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1952-03-20 第13回国会 参議院 経済安定・通商産業連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月二十日(木曜日)    午後一時三十九分開会   —————————————  委員氏名   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事      郡  祐一君    理事      永井純一郎君            泉山 三六君           大野木秀次郎君            小滝  彬君            奥 むめお君            杉山 昌作君            佐藤 尚武君            須藤 五郎君   通商産業委員    委員長     竹中 七郎君    理事      古池 信三君    理事      小林 英三君    理事      結城 安次君    理事      栗山 良夫君            重宗 雄三君            中川 以良君            松本  昇君            松平 勇雄君            山本 米治君            加藤 正人君            高瀬荘太郎君            山川 良一君            山内 卓郎君            清澤 俊英君            小松 正雄君            島   清君            境野 清雄君            西田 隆男君            櫻内 辰郎君   —————————————  出席者は左の通り。   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事            郡  祐一君            永井純一郎君    委員            小滝  彬君            須藤 五郎君   通商産業委員    委員長     竹中 七郎君    理事            結城 安次君            栗山 良夫君    委員            重宗 雄三君            中川 以良君            松平 勇雄君            高瀬荘太郎君            小松 正雄君            島   清君            境野 清雄君   政府委員    経済安定政務次    官       福田 篤泰君   事務局側    常任委員会專門    員       渡辺 一郎君    常任委員会專門    員       林  誠一君    常任委員会專門    員       山本友太郎君   説明員    経済安定本部産    業局次長    岩武 照彦君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国際的供給不足物資等需給調整に  関する臨時措置に関する法律案(内  閣提出、衆議院送付)   —————————————    〔佐々木良作委員長席に着く〕
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは経済安定と通商産業委員会連合委員会を開会いたします。議題国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時措置に関する法律案議題にいたします。  先ず政府提案理由説明を求めます。
  3. 福田篤泰

    政府委員福田篤泰君) 只今議題となりました国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時措置に関する法律案提案理由につきまして御説明申上げます。  終戰後物資需給が極めて逼迫しておりました昭和二十一年に「臨時物資需給調整法」が制定せられ、重要物資需給調整産業回復を図つて来たのでありますが、貿易規模の拡大と産業復興に伴い漸次物資需給状況は緩和して参りましたので、割当配給統制もその大部分を撤廃して来たのであります。然るに、朝鮮事変の勃発に伴う国際情勢緊迫化海外諸国における軍備の強化は、重要物資国際的需給の逼迫を招き、国内資源に乏しく重要原材料の多くを海外に依存しなければならない我が国における物資需給状況にも軽視し得ない影響を及ぼすに至りました。この間、昨年二月には国際原料会議が設立せられ、国際的供給不足物資生産増加消費節減及び公正な国際的配分各国政府勧告し、我が国もすでにこの勧告を受けております。