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1952-04-15 第13回国会 参議院 建設・運輸連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月十五日(火曜日)    午前十時三十七分開会   —————————————  委員氏名   建設委員    委員長     廣瀬與兵衞君    理事      赤木 正雄君    理事      田中  一君    理事      小川 久義君            石川 榮一君            楠瀬 常猪君            島津 忠彦君            深水 六郎君            徳川 宗敬君            前田  穰君           小笠原二三男君            門田 定藏君            堂森 芳夫君            松浦 定義君            東   隆君   運輸委員    委員長     山縣 勝見君    理事      岡田 信次君    理事      高田  寛君    理事      小泉 秀吉君            植竹 春彦君            仁田 竹一君            一松 政二君            高木 正夫君            小野  哲君            江田 三郎君            小酒井義男君            片岡 文重君           前之園喜一郎君           深川榮左エ門君            鈴木 清一君   —————————————  出席者は左の通り。   建設委員    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君    委員            石川 榮一君            深水 六郎君            徳川 宗敬君            前田  穰君           小笠原二三男君            松浦 定義君            東   隆君   運輸委員    委員長     山縣 勝見君    理事            岡田 信次君            高田  寛君            小泉 秀吉君    委員            一松 政二君            高木 正夫君            小野  哲君            小酒井義男君   国務大臣    建 設 大 臣 野田 卯一君   政府委員    建設政務次官  塚原 俊郎君    建設省道路局長 菊池  明君   事務局側    常任委員会專門    員       武井  篤君    常任委員会專門    員       菊地 璋三君    常任委員会專門    員       岡本 忠雄君    常任委員会專門    員       古谷 善亮君   説明員    建設省道路局庶    務課長     淺村  廉君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○道路整備特別措置法案内閣提出、  衆議院送付)   —————————————    〔廣瀬與兵衞委員長席に着く〕
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 只今より建設運輸委員会連合委員会を開催いたします。  先例によりまして私建設委員長委員長の職を取り行います。政府提出にかかりまする道路整備特別措置法案を議題に供します。建設委員会といたしましては本法案につきましてはすでに二回審査をいたしました。先ず三月二十七日野田建設大臣より提案理由説明を聽取いたしました。その内容はお手許に配付いたしました資料L六の一号の通りであります。次に四月一日菊池道路局長よりの補足説明がありました。その概要を申上げますと、一、道路公共性という観点から有料とすることの可否は問題となるのであるが、現在の財政状態から見て公共事業費のみによる道路整備は容易でなく、予算も総花的に撒かれる結果重要な個所に集中して工事を行うことが困難である、又利用度の低い地方住民の税金を以て利用度の高い地方道路整備をすることは公共性という見地から疑問がある、従つて利用者が損をしない範囲料金を支払い、これを財源として道路整備を図ることは過渡的段階としては一つ方法であると思う。二、有料道路選定については第三條第一項に規定する通りで、その第二号に通常という言葉を入れたのは全然他に廻り道がない場合でも非常に有効な場合は一応有料道路として考えたい意向を現わしたのである。三、第七條において三カ年と限定したのは資金部運用資金を更に地方団体にまた貸しすることは前例がなく、新らしい試みであるので、やや徹底を欠く憾みはあるが、試験的に三カ年とし差のである。以上であります。これに対し二、三簡單な質問が行われた程度建設委員会は終つております。なお資料についてでありますが、本法律適用地方及び個所資料。二、通行料金算定基礎資料。三、外国の有料道路の事例。四、関門隧道の現況。五、江の島の賃取橋梁資料要求がありました。これらについては一応取揃えましてお手許に配付いたしましたが、なおこのほかに御要求のものがありますればお申出を願いたいと存じます。  なお運営の方針についてちよつとお諮りいたしますが、提案理由説明から始めますか、それとも直ちに質疑に移りましてよろしうございますか。如何いたしましよう。
  3. 田中一

    田中一君 運輸委員会のほうには初めから、提案理由から御説明したほうが徹底するのじやないかと思うのですか……。
  4. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 如何ですか、運輸委員会のかたがた……。
  5. 高田寛

    高田寛君 別に提案理由の御説明は、大体まあ皆読んで一応心得ていますから、すぐ質疑に入つて頂きたいと思いますが……。
  6. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ああそうですか。では直ちに質疑に入ります。成るべく質疑運輸委員のほうからお願いいたしたいと存じます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今日は大臣出席するのですか。
  8. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 大臣は参ります。ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止
  9. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) では速記を始めて下さい。道路局のほうから道路局長淺村庶務課長佐藤企画課長見えておりますからどうぞ……。大臣はそのうち参ります。
  10. 小野哲

    小野哲君 大臣がまだお見えになつておりませんが、道路局長がお見えになつておりますので、大臣には御出席の上又御質問申上げることといたしまして、道路局長にお伺いいたしたいと思います。先ほど建設委員長のその御口述の中に菊池道路局長補足的説明か、お示しがあつたのでありますが、ての中で道路公共性という点について謳われておるわけでありますが、公共事業費のみによる道路整備は容易でないということは、昭和二十七年度の予算を見ましても、八十六億程度予算しか計上されておらないということから申しまして、私も同感の意を表するわけであります。だが併し財政上り都合で、言い換えれば道路整備財源が非常に窮屈であるから賃取道路をやつてよろしいという結論には直ちになりないのではないか、かように考えるわけでありまして、従つて若し道路整備財源公共事業費のみによつては賄い翻れないとするならば、政府として何らかの方法によつて道路整備財源確保する努力をなさるべきではないかと思うのでありまして、ただその補完として補うものとして道路公共性にかかわらず、言い換えれば、現行道路法の第二十條の趣旨にかかわらず、賃取道路制度を設けるということはなお相当の考究の余地があると考えるわけでありますが、道路整備財源確保につきまして、どういうふうな経過を辿つて検討願つて参つたか、この点を先ず道路局長からお伺いいたしたいと思います。
  11. 菊池明

