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1952-03-05 第13回国会 参議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月五日(水曜日)    午前十時五十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩男 仁藏君    理事            高橋進太郎君            長谷山行毅君            飯島連次郎君            棚橋 小虎君    委員            大矢半次郎君            郡  祐一君            團  伊能君            西山 龜七君            伊藤 保平君            常岡 一郎君            森 八三一君            栗山 良夫君            森崎  隆君            カニエ邦彦君            菊田 七平君   政府委員    大蔵政務次官  西村 直己君    電気通信省経理    局長      肥爪 龜三君   事務局側    常任委員会專門    員       森 莊三郎君    常任委員会專門    員       波江野 繁君   説明員    会計検査院事務    総局次長    山名酒喜男君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員補欠選任の件 ○昭和二十四年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出)(第十二回国会継  続) ○昭和二十四年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出)(第十二回国会継  続) ○昭和二十四年度政府関係機関收入支  出決算内閣提出)(第十二回国会  継続)  (電気通信省所管の部の件) ○昭和二十五年度一般会計予備費使用  総調書(その二)(内閣送付) ○昭和二十五年度特別会計予備費使用  総調書(その二内閣送付) ○昭和二十五年度特別会計予算総則第  六條並び昭和二十五年度特別会計  予算補正(特第一号)総則第四條に  基く使用調書内閣送付) ○昭和二十六年度一般会計予備費使用  総調書(その一)(内閣送付) ○昭和二十六年度特別会計予備費使用  総調書(その一)(内閣送付) ○昭和二十六年度特別会計予算総則第  七條基ぐ使用調書内閣送付)   —————————————
  2. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 只今より委員会開会いたします。  小林孝平君が委員を辞任されましたため、決算審査に関する小委員が一名欠員になつております。この際委員長において栗山良夫君を指名することとして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 御異議ないと認めます。
  4. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 次に、昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算昭和二十四年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十四年度政府関係機関収入支出決算を一括して議題に供します。本日は電通省所管の部の御審議をお願いいたします。本日の出席政府委員電気通信省経理局長肥爪龜三君及び会計検査院から説明員として、事務総局次長山名酒喜男君が出席されております。先ず專門員から調査の結果を説明願います。
  5. 森莊三郎

    專門員森莊三郎君) 電通省に関する検査院批難事項は五百五十六号以下二十四口ございまするが、いずれも当局では検査院指摘されたことを率直に認めまして遺憾の意を表し、将来注意をするという旨を回答しておられます。これらの要旨を簡單に申上げますると、別紙ちよつと簡單印刷をいたして置きましたのでありまするが、五百五十六号及び五百五十七号は予算経理に関するもの、その五百五十六号は詳細な事柄は検査報告に記されてありまするが、要するに事前調査が不十分であつたので、無用な経費使つたということ、特に二十四年の二月に予算不足であつたために一旦解約をした、その解約当時にすでにその事業が無益であることが明らかであつたのに、更に次の年度四月に入つて再び契約をしてその事業継続しておるというようなことは、最も不適当であると指摘されているのであります。  その次の五百五十七号は、箱番と称する移動式の仮小屋のような物品でありまするが、それを作るように装つて事務所使用する建物四棟を新築したものでありまして、正規の予算措置を講ぜず勝手に予算を使つているのであります。殊にこれと同一の問題が二十二年度にも、二十三年度にも批難を受けて一おるものでありまして二十三年度のごときは東京逓信局ほか三つの逓信局、それから長野ほか十カ所の電気通信工事局でこれを行なつて、同様のことを行なつておるのであります。恐らく本省からは出先機関に対して毎年毎年これらの注意を與えておられることと思いまするが、本省からの再三の注意にもかかわらず、毎年々々同じようなことが行われておるというところに特別な意味があるように思われまする。  次に五百五十八号乃至五百六十五号は工事に関するものでありまして、これについては、会計検査院報告の第百五十頁に総論的な説明が詳細に記されてありまして、それを便宜上更に簡單にいたしまして、別紙に十行ばかり記しておいたのでございまするが、その最後に書きましたように、昨年の夏本委員会から電通省及び郵政省関係事業実地調査のために北海道議員を派遣されました。そのときの派遣議員は自由党の西山さん、社会党の棚橋さん、緑風会の溝口さんの三人のかたでありました。そのときの報告書は昨年十一月十五日決算委員会議事録の第七号に掲載されてあります。それによりますと、五百五十八号の岩見沢の工事、五百五十九号の旭川の工事につきましては、冬の真最中に雪が積つておる中で屋外の電信電話工事を施行するというような不経済な支出をされておりまするので、それらの点については特に注意しなければならないということが報告書指摘されてあります。これらにつきましては出先管理所、又は通信局責任もあることとは思いまするが、むしろ本省施設局責任のほうが重いのではあるまいかというふうに報告されておるようであります。これにつきまして検査院のほうへ伺りて見ますると、二十五年度につきましては、本省においてはこの点について注意を拂つて改善されておるようでありまするが、出先実施機関のほうが誤りを犯して不経済な季節にもかかわらず、不経済な工事をしておるという話であります。  次に五百六十六号乃至五百七十号は、物件に関するものでありまして、これも検査報告の百五十六ページに総論的に詳しい説明がありまして、その要領別紙印刷いたしておきました。