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1951-12-15 第13回国会 参議院 建設委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十二月十五日(土曜日)    午前十時五十五分開会   —————————————  委員氏名    委員長     廣瀬與兵衞君    理事      赤木 正雄君    理事      田中  一君    理事      小川 久義君            島津 忠彦君            田方  進君            西川甚五郎君            深水 六郎君            川上 嘉市君            徳川 宗敬君            三輪 貞治君            小林 亦治君            波多野 鼎君            東   隆君   —————————————   委員の異動 十二月十四日委員西川甚五郎君辞任に つき、その補欠として、石川榮一君を 議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君    委員            石川 榮一君            深水 六郎君            徳川 宗敬君            三輪 貞治君            東   隆君   委員外議員            兼岩 傳一君   事務局側    常任委員会専門    員       菊地 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省事務次官 中田 政美君   —————————————   本日の会議に付した事件議員派遣要求の件 ○河川道路都市及び建築等各種事  業並びに国土その他諸計画に関する  調査の件  (報告書に関する件)  (建設行政に関する件)   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは只今から委員会を開会いたします。私委員長に選ばれまして今回建設委員長になつたのでありますが、浅学非才、ぞの器ではございませんが、皆さんの御鞭撻、御指導によりまして、何とかやつて行きたいと存じます。何分よろしくお願いいたします。  議員派遣に関する件につきまして御相談申上げたいと思いますが……、ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  3. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 速記を始めて。議員派遣につきましては、北海道に第一班、第二班は山口、広島、島根、この方面に第二班を出したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 御異議ないと認めます。
  5. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 次に河川道路都市及び建築等各種事業並びに国土その他諸計画に関する調査を議題といたします。  本件につれましては先国会の終りに継続調査の承認を得まして資料収集等に努めて参りましたが、参議院規則第五十五条に基きまして調査報告書を提出いたすことになつておりますので、その内容等委員長に御一任願いまして提出することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 御異議ないと認めます。  なお委員長の提出する報告書には多数意見者署名を付することになつておりますので、順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    赤木 正雄   田中  一    石川 榮一   深水 六郎    徳川 宗敬   三輪 貞治    東   隆   —————————————
  7. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 田中委員より建設大臣出席を求められておりましたが、大臣の代りに建設次官出席されております。田中君から御質問をお願いいたします。
  8. 田中一

    田中一君 先般閣議決定で三人委員会を構成し、建築制限をするという新聞報道が出ていますが、私はこの点について建設省の方針を伺いたいと思います。第一にその点を伺いたいと思います。
  9. 中田政美

    説明員中田政美君) 政府におきましては、只今田中委員からお話のございましたように、内外の諸情勢に鑑みまして、著しく不要又は不急考えられるような高層建築物について、制限という言葉は多少当らんかと存じますが、少し抑制をしてもらうようにしたらどうか、国民に呼びかけたらどうかというような意味から、そのようなことにつきまして地方庁に通牒を出したわけでございまして、これは申すまでもなく、今日の諸情勢からいたしまして余り不要不急の建物が目立つて立つことに多少考えさせられる点がありますので、これをできるだけ円満裡に遠慮してもらうようにできないものかという趣意から発足したわけでございます。三人委員会といいますのは、少し言葉が強過ぎるのでございますが、要するに建案いろいろな角度から見て、不要不急とおぼしいようなものを判断するために安本官房長、それから銀行局長及び私のほうの建築を所管しておりまする住宅局長、そういう人に集まつてもらいまして、実情を調べ上げたものについて、いろいろの角度から判断してもらおうという趣意でございまして、従いましてこれはどこまでも政府部内の申合せによる組織でございまして、三人委員会という言葉は少し当らないかと思いますが、実際においてはそういう人の意見を聞いて判断しようというわけでございます。勿論このやり方等につきましてはできるだけ相談ずくでお願いしようというわけでございますから、法規発動とかいうようなものを初めから考えておるわけでも、ございません。現在又そういう制度はございません。できるだけ穏便裡にそういうことを御相談申上げようというわけでございます。
  10. 田中一

    田中一君 政府はもう七月に同じ閣議決定物調法によるところの建築制限を強行しようという案を考えたように承知しておりますが、その際あらゆる方面からいろいろな反対を受けて、私もこの委員会においてたしか中田次官にも、安本長官にもその点について質問したはずです。そのときにもはつきりした態度を明言されずに遂に取りやめなつたという事実があります。あれはあのやめた理由は、どういう点から七月頃から物調法発動によつて抑制しようとした意図がやめられたか、その理由を御説明願いたいと思います。
  11. 中田政美

    説明員中田政美君) 七月頃でございましたか、物調法によつて建築制限しようじやないかという議が政府部内に起りまして、研究しておりましたことは、確かに事実でございます。併しながら成案を得るに至りませんで、なかなか制度上のことはむずかしい点もございますし、制限一般国民経済に及ぼす影響等考えまして、法規的な制限ということについては当時実現せずに終つたわけでございましたが、併しながら不要不急とおぼしきものについて、或る程度抑制という趣意は、恐らく全然なくなつてしまつてつたとは言えないと思いますが、いろいろ考えた結果、只今のような極めて微温的ではありますが、納得ずく一つ抑制してもらうようにしようということになつたように思いまして、制度上の制限をやめた理由ということにつきましては私は今日まで存じておりませんので、その点についてはお答えはできませんが、要するにいろいろ研究した結果、取りやめなつた、こういうことでございます。
  12. 田中一