    政府委員菊池明君) 道路財源といたしまして、道路公債の途も開かれておるのでありますが、この問題はここ数年或いは十数年来道路公債によつて道路事業をやるということはなかなかできませんでした。それからガソリン税目的税の問題もこれも十数年来いろいろ主張して参りましたが、なかなか実現運びにも至りません。近年又その説は非常に強くなりまして、皆さんの御検討を煩わしておる点もあると思うのでありますが、財政当局との話し合いもなかなか容易でありませんので、去年あたりは実現運びには参りません、今年も我々の見通しではなかなか容易ではないと思いまして、そこでこのいきなり賃取道路ということは困難でありますが、どういう財源考えるにいたしましても、早急に増額は困難である。で、我々がやつて参りました道路事業の中で今日残された非常な隘路というものは、非常に一カ所に多額の経費のかかりますものがあちらこちらに残つておるのでありまして、そこに集中的に現在の公共事業費、貧弱な公共事業費を集中することが非常に困難である。これは我々も好まないところでありますが、ややもすると非常に薄く、広く、経費が配付される傾向にだんだんなつて来る虞もある。これは我々も極力そういうことのないように、重点的に事業が起りますように、行われますように努力はいたしておるのでありまして、どうも大きな工事に集中することは困難である状況なのでこれを何とかいたきなければならないということを考えまして、この有料でも引合うようなところに預金部資金等を借りてやつたらということから考えたわけであります。
  12. 小野哲

    小野哲君 この整備財源が窮屈であるということはお説の通りであろうと思います。併しながらガソリン税を仮に目的税といたしまして、公共事業費と相待つて道路整備財源の拡充に資するということは、当然考え得る私は方法ではないか。然るに政府部内においては財務当局がいけないから止むを得ずこういうふうな、道路局長言葉を拜借するならば、過渡的段階としては一つ方法であろうと思う、こういうような方法をとること自体に道路行政と申しますか、道路政策の上において十分検討を加えるべき余地が残されておると私はかように思うわけであります。従つて道路整備財源確保をするということについては我々もやぶさかではないので、この方向政府一体として進まれるべきが当然であつて、單に我が国道路政策が一建設省の所管であるからと言つて財務当局との間に話合いがつかないから賃取道路制度を設けて来るというところにどうしても私どもとしては割切れないものがあるのでありまして、今回の道路整備特別措置法案内容を拜見いたしますと、どうも少し飛躍しておるのではないか、盡すべき手段を講じないで、直ちに受益者負担に持つて行こうとするところに無理があるというふうな気がするわけであります。同時にこの道路公共性ということを言つておられますが、本来我が国道路混合交通がその大体の状態になつておると思います。従つて一般公共用道路に対して有料制を布くということは、根本的に道路無償使用と申しますか、無償公開原則に反すると思うのでありますが、今回の特別措置法が過渡的なものであり、又貸付の期間も大体試みに三カ年というふうなことに構想を置かれておるようでありますが、この特別措置法をやるということは、我が国道路行政なり、或いは道路政策の上に一つの大きな変更を企てているものであるというふうに解釈しなければならないかと思うのでありますが、政府としましては現行道路行政なり或いは道路政策変更をも考えられて、この特別措置による賃取道路制を布こうとされておるのかどうか、この点を伺つておきたい。
  13. 菊池明

    政府委員菊池明君) 飽くまでもこの法案は過渡的と申しますか、道路公共性を失うような方向には向かせたくないのでありまして、止むに止まれず当分の間はこうやつてでも惡いところをやつて行こうという趣旨でございまして、道路公共性ということは今後といえども勿論堅持して行きたいと思つております。
  14. 小野哲

    小野哲君 そういたしますと、この特別措置法案の第三條でありましたかに、今回の対象となるべき道路を選ぶ基準として、一号乃至三号があつたように思うのでありますが、その内容検討いたしましても、例えば第一号の中に「著しく利益を受けるものである」ということがあるわけでありますが、一体この受ける利益というものは如何にして算定さるのでありますか。それから又第二号に「通常」ということで、道路局長の御説明によりますと、相当幅の広いものになるようでありますが、一体その迂回道路がある場合に、受益者利用することによつて余儀なくこれが通行をしなければならんというふうな点をこの第二号は想定しておると思うのでありますが、道路局長お話になつておるような広い範囲でこれを考えるということになりますと、一体迂回道路であるかどうかということの認定は、誰が、どこで、どういうふうな基準の下に行なつているのか、この点も少しあいまいではないかと思うのであります。例えば今回の道路整備対象とすべき場所のお示し、これは恐らく決定的なものではないので、一応の例示的なものではないかと思うのでありますが、熱海—伊東間の道路を新設して、これを有料道路にするという場合に、該当する迂回道路というものは何を指しておるのか、そういうふうな点につきまして第三條の第一号及び第二号、第三号は別といたしまして、一体利用程度をどういうところに置いておられるか、或いは迂回道路というものをどういうふうに我我は認識をすればいいか、この点の御説明を願いたいと思います。
  15. 菊池明

    政府委員菊池明君) 三條一号の「著しく利益を受ける」、これは主として現在非常な山路とか坂路があり、或いは橋がないとかいうような場合に、トンネルを造るとか、橋を造ることによつて、非常に上、下流の遠い橋を廻るとか、山坂を越えて行つているのに比べて利益を受けるようになるという意味でありますので、これは一つおわかりのことかと思いますが、この二の「余儀なくされるものでない」ということ、これは非常に選定に困難を感ずる條項なので、「通常と」いうので非常に緩和いたしまして、迂回路のないようなものでもそれが非常に有効であれば、これによつてやろうという非常に安易な考え方もこの中に含まれておるわけであります。お説の只今熱海等の例は、我々としては非常に苦しいわけなのでありますが、この迂回路というものは全体的にはございません。局部的にはシヨート・カツトしますれば、迂回路ということはできるかも知れませんが、普通に考えれば迂回路というものはないので、適当でないといえば適当でないかも知れませんが、ああいうところも早くやりたいというので、例には載せてあるわけで、勿論決定ではありませんが、ああいうものもこういう道を敷かれたことによつて早くよくなればよいがというような趣旨で盛つておるわけでございます。
  16. 小野哲

    小野哲君 それから今の第三條第一号の「利益」というものは、どの程度考えておられるか、私はどうも只今の御説明では十分了承できないのでありますが、今の例としておとりになりました、例えば川があつて迂回をすると非常に不便であるが、橋梁があつてシヨート・カツトになつた場合に、これを利用したときには、相当利益を受ける、これは私はうなずけると思います。又関門国道トンネルのように海底を掘鑿して新らし通路を設けた場合に、本土と九州間を繋ぐ短絡線として相当受益者利益を与えるということも私は納得ができると思います。ただ問題は例として掲げておられますような、例えば新京浜国道のごときものは、これは道路法上果して橋梁改修が済んでおるかどうか私存じませんけれども、すでに長年に亘つてこれを利用若しくは通行しておるわけであります。そういうふうなものを一体対象として有賃道路にするということは、これは第三條第一号、第二号の趣旨から申しましても、果して如何なものであろうか、なぜこういうふうなものを対象として一応お考えになつておられるか、この点を伺いたいと思います。
  17. 菊池明