又、米国を初めとして各国とも国際的供給不足物資国内統制及び輸出統制を漸次強化し、これらの物資輸入国においても輸出国におけると同様の消費規制を行うことを要請しているのであります。  我が国はすでに国際原料会議各種委員会に参加し、国際的供給不足物資消費節減と公正な配分協力しているのでありますが、これがためには、国内においても国際的供給不足物資割当使用制限等措置をとり消費規制を強化することが必要であります。なかんずく我が国資源がなく大部分輸入に依存しなければならない物資については、その消費規制を強化しなければ、輸入をすることも困難な状況であり、国内における在庫も漸次枯渇し需給も極めて遍迫して参つておりますので、需給調整措置を緊急に行う必要があると考えております。  右のような事態に対処して、国際的供給不足物資需給調整すると共にその供給不足国民経済の正常な運行に重大な支障を及ぼす虞れのあるような特に重要な物資についても緊急に需給調整措置をとり得ることとし、以て国民経済の健全な発展を図ると共に、併せて国際的物資不足状況を緩和し、国際経済の円滑な運行に寄與するためこの法律案を提出する次第であります。  なお、臨時物資需給調整法主務大臣命令委任する範囲が極めて広くなつておりましたが、かかる広汎な権限はすでに必要がなくなりましたので、本年四月一日を以て失効させたいと考えております。  何とぞ御審議上速かに御賛成下さるようお願いする次第であります。
  4. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 続きまして法律案に印しての内容説明をお願いいたします。
  5. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) それではお手許に配付いたしました国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時措置に関する法律案内容を御説明いたします。只今政務次官のお話になりました臨時物資需給調整法昭和二十一年に制定されまして以来五回の改正を加えまして、今年の三月末日を以て失効いたすことと相成つておるのであります。その間漸次統制も撤廃して参りまして、現在では指定生産資材としましては僅かに十九品目、そのうちで統制停止中のものを差引きますと八品目にしか上つておりません。又指定配給物資のほうにおきましては十一品目残つておりますが、これ又統制停止中のものを除きますと四、五品目しか残つておらなくなつております。片一方いろいろ国際的な原料調整措置、或いはアメリカにおきまする国防生産関係からいたしまして原料輸出制限措置等に伴いましていろいろ我が国としましてもこれに対応しまていろいろな措置をとる必要が参つて来たわけであります。今までのような物調法に基くような基本的な経済復興計画及び政策というものに基く統制よりも焦点がずれまして、国際協力的な面のほうの焦点が強くなつて参りましたので、この際従来の法律の失効を機会に新らしい法律に切替えて参ろうというわけでこの法律を御提案いたした次第であります。逐條的に前の物資調整法との差異中心にして御説明申上げますが、第一條の目的でございますが、臨時物資需給調整法におきましては目的は「産業回復及び復興に関し、経済安定本部総裁が定める基本的な政策及び計画の実施を確保するため……」となつております。今回のは「国際的に供給が不足する物資等需給調整することにより、国民経済の健全な発展を図る」云々なつておりまして、むしろ重点が原料的な面における国際経済協力の推進というふうに謳つてあるのであります。なおこの具体的な内容等につきましては逐條的にその差異に即しまして御説明申上げます。第二條はこれが基本的な規定でございまして、需給調整の方法につきまして規定しておるわけでございます。これ又物資調整法におきましては非常に広く規定されておりまして、いわば包括的な委任立法という形式が強かつたわけでございますが、今回はいろいろな面でこれに制限を加えまして、国会立法権との調整、或いは国民経済に不必要な権限を除去するというふうに狭くなつております。この範囲が違います点が二点ございまして、第一点は対象になりまするこの物資範囲を限定して参つたのでございまして、この法律案の一、二、三という第一項の各号にございますように、第一号はこれは国際的な協定等によりましていろいろな物資国内消費規制でありますとか、或いは輸出割当とかいうような措置がとられておりまする物資に限定しておるわけでございます。これは国際原料会議におきましていろいろな物資消費、或いは輸出入等につきまして勧告が出ておりますその物資を指しておるわけであります。