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1952-02-22 第13回国会 参議院 決算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十二日(金曜日)    午後一時四十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩男 仁藏君    理事            高橋進太郎君            飯島連次郎君            小酒井義男君            棚橋 小虎君    委員            郡  祐一君            瀧井治三郎君            團  伊能君            西山 龜七君            伊藤 保平君            高木 正夫君            溝口 三郎君            森 八三一君            小林 孝平君            森崎  隆君            カニエ邦彦君            菊田 七平君            紅露 みつ君   政府委員    電気通信省電気    通信監     山下知二郎君    電気通信省施設    局長      中尾 徹夫君    電気通信省経理    局長      肥爪 龜三君   事務局側    常任委員会専門    員       森 荘三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    電気通信省事務    次官      靱   勉君    会計検査院事務    次長      山名酒喜男君   —————————————   本日の会議に付した事件理事補欠選任の件 ○小委員選任の件 ○昭和二十四年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出)(第十二回国会継  続) ○昭和二十四年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出)(第十二回国会継  続) ○昭和二十四年度政府関係機関収入支  出決算内閣提出)(第十二回国会  継続)   —————————————
  2. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 只今より会議を開きます。  先ず理事補欠互選を行います。理事仁田竹一君が委員を辞任されましたので、理事が一名欠員になつております。この互選方法は如何いたしたらよいでございましようか。
  3. 小酒井義男

    小酒井義男君 理事互選成規手続を省略しまして、委員長において指名されんことの動議提出いたします。
  4. 團伊能

    團伊能君 只今小酒井君の動議に賛成いたします。
  5. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 只今小酒井君から互選方法は、成規手続を省略して委員長において指名されたいということの動議が提起されました。小酒井提出動議通り決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 御異議ないものと認めます。  よつて委員長理事溝淵春次君を指名いたします。   —————————————
  7. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 次にかねて委員長に一任されておりました小委員会に関する件でございますが、去る十四日決定いたしまして公報を以てお知らせいたしましたが、念のため一応御報告しておきたいと思います。即ち名称は決算審査に関する小委員会、小委員氏名高橋進太郎君、長谷山行毅君、溝淵春次君、飯島連次郎君、伊藤保平君、常岡一郎君、小酒井義男君、小林孝平君、棚橋小虎君、カニエ邦彦君、菊田七平君、森八三一君でありまして、仁田竹一君が委員を辞任されましたので一名欠員となつております。その補欠には山田佐一君をお願いいたします。なお改進党は人数は三名でありますが、一名も小委員の割当がございませんので、この際小委員の数を二名増加して十五名とし、石川清一君及び自由党から一名を小委員に選定することにいたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 御異議がないと認めます。なお小委員会におきましては速かに小委員長互選を行われることをお願いいたします。   —————————————
  9. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 本日の議題はかねて公報で御通知申上げてありますが、昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算昭和二十四年度特別会計歳入歳出決算昭和二十四年度政府関係機関収入支出決算電気通信省所管の部)これを議題といたします。  なお政府側から出席されているかたの氏名を一応御参考までに申上げておきます。電気通信省事務次官靱勉君電気通信監山下知二郎君、施設局長中尾徹夫君、経理局長肥爪龜三君、それから会計検査院事務次長山名酒喜男君、これだけが出席されております。
  10. 小酒井義男

    小酒井義男君 これは本日の議題と直接の関係は少し薄いかと思いますが、これから問題になりますところの批難事項に関連を持つと思いますので、最近新聞紙上で言われておりますところの電通省汚職事件について、一応この際説明を聞いて見たいと思います。
  11. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 只今小酒井委員から最近新聞に出ております電通省関係汚職事件、これについて一応政府関係当局から説明をしてもらいたいということであります。
  12. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 どうですか。先ず今回の電気通信省の今議題になつておりまする件につきまして、会計検査院のほうではどのよう調査をしておるか、したかということ、それがどういう段階に至つておるかということについて、会計検査院から説明を聞いた後に、政府から聞くか、或いは又政府側から説明を聞いて、その結果会計検査院説明を補足して聞くかということになるのですが、この点については各委員の御意見もあろうかと思うのですが、議事の進行上、どちらがいいか、一応委員長のほうでおきめを願つて、そうして進行願つたらどうかと思います。
  13. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 小酒井氏から最初に発言がありましたように、一応政府当局が見えておりますから、一応電通省関係当局から御説明願つて、そうして更にカニエ氏の今の御意見よう会計検査院のほうでも御調査なされておると思いますので、会計検査院のほうから御説明を願うと、こういうふうにいたしたいと思います。それでは電気通信監山下知二郎君。
  14. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) お答えいたします。御指摘のございました電気通信省の最近におきまする新聞紙上に現われました汚職事件につきまして申上げます。  甚だ遺憾なことでございます。私ども従業員日夜真摯業務に携つておりますにかかわりませず、一部同僚の中に紙上に現われたごとき事柄を惹起しましたことは、国会を通じまして国民全般に深くお詫び申上げるものでございます。  事件の内容について申上げます。先ず電気通信研究所におきます事件でございますが、これは研究所の前所長及び会計課長その他同課員一名が単独又は共謀で昭和二十四年十一月から二十六年七月頃までの間に一時流用を含めまして相当金額横領をした。又一部のものは収賄をしたという点でございまして、これらの関係者は昨年十月初めから十二月初めにかけまして東京地方検察庁の地方裁判所に起訴されております。この関係者に対しましては、当省といたしましてはそれぞれ休職処分に付しております。  次に本省建設部直営工事で施行いたしました点の不正行為について申上げます。この件は昨年夏にそういう非違の大部分を我々の手で発見いたしまして、懲戒処分、停職その他の関係者全体につきましてその他の処分を済ましておつたものでございます。当時検察庁のほうでもその問題について書類を一応見せてくれというお話もございましたのでございますが、その後におきましてこれが只今申上げました研究所事件発生に端を発しまして、検察当局のほうで調査の手が深く伸びて来ましたものでございます。  この件は、昭和二十五年度中におきます本省直轄工事のうち、下関—神戸秋田—二つ井間の建設工事につきまして、或いは切り投げ工事と申しまして、自分で直接に工事をします代りに或る特定のグループにその仕事を任せてやらせまして、そのうちから或る金額を捻出する、或いは空人夫を作り上げるとか、或いは空出張書類を作るとかいうことをいたしまして、相当金額現金化をいたしましたわけでございます。この点につきましては、一昨年来厳重にこの点は戒めておつたのでございますけれども、不幸にしまして、この戒めを守らない不心得のためにこういう始末をしでかしたのでございますが、又一面工事を早くやるとか、或いは外部との折衝関係で金を或る程度要るとか、そういつたよう工事をよく早くやろうといつたようなことにからみましてこんな間違いの線まではまり込んだきらいもあるわけでございます。こういう点につきましては、私ども今後におきまして大いに戒めると同時に、そういういい仕事を早くやろうというような意欲に対しましては、いろいろ隘路を開いて行かなければならんと、かように考えております。この件につきましては、目下検察庁で取調中でございますが、一部の者はすでに起訴されております。又一部の者は今調査中のものがございます。  次に大阪地方を受持つております近畿通信局建設部における不正事件について申上げます。これも又検察当局目下調査中でございますから、はつきりはいたさない点がございますが、その端緒は、二十六年の四月の初めに、大阪電報局地下倉庫に保管してありました工事のこの残品を不用意に或る業者に、実は整理する気持で以て渡しましてやつたわけであります。この点が甚だ不用意でございまして、横領疑いがあるという嫌疑をかけられていたというのでございますが、ただ遺憾なことにはこれに関連しまして僅かばかりでございますけれども、金銭の収賄をしているように見受けられるのでございます。ところがその後十一月十三日に関係業者の逮捕から建設部市内機械課長等が逮捕されて取調べられました。その結果二十四年十月頃から二十六年三月頃の間におきまして請負わせました関係業者から前後十五回に亘つて収賄した。又は当該物品を、業者修理の上新品として納入させたというような甚だ芳ばしからざる事件を惹起しているものでございます。又別に二十五年三月頃から十一月頃までの間におきまして、関係業者から又饗応収賄にあずかつているといつたような問題も出て参りまして、これらの資金は課員旅行費とか、或いは来客の接待費に使用したということは言つておるようでございますが、これらは皆起訴されておるのでございます。  なお、又これに関連しまして本省建設部にも波及いたしまして、本省建設部市内工事関係者が五名、又その後又五名現在連れて行かれている次第でございます。又同じ電気通信局資材部守口工場不正事件を惹起いたしまして、目下私どものほうの手で十分にこれは取調べつつあるわけでございます。  かように最近の新聞紙上をいまわしい記事経過しましたことは、非常に遺憾と思うわけです。今後私ども自粛自戒いたしまして、今後におきましては明朗に正確に事務を処理いたして参るということを、過誤のないように固い決心の下にやつて行く考えでおります。
  15. 山名酒喜男