その実例の第一番目にありまする五百六十六号に関しましては、今申上げました北海道への実地調査に赴かれた議員報告を見ますると、この事件は、惡い出入り商人に乗ぜられたもののようであつて病院自体には別段の責任はなく、むしろ電通省なり、郵政省なり、即ち元の逓信省内部御用商人がいわば集を作つているというのではあるまいかというような疑いが感ぜられるということが指摘されているのであります。この五百六十六号を單独に見ますれば、その辺が余り明瞭ではありませんけれども郵政省批難事項五百十八号と二つを並べて見ますると、その辺の関係がよほど明らかになるように思われるのでございます。なお、この物件に関する取扱いが適当でないという事情は、検査院で伺つて見ますると、二十五年度においても全く同様で少しも改善されていないようであるということでございます。  次に五百七十一号乃至五百七十五号は財務諸表に関するものでありまして、財務諸表の計理を正しくすることの必要を指摘されているのでありまして、検査報告の第百五十九頁の所に、検査院の見解が総論的に記されておりまするので、それを別紙簡單に記しおきました。特にその最後需品費支出ということにつきましては検査院報告によりますると、毎月の支出が二億円乃至八億円であるのに、年度末の三月になると急にそれが膨張して三十八億円もたつた一カ月で支出をして、如何にもお金の使い方がひどいではないかというような御批難であります。この点につきましても検査院の御意見では、二十五年度になつても殆ど同様な事態が見られるということであります。  それからその次に五百七十六号は、職員横領事件がただ一件記されております。そのあとの五百七十七号乃至五百七十九号、そこにはその他の不当事項と題するものが若干記されているのであります。  以上いずれも事件の内容は検査院報告で一応はよくわかりまするし、これらに対して当局は、ことごとく検査院報告通りであり、誠に遺憾であつたと述べられております。但し若しも文章の上に現れていないような事実或いはそれを補充してお述べになるようなことでもありますれば、検査院なり、電通当局から述べて頂ければ事情が一層明らかになるかと思われるのであります。  最後に申上げたいことは、これらの不当行為者に対する行政処分が一般に軽過ぎるのではないか、殆んど全部が訓告又は注意ということであり、中には調査中と報告されておりまして、法律上の正式の行政処分、即ち戒告以上に当るものが殆んどない。勿論職員不正行為のごときにつきましては、これは十分嚴重処分が例のごとくなされておりまするが、それ以外の行為については、余りに軽きに失するのではないかと思われるきらいがあろうかと思われます。  以上御審議の御参考に申上げた次第でございます。
  6. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕   —————————————
  7. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) それじや速記をつけて。この際財政法第三十六條の規定によりまして、承諾を求めるために国会に提出され、去る二月二十七日当委員会予備審査として付託されました昭和二十五年度一般会計予備費使用調書(その二)、昭和二十五年度特別会計予備費使用調書(その二)、昭和二十五年度特別会計予算総則第六條並び昭和二十五年度特別会計予算補正(特第一号)総則第四條に基く使用調書昭和二十六年度一般会計予備費使用調書(その一)、昭和二十六年度特別会計予備費使用調書(その一)昭和二十六年度特別会計予算総則七條に基く使用調書、以上六件を一括して議題に供します。先ず政府説明を求めます。
  8. 西村直己

    政府委員西村直己君) 只今議題となりました昭和二十五年度一般会計予備費使用の件ほか五件の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  昭和二十五年度一般会計予備費予算額は四億五千万円でありまして、このうち財政法第三十五條規定によりまして昭和二十五年五月十二日から同年十一月二十日までの間に使用いたしました二億一千五百十余万円につきましては、第十回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしましたが、その後昭和二十六年一月十七日から同年三月二十三日までの間におきまして六千八百四十余万円を使用いたしました。そのうち主な事項は、参議院議員補欠選挙及び住民投票に必要な経費地方公共団体一般選挙啓発宣伝に必要な経費アジア競技大会選手派遣に必要な経費等であります。  次に、昭和二十五年度特別会計予備費額は、三百二十五億三千十万余円でありましてこのうち昭和二十五年五月十二日から同年十二月二十六日までの間に使用いたしました百二十一億九千四百二十余万円につきましては、第十回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしましたが、その後昭和二十五年十二月二十七日から昭和二十六年三月二十七日までに予備費使用いたしました特別会計は、外国為替厚生保險国立病院農業共済保險森林火災保險国有林野事業、貿易、郵政事業電気通信事業の九特別会計でありまして、その使用した総額は、八十五億四百十余万円であります。そのうち主な事項は、外国為替売拂収入拂戻及び預り金償還に必要な経費輸入為替売収入の拂戻に必要な経費健康保險給付費に必要な経費農業共済保險金に必要な経費外国政府に対する特殊債務償還に必要な経費電信電話施設等災害応急復旧に必要な経費電信電話事業設備に必要な経費等であります。  次に、昭和二十五年度特別会計予算総則第六條並び昭和二十五年度特別会計予算補正(特第一号)総則第四條の規定に基き予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしました特別会計は、厚生保險外国為替の二特別会計でありまして、その内訳は、同予算総則第六條の規定にもとづいて厚生保險特別会計において支出いたしました保險給付に必要な経費八億七百二十万円と、同予算補正総則第四條の規定にもとづいて、外国為替特別会計において、支出いたしました外国為替等の買取に必要な経費二百六十五億二千五百万円であります。  次に、昭和二十六年度一般会計予備費予算額は十億円でありまして、このうち財政法第三十五條規定によりまして昭和二十六年五月一日から同年十二月七日までの間において八億一千五百九十余万円を使用いたしました。そのうち、主な事項多摩東陵造営等に必要な経費裁判所庁舎その他風水害復旧に必要な経費行刑施設その他風水害復旧に必要な経費国立大阪大学医学部附属病院緊急補修に必要な経費国立大学建物その他風水害復旧に必要な経費災害救助に必要な経費国立療養所建物その他風水害復旧に必要な経費農林漁業組合再建整備に必要な経費水稻病虫害防除に必要な経費ユニセフ原棉加工委託に必要な経費国内航空路線拡張等に伴い必要な経費等であります。  次に、昭和二十六年度特別会計予備費予算額は二百二億三千八百六十余万円でありまして、昭和二十六年五月十五日から同年十二月二十五日までの間に予備費使用いたしました特別会計は、外国為替資金造幣庁印刷庁厚生保險国立病院食糧管理国有林野事業輸出信用保險郵政事業電気通信事業労働者災害補償保險の十一特別会計であります。その使用した総額は、三十二億七千百八十余万円であります。そのうち主な事項は、外国為替資金特別会計において清算勘定記帳手数料支拂に必要な経費厚生保險業務取扱に必要な経費食糧集荷委託費に必要な経費国有林野風水害復旧に必要な経費電信電話事業設備に必要な経費電信電話施設災害応急復旧に必要な経費等であります。  次に昭和二十六年度特別会計予算総則七條規定に基き予備費使用の例六準じて予算を超過して支出いたしましたものとしては、国営競馬特別会計におきまして国営競馬支拂金に必要な経費七億六千百二十余万円を支出いたしました。  以上昭和二十五年度一般会計予備費使用の件ほか五件につきまして事後承諾を求めるの件の御説明を申上げました次第でございます。どうぞ御審議の上御承認を下さいますようお願い申上げます。
