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1952-02-07 第13回国会 参議院 建設委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月七日(木曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————   委員の異動 二月六日委員石坂豊一君辞任につき、 その補欠として島津忠彦君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            深水 六郎君            前田  穰君            三輪 貞治君            三木 治朗君            東   隆君   政府委員    建設省河川局長 目黒 清雄君    建設省道路局長 菊池  明君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊池 璋三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○河川道路都市及び建築等各種事  業並びに国土その他諸計画に関する  調査の件  (昭和二十七年度建設省河川局、道  路局関係事業に関する件)   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それじやこれから建設委員会を開会いたします。  皆様の御発議によりまして水道法が出た場合には建設委員会に付託してもらいたいというお話がございましたので、只今專門員武井君と一緒に議長のところへ行つて参りました。議長に会いましてその趣きを申上げましたところ、厚生委員会から何らの申出がなかつた場合にはそのようにいたしましようと、併し厚生委員会から申込みがあつた場合には議運にかけなきやならぬと思います。よく事務総長とも相談いたして置きましようと、こういうお答えでございましたから御報告申上げます。  今日は河川局長目黒清雄君から河川局予算についての御説明をお願いしたいと、こう存じます。
  3. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 私のほうの予算参考資料のうちの6という番号を打つておりますが、それを御覧頂きながら御説明いたします。  大体におきまして、今度河川予算の大きな目標といたしましては、最近の災害実情に鑑みまして、上流、殊に山林の荒廃による上流被害が多くなつて参りましたことから、第一番目に考えなくちやならんのは、砂防工事の増強でございます。本年度は四十億と相成りまして、相当増額を見たのでございますが、これに重点を置きましたのが一つ、第二番目には、御承知通りに日本に残された資源としてはまあ水資源が最も重要である。これが活用を図らなければならぬという点と、最近の電力事情から見ましても、電源の開発が必要であるというような観点、更にすでに下流が改修され、或る程度洪水ははけるようになりましたが、異常の洪水に対しては、まだ不十分であるというような河川がありますので、それら上流ダムを作り、洪水を調節し、これを利用し、灌漑用水、或いは電気に使うという、いわゆる多目的工事に力を入れたのであります。大体におきまして大雑把に申上げますると、この事業は本年度におきましては約四十億程度であります。これは予算面に載りました公共事業費運用部資金融資によるものと、これを合算いたしまして四十億程度でありましたが、来年度御審議願うという予算公共事業費において三十五億円、運用部資金において六十五億円、約百億であります。更に直轄河川改修直轄で行いまするダムの、電気部門が如何なる形態で行われるかわかりませんがこれが若し今問題のあります開発公社或いは開発特殊会社でこれが実行されるとすれば、更に数十億の金が入るということでありまして、非常にこの点は伸びております。その二つの点が河川予算の主な点でありまして、他の予算はそう大して殖えておりません。大体昨年度より多少増加を見たというに過ぎないのであります。  先ず直轄河川改修におきましては、前年の七十七億九千六百万円に対して八十三億九千万円で、五億九千万円の増加となつたのであります。この程度増加で我慢しなければならなかつたということであります。次に河川改修費補助におきましては前年は三十一億三千六百万円でありますが、三十五億七千九百万円と相成りまして、これも四億四千三百万円の増加であります。海岸堤防は七億千百万円が八億六千八百万円となりまして、一億五千六百万円の増、河川総合開発事業費補助が六億二千二百万円が九億六千六百万円となりまして、三億四千四百万円の増、それから、特別鉱害、これは福岡と長崎の戦時中の炭坑濫掘による被害でありまするが、これは前年度通りにまだ残事業をやつて行きたい。それから地盤変動対策事業費は本年度初めて顔を出したのでありますが、一億円。ここで鬼怒川ほか二河川総合開発事業が別に取上げられまして、継続費となり、十億九千八百万円が十四億七千八百万円となり、三億八千万円の増となつております。これらが河川予算でありますが、そのほかに北海道開発におきまして、やはり幾春別総合開発事業増加いたしておるのであります。次は砂防は三十四億のところが三十九億七千五百万円となりまして、五億七千百万円の増となつております。次に災害復旧費でありますが、昨年度災害復旧費百八十二億四千七百万円が二百四十一億三千六百万円となりまして、五十八億八千九百万円の増となつております。これは災害が累年激増して参りまして、又過年度の残が千百億近くありますので、これをやりましても来年度残りの三割程度事業きりできないのであります。それから北海道河川事業費におきましては十六億三千六百万円が十八億二千百万円となりまして、一億八千五百万円の増となつております。その内訳は、直轄河川河川改修費補助海岸堤防河川調査或いは幾春別総合開発というようなものになつております。総計におきまして三百七十七億五千万円が本年度は四百六十九億と相成りまして、・九十一億四千四百万円の増となつております。これはまあ災害も入れてのお話ですが、その程度になつております。
  4. 赤木正雄

    赤木正雄君 災害復旧費をどういうふうにお使いなさるか、言換えれば過年度災害に対して、今まで仕事が残つておるものに、この費用のうちをどの年度災害に対してどういうふうにお使いになるかわかつておれば、この次の委員会でも結構ですから、資料をお出し願いたいと思います。
  5. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 只今のところは過年度災害としては二十三年度から残つております。二十三、二十四、二十五と本年度の二十六というふうで、千百億近くの災害が残つております。ところが二十六年度ルース災害につきましては、予算関係上、本年度におきましては一応予備金の残二十九億と、それ以外は運用部費命融資というような点で賄つた関係上、ルース台風に対しては来年度この予算のうちから優先的に四十一億程度を出さなければならんことに相成つておるのであります。そこでその残りは一応三割程度でありますが、その配分につきましては更に検討を要する点がありまするので、もうちよつと実情調査してその配分をきめようと思つて、まだ配分の点はきめておりません。もうちよつと時間をおかし願つて調査をしてからということにお願いしたいと思います。
  6. 赤木正雄

