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政府委員(
平井寛一郎君) それでは極く簡單に、あらかじめ私どものほうから提出いたしました資料の見方を御
説明申上げて、そして
お話し申上げたほうがおわかりいいのじやないかと思います。お手許に三つの書類が差上げてあるのでありますが、一番分厚い書類は今電気事業の面で五ヵ年間の
計画として持
つておりまする個々の
計画地点の詳細を地点別に明細に記したものであります。これは又御必要によ
つて御覧頂ければ結構だと思います。この地点明細のできました基礎になります五ヵ年
計画の構想の大綱は、表紙のつきました「電気事業
電力開発五ヵ年
計画訂正版」というものに要約してあるのであります。これは今年の二月に決定いたしました改訂版であります。で、趣く大まかに一番しまいにバランス表がございますので、これを御覧を頂きたいのでありますが、大体この
計画は五ヵ年
計画と申しておりますが、五ヵ年間に着工すべき地点の、それ以降の年度において完成するものをも一応参考に附加えました
関係上、
計画は二十七年から三十四年に亘
つておるのでありますが、この表におきまして縦には兆生
電力の量が物差にな
つて出ておりまして、横が年度にな
つております。一番上にあります斜めに出ております発電端需用
電力と書きましたのは、これは別途に申上げまするが、毎年度の需用の予想でございます。こういうふうに今後伸びる、大体八%平均くらいの増にな
つておりますが、最初は一〇乃至九%、順次下りまして七%まで下
つております。この需用増加に対しまして、この発電
計画はいつに
なつたならば完全に需給のバランスができるかと申しますると、その下に幾つかの斜めの線がありますが、一番上のその次の線が昭和三十二年と三十三年の間において交叉しております。従いまして昭和三十二年度から三年度にな
つて、初めてこれで以て需給が完全にバランスするところまで追い付くものであるということを示しておるものでありまして、ここまで追い付きます
計画の内容は、一番下の丁度左側に三百億という数字が出ておりますところに、横の線が何本も出ておりますが、これが現在の設備による供給力でございます。で、これをば別途に申上げまするが、例えばロスの軽減工事とか、水力改良工事というもので若干膨らましますと同時に、その上に電気事業者の水力拡充工事が相当できております。これが右のほうの筋で、その数字の物差が出ておるのでありますが、電気事業者の水力の拡充、これは九
電力会社による水力の拡充による増加供給の分であります。その上に開発会社分と書いてありますが、これは一社でなくて、隣接する二社或いは三社等が寄り合
つて民間会社として別個の会社を作
つて開発するという天龍、只見等による増加供給の分がこの
程度にな
つているということを示しておるのであります。その上に出ている狭い幅が県営分でありまして、おおむね現在具体的に進んでおるものがこれに入
つております。その上に「電気事業者火力供給力」と書いてありますが、これは水力で足りない分で、火力で以て補わなければならない
電力量の幅を示しておるのであります。大ざつぱに見て、石炭の消費量はおおむねこれは横這いで、電気の量が、火力の量は横這い
程度にな
つておりますが、能率のいい火力発電所に順次代替いたしまする
関係上、石炭の消費量は五ヵ年後においてはずんずんと減
つて行くという結果にはな
つておるわけであります。
それで需用の想定がその前の第九頁に載
つておりますし、第十頁にその需給バランスが書いてあるのでありますが、九頁の需要想定を御覧頂きますと、これは
電力会社別に発電端とロスと需用端と書いてございますが、便宜需用端の数字で申上げますと、昭和二十六年度における需用端供給力は、大体一番下の欄の「全国」という所で御覧頂きますと、三百十三億キロワツト・アワー
程度であるのでありますが、これは昭和三十一年度において四百八十八億、丁度五年後の数字でございますが、昭和三十一年度において四百八十八億キロワツト・アワーの需用端にな
つておるということを表わしておるのであります。で三十二年度が五百二十二億、この頃において完全にバランスするところまで追い付くという数字なのであります。この四百八十八億に相当します数字が、当
委員会に御提案にな
つておりまする案によりますと数字が大体似ておりまして、
はつきり覚えておりませんが四百八十億前後の数字にな
つておると思うのであります。殆んど似たような数字であるように見えるのであります。ただこれは数字の面だけでは一致しているように見えるのでありますが、実は詳細に内容を拝見いたしますと、当
委員会の私どものほうの考えておりまする需用想定では、これは電気事業者の需用の範囲だけであ
つて、自家用
電力量を含めておりません。ところが安本のほうの御査定の数字の分では自家用