現在国際原料割当会議は昨年の二月にできましたが、七つの委員会がありまして、十四の品目についていろいろな措置をやつておりまして、申上げますと第一の委員会は銅、鉛、亜鉛の委員会でございます。この委員会には我が国加入申入をいたしておるわけでありますが、まだ加入受諾ということにはなつておりません。その次の委員会は硫黄の委員会でありますが、これは我が国加入の希望を申入れておりますけれども、これ又まだ受諾なつておりません。第三の委員会は綿花と綿リンター委員会であります。この委員会には我が国加入いたしております。それから第四の委員会タングステン及びモリブデン委員会であります。この委員会にも我が国加入しております。第五の委員会はマンガン、ニツケルコバルト委員会であります。この委員会には我が国加入いたしておりません。第六の委員会は羊毛の委員会であります。これにも加入しておりません。第七の委員会はこれは紙、パルプの委員会であります。これには我が国加入いたしております。以上七委員会、十四品目につきましてこの物資調整措置を講じ得るということに絞つて来たわけであります。第二号でございますが、これは輸入が必要な物資であつて国際的に供給が不足するために輸出制限をやつておる物資であります。これは主として考えておりますのはアメリカ輸出制限をやつております物資についてであります。他の地域におきましても輸出制限をやつておる物資もございますが、特に厳重な輸出統制をやつており、そうして又我が国の或る程度の協力を求めておる物資といたしましてはアメリカ物資中心でございます。これは俗に向う所管官庁の名前で言つておりまして、我々の仲間では OIT物資と言つておるのでありますが、これは現在アメリカの商務省で輸出許可をやつておる物資でございまして、この品目は随分たくさんございまして、我々の承知しております範囲でも五百三十三にも及んでおりますが、この中で私どもが特にアメリカから輸入する必要があつて輸入要請をいたしております物資が十九ございます。従つてそれ以外の物資OIT物資なつておりますもので、それ以外の物資につきましてはアメリカから輸入いたす必要がございません。従つて本号適用は、或いはないものと考えております。輸入要請をいたしておりますればこの中に入るわけであります。それから第三号でございますが、これは国内物資でございまして、非常に制限をして書いておりますが、要するに国内重要物資或いは基礎物資等におきまして、一時的にいろいろな需給関係が逼迫いたしまして、その結果公共利益を阻害する虞れのあるものと、こういうふうに限定いたしております。例を挙げますれば、例えば昨年の渇水期におきまする電力用炭の確保というような場合に、若し公益であるといたしますれば、この号に該当するような場合かと存じております。まあいわばそういうふうな特別な臨機に手を打つというふうなものを考えておるわけでございます。何でもやるというわけではないわけでございます。従つてこの物資範囲におきましては、この前の臨時物資需給調整法が全然無制限にあつたのと比較いたしまして、非常に範囲を絞つて参つておるということでございます。それから第二点としましては、この需給調整をやり得る方策制限しております。前回物資調整法におきましては、いろいろ、例えば生産命令、或いは生産制限命令等も現存じておりますが、こういうことは現在相当生産回復して参つておりますので、今更必要はないであろうということで、今度としては使用讓渡或いは讓受、引渡の処置、或いはその制限禁止措置というふうになつて来ております。又割当或いは配給統制等措置もできることになつておりますが、これは国民経済相当影響を及ぼしますので、かたがた行政官庁だけの判断でやりますと適当でないのでございますので、これはむしろこの法律別表に附しまして、国会において御審議を願いましてきめて参ろうというふうになつております。提案申上げました法律別表なつておりますが、現在五つ挙げております。これらの物資については、割当配給等統制措置は差当つて行わないことになつております。この関係が第二條でありまして、要するに現行物資調整と比べまして、対象とする物資範囲或いは行使し得る調整権限範囲も非常に制限して参つておるのであります。  それから第二條の第二項でございますが、これはいわゆる讓渡命令措置でございます。この讓渡命令はいろいろ実際発動いたします場合には、価格の問題でありますとか、或いは相手方の問題等におきまして相当むずかしい問題もございますので、我々としましてはこれを発動する場合は前項の措置によつてこの目的を達し得ない、公共利益を害する虞れがあるというふうな場合に限るということになつておりまして、従つてこの場合は非常に限定して軽々しく発動いたさないというふうに考えております。なおこの條項に関連しまして、第三項、四項、五項等の関連規定でございます。