    赤木正雄君 そのほか直轄河川或いは中小河川にいたしましても、どういうふうの箇所にどう仕事をなさるか、これは今御審議中と考えますので、詳細のことを今お聞きしても無理かと思います。さつきの災害と同じように、河川関係事業費が全部おきまりになりましたら、詳細な調書をお出し願いたい。それは恐らく無論この国会中におきめなさると思いますが、御面倒でも調書をできたときにお願いします。  もう一つ承わりたいのは、都市計画でいろいろ計画し、これに関連して道路河川その他の仕事をやつていますが、計画そのもの都市計画でいたしましても、いよいよ計画ができて事業に当る場合には、道路道路河川河川、あなたのほうは河川でありますから、河川はあなたのほうでなすつたほうが、すべての点に好都合、又人の節約の点にも、事務費節約の点にも、計画一貫性においても非常に都合がいいと思いますが、これに対してどういうお考えを持ちますか。
  7. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 都市計画における河川事業と私のほうの河川事業とははつきり線が引かれておるのであります。私のほうは大体補助対象といたしましては準用河川でありますから、必ず県費の支弁、或いは都の支弁する河川というふうなことになつておりますので、それ以下の河川につきましては私のほうでは補助対象と現在しておりません。従つて非常に小さい溝川のようなもので都市衛生上その他の観点からどうしても改修しなければならんというような問題は、これは都市計画でおやり願うというふうな線をきめておるのであります。でありまするから、その小さい河川まで我々のほうで取上げて事業を行うというところまではまだ考えておらんのであります。
  8. 赤木正雄

    赤木正雄君 この局部改良費補助と申しますのは、今まで防災工事と言つていましたが、あの項目に当るのですか。
  9. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) その通りです。名前を変えたのです。
  10. 赤木正雄

    赤木正雄君 私はまだ質問したいことがありますが、まだまだ調べが十分行きませんから、一回委員長に機会を頂きまして、その節に又……。
  11. 田中一

    田中一君 この海岸堤防修築費補助、これと今深水君のほうで立案している海岸保全法ですね、この予算との組合せはどういうふうになるのですか。
  12. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 只今海岸保全法を一応出す準備を整えておるのでありますが、本当を言いますと、海洋保全法ができれば、この補助基礎法ができるわけでありまするが、現在としては基礎の法がないのです。仕方がございませんから、この海岸補助財政補助というような点で取扱つておるというわけでございます。目的は結局同じなんです。
  13. 田中一

    田中一君 この八億六千八百万、これの工事のきまつておる場所はあるのですか。
  14. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 国庫の海岸補助のうち、海岸堤防修築費補助二億一千百万円、海岸浸蝕対策事業費補助局部改良費補助災害土木助成金というふうに、海岸堤防は小分けになつておりますけれども、大体におきましてこの種の大きな金は大阪、兵庫、東京或いは四国、九州方面災害によりまする災害復旧費に対するプラス・アルフアーという金……、災害復旧費は、御承知通り原形復旧が主体でありまして、それにプラスアルファーを付けなければならない場合があります。大阪辺高潮防禦につきましては、やはり根本的にやり直さなければならないというものもありますので、そういうものを取上げたのがこのうちの大きなものを占めております。
  15. 田中一

    田中一君 この南海地震からの影響地盤沈下ですね、地盤沈下もこれに含まれておるのですか、地盤沈下対策も……。
  16. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 地盤沈下につきましては、別に項目を挙げ、地盤変動対策補助費というので一億円上げたのでありますが、ところがこれは私のほうの作戦がまずかつたのかどうかわかりませんが、地盤変動対策補助費として新らしい項目を挙げることによつて予算獲得をするという作戦に出たのでありますが、これはたつたの一億円ということになつたのであります。ところが地盤変動によりまするもので、すでに過去におきまして我々がやつたのがあります。更にその残工事もあり、これらは災害復旧費として組替えをして災害復旧で取れるものは災害復旧費の中でこれをやつて行きたい。こういうふうに考えてこちらのほうに純替えております。そこでこの一億円は、昨年あたりから、先に査定いたしました査定残りをこの地盤変動対策費補助でやつて行きたいと考えておりまするが、到底一億円では賄いきれません。我々は来年度も更にこの予算獲得に努力を続けて参りまするが、その中で明らかに災害問題というものもあります。こういうものは地盤変動対策費の中から除外しまして、災害復旧費のほうに向けたほうがいいのじやないかというふうに我々も考えております。
  17. 田中一

    田中一君 そうしますと前年度の、二十六年度の百五十六億九千万円という災害復旧費がありますが、この地盤沈下による海岸堤防に類した工事としてどのくらい支出しておりますか。又本年度は、二十七年度はわからんでしようが、二十六年度がどのくらい支出されておりますか。
  18. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 只今資料を持つておりませんが、最近の災害の状況におきましては災害復旧費の二割程度海岸堤防と相成つております。よくこれは調べまして……。
  19. 田中一

    田中一君 そうしますと二十七年度も大体その二割程度のものが来るという考え方をして間違いないのでありますか。
  20. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 私の申上げましたのは地盤沈下という観点ではなしに、全体の被害のこれは昨年度ルース台風の例でありますが、ルース台風のときには二割程度でありまするから、ルース台風に関する限りは二割程度が行くとこうお考え願つてよろしいのでありますが、例の地盤沈下という特殊な関係におきましては、これは災害復旧費の範疇に入るやつと、明らかに地盤沈下のほうで持つて行かなければならないものと二通りありまするから、この点はもうちよつと仔細に検討しないと申上げられないのであります。
  21. 赤木正雄