  9. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) この際予備費使用調書に関して、委員長から政府ちよつと要求しておきたいと思います。内閣から提出される予備費使用調書使用額の大小、軽重、性質の如何にかかわらず、各省等所管別に列記されているものであるが、決算委員会審査の資料としては不便でありますので、別に左に申上げるように分類した一覧表を添付して頂きたい。一、新たなる款項を設ける必要のあるもの、二、官吏定員の増加を伴うもの、三、行政機構設置改廃を伴うもの、四、法律政令改廃を伴うもの、右の四類の事項を更に国会開会中と閉会中に分類すること。なお、右の添付書類は将来必ず恒例として、委員会の要求を待たずに提出せられたい、これだけを要望しておきます。本件に関する本日の審査はこの程度にとどめまして、次は後日に廻したいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 異議ないと認めます。   —————————————
  11. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) それでは電通省所管議題につきまして会計検査院から一つ説明を願います。
  12. 山名酒喜男

    説明員山名酒喜男君) 電通省所管の項目の検査報告掲載事項につきましては、只今森專門員から大観しての概要の点について、殊に検査院批難、批判をいたします要点がどこにあるかということについての御説明要領よくなされておりまして、私のほうといたしましては個別な事項についての個々の御質問がございましたらば、その際説明申上げることにいたしまして、大要についての批難、及びものの考え方につきましては、專門員お話通りでございますので、附加える事項只今のところございません。
  13. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 次に電気通信省経理局長肥爪龜三君から一つ説明願います。
  14. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 只今森專門員及び山名検査院次長からのお話がございまして、誠に多数の遺憾な事項を発生いたしましたことにつきまして申訳なく思つておるのでありますが、箱番のごとき三ケ年に亘りましてそういうふうな事態を生じましたことにつきましては、この点非常に遺憾に思つております。衆議院決算委員会におきましても非常な御非難があつたのでありまして、将来こういうふうな問題を再び繰返さないようにということにつきましては、十分注意をいたしまして、なお私ども内部における者といたしましても、徹底的に調査をいたしまして、将来はそういうことのないようにということを十分注意をいたしたのであります。  なお、森專門員から北海道工事につきましてはむしろ本省側責任があるのじやないかというお話でございまして、この点私どももむしろ本省相当重点があるのじやなかろうかと考えておりまして、本省のほうに十分な注意をいたしまして、将来このようなことを再現しないようにいたしたいと思うのでございます。ただ問題は現在の官庁会計事業を途行いたしまする関係から、もう少しずつきりとした思い切つた事業経営がしがたい点もございまして、私ども当事者がこの與えられた会計をうまく動かすように努力しなきやなりませんのではありまするが、なお隔靴掻痒の感がございます。従いましてそういう問題につきましては、世間に伝えられまする電気通信事業公共企業体化という問題のときに、そういう問題を十分解決できるようにいたしたい、かように考えておる次第であります。  なお、処分の問題につきまして、森專門員からお話がございました。私どもは先般も検査院に招ばれまして、検査院長以下とお話をした機会にも、とにかくたくさんの人間で非常に多くの仕事をやつておりまするので、この拔検査によりましてわかりました場合には、これに対しまして信賞必罰を正確迅速にやるというとによりまして、経営合理化を図りたいと、かように考えておるのでありまして、森專門員のお述べになりました処分を成るべく重くするという御方針につきましては、異議ない次第でございまして、この御報告の趣旨を体しまして、将来の事業の改善に資したいと考える次第でございます。
  15. 森八三一

    ○森八三一君 この五百五十六号の事件について、調査不十分で、こういう結果になつたというように報告されておりまするが、或る程度事業を遂行して、二十四年二月に予算不足のために解約した当時には、事前における抽象的な調査ではなくて、すでに相当事業が具体的に更質的に進行せられたわけでありますので、その成果というものについては十分わかつてつたはずだと思いますが、更にそれを四月になつて契約し、而も更に工事分量事業分量を増大して契約されたということは、一体どういうことなんだか、その辺のいきさつを十分御説明願いたい。
  16. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 誠に、この事件は御指摘のように事前調査が不十分であつたのでありますが、その再契約の分につきましては、実は他のものに比べまして保管状態が比較的によろしうございまして、従いまして、良い新線が得られるものと思いましたので追加したのであります。それがやはり検査報告通り期待したほどのいいものじやございませんでしたので、かようなことになつたのでありまして、どうも遺憾に存じておりますが、保管状態が他のものに比べていい状態であつたということに問題があつたのであります。
  17. 森八三一

    ○森八三一君 私のお伺いしておるのは、一部それで了解しましたというのは追加した部分については保管状態がいいと思われたから追加をした、その点は一応了解しましたが、解約したものについてはすでにそれまでの事業実施によつて実績は明確に出ておると思われるのでありまするが、それを解約したままにせずして、更に継続契約したその当時の実績はわからなかつたからやつたということなのか、その辺はどうなのですか。
