○
栗山良夫君 私は
只今の
動議に反対をいたします。先ず最初に、先ほど
溝淵委員は
高橋君は起訴をせられたので、
従つて心境の変化を来されている、こういうことを断定されましたが、何の根拠でかようなことを申されましたか、私は先ずそれを伺いたい。それから第二に、この
委員会の権威権威と言われるけれども、権威というものはこの事件の真相を明ら
かにするように事を運ぶことが権威であります。そして前回の
証人のときにまだはつきりしていなか
つた点が、
高橋君がその後事件の経過を勘案し、余りに大事件であり、国民に相済まんことをした。
従つてあらゆるものをとにかくはつきりと申述べ、そうして国会を通じて国民の前に批判を請いたい、そういう熱意でたまたまこの国会へ来られた、絶好のチヤンスであります。そういうチヤンスを利用するというのは誤弊がありますけれども、活用して、そうして疑惑に包まれているあらゆるものを天下に明ら
かにすることこそ国会における権威を高めることである。これを包みまして、そうして自由党の諸君が要望せられるように、この問題を打切るということこそ、これこそ国会の権威を失墜することであると私は考える。途中で如何なる経過が出て参りましようとも、それは我々議員がみずから公正に判断をして決定すれば済むことであり、これは公平に私は行うべきである。特に一昨年以来この事件に
関係して参りました私といたしましては、大体今まで想像しながらも、今日
高橋君が述べられたようなことが実在するのではなかろうかというように大きな疑いを持
つて見てお
つた。当時いろいろと質問をいたし、或いは質疑応答いたしましたけれども、その核心に触れることができなか
つたのであります。併し本日初めてそういう点に触れられて明ら
かにな
つて来たことについては、私はいささかこの
委員会が国民の前に大きな責任を果すことができるのではないかという光明を見
出しておる次第であります。大体今国会になりましてから、この二重煙突事件につきまして
検察庁の捜査文書を、これを認めるか認めないか、
証人を
喚問するかしないかということにつきまして、終始一貫して自由党の諸君は
大橋君の弁護の立場に立たれた。そして奮闘されたと
言つて間違いないのであります。私はそういうことが国会の権威を自由党のために傷付けておると断じて差支えないと思うのであります。どうかさようなわけでありますから、ここは一つ党派を超越して、そうして
決算委員会の権威を高めるために
高橋証人の
証言を心行くまで一つ聞いて、そうして我々自身の良識によ
つて公正な判断の下にこの事件の結末を付けられるように私は要望してやまん次第であります。