    赤木正雄君 河川災害につきまして、県が災害復旧に当然出すべきものをいろいろな関係で見落していたために、そういうものは何ですか、後年の災害があつたときに、共に提出して、若しもそれが災害対象になるならば補助をお認めになる御方針でありますか。或いはもうすでに以前に災害があつて今まで県が出してなかつた、県が惡いというものに対しては、そういうものに対しては災害対象としてお取上げにならん方針ですか。
  22. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 厳密に申上げますると、県の調査疎漏による責任は県にあると思いまするが、ただここに非常にけじめのつかんことは、その県が再び災害が起たときに、過去の災害であつたのか、そのときに起た災害であつたのかということの見分けができないのであります。でありますから場合によりますると、過去の災害調査洩れのやつが、次の災害が起た場合にこれが入つて来るということはあり得ると思います。
  23. 赤木正雄

    赤木正雄君 はつきり今回の災害に関連して起つた災害ではないのであります。ずつと前に起つた災害工作物のそうしたはつきりした災害についてはどうですか。
  24. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 非常に扱いが面倒でありまして、私のほうではできるだけそれを避けておりまするが、場合によりますと、実情止むを得ない、相当な大きなものになると、実情止むを得んというときには、関係方面と連絡して採択するような建前になつております。
  25. 三輪貞治

    三輪貞治君 直轄河川についてですが、現在直轄河川に指定してもらいたいという出願をしておるものがどのくらいありますか。
  26. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 只今は更に直轄河川にやつてくれというのが数本あります。又資格のあるのもあります。ありまするが、その中で資格があつても、県が或いは都が自分がやりたいというものがありますので、例えば東京の中川のごときこういうものは東京都がやつております。これは当然直轄河川資格は十分持つております。その他にこういう資格があるものをだんだん取上げましたから、資格がだんだん低くなつて参つておりますので、低い河川直轄にしてくれというのもこれは相当出て来ると思います。併し今年は、私のほうでは新らしい直轄河川は一本も取りたくない。現状直轄河川でさえも相当手が廻りかねておるのでありますから、今年は新規河川は一本も入つておらないのであります。
  27. 三輪貞治

    三輪貞治君 過去において直轄河川になつてつて、途中で変更になつておるのも多少あると思うのですが、そういうものの復活等考えられておりますか。
  28. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 只今は、神奈川県の酒匂川がその例であります。でありますが、現状では直轄に復活してくれという運動もありますが、又府県でもやつても差支えないという二つの議論があるのでありまして、現在のところは、そこまで今年は来ておりません。併し将来におきまして、そういう問題が起きるかも知れません。
  29. 赤木正雄

    赤木正雄君 河川工事にいたしましても、海岸工事にいたしましても、又砂防工事にいたしましても、補助対象として県の出して来る施行個所、これは殊に選挙その他の関係がありまして、あらゆるところで出して来る場合に、それがその県全体の観点、或いは国全体の観点から見て果していいか惡いか。これは無論、河川局長のほうで審査なさると思いますが、その際に県が出して来るものが妥当でないというふうな場合には、これは地方自治のことは尊重はいたすべきでありますが、何といつても、河川にしても、中小河川は二分の一国が補助します。砂防は三分の二補助します。そういう観点からしまして、必ずしも県で出して来るものでなしに、やはりあなたのほうでこれが正しいものであるという判断の下でこの補助対象となさるべきだと思いますが如何ですか。
  30. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 今、赤木さんのお話通りな点もありますが、一応はやはり地方長官としての知事の意見を尊重しなければならんと思います。なぜかと申しますと、やはり地方は二分の一の負担をしておるということと、もう一つは、我々のほうでやりたいと思いましても、地方が熱望しないというようなことになりますと、用地関係で行き悩みまして、なかなかそういう仕事用地関係や何かで困難を来たすので、やはり地方事情をよく聞いてからでありませんと、手を出せないのであります。併し場合によると、この河川のほうが、なおいいのじやないかという勧告はときどきいたしております。
  31. 赤木正雄

    赤木正雄君 まあ一つの例を以て申しますと、河川でもありますが、砂防でもありますが、砂防の例を申しますと、静岡県でありますと、静岡県は、河川局長も御承知でありましようが、狩野川という大きな河川改修の問題があります。この上流に非常に惡い川で筏場川というのがある、これは私も現地へ行つて知つております。それから昭和十三年の災害相当工事をやりまして、その後行つて見ましたら非常に被害地がたくさんありました。これを治めれば、狩野川に対していい影響を及ぼすことがはつきりしております。それに対して県は設計も何も持つて来ない。それから県にそれ以上もつと砂防に必要な所があるかと言えば我々から見ましても、そういう狩野川改修という観点から考えても、筏場川の水源を治めるということは、これは重要問題である。それなのに河川局長河川課長にしても現場に一度も行つて見ない、こんなことでは余りひどい。こういうことについてあなたのほうで十分勧告なさつて、三分の二国で補助しておるのですから、種々の点から正しいというものを特にお願いしたいのですが、これに対してはどういうふうにお考えですか。
  32. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 御意見御尤もであります。我々もその方針一つ進んで参りたいと思います。
  33. 田中一

    田中一君 この河川事業費の(ロ)の直轄施行する胆沢川堰堤、これと鬼怒川の二河川堰堤、これを鬼怒川の二河川堰堤の両方に、同じような目的のために予算の項が分れておるのですが、これはどういう考え方で以て分けてあるのですか。
  34. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) この項が別れましたのは、継続費に相成つたのは、別に取り出したわけでございます。それから直轄河川改修費に、総合開発費に載つておりますのは、その継続費に取上げられなかつたものがここへ載つかつておるのであります。でありますから、ものが違います。性格は同じでありますが、ものが違うということであります。
  35. 田中一

    田中一君 おかしいですね。継続費というのは結局どういうことになるのです。財政法の改正によるところの継続費という考え方ですか。
  36. 赤木正雄

    赤木正雄君 今継続費の問題がありましたが、私実際河川改修のごとき、砂防のごとき、これは相当継続費考えない以上は、時期の関係から、又その国の補助関係から、或いは国の直轄工事にしてもできないと思います。継続事業は賛成でありますが、ほかの河川についても継続費要求をなすつてみたらどうでしようか。
  37. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 実は我々のほうでは継続費要求といいますか、希望はいたしたのでありまするが、ところが継続費と相成りますると、相当精密な調査を要するのであります。予算が変動するというようなことがなかなかできにくいという点があります。修正その他ができにくいというようなことがありますので、昨年ですが、直轄河川を一本々々拾いまして、一応の目安がつきましたが、更に検討を要する点がありますので、これは来年度あたりからというふうに繰延べたのであります。
  38. 田中一

