録手数料で余分の国は收入をしておるということも考えられるのでございます。即ち登録手数料の国の收入に見合うだけの支出を全額二カ年に弾き出すという観点に立ちますれば、もつとこの登録事務の委託費の予算は増額さるべきではないか、こういうことも勿論言えるわけでございます。ただこれは委託費プロパーのほかの、人件費その他の分はこれは地方はそれぞれの財政負担負担しているわけでございます。そういう観点もございまして、昨年に比しまして若干減額を見たのは甚だ私どもとしましては遺憾に思つておる次第でございますが、現在の財政上やむを得ないというふうに考えておるわけでございます。
  101. 田中一

    ○田中一君 では、この次までにその内訳を出して頂きたい。
  102. 赤木正雄

    赤木正雄君 今、田中さんから研究補助の問題がありましたが、もう一遍お聞きします。研究補助でありますからして、これは或いは個人、或いは会社、或いは学界、協会、研究所或いは大学方面からいろいろ研究を申込むことと思いますが、それに対して、補助なつておりますからして、補助の率はどういうことになつておりますか。
  103. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 補助の率は、これは次の機会に規程、内規のようなものを一緒に御説明申上げますが、それで規定いたしました條件に当てはまる支出に対しましては、その全額を交付いたします。但し、それは例えば研究をするための機械とか、それから研究の補助員の役務費とかいうふうに、補助の対象になるものを限定しておりますが、それだけでその研究は字成いたしませんので、その他の支出がありますが、例えば雑費とか、或いけ本人の給料とかいうものが要るわけでございますが、役務費とか、研究に直接関係のある機械の損料とか、修繕態とかいうふうなもの以外は対象にしたいというふうになつております。対象にしたものについては全額でございます。研究費の総額から見ると、或る場合には二分の一になる場合もございます、或る場合には三分の一になる場合もあるというふうにいろいろございます。
  104. 赤木正雄

    赤木正雄君 例えば河川関係とか道路関係について、大学方面から研究をやはり二十六年度に申込んだと私は記憶いたしておりますが、そういうものに対しても国が補助をやるのですか。大学は大学で又一部の金を出しておるのですか、どういうふうになつておるのですか。
  105. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 大学のほうにおきましては、文部省のほうからやはり補助を受けて研究いたしております。これは応用研究では、ございませんで、基礎研究でございます。同じ人が応用研究をするためにやはりグループを作りまして、一つの研究題目を選びまして、建設省が官報で公示しましたものに対しまして、研究の申込をして参つた例がたくさんございます。そのようなかたに対しましては、一般の民間の研究機関等と同じように、そのグループを一つの研究の組織と認めまして、それの責任者に対しまして委託をしておるわけでございます。
  106. 田中一

    ○田中一君 営繕関係でもう少し聞きたいことがあるのですけれども、時間がありませんから、次回に廻して、これでやめて欲しいのですが……。
  107. 赤木正雄

    赤木正雄君 ちよつと関連して、この研究した結果がどれほど価値があつたか、これは一般の民間のほうも我々は知らないのです。でありますから、二十五年度、二十六年度にどういうふうなテーマに基いて研究したか、その報告、それはどれほど研究の価値があつたか、これをこの次の機会までにお示し願いたい。
  108. 落合林吉

    説明員落合林吉君) この研究補助金の制度は、二十六年度が初めてでございまして二十六年度にやりました成果を、二十七年度の当初におきまして印刷物にいたしますので、それらを併せてお目にかけたいと思います。
  109. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは今日はこれを以て散会いたします。    午後零時十三分散会