    政府委員菊池明君) 一々これらの大変苦しい点を質問されましたので恐縮なのですが、御承知のようにこの点はもう橋梁改修をいたしまして、中央高速車道は数カ所の橋と跨線橋の分を除きましては完成いたしております。両側の緩速車道とそれから歩道がまだできておりませんので、常に緩速車或いは歩行者、特に自転車道高速車道に入つて参りまして、早く走る車の障害になつて事故を起しておる場合がしばしばあるので、あの道路工事としましてはまだそれらのものが残つております。で、これを緩速車道並びに歩道を完備いたしまして、交通の整理も完全に行えるようにいたして中央高速車道も本当に完全に高速車道であり得るようにいたしたいという趣旨、又そこに平面交叉がございますが、これを上に上げまして、これも完全にしようというのであります。これが「著しい利益」ということになりますと、少し苦しいわけですが、たまたま京浜国道もございますし、これによつて完成したいという有料道路といたしましては、少し資格の十分でないものでございますが、一応これで完成したいというふうに思つております。
  18. 小野哲

    小野哲君 どうも御説明によりますと話がぴつたりとこの特別措置法案趣旨に合つていないような気がするのでありまして、これは勿論建設委員会におきましても十分に御検討に相成ることだろうと期待をいたしているわけであります。ただ問題はこの有賃道路制度を布きました場合におきまして、資料も頂いておりますが、アメリカにおいてもいろいろと意見があるようであります。是とする者もあれば非とする者もあり、各州によつては実施している所もあれば実施していない所もある。又国の道路補助政策見地から見まして必ずしもこれを肯定しているとは考えられない向きもあるようでありまして、一面この法律案の第五條でありますか、「道路交通取締法第二條第四項に規定する諸車及び無軌道電車から徴收する。」ということになりますと、これは結局におきまして自動車を使用している者から主に徴收するということになるように解釈されるのでありますが、それでいいのでありましようか
  19. 菊池明

    政府委員菊池明君) さようでございます。
  20. 小野哲

    小野哲君 そういたしますと、この有賃道路自動車業者若しくは自動車使用者負担において償却その他の点を考えまして一定の料金を取る、こういうことに解釈していいわけでありますか。
  21. 菊池明

    政府委員菊池明君) その全額をこの法によつて特別会計から借りました場合はそういうことになります。
  22. 小野哲

    小野哲君 勿論この受ける利益の限度はまるまる使用者に転嫁するという意味ではないということは二十七年度の予算説明書の中にも書かれているようでありますから、従つて、或いは半分程度というふうなお見込ではないかと考えるのでありますが、併しながら御承知のように、自動車を使用しておりまする運送事業者におきましては、特に路線を定めてやつておりますバスとかトラツク業者の実情から考えますと、租税公課負担が非常に多いのであります。ところが今回の特別措置法狙いとするところは、恐らく建設費償却考えておられるのではないか。ところが又別に、これはまだ国会に提案されておりませんけれども、道路法を改正しようとする議があるようでありまして、路線を定めて運行する自動車運送事業者及び反復して運行するような者に対しましては特別の負担をかけるというふうなことも考えられているように聞いているわけであります。そういたしますと、特に我が国のような混合交通目的としている道路政策なり、或いは道路行政立場から申しますというと、自動車を使つているから特別な負担を常にしなければならない、こういうことになりまして、従つて一面納税者であるところの自動車運送事業者、若しくは使用者というものに特別な負担が加重されて来るということになると私は思うのであります。これらの点を考えますと、先ほど申しましたように、一般公共用道路無償公開である、無償で以て使用するということが基本的な原則であるにかかわらず、その負担においては極めて不均衡なものになる。こういう点からも果して有賃道路制というものが適当であるかどうかということはよほどこれは愼重に検討を加えなければならないのでありまして、従つて仮にこれを行うといたしましてもできるだけ嚴格且つ明確な制限を付することによつて何らかの方法考えて行く、その対象をきめて行く、こういうことにするのが至当じやないかという意見を私は持つているのでありますが、この点について道路局長はどういうふうにお考えになつておりますか。
  23. 菊池明

    政府委員菊池明君) 自動車業者に特別の重い負担がかかるというが、この措置法によつてつてゆく有料道路事業は現在のままで行きますと、非常に道路條件惡いため運転費も余計かかるというような部分についてこれが適用されるわけでございまして、その事業を行いますために、非常に運転費が安くなる、そういうものでないとこれは勿論通る人からは非難が起ると思うのであります。その工事をやつてそれを運転すれば、もとの道路を走るよりもうんと運転費が安くなるという場合にその利益を超えない程度で賃を取るということでございますから、嚴格に申せばこの道路ができて、賃を取りましても、その輸送費は上らないという場合を原則として考えたのでありまして、この法によつて負担が過重になるということはないはずでございます。  それから道路法の関係ですが、これはまだ、これから国会の御審議を願うのでありますが、先ほどのガソリン税とかそういう全体の負担の問題は他の方法考えられますまでは、やはり負担を取り得る途は開いておきたい。これは必ず取るというのではありませんが、取り得る途は開いておきたいという趣旨でありまして、これとこの措置法の場合と負担が重なることはないと思います。こういう道路で賃を取ります場合には、又このバス業者からその道路維持負担金を取るというようなことはないと思います。
  24. 小野哲

    小野哲君 有賃道路という制度から見ますと、今お話のように或いは受ける利益範囲内において運賃に転嫁しないような基準の下に算定するということは考えられると思います。併し自動車を使用する自動車運送事業者負担しておりますものは、單に賃取道路だけの負担ではないのでありまして、先ほど申しましたいわゆる道路損傷負担金に類する特別負担制度考えられようとしておりますし、そのほか事業税とか自動車税とかいろいろ租税公課があるわけでありまして、ただ政府内部行政機関から見ました場合において負担が過重にならないというのではなくして、出すほうの立場納税者なり、負担をするほうの立場から申しますと、これは過重になるということは申すまでもないことではないか、かように思うわけであります。そこで政務次官もおいでになつておりますから伺いたいのですが、新聞紙上等で拜見いたしますと、東京——神戸間にいわゆる弾丸道路と申しますか、自動車道路を計画されているようにも伺つているわけでありますが、この種長大な神戸——東京間の弾丸道路特別措置法案対象としてお考えになつておるのかどうか、この点を伺つておきたいと思います。
  25. 塚原俊郎