    田中一君 今私が申上げたのに関連するのですが、石淵ダムが本年度で以て終るという、二十七年度で終るという前提の上に立つたのでありますか。
  39. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) そうであります。石淵は終りますから、継続費の必要がないと思います。
  40. 田中一

    田中一君 石淵ダムほか四河川というのはどこどこです。
  41. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 石淵の今の胆沢川、江合川、藤原、天竜川、藤原というのは利根川です。それから雄物川の鎧畑、秋田県であります。この四カ所であります。
  42. 三輪貞治

    三輪貞治君 それから地方公共団体が施工するその銅山川柳瀬堰堤ほか十一河川とありますね。この十一河川というのはどういう河川ですか。
  43. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 愛媛県の銅山川、新潟県の三面川、岡山県の旭川、徳島県の那賀川、山口県の木屋川、それから山形県の赤川、宮崎県の小丸川、山形県の野川、香川県の香東川、香川県の綾川、こういうのが十本継続費になつております。そのほかに来年度新規といたしましては、宮城県の一迫川、三重県の宮川。
  44. 田中一

    田中一君 今のもの全部二十七年度に終るという河川ばかりですね。
  45. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) この府県補助河川継続でありまするが、これは継続費の設定までは至らなかつたのでございます。これは單年度單年度でやつて行きたい、補助のほうは。
  46. 三輪貞治

    三輪貞治君 島根県の斐伊川ですか、これは新たなる計画はないのですか。
  47. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 先ほど申上げましたが、この電気事業のために六十五億の運用部資金があります。我々の公共事業費に出て来ますのは、今の洪水調節とか或いはその他の公共的の部門だけでありまして、これにプラス六十五億の電気資金が付くわけであります。従つて斐伊川などはもうすでに電気のみの仕事でありますから、この運用部資金の金を融通すればいいということに相成るのであります。
  48. 田中一

    田中一君 この総合開発事業砂防事業は、主として低堰堤或いは高堰堤ダムはないのですか。
  49. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 大体砂防は二十メートルが普通であります。高くて三十メートルであります。ここに出ておりますダムは五十メートル程度、でありますから砂防とは大分スケールが違います。
  50. 田中一

    田中一君 まあ何ですか、それを高堰堤ダムにして発電ということに利用するという考え方は持ち得ないものですか。
  51. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) これは赤木さんがおいでになるとよくその辺はわかるのですが、実は砂防ダムは、土砂をとめるのが目的であります。それから場合によりますと、それに出て来る、急に水が出て来るのは一応そこでとめようというのが狙いでありまして、水をとめようという狙いはありませんから、基礎は必ずしも岩盤にくつ付けなくてもいいという考え方ですから、多少漏水があるのであります。漏水のことは心配しておりません。でありまするから表流水は、二十メートルか三十メートルの砂防ができますると、表流水は或る程度そこで低い落差が取れますから、ここで簡易発電というか農村電化というような、そういう程度には利用できると思うのであります。でありますからそういうほうにこれは向けて行つたらどうかというふうに考えております。
  52. 三輪貞治

    三輪貞治君 今の場合は、地方公共団体で、この河川総合開発事業費としての補助費、そのほか資金運用部資金から借入れる、こういうものを出し合わして発電事業をやり得る場合もあり得るわけでありますね。
  53. 目黒清雄

    政府委員目黒清雄君) 大体それらを狙つております。公共事業費運用部資金プラス、でありますからこの表面に現われた事業よりは倍以上の事業ができると考えております。
  54. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) この辺で質問をとめまして、道路局のほうに移つてよろしうございますか。じや有難うございました。  それではこれから道路局長から道路局の予算について御説明をお願いいたします。
  55. 菊池明