要するに価格を指定しないと讓渡命令はできませんが、その際は時価を基礎とした適正価格ということで価格を指定して参る。それからなお且つ損失のあります場合には補償をいたす。更にこの物資等につきまして例えば資金でありますとかいうふうな担保権関係がありました場合には、その措置政令で定めるというふうにあとのきまりをつけて入つておるわけであります。それから六項、七項、八項でございますが、これは以上のような需給調整措置に対しまして、いろいろ不服の問題が起つて参りますので、これについては安定本部総裁申入れて頂いて、そうしてその決定を文書で送付するというふうに考えております。これは現行物調法にも存しますし、又現行物調法でもいろいろの問題で不服の申入のあつた場合もそれぞれ解決しておるわけであります。  それからその次の第三條関係でございますが、これは現在の物資調整法にありまするところの物資需給調整審議会というものをここで法文上ではつきりさせようということで前回は全部政令讓つてつたわけでございますが、これをその組織、権限或いは委員の数等を法律上で明らかにしたものでございます。この委員会規定物資調整法の昨年の改正によりまして設けたのでございますが、昨年から二回ほど開きまして、いろいろ重要事項について御審議を願つておるわけでございます。  その次は六條の報告、検査のところでございます。この六條におきましては、現在物調法は割合に範囲が広くて経済安定本部総裁の定むる方策に基いて報告がとれるという非常に広いものでありますが、今度は第一項の一号、二号、三号というふうに限定して参つております。これもいろいろ遺漏のないように絞つて参つたわけであります。次は第七條でございます。これは権限委任規定でありまして、統制のやりようによりましては都道府県知事等におきまして実務を扱わしたほうが適当な場合もございますので、地方自治との関係からこういう規定を設けたわけであります。  第八條、九條、十條の関係でありますが、これは罰則でございまして、大体は物調法と同様でありますが、ただ二点ほど違います。一点は、八條罰金のところであります。物調法は二十一年度にできましたものは十年以下の懲役又は十万円以下の罰金ということになつておりますので、現行貨幣価値から考えますと如何にも均衡を失しておりますので、通常の日本の例に従いまして十年、百万円というように直したわけであります。それからもう一点は没收規定でございまして、これは実は現行物資調整法には違反物資所有者から没收できることになつておりますが、これはむしろ刑法の総則の規定のほうが的確でございますので、刑法讓つてこの法律から削除いたした次第でございます。  次に附則でございますが、附則第一項のこれは施行期日でありますが、これは丁度物調法の執行と相前後してあれしてございます。それから第二項でございますが、これは飽くまで臨時のものという建前でございますので、従つて有効期限を一年に限るということでございます。それから第三項でございますが、これは物調法との経過的な措置を定めておるのでございます。これはいろいろな物資調整状況によりましては一挙に四月一日を以ちまして執行させるには適当でないものがございますので、その根本になります各種統制法規を並べて三カ月間だけ特例的に効力を認めるという措置でございます。たくさんございますが、これを整理しますと、要するに石油関係、それから樟、この樟と申しますものは專売になつておる樟脳の原料になる樟の木、その使用制限規則のこと、それから外国自動車讓受関係、これは従来中古の外国自動車讓受等制限して参つたのでありますが、その規則も今四月一日を以ちまして失効させますと、すでに切符を切つておりますものの効力との関係もございますので、暫定的に六月末日までその効力を存続させるということでございます。なお石油の問題につましては統制撤廃措置につきまして賛否の論議がいろいろございました。安定本部としましては今度の外貨予算等措置によりましておおむね各油脂を通じまして需給がほぼ均衡を得るんじやないかということで、六月末日を以て統制を撤廃しても大丈夫だというような見解になつておるわけでございます。実はここに四月一日といたしませんで六月末日まで延ばしましたゆえんのものは、すでに六月末日までの期限切符を発行しておりますので、その関係もございまして、取りあえず三カ月間だけ効力を持たせようという措置にいたしたわけであります。それから附則第四項は、これは要するに物調法違反罰則規定でございまして、これは通常立法と同様の措置なつておりまして、あえて違うところはございません。それから五項以下でございますが、これはいろいろ他の法律によりましてこの臨時物資需給調整法という法律を引用いたしておる関係がございますので、それについて所要の調整をいたそうというわけでございます。