    政府委員塚原俊郎君) 東京——大阪東京——神戸間の弾丸道路につきましては全然別であります。
  26. 小野哲

    小野哲君 私ばかり質問いたしますとどうかと思いますが、いずれ同僚議員からも御質問があろうかと思うのでありますが、この法律案は要は只今道路局長の御説明によりますと、一般公共用道路対象とすることは必ずしも主な狙いではない、かように了解をするわけでありますが、むしろこの第三條の第一項、第二項に該当するような極めて制限的なものを対象として行うと、こういうのがこの法律案趣旨ではないか。従つて京浜国道であるとか、或いは熱海—伊東間、若しくは伊東—下田間というふうな道路まで、言い控えれば当然に一般公共用道路になるものを対象とする行為ではないと私は解釈いたしたいのでありますが、この点について如何でございますか。
  27. 菊池明

    政府委員菊池明君) それは適用できるようにというふうに考えておりまするが、まあ新京浜とか等はちよつと適用は苦しい点があると思います。(「苦しいどころではない」と呼ぶ者あり、笑声)
  28. 小野哲

    小野哲君 それで決して追及するわけではありませんので、こういう問題は利用者なり、或いは通行者の負担の問題もあるので、我々としては十分に内容を解明しておくことが義務であろう、こういうので、ここでいろいろデスカツシヨンをする機会を持つて頂いたわけでありますので、この点は十分御了承願つておきたいと思います。この賃取道路制度が過渡的なものであるというふうな御説明でございましたが、臨時的なものと一応私は解釈するわけでありますが、それにいたしましても一体その三カ年を限つて貸付をするということになつておりましても、やはり年次計画というふうなものがなければならないと思うのでありますが、予算書等に掲げられておる、言い換えれば道路整備特別措置法に伴う特別会計の内容として一応お示しになつているようなものが、この年次計画としてお定めになつておるのかどうか、或いは軍に一応の例示として考えてよいのか。と申しますのは、道路行政なり道路政策も、結局におきましては交通行政及び交通政策の一環として考えなければならない点でありますので、従つてこの措置脚の趣旨に照し合して最も妥当なものを対象にして行くということが、我々の納得を得るゆえんではないか、かように思うのであります。従つて特別会計を施行し、又予算も一応決定はされておりますが、これを施行する根拠となるものは特別措置法でありますから、従つてこの特別措置法を執行する場合の対象選定し、且つこれを実行して行きます場合の計画というものがやはり伴つて来なければならないのではないか、こう思うのでありますが、一体年次計画等につきましてはどのようにお考えになつておられますか。若し又過渡的なものとするならば、一体この賃取道路制度というものはどのくらいの期間で、どのくらいの路線対象としておやりになるような御意向でございますか、この点も併せて伺つておきたいと思います。
  29. 菊池明

    政府委員菊池明君) 予算書のほうに載つております表は、これは例として……例と申しますか、あの十五億の内訳を示しますために掲げた個所でございまして、なお個所については今後検討いたすわけであります。ああいう個所でありますれば、お手許に差上げたような、償還計画或いは施行年次で償還して行くという計画の例をお示し申しておるわけでございますが、個所があるとすればああいうような計画になるという説明でございます。
  30. 小野哲

    小野哲君 例としてお挙げになつておると了承するのでありますが、その例がどうも不適当な例をお選びになつておるのではないか、かように考えるわけであります。従いましてこの点はこの法律案の審議に当りまして十分に検討を加える必要があるのではないかと思いますし、又この対象を選ぶ場合におきましては交通行政、或いは交通政策の見地から運輸省方面と十分に御協議になる必要があるであろうと、私はさように考えるわけでありますが、この法律を執行する場合におきまして、この法案の中にも、運輸大臣意見を聞く、例えば料金がかかる部分につきましては「あらかじめ、運輸大臣意見を聞かなければならない。」ということにもなつているわけでありますが單に料金の問題のみならず、一般公共用道路選定するということは、私としてはどうも了解いたしにくい点がなおあるわけでありますが、仮に嚴格且つ明確に制限をいたしましてこれを選定するという場合におきまして、運輸大臣と協議をするような運用上の措置をおとりになるお考えがあるかどうか、この点を伺つておきたいと思います。
  31. 菊池明

    政府委員菊池明君) 個所につきましては今後なお検討いたしまして決定いたすことにいたします。個所選定について運輸大臣に協議というお話でございますが、これはその意思はございません。賃取をきめます際に自然お話も出ることでございますから、お話合いがつけられると思いますので、協議ということは考えておりません。
  32. 小野哲

    小野哲君 なお料金の問題その他法律案の各論的な問題があるのでございますが、一応私としてはこの程度にとどめておきたいと思います。どうも交通行政と申しますか、交通政策全般から申しまして、鉄道と道路の関係であるとか、或いは又その道路によつて運営される自動車運送事業の問題であるとか、そういう点についての総合的な考え方が、どうも欠けているのではないかという印象を持つわけであります。従いまして財源の問題につきましても、政府としての考え方と申しますよりも、政府部内の各省の考え方によつて左右されている、こういうふうに私は受取れるわけでありまして、道路整備をやるということは、自動車交通をいよいよ発展させるという意味におきまして是非これは促進しなければならない。そういう大きな目的から考えますというと、どうも財源措置その他がこれに伴つておらない。そのためにこういう過渡的な方法をとらざるを得ないということは、道路行政なり道路政策の貧困と言われても私はどうも弁解の余地がないのではないか。然るにかかわらず一方におきましては東京—神戸間の多額の資金を要する彈丸道路を新設するというふうな計画が発表される。誠にこれは何と申しますか、総合的な計画がない、道路政策については計画性がない。又交通機関との相互の間における調整というふうな問題もどの程度考えておられるのか、どうもこの点について私どももの足りない感じがいたすわけであります。従つて只今までの道路局長の御説明を伺いますと、賃取道路制度というものが止むに止まらん過渡的な方途で以て考え出されたという御意見であります。併しもう少し根本的な問題を解決されることに懸命な一つ努力なり重点を置くことが必要であるし、我々も又そうしなければならない。こう考えているわけでありまして、どうも交通政策に対する政府考え方というものについて疑問を持つているようなわけでありますが、これは道路局長にお伺いすることが不適当であろうかと思いますが、さような気持を持つておりますし、又さような観点からこの賃取道路制度というものを私は考えて行くべきではないかと思いますので、一応所見を述べて私の質問はこれで打切りたいと思います。
  33. 小酒井義男