    説明員山名酒喜男君) 御質問のありました収賄関係事件新聞に掲示されましたもの等は、大体本省施設局建設部工事中心といたしますものと、電気通信研究所中心といたしまするものと大筋に分けると二つに分かれます。それで二十四年度、前年及び本年における検査について申上げますと、先ず建設部の先ほどの主流をなします建設部工事について申上げますと、検査院といたしましては、二十四年度の検査を実施いたしておりました。ところが建設部で二十四年の八月及び九月に測定機器類修理を行なわれました。これは百万円足らずの小さなものでございましたが、その金の出し方に予算違反があり、そうして物品を買つたよう経理の仕方をされている事実が一つ見つかりました。それから第二番目に建設工事を見ますというと、東京都内市内電話施設線路工事を二十五年の一月から三月までに行なわれたものについての人夫賃や、連れ越し人夫の宿料の支払について、事実がないのに支払つたのではないだろうか、或いは二重に支払つたものがあるのではないだろうかという点についての疑いを持ち始めまして、この点についてはそれぞれ本省に連絡をいたし、又正式に注意書を発したものもございますが、とにかく経理が乱れているという疑いを二十四年度の検査をいたします際に、二十五年一月から三月までの工事について疑いを持つたわけであります。どうしてもこれは本格的に検査を進めて行つて、これは直さんといかんというので、二十五年度の書類について人夫使役状況なり、貨物自動車の傭い上げ状況なり、又資材購入状況なり、運用状況についていろいろ統計的に準備をいたしまして、二十六年の五月七日にその準備資料に基きまして秋田ニッ井間の線路工事、これはざつと二千万円の工事でございましたが、それと北海道帯広富良野間の二千万円の工事についての建設工事特別検査に出かけて参りましたところが、秋田ニッ井間の工事につきましては約四百九十万円の捻出といいますか、架空経理といいますか、経理が非常に事実に相違した経理をされておる金が見つかりまして、又帯広富良野間の工事につきましては約八十万円の事実に合致しない経理をされた事案がわかつたのであります。そしてそれは二十六年の五月七日頃の状況でございましたが、二十六年の同じ五月の末になりまして今の秋田ニッ井間、別に神戸市内下関市内の三つの工事について事実に合致しない架空経理をしておる事件があつたということを、ここにいらつしやいます経理局長からの報告を私のほうは受けたのでありまして、やはりこれは東北、北海道だけでなしに、本省のやられました工事については、相当架空経理があるなということで、電気通信省でお調べになりました事案についてもありますし、私のほうでそれより前見つけましたものもありまして、これはいかんというので今度は本省でやられました工事は、二十五年度におきましては十九億八千九百万円という工事でございまして、個所は九十九個所現場がございましたか、そのうちの二十七個所は徹底的に洗つてようというので、電通検査課の総力を挙げて九十九個所のうちの二十七件の工事について洗つて見ましたところが、そのうち六件は何ら不当なものがございませんでしたが、二十一件については只今お話ちよつとありましたような、実際直営工事を施行したよう書類になつて私のほうにはそういう証拠書類が出て参つておりますが、事実は賃金、旅費修繕費等つけがけして捻出した現金で、切投工事代、内外の折衝費なり、現場職員移動費なり、諸手当に充当したり、建設本部人夫賃として本省に提供された金があつたということで、只今主流をなします工事は九十九件、総額十九億八千九百万円、このうち物品代が十三億でありまして、本当の純粋な工事費というのは、四億四千九百万円ちよつと五億円でありますが、五億円のうちにこういう事実に合致しない架空経理が四千百万円ある。八・四五%ばかりあるということがわかりまして、集計いたしましたが、この詳細につきましては二十五年度の検査報告記述をいたしまして近日中に正式に内閣から国会のほうに廻ろうと思つております。  第二番目の電気通信研究所のほうの収賄事件については、やはり二十四年度の検査に際して電気通信研究所工事費等見積りに、非常に甘いのではないかという節がどうもある。少し見積りが甘過ぎるというので、推問も出し、検討をいたしましたものがございましたが、やはり電気通信研究所経理が大きゆうございますし、少しおかしいというので、これも徹底的に洗おうということで検査をいたしましたところが、物品購入代金が、物品が小さな、どこでもありふれた品物でございますが、千三百万円ばかりの調度品についてこれを随意契約いたしましたり、或いは現品が入らないのに先きに金を渡したり、或いは納入者運賃負担において研究所に持込まれなければならないものを、官の負担において持込んだという物品購入についての契約及び支払について当を得ないものとか、或いは運送費、引越しをいたします運送費の、自動車借上げ貸切自動車借上げとか、或いは距離制の問題とか、いろいろそこにあるのですが、もつと低いほうの運賃計算が出るのに、漫然として業者の出しました高いほうの運賃率でそのまま契約をされて行く。私のほうで見ますというと、二百二、三十万円の金がそこで節約できると認められるのが、高いままに支払つていたり、或いは人夫賃の軽作業でありますのを、いずれも重作業として見積つて契約して支払われていたり、或いは又問題になつておりますグリーンパークの土地を借りて電気通信研究所で玄関までの門をお造りなるのに、どうもグリーンパークのほうに有利なほうに、国に不利を来して、グリーンパークに有利なような道路のつけかたをされておるというよう事案がそれぞれありました次第でありまして、それぞれ二十四年度の疑いを持つて二十五年度の経理を本格的に検査いたしました結果、さよう事案がそれぞれ出て参りまして、詳細は二十五年度検査報告記述をいたしておきましたが、かよう架空経理につきましては、人夫賃、或いは旅費等つけがけでこれを不当に経理するに連れて、或いは当務者横領したり、或いは電気通信研究所経理の見方なり、支払便宜等について、そこに収賄余地があるのではないかという、そういう温床になる余地が多分にあると考えられるのであります。  以上の事案につきましてそれぞれ今日発生しております収賄事件温床的な経理がそこにございまして、私のほうといたしましてはこの問題につきましては検察庁との関係において検察庁で私のほうの検査いたしました全部の書類を借りたいということで、検察庁に全部の書類を引継いでおるよう状況でございます。
  16. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 御質問はございませんか。
  17. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 検査院のほうですが、秋田帯広或いは神戸下関これらの検査を行なつて、その検査は何日間ほどやつて、何人ほどがどこに行つたかということ……。
  18. 山名酒喜男

    説明員山名酒喜男君) 秋田ニッ井間の検査には、これは北海道を含めまして三人の職員が、秋田ニッ井間市外電話施設工事ニッ井扇田間市外電話施設工事秋田、鹿渡、ニッ井電話中継所局内装置工事及び局舎等新築工事帯広富良野間市外電話施設工事富良野旭川間市外電話施設工事帯広、新得、金山、富良野電話中継所局内装置工事及び局舎等新築工事市外電話施設工事(安国、北見峠)これは北海道通信局直営でございますが、これの現場を三人の職員が、往復の旅行日程を含めますので、実際の現場につきましては二十日間ぐらい歩いておるようでございます。
  19. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 三人の人が二十日間出張して現場を廻つて来た結果、今言つたよう秋田では四百万円、帯広では八十万円を発見したということになるのですが、これは従来電気通信のほうの関係会計検査が非常に手ぬるかつたのではなかろうか。その結果こういう事態が起きて初めて知つて、あわてて特別検査等を励行されたというのではなかろうか。と思われるのは、この事案経過から見て、どうもこれは最近短時日の間に行われたものでなくて、相当長い長日月を費して行われておるように思われるのですね。そこで、こういう事案一般社会に浮び出して来るまでの間における検査状況ですね、おやりになつてつた状況はどういうよう状態であつたのか。それが最も適切に行なわれておつたなれば、むしろこの事案というものが、外部のいろいろな業者とか或いは又聞き込みとかいうことによつてつて来なくとも、会計検査院検査の結果、未然に防ぎ得られ、又これが挙つて来ておるはずだと、こういうように考えられるのです。そこで会計検査院は、こういうことが一般新聞紙上等に出て、これは大変だから、一体電気通信関係建設等はどんなやり方をしておるのか、大あわてで人を三人一組にして北海道に派遣し、或いは神戸に派遣し、或いは下関に派遣して調査した。ところがここに何百万円、ここには何十万円というものを発見した。まあ非常に私たち国会としては、何にしてもこういう僅か三人くらいの人が二十日間行つて、そうして国費が四百万円も、或いは又五百万円も節減され、発見されたことは、好ましいことであつて、非常に喜びに堪えない次第です。併しながら今私が申上げたような、そういう前の間においてはどうやつてつたのか、こういうことが一応知りたいと思うので、そこで二十三年度並びに二十四年度それから今お調べになりました二十五年度の調査の結果、調査個所調査人員、或いは調査日数等資料にして後ほどでもお出しを願つておきたい。そうすると大体会計検査院検査状態というものがはつきり電通関係についてはわかつて来ると思いますから、さようにして頂きたいと思います。  それから只今は、口頭で簡單にその経過を御説明を願いたい。以前はどういう状態であつたかというようなことがおわかりであれば御説明を願いたいと、こう思うのです。
  20. 山名酒喜男