    田中一君 そうしますと七月頃に抑制しようという意図があつた。その延長が今日そうした施策となつて現われた、こういうように考えてよいのですか。
  13. 中田政美

    説明員中田政美君) その点は私も閣議で御決定になることでございますから、はつきりそうだと言うわけには行かんと思いますが、抑制をどういう形でしようかという議が一遍中絶されて、それから又新たに登場したというように私は考えていないわけでございます。
  14. 田中一

    田中一君 七月、八月頃でしたか、私のほうの政党から安本建設その他の大臣に対して官庁営繕をこの際大きな計画のものを取りやめて、若しそういう金があるならば、庶民住宅、少くとも国民住宅に向けてくれという申入書を提出したはずなんです。これは一向不問に付されておりますけれども、曾つてこの委員会においても、例えば霞ケ関の合同庁舎、こうしたものに対して先ず卒先してやめるべきじやないかということを申上げた際にも、これは一つ勘弁してくれ、計画ができているのだ、こういうようなお答えでそのまま継続されております。昨日今日の新聞を見ますと、行政庁が卒先してそういうものを取りやめをする、そういうような考え方があるように新聞で拝見しますが、少くとも官庁営繕については今後どういう考えでやつて行くか伺いたいと思います。
  15. 中田政美

    説明員中田政美君) 官庁営繕につきましてもできるだけ忍ぶべきものは忍ばさせるようにしたいと思つておりますので、現在やつておりますものは全く止むを得ず緊急のものだけにとどめるようにいたしております。ただ、どうしても作らなければならんという場合には、できれば将来焼けないような壊れんようなものを作りたいという念願は捨てておりません。併しながらお説のように官庁営繕のごときは、庶民住宅等立場考えればできるだけ忍ぶべきものを忍んで行くという点については、全然同感でございます。できるだけ我慢をしてやりたい。ただどうしても作らなければならんときには、できれば一つ不燃建築をやりたい、こういう考えであります。
  16. 田中一

    田中一君 合同庁舎を若し途中で契約以内において解約する場合には、どういう措置をおとりになるか伺いたいと思います。
  17. 中田政美

    説明員中田政美君) 今朝の新聞にその点がちよつと出ておりましたので、私はその辺を全然存じませんのでありまして、目下そういう議があつたかどうかについて私も調べて見たいと思つております。そういうわけでございますので、またその点をはつきり私承知しておりませんので、そういうやめた場合の処置についてもまだお答えする段階なつておりません。一般抑制のために、事情が許すならば、例えば八階を四階で一つ取りやめるというようなことについて検討することも、又これは考えようによつては必要じやないかと思いますが、併しながら他面入手した資材その他準備した段取り等なかなかむずかしい問題がありますので、これは国民経済の点も考えて見なければならんと思うわけでありまして、只今そめ処置についてはちよつとお答えができかねるわけであります。
  18. 田中一

    田中一君 官庁計画したものに対してはそういう措置をとる、然らば民間で、曾つて受理しました工事が今後自由な立場で以て建設された場合に、それを今のような法的根拠のない話合いで以てものをきめる場合には、これによるところの損害というものは補償すべきものか、或いは補償する意図があるかどうか、その点伺いたいと思います。
  19. 中田政美

    説明員中田政美君) 話合いでお願いするというのが本旨でございまして、補償するようなことの起らんようにしたい。又政府は補償するという考えは全然持つておりません。
  20. 田中一

    田中一君 話合がつかずに民間事業がそのまま遂行される場合、何らかの法的根拠を以てそれを強圧するというような考え方を持つているか、最後にお伺いしたいと思います。
  21. 中田政美

    説明員中田政美君) これは非常にむずかしい問題でございまして、こういう場合においての最後のきめ手はどうかということをよく議論されるわけでございますが、今どうするということを申上げる段階でございませんげ又そこまで決定いたしておらんように私は承知しておりますから、今後話合いで所期の目的が達し得ないというような場合どうするかということも、これは考えなければならんが、併し大体は無理の行かんようにというのが趣意でございますので、できるだけそういうことは穏便にできるようにするのが望ましいと考えております。
  22. 田中一

    田中一君 例えば話合がつかずしてその事業を強行するという場合、何らかのその抑制しようという意図がある限り、法的な措置をとられることも考えられます。現在それをいつまで続けて行くつもりか、その時期の問題を御説明願いたい。
  23. 中田政美

    説明員中田政美君) 法的処置をやるかどうかまだ未決定なんでございまして、従つて時期の問題はお答えする段階にございませんが、たしか物調法自身に期限があると思いますから、その元になる法規との関係もありまして、これは一定の時期以上にはできないことではないか、物調法自身が延長されれば別としまして、そういう点本我々は考えなきやならんと考えております。
  24. 田中一