  18. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 実は大体でき上つておりましたのが、予算がございませんでどうしても予算の差繰りがつかぬという関係解約をしなければならなかつたのであります。その点誠に遺憾でございまするがそういう事情でございます。
  19. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 今の事案でありますが、事前調査が不十分であるというのは、どういう調査が不十分であつたためにこういうことになつたのですか。
  20. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 大体解体をいたしまして新線を取るというときには、事前にその平均的な部分を取りまして綿密な検査をいたしまして、そうしてどの程度新線を得られるかということをまあ十分試験しなかつたのでありますが、その言う十分な科学的な試験をしていなかつたということのために申訳けなかつたこういう次第であります。
  21. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 次の五百五十七号ですが、これが二十二年、三十三年両年度決算検査報告でも批難事項として挙げられたのに、なお又二十四年度もこうしたことをしなければならなかつた理由はどういうところにあつたのですか、伺いたいと思います。
  22. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) この箱番の問題は、実はすでに既設のものがあるのでありまして、既設のものを利用するという方針で、関係方面にいろいろ照会をいたしまして、倉庫は一応全部確保したのでありまするが、事務所につきましては、東京と横浜と、水戸の三局につきましては既設のものが、利用できるものが実は得られなかつたのであります。で又新らしく設けるとか、或いは買收するとか、借入れるというようなことも、電気通信省は発足間もないところでありましたので、誠に間に合いかねるというような状態であつたのであります。そういうような状態でありましたものですから、とにかく事業の遂行が第一義であるというような工合に考えまして、過去二年間お叱りをこうむりながらも、なお当時といたしましては止むを得ない措置といたしましてかようなことをやつたのであります。
  23. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 毎年同じような批難事項として上げられて、指摘されながら余儀なければ又やるということでは、幾らこういう制度があつても何にもならない。それをただ無視される。そうしてそれを無視して、こういう不当な措置をした人が單に注意を受けただけで事が済むということじや、幾らこれがこういう制度審査しても何にも実益が上らないと思うのですが、将来に対してどういうふうなお考えを持つでいるか伺いたい。
  24. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) この点につきましては、仕事のやり方という問題と、それから制度の問題、それからまあここに注意する方法として処分を重くやるという問題があります。そこで先ず処分の問題につきましては、検査院のほうの御意見もあり、従来に比べまして処分を重くしたのであります。なお又内部の自粛の問題といたしましては、全国的に箱番がどういう状態にあるかということを先般徹底的に調査をいたしまして、例えば衆議院決算委員会決算審議の模様の議事録を一般に周知いたさせますと共に、御指摘によりまして処分をいたすことにしているのであります。それから又、今までこの予算を持つておりまするところで、直ちに自分の考えでできるように、箱番購入ができるようになつておりましたのを改めまして、経理系統機関のほうへ箱番購入につきまして承認を求めるということにいたしまして、チエツクする機関一つ殖やしたのであります。それから又更にもう一つ制度の問題といたしましては、私どもは役所の会計になつておりまして、建設勘定損益勘定が非常にぎつちりと支出規制的な予算制度になつておりまするので、公共企業体におきましては、この予算制度にもつと弾力性を與えまして、そして建設のほうにももう少し幅を持たしたことによりまして、そういう固定資産を作らなきやならんときにはその固定資産が作れるような経費を確保できるようにしたい。かように考えておるものであります。大体そういうふうなことをやりまして、将来におきましてはこういう批難を繰返さなくて済むという確信をいたしておる次第でございます。
  25. 森八三一

    ○森八三一君 今五百五十何十号について長谷山君の御質問でございますが、二十二年、二十三年度に亘つて注意を受けた、今局長お話は将来に向つてそういう非違の行為がないように十分処置を講じたというのでありますが、二十二、二十三年両年度注意を受けたのに、二十四年度も同じことを繰返された。而も我々常識で解釈いたしますれば、当然この経理には会計責任者もあつておやりになつておるわけであり、物品の種目から建物を新築するような経費支出は、これはどうしても常識的にはわからんことでありますが、そういうことをあえてやると、而も何遍注意を受けても何遍でもやる。そこに何か切実な必要があると思いますが、もう少しその実情をお話なつたらどうですか、どうしてもこうせざるを得なかつたという実情をです。
  26. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 誠に仰せの通りでございまして、飽くまで会計法規の建前から見まして違法であります。ただその二十二、二十三、二十四年というときは、まあ敗戦後の混乱からまだ十分に立上りかねておつたというような事情もあります上に、官庁会計で一般会計的な建前で予算ができておりまして、これがなかなか思うように流用というものができません。損益の金を建設へ流用して、建設勘定仕事をやるということも到底できないような状態であります。その積算がなかなか企業的にできていないという関係で、どうしてもこの建設方面の経費不足するということであつたのでありますので、そういうふうな関係で、ただ事柄自体は、むしろ損的に使われる金が、この固定資産の増、資本の増になるような使い方でありまするから、実質的にはそんなに惡いんではないんじやないかというような考えが従業員の間にあつたやに察するのであります。誠にそういうふうな考え方であつたと思われるのでありますが、それにいたしましても、それであればその実態に副うような予算を組むということが必要でありまするし、飽くまで遵法精神を維持しませんければ、どつかで又抜け穴が出て来るわけであります。そういうようなことで、私どもといたしましては、こういうことを、三回も繰返しましたことにつきましては、全く弁解の余地はないのでありまするが、ないのであると言いながら併しながらという言葉を用いますことは、又不遜かとも半えるのでありますが、一応そういうふうな当時の事情等から考えまして起きたのであります。併し衆議院決算委員会でも、そういうふうなことはお前たち経営者の下に対する滲透力が薄いからじやないかというようにまでお叱りを受けたのであります。そうおつしやられれば誠にいたし方のないことでありますが、どうかそういう事情であつたことを一面におきまして御了察頂きまして、将来は絶対そういうことのないようにいたしたいとかように考えるのであります。