    説明員山名酒喜男君) 只今お話のありました、かよう収賄事件等温床になるべき事態は前から継続していたのではないか、又検査院のこれの摘発についての従前の措置にぬかりがあつたのではないかと、こういつたようなこと、並びに検査の実情についてのお話がありましたが、一応只今の所見を申上げます。  只今お話のありました秋田ニッ井間、帯広工事について、新聞記事が出たのであわてて調べたのではないかというお話がございましたが、これは電通省お気付きになります前に、殆んどときを同じくして私のほうで、これは先ほど経過を申上げましたように、二十四年度の検査の際に、架空経理がある、架空経理ということは、必ずこれは一つの黴菌的な存在でなしに、ずつと拡がつた瀰漫したあれではないかということで、いろいろな資料書面の上で総合検討いたしまして、秋田ニッ井間に出て参りましたところが、見つかりまして、それで私が報告を受けまして、同時にほかのほうにもあるはずだというので、ほかの派出官の帰るのを待つておりましたところが、やはり金沢のほうにも同様な架空経理と見られる事案がございまして、そこで私はやはりこれは瀰漫的な現象であるなという感じを持つておりましたところが、電通省経理局長から神戸下関間に同様な事態があるという報告を受けまして、それからはいささかあわてたのでありまして、あわてたと申しますか、各方面にあつて、やはりこれはじつとしてはおれない。ほかの検査は暫くおいても、建設工事に集中しなければいかんというので、特別編成をして、そちらに重点を向けるようになつたのでありまして、いささか時期が遅くなりましたが、二十四年度の検査に際して、かよう事案がありそうに思つた端緒は先ほど申上げた通りでありまして、事が未然に防げませんでしたことは、私のほうの職員の資質なり、又かよう不当経理については、やはり相当検査についての機が熟し、職員能力が溢れて来て、初めて見つかるものでございまして、検査院も、終戦後拡張されました役所といたしまして、検査余り経験のない新規職員を採用いたしまして、ここまで盛上りましたことについては、相当の各方面で努力をいたしましたのでありまして、大体非常に若い経験の浅い職員が多うございまして、念に見つからなかつたという点は御了承頂きたいと思います。  又二十五年度の検査報告には、只今挙げましたよう状況を挙げておりますが、二十四年度の検査報告にも、大体工事の全般的な運営及び資材の操作、買い方、売払い、運用の不手際といつたよう電通省事業の鳥瞰的な点からの検査相当徹底いたしてやつたつもりでありまして、かようなことがありましたが、一面さような点もお認め頂きたいと思います。  なお又検査個所につきましては、職員の全勢力を挙げて書面検査実地検査をいたしておりますので、大体二十四年度、二十五年度、二十六年度、いずれも実地検査個所は全国で百五十カ所くらい、これは現場を入れての話でございますが、百五十カ所くらいに出しておりまして、大体検査現有能力には各年大きな相違はございません。もつと出られないかということになりますと、健康上の問題もありましたり、又これだけのものを整理いたしますのに、前後の書面の上の検討並びに実地検査の検討といつたようなことで、非常に準備期間も要りますのでございまして、只今の現有勢力殆んど一〇〇%活用の方向で動いておりますよう状況でございます。なお、補足的な資料、私が只今申上げましたよう資料につきましては、書面提出いたしたいと存じます。
  21. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこで大体の点でよいのですが、電気通信関係事業の検査をあなたのほうで従来おやりになつておられたのですが、これは実際本当に国の金が十二分に消化される、いわゆる不完全燃焼がないように完全に燃焼され得るよう検査を行うためには、一体実地検査個所がどのくらいあるか、それを非常に完全に燃焼さすための、ロスのないようにするための検査は、一体どのくらいやればいいかということ、それに対して去年度、或いは二十四年度、二十五年度どのくらい一体やられたのか、どのくらいやる個所が……、この個所だけをやれば大体目が行届くのだというのは何個所ほどあるかということ、その点はどうなんですか。
  22. 山名酒喜男

    説明員山名酒喜男君) 電通関係だけでちよつと申上げかねますが、大体の概数としては検査院実地検査をすべき場所、即ち計算証明をする責任を持つ官署等といいますか、いろいろ計算書を出し、又いろいろの証拠書類を出す責任を持つております官公署といいますか、小さな現場を含めまして大体一万八百ばかりございます。そのうち検査院で現実に検査ができましたのが大体二千五、六百、大体二七、八%、三〇%には及ばない状況でございまして、私のほうといたしましても職員を揃えましても、これはやはり、主務省で、おかしな話ですが、病気を持つに対しまして、私のほうで対症的な薬を射しますと、それよりもより強い病気になつて来るというようなことで、だんだんペニシリンが効かんと同じようで、私のほうで或る検査のやりかたをするより上手な経理をする、もう一つ追つかけて行かんと見つからんというようなことで、検査に当ります職員の資質能力検査を受ける人よりも相当或る程度上廻つて識見も高くなければならんし、又観察力においても鋭敏でなければならんし、又何といいますか、えげつない検査ばかりやりましても、これは嫌われものになりますので、向うの経理をよく是正するだけの識見と親切心を持つて、而もそこに非常に厳しいやり方をさせなければなりませんところがございまして、人格的な要素も多分に大きな要素でございますので、只今のところ終戦後揃えました職員を使つてやりまして、世上よく検査院が接待関係において度が過ぎておるというようなことをいろいろ言われまして、私のほうといたしましても非常に気に病んでそれを是正いたしてはおりますが、やはり若い職員の中にはそういう不心得なものもときどき発生いたしますよう状況でございまして、急な職員の増員をいたしましても、資質が伴いませんといろいろな御迷惑をかける点もございますので、漸進的に拡充し、逐次能力を発揮させて行くということで職員が修練を積むことによつて、一騎当千の職員にするようにして行きたいということで、力が溢れるような行き方に、只今やつとどうやら検査能力が充実した段階に入つて来たなというふうに観察いたしておるのでありまして、従いまして検査院検査報告も二十三年度に比べまして二十四年度の形式的な数字だけを申上げますと変な話でございますが、政府経理は、全般的に申しましての話でありますが終戦後非常に乱れておりますが、最近どうやら安定して来た方向に向つて来ておりますが、逆に検査院検査の資質が充実いたしました結果、不当事項として掲記いたしましたのは、二十三年約七百件、二十四年七百五十件、今年出しましたのが千百十三件といつたように逆に殖えて参つておりますよう状況でございまして、只今のところでは現有勢力の資質向上ということによつてつて行きたいというふうな考え方を持つておりますが、なお量的或いは質的の向上につきましては、国税の経理が是正されることでございますので、私のほうといたしましては只今質問頂きましたことは、さような点についての推進的な御意見かと拝聴いたしまして、甚だ有難いことと思つておりますので、なおさような点につきましては、帰りまして院長並びに検査官に報告いたしまして、できるだけ検査能力を向上拡充する方向に向つて進み、且つ又国会においても御協力を頂きたいと思つております。
  23. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 大体今のお話のあつた趣旨でありますが、御承知のように国の一般会計、特別会計を混ぜて三兆或いは四兆といつた膨大ないわゆる金の使い方に対しまして、後始末というかそれを監査して行くところのものは、殆んど大部分が各省で自粛しておやりになる以上は、会計検査院のみしかない。その会計検査院検査個所の全体を通じて電通の場合で二七%、大体三〇%くらいだろうと私の記憶では思うのですが、全体の三〇%に足らない検査をやつてつて、そうして相当の批難が出て来るというようなあり方でありますから、従つて国民としては自分たちの出した税金を一体本当に完全に使われたかどうかということについて、誰が一体それをよく調べてくれるだろうか。これは会計検査院より今のところないのじやないか、その会計検査院は全体の調べるところの二七%乃至多くて三〇%しか調べ能力がない。そうするとあとの七〇%は野放しになつて、やりつぱなしになつても目が届かないというのが、偽らざる今の国の現状であると我々解しておるのです。誠にその通りであると思います。そこで検査院が唯一の国民としては頼みなのでありますから、勿論これには今話されたようにいたちのおつかけごつこのように、こちらが五の能力を持つと、向うは六の能力を、こちらが六になると、向うは八になるでしようけれども、併しながらその点は職員の質的向上を図り、そうしてもつと増員をされて、検査院の拡充強化をされて、そうして国民の出した税金が一銭たりとも粗末に使われないようにする、こういうことに一層の努力を願わなければならない。それに対してこれはあなたに申上げるよりもむしろこれは検査院長に来て頂いて申上げるのが適当であろうかと思うのだが、検査院の拡充強化ということが年々の予算要求の上においても、又定員の上においても十二分に我々の目から見て、なされていないという点が甚だ不可解に思うので、併せてこういう点を留意して十二分に努力されるように願いたい、こう思うのであります。  それから電通の政府のほうにお伺いしたいのですが、これは相当事件がたくさんありまして、なかなか一様に説明願つてはつきり頭に入らないのですが、かような次から次へと出て来るというような、一体底沼のよう状態である。こういうことがなぜもつと早く幹部諸君のかたが発見でき得なかつたのか。この点が実に私たち不思議に思うのです。新聞によりますれば、この施設局長の吉田という人のごときは、ごまかした金で、そうして二号を置いて、その妾を囲つておるというようなことをやつておる。こういうようなことは、同僚であつても、又幹部であるところの次官、或いはその他の人たちもわからないはずがないです。もつと小さく言うなれば、官吏の給与というものは大体においてわかつておる。それから家庭の事情も大体同僚であり、監督の地位にある課長、局長であれば、部下の状態も大体わかる。それがいつにない賛沢なものを持つているとか、或いは又衣服にしても次から次へと新らしいものを着て来るとかということであれば、これはどうもおかしいなあということは、これは誰しも感じ得ることなんです。それが検察庁に挙げられ、或いは又警察から外部の証人から挙つて来て、そうしてそれをてんやわんと言われなければ、結果がわからないということは、どうもおかしいじやないかということ、これは一体どういうことなのか。本当にわからなんだのか、或いは多少うすうす感じてはおつたが、併しまあ内密にしたいということで抑えて来たが、結局抑えきれなんでこういう事態に至つた、こういうのか、どちらなのか。一つ次官でも結構ですから御説明を願いたいと思います。
  24. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答えいたします。只今電通が次から次へということで、そういう状態はわからなかつたかという御質問でございますが、その中に例をとられまして、吉田前施設局長が云々というようお話があつたのであります。私ども承知いたしております範囲におきましては、そういう妾を囲つてつたということは事実無根のように承知いたしております。それから勿論この事件検察庁において起訴しまして、私どもは起訴状だけ頂戴いたしておるわけであります。公判の際に事態はつきりわかるかと存じております。詳細私どもも承知いたしていないのであります。只今のことは私どもの聞いている範囲では事実でない、こういうことでございます。それから勿論いろいろ上司と部下の関係、或いは管理者としましては、こういうような不正の事態が起るということは最も忌むべきことなんです。殊に我々の事業は国の独占事業であります。電話等も非常に国民の需要から遠い現状におきましてこういう事態を起すということに対しましては、管理者が十分それぞれの段階におきまして、先ず第一に国民の信用を傷つけないことを第一にいたしまして、常に監督をして行かなければならんわけであります。終戦以来率直に申しまして、いささか幹部の指導力というものにつきましても、十分強い反省をしなければならん点があつたことは、率直に申上げる次第であります。只今例にもありました事件につきましては、私ども会計監査の結果、先ほど検査院のほうから御説明があつたようですが、丁度時を同じゆうしまして、そういう事態が惹起されましたので、非常に事を重大視しまして、これの絶対に今後起らない措置を十分とつたわけであります。電気通信省におきましても、監察、及び会計監査の部局もあるわけでありますので、これら終戦後相当いろいろと監査の事業の発展に努めておるのであります。こういう全体的に関連した事件がなかなか発見できなかつたという点につきましては、何とも弁解の余地はない、誠に申訳ない次第でありますが、同じ省内のことでありますし、この事件の内容自体も、勿論不正犯罪はこれはもう弁解の余地は全くない次第でありますが、例えば直営工事をする場合におきまして、容易に公定の賃金で人夫が雇えない。又雇えましても、その人がこちらの要求する能力がないということで、特定の業者との間にその資格経験のある人夫を求める。直営工事をやる以上はこれは普通の人夫を雇つてその公定の賃金で支払いをしなきやならんというふうなことから、賃金の支出に困つて人員を増すとかいうよう方法もとられております。全体としまして不正犯罪を犯すという、勿論公文書をそういう形にすることは、一つの公務員として絶対に認められないことでありまするが、工事の実施上止むを得ずそういうような措置をとつたという事態も考えまして、これはむしろ根本的にその体制を直さなければならんというよう方面に私ども特に注意いたしたのであります。で具体的にいろいろの事件につきましては勿論その原因を確かめ、又そういう事態が他に起つてないかということを常に心配しまして、全体にもこの通知を出しまして、監督者にそういう非違がないように注意をさせて参つたのでございます。現実の問題としまして、いろいろ事件が起つているということは誠に申訳ない次第でありまして、私ども現在におきましては、大多数極めて正しく、又日夜通信事業に従事している職員の名誉のためにも、一日も早くこの事態を本当に正しい形に直しまして、今後そういう批難を受ける事態がないように努めておるような次第であります。
  25. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今のこの業務遂行上といいますか、建設工事の遂行上、特定の人を雇うためには、経理上どうしてもやはりたくさんの賃金を支払わねばならない関係上、水増増員になるというようなことのように聞き取つたのでありますが、或いはまあそういう場合もおありであろうとは想像できるのです。併しながらそれだからと言つて、それを闇経理において行うということが止むを得ない措置であるとは我我は考えられないのであつて、飽くまでもやはりそういう堅実なものがあり得れば、それはやはりそれとして、会計法に不備があれば、国会に申出られて法律を是正するとか、或いは会計検査院お話をなさつて適当な措置をするとか、その都度やはり行われるのが当り前であつて、だからといつて止むを得ないということは、私はこれはどうもおかしいじやないか、そういうようなことが、仮にあなたの今言われるようなことが、まあまあ、まあまあで行われるというところに不正が行われ、それが事の範囲から逸脱した域にまで行つてしまうのじやないか。その結果が大きな事故になつているのではなかろうかというようにも考え得られるので、その点はこれは具体的に私はわかりませんが、若しかこのいろいろな事件のうちにそういうものがあれば、私たちも参考に調べたいと思いますから、どのくらいにどういうものが具体的にどうあるかということを見やすい一つ表か何かにしてお出しを願つておきたいと思います。これは私はただ單にあなたの言われるように、それは仕事の運営上止むを得ないということでは、了承でき得ないが、併しながら惡質なるものとは考えられない、こう思われるのであります。併しながら今回の事件の概要を眺めて見ますると、こういうことも内部にはあつたかもわかりませんが、主として行われるものはやはり惡質なものではなかろうかと思うので、こういつたものが今言われたように、一口に言つて甚だ遺憾でございますと申されますと、それでしまいかもわかりませんが、併しどこにそんな一体長くわからなんだ抜け穴があつたのか、どういうことになつておるのか、その点を一応御説明を願わないと、我々もちよつと了解に苦しむのですが、おわかりでしたらその点をお述べ願いたいと思います。
  26. 靱勉