    政府委員菊池明君) 道路関係の二十七年度のことにつまきして、先般次官から説明いたしましたことを敷衝いたしまして申上げたいと思います。本省関係のいわゆる行政部費と申しますものは四千百七十八万二千円、この内訳は大体事務費でございますが、特に取上げて申上げなければなりませんのは、高速自動車道路調査に必要な経費二千万円、これでございます。これは前々から問題になつております東京、神戸間の交通量が鉄道におきましても、道路におきましても非常に大きくなりまして、このままでは将来非常に行詰まるという観点から、現在の一号国道及び二号国道或いは又裏から廻ります八号国道と別に自動車類のみを通します道路を作る必要が将来必ず起るだろうというので、この調査をいたしまする経費でございます。これは本年度も約百五十万円支出いたしまして極めてあら筋の調査はいたして参りましたが、来年度二千万円経上願いまして更に詳細な調査をいたそうというのでございます。それから道路事業費でございますが、これは資料の二と申しますものの中の二十四頁……それじや予算参照書の千十七頁の下のほうにございます。道路事業費六十五億三千百五十五万九千円、これは北海道は入つておりませんが、内地分の道路事業でございまして、直轄道路改修費二十三億千六百万円、それから道路事業調査費、これは直轄でやりまする調査でございまして、これが千四百万円、それから道路改修補助、これは都府県でやりまする改修費、改良及び補修費の補助でございます。これが四十一億二千百十七万三千円、それから都府県で行いまする調査費の補助六百二十万円、附帯事務費が七千四百十八万六千円、これを合計いたしまして六十五億七千三百三十四万一千円という経費でございます。  実は、この内訳をもう少し詳細に印刷いたしましてお目にかけたいのでございますが、少し不手際でございましたので安本及び大蔵省と少し意見が食い違つておりまして、道路改修府県補助の内訳がやつと昨日まとまつたようなことで印刷をお目にかけられませんので大要を申上げます。追つて印刷物はお目にかけられると思いますが、直轄道路改修費二十三億一千六百万円の内訳で改良費、いわゆる道路を拡げたり、或いは勾配を直すというのであります、これが十八億二千四百万円、それから舗装費が、新らしく鋪装いたします四億四千二百万円、それから直轄で路面を補修いたしまする補修費、これが五千万円、又道路改修費の府県への補助四十一億二千百十七万三千円の内訳でございますが、改良費が十一億八千五百万円、それが幅を拡げる分、それから舗装を新らしくやります舗装費、これが六億八千十七万三千円、それから大きな橋を新らしく架けるものであります、橋梁整備費は十一億五千万円。それから補修費、路面を修理いたしまする補修費、これが六億四千二百万円。それから橋梁の補修が二億九千四百万円、その他災害防除一億二千万円、局部改良五千万円、それで合計六十五億三千百五十五万九千円であります。  只今申上げましたうちで特に本年度と異ります点は、補修費を相当圧縮いたしまして、そうして新らしく舗装の経費を計上いたしました。これは昭和二十三年に出ましたいわゆる覚書の線で路面補修に重点を置いて、改良をやや圧縮してありましたが、だんだん補修も行き届きましたので補修を漸減して行くという線で今年度まで参りましたが、成る一部ではその補修費を来年度はゼロに削除せよという強い要求がありましたが、やはりまだ十分でございません。特に裏日本、東北地方におきましては路面の補修費が非常に嵩んでおりまするので、この経費は削除をできないというので、やつと只今申上げました程度まで復活いたして来年度も一部補修費の補助もいたそうという方針でございます。一面新らしく舗装をいたしますることが非常にむずかしくあつたのでありますが、まあ来年度から直轄において四億四千二百万円、それから補助関係で六億八千万円というものを投じまして、舗装の新設を促進いたそうという方針でございます。これは一般のほうでございます。それで来年度は、この前次官からも申上げましたが、有料道路の制度を設けたいというので、特別会計を設定いたしまして資金の融資を受けまして、それを以て建設大臣が直轄工事、或いは府県に貸付をいたしまして、道路、橋梁或いはトンネル工事をいたしまして、その使いまする自動車類から料金を徴收いたしまして、この融資の元利償却に充てようという方針で、特別会計の設定をお願いいたします。これは予算参照書三百八十七頁、乃至は二の資料の百五頁これについて御説明上げます。  道路の改良につきましては、非常に地方の要請も大きいのでございまして、只今までのこの公共事業費関係のみでは到底賄いきれないのであります。本年の道路の性格から申しまして、有料の制度は必ずしも理想ではございませんが、現在程度公共事業費を以て、又現在の道路に対しまする要請を満たすことは、到底国の力から申しましてもむずかしいと思いますので、来年度から有料道路の制度を設けたいと考えた次第でございます。でありますから、これは特にその地方の一般の要望が切実であるというものについてやる。又通行いたしまするものが受ける利益が非常に大きいものであるという、そういう道路或いは橋梁、トンネル等についてのみ考えるのでございます。特別の資金を以てこれを新設、或いは改築もいたします。その費用を償還しますために、一定の期間を限つて通行料金を徴收いたし、資金といたしましては、資金運用部資金融資考えておるのでありまするが、これがためには特別会計を設ける必要がございますので、只今大蔵省と協議いたしまして、建設大臣の所管の下に特定道路整備事業特別会計を設ける準備をいたしております。来年度資金運用部資金会計から十五億円の融資を受ける、建設大臣がこの特別会計に入りました十五億円を以て自分で直轄工事を行う、又は必要な額を都府県に貸付ける予定でございまして、そのために道路整備特別措置法という法律、それから特定道路整備事業特別会計法、この二つの法案を、本国会に御審議を願つて御決定願いたいと、提出の準備を只今いたしております。十五億円を予定いたしましたその内容は、この百五頁から書いてございますが、一番主なものは最後の頁を御覧になると一番よくわかりますが、百十三頁でございます。直轄関係の関町のところ、いわゆる関門トンネルでございます。これは前々からいろいろ御検討つておりましたが、なお三十一億数千万円を要しますので、これを普通の公共事業費で賄いますにいたしましても、この地方の負担も相当大きくなりますので、このまま進めて参りましては、なかなかいつ完成するか見通しもつかんというような金額でありますので、先ずこれをこの会計によつて施行したいと思いまして、来年度五億七千六百万円、これを以てこれを直轄施行いたして行こうというわけでございます。そのほか戸塚国道、新京浜国道、これは直轄の分でありますがこういうもの、それから橋梁の貸付分で濃尾大橋、衣浦橋、大川橋、住ノ江橋、伊ノ浦橋、愛岐道路、これは愛知県と岐阜県の境にあります。鳥飼大橋、上江橋、江北橋、以上が大きな橋梁でありまして、ちよつと普通の予算では十年もかかろうというような経費でございますので、これをやる。それから道路で、片瀬—鎌倉—逗子—武山、長尾峠—箱根峠、それから小田原—熱海、熱海—伊東、伊東—下田、こういうものを一応計上してございます。御承知のようにこの箇所は一応ここに大蔵省との関係でこういうふうに挙げましたが、この金額につきましてはまだ少し動く場合があると思いますが、各箇所につきまして、相当地元におきましても負担いたして更に早くやりたいというところもございまするので、そういう場合にはなお多少異動はあるかと存じます。特に関門トンネルにつきましては、百十頁にございますが、継続費をお認め願いたいというので百十頁に継続費要求というがございます。ここにあります総額及び年割額による継続費要求をいたしております。以上御説明申上げました。
  56. 田中一