五項のはこれは安定本部設置法関係のことでございます。それから第六項は経済調査庁法の中にこの法律を加えるということであります。それから第七項でございますが、これはちよつと御説明いたしたいと思いますが、現在実は主食統制食糧管理法に基いていたしておりますが、ただ安定本部総裁がその統制方策調整するという意味を以ちまして現在のところはこの物調法に基きまする指定配給物資規則の中にこの主食というものを指定いたしております。ところがこの改正法の趣旨に基きますと、主食必ずしもこの法律適用を受けることが適当かどうかという問題が起りますので、むしろ食管法のほうを直しまして向うのほうに「経済安定本部総裁が定ムル方策ニ基キ」ということを入れますと、食糧配給統制につきましては安定本部でやるということになりますので、これは條文の整理ということになりまするが、狙いは安本においてそういう措置を総括するということであります。第八項はこれはいわゆる独占禁止法関係であります。これは現在は物調法につきまして一時団体統制措置使つた時期がございました、その関係でこの事業者団体法のほうにも例外を設けましたし、又その結果によりまして独占禁止法にも例外を作つておりましたが、現在はそういう団体使用する必要もありませんし、やつておりませんので、これは両方から削除いたそうということでございます。それから第九項でございますが、これは輸出品取締法の第十五條に物資調整法違反事項については云々という取締規定がございます。これは主に繊維関係品物違反物資を輸出されるのを防いだ規定でございますが、現在繊維関係統制を外しておりますので、従つて必要がないから削除するということでございます。それから最後の第十項は先ほど申上げましたところの事業者団体法のほうから一応削除するということでございます。  次に別表でございますが、別表は第二條の第一項に基きまして割当を行います物資を掲げたわけでございまして、現在この割当につきましては先ほど申上げましたように相当多数の品目が残つておりますが、それを整理いたしましてこの五つ品目に減らしたわけでございます。第一のニツケル及びニツケル含有物と、次のコバルト及びコバルト含有物、これは現在の物資調整法に基きまして割当統制中でございます。それから第三のタングステン及びタングステン含有物並びに第四のモリブデン及びモリブデン含有物、この二つは現在は割当統制ではございませんが、この両品物とも国際割当物資なつておりますし、又アメリカ輸出許可物資でもございます。取得もなかなか困難でございますので、これを割当統制に入れまして適正な配給を期そう、こういうわけでございます。この品目は追加でございます。最後白金及び白金含有物でございますが、これは現在までは貴金属管理法におきまして金或いは銀と共に国で買上げまして、そうしてその法律に基きまして売渡しを制限いたしまして配給統制をやつてつたわけでございます。ところが貴金属管理法のほうは本年四月一日から金のみについて買上制行なつて、銀並びに白金のほうはこれを廃止することになつております。銀のほうは比較的国内需給関係もとれておりますから、これは統制する必要もございませんが、白金のほうは何せ国産は極めて僅かでございます。而も需要の用途が工業原料、例えば触媒でありますとか、或いは人絹スフ等ノズル等使用いたします関係上、むしろこの法律のほうで統制して参つたほうが適当かと思いまして新らしい法律を考えたわけでございまして、従つてこの別表に挙げております以上の五つ品目以外は割当統制をやる予定もございませんし、又その必要もないというわけでございます。  なお補足いたしますが、現在物調法に基きまして出しております命令は随分ございますが、そのうちで取りあえず経過的に三カ月間効力を持たす附則が先ほどの附則第三項でございますが、あと割当統制関係使用制限等関係で残りますものはニツケル以下白金までのものでございます。指定生産資材割当規則、この規則はこの法律施行と同時に、この法律に基いて公布したとみなすというようなことで効力を続けて参りたいと思つております。それから使用制限につきましては現在ニツケルコバルトについて行なつておりますが、この措置も必要でございますので、この規則も存続して参ることになつております。もう一つはニツケルコバルト関係でございますが、通産省において所管いたしております緊要物資特別会計でございますが、そのほうで特殊に使いまする原料、いわゆるニツケル等をこの特別会計で保有いたしております。その配給につきましては物調法に基いて緊要物資使用等規整規則というものがございます。その規則対象物資は同様でございますので、この新らしい法律に基いて施行されるというふうに切替えて参りたいと存じております。その他の規則はおおむねこの法律施行と同時に失効して参るということになると存じております。  以上簡單でございますが、一応説明を終ります。