    説明員(靱勉君) 只今おつしやつたのは一々御尤もでございまして、私の申上げたのは、それは止むを得なかつたと申上げたのじやないのでございまして、そういうよう事態もあつた、すべてが初めから惡質で、犯罪というようなことで出発したものではないのでございますけれども、今御指摘の通り、そういうようなことがまあまあということになりますと、大きな事件に発展する。それから又それ自体も正確に論ずれば、これはやはり公文書をそういうように改変するということ、これ自体も勿論正しいことではございませんというふうに申上げたつもりでございますが、その点は只今御指摘の通りでございます。私ども全くさように考えまして、この事件を反省いたしまして、そういうことを一切禁止いたしまして、監督を厳重にいたしました次第でございます。  そこでそういうふうになつた原因はどうかということにつきまして、長く発見されなかつた原因はどうかという点につきましては、これは結局若干まあまあというようなこともなきにしもあらずと思いますが、終局的に申しますれば、やはり遵法精神がその間において欠けておつたのではないか。今おつしやる通り必ずしも法律の改正ということをいたさんでも、工事担当者がそれぞれの所属にそういうことを、どうしてもこれでは工事ができんということがあるならば、要求されまして、それを本省全体とどうしたらよいかと考える、又会計検査院のほうからは相当平素からもいろいろとそういう問題につきましても御協力を得まして、御指示を得ているような事例もあるのでございますから、今おつしやられた通り、確かにそういうような点を直して参る手は絶対になかつたかとおつしやるならば、あつたのであります。ただ長く発見されなかつたという点につきまして、これはもう非常に申訳ない事態でございますが、御承知の通り電気通信省も逓信省から分離しまして、而も復興整備に非常に急を要する問題がありまして、なかなか一時は困難な事態にもあつたわけでありまして、電気通信省の機構も相当それぞれのラインによりまして責任を持つているというような恰好に相成つたために、全体的ないろいろな調整操作が必ずしも十分に行われてなかつたというよう事態も認めなければならんと思います。正直に申上げまして監察、監査の機能と申しますものは、電通省におきましては郵政省と同じように、非常に多くの機関を持つておりますし、職務も非常に大きいのでありますから、郵政省と比較しましても、郵政省は監察局を置き、地方にそれぞれ地方監察局を置いて監察するという態勢でありましたが、電気通信省設置の機構におきましては、それぞれのライン、営業なり建設なり施設なり建築なり、それぞれのラインが末端までみずから自分の仕事を最も正しくするという制度が固められていたのだというような意味合におきまして、監察課は勿論残されたのでございますけれども通信局等におきましても、監察室ということになりまして、そこへ行かれるかたは必ずしも非常にいい重要なポストに就いたというような感じではなく、実際の業務の面、それから施設関係の面、この二つが事業の本筋をなしまして、経理、人事、そういうようなものは一つのサービス・デパートメントというような形の下に機構が整備されまして、その精神でそれぞれのラインは仕事をやつてつたという点において、他からこれを監察するということについては、むしろ自己でみずからやつて行くというような態勢にあつたのであります。その後監察につきましても、この問題を契機としまして地方に監察部というものをそれぞれ置きまして、相当人も充員いたしましたし、人事も、通信局における局長の下に次長もございますが、次長級の人物を持つて行くというふうに改めたわけでございます。当初の出発といたしましては、それぞれのラインがおのおの正しい心を持つてそれぞれの責任を完全に遂行すれば、そう非違事項はないというようなことも考えられまして、非常に郵政省と比較しましても多くの人を擁し、又相当多くの金を使う役所といたしまして、そういうような点も我々大いに反省させられた点でございます。原因につきまして的確に御説明できないで甚だ申訳ない次第でございますが、一つの原因としまして申上げた次第であります。
  27. 小酒井義男

    小酒井義男君 新聞記事の抜萃ですからあれですが、多くの研究所の所長であり、召喚当時は本省の施設局長であつた吉田五郎という人は今どういうことになつておりますか、お尋ねいたしたい。  もう一つは、検察関係で今身柄を拘束されておる人がこのうちに何人あつて、誰と誰かということがおわかりになつたらお聞かせ願いたい。
  28. 靱勉

    説明員(靱勉君) 吉田前施設局長は現在休職になつております。起訴されております。それから現在東京に留置されております者は、本省の課長級におきまして三名いずれも起訴になりましたので休職処分にいたしております。  なお拘置されまして取調べを受けておりますのは中国の通信局長でございます。その他大阪地方におきましては、取調べなお続行中でありますが、大体取調べを終りましてそれぞれ起訴或いは釈放になつております。起訴になつたものにつきましては休職処分にいたしておる次第でございます。
  29. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから只今御回答をしていらつしやる靱次官はいつから次官をおやりになつていますか。
  30. 靱勉

    説明員(靱勉君) 丁度この三月九日で満二年になります。二十五年の三月でございますから……。
  31. 西山龜七

    ○西山龜七君 私は電通省のかたにお尋ねしたいと思いますが、もう長い間ずつとおやりになつておりますので、大体工事に対しましては基準というようなものが内部にありはしないか。こういう工事であればこれくらいにできる、物価指数もわかつておりますし、すべて多年やつておりますので、私はそういうものがあれば大体の見当はわかるのじやなかろうか。会計検査院のほうで取上げられてそれを批難されるということは、その省の最大なるこれは不名誉だ。だからして私はそういうような基礎になるものがないかどうかということを一つお尋ねしたい。それからその請負者の資格をきめる場合に、どういうような資格を持つておるものを請負者とするか、或いは資格のあるものならば誰でもやらすか、又それとも指名をして請負わせるか、こういう問題。それから全国的に区間を幾つかに分けてその工事の施行の責任がその区間の、区間々々にあるのか、又中央に一括してその責任があるのか、この点もう一つ。その省のかたの只今説明がありましたが監査というものがどうも不十分である、こういうふうに言われておりますが、これを非常に私は強化しなければならぬと思いますが、この監査というものは年に何回それを監査するのか、こういうような規定がありますか、以上の点をお話願いたいと思います。
  32. 中尾徹夫