    田中一君 この調査費というのはどういうのですか。二千万円今年度に新らしく要求しておりますが……。
  57. 菊池明

    政府委員菊池明君) これは東海道高速自動車道路調査に必要な経費二千万円の内訳を項目別にばらしまして、この中に入つております、それの一部でございます。この調査に要する費用の中に、この関係委員会或いは審議会というものを設ける関係がありますので、それの費用であります。
  58. 田中一

    田中一君 謝礼の意味ですか。
  59. 菊池明

    政府委員菊池明君) はあ。
  60. 田中一

    田中一君 支障物件補償金、これはどういうものを対象にしているのですか。
  61. 菊池明

    政府委員菊池明君) それでは二千万円の、どういうふうにこの中に入つておるかということを申上げます。高速自動車道路調査の経費の二千万円の内訳でございますが、6の諸謝金二百万円、次の8の高速自動車道路調査旅費百五十九万円、8、外国人技術者招聘旅費八十六万四千円、次に移りまし9の三番目の高速自動車道路調査費千二百五万六千円、これが測量の主体をなすものであります。それから会議費の中に二十二万円ばかり、その次の16、これは全部で百八十万円、その次20の支障物件補償金百四十七万円、これも測量中にいろいろ補償を出すことがございますので、その経費であります。
  62. 田中一

    田中一君 これは補償金ということになると事業費に入るのじやないですか。
  63. 菊池明

    政府委員菊池明君) 工事をやります場合のものは、これは公共事業関係の中に入つております。これは二千万円が全部行政部費関係の中に入つておりますので、事務費の中の本省の経費の中に入つております。二千万円の調査を本省でやるという建前で公共専業費ではなくして建設本省のほうの経費に入つております。
  64. 田中一

    田中一君 併し調査に補償が必要なんですか。
  65. 菊池明

    政府委員菊池明君) 伐採等をいたします。それから宅地或いは田畑の中に入つて、木を立てたり掘つたりいたしますので、その場合の補償でございます。
  66. 三輪貞治

    三輪貞治君 外国人技術者招聘旅費というのがありますが、これは何名外国人の技術者を招聘されるのですか、これは旅費は組んでおるのでありますが、給料はどうなつておりますか。
  67. 菊池明

    政府委員菊池明君) これは実は三名くらい来るのじやないかと思つておりますが、それには八十六万四千円程度では到底賄いきれないのでありまして、追つてこれは確定いたしますれば、又予備費等から補助を願いたいと思つておるのでありますが、すでに今年度内に一名来るようなことに話が進行しておるのでありまして、そのほうでも予備費を頂きたいという交渉をやつておりますので、この八十六万四千円はほんの頭を出した程度でしかございません。
  68. 三輪貞治

    三輪貞治君 給料はこれはどうなんですか。
  69. 菊池明

    政府委員菊池明君) これは給料は向うの人間のあれによつて違のうですが、向うの政府の人間が来ますものは要らない。それから向うは政府よりも民間のほうに優秀な者がおるらしいのでありまして、その人たちが来る場合には、幾らか考えなければならんのじやないかと思つております。まだその辺がはつきりいたさないのであります。
  70. 三輪貞治

    三輪貞治君 定員法のほうにはこれは関係ないのですか。
  71. 菊池明

    政府委員菊池明君) 全然関係ございません。
  72. 三輪貞治

    三輪貞治君 それから16の高速自動車道路調査補助というのがありますが、高速自動車道路調査直轄でやるわけでしよう。どこに差当り補助をされるわけですか。
  73. 菊池明

    政府委員菊池明君) 直轄でやります部分と、それから用地の関係、或いは物件移転等の関係につきましては、沿道の府県或いは市にお願いして調査をいたさせます部分もございます。それから或いは又材料の所在等につきましては、この沿道の府県の現地の係官が承知いたしておりますので、そういうものの助力を得る関係もありますので、府県補助いたしまして事業の一部を執行して頂く……。
  74. 三輪貞治

    三輪貞治君 この特別会計です、道路整備事業特別会計ですが、関門道路の建設費が五億七千万円になつていますね、本年度の支出金はどれくらいですか。
  75. 菊池明

    政府委員菊池明君) 九千万円であります。
  76. 三輪貞治

    三輪貞治君 そうしますと、本年の関門道路建設事務所の従業員が、私この前行つてみたんですが、大体二百六、七十名だと伺つたんですが、そうなりますと約一億の本年度の支出に対して二百七十名、五億七千万になると、約一千名必要だというふうに素人考え考えるわけですね、その場合の職員の充当はどういうふうにされますか。
  77. 菊池明

    政府委員菊池明君) その比例ほどは勿論増しませんが、勿論数百名普通でありますれば増員しなければならんわけであります。ところが只今それができませんので、ほかの箇所の従業員を動員いたしましてこれに充てるように準備をいたしております。
  78. 三輪貞治

    三輪貞治君 いわゆる準職員ですね、これを充てられるとか、或いはそのほかに地方公務員を併用させるとかいう計御画はありませんか。
  79. 菊池明

    政府委員菊池明君) 地方公務員のほうは考えておりませんが、準職員はこれは止むを得ないと思います。
  80. 三輪貞治

    三輪貞治君 それから道路整備特別会計の中で貸付金というのがありますね、これは償還年限、利率等はどういうふうになつておりますか。
  81. 菊池明

    政府委員菊池明君) この予算書の中にある利率を勘定いたしますと、五分五厘で借りて五分八厘くらいで貸すような勘定になつておりますが、実はそれは大蔵省の計算はそうじやなくて、やはり六分何厘、六分乃至六分五厘の間で地方に貸付けるような勘定になつておるのでございます。何でも月数が少し短くなることになつておりますので、この表に現れておるよりももう少し高い比になるのであります。それから償還でありまするが、これはなお折衝を要するのでありますが、各工事箇所につきましては浮動があると存じます。非常に早く返るものと返らないものとありますので、或いは十五年、或いは二十五年にもなるかと思いまするが、この特別会計から預金部資金に返しまする年数は、これはそう延ばせませんので、これをプール的に考えまして、二十年ぐらいのところを見当にいたしておるのであります。なおこれ次年度だんだんと借りて参りまするので、その辺は裕りができて来ると思います。
  82. 三輪貞治

