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專門員(
森莊三郎君) 五百十号から五百二十九号までは
物品に関する問題でありまして、その買入れ
処分、
保管などについていろいろ不当な
事件があるということを
検査院から
指摘されました。
政府からの
弁明書にも、今後は十分
注意をいたしますということが先ず
最初に答えられてありまするが、その
一つ一つの
事件を見ますると、先ず五百十号から五百二十号までを一括いたしまして、
物品の調達及び
処分当を得ないものと題されております。即ち購入の時期が適当でなか
つたというものが五百十号でありまして、むやみやたらに多量に購入をしたというのが五百十一号、十二号、十三号であります。それから不適当な品物を買入れたというのが五百十四号、差当り要らないような、不急の
物品を買入れて在庫品とな
つているものというのが五百十五号、十六号、十七号であり、それから
物品の買入れ方が、値段が高過ぎたというものが五百十八号、それからいろいろの書類用紙など、不用品を
処分するに当りまして、まだ使えるものをばむやみに
処分をした、行き過ぎがあ
つたという問題が五百十九号、五百二十号であります。いずれもそこに書いてありまする
通りの比較的わかりやすい
事件でございまして、又
当局からのお答えにも、それぞれ誠に遺憾なことであ
つたが将来は十分
注意をするというふうに記されておるのであります。ただここで少し考えて見たいと思いますることは、五百十二号の点でありまするが、五百十二号は、タイプライターをむやみにたくさん買入れた、
検査院の
検査のときには
相当使わないものがたくさんあ
つたということでありまするが、
当局からの
説明では、その後ほどなく地方貯金局における分課の増置に伴い、その大部分は現場へ拂い出して使用しているというふうに書いてありまするが、これが過大な購入として
指摘されておりまするので、どういう
事情があ
つたものかと非常に疑問を感ずる次第でございます。
それから次に五百十一号と五百十三号でありまするが、これらはいずれも必要以上の分量の品物を買入れたのでありまするから、その点から見れば確かに過大購入には違いない、元来
郵政省におきましては、五百二十一号及び五百二十二号などに
指摘されておりまする
通り、むやみにたくさん物を買入れて貯蔵品をたくさん持ち過ぎておるという
批難が出ておるのであります。そのくらいでありまするから、一体
郵政省が、
一般的に申しましてこういう点に十分な
注意が届いていないと思われるという点は疑いのないことと思いまするが、ただ五百十一号及び五百十三号という特定の問題につきまして、
官庁会計というものと実業界などの普通の会社の場合と、どんなふうに違
つた目で以て見て行かなければならないものであろうか。勿論この
事件におきまして、その局に当
つた人が前途の物価の値上り、その他を十分よく見通した上でや
つたことであるのか。或いはそうでなくてそこまでの
注意は加えないで、ただ
予算の余りがあるから使わなければ損だとい
つたような單純なことでや
つたのであるか。そこらの点においてかなりな
事情の差も出て来るのではないかと思います。特に私が一応
ちよつと考えて見たいと思いましたことは、
官庁会計と
民間会社の会計とのその違い、目のつけどころの違いという点を一応考えて見たいと思
つたのでございます。
それから五百十八号でありまするが、この五百十八号につきましては、昨年の夏、当
委員会から議員五名を北海道
方面へ
郵政省及び電通省
関係の
批難事項などを実地調査のために派遣されたのでありました。その議員は自由党の西山さん、緑風会の溝口さん、社会党の棚橋さんでありまして、私も同行いたしたのであります。その調査報告は、昨年の十一月十五日付の
決算委員会の会議録の第七号に載せられておるのであります。それによりますると札幌郵政局では、この
物品を買入れるに当りまして、東京の商人一人、札幌の商人三名、合計四名から見積りをとりまして、いわゆる見積り合せと称する競争入札の形をと
つているのであります。それだけの
方法を講じたのでありまするから、札幌のような田舎におきましては或いはそれも止むを得ないことと一応考えておられるのであります。ところがこの
事件だけを見ますると、さほど重大なことのようには見えないのでありまするが、
〔
理事小酒井義男君退席、