    政府委員中尾徹夫君) お答えします。私どものやつております一般建設工事に対しましての標準ということでありますが、それは大体我々のほうとしましての標準は一応設定しておりまして、年々やつておるわけなんでありますが、併しその工事の内容というものが非常に複雑しておる場合もありますし、そうでない場合もありましてその都度一々吟味をして、一応決定をするというふうに今現在ではやつております。標準の内容につきましては一々ここで申上げることも実はできませんですが、大体のやり方としましてはそういう標準を以てやつております。  請負業者の資格の問題でありますが、これは本省におきましても資格を一応決定する委員会というようなものを作りまして、その業者の内容を一々検討し、それから又実績というものを一応勘案しまして、この工事は、請負いの業者は、まあこういつた程度の仕事ならば十分であろうといつたふうに一応決定してまあ現在やつているよう状態であります。  それから三番目の御質問でありますが、これは本省で以て責任を持つている工事と、それから通信局で以て責任を持つておる工事、それから又通信部で以て責任を持つている工事というふうに、それぞれの工事によつて責任のあり場所が違うといつた工合でありまして、現在では三段階に大体分れておりますが、併し総括的には、本省で以て全部の責任は一応持つということになつております。以上簡単ではありますが、要点だけお答えいたします。
  33. 西山龜七

    ○西山龜七君 今お尋ねしましたうちで、省のほうで年に何回というような……。
  34. 中尾徹夫

    政府委員中尾徹夫君) 監査のほうは経理局長のほうから……。
  35. 西山龜七

    ○西山龜七君 それからもう一つ今のお答えのうちでお尋ねしておきたいと思うのは、請負者が若し不正があるというような場合には、請負者の資格を取消すというような規定がありますか、その点について……。
  36. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 私どものほうの内部監査は大体年に一回は廻りたい、かように考えてはいるのでありますが、定員がいろいろ不足しおりまして、それから又なお監査にも相当手数を要するというような現状からいたしまして、実際は六、七〇%ぐらいしか監査ができないのであります。
  37. 中尾徹夫

    政府委員中尾徹夫君) お答えします。請負業者に不正事故があつた場合には一体どうしているかというような御質問でありましたが、我々のほうとしましては不正の内容によつては賠償を求める場合もありますし、それから又その不正の内容によりましては一定期間出入禁止と申しますか、遠慮をしてもらいまして、そうしてまあこちらの仕事はやつてもらわないというような工合に大体やつております。
  38. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 我々のほうでは事業を見ますのに、経理の面から見ます監査と、それから全体的に見ます監査と、殊に監察は防犯を見るようにいたしたいと思います。その監察と両面から全部の事業を見ているわけであります。そのうちの監査の点は只今経理局長から申上げました。監察の面は先ほど次官が申しましたようにこの事件に鑑みましてこのたび強化いたしました。そして本省にも監察課、それから地方の通信局に監察部を置きまして専らその両者で以て、本省通信局を主として見ます、それから通信局の監察部は現場のほうを主として見るというように体制を整えているわけでございます。在来は先ほども次官がちよつと申しましたように我々の手のとどかなかつた、人を得られなかつたというような点もございます。このたびは十分に考慮してやつて行く考えであります。なお又只今の不正業者に対する措置につきましては、在来とも検査不良の工事をしました者に対しましては次の見積りには参加させないというようなことにいたしております。更に今後はこれに何らかの内部的の基準を作りましてそういう惡質な人をできるだけ近付けないというよう方法も考えて行きたいと思つております。
  39. 西山龜七

    ○西山龜七君 その請負の場合にそれを決定するときが来ましたら、やはりそれを監督する部門の人が現地に飛び込んでそれを現地で検査をして初めて決定するのでありますか、現地に任して請負を決定するのでありますか、その点を伺いたいと思います。
  40. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 先ほど施設局長が申しましたように、私どものほうでは全国に散在いたしております請負業者に対して内容を調査しております。例えば経験はどのくらいあるか、資本金はどんなふうであるか、信用はどんなふうであるか。最も私どもの関心を持ち又重要なことは電気通信仕事と申しますのは、これは外部的の工事は比較的そうでもありませんが、内部的の工事につきましては非常に技術的に繊細の知識が要るものでございます。ですからそういつた技術を十分に体得してあります人々が何人その中にいるかというようなことを基準に見まして、そしてこれを三段階に分けて、大きな工事は一の段階、そうでない中くらいの工事は二の段階、小さい工事は三の段階、こういつた工合に大体ふるい分けをしておりまして、そういつた大きな工事の場合においては一の段階の下に競争入札をさせる、そのグループにおける競争入札をさせます。又A地方とB地方とのそういう一の段階の人に入り組んで競争してもらうというようなことができるように、地域的に或る限度をきめてしまうというようなことはいたしておりません。
  41. 西山龜七

    ○西山龜七君 競争入札をする場合には、その本省において、又落札をきめるほうにおきまして、十分にその計画によつて最低の価格というようなものがきまつて競争入札にするのでありますか。單にそれをきめずにやるものですか。
  42. 山下知二郎

    政府委員山下知二郎君) 競争入札にいたします前には、自分のほうで仔細に検討いたしまして予定の金額、予定表をちやんと持つており、その前に見積をされるかたには現場説明を要する場合はその場で説明をいたします。そういうことに基きまして自分のほうでは予定の見積書を持つております。それで入札を開きました上、一定の入札に入らない場合においては再入札、更に入らない場合には又入札をするというようにしまして固く予定額を守つておるわけでございます。
  43. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 内部の監査の点についてお話になつたのですが、内部の監査の機構並びにその人員についてはどういうことになつておりますか。
  44. 靱勉

    説明員(靱勉君) 電気通信省の機構といたしまして、大臣の下に事務次官、政務次官は別でありますが事務次官がおりまして大臣官房というものがあります。それは人事部と文書課と法令審議室がある。そういうことでこの次官の直接下に電気通信監というのがありまして、電気通信監において取りまとめられますのは、只今申した人事、文書、法令審議を除きました全部がこの傘下に入るのであります。そこで通信監の下に各局、電気通信研究所も入るわけでございますが、通信監の官房的存在としまして通信監室というのがございます。その中に本省におきましては監察課というものがございます。これが全国監察要員というものは全部で百五十人ということになつておりますが、これは最近増員いたしまして百五十人になつたわけであります。大体五割程度を増員したということであります。これは現在であります。  それから会計監査のほうは経理局の中に監査課というのがあります。これかいろいろの認証官の資格を持ちますと同時に、会計監査の実地検査をいたすわけであります。こういう本省機構の下におきまして、地方には通信局というものが全国に十カ所ございます。その通信局の中は施設と業務は次長の下にそれぞれの部がありますが、監察は局長直属といたしまして、文書課と併立しまして監察室ということに在来はなつておりましたのを、こちらで御説明いたしました通り、これを監察部としまして局長に直属しております。部長は在来は両次長を除きましては人事部長と経理部長でありましたのを、監察部長というものを置きまして次長と同格にいたしたわけでございます。そこで監察をやるわけでございますが、監査のほうは只今申した経理部長の下にやはり監査課長というのがございまして、そこで地方の実際を見るという形になつておりまして、これの人員が全国で百八十人ということに相成つております。以上であります。
  45. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そうすると、監察それから監査を含めるとやはり三百名余りになるのですが、その三百人の人が勿論ないよりはあるほうがましであることは間違いないと思うのですが、従来電気通信省だけでなく各省庁ともこういう制度はおおむねあるように記憶しておるのですが、これがありながらこういつた不正がやはり行われておるのです。そこで、この百五十人や三百人余りの人で十二分に一体内部監査の実行が徹底して行えるかどうか、こういう点になると、一体どういうことになつておるのかという点。それから、これだけの人員を擁して勿論人権費に伴う物権費も要るわけなんでしようが、国の支出をしてそうしてやるという方法がいいのか、或いはこれはやはり内部監査でなく、これだけの人がやはり外部から監査をしたほうが、より以上成績が上ると思われるのか、その点はどちらが有効か。同じ三百人を使うのでも有効に使えるか、こういう点については次官としてどういうお考えですか。
  46. 靱勉

    説明員(靱勉君) いずれにいたしましても、内部監査というものは私どもの事業におきましてはやつて行かなければならんというふうに考えておりますが、只今の御質問の点でございますが、人員は三百名余りでございますが、私は実はやはり基本的には、各管理者がそれぞれ責任を持つてそういうことが起らないように十分な監督をし、みずから率先垂範しなければならん。そういうことによりましていわゆる不正犯罪というものが大部分なくなるのではないかと、こう考えておるのです。三百人余りといいますと十五万の人員に対して、少いように思いますが、それぞれ管理段階の管理者というものは、そういうことが起ることを先ず第一に取締らなければならん、そういうことが起つては幾らほかにサービスをよくしておいても、これは全く魂の入らない人形であるというふうに考えて本当にこれを戒めて行くということが立派に行われるならば、私は三百人必ずしも絶対にこれでいいと申上げかねますけれども、その監察の仕方、急所々々を抑える、或いは一つの事実を以て他にもそういうことのないように、各管理者においてもそれを痛感して管理者みずからもそれを調べると、こういうことになりますれば必ずや私は成績は上るものだと、こういうふうに考える次第であります。  なお外部と内部ではどうか。これは私自身正確な判断はできませんが、なかなか文書の問題等になりますと、内部の事情に精通してどういう点に危険があるかという点を熟知した者が、本当に裏に不正者を出さないという管理者の信念と監察の信念で指導的に防犯的にやる、又起つた場合にはそれについては将来他にそういうことが起らないようにして行くという意味におきましては、私は内部監査をやはりそういう精神で動かして行くということによつて、非常に改善ができるんではないかと、こういうふうに考えておる次第であります。
  47. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この内部監査の今の必要性について述べられたと思うのですが、従来の内部監査機構はこれは全部どこにでもある。ところがそのほかにも行政監察委員会というようなものが内閣にもある。ところがこういうものがあつて、これに要する人件費なり物件費が相当まあ嵩んでおるのですね。にもかかわらずお示しになるものがどんどん毎年殖える傾向にあるのです。そこで我々はこういう内部監査というものは却つて内々主義になつていやしないかという点。従つてこれらのものを動員して外部に持つて来る、電通関係の監査をやるものは、今言われたように、電通業務について長年練達の士を振向けるということであれば、私はそのほうが有効に適切に行われるんじやないか。内部監査という制度があるために却つて臭いものにふたをしたようになつて来まして、結果は内攻してしまうのじやないか。こういうようにも思われる節は、国税庁のような場合と同じようなことが言い得られるのではないか。恐らくこの電気通信省の場合においてもそういう点において一体これが完全に行われておるか。こういうような事故が、而もこの事故の性質からいうと派生的に花火線香式に出たものではなくて相当根を張つて長い間来ておる、慢性的な性質のものであると解される。そういうものであれば内部監査があればそれは当然わからなければならんはずです。ところが内部監査がありながらもそういうことが発見されんということについては、やはり内部監査それ自体がまあないよりは勿論ましである、あるほうがましであるが、より以上外部からやはり絶えず少数の人でも来られて監査を受けるという場合と、自己監査でやるという場合とでは違つて来るのではなかろうか。この点はどうなのか、こういうことをお聞きしておるわけなんですが。
  48. 靱勉