  27. 森八三一

    ○森八三一君 その予算の費目の流用が非常に窮屈だということはむしろ私は非常に結構なんで、そういうことがルーズでできるごとたつたら、そうやかましく予算審議する必要もないとにもなるので、或る程度の嚴格な制限の設けられておることは、これはまあ当然と思うのであります。ただこの場合批難をする意味じやなしに、箱番ということで予算が成立しておるものを、建物のほうに実質的には使つたことが電通事業運行の上にむしろそのほうが、その当時の情勢としては適当であつたのだというような積極的な理由でもあるのかどうか。
  28. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 仕事のやり方の根本に入るわけでございますが、我々事業をやります場合に、勿論事業の実態を見通しまして予算を組まにやあならんのであります。で、その予算が基準となりまして、それに順応して行くというのが勿論建前ではございまするが、何といたしましても、現在の予算制度支出規制的な、一般会計的な予算になつておりまして、この電気通信事業のようなこういう永続的な企業を経営するのには、今の予算制度は実はふさわしくないのであります。で、本当は私ども事業経営につきましては、予算制度をやめまして事業計画を作りまして、その事業計画によりまして事業経営をして、そうして経営成績の批判というものは、真実性を持つた財務諸表或いはその他の経営分析等によりまして十分批判をして頂くということのほうが本当は我々の事業には適当な処理と思うのであります。一応予定をいたしましても、日本のような非常に災害の多い国、又事業経営自体に相当フレキシブルな点がなければならんというこういうような点等から見まして、なかなか事業経営がうまく行きかねる点もあるのであります。その上に二十四年度逓信省郵政省電気通信省の二つに分れまして、いろいろ新らしい機構に未熟であつたというような点などもあるのでありまするが、その上に又電気通信省が二十四年度にできたわけでありますが、いろいろその筋の勧告等もございまして、配給機構をきめるということが大きな問題になつて来たのであります。昔の逓信省時分におきましては、配給につきましては割合に無関心でございまして、本省に倉庫がある、それから逓信局に倉庫がある。で物を買いますれば本省の倉庫に入れる。それから地方の倉庫へ送る。そうしてそれから現場の必要なところへ送る、こういうようなことになつてつたのでありますが、これは物が方々を転々として巡礼して歩く。それでは非常に不経済であるというようなことなどがありまして、物品は現場へ直送するというような制度に切替えたのであります。従いましてメーカーから現場の配給局の倉庫へ直接送つて、そごからすぐ使うようにするとこういうようになつて来たのてあります。そういうことからいわゆる倉庫が分散するというようなことにもなつたのであります。でその倉庫の所在地の配給局におきましてはその物品の配給のためにいろいろ事務をとるというようなことなどがありまして、当時の予算で組んでおりましたときは違つた形の仕事のやり方をやらなければならないというようなことなどがあつたのであります。そうしますと、それは予算を修正すればいいじやないかということになるのでありますが、この予算の修正もなかなか困難な状態であつたのでありまして、そういうようなことから誠に形式上説明の、弁解の余地もないことでありますが、実質的には止むを得なかつた、こういうことであつたのであります。その点を御了承願えれば大変仕合せに思うのであります。
  29. 森八三一

    ○森八三一君 そうしますとこの造られた四十二坪と二十一坪というものは倉庫を造つたということなんですか。何を造つたのですか。箱番四個の代金として百三万七千百四十七円を支出した。物品経理をしたが、実質的には建物として四十二坪と二十一坪の建物であつた。これは建物を造ることのほうが電通事業をその当時の情勢において運行して行くにはふさわしいというような現場の意見で、経理的には非常にまずいけれども、そのほうが事業の運行上適切だ、そうしなければ困るということでせつぱ詰つておやりになつたという御説明であつたように承わつたのでありますが、この四十二坪と二十一坪の建物は何を造つたのか。正規の通り購入するよりそのほうがむしろ電通事業のためにふさわしかつたのだという御説明が願えれば納得が行くのですが……。
  30. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) その当時におきましては先ほど申上げましたような事情で、どうしても建設的の経費が足りませんので、事務室を造りませんとなかなか借入れの事務所というものも手に入りません。又既設のものを転用するということもできませんので、どうしても事務所が立ちませんことには、仕事ができないというような状態でありましたのでいたしたのであります。
  31. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 次の工事の面ですが、これは寒地におけるいろいろな惡條件で工事を施行しなければならなかつたので、その施行期が当を得なかつたということの批難事項ですが、どういうわけでもつと早く予算措置をしてやれないか、その実情を承わりたいと思います。
  32. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) この工事につきましては、予算経理がしつかり参りまして早くそれだけの経費の捻出ができるということがわかりますれば、勿論早くやつたのでありますが、北海道につきましては当初の予算経理状態におきましてはそれだけの経費の捻出が困難であつたのであります。そこで大分過ぎましてから経費の捻出ができるようになりましたのと、現場からのいろいろ要望もございまして、非常に古い線なものですからこれを取り替えまして工事をやりましたほうが公衆に対するサービスの上から見ましてもいいと、こういうような工合に考えまして……。それを繰越してやる、そうして繰越したあと暖くなつてからやるという手もないことはないのでありますが、併し一応年度経費もございますし、非常に不良な線でサービスが惡いという関係で、多少の経費の嵩みはございましても、とにかく予算のめどがついたので早く工事をやつたほうが、一般の上から見てよかろう、こういうことになりましてこういう時期になつたのであります。結局ずいぶん多くの金を経理いたしておりまする関係からいたしまして、どこかの工事で変更がある、或いは節約があるというようなことになりますと、それを集めますと金が出て来る。この出て来た金を結局やはり今多少の不経済があつても使うのがいいか、或いはそれを繰越して使うのがいいかという価値判断になるわけでありますが、予算経理の見落しがあつたかどうかという問題もその当時考えられるわけでありますが、何といたしましてもとにかく非常にサービスが惡いのは早く直したほうがいい、こういうような考えでこういう時期になつたのであります。