委員長着席〕
たまたまここに電通省
関係で五百六十六号という
事件が出ておるのであります。これは札幌通信病院のことでありまして、業者からえらく騙されて高い物を買取
つた、後に至
つてその事実を発見したのでありまするから、
相当な
金額を吐き出させたという二とが
指摘されております。この二つの
事件共に
関係の商人は東京の三友物産株式会社というところなのでありまするが、札幌郵政局でこの会社からこの品物を買いました、それはさつき申しましたように四人の商人の見積り合せの結果、一番安い所から買取
つたのでありまするが、この会社が入札に加わるようにな
つたゆえんは、実は札幌郵政局ではこれが初めてでありまして、本省から紹介があ
つてや
つて来たから初めて取引をするようにな
つた、こういう
説明でございます。それで電通省
関係の五百六十六号の
方面から見まして、これは恐らく元の逓信省
方面への出入りの商人の中に、どうも特別な勢力範囲を扶植しておるような者がありはしないかというような疑いが濃厚なのでありますので、そのことを電通省へ
注意いたしました。その結果、先日当
委員会で電通省の二十四年度の
検査報告について審議がありましたときに、この商人には不都合と認めたから今後一年間役所への出入りを差しとめるというふうに
処置したという話でございました。そういうような
事情があ
つたものであるということをこの際申上げておきまして、
郵政省の
当局のほうにも参考にして頂きたい。そうしてこの札幌郵政局の件につきましては、調査員の報告では、まあ成るべくならば製造元若しくはその一手販売というようなところを競争入札の中に加えるということが望ましい、併しながらこの場合札幌郵政局が不都合であ
つたということは、そう著しい不都合があ
つたとまでも見るべきではなかろうというような報告が出ておるのであります。それから次に五百二十一号につきましては、今も
ちよつと触れましたように、貯蔵品を
郵政省ではむやみやたらとたくさん保有しておるということもあります。次の五百二十二号は、貯蔵品の中から差当り必要な品物を
事業品というふうに取扱いを区別いたしまして外に出すことにしておりまするが、その品物がむやみにたくさん保有されておるというこの
注意でございます。それから五百二十三号と五百二十四号は、貯蔵品をば
事業品ということにして不当に拂い出しておる。即ち使いもしないところの品物、要り用もないような品物を
事業品という
名義にして拂い出しておるのは適当でないという御
指摘であります。それから五百二十五号と五百二十六号は、
事業品、丁度前に申しましたこととまあいわば逆のような場合と見てもよいかと思いまするが、
事業品として出ておりまするものを、久しく使わずに置くならば、それを貯蔵品のほうへ組替えをすべきであるのに、それをしておらない。殊にこの
あとのほうの問題は、貯蔵品の出納簿に、正規に受入れされなか
つたがために、資産に計上漏れにな
つておるというような手続上の過まちがあることが
指摘されておるのであります。それから五百三十七号乃至五百二十九号は、現品と帳簿に記されておる数とが符合しないというものなのでありまするが、これらはいずれも
当局のほうといたしましても、誠に不
注意であ
つたから、今後はせいぜい
注意をするというふうに
弁明がございました。ただ
一つ気が付きましたことは、この五百二十七号の点でありまするが、單に現品と帳簿とが符合しないというだけのことではなくて、本当のことを申しますると、商人のほうから納めても来ない品物を全部納ま
つたというふうに帳面に付けて、そうして代金を全部
拂つてしま
つた、
あとは打つちやりにな
つておる、それを
検査院から
指摘された。それで
あとにな
つてその品物を納めさせた。なおその材料の一部が官給品であるのに途中で注文の数量を減らしました。
最初七万個注文したのを
あとで一万個だけ減らしましたから、それに
相当するところの官給の材料品が返
つて来なければならないのに、それも打つちやりにな
つているという、これは單純な帳簿と現品とが合わないというだけの事実ではなかろうと思われます。利息の計算だけを申しましても、勿論それは余り大きい
金額ではございません。けれども二年半も打つちやりにな
つてお
つたということを見ますると、
ちよつとほかの問題とは少し
事情が違
つておるように思いましたので心付きのままに認めて置いたわけでございます。以上……。