    説明員(靱勉君) 外部の監査というものも、私先ほど申したのは決して否定したのではないのでありまして、これは検査院のかたが見えておりますのでなお的確な御判断がむしろできるのではないか。先ほど非常に内部監査を重要視しまして甚だあれでございますが、実はこれによりましても相当ども効果的に在来発見ができておつた。何分にも今になりましていろいろ事故が出て来ておるということは、勿論非常に弁解がましくなりますが、いろいろなまあ状態、経緯を通りまして今一挙に出て来たということで、絶えず進行状態は、体にたとえてみますれば非常に膿を出して今進行しているのではないかと、こういうことを先ほど検査院のかたからもお話があつたように記憶しておりまするが、そういうことでありまして、ただ今御指摘の通り内部だと場合によつてはまあまあと言うかも知れない、どうもボロを出してもみつともないから内部で処理しようじやないかというようなことも疑えば疑える、考えれば考えられるということで、これは私もそういうような点が絶対ないとは申上げられない。従いまして外部の監査、特に会計検査院等の監査の非常に重要であり、又不正を行わさないために大きな役割を演じているということは、これは誰しも同じ御意見なんでございますが、片方全然やめちやうというふうに私初め話を承わりましたので内部からの監査も必要だということを申上げた次第であります。
  49. 森八三一

    ○森八三一君 今のカニエ委員質問に関連いたしましてお尋ねしたいと思うのですが、或いは私今日出席が遅れましたので、御説明があつたとすればお許しを頂きたいと思いますが、建設部関係事件も、研究所関係事件もいずれも工事の年度としては二十五年度に端を発しておると存じまするのでありますが、それが昨年の秋頃になつて司直の手を煩わすというよう事件に発展しておるわけでありますが、その間新聞記事として世間に現われて参りまするまでに、この建設部関係神戸下関秋田工事関係研究所工事関係等について内部監査を行われましたことがありましたのかなかつたのか。更に検査院におきましてこの会計検査をおやりになつたことがあつたのかなかつたのか、それを一つお伺いしたいと思います。
  50. 靱勉

    説明員(靱勉君) 電気通信研究所の問題につきましては、実は監査をする予定になつておりましたところ、電通省自体としてはいたしておりません。それが一つの事件中心としまして外部の手が入つたわけであります。併し検査院のほうから後ほど試験所につきましては御説明があるかと思いますから私のほうだけ御説明いたします。  それからいま一つの例として持出されております三事件神戸秋田下関等はすべて電気通信省において内部監査をいたしましてその事態を発見いたしたのでございますが、私どもの取締の段階におきましてはそこに更に隠れた問題があるということは発見できなかつたのであります。その際におきまして私どももこの三事件を重大視しまして慎重にこの処置について検討いたしました結果、懲戒免職にした者もございますが、以下それぞれ責任段階まで処分をいたしておつたのであります。その後検察庁のほうの取調によりまして犯罪的な事実が出た。そういう経過をとつておる次第でございます。
  51. 山名酒喜男

    説明員山名酒喜男君) 新聞建設部工事不正事件研究所経理不正事件が出ましたのは、研究所不正事件が二十六年十月十二日の記事からずらつと各月出て参つております。検査院としましてこの研究所及び建設部工事について疑念を抱きましたのは、二十四年度の決算検査に当り、二十四年の八月及び九月に建設部でやられました電気器機の修理代金として、これは百万円足らずでありますが、それの修理代金の支出が予算がないのに金が出ておる、そうしてそれは電気器機の修理代ということでなしに物品購入代として出ておる点があるので、ここに事実に合致しない経理が行われておるという一つの端緒と、それから二十五年の一月から三月までに東京都内市内電話施設線路工事が行われておりますが、これの人夫賃支払なり連越し人夫の宿泊料といつたような問題で金の出方が少し変だ、連越した事実がないのに連越し人夫の宿泊料が払われておるのじやないかという疑念を持ちまして、一応電通省にも注意をいたしますし、私のほうといたしましてもこれは二十五年度の国費の決算検査に当つては本格的に架空経理調べなければいかんということで、いろいろ出て参りました電通省の計算書類なり証拠書類なりというものを統計的にいろいろな角度から検討して参つて来ますと、やはり人夫の使役状態なり貨物自動車の雇い上げ状況なりというものが、どうも架空経理が行われておるような節があるという確証を得まして、いろいろ側面から長い間資料をずつと統計的に整備をしまして研究しました結果、そういうふうな判断をいたしまして、建設部工事検査を二十六年の五月の七日に秋田ニッ井間、先ほど申しました通りでございますが、二千万円の工事をいたしましたところが、案の通りこちらで見当をつけよう架空経理が行われておるというようなことがわかりまして、これと時を同じくいたしまして、下関及び神戸経理について架空工事があつたという報告を受けた次第であります。あと私のほうといたしましても、九十九カ所の建設工事のうち二十七カ所を本格的に調べてみましたが、二十一カ所について事実に合致しない架空経理が行われておるという事実が判明した次第でございます。
  52. 森八三一

    ○森八三一君 建設部関係工事検査につきましては、今次官の御説明で内部監査をやつた、そのときには不幸にしてその後検察当局で発見せられたような不正の事実を発見することができなかつたというような御回答であつたように聞きましたのでありまするが、そういたしますると、そこでその内部監査に当つた人の能力がなかつたということになるのか、或いは監査そのものに、表現の方法が適当でないかもしれませんが、不正があつたというようなふうにも解釈ができるのでありまするがそういうような点につきましてそのいずれかであるというような究明が行われておりますかどうかその点を一つお伺いしたいと思います。
  53. 靱勉

    説明員(靱勉君) 監査は、会計検査院のほうのお話でも、相当いろいろな資料を積み重ねて行つてそれで結局つきとめた、発見できたということでございますが、私共のほうの監査におきましてもなかなか普通の帳面ずらを見たのでは発見できない事件でございます。併しながら一つの事件調べましてその裏をめくりました結果、いろいろと使い途につきましては非常に不当なものもありましたし、まあ先ほどからも申上げました通り、そういう特別の措置がとられてなかつたとすればどうもこうやつたこともやむを得ない、やむを得ないという言葉は非常に誤解される言葉でございますが、或る程度理由によつてはむしろ訂正をするとかその他の処置によつて代えられる、処分のできるというような、まあ行政処分的と申しますか、会計法規の違反と申しますか、そういう形で処理のできるものもあつたわけであります。  なおそれが犯罪的な事実であるかどうかということになりますと、それぞれ証人をつき合せまして多少司法権的な力も用いなければなかなか調査ができなかつたという事態も私共承知いたしておつたのであります。そこでこの措置につきましては私共も非常に問題の処理に苦慮いたしたのでありますが、先ほども説明申上げましたが、これは非常に危険なことでありますので速かに全体的にこういうことを再びやらないようにする。どうしても支出しなければならない、例えば道路を直すのに関係方面と、関係方面というのはいわゆる地方のいろいろな機関とやはり折衝せねばならん、或いは工事をやるのにその事務をとる折衝もしなければならん、相当長期に亘つて出張しておるので、それに対する若干の措置もとらなければならんというような各種の問題もあつたのであります。それらはそれぞれ本省におきまして責任を持つて処理して行く、出せるものは経費を認めてやる、なお法律まで及んで改正に及ばなければならんものは、これは直るまでは絶対にいかん、こういうような措置をとることに対しまして主として事故の再発防止に最重点を置きまして、なかなか私どもの手で調べますと、一つの工事につきましても関係者も多いことでございますから支出も相当かかる、それよりも先ず事態を再発させないということに十分な措置をとると同時に、大きく管理団体、監督者の責任を求めると、こういうふうな形において措置したのでございまして、監査の人に不正がある、或いは又能力といいますか、その監査した人たちの能力というものは、私どもは非常に立派な能力があつてこの裏までひつくり返し得たと、こういうふうに考えておつたのであります。その後検察庁におきまして調べて、更に別の事実が出たということは、これは私ども誠に申訳なく存じますが、検査官の能力に帰したくないのでございます。
  54. 森八三一

    ○森八三一君 そうしますと私の最初お聞きしたこととちよつと違うのでありますが、内部監査をおやりになつて全貌ではなかつたけれども相当程度の会計法規その他に関する非違の行為があるということは内部監査によつて発見をされたと、その善後措置について省内でいろいろ研究されておる矢先に問題が表面へ持上つたというように理解してよろしいのか。最初のお話では、内部監査はやりましたが、遺憾ながら問題の所在を究明することができなくつて発見ができなかつたようお話があつたと聞きましたのですが、私の聞き間違いなのかも知れません、どつちなのですか。
  55. 靱勉

    説明員(靱勉君) ちよつと私の言葉が足りなかつたかと思いますが、内部監査の結果会計法規違反等を発見いたしました。ただ、例えば収賄したとか公金を自分のポケットへ入れたとかいうような事実の発見ができなかつたのであります。従いまして相当に強い処分、即ち懲戒免職の処分も担当者に対してやつた次第であります。と同時に今申上げました通り、将来の対策というものにつきまして鋭意やつておりました。そのうちに実は電気通信研究所の問題が起つて来たというような次第で、重ねてこの三事件も同時に一応私ども取調を終りまして、それが新聞処分等も出て検察庁におきましてもその関係書類を持つて行かれたという形になつてつたのでございます。
  56. 森八三一

