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政府委員(太宰
博邦君) 先に
事務次官が参るはずでありましたが
次官会議に出ておりまして終りますればこちらへ参りますのでお断り申上げておきます。
このたび
昭和二十四年度の
決算につきまして私どもの
努力至らんためにいろいろ
指摘を受けまして誠に遺憾に存ずる次第であります。
只今お話がございました件につきましては私ども
検査院の
指摘の
通りでございまして甚だ申訳ないと思
つておるのでございます。ただ何分にも
厚生省の施設が非常に多うございます。特に
病院、診療所は全国に三百近くございます。その
病院、療養所も戰争後医療団とか或いは軍
病院というものから
厚生省に引継げという命令で参
つたというような
事情もございまして、又必ずしもそれが完全にいわゆる
厚生省の前からあ
つた療養所、
病院と同じように
経理のやり方、
事務の運び方がよく固ま
つて来ていないというような事態もございます。さような際にたまたま係員の不慣れ或いは前のやり方をそのままそれでよろしいと思
つて踏襲してお
つたというために起した事故などもございます。そういう点につきましては逐次
指導教育しておりまするので最近におきましては大体まあまあ固ま
つて来たように感じておる次第でございます。
四百六十六号の大日向莊は群馬県にあるのでございますが、
社会保険診療
徴収支払
基金から支払を受けたものを日銀に納めないで市中銀行に普通預金として預け入れてお
つた。即ちこれは医療団から
厚生省に移管に
なつた
病院でございますので医療団当時にそういう
収入はそこの市中銀行に、これは富士銀行の高崎支店でございますが、従来からの取引銀行に医療団当時は納めてお
つた。それを
国立に移管になりました後におきましてもそれでよろしいのであるという誤解の下に相変らず前の取引銀行である富士銀行に納めてお
つた。それが発見されましたのですぐその後は日銀に直接納めさせるように改めさしたことは勿論でございますが、まあ幸いにいたしましてこの間何の不正があ
つたということじやございません、ただそういう不慣れな従来のやり方をそのまま
国立移管後もそれでいいのだというような考え方で間違いを起したというような事態もあるのでございます。
四百六十七号の
関係はこれもやはり軍
病院などから移
つたものも中にはございます。これは従来
先ほど文部省の
関係でも出たように存じますが、いわゆる支払
基金などで
金額が
査定を受けまして動きますので、そのことを考えて金が支払われてから調定をする。これはその後
検査院からもお示しを受けまして
昭和二十三年度からすべて
事前調定と申しますか、私どものやり方は支払
基金で以て調べて頂いてこれは確かであるというところに固まりましたときにこちらが
納入告知書を出すというこういう式に改めたのでございます。その改めました前後に
会計主任をや
つておりましたのが軍
病院でございますから軍人でございました。これがパージにかかりました。そうして次の文官の
会計上の引継ぎをしてありますが、その際に引継ぎが不十分でありましたために引継ぎ前のものにつきましてその調べて
納入告知書を出さねばならないのにうつかりしてお
つたという点がございます。それからその後におきましても生活保護法などによりますと大体これは市町村から医療券というものを
提出してもらいましてそれを
病院に
提出すればそれが無料になる。こういう建前にな
つておるのでありまするが患者はそういうものを持たないでや
つて来る場合が往々にしてございます、私は生活保護者である、生活医療保護については目下自分の町村に申請しておるというのであります。嚴格に申しまするとそれではあなたのほうで町村で明白にこの生活保護法の認当者であるということの証明を受けられてから後その
取扱をいたしましようと言うのが純粋なる
会計官吏の立場でございまするけれども、併し人情といたしまして本人がや
つて来ますれば一応それを調べますけれども大体間違いないと思われますれば一応入れておきまして、それから町村に
手続を促進するわけであります。たまたま町村のほうでそれを調べてみました結果、これは生活保護法の該当者でないというような場合もございます。その場合には自己負担になるわけでありますが、それがもうすでにそうなりますると、本人は納める力がないという羽目にな
つてしまう、或いは町村でそれの該当が
はつきりしましても、医療券の発行が遅れますと、その前の分まで遡
つてや
つてくれないということになるというようなことも重りまして、
徴収決定漏れの分ができたといつようなことで、誠に遺憾な次第でございます。これはここにございまするように、早速
徴収決定をいたしまして、これの
納入を促進しておるような
状況でございます。
それから四百六十八号の
補助金の交付に当
つて処置当を得なか
つたもの、この事案そのものは愛媛県の宇和町と隣接いたしております中川、岩城でございますか、二村の国民健康保険の診療所を設けるという事案でございますが、これは最初は極めて順当に
手続が進んでおりました。それからこの二十四年の六月にはもう敷地を決定してこれを買収して、まさに
工事を運ぼうという段階までにな
つておりましたところが、たまたま地元の宇和町の一部の住民の間に、そういうところに
病院を作
つてもら
つては困るというので、
病院建設延期同盟、まあ反対でございますが、そういうような運動が表面化して、町の議会、理事者側におきまして町民との間になかなか話がまとまりません。それが隣りの二村にまでも影響、波及いたしまして、一時
工事の施工を中断せざるを得なくな
つたのでありますが、その後この実施につきましては
関係当局の勧告もありまして、漸く事態が好転して、まとまりましたのがその年の年度末で三月末でございました。そこで
先ほども
文部省関係で出ましたごとく、純粋なる
会計法の立場から申しますれば、もうその年度にはできない、できる見込が遅くてないのでございまするから、
予算の繰越をいたしてやりますればそれは合法的なんでございますが、たまたまその当時の下のほうの役人どもの考え方といたしまして、
予算の繰越というものは非常にむずかしいそうだ、下手するとこれで打切られてしまいやせぬかというような考え方がございまして、なかなかこういうむずかしい問題が漸くここで
関係者一同手を打
つてうまくまとま
つていたこの機会であるから、これを又変な
手続をさせられることによ
つて期間が延びて、そのために又その間にごたごたでも再燃しては困るから、このままや
つてしまおうというようなことから、その
工事を続けてや
つた次第でございます。従いましてそこに繰越をやりまする
手続を怠
つたということによりまして
検査院の
批難を受けたのであります。かような事案が出ましたことそれ自体は、私どもとしては申訳ないと思
つております。併しながらこの事案は、
先ほどもいろいろ御
意見承わりましたごとく、実は毎年若干ずつこういう問題が起きまして、叱られることはもういたし方ないのでございますが、何とかこれを
一つ地方の第一線の者の苦衷を
一つ考えて合理化して頂きたいという気持は持
つております。先般幸い
国会のほうでその点に対しまして立法して頂きましたので、今年度以降につきましてはこういう問題でお叱りを受け、又御迷惑をかけることがなく
なつたことは感謝しております。一言申上げておきます。