    田中一君 先ほど多少抑制しなきやならないと考えられるから、これをやるのだというお話がありましたが、その多少考えさせる点は、資材の点ですか、或いは如何なる点か、或いは金融上の措置か、何か国民が納得する形の理由があると思うのです。無論先般の七月頃にはサンフランシスコの調印を前に賠償問題で各外国を刺激したくないという含みがあるというふうに政府は答弁しておりましたが、今度もそういうような形、フイリピンの批准の問題、これにからんで一応対外的なゼスチユアとしてこれをやるのか、又はもつと根本的な資材の問題、資金の問題、何か日本の経済再建のためにこうするのだというような確固たる信念を持つておられるか。従つて政府が補償もせん、又場合によれば強行するというような意図があるように伺いましたけれども、国民が受けるところの損害というものは大きなものなんです。又六階建の建築をする際に、四階で打切れば、先ほど次官がおつしやつたように、現場段取りその他企業者並びに仕事をやつています人間、又はいろいろ契約しておりますところの労務者関係、そういう点で民間契約者同士に起るところの大きなトラブル、或いは社会問題になるかもわからんのです。そういう点について考慮されるならば、理由がどこにあるかということを一応ここで明確にお話になることが親切じやないかと考えますので、あなたの御承知の限りの理由を御説明願いたいと思うのです。
  25. 中田政美

    説明員中田政美君) これは私も的確にどういう事情だからだということについて、申上げるだけの材料を持つておりませんが、要するに政府内外の諸情勢から、そういうことの必要を認めて現在の処置をやつておるわけでございますので、これを勧告するにしましても、よくその建築工事事情なり、又建築主と他の材料請負等関係もよく事情を調べて、そうして成るほどこの程度のものならば御遠慮願つても差支えないではないか。例えば現在私のほうで調査しますと、いろいろな、出願中であるとか、計画中というのが随分ございます。それから又実際の段取りにかかつておるのもございます。いろいろ千差万別でありますが、それらをよく一つ調べて相談をして、内情も聞いて見ようという段階なのでございまして、これをやるに至つた事情につきましては、私からは内外の諸情勢という以上には、ちよつと申上げようがないようにございますことを御了承願いたいと思います。
  26. 田中一

    田中一君 今の問題について、次官がもう少しお調べ願つて、明確に次の機会理由を明らかにして頂きたいと思うのです。この問題は打切ります。  もう一点伺いたいのですが、昨日政令三百二十五号の違反の容疑で、建設省役所の一部であるところの千葉県の地理調査所武装警官百五十名が急襲しまして、役所の部内を捜査したという事実がありますが、これについては無論次官責任範囲役所のことですから、内容はよくおわかりと思います。この今おわかりの状態を御説明願いたいと思います。
  27. 中田政美

    説明員中田政美君) 私も昨日と今日と地理調査所から報告を受けておりますので、その報告を受けた範囲においてお答えしますし、又今後私のほうの更に調査をしましたことは追つて適当な機会に御報告申上げたいと思います。  昨十二月十四日午後六時四十分頃東京警視庁捜査二課の職員東京地方裁判所捜査令状を持つて地理調査所職員についての政令第三百二十五号、たしか占領軍違反でございますか、の違反による疑を以て同所の総務部地図部の各作業場捜査するということで、地理調査所に参られたそうでございます。  本件は、新聞報道にも若干ありましたが、その報道によりますと、去る十二月四日飯田七三ほか六名の日共スパイ事件に関連して、千葉日共党員菊地某家宅捜査の際、地理調査所発行、発売による地形図を利用して作成した資料が発見されたため、これとの関連において地理調査所職員作業場捜査なつたものと想像されるのでございます。昨日の捜査の模様は、地元千葉市警察署応援の下に、各職場を捜索して引上げられたそうでございますが、どれだけの捜査資料を入手されたか、又地理調査所職員本件に対して関係があつたかどうかは、今のところわかりません。  ただ、ここに申上げておきたいことは、地理調査所における地図というもの、作成する地図及び発行する地図は、すべて売られておるものでございまして、何らその祕密地図というようなものを発行していない、又作つてもおりません。従いまして新聞等祕密地図という言葉がございましたけれども、軍事機密というものはもとより、その他いわゆる役所で祕密という地図地理調査所においては作つておりませんので、何らかのそれは間違いではないかと、こう考えておるわけです。
  28. 田中一

    田中一君 或る一部の新聞を見ますと、組合本部対象なつた、職員労働組合本部対象なつたと、こういうふうに記載しておりますが、その事実がありましたかありませんか。
  29. 中田政美

    説明員中田政美君) 只今までのところでは、私のほうではさような事実は報告を受けておりません。
  30. 田中一

    田中一君 この問題については、もう一度或る機会に真相を明らかにして頂きたいと思います。
  31. 中田政美

    説明員中田政美君) 承知いたしました。
  32. 田中一

    田中一君 もう一点伺いたいのは、先般各官公労組職場において賃金闘争をやつております。その際建設省には、労働組合員大臣との会見を要求しまして、一応の返答を受けたいという申入れをして、受諾されまして、大臣返答を待つておる時間中、本省の或る部屋においてそれを待つてつた。その場合に武装警官が入りまして、それを退去させたという事実が実際ありましたかどうか伺いたいのが一つ。それからその際その武装警官は、建設省が承知して依頼してやつたのか、或いは武装警官自身が勝手にやつたのか、その点伺いたいと思います。
  33. 中田政美