    ○森八三一君 そこでヵニエ委員の御質問に触れて来るわけでありますが、次官の話のように通念としては内部監査のほうが、工事の実態であるとか請負者の認定であるとかという面について技術的にも非常によく知つておる方が当るわけでありますので、監査の実を挙げるのには非常にふさわしい形に置かれておるということが言えると思いますが、お話のございましたように、会計法規上の違反等についてはそういう立場にあるから十分見きわめがつきましても、いわゆる収賄といつたような刑事的な事件に触れておるような内容になりますと、そこに同僚であるというような、見方によりましては非常にうるわしい気持でもあるわけでありまするが、というような気持がからまつて来ると、更にもう一歩踏み込んでメスを入れるということを躊躇をせざるを得ないという結果になる危険が多分にありやあせんか。そこで内部監査というものよりは全然別の組織機構において、そういうようなことはあつてはならんことではありまするが、情実等から更に信頼されない立場から行なつて行くより、監査の実を挙げるのにふさわしいのではないか、というまあ意見になると思うのでありますが、そういうような今度のこの事件について信頼を持つ必要と申しまするか、そういうような考えをすることはむしろ不適当であつて、全く複雑微妙なものであつて、誰が監査に当つても普通の司法権を持たない監査の立場では発見し得なかつた程度のものであるのか。申しますようなことが多少でも考えられたのであるかどうか、その点はどうなんでございましようか。これは非常にむずかしい質問でございますが。
  57. 靱勉

    説明員(靱勉君) 先ほどから私お答え申上げておりますのは、内部監査だけがあればそれで十分だということを決して申上げていないのでありまして、内部監査も相当の効果を挙げていることを先ず申上げまして、更に他の機関の監査もこれは勿論必要であるという点を申上げた次第であります。その点は一つ御了解願いたいと思います。全然内部監査をやめちやうのがいいかどうかということについては、私はやはり内部監査も必要じやないかと、こういうふうに考えておる次第であります。  それから只今のは司法権を持たないものなら絶対にわからなかつたという点でございますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、それは先ほど来から申しますように、監査は主として会計監査であります。会計監査で非違の疑いその他を発見した場合には、電気通信省におきましてはこれを監察へ移す、監察が主として犯罪を調べる、こういうまあ形になつておるわけであります。そこで監察へこの事件は勿論移したのでございますけれども、先ほど申上げましたような次第で、その後検察庁において現に取調べられておるような点がなかなか発見できなかつた。これは遺憾でございますが併し常に監察がそうであると申上げているのじやない。勿論ほかの事件等におきまして犯罪事実を発見し、これを告発し、起訴になつて有罪の判決を受けるという事件もあるわけであります。先ほど来からのお話の筋は内部監査も又重要であります点を申上げたので、内部監査がこういう事件については非常に困難だということで、内部監査を必要ないと申上げたのでは絶対にございません。どうぞ御了承願いたい。
  58. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 時間の関係もあるので議事の進行を先ず一通りお伺いしたい。それから大体時間の関係を睨み合せて一、二点質問したいと思います。  第一は、本日の委員会ではこの電気通信省事件と称する新聞抜萃が我々に配付されておりますが、この問題を議題に供して、その次には昭和二十四年度の検査院批難事項に関して別な書類が配付されておりますが、どちらを主にしておやりになるつもりであるか、これは委員長に伺いたい。
  59. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) これはさつき申上げたよう議題外です。いわゆる電気通信省汚職事件議題外にしていることはさつき申上げた通りです。公報のが議題です。ところがたまたま議題に入る前に小酒井君から発言がありまして許可したわけであります。それがだんだん発展いたしましてこんなに長時間質発応答を重ねた、かように御了承願います。
  60. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると本日は汚職事件だけで委員会は大体終るという腹組みですか。
  61. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) これはあなたがたと御相談してきめたいと思います。
  62. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それでは時間ももう四時になんなんとしておりますが、私は汚職事件について一、二点極めて簡單に質問しますからお答えも極めて簡単明瞭に願います。  その第一点、只今ほかの委員からいろいろな細かな御質疑がありましたが、私ども新聞記事等を拝見して、そうして而も本日提供された素材によりますと、昭和二十五年の初頭からと大体記憶いたしますが始まつたこの問題は、電通省にいたしましても次官二名、局長三名、部長三名、課長数名、その他職員広範に亘つて事件でありますので、近来の官庁の汚職事件の中ではその人数においては出色と称して差支えないと思う。而も年限もかなりの長期に亘つておる問題でありますだけに、この部内刷新の手始めとして九月中旬に懲罰委員会を開いて建設部長許斐三郎ほか六名を行政処分に付した。こういう事柄が行われておるようでありますが、懲罰に付するのはまあそれといたしまして、私は第一にお伺いしたいことは、これだけ大きな事件は恐らく偶発ではないだろうと思う。只今別に我々に配付された批難事項を拝見いたしましても、昭和二十四年度の検査院批難事項だけを拝見しても七項にわたる批難事項が挙げられている。而もその内容においては実に広範にわたつている。従つてこれはこういう種の問題はもうすでに昭和二十四年頃から内部にはかなりはらまれておつたに違いない。ようやく二十六年度においてはそれが膿が出かかつたと申しますか、これが新聞種に供されたという経過ではないかと私は推測をするのでありますが、こういうことになつて只今事件は二十五年の三月から御就任というふうにお答えを頂いたわけですが、丁度御就任になつてからこの問題がずつと発生をしてかなり頭を悩まされた問題だと考えるわけであります。従つてこの事件の処理は別にいたしまして、少くとも我々国民としては、こういう問題を電気通信省としては今後のためにもう断じて起さないという処置は如何になされているか、先ずこの点。さつきのお答えで多少感じさせられている節もありますが、今後のためにこういうことを起さないよう、その次官としての大所高所からの措置が如何に考えられているか、この点を先ずお尋ねいたします。
  63. 靱勉

    説明員(靱勉君) 今後起さないということにつきましてはいろいろの事件の原因をよく確めまして、只今まで折角措置をいたしているのでありますが、根本的に或いは法規の改正とか或いは更に機構の問題とかいうような問題がありまして、全部が片ずいているわけじやないのであります。只今問題にされました事件につきましては、やはり先ほど申上げましたように、いろいろと責任体制を明らかにするということも必要でありますし、自体絶対にわからない問題ではない。多数集団的に行われていることは必ず知つている人があるのであります。そういうような事故がどうして隠されておつたかという点につきまして、私ども今まで正しくやつて参りました職員の人に訴えまして、全職員が本当に一体となりまして遵法精神に徹する、それから清廉潔白な人格を陶冶する、いやしくも不正に対しては断固としてこれを排するというような精神的な一つの基盤を作り上げまして、その上に立ちまして、職員としましてはこういう事件が次々と報道されまして非常に精神的にも痛手を受けているわけであります。事業の積極的な面、結局私どもは正しく而も国民の皆様に電気通信のいいサービスを提供するということが一番の大きな目的でございますので、職員相協力親和しまして真の事業愛に燃えまして名誉を挽回する。その具体的措置としましては、非常に各事項につきまして事件のそれぞれの原因それらをはつきりさせましておりますので、それに基きまして措置がとられている次第でありますが、それは非常に各面に亘つた問題でございますので、基本的にはそういう態度で各人が本当にこういうことを、お互いのために又国民のために、本当に事業を愛するならば、その事業の信用を失わないということを本当に認識しまして戒めて行くということが根本的な条件であるというふうに考えている次第であります。ただ今御指摘の通り昭和二十五年三月以来次官の職にありながらというような点につきまして、私どもそれぞれ責任の所在につきましては十分承知いたしておる次第であります。甚だ簡単でございますが……。
  64. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私も坐つていて大変横着ですが、一問一答的で結構ですからどうぞお立ちにならないで結構ですから。只今のお答えで法規の改正なり機構の改革なり、或いは精神的にも遵法精神を徹底せしめるというようなそういう措置がなされておるということでありましたが、問題はやはりこの前の批難事項等から考え合せましても、大体において施設局建設部中心であるように考えますが、只今ような考え方の下において施設局所管の中に、こういう問題が拡大するというか新らしい事態が更に発生するという、そういう可能性はないとお考えになりますか。
  65. 靱勉

    説明員(靱勉君) 事件が更に新らたに拡大、発展するようなことはないと私は考えております。
  66. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それではそのお答えを頂いたので、私は電通省に対する御質問はこれで安心をして打切ります。  それから次に検査院次長にお伺いしたいのですが、電通省関係検査第四局の電気通信検査課が担当しておいでのようですが、先ほどの森委員の御質問と関連して、検査第四局の電気通信検査課だけを以てして、これだけ続発をしておるそして而もかなり広範な涜職なり不正の問題について十分なる検査がなされるかどうか。これが現状なり見通しについての率直な御意見を承わりたい。
  67. 山名酒喜男

