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カニエ邦彦君 問題はそこにあると思うのです。形式としては成るほどそういう門戸を開いているけれ
ども、実際としてはその人間がやる以外にないのです。実際にそんなあなたの言われておるような、東京とか大阪で何百台の赤自動車を、一遍にはやめさせられるほうも困るなら、新たにやるというのも、実際事実問題としてやれないのじやないですか、そんなことやれる筈はないのです。だからそれは結局そういう実態であれば、実態に即した
方法でやらにやいかんじやないか、要は。実態に即さないのですよ、今言
つているそれは、参加して一般入札にすれば、入
つて来てもら
つたらいい、口ではそう言うけれ
ども、実際にはそういう
制度をお取りにな
つても、これは固有財産の払下げを競争入札でするというふうには行かん。だからそうであれば、そこには必然的に独占化する。だからそういうような実態であれば、それにふさわしい
契約の
方法を考えなければこれは困るじやないか。例えばここで今
検査院が言
つているように、車庫から出発をする、そうして要はやはりその積卸し現場に到達してから戻
つて来る間の時間、これが実際は実動時間です。車庫から出て来るということにすれば、近い車庫はそれでいいでしようが遠い車庫はどうなるか、車庫に来るまでの間が三十分かかる地域、それが一時間かかる地域、十五分で来られる地域、これらについては結局どうなるのか、結局はやはりそういう算定の仕方であれば、そこには勢い不合理なものが出て来やせんかというようなことも出て来るし、それから又積卸しに、当然その運転手だけ或いは又助手がお
つても積卸しの賃金を払
つておる。ところが実際は局の者が積卸しを現場ではしてお
つたということがまあたまたま
検査の結果見付か
つた。これらも結局はどちらもが個人の
事業であればこういう問題は起きないのですよ。これが国の
事業ですからこういう問題が起きて来るのです。勢いその請負業者のほうが、民間側が、そこの本庁側の労務の親方に附届けでもする、又たまには月に一遍ぐらいは儀礼的に一ぱい飲ますということになれば、これは人間ですから人情ですよ。君のほうは手がないか、それじやまあ君これ手伝
つて積んでやれ、お前してやれ、現場では勢いこういうことになるのですよ。然らばそれを一々どうや
つて監督をしてどうするかというようなことになれば、積卸しに一人ずつ番人を付けなければならんだろうと思う。そういうことはできないですよ。併しこんなことは恐らく私は実際には随所にやはり行われておると思う。
検査院はここに一つぐらい挙げておりますけれ
ども、殆んどやはり行われておるのじやないか、これは又行われて当り前なんですよ。現場に働く者がいや俺は
郵政省の役人だからと、運転手が一人で一生懸命や
つておるのにほかでぽかんと眺めて一服吸うて手を拱いて見ている、これはできんですよ。どうした
つてそんならおい手伝おうということにならざるを得ない。そういうものがやはり積み重
つて来れば何百万円になり、何千万円にな
つて来るということは、これは当然過ぎるほど当然な問題なんですよ。だからこういうような点もやはりその
契約の上で何らか
方法を考えておけばそういうことにならなくなるんじやないか。それから
検査院は道路の状況ということをまあ言
つておるが、実際道路の状況ということはこれは著しく経営の上に響くことはもうこれは言うまでもない。アスフアルトの道を十キロ走るのと、山道の而もバランスも尋常な優秀のならいいが、山に発破をかけて割
つて来たようなバラスを道に敷いてあれば、これはタイヤを鉋で削
つて行くようなものだから、これは勢い違う。これは当然だろうと思う。併しながらこういうものについても一々厳密に言えば、道路が改修に
なつた、あそこは鋪装に
なつた、ここは今度は雨でどろどろに
なつたから工事した、これはバラスのいわゆる質が悪いからというようなことを言
つておれば、なかなか大変だろうと思う。
検査院が言うことは理窟は理窟です。併しながら実際
運用の上ではそうはやはり現実に行かないのじやないか。
それから荷物のいわゆる積載量の問題についでも、年末等の米や餅を運ぶときの
契約と、それからふだんのいわゆる
郵便物を運ぶときの
状態とは、これはもう目方も違うじやないか。ところが成るほどこれは違いますが、そこまで厳密なことはなかなかやれないでしよう。まあ我々の考え方から見ますれば、結局この
郵便物というようなものは、これはもう
幾ら積んだ
つて四トン車或いは五トンに山盛り盛
つてみた
つてボタを丁度積み切りに持
つて行くのとこれは同じことなんです、大したことはありません。自動車ということになれば……荷車で人が引くということにな
つて来れば、それは変
つて来る。そうじやないのですよ、これは……。だからこうい
つたことを一々科学的に検討して、そうしてそのたびに
契約の立てかたを変えるというようなことをや
つてお
つたのでは、これは困るじやないか、もう少し何とか合理的な
方法でやればやれぬものかということですね、これはどうなんですか。