    三輪貞治君 先ほどの関門国道建設に伴う準職員をそこに使うというお話ですが、その場合に定員法を改めて準職員を本職員というか、そういうふうにされる御計画はありますか。
  83. 菊池明

    政府委員菊池明君) 我々の希望といたしましては、勿論定員を増員願つて、本当の職員でこれを進めたいのでありますが、只今の段階では定員法の修正問題、行政整理のときでありまして、困難でありまするので、非常に現場には苦しいのでありますが、各所から動員いたしまして、仕事に遺漏のないように執行いたしたい。こういうつもりで現在計画いたしております。
  84. 三輪貞治

    三輪貞治君 定員法は主として予算関係して、ああいうふうに窮屈にこしらえられてあるわけですが、この場合は予算はあるわけですね。だからその面から来る制約はないものでありますから、そういうお考えが建設省のほうにおありになればできるのじやありませんか。
  85. 菊池明

    政府委員菊池明君) ここにありますのは事業費予算でございますので、定員の関係はこの費目から人間のなには出ないわけですから、これが多くなりましても、定員法を変えて、そのほうの経費を計上しない限り楽にならんわけです。
  86. 前田穰

    ○前田穰君 道路整備特別会計のうちの貸付金が七億七千二百万円というのは現在地方考えられておる事業を全部これで包含しておるのでありますか。或いは財源その他の関係でこれを認めないのがあるのでございましようか。あればどのくらいあるのでございましようか。
  87. 菊池明

    政府委員菊池明君) 道路局といたしましては、当初これは五十億でお願いしたのでありますが、十五億に削減されたわけであります。まだ希望はたくさんあるわけです。
  88. 田中一

    田中君 都市局並びに河川局のほうでありますが、災害復旧事業費というのを計上しておりますが、道路局では災害復旧費というものを計上してないのですが、これはどういうところから予算を、災害の場合には引つぱり出すのですか。
  89. 菊池明

    政府委員菊池明君) これは前々から問題になつておりますことで、我々としても申上げたいことがたくさんあるのでございますが、これは内務省時代から河川局所管の河川災害復旧費という費目の中に道路が四分の一乃至三分の一入つておるのであります。内務省時代に、港湾にいたしましても当時の運輸省ではなくて、内務省にしてそういうものを引つ括めまして河川関係で便宜所管をいたしておりました関係上、運輸省に行つた港湾については、これは運輸省でやる、道路はやはり一緒に建設省におるものでありますからわざわざ分けないで、河川局で所管しておりまするので、名前は河川災害になつておりまするが、あれは当然河川道路とつけて頂かなければならぬ費目なんでございます。で我々としましては、これはやはり道路局所管に移して全体を総括してみるのが妥当であると思うのでございますが、何しろやはりあれを分割いたしますると、やや人間が増員になります。それから府県補助をいたすのでございますので、府県に行きました際に施工の緩急順序があるわけでございます。それの一時は融通をしたい場合があるのでありまして、河川道路をやはり分けますと、道路道路のほう、河川河川のほうで非常に窮屈になるという点もございますので、一緒にしておいたほうがよいという説もありまするので、只今その説に従つて、余り道路局としては強い要求はしてないのですが、本当はこれはしばしばそういう議論はいたしておるのであります。
  90. 田中一

    田中一君 局長としてはそれが正しいけれども、どうもほかの力が強いのでもらえん。これでも道路の復旧もできるから我慢しておこうということですね。
  91. 菊池明

    政府委員菊池明君) 力が弱いというわけでもございませんが、まあ全体として仲良くやろうということでやつておる次第でございます。
  92. 田中一

    田中一君 この特別会計の分ですが、七億七千二百万円の貸付は、橋はおおむね国道にかかつておる橋の問題ですか、或いは国道以外にこれから行つたほうが近距離である、有料としても価値があるというものを選んだのですか、どつちですか。
  93. 菊池明

    政府委員菊池明君) 貸付の分は、全部国道ではございません。府県道でございまして、もう長く前から問題になつてつて、容易にかからん。かければ非常に有効で交通量も多くて、すぐ取り返して行けるというようなものをやろうというわけでございます。
  94. 田中一

    田中一君 そうすると、この国道の並行線がありますか、それとも全然それておりますか。
  95. 菊池明

    政府委員菊池明君) 並行線というのは殆んどございません。
  96. 田中一

    田中一君 この要求は各府県から出ておる要求に基いての決定でございますね。
  97. 菊池明

    政府委員菊池明君) さようでございます。
  98. 田中一

    田中一君 道路の面ですが、小田原—熱海、熱海—伊東、伊東—下田、これも国道じやないですね、すべて県道ですね。
  99. 菊池明

    政府委員菊池明君) さようでございます。
  100. 深水六郎

    深水六郎君 この道路改修についての府県補助ですね、これは既設のやつ以外新らしくちよこつとつけるようなところは含まれていないわけですか。例えば、今まで戦争前にずつと大きな道路府県がやつて、あと一里ぐらい繋げば非常に有効だというような道路がたくさん残つておるわけですが、金がかかるというので府県はほつたらかしておるのですが、そういうものはあなたのほうでは何も見られないのですか。
  101. 菊池明

    政府委員菊池明君) 只今一里くらいですと、補助の……。
  102. 深水六郎

    深水六郎君 改修補助のほうで行かれますか。
  103. 菊池明

    政府委員菊池明君) はい。
  104. 深水六郎

    深水六郎君 そうすると、そういうものは県側に金がないためになかなか県会あたりでも決定しかねるときに、知事がほかのほうにごま塩を撒いたように小さいものをたくさんやりますけれども、本当にたつた四キロほど繋げば、大変産業上或いは交通上よいというところもたくさんあるのですが、そういうところをもつと御指導されて直されるというような気持はないのですか。
  105. 菊池明