    説明員山名酒喜男君) かような不当事項の経理の是正が会計検査でできなかつたことについて、検査院職員能力がそこまで盛り上らなかつたことについては甚だ恐縮に堪えません。国民のかたに代りましてその点についての御質問がありまして、私といたしましても、検査院といたしましても、更に反省をいたさなければいかん点が多多あろうかと存じております。只今の人数で電通省総体の検査について遺漏なきやという御質問でございますが、これは職員の素質のいい人がありますればありますだけ内部検査が充実することは、これは望ましいことでございまして、ただ今持つております職員は四十七名持つておりまして、そのうちで検査に実際出得る職員といいますのは大体三十五、六人と考えておりますが、検査院といたしましてこれだけの職員をどのような活動のさせかたをいたしたならば効果があるかというような点で、一〇〇%の効力を挙げようというので、来年及び本年、二十四年及び二十五年度は全般的に予算が効率的に使われているかどうか、無駄金を使つていないかといつたよう関係並びに物品資材運用事務が非常に粗漫ではないかといつたような、そういう点について特定の場所を重点的に検査をして行く。そして検査院としては特定の個所について、どうも検査をいたします個所が非常に少うございますが、特定の個所について徹底的に洗つてみると、そしてそこから起つて来る欠陥の本質的なものを調べてこれを電通省に推問し、これの改善についての注意を促し、あとは電通省の内部機関の活動によつて他の個所の同様の病気はなおるであろうと、こういう点について私どもは活動の重点を思考し、ものの考えかたを持つておるわけでありまして、全部の個所に全部渡るということは到底検査院の、只今内部検査機関は三百人というお話でありましたが、私どもは四十七名といつた程度でやつておりますが、それでもここに挙げました不当事項が出るというようなことになりますというと、まあ充実すればもつと出るのではないかというようお話にもなることでございますが、量的には相当出ますし、質的にも或いは出ようかと思いますが、今ねらつております点は、どこかで一カ所こういう事態があればほかの個所の是正は内部で反省されて検査院の指摘の線に沿つて、内部で姿を整えて頂くという方向に重点を指向し、検査の仕方を施行しておるわけでありまして、勿論只今御親切な御質問でございまして、量的、質的の充実の方面についてはこの上とも努力をし、又御協力を頂きたいと思つております。
  68. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 最後に施設局長にお伺いします。この問題が発生以来施設局長が二人もおやめになつておりますが、只今の次官のお答えによると、今後は拡大もせんし新らしく発生はしないということを明言をされましたが、我々決算委員会若しくは決算委員として、只今抜打的に現場その他に行つて怪しいところを調査をするということがあり得るわけですから、現施設局長としてはそういう懸念なり不安は全然お持ちになりませんか。
  69. 中尾徹夫

    政府委員中尾徹夫君) 昨年十二月の二十日に施設局長を拝命いたしまして、それ以来本日まで私としても従来のようなことが全然ないように施設局におきましてもそれぞれの改めるへきところを十分改めるようにし、そして又職員一同にもそのような注意をしておりまして、今後このよう事態が再発しないように十分やつておりますから、その点は我々としても十分な努力を尽しております。
  70. 高木正夫

    ○高木正夫君 私ただ二言だけお尋ね申上げたいと思います。それも先ほど飯島君からお話がありましたので多少重複するきらいがあろうかと思うのであります。今回この事件を私が知りましてから感じたことは、先ほど飯島君も言われた通り相当に範囲が広く而も年月の長いものであります。それから判断いたしますと相当な不備といつちや言葉がきついか知りませんが、相当腐敗分子がはびこつておるという感がするのであります。ところで今後の処置方について先ほどいろいろな皆さんからお尋ねがあり、又次官その他からも御答弁がありまして大体のおもむくところはわかつたのでありますが、これだけ過去はびこつておるということになりますと精神方面で人心刷新と申しますか、そういうような手が打つてほしいような気がするのであります。いろいろ懲罰委員だとかいろいろあるようであります。又義務観念何とかということもあるようであります。そういう方面がもう一つ具体的に何かないのか。聞くところによると下部組織におきましては、電通省の名誉のために大いに粛正をするのだという精神運動が起つておるということをほのかに聞きまして大変私心強く感じた。この気運を上層部におかれましてキヤツチしてうまく善処するような何か具体的な方法を講ぜられておるかどうか。又これはむずかしい問題でありますので講じてないとすれば私どもの希望としては、できるだけそういう方策を講じて何か精神運動を起して頂いたらいいのじやないか。まあ質問やら希望やらわからんようなことを申上げたような次第であります。
  71. 靱勉

    説明員(靱勉君) 誠に御尤もな御意見でありまして私ども全くその通りにいたしたいと思つております。実は事件の発生以来いろいろと本省からも通達も出ておるのであります。どうもその後の問題と前の問題といろいろこんがらかりまして出て来ただけに、やはりその省としては非常な不名誉な事態となるわけであります。それで非常に先ほど申したように正しくやつている職員の人には非常に不名誉な、又国民の皆さまに対して誠に申訳けないことで、なお最近の事態に鑑みまして、先ほど大臣から本省の幹部に対しまして要望するということでございますが、職員に訴えるという考えで一つの書面が渡されたのであります。これを各部課におきましてよく徹底させると同時に、地方に対しましてもその趣旨を伝えるということにいたしておりますが、下部からおのずから起る一つの精神運動、これが私は一番大きなものではないかと考えております。それで在来、これは私の意見でございますが、役所といたしましては毎日その事務的な講演とかそういうようなものはいろいろと招待を受けるのであります。精神的な問題につきましてはとかく終戦後はない、又勿論一つ一つに偏してはいけないことでありまして、又昔のように統制するということはいかんと思いますから、私はやはり殊にこれから單に電気通信自体だけでなく、国民が新しい時代に対処して行くという意味合におきまして何かおのずからその精神的な強さというものをそれぞれ持つということが一番大事であるのではないか。この前新聞に検察方面では清貧の会というものを作られたという報道もあつたのであります。私ども勿論そういうこともいたしたいのであります。今上からこうして行くということではなく、何か自然にそういうような機運が非常にきざして来ておりますし、又皆この際申しわけないという観念を持つておりまして、是非立派な事業にしたいという全体が意欲に燃えておりますので、この際できるだけ積極面を強調いたしまして、余り暗い面ばかりばたばたと突きましてもいかん、これはやはり何かサービスをよくする、我々はこれだけの仕事をして喜ばれたと、こういうところにも一つ持つて行くというようなことをやりまして、例えば東京の営業所の電話の加入に関しましてはやはり一つのそういう規約というもの作りまして、我々こういうことは絶対やらないというような非常に規約を作つております。それから又最近組合が主として指導力を持つて作られたのでありますが、電気通信共済会というような、行政整理の問題等もございましてそういうものができ上つておりますが、こういうような一つの精神運動も起つて来るという形に今進んでおります。そういうよう只今の御意見誠に御尤もでございますが、余り上から押付けるとか何とかいう形でなく出て来る。現在は勿論、私只今までいろいろと申しわけない点につきまして申上げておりましたが、職員の大部分というものは本当に終戦以来苦しんで正しくやつて来た人々でありますから、これらの人にただ消極的な観念でなく積極的に一つやつて頂きたい、こういうようなことを実はいずれみなさんのお力を拜借してでもできれば結構であると考えております。
  72. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 大体のところは、話はいろいろ尽きたようでありますが、先ほど来次官が説明をされておる中に、精神的に訓練をするということ、これも非常に結構であると思います。が併しこういう事案が起きてよつてつた原因が何であつて、どこどこであるということの具体的な御指摘がないということ。それから然らばこれを改善するのにこの点とこの点とこの点という具体的な改善の方法を述べていられないということ。極めて抽象的にはわかるのです、ところがこれは抽象的に今おつしやつている程度のことは大体みんなが知つていることだろうと思うのですね。ここにおられる諸君がたも又その他の人々も大体それはわかる。問題は具体的にどうこれを扱うかということ、その具体的方法を検討して成るほどこれならこの病気に対しては治るであろうという判断が始めて下るわけなんです。ところがそれが一向にはつきりしておらないのですが、これは非常に事情が細かくて、そうしていろいろ種々な原因等が分類されることだろうと思うので簡單には行かないかもわかりませんが、併しながらいずれにしても我々としてはなぜこんなことができてどこに盲点があつたのかということ、それからこの盲点をなくするためにはこうすればなくなるのであるという具体的なものが示されなければどうも納得がしにくい。  それからもう一つは、今度の事件で精神的、人心の一新、これも結構ですが、比較的下の末端の働いている人たちの犯罪というものが少くて幹部の諸君に比較的犯罪が多いという点。こういう点ではただ單に精神だけというわけにもこれは参らないのではなかろうかとこう思われるのです。この点はどういうものなのか。大体は働いている人がこれを盗んだとか、泥坊したとか、横領したとか、使い込んだとかいうことなんですが、この場合は比較的幹部が多い、それはどうするかということ。  それから内部監察で非常にこれはいいというお話でありましたが、二十四年度並びに二十五年度において検査並びに監察に対してどういうことをどれだけの定員で行なつたかということ、その結果どういう処理をしたかということ。これらの報告書がおありであるはずでありますから参考資料としてお出しを願えれば我々検討するのに極めて好都合であろうかとこう思つておりますから、これも一つ出して頂きたい、こう思つております。なおその他の点については具体的な一つの事案ごとについて御質問を申上げなければ御答弁をなされまするほうとしても勢い抽象的になり易いかと思いますが、私は今日はこの程度で一つ後日又適当な機会に調査をするとか、或いは又小委員会に移されるとかいうことになろうかと思いますが、今のそういつた点について極く簡單にお考えがあるならお述べ願いたいと思います。
  73. 靱勉

    説明員(靱勉君) 精神的なことばかり私申上げているのじやありませんで、いろいろと原因に従いましてそれぞれ措置をいたしましたのでありますが、只今お話を何か一つのモデルについてでも御説明申上げましたら或いは御納得が行くかと思うのであります。ただそういうことの不正、犯罪というものは惡いということはこれはもう皆承知しておるはずなんでありますが、なかなかこの問題につきましてはやはり私ども遵法精神の徹底というようなことは軽視はできない。そういう意味合で申上げたわけでありまして、私どもただそれだけを考えておるわけでもありませんし、又幹部層に多かつたというお話でございますが、それらにつきましてはやはりそれぞれ監督する責任ということを主に考えて行くべきじやないかというような点についても具体的な措置をとりつつあるのです。事件がなお取調中に属するような問題もございますし、今皆さんに本当に御納得して頂けないことは誠に私ども残念でございますが、なお具体的な例等につきまして機会がありましたら御説明申上げるというような点も私ども承知いたしたいと思う次第であります。
  74. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 本日はこれを以て散会いたします。    午後四時二十一分散会