    説明員中田政美君) 詳しい資料只今つてつておりませんので、いずれ又正確な資料お答えすることになりますが、概略のことを私只今申上げておきます。いろいろ職員組合と申しましても全建という……二つ職員組合がございまして、主として地方建設局のほうの職員で構成しておる組合がありまして、その組合から年末手当二カ月分給与とか、行政整理絶対反対、四カ条くらいの要求書がずつと前から出ておりまして、これに対しては、人事課長とか或いは私とか何遍も交渉いたしましてお話合いをいたしたわけでありますが、大臣最後要求書を出して、それらは回答をいたしたわけですけれども、その回答にはどうも不満である、従つて満足すべき回答があるまで帰れぬというようなわけでございまして、たしか十二月の十日の日までぐらい、約一週間ほど、役所に滞在しておつたようであります。この場合は大臣の応接間に控えておりまして、これは勿論庁内取締から言いますと望ましくないことでありますので、しばしば帰つてくれるようにということは申しておりましたのですが、要するに一週間ほど続けておりましたが、大臣出張から戻つて参りまして、それで出張から戻られたのでとにかく一応出てくれ、大臣会見については斡旋するからということで一応そこを出てくれた。そうして翌日大臣会見をいたしましたのですが、この会見につきましても、大臣回答は我々は不満であるということでたしか午後四時過ぎだと思いますが、大臣が席を立つて、他へ外出されると同時に、大臣室の前で携帯用の弁当を食べて、すぐ毛布、蒲団、畳等を持つて来て、あの廊下ハンスト宣言宣言文を掲げまして、そうしてすぐ廊下ハンストに入るということになつた。たしか五時頃だと思います。どうもこれについては甚だ困る状況なので、何十回となしにその組合側に対して円満に出てくれるようにということを随分話合つたのですが、どうしても聞き入れないということでありまして、その晩のたしか十一時過ぎでしたか、警察官応援を得るといいますか、協力を得て、そこを出て頂いたということでございます。なお、細かいことにつきましては、更に調査しまして御返事申上げます。
  34. 田中一

    田中一君 その際、その後大臣労働組合職員との間の話合いはどう決定されたかおわかりになれば、御報告願いたいと思います。
  35. 中田政美

    説明員中田政美君) 私ちよつと急用で新潟県に行く予定になりておりまして、昨日の朝帰つて参りまして、その後大臣と会つたかどうかについては、どういう交渉なつたか存じませんが、恐らく大臣会見はしてないと思います。
  36. 田中一

    田中一君 私意見を申上げますが、次官は、全建労組職員労働組合よりですね、合法的な訴えがあつたという場合に、これはまあ他の官庁にもそういうことがあると思いますけれども、警官を、武装警官を呼んで退去させるということがあり得るかどうか。私はそういうことによつてますますこの組合運動が尖鋭化させるということに次官もよくお気付きかと思うのです。従つて若し大臣が用事があるならば、次官がやはり納得するような形の交渉をして頂きたいと思うのです。おれは知らんということでは、次官としての責務は果せんと思うのです。今後次官組合とのいろいろな関係、こういう点についてあなたはどういうお考えを持つて対処されるか、次官考え方を伺いたいと思います。
  37. 中田政美

    説明員中田政美君) 勿論警察官の出動されたということは、決して私は望ましいことではない、悲しむべきことだと思つております。そういうことのないように我々は努力しなければならんし、又組合も十分その点はお互いに理解し合つて行かなければならないと考えております。又大臣との交渉する段階は、私のところでは、常に次官までで話合いがつくものについては、常に何遍もやつておるのありまして、大臣には直接持つて行かないことにしております。大臣も成るべく事務的にやれということで、私だけで成るべくやるようにいたしておりまして、今回の年末手当要求等につきましても、私は随分会いました。併し何といつても満足できないというわけでして、大臣に面会を要求し、大臣に会つたわけでありますけれども、大臣回答では満足ができないということでありまして、私が全く傍観しておるというわけではなかつた。又できるだけ私もうまくやりたい、今後も努めるように考えております。
  38. 田中一

    田中一君 私が仄聞しておるところによりますと、大臣事務職員に登録されている六千名以内のものに対しても、原則的に年末手当を支給するということを言明されたように聞いておるのです。これについては、建設省としては、その言明に基いてどういう措置をとつていらつしやるか、承わりたいと思います。
  39. 中田政美

    説明員中田政美君) お尋ねの点は、たしか比較的勤続しておる日傭労務者と申しますか、臨時労務者ですね、それについて昨年は、主計局長通牒で、一年以上勤続した者について、普通の公務員に準ずるような賃金について考慮してよろしいという通牒が出ておりましたのですが、本年の一月から給与法の関係で、これは各責任官庁で判断できるように法的根拠なつたそうでございまして、それで今年は三カ月以上勤続した者、そういう日傭労務者について、公務員退職手当に準ずるような賃金で加給をして行くようにということでありまして、すでに十二月のたしか十一日ですか、十日でしたか、そういうことに決定いたしまして、そうして各現場へそれを通知いたしました。昨年と違いますところは、昨年は一年以上でありましたが、これはどうも実情に即しないというので、ずつと下げまして三カ月以上ということにいたしまして、その通牒を出し、又職員組合のほうにも十分説明して、その点は我々の力でできる範囲においてやる、こういうことを申しておるようなわけであります。
  40. 田中一