  33. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 これは北海道、東北はいつも冬期間は工事が非常に不便ですが、そういう工事に対する特殊な考え方はないのですか。もつと時期をよくやるという方針を確立しておけば、こういうことがなしに済むのじやないかと思うのです。
  34. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 物品が遅れるというようなことにつきましては、誠に私どものほうのやり方がまずいのであります。ただその当時、二十四年度は機構の切替えの直後でございまして、各方面の連絡というものにつきまして関係者が不馴れであつたということは否めない事実でございます。ライン・オルガニゼーシヨンという建前で電通省が二十四年の六月に発足したのでありますが、何分にも非常に新らしい機構でありまして、そのラインで責任をしつかり持つというのでありますが、そのライン間のコオヂネーシヨンということ、連絡ということ、そういうことにつきまして未熟な点がございまして、そういうふうなことから工事が遅れるというようなこともあつたのであります。だんだんこの機構に馴れるに従いまして、そういうことも少くなつてつたのでありますが、一応当時そういう事情にありましたことを申上げさせて頂きたいと思うのであります。
  35. 西山龜七

    西山龜七君 北海道電気通信省関係につきましては、昨年私と棚橋君と溝口君三省が実地の調査に参りましたが、現地へ参つて見ますと、どうも内地と違いまして、気候の点、いろいろの関係上内地の通り予算の割当、内地の通りでやりますと、北海道はいろいろの支障があるように我々は承知をしたのであります。現地の担当者について聞いてみますと、それぞれの理由がありましたが、我々の調査の結果におきましては、どうしても北海道の特殊な地域を勘案いたしまして、適切に予算すべてのことを考えないと始終こういうような手違いが起るような感が深かつたのであります。私はこの際に電気通信省のほうへお尋ね申しておくのは、この批難事項の起りました以後においてどういうような方針になつておるか、将来こういうようなことのない適切な対策ができておるか、そうい点につきまして、その後における省の取扱い方その他についてお尋ねしたいと思います。
  36. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 従来機構の切替直後であつたということなどで、マネージメントがうまく行かなかつた点、誠に遺憾に存じておりますが、将来におきましては、このマネージメトントをしつかりやるという方法といたしまして、この事業全体を、公貌をちやんとつかむことができるようにするということが何としても大事であるのであります。又この席上で申上げるのも恥しいような次第でありますが、従来誠に未熟でございまして、個々の事業計画は見まするが、この何百億の金の使い方を全般的に大きく把握するという点が欠けておつたように私は考えるのであります。従いまして、私といたしましては、この建設工事など全体を早目に計画をいたしまして、そうしてその計画を早く流すと同時に、その計画全体がどのように動いておるかということを図表に示しまして、できることなら電気通信事業計画室というようなものでも作りまして、そこへ行きましても全貌がずらつと見られるというようなことにしたいと考えておるのでありますが、幸い来年度のことにつきましては、来年度予算では電信電話工事費は二百七十七億でございますが、その二百七十七億のうち二百億余りの計画は、すでに工事計画はできておるのであります。これを早く流しまして工事に着手したいと、かように考えております。あとの七十億足らずにつきましても、早急に工事計画を立てまして流すということにいたしたいと思うのであります。とにかく従来は工事計画は非常に遅れたのであります。まあ予算の成立も、或る年には暫定予算で行く、本予算は当該年度に入つてからできるというような関係もあります。又その筋からいろいろ御注文が途中で出て参りまして、計画を変更しなければならんというようなことがある。そういうふうなことなどもございまして、なかなか計画が早くできなかつた。計画が早くできませんと、年度途中でいろいろ計画が変つて参りますと、そこでいや北海道が寒いといつても、もうとめようにもとめようがないというようなことになるのであります。そこで私どもはとにかくまあ予算を早く国会で成立するということは、これは国会の期間の関係で困難でございましようが、前年度の七月頃までに大体我々予算の草案を作りまして、大蔵省へ持ち込み、そうして大蔵省との間に話がきまりますのは、大体十月前後でございます。大蔵省との間で大体話合いがまとまりますれば、国会審議御確定を待つ前に、一応それが通るという前提の下に、早目に計画をするということが絶対必要なことであります。これをやりませんければ、今までのドジを相変らず繰返すことになるのでありまして、私どもは早く計画するということ、これが、こういうふうな事態をなくする最大且つ唯一の方法じやないかとさえ私ども考えておるのであります。今まで誠に申訳ございませんでしたが、二十七年度につきましては、そのような工合に早目に進んでおりますので、将来におきましては、こういうふうな御批難を受けなくて済むようにできると確信いたしておる次第であります。
  37. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 只今説明を伺いまして、早く計画を立てることが第一の問題であるということはよくわかりますし、是非そうして頂かなければならないと思うのですが、これは北海道とか東北とかの積雪寒冷地帯に対しては、特にいつ頃までやらなければいけないかということを十分調査して、優先的と申しては誤弊があるかも知れませんが、時期的な問題は十分考慮されなければ、これはあえて電通省だけではない問題ですが、我々も東北におるのですが、よくこうしたことで工事の施行時期ということが当を得ないために、いろいろ工事の支障を来たし、又それがために要らざる費用を使うということがあるので、それらについては十分考慮を拂つて頂きたいと思いますが、そういう点につきましても、省内でそうした方針ができておるかどうかを伺いたい。
  38. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 先ほど申しましたように、早く全体の計画ができますれば、それで全国的に按配をいたしまして、仰せのように北海道につきましては、遅くとも十一月までには完成する工事というようなことで時期的にめどをつけておりまして、そのめどに従いまして工事の割当てをする、従いましてそういう北海道とか東北或いは新潟、そういうようなところにつきましての計画につきましては、早く計画を急ぎまして命令が流れるようにすると、こういう工合にいたしたいと考えておるのでございます。