    小酒井義男君 二、三御質問をしたいと思います。この第三條によりますと、改築の中には舗装を含むというふうになつておりますが、従来の道路を單に舗装するということだけで有料にするということは非常に無理があるのではないかと思いますが、これまでなぜ有料にしなければならないかということの考え方について一つ説明を願いたいと思います。
  34. 菊池明

    政府委員菊池明君) 舗装だけ出して賃を取るということは成るべくしたくないのでありますが、まあ只今の新京浜国道のごときはそれに類しますので申上げませんが、舗装をいたすことがまあ非常に輸送費を軽減するということはこれは事実であります。改良いたしましてもそれを舗装しなければその効果は上がりません。舗装道路と砂利道の運転費の差というものは、まあ試みに計算いたしたものでも、砂利道では一キロ五十七円もかかるのでありますが、舗装道路では三十五円くらいでありますので、まあ二十数円という差が一キロ当りに出るわけなんで、舗装の利益こそ非常に改良の効果が別に現われるものでありますので、そういう場合もこの中には一応考えてあるわけであります。
  35. 小酒井義男

    小酒井義男君 次にやはり第三條の三号でありますが、「当該道路の新設又は改築に要する費用が償還を要するものであること。」ということになつております。この費用の償還というのには、在来の維持修繕費というようなものが、除外されたものが償還される費用だというふうに理解してよろしいかどうか。
  36. 菊池明

    政府委員菊池明君) 維持修繕費も含んでいるわけであります。
  37. 小酒井義男

    小酒井義男君 維持修繕費を含んで償還を必要とするという説明でありますか。
  38. 淺村廉

    説明員(淺村廉君) ここに書いてございます「当該道路の新設又は改築に要する費用が償還を要するものであること。」と申しますものは、別途特別会計を予定いたしておりまして、その特別会計からの資金によりましてその道路建設を行いますので、その建設費を償還する必要があるので、第三條の終りのほうに「料金を徴收することができる。」と本文の中にも書いてあります。これと対応するわけであります。只今のお尋ねの維持修繕費をどうするかという問題でございますが、料金を徴收いたしまする期間の維持修繕費は一応料金に織込んで徴收いたしたいと考えております。ただそのうちの要するに償還額に当るものが償還されるのでありまして、料金にはそのほかに維持修繕費、つまり償還額とその利子と、それから料金徴收期間内の維持修繕費並びに料金徴收に要する費用、かようなものを含めましたものがその料金の額になるわけでございます。尤も料金にはおのずから制限がございますので、三條の二項に「料金の額は、当該道路通行又は利用に因り通常受ける利益の限度をこえないものでなければならない。」といたしてございまするし、なお三項では「料金の額の基準は政令で定める。」ということにいたしておりまして、余り高くならんように適当なる限度に抑える措置は十分とるつもりでございます。
  39. 小酒井義男

    小酒井義男君 それでは次にこの費用が全額償還された場合には有料道路は、それは直ちに一般の道路というふうになるべき性質のものであろうと考えておりますが、この点について……。
  40. 菊池明

    政府委員菊池明君) 償還が終りましたらば料金は取りません。
  41. 小酒井義男

    小酒井義男君 最後に一つ、前委員質問、或いは意見の中にもありましたが、大臣出席されましたので一つ大臣のお考え方をお聞きしておきたいと思いますが、四條にあります「建設大臣は、前條第一項の規定により道路を新設し、又は改築しようとする場合においては、あらかじめ、当該道路の管理者の意見を聞かなければならない。」というふうになつているわけです。で、改築の場合は別でありますが、やはり新設する場合には、全般的な交通政策の上からやはり運輸関係の担当であるところの運輸大臣意見を聞くということがここで私は必要になつて来ると思うのですが、こういうことに対してお考えになつてこれが入つておらないのか、或いはこれを立案されるときに、そうしたことが考慮されておらなかつたのかどうかということをお伺いしたい。
  42. 菊池明

    政府委員菊池明君) 道路の新設とございますが、これは大体そこに道路らしいものがあつて、それで、新設というのは現在の道路を拡げて行くのじやなしに、別の道路と申しますか、別の土地を買つてつて行く場合のことを新設と申しまして全然ないところにという……、新らしく交通路を開くというふうなものは余りないのじやないか。そういう場合もあるかと思いまするが、それは当然そこに道路が前から欲しい欲しいというわけで、あるようなところに作るわけでありまして、わざわざ運輸大臣を煩わすこともなかろうかと思いまして、これは建設大臣だけでやつております。
  43. 小酒井義男

    小酒井義男君 私はそういう解釈だけから……、これは少し意見になるようですが、煩わす必要はないだろうという一方的な解釈だけで済まない場合もあるだろうと思います。ですからそういうことは一つ審議される過程で十分考慮に入れて頂ければ結構だと思いますが、やはりそれによつて既設の交通機関、或いは新らしく計画されているところの交通機関等の計画にやはり変更……、影響を及ぼすような問題が私はできて来るのじやないかということを実は杞憂して質問しているわけなんです。そういう場合も、なければ結構ですが、十分一つ考慮をして頂きたい。  次に最後に一つだけお聞きしておきたいことは、この有料道路対象となるものの中に、料金を支払うものの中には、例えば国有鉄道の運転しているバス等もやはり有料として料金を支払うことになるかどうか、その点を一つ
  44. 菊池明

    政府委員菊池明君) 支払うことになります。
  45. 野田卯一

    ○国務大臣野田卯一君) 只今の小酒井委員の御質問に対しまして、只今道路局長からお答えいたしましたが、私は今後有料道路の問題につきましてはよく運輸当局といろいろな点において連絡してやつて行きたいと思います。
  46. 小野哲