    田中一君 次官は来春行われると考えられますところの各省の行政改革、この点についてそれを無視しまして、この前国会において定員法を実施して、その場合七百七名の定員減を提出されております。その後百五名だけは、そのまま差引かれまして残つた者が定員減になつておりますが、今日建設省が持つております事業の面からいつて、実際にこれ以上の定員減を希望するかどうか。或いは定員減を大幅に行なつて、準職員並びに事業費によるところの労務者として、相当の地位にあるものを使つて行くという便法を講ぜられるか。実際に次官としては、本年度、又来年度の、よくわかりませんけれども相当厖大になると思う公共事業費、これを消化するのに、もつと定員を減じてやられるか、やつてもできるというような考えでおられるかどうか。これは先々の問題ですが、次官の心がまえを伺いたいと思います。
  41. 中田政美

    説明員中田政美君) よく建設省の仕事についての定員なり、現場の係官の定員についての足るか、足らんかということをお尋ねになつたわけでございますが、この点につきましては、勿論行政を簡素化し得るものについて、手間を省いて人手を減すということも、これは確かにやらなければならんことなんでございますが、これにもやはり限度があるわけでございまして、殊に仕事の消化量がベースになるわけでございますから、どんなに簡略するといつても、役所の仕事ですから、個人のようなわけには参りません。従つてこれにも限度がある。従つて定員が現在の状況で足るか、足らんかということになりますれば、現在国会で御承認になつた定員で仕事の万全を期するという以外にはございません。ただ、制度を変革し、或いは方針を改めて行くという場合において、常に考えられる点が一つありますので、これはすでに御承知のことではございまするが、定員の過不足を論ずるときに常に問題になる点でございますので申上げざるを得ないわけでございますが、それは私のほうは御承知の通り、長いこと工事を直営でやるという形をとつておるわけであります。直営をやりますと、どうしても万事万端手間は多く要るわけでございまして、請負に付する場合に比すれば、これはもう当然いろいろの種類の要員、労務者が要るわけでございまして、従つて請負に出す形式、方法をとるか、直営をやはり堅持して行くかということに、その方針の立て方によつては多少のトラブルはありましても、要するに仕事の人数には影響をもたらすことでございまして、これは今後も我々は最もいい仕事をし、最も国民の経済に寄与するようなやり方をとつて行きたいのでありまして、一概に私は直営一点張りで今後やはり行かなければならんか、又適当な工事については、請負に出して手間を省くという方法も加味して行くべきではないか。そういうような点がございまして、これらは謙虚な気持で私は公共事業の完全実施をやつて行きたいと思つておるわけでありまして、その結論によりまして、多少の人の出入り、過不足というものが緩和され、或いは又窮屈になる、こういう点も考えられます。来年度以降においては、更に検討をして善処するようにして参りたい、こういうことが私の率直な考え方でございます。
  42. 田中一

    田中一君 前国会で私は内閣委員会に出まして、委員外発言を求めて建設省の定員の実情についていろいろ意見を申しましたが、その際大臣と小林文書課長のみが出席しておられます。そうして次官はおいでにならんのです。すべてが小林文書課長がすべて答弁に当つておりました。その際にも強く七百七名の減員はあつても、これによつて当然二十六年度の事業は遂行できるということを表明しておりました。この小林文書課長の答弁が、即ち全建設省の意向として認めていいものでございますかどうか、この点を確認して頂きたいと思います。
  43. 中田政美

    説明員中田政美君) 大臣もいらつしやつたそうでございますので、大臣意図と反した答弁はいたしておらんと思いますが、私は速記録を見ておりませんので、今、どういう表現をしたか、はつきり申せませんが、併し大筋として文書課長が間違つた答弁をしたとは私は考えておりません。恐らく大臣意図に反しない答弁をしたことと考えております。
  44. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 先ほどのお話の中でですね、千葉地理調査所に対して、武装警官が入つたという話でありますが、これは日共スパイ事件に関連して菊地某でありますかの家宅を捜査した場合に、地理調査所で作つた地図が出たという、たつた一つ理由で、これを政令三百二十五号で入つたということは、これは非常に警視庁側の不当な行為ではないかという気がいたします。というのはその地図は市販のものであつて誰でも買えるものである。ただその地図菊地某の家にあつたという理由で、特に組合本部を目標にして急襲をして若干の資料を押収して行つたということは、これは単に私は一つの細かい問題としてでなしに、大まな、今電産のストに対して、検察庁から不当に逮捕された事件等と関連をして重大視せざるを得ないわけであります。又このことについては、今次官もこの地図は市販のものであるから、政令三百二十五号に違反するとは考えられないといつたような意味の御発言があつたように思いまするが、そうであるならば、建設省当局として私は厳重に警視庁に対して抗議があつて然るべきだ、かように思うわけであります。すでにもう三十時間も経過しておりますから、恐らくその処置をとられておると思いますが、警視庁に対してどのような処置をおとりになつたか、この点お伺いしたいと存じます。
  45. 中田政美