    政府委員菊池明君) お説のような方針で、我々は必要なところからやつて行くように指導はいたしておるわけでありまして、我々としましては、恐らく必要なところというので今まで出て来ておるのでございますが、特にそういうところがございますれば、伺つて指導いたしたいと思いますが、必要の程度調査を、現在知事なりから出ております資料を基にいたしまして、或いは又現地に派遣いたしまして見た上で順序をきめておるわけでございます。
  106. 三輪貞治

    三輪貞治君 これは道路局長に開くのはどうかと思いますが、先の関門道路にいたしましても、相当な人間を建設本省或いは地建あたりから配置転換する、或いは又聞くところによると、予備隊の施設本部等にも八百名くらいの管理局営繕部あたりから配置転換をされるということも聞いておるわけです。こういうことを聞くと、近く建設省或いは地建の機構改革等もされるのではないかということも考えられるのでありますが、そういう御計画はございませんか。
  107. 菊池明

    政府委員菊池明君) 営繕関係只今お話のは、これは主として建築屋関係でありまして、関門のごときものとは相応しないと思いますが、この程度ではまだ建設省としての機構改革まで行かなくても行けると思います。
  108. 田中一

    田中一君 戸塚の国道……、これは国道ですね。この場合なぜ特別会計としなければならないか、その理由を御説明願いたいと思います。
  109. 菊池明

    政府委員菊池明君) これはなおあと二億数千万円かかります。現在の国道は、踏切のところは非常に困つておりまするが、待てば通り得まするから……。一方現在やつておりまするほうを早くやりまして……、跨線橋まで作りまして……、一番の目的は早くやろうと……、跨線橋に集中して数億かけることは容易なことではございませんので、早くやろうと思つております。それから普通金を払わないで行きたいという人は行けるのですから、金を払つてもしようがない、早く行きたいという人が通つて下さればよろしいということで、金を取ることにいたしました。
  110. 田中一

    田中一君 これは戸塚の国道は、跨線橋はありませんし、非常に危いところです。交通量も多いし、列車の通行も激しいですから、二キロくらい山沿いにずつと持つて来ようという計画のように思いますが、国道を特別会計でやらなければできないというものではないと思いますが、実際今度造るのも国道ですが、若しもそういう交通量の点なんかで不便ならば、幾ら金がかかろうと早く整備すべきが正しいのであつて、あえて特別会計を以て有料道路にするということがどうも腑に落ちないのですが、これはまあ今の政府の行き方が資本主義的な行き方をするので、国道というものも少しは料金を取ろうという考え方かも知らんが、若しも早くやつてよいものを造ろうというならば、国道ですから、とにかくあの跨線橋を造るのはなんでもないのです。あえて有料道路を造るという考え方が疑問があるのです。  それともう一つは、新京浜国道ですね。大体において完備しており、あとは舗装の予算の六千百万円くらいのものですから、これはまあ新京浜国道はこれ以上有料道路にしないでも、あれで通るのではないかと思うのですが、どこのところをやるつもりでおるのですか。
  111. 菊池明

    政府委員菊池明君) 戸塚の国道、新京浜国道につきましては、我々もこれを決定いたしますまでに非常に議論をいたしました。大体冒頭に申上げましたように、道路が金を取るべきものではないということは、我々としても前々からの信念でございます。殊に国道につきましてそういうことがあるということは面白くないことと思いますが、何しろ公共事業費がこの程度の間はなかなかあれが完成しないというので、まあ早くやりたいというのが事の起りでございます。それでございますので、我々としてもこれが一番よい施策であるとは思いませんが、何しろ早くやつて別の仕事でもやればよいということでやつておるのでありまして、決して正直どうこうという意味ではないので、儲けようというような意味は全然ありませんので、借りた金を払つてしまえばもうただにしようというのであります。新京浜の施行いたしまする箇所は、これは鉄道が平面交叉を二カ所いたします。あれを上げますことと、それからあれには御承知のように緩速車道と歩道があるのであります。ところが真中の高速だけは、舗装できましたが、緩速車道と歩道がまだ舗装ができておりませんので、自転車とか、そういうものが高速車道に入つて参りまして、それが早く走ることの妨げをなしておりまするので、緩速車道と歩道の完成をいたし、それから只今の跨線橋を完成いたすと、そういうわけでございます。
  112. 田中一

    田中一君 一方において相当な国費を以てハイ・ウエイを造ろうという計画を以て現在国道がある。通るには通れる。併し通るには戸塚のように或いは三十分或いは四十分待たなければ通れんというところが、戸塚の現状です。又新京浜国道にしても、あの箇所は確かに狭いところで、跨線橋がなくちやとても通れないことはわかりますが、併し一方に相当な国費を以てハイ・ウエイを作ろうという計画を以て、あなたがたが国道に有料道路を付けてやつて行く、それも早くやりたいからというようなことは、これは私は議論にならないと思うのです。実際において国道なんですから、国が当然すべき道路なんです。先ほどほかの七億七千万というところは、国道の並行線でなくて、産業道路或いは地元民の文化的な利便のためにやる、これは認められます。併し国道が一方においてハイ・ウエイを作るというような計画を持ちながら、これに今度二千万円ですか、しかありませんが、又来年度どのくらいの予算を以てやるか。併しそれにかかわらず国道をこうして有料道路にして、特別会計でやるということの考え方がわからないのですが、これは恐らく国民を愛する政府のやることじやないと思います。この点はいろいろまあ今後審議の過程において議論をいたしますが、もう国民的な立場から言つて、これは甚だ不可解なものであります。この点については今、今日は御税明だけでありますから、意見は言いませんが、審議の過程においていろいろ申上げますが、これに対しては甚だ遺憾な点がたくさんあるのじやないかと思います。私はこれで質疑はやめますが、次の機会に申上げます。
  113. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 御質問ございませんければ、この辺で打切りたいと思います。本日はこれを以て散会いたします。    午後零時十二分散会