    小野哲君 先ほど建設大臣見えになつておりませんでしたので保留をしておいたのでありますが、お見えになりましたので、御意見を伺いたいと思いますが、今回の道路整備特別措置法道路局長お話では極めて過渡的なものである、決してこれを恒久的な制度としてやるべきではなくしやはり一般公共用道路無償公開の基本原則変更する意思はないのである、こういう御説明があつたわけであります。そこで建設大臣に伺いたいことは、今回の道路整備特別措置法狙いとしておるところの道路の新設、改築の場合の対象となるべきものは嚴格且つ明確に制限を付して選定をする必要がある、こういうことを私は申上げておるわけでありまして、同時に御承知のように道路は決して人が歩くだけが今日その本質ではないので、自動車が通れるような高速の交通路ということが道路の本体に私はなつておるように思います。然るにかかわらず特別措置法趣旨によりますと、そこを通過する自動車料金を支払わしめる、徴收する、こういうことになつておるので、どうも近代的な道路政策とは少し、何と申しますか、食い違つた考え方があるのではないか、アメリカにおきましても先ほども申上げたのでありますが、資料によりますと、必ずしも賃取道路というものが普遍的になつておるものでもないし、いろいろの今以て議論があるように聞いております。そこで第一は道路整備財源を單に公共事業費に待たないで、何らか適当な総合的な道路財源確保をして行くということについて政府として何らかの手をお打ちになる必要があるのではないか、これが一つ。それからもう一つ道路の新設改築の計画につきましてはこれはやはり鉄道その他の交通の径路とか、或いは新線の建設とか、改良とか、そういうものと相待つて計画を立てるべきが至当でありまして、言い換えれば国全体としての交通政策から見て道路政策というものも考えて行く必要があるのではないか。従いまして一つ一つ何と申しますか、過渡的にその場の都合によつ例えば賃取道路制を布くとか、そういう方法をとることが果して国の交通政策から言つて妥当であるかどうかということを私疑問に思つておるわけでありますが、道路の新設改築の場合において鉄道、軌道、その他の交通機関の径路、或いは新設、改良というものを勘案して企画することが必要であると思うのでありまするが、この交通政策に対する大臣の御所見を伺つておきたいと思います。
  47. 野田卯一

    ○国務大臣野田卯一君) 小野委員のおつしやることは極めて御尤もなことと思います。大体その方向で大きなものについてはいたしておるのでありますが、ただ全体的に申しまして、日本の道路状態が極めて世界各国に比べまして恐ろしく程度の低い状態にあるというわけで、只今その道路を幾分でもよくするということに大体追われておるような状況であります。大きなものにつきましては御指摘の通りでございまして、十分考えて行きたいと思つております。なお道路財源確保の問題につきましてはよくガソリン税道路財源にしたらどうかという御提案もあるのでありまして、私もその御趣旨は極めて同感でありますが、我々の希望するガソリン税がどれだけ入りますか、これは税制全体の体系から来るものでありますから、その金額はいろいろな観点から変るだろうと思いますが、我々といたしましては現在の道路関係の経費は大変少い。これを今後できるだけ道路の必要性を一般に認識してもらつて、この方面に従来よりもつと多いところの予算確保したい。こういう方針で邁進いたしておる次第であります。御承知のように二十七年度におきましては二十六年度より相当増額されておりますけれども、今日の道路全体の状況から見まして甚だ少い感じがするのであります。今後皆様の御盡力を得ましてできるだけ予算をたくさん獲得して整備したいと考えておる次第であります。
  48. 小野哲

    小野哲君 道路整備財源確保につきましては私も何とかもつと総合的に政府としても考えなければならんし、我々自身としても十分成果を挙げて行くように努力して行かなければならんということにつきましては全く同感であります。ただそういうあらゆる手段を講ずることによつて道路整備が行われるのであつて、同時に又すでに設けられました鉄道その他の交通機関もあるわけでありますので、やはり総合的に考えて行かなければならない政策だと思つております。ただその場合に一般公共用道路まで対象としてこの種、賃取道路を作るということが果して適当であるかどうかということについては、現行道路行政の基本的の考え方からいつて私は疑問を実は持つておるわけであります。従つてこの法律の趣旨をその通り端的に実行いたしますとするならば、一般公共用道路はこれを対象とすべきではない、こういう結論になるのではないか、かように思うわけであります。従つて特に短絡線、その他受益者にとつて著しく利益を受けるとか、或いは強制收用をしないで済むとか、そういう極めて嚴格且つ明確な制限の下にその対象考えて行くというのが賃取道路のあり方ではないかと私はさように思つております。従いましてこの法律案内容は少し範囲が広くなり過ぎていはしないか、道路行政の基本的な考え方から遠ざかつておるのではないかと実は懸念を持つものであります。そこで交通政策の見地からもこの種の問題を御検討になる必要があるであろうということを申上げた次第でありまして、同時に利用者の負担の問題につきましても道路局長から賃取道路に関する限り利用者、若しくは通行者であるところの自動車使用者若しくは運送事業者に運賃に転嫁するだけの負担をかけないのだ、こういう御説明でございましたけれども、而もこれを負担する側から申しますと、ほかに諸税があるわけでありまして、従つて自動車交通の発達が追々と期待されております今日、道路自動車交通を主たる目的とするようになつておりまする場合において、この点よほど考慮をいたさなければならない問題ではないかというので、先ほど来道路局長に実は質問して参つたわけであります。建設大臣におかれてはそういう大局的の見地から問題をお取上げになつておるものとは存じますが、この賃取道路制度の主たる点につきまして多少我々といたしましては了解しにくいような点もありますから改めて建設大臣に私の意見を申上げまして、御考慮を煩わすことが適当ではないか、かように思つておる次第であります。
  49. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ほかに御質疑ございませんか。
  50. 岡田信次

    岡田信次君 先ほど来同僚議員質疑で了解いたしましたことは、道路整備財源がないからこういう特殊の制度と申しますか、これを設けるというふうに理解いたすのでありますが、御承知のように道路運送法の第三章に自動車道及び自動車事業という規定があるのでありますが、これを十分活用いたされまして、有料道路はこれに任せて、国のやる道路は飽くまで無料公開の原則を守るというふうなお考えはないのでありますか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  51. 菊池明

    政府委員菊池明君) 運送事業のほうは道路でないものを扱つております。こちらは道路法による道路有料にする場合の法案であります。
  52. 岡田信次

    岡田信次君 只今道路局長お話ですが、道路運送法にやはり自動車道の項目がございますし、それによつて料金を取ることができるし、取らないで勝手にやることもできるというふうになつております。でありますから、若し強いて道路を管掌する建設省においてやりたいとおつしやるなら、道路運送法のこの項目を道路法の中にお入れになるか何かして、飽くまで料金を取るのは私企業としてやる、国のやるものは無料公開の原則を守る、こういうふうになさるのが然るべきじやないかと思うのですが、もう一度お伺いいたしたいと思います。
  53. 菊池明