    説明員中田政美君) 地理調査所は、御承知のように千葉にございまして、祕密地図ということを開いたのは、新聞に出ておるので申上げた程度でございまして、警視庁のほうで祕密地図があつたかどうかというような意味で令状を執行して捜査したのかどうか私は存じませんが、いずれにしましても、不当な捜査であるかどうかと申しましても、一応裁判所の捜査令状を持つて来ておるものでございますので、私もこの真否のほどはよく存じませんが、地理調査所長には、地図の性格なり祕密のものではないということについては、警視庁当局に十分説明しろということを今日所長に対して注意をいたしましたから、いずれ所長から警視庁の係のほうにはいろいろとお話申上げて、事の真相は或いはわかるかと思いますので、今御注意の点は十分取調べ、又申出るようにいたします。
  46. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 仄聞するところによると、地理調査所は、行政協定によるこの駐屯軍の或る一つの特殊な用途に供せられるのではないかというようなことなんですがね、そういうことによつて、特別にここ神経過敏にいろいろな眼を向けているのではないかという懸念があるわけなんです。これはそういう話合いが現実に多少とも進められているのでしようか。
  47. 中田政美

    説明員中田政美君) 私全然そういうことを聞いておりません。
  48. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それから建設省の全建労の坐込みに対して数回その立退きを要求したけれども、一向に立退かないからして、まあ警察と協力をして、撤去してもらつたというようなことのように聞えたのですが、これはその言葉から聞きますと、建設省当局が警視庁に対して出動を要求……、要請したようにとれたのですが、そのような事実があつたのですか。
  49. 中田政美

    説明員中田政美君) 要求するということが当るかどうか知りませんが、警察に連絡して協力を得たことは事実でございます。
  50. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それが事実であるとすれば私は非常に遺憾であります。と申しますのは、検察庁当局に対しては、私どものほうでは全日通或いは電産のストの際にも、この使用者側と労働者側の話合い一つ任しておいて、不当なさし出がましい行為に出ないでくれという申出をいたしておりまして、当局でもその意図を了承して、なるだけ特別に非合法な具体的な事実がない限り、傍観的な態度をとりたいというような意向を明らかにされているのに、その建設省側が、特に合法的な組合側の行動に対して出動を要請するというようなことは、これは私は非常に非民主的な態度ではないか。組合運動に対する御理解が足らないのではないか。私は組合の要求に対しては正しい態度でお話合いになれば、折衝になればいいのであつて、それを一つの特別な力によつて圧迫を加えるということは、非常に非民主的ではないかという感じがいたしますが、その点に対して何か御意見を……。
  51. 中田政美

    説明員中田政美君) それは田中委員に対しても私お答えした通りでございまして、その前約一週間、正味一週間かどうか正確によく記憶しておりませんが、組合の諸君がおいでになつて私と話合いをし、又大臣との会見もいたしたのですが、要するに組合側としては満足すべき要求が得られないから、満足すべき要求の得られるまでここにいるのだということでございまして、我々としては庁舎の管理その他から言いまして好ましからざることではありましたが、約一週間くらい経つて、徹夜というか、夜を徹してずつと居残つておられた。これは我々としてもそう長くおられても、ただおられるということだけでは甚だ困る。現に役所の中に一週間とどまつておられるその部屋というものは、専門員の部屋なんです。専門員は非常勤でございますので毎日は来ませんが、来ても入れんという状況でありまして、そういうことも我々としては非常に忍ぶべきことは忍んで、大臣が帰つて来られるので、もう大臣にもう一遍交渉機会を僕ら斡旋するからというので、一応出てくれ、これは組合も了として出て下さつた。然るにその日に帰られた大臣にお会いになつたが、大臣の答弁では満足できないというので、又今度はハンスト宣言を出して、そうして今度は畳を持込んであの廊下に蒲団を持込みして、今度はハンスト宣言を掲げてやられる。こういうわけでございましたので、我々としては、十分それでも何十回となしに組合のかたがたにも官房の三課長をして随分説得さしたのですが、どうしても出ない。こういうわけでございまして、四囲の情勢はこれ以上円満に出て頂くということができない諸情勢なつたというだけの順序があつたようなわけでございまして、このこと自身は、私は実に残念だと思います。確かに遺憾千万なことでありますが、これは今後組合の諸君とも十分話合つて組合の健全な発達を我々希うものとしては、できるだけ協調する態度でやつてもらいたい。ただ大臣の答弁が満足できないからということでやられるということについては、これは私はもう少し組合のほうも一つ考えてもらわなければならん。民主的にやることについては私は全然同感でありますが、何でも組合の言うなりになつておれるかどうかというと、そうも行かない場合もございますので、これはそのときの諸情勢の御判断を十分一つ察してもらいたい、こう思うわけでございます。
  52. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 皆さんにお諮りいたしますが、兼岩議員から全建労働組合代表を武装警官によつて追い出した件につきまして、委員外発言を求められておりますが、如何取計らいいたしますか。
  53. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 許可をして下さい。
  54. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは許可をすることにいたします。
  55. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) すでに田中委員、それから三輪委員からこの問題に触れておられ、それに対して中田次官からの答弁がありますので、私がこれをこの上問い質すということは、何か余分のことのように聞えるかも知れませんが、両委員の質疑に対する中田次官の答弁は私は非常に誠意を欠いておると思う。先ほどから聞いていて、従つて特に委員外発言を得ましてここにその点問題を明確にし、今後の建設行政の進むべき点を明らかにする一助にしたいと考えて、特に委員外発言をお願いした次第であります。中田次官は先ほどから品の先で言葉だけの答弁をしておる。甚だけしからん。一昨昨日の夜武装警察約八十名を以て、僅か七名の全建の中間の諸君の、ハンストを以てしても組合員の生活を守ろうとする涙ぐましい努力を、武装警官の暴力を以て蹂躙しておきながら、又十分調査して答えるとか、或いは非常に遺憾であるとか、或いは組合の言い分だけを通させることはできんとかいう、そういう月並みな言葉を弄しておられる。一体私は次官に、大臣の代り……、大臣に対しては又改めて質疑したいと思うんだが、事務当局の最高責任をとつておる事務次官としてあなたがたの直轄事業の機関母体ともいうべき技術者の二カ月の年末手当、賞与をくれという要求、それから臨時職員という形はいけないから、これは正式の定員に入れてくれろということ、それから第三に目茶苦茶首切りされては困るんだ、実際治山治水の責任は持(んのだという、極めて道理に叶つた当然の要求に対して、大臣との間に円満に妥結させる能力がなくて、武装警官の出動を要請して、これをつまみ出すというような形で、今後あなたは次官の職責を、次官としてそれで職責が果せておるか。それで今後の日本の治山治水、日本の建設復興がやれるという考えをあなたは持つておられるのですか。それから先ずお尋ねしましよう。
  56. 中田政美