  39. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 次に物件に関する問題ですが、先ほど森專門員からもこの調査の経過について御説明がありまして、これが御用商人が従来からの惡因縁で巣食つているのじやないかという疑点があるということでありまするが、それ等の実情について御説明願い、又将来如何んしてこういう不当なことの起らんようにするかという方針について承わりたいと思います。
  40. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 札幌逓信病院の問題かと考えますが、これにつきましてはこの現場におきましてこういう物品の購入につきまして十分な経験を持ちませんで、又値段等につきましても十分な知識がないというような関係で三友物産というものと契約をしたのであります。それがあとでわかりまして、これは大分高かつたというので、あとからここから別に品物を入れさしておりますが、何といたしましてもこれは契約についての未熟というところに原因すると思うのであります。私どもは将来の方法といたしましては、こういう惡質な業者につきましては相当処分をするということが必要と考えております。従いましてこの三友物産に対しましては一カ年間出入りをしていないという状態になつておるのであります。又契約方法一般といたしましては、できるだけ競争を建前にする、それからいろいろ仲介人から買わないで直接生産者から成るべく買うようにする、そういうようなこと、或いは随意契約におきましても見積合せというものを嚴格にするというような点などを一般に周知いたさせまして、かようなことのないようにするということを考えております。何といたしましても差向き効果のある方法といたしましては不良な業者は役所からオミツトされる、出入りを禁止するということが必要かと考えておりまして、そのように処分いたしておるのであります。
  41. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 今の点につきましては、十分将来とも改善の実を挙げるようにして頂きたいと思います。  次に批難事項の五百七十一から五百七十五号までの財務諸表に関する点でありますが、これが需品費支出は例月二億乃至八億であつたのが、三月だけは三十八億になつたという点ですが、その点どういうわけでそういうふうになつておるのか、それらの実情について御説明願いたい。
  42. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) その点は官庁会計の弊を最も端的に現わしておるところでございまして、誠に申訳ないのでありますが、実は私どものほうの事業経営が永続する事業であるにかかわりませず、予算制度というもので行われておる。で予算制度でありまするために、例えば巾を四百億といたしますれば、四百億までは金が使えるということの半面に、官庁的なものの考え方から、四百億を使わなければ損だ。損というのが個人的な意味じやないですけれども予算を使うという建前から、使わなければ損だという考え方を一般の従業員が持ちがちでございます。で私どもはこれを声を大にして言つておるのでありますが、なかなかこれが是正できない。若しこれが予算制度でございませんで、民間事業のごとく事業計画なら収入の中はきまつておるわけですから、收入の中で支出が自由にできるということでありますれば強いて使つてしまおうという考えが出ないのでありますが、とにかく三月に金を余しますと、それだけもう維持運営の経費として金が使えなくなる。そこでものを決算して使つてしまつておけば、次の年度にはそれだけ事業経営が楽になりますから、従つて次の年度予算がどのようになるかわかりませんので、とにかく次の年度に使えるようにしておけば、次の年度の万一に備えるというふうな考え方からこういうふうに三月に金を余計使うということになるのであります。これにつきましては、私ども事業におきましては本年度つまり昨年の十一月から原価計算を行うことにいたしまして、原価計算を施行する建前から行きますと、こういうふうに年度末にどかつと使つたようなことになりますれば、原価計算の意味をなしません。従いまして仮拂いという制度を以ちまして、現場に近い所へ貯蔵品から出して仮拂いということで置いておきます。そうして現場で鉛筆一本使う、紙を十枚使うというときに、そのときどきに拂い出す、予算を落して使うということにいたしたのでありまするから、本年度末は、つまり今月はそういうふうな著しい金の使い方というものはできないはずになつております。なお又そういう金の使い方の是正をいたしまするために、本年度是非とも使いたいが、どうしてもいろいろな関係でむしろ使うには無理があると思われるような経費につきましては、来年度予算を差し繰りましてその経費に充てるから、無理な使用はしないようにということを現場へも申し渡すことにいたしております。そういうふうなことから、三月に無理な金の使い方をするということもなくなることと考えております。  なお、又もう一つ根本的な対策といたしましては、公共企業体の財務会計につきましては、私は維持運営の経費につきましては、予算にしない、事業計画にする。で收入の幅は、料金によりまして国会で料金法によつておきめ願つておる。又維持運営の経費で若し不足をすれば、一時借入れは国会の御承認の下に借入れる、そういうようなことで、収入は、つまり支出し得る源としての収入は、すべて国会でおきめになつておるのでありまするから、その国会でおきめになつた限度においてしか支出はできないわけなのであります。従いましてそういうものに更にもう一遍予算制度を設けることは、こういうふうな年度経理ということを誘発しやすいことになりますので、この事業計画といたしまして、予算制度にしないということで目下大蔵省と折衝しておる。こういう次第であります。国鉄は公共企業体になりましたが、やはり予算制度というために相当年度末に経費が出ておるようであります。民間事業であります日発におきましても、三月という年度末には大分金が余計出るのが現象のようであります。そういうようなことでどうも人間の通有性のよりでありまするが、これはよくないことであります。財務諸表の信憑性を害しますので、私どもはそういうような制度の改正の面、或いは我々の仕事のやり方の面、もう一つは従業員のモラルを改善するというようなこと等によりまして、こういうよりなことのないようにいたしたいと念願しておる次第であります。
  43. 西山龜七