電力量を加えた数字にな
つておりますので、その差が約八十億キロワツト余りあ
つたように覚えております。これはこの前の
連合委員会のほうで数字的に御
説明申上げたのでありますが、数字面において総需用量において約二割見当の違いがあるというふうに御覧を頂いたらよいかと思います。即ちもう一言申上げますれば、私どもの
委員会の需用想定のほうが若干大きいものにな
つておるという点であります。又その大きいという点につきましては、前回にも御
説明申上げましたので、本日はこれは省略いたします。
それからこれに対応する発電
計画はこれにいろいろ出ておりまして、その総括いたしましたものが第一頁に出ておりますので、この表の見方を御
説明申上げたいと思います。ここに前期、後期と書いてありますが、前期
計画という面で先般の五カ年
計画の数字が書いてございますので、その欄で御
説明申上げたいと思います。上の前期
計画の中に、九
電力会社、開発会社、県営、計と善いてございます。九
電力会社というのは再編成によ
つてできた
只今の九つの会社であります。開発会社と申しますのは、これらの
電力会社が二社以上或いは他の事業者と共同で開発するために作る別の民営の会社のことを
意味しておるのであります。県営は文字の
通りであります。こういうふうに分けました数字の内容が、水力の拡充工事につきましては、地点数が九
電力会社で二百、開発会社で十七、県営二十五、合計二百四十二、最大出力が次の欄にございますように、九
電力会社の三百五十五万キロワツト、開発会社で百八十一万キロワツト、それから県営で三十七万キロワツト、合計五百七十五万キロワツト
程度というものをこの
計画では見込んでおります。それによる年間の可能発電量もここに書いてございます。
次の欄が火力拡充工事でございまして、火力は大体
電力会社において開発するものと見ておりまして、五ヵ年問に約百五十万キロワツトを作
つて、これによ
つて新規の需用及び古い火力の代替において石炭の節約を意図しておるわけでございます。その下に改良工事という欄があるわけでございますが、改良工事の
計画はこれによ
つて約三十万キロワツトの出力の増加を意図しておりまするが、増加
電力量が約二十万キロワツトアワー殖えることにな
つております。その次は損失軽減工事でございますが、損失軽減工事によ
つて約二百八十五万キロワツトアワーの
電力の増強を意図しておるわけであります。こうしたものの総合によ
つて、先ほど申上げました需用を充たそうということにな
つておるのであります。第二ページ以降につきましては、それらの九
電力会社によるもの、それから開発会社によるもの及び県営によりますもののそれぞれの内容を仕訳けをして表にいたしておるのでありまして、
説明は省略いたす次第であります。
それからもう一枚の四枚綴りの表紙のない紙がございますが、これは先般下條
委員からの御要求によりましたものの一部でありまして、公益
委員会の五ヵ年
計画で以ていたしますもののうちで、政府案の七つの河川に
関連のある
開発計画地点を地点別に明細に書いて出せということでありましたので列挙いたしたのであります。ただここには県営及び自家用の
計画として計算したものはこの中に載せておりませんで、九
電力会社及びこれらの連合の会社によるものだけを載せておるのであります。ただここで備考欄を
ちよつと御
説明いたしますが、例えば只見川及び天龍川、吉野川等につきましては、それぞれ備考欄を附けてございますが、天龍川、只見川の分で註として、本地点は出力及び工事費を算出するために、仮に既存の資料により計算したもので、最終的にはOCIの
報告を基礎として決定するものであるということが書いてございまして、目下これが一応幾つかある案のうちの
一つの案のものを、計数的にどういうデータであるかということを御判断にな
つて頂く
意味において参考に載せましたものでございまして、いわゆる本流案とか、分流案とかいろいろございますが、それらがどういうところに落着くかによ
つて、この計数データは当然変
つて来るのであります。その
意味がここに載せてあるのであります。天龍川、の場合には、やはり註が附いておりまするが、この
計画をいたしました当時には、まだ天龍川の佐久間の下流にありまする秋葉の地点は、第一、第二の地点として
計画されていたが、最近一カ地点として開発されるように変更した
計画であるが、本資料では取りあえず旧資料によ
つたのでありまして、この五ヵ年
計画のベースにな
つておりまするので、このまま取
つてありますが、その後におきまして、いろいろ検討の結果、秋葉地点は第一、第二を合せて
一つの地点とすることが最も
経済的であり、又発電効率もよいし、それから地元
関係も円満に行くというので、
只今では秋葉は
一つの地点に直しておりまするが、この資料ではそういう点で若干古い資料によ
つておることを補足いたして置きます。