    政府委員菊池明君) もう一つ違いますことは、これは所管しますればもう無料にしようというのでありまして、営業的には考えていないのであります。建設省が所管をすればもう無料にして一般の公共道路に返そうという趣旨でありますので、これで儲けようという趣旨は全然ないのであります。大分趣旨が違うのであります。
  54. 岡田信次

    岡田信次君 その点は多少違うと思うのでありますが、要は日本の道路整備しようということが根本の精神でありますので、この道路運送法のこの項目に多少の改正を加えまして、何も儲けることだけでなく、日本の道路整備するよいう観点から適当の改正を加えてやつてもいけなくないと思うのでありますが、どうも私はいわゆるハイウエイを料金を取つてやるということは、飽くまで道路公共性に反すると思うのですが、その点一つ十分お考えを願いたいと思います。  それから一つ横道に外れまするが、料金を取る方法と申しますか、徴收する方法はどういうふうにお考えになつておるのか、又関門トンネルのこの資料を頂きますると相当の收入が上つて、十分ペイされて行くように思われますが、一方先ほどもお話に出た東京——神戸間の道路等を考えますと、伝うるところによると、建設諸費千二百億円ぐらいかかる、そういたしますと、例の融資だけでも恐らく年に七十二億、一日七億二千万円すでに維持費だけでも払わなければならない、そういたしますと一日二千万円の純益を挙げるということが果して可能なりや否やということが考えられるのでありますが、その考えが同じように新らしく改築なり新設する道路の場合にもやれるのかどうか、この点ちよつとお伺いいたしておきます。
  55. 菊池明

    政府委員菊池明君) 取る方法はゲイトを作るようなことをいたしまして取るのであります。東京——神戸間のは、これは適用いたしません。又別個に考えなければならんと思いますので、その心配は勿論ありますが、この式でやるわけではございません。
  56. 岡田信次

    岡田信次君 勿論先ほども東京——神戸間の道路とこれとは関係がないのだというお話を伺つておるので、承知しておりますが、ただ例として挙げたのでございまして、料金を徴收する方法を、各所にゲイトを作るといたしますれば、相当の人件費もかかり、それで只今例として申上げたように、若し東京——神戸間にそういう道路を作れば、一日少くとも、利子だけでも二千万円支払わなければならない。一方そういうふうに各所にゲイトを作つて人を置けば、人件費が相当かかるのだから、なかなかそれだけのあれが上らんのじやないか。それでこの道路措置法に関係する場合におきましても、それと同じようなことが言えるのではないかという点をお伺いしたいのであります。
  57. 菊池明

    政府委員菊池明君) まだ研究中でございまするが、只今例に挙げました個所について想定いたしました交通量、それから適当であろうと思われる賃金をもとにいたしまして考えますと、そういう経費を払いまして大体十年なり十五年なりで十分償還できる見込であります。
  58. 岡田信次

    岡田信次君 関門トンネルのように両方二個所にしか入口がないというところは極めて簡單でございまするが、先ほど話の出ておりました京浜国道を例にとりましても、あれを横断、或いは接続しておる道路というのは恐らく数百個所と申すと大袈裟かも知れませんが、少くとも百個所以上に上るであろう、ここに一々ゲイトを設け、番人をつけてやると相当の人件費が嵩む、それで果してどの程度料金を然らばお取りになる、政令によつて定めるというふうに相成つておりますが、何か政令の案でもあるのでございますか。
  59. 菊池明

    政府委員菊池明君) 新京浜のごときものはブランチがたくさんございますので各個所にそういうゲイトを作ることはできません。それに非常に交通量の多いところでございますから、これを取るものは一〇〇%取るという行き方ではとてもそれは取りかねると思いますので、両方の橋とか、或いは中間の橋梁とか設けまして、そこを通過する場合に取りさえすればそれで十分だと思います。恐らくその中で二割とか三割というものは見逃すものもあると思いますが、数が多うございますからそう高い料金にしなくてもやつて行けはせんかと思います。
  60. 一松政二

    一松政二君 ちよつと伺いますが、今までの国道の砂利、割栗の、道の維持費と、それから、舗装した場合の、舗装にもいろいろあるわけですが、その舗装した場合には最初は金がかかるが、維持費が相当安く行くだろうと思うのですが、そういう比較について今度の料金をきめるにもそれには非常に影響があると思うのですが、今までの国道の維持費と、それから舗装した場合の或る年限を限つた維持費とのなんか比較がありますか。
  61. 菊池明

    政府委員菊池明君) 我々の計算いたしましたもので今日までずつと使つておりますものは砂利道の非常に惡い場合又砂利道のよい場合と大分違うのでございますが、惡い場合には一キロ当り一台の自動車にかかつて来ます修繕費が九円九十三銭、それから路面のよい砂利道では六円四十五銭、それから舗装の場合には三円九十七銭というふうに、これは自動車の一台にかかつて来る、価格に換算して見ますと、こういう比率になつております。
  62. 一松政二

    一松政二君 いや、私が聞かんとするのはその自動車のほうの負担ではなくして、国又は県の費用のことを聞いておるわけです。穴ぼこができても、どんな惡くても、ほつたらかしておいて、維持費は少くていいかも知れんが、およそ一定の基準があつて、まあ県によつて多少違いますが、およその標準があるはずだと思う。で砂利を丹念に入れている道は、相当あれは維持費がかかつているだろうと思うのです。そういう場合は、今国の道路又は県の道路は無料でやつている、それを舗装したがためにこれを有料道路にするという考え方もあるやに今聞いてい  るわけですが、そうすると、今までは無料であつたものを、今後ただ舗装することによつて料金を取るというのは、多少そこに矛盾が起るような気がするのですが、そういう点はどうお考えになつておりますか。
  63. 菊池明

    政府委員菊池明君) 普通砂利道の修繕をいたしておりますのは、一キロ五、六万円要る、それから大修理をいたします場合には、まあ十万円、非常に国道の交通の多いところではキロ当り二十万円くらいかけております。
  64. 一松政二

    一松政二君 一カ年ですか。
  65. 菊池明

    政府委員菊池明君) はあ一カ年。そういうのを今度舗装した場合に金を取るということですが、これは有料にする場合の、舗装だけで有料にするということもなし得るように規定してございますが、できるだけこういうものは、舗装だけしたからといつて料金を取ることはなかろうと思います。やはり改良いたしまして、そうして舗装して料金を取るということになると思います。
  66. 一松政二