    説明員中田政美君) 私は次官として駑馬に鞭打つて遂行している一人でございますし、それから今後といえども私の力の及ぶ限りは努力して建設行政を進展させて行きたいと思うのであります。
  57. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) あなたが、その駑馬に鞭打つてやる、そういうふうに言葉だけを綺麗なことを言わなくても、問題は成るべく適確に科学的に話を進めて行きましよう。あなたが駑馬に鞭打とうと打つまいと、日本の直轄事業建設省の、この建設事業の中核体であるところの治山治水を中心とする直轄事業においてですよ、約二万の建労職員が首切りの不安におののき、年の瀬が越せないで、毎月々々の暮しが立たないというような条件において、あなたがどんなに駑馬に鞭打とうとも、それで一体治山治水がやれると考えておられますか。
  58. 中田政美

    説明員中田政美君) 職員の数なり、或いは給与の問題については、国会の議決を経て、そうして給与を定め、又定員によつてそれを仕事を取運ぶというのは、これはもう担当するものとしては当然でございます。それでできるだけ大いにやるとお答えする以外には私はお答えのしようがないわけでございます。
  59. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) 何か課長くらいなら、そういう官僚的な答弁でもその職責が果せるということができるけれども、あなたはかりそめにも事務次官である。そうすると月給をもらつて暮すために止むを得ん、その日送りをしておるというふうに、言葉はどういうふうにあなたが綺麗な言葉を使おうとも、僕の質問において、あなたの部下に対して責任を持たれて二万の全建労の職員諸君が年の瀬も越せない、毎月々々の生活もできない。そうして首切りの不安におののいているというような状態を続けて、そうしてこれからの日本の治山治水を中心とする復興事業の推進に責任があなたは持てると考えるなら、どういう点で持てるか、その点説明して下さい。
  60. 中田政美

    政府委員中田政美君) おののいているとか、或いは行政整理について非常に不安がつているとかいうようなお話がございましたが、勿論それは見方でございますので、そういう見方もある、又そういうかたもあるかも知れません。併しながら私らの全体としては国会で審議を経て国会の意思によつてやられる範囲において行政権は発効するのである。こういうことはこれは私は行政の官庁を取扱つているものとしては当然なことであつて、それによつて工夫をして行くというところに私はやはり行政の刷新があるわけでありまして、それを超越して議論をせいということについては私としては答弁ができかねるわけです。
  61. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) 中田次官言葉の上で私の問題をそらそうそらそうとしておられる。それじやあなたの部下は私の言つたように生活にちつとも窮迫しないで、非常に不十分ながら十分な生活をしている。それから首切りの問題については何ら心配していない。この年の瀬は〇・八ですか、それで以てああいう薄給で上に厚く下に軽いああいう職階制でこの物価騰貴その他でやつて行ける、あなたの部下二方のものはそういうふうにやつて行けると思つているんですか。
  62. 中田政美