    西山龜七君 終戰以来決算批難事項を見てみますと、各省に予算がきまりますと、予算以外のものに流用しておることは各省共通のことであつて、どうもそうしなければ損であるというような気持で、もう少しも批難されることはないというような考えでずつと来ておることは予算審議の場合に国民が非常に関心を持つております。それを反対に決算方面につきまして非常に遺憾の点が多いことは、誠に憂うべきことであると思います。電通省のすべてを見ましても、やはりそれが現われて来ておると思いますが、その後におきまして各省共に十分にそれを是正するように注意をされておると思いますが、国の財政がこういうような困難なときでありますから、この予算を国の施策に有効に十分に使うようにして、国民に不安のないように特別に御注意を願いたいと思います。会計検査院におきましては、この点に対して非常な努力をせられておられることは、私ども非常に敬意を表しますが、この批難事項に挙げられますものは、その何分の一しか出ておらない。どうかこういうようなことは十分に今後御注意をせられまして、こういうような批難のないように、すべてに十二分の御注意をせられんことをお願いしたいと思います。電通省の問題につきましては、この程度で問題を切上げたらどうか、かように思う次第であります。
  44. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 会計検査院報告によりますれば、電通省並びに管轄各局における貯蔵品は二十四年の六月の機構改革に当りまして、もとの逓信省から引継費が五十三億円ある。その後各月の資材の受入高は拂出高を上廻つて年度末に六十三億円の在庫高となつた。而も年度中の総拂出高は八十九億円である。そうすると、在庫高が非常に大きい。そこでこのうちには不用品とか不適品の持越がたくさんあるし、結局貯蔵品の回転率は惡化して、資金は固定化して貯蔵品の取扱費の増大を招いているということでありまするが、これは誠に遺憾なことと思うのでありましてこの間の事情を明らかにして、今後の対策についてその方針を承わりたいと思います。
  45. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 貯蔵品が殖えましたことにつきましては、誠に残念なことであります。ただ貯蔵品が勿論零でも困るわけでありまして、大体年間所要額を平均いたしまして三カ月分くらいは常に持つておる。そうしていつでも拂い出せる状態にして置くということがその筋でも理想的だというのでありますが、それにいたしましても私ども考えでは、貯蔵品がだんだん殖えてこういう額になるということは誠に遺憾に思つております。ただこの貯蔵品の中にも、実は終戦以来、或いは戰時中とにかく少々惡くても物でさえあればいい、物をできるだけ確保して置かなければ事業経営ができないということで、無理に買付けたものもあるのであります。そういうものがだんだんと時世がよくなりまして使うつもりでおりましたが、よりよい物ができましてそれでやつたほうがそのときでは経済だというようなことで、それがデツド・ストツクになつてしまつておるというようなものもあるのであります。私どもはこういうものを再検討いたしましてどうしても使えないものは売捌くというような工合にいたしまして、貯蔵品の内容を政善いたしまして、デツド・ストツク、或いはオーバー・ストツクのないようにいたしこの減額を図りたい、かように考えております。又、本年度の問題といたしましては、私ども経理の面から見てみますと、工事が非常に遅れた、ところが物の買い方が割に進んでおるというようなことがあつたのでありましてこれでは困るというので、昨年末に物の買い方を再検討いたしまして削減をしたのであります。すでに電気通信省に殆んど八、九〇%その製造を依存しておりまする業者におきましては大分困つておりまして、いろいろ話もあつたのでありまするが、電気通信省経営が第一でありますので、私どもは大分工事状況を見ておりましてその進行度合に合わして物を買うように注意いたすようになつたのであります。そういうような工合にいたしまして私どもは戰争或いは終戦以来の誠にまずい貯蔵品の整理をいたしますと共に、貯蔵品のあり工合というものをもう少し科学的に検討を加えまして、工事の進行と合うようにするということに極力努力しておるのであります。殊に私ども見ますると、工事が進捗しない原因には、貯蔵品がたくさんある割合に所によつては物がない、だから工事が進まないというのが大分見受けられるのであります。これは誠に面白い現象でありまするが、その原因は先ほども指摘がありましたように、ライン・オルガニゼーシヨンのコージネーシヨンがうまく行つていない連絡が不十分だということによつて必要なものとの関係が十分でない関係がありますので、そういう点も最近は特に部内相戒めまして、そういうことのないようにということをいたしておるのであります。そういう関係で、将来におきましてはこういうことがなくなるという確信を持つておるのであります。
  46. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 今の御説明事情もよくわかりましたし、今後十分そういうところにも御注意を願いたいと思うのであります。  最後に先ほども西山委員からの御指摘になりましたし、又その他からもお話がありましたこの経理について不当処理をなした官吏の行政処分の点でありまするが、これも現在のように各官庁に汚職事件が頻発しておるような際でもありまするので、国民の納得の行くような信賞必罰の線を堅持せられましてそうして国の会計が正確に行われるようにいたし、以て官紀の粛正を図られんことを要望いたしまして私の電通省に対する質問をこれで終ります。
  47. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 委員長からも簡單ちよつと申上げて置きたいんですが、さつきから各委員から綱紀粛正といいますか、官紀粛正といいますか、こういうことについていろいろと要望があつたようであります。私といたしましても信賞必罰とか、或いは一罰百戒という言葉がありますが、この言葉の意味が一向実現されておらない。その結果どうもこれは独り電通省だけでありませんが、各官庁を通じて最近頻頻と汚職事件が起つておる、或いは会計法違反を平気でやつておる。これでは到底官庁の威信は保ち得ないと思うのであります。延いては国民の納税思想にも非常に惡影響を及ぼすということを非常に憂慮いたしております。どうぞ今日政府委員からいろいろ御答弁がありましたが、これを後日必ず実行する、行政処分のごときは余り軽きに過ぎると思います。こういうことは、やがて電通省に最近起つておる汚職事件、こういうことの一つの原因になつておるんじやないか、我々と言つてはおかしいんですが、私は昔小役人をしたことがありますが、会計検査院というものは非常に私は恐しいと思つてつたのでありますが、今日の各官庁の公務員というものは、会計検査院というものを何とも思つておらんというような私は思想があると思います。これは私は驚くべきことである。どうか電通省におかれましても上下一致してこの惡弊を一掃するということに御奮闘願いたいということを一言申上げて置きます。  別に御質疑もないようですから、本日の議題にあります電気通信省に関する会計検査院批難事項、これは審査を終了したものと認めてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 御異議がないと認めます。  それではこの議題は本日を以て終了いたしました。散会いたします。    午後零時三十八分散会