    一松政二君 日本のいわゆる国道或いは主な県道、これをできれば全部舗装するほうがいいにきまつておりますが、これを舗装する場合と、舗装しないで旧来のような砂利又は割栗で、できるだけまあ交通の便に供するという場合との、何か僕は比較がありそうなものだと思う、維持費又は国の費用……。私はまあ素人ですが、最初舗装するときの費用はかかるけれども、あとで維持費が非常に少くなるから、結局舗装したほうが安いのだという話も聞いたことがあるように思うのですが、そういう点どうですか。
  67. 菊池明

    政府委員菊池明君) 概数でございますが、自動車が百五十台乃至二百台を越しますれば、砂利道でしまするよりも、その維持費を利子に払つて舖装いたしましたほうが得だという計算に相成つております。
  68. 一松政二

    一松政二君 今のこの本年度の予算の新らしく計画してあるこれを見ますと、これは舗装だけのものがかなりあるのじやないのですか。この道路の中には、小田原——熱海、熱海——伊東、伊東——下田なんというのは、大体余り道がよくないので、それを放つてあるわけですが、これはもつと拡げる個所もあるかも知れませんが、大部分はこれは舗装費じやないのですか。
  69. 菊池明

    政府委員菊池明君) 舗装だけというのはございません。皆幅を拡げたり、線形を直したりして舖装いたします。
  70. 一松政二

    一松政二君 そうすると、まあ先ほど小野委員からも質問されたのですが、そういう道路有料にするというのは、どうも我々としては、いわゆる道路の今まで国が負担して無賃でやるべき公開道路をまあ有料にするということは、この法文の趣旨から言つても少しおかしいのですが、これはもうこれだけのものは今年度の計画に載せて、法文の適用から多少、先ほど道路局長はどうも余りはつきり答弁ができなかつたようですが、飽くまでこれを有料にしようというお考えですか、新京浜国道にいたしましても……。
  71. 菊池明

    政府委員菊池明君) 先ほど申しましたように、個所につきましては、なお検討いたします。
  72. 一松政二

    一松政二君 併し予算には一応載せてあるわけですね。
  73. 菊池明

    政府委員菊池明君) 予算の内訳の説明に計画書として添附いたしてございます。
  74. 一松政二

    一松政二君 私どもは先ほど同僚諸君からしばしば申されましたように、有料道路というものは特別な個所に限つてもらいたいということ、多くはそういうお考えだろうと思うのです。どこへでも、ここへでも、多少金が要る、予算がないから、少し手入れをするから、それを有料にするということは、どうも少し我々は割切れない感じがいたしておるわけであります。でありますから、そういう個所は誰が見ても、どなたが考えても、これだけは特別にやつたのだから有料であることは御尤もだというような点にできるだけ限つて頂きたいと考えるわけであります。それだけを私は、私の意見を申上げて、一応質問を打切つておきます。
  75. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) そのほか質問ございませんですか。
  76. 岡田信次

    岡田信次君 もう一つお伺いいたしたいのですが、要するに財源がないからこういう特別の措置をとるということですが、道路を破壊する今日の主なる原因と申しますか、破壊者は、アメリカの重車両、トラツクにしましても、或いはその他、戰車その他の重車両が非常に大きな原因をなしておるように思うのですが、今回の行政協定その他に伴う費用の中から、道路に対して何らかの負担がされておるかどうか。
  77. 菊池明

    政府委員菊池明君) 普通の道路を通る場合につきましては、特別に負担をとることは考えておりません。
  78. 岡田信次

    岡田信次君 とにかく非常に十五トン、二十トンというような大きなトラツクその他向うの車が通るのですが、今後もそれらに道路整備に対する費用の一部を負担させるように御努力なさるお考えはないのですか。
  79. 菊池明

    政府委員菊池明君) この有料道路等につきましての交渉……研究をいたしておりまするから、それに関連いたしまして、そういう話合いもいたして見たいと思います。
  80. 岡田信次

    岡田信次君 私は有料道路のみに限らず、一般の道路についてその破壊の大きな原因がそれであるのですから、当然負担して然るべきだ。そうすれば先ほど来非常にやかましく言われておる財源がないということに対しての一助ともなるのですが、その点、一般の道路に対してのそういう方面の費用の負担について、いろいろお骨折りがあるのかないのか、お伺いいたしたいと思います。
  81. 菊池明

    政府委員菊池明君) 今まではそういうことはいたしませんでしたが、只今丁度これに関連しまして、交渉を始めておりまするから、その際に又折衝して見たいと思ます。
  82. 一松政二

    一松政二君 この際ちよつと本法案に直接関係はないか知れませんが、どうも私どもが国道或いは府県道を通つて常に感じることは、その維持をもつと早目にやれば、大きくならんで済むような個所が、たくさん自分が通つて見ると見つかるのですが、これは管理の関係があるかも知れませんが、もつとこまめに、少し惡くなつたときに手入れをしておけば、大きくならんで済む個所が、長らく放つて置いて、あとから根本的にやつたり、或いは時が遅れて大きく破壊した後に修繕しているような個所が、かなりあるように見受けるのです。これはその道路の管理方法が、もつと小さく区域を限るかどうかして、そうしてこの維持費をもつと少くして、そうして而も通る者の便利な方法考えられると思うのですが、その点に対して、私はそういう希望だげを一つ特に道路局長に申上げておきたいと思います。
  83. 赤木正雄

    赤木正雄君 議事進行と申しますか、運輸委員のかたがたにも、まだまとまつた御意見もいずれ何かあると思いますからして、又建設委員も今後審議されますから、あなたのほうの意見をまとめて下すつてそれを我々も斟酌する、又審議したい。大体今日はこれぐらいで終えたらどうかと思うのですが、如何ですか。
  84. 山縣勝見

    山縣勝見君 本法案に関しましては、交通行政或いは運輸行政の見地から、運輸委員会相当意見があると思う。基本的な問題についてもあるし、具体的の問題についても相当あります。さつきからお聞きの通り相当問題があるのでありますが、今発言がありましたが、委員会のほうで大体意見をまとめまして、委員長手許まで運輸委員会意見を具申いたしますから、御審議の御参考にして頂きたい。なお委員会においてもできるだけ御採択頂きたいと思います。連合委員会で、大体皆さんの意見出盡したと思いますが、まとめまして……。
  85. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 連合委員会はこれで閉じてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 御異議がないようでありますから、連合委員会はこれで閉じます。    午後零時三分散会