    政府委員中田政美君) やつて行ける、やつて行けないということは、個個の見方なんでありまして、やつて行くように望む、これが国会の私は決定された意思であろうと思うわけです。
  63. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) そんな馬鹿なことを国会決定した憶えは少しもありません。これは自由党の政策として吉田内閣の政策として強引に押切られたことで我々は絶対反対だ。というのは現に生活が成立たないんですよ。生活が成立たなければこそ、誰がハンストみたいな不愉快なことを考えますか。これが毎日々々身の苦を……、すでにこの委員長は病気になつて今倒れている。この副委員長以下で組合を運営している。誰がそんな煖房も何もない廊下に坐り込んだり、あなた方と不愉快な交渉をすることは誰が望みますか。その不愉快なことをやらざるを得ないように追いつめられているのは、取りも直さず、あなたが何と言葉を以て言われようとも、現実的には建設職員大衆が暮して行けんように追いこまれている。それで折衝しようと思つて大臣はまともに誠意のある、組合と誠意のある折衝をやらない。あなた方は大臣に忠勤をぬきんでるために……、私は一昨日、昨日も何回も行つて皆の公平な、職員組合以外の諸君とも話をしている。でずつと調べて見るとあなた方は大臣が戻つて来るまでにこの組合ハンストその他があつては目障りで、忠勤、忠義振りをこの辺で見せておく必要が新大臣に対してある。先ほど三輪委員の質問に対しても明快に言われましたが、警察力の出動をあなた方から要請して、そうして地理調査所にもそういう形跡があるんですが、そういうことをしてこれを追い出してそうして大臣に忠勤をぬきんでる。それは忠勤をぬきんで次官として賞められるのは結構ですけれども、こういう状態であなたは本当に国会から委嘱された、そうして国民の要望するところの、治山治水を中心とする日本の建設事業をあなたやれると思うのですか。こういう状態でやれるのですか。責任ある次官としてやれる……そういうふうにして武装警官をあなたがたが頼んで来ておつぽり出しておいてそうして弾圧する、そういうやり方が国会の要請だと思うのですか。そういう武力で以て組合員の正当な要求を抑えつけて、大臣はろくに誠意のある話合いをしない。あなたがたもろくに誠意のある話合いをしない。そうして武装警官をしてこれを追つ払う、それで今後の建設事業が立派にできるという考えですか、その点を承わりましよう。
  64. 中田政美

    説明員中田政美君) 武装警官の協力を得てやつたということは国会の要求だとは申上げないのです。二カ月分の年末手当を支給せよとか或いは行政整理反対、馘首絶対反対というようなことは、これは国会の承認を得て政府決定したものについては、これを否定したようなことは行政官庁をあずかるものとしてできないということを申上げているのでありまして、それ以外にそういうことを国会の要求とは申上げません。地理調査所について捜査権を発動したということについては、私らのあえて関知しないことでありまして、むしろ受付けたほうとしては迷惑に思つているわけなんで、併しこれも警察当局、捜査当局がおやりになつたことでありまして、私らのほうでこれをどうこうしたということは決してないわけでありまして、職員組合官庁に居坐りをしたというようなこととは全然これは関係のないことでございますから、この点は誤解のないように御了承願いたいと思います。
  65. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) 僕はこれ以上押問答をして見ても問題が明らかにならんので、幸いに阿久根副委員長も来ておりますから、私がこれから押問答する時間を節約する意味において、ほんの五分か七分で結構でございますから、組合のこのつまみ出された事態と、それから大臣並びに事務次官以下の態度がどういう態度であつたかという点につきまして、もうすでに田中委員それから三輪委員と私で問題の焦点は或る程度はつきりしておると思いますし、これはたつた一回きりの討議で見捨て難い事実であり、一つ大臣責任も本格的に追究しなければならん問題でもありますし、なかなかこれは簡単に片付くべき問題ではありませんし、これは直轄建設の本質に関する点でありますから、長い時間は私は求めませんが、場合によれば私の話はほんのあとで簡単にしてもよろしいのですから、一つこの際副委員長阿久和君が、つまみ出された当の人が来ておりますから、簡潔に私は一つ報告する機会を与えてやつて頂きたい。赤木委員像か東委員、すべて建設事業に熟達した先輩のかたがたもおられるので、後輩の諸君がどういうふうな苦しみをしておるかということを極く簡単で結構ですから、五分か七分時間を限定してもいいですから……、発言の事柄を次官からの一方的な答弁でなくて、組合の発言を五分か七分、七分以内で結構ですから一つお許し願いたいと思います。
  66. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の兼岩さんのお話は折角でありますが、委員会として聞くべき筋合とは思いません。御参考に懇談会にして聞くのはいいのですが、正式の委員会で聞くという筋であるならば、もつと委員がたくさん出て、これは本当は今日は正式の委員会ではありません、数から言いましても……。その観点からいたしまして委員会として正式に聞くべきもの、ではないと思います。
  67. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) 懇談会でも結構であります。私は何ら形式を求めるものではありません。実質を求めるものでありますから懇談会でも結構です。時間は短かくて結構ですから発言を許して頂きたい。この建設委員会におられるかたがただけでも問題の焦点を明らかにして頂きます。
  68. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 他の委員のかたは如何でございましようか。
  69. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 前にも言いましたが、これは一つ私はもう一遍次官にそれを申上げて、将来そういうことのないようにしてもらいたいと思いますが、何回も言いますけれども、警察官を当局自体が要請されること、これは今たくさんストライキをやつておりますが、そういうことは余りないのです。而も全日通の場合は、あの日通の組織というものがとまれば、三日間のスト宣言をやると、食糧の供出時期でもあり、年末のたくさんの荷物を動かさなければならん時期に非常に混乱することになつて、当局は、非常に誠意を以てやつておるのに、一つの部屋を占拠された、ちよつと邪魔になるからと警察官の要請をされたということは、如何に言われても非常に……。全国に行われておる炭鉱労のストなどに対して余りいい影響を与えないと思います。答弁も何もいらんが、十分一つ反省をして頂きたいと思います。
  70. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  71. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 速記をつけて下さい。  本日はこれで散会いたしたいと存じます。    午後零時十五分散会