  6. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ついでに今配られた資料を簡單にどういう意味でどういうものであるかということを説明して頂きたいと思います。
  7. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) それではお手許の配付資料に基いて簡單に御説明いたしますと、物調法に基く現行命令一覧表というのがお手許に配付になつております。これの中に現在存しております規則を並べてあるのでございまして、この規則のうちから先ほど申上げましたようにこの新らしい法律に乗換えるものと、取りあえず三カ月間効力を有しますものと、それから失効いたしますものと、この三つだけに振分けできるわけでございます。御説明いたしますと第一号関係の、最初の指定生産資材割当規則、これは新らしい法律に基く命令に乗換えるものでございます。これがその主な物資配給統制をやつております基本的な規則でありまして、関係各省の共同省令になつておるわけでございます。それからその次の第二頁の医薬品等配給規則でございます。これはストレプトマイシン等の配給統制をやつておる規則でございますが、御承知のようにストレプトマイシンも増産が進みまして、今更配給統制を存続する意味もございませんので、これは廃止ということになつております。それからその次の漁業資材配給規則でございます。これも漁網とか、或いはそれに必要な綿糸等の配給統制をやつてつたのでありますが、これも現在適用を停止しておりますが、もう繊維関係の資材も相当潤沢に出廻つておりますので、これは必要ございませんから廃止いたします。それから砂糖の問題でございますが、先ほどちよつと落しましたが、この砂糖は御承知のような需要関係で、比較的潤沢に輸入が進んで参つておりますので統制を存続する必要はございませんが、ただ一つ先ほど附則説明で落しましたが、すでに切符が出て参つておりますので、これはたしか四月の十五日までこの切符の有効期限がございますので、これはむしろ附則の三項のほうで残すほうに入つております。先ほどちよつと御説明を落しましたが残す規定ではありますが、実際の面では切符購入の関係だけで、而も四月十五日以後は必要がなくなるというものでございます。とにかく形としては三カ月以内有効のほうに入るわけでございます。  それから酒類配給規則でございます。これは労務用の酒につきましてこの規則でやつておりますが、これはむしろ酒の出廻りがもう潤沢になつておりますが、値段の関係で、酒税の加算税の関係で安くなつておるのであります。これはむしろ酒税法の規定のほうに讓つたほうが適当でございますので、これは四月一日から失効ということになつております。それから以下並んでおりますのは石油製品の関係規則でございます。ずつと規則が七つか八つ並んでいると思いますが、これは先ほど申上げましたように、取あえず六月末まで有効ということにいたしまして、それ以後は失効と相成るわけでございます。それから五貫目の一番最後にある指定輸入自動車等販売規則でございます。これは例の中古外国自動車輸入関係で販売業者の登録をやつておるわけでございますが、これは現在交換円制度も廃止になりましたので、これは必要ございませんから三月末を以て失効ということになつております。それから六頁の外国自動車讓受規則でございます。これは先ほど御説明いたしましたように、国産自動車の製造工場の或る程度の規正と、それから或る程度の外国自動車輸入に絡みましていろいろな為替上その他の問題もございましたので、この讓受につきましてこれは許可制になつている。つまり切符を渡しまして、この切符を持つ者だけに讓受けを認めて参つたのでございますが、これはどうも今度の規則からいいますと、どの條項にも当てはまりませんので、この法律に基いてこの規則が存続されることは適当でございませんので、取りあえず過渡的な混乱を避けますために六月末まで有効といううちに入るわけでございます。なおこれはすでに切りました切符が約六百五十台分ほど残つておりますので、それを六月末までに現物化し、整理しまして、自今この規則は廃止となるわけであります。それからその次の経済統制違反云々規定でございますが、これは現在登録をやつております業者等の登録停止を内容とした規定でございますから、現在も登録制度をとつている物資はございませんので、これ又四月一日に廃止となるわけであります。  それからあと七頁には経本訓令がございますが、これはもう輸出関係のいろいろな問題がございますが、現在それほどのこともございませんので、これも訓令廃止となるわけであります。それから次の頁はこれは権限委任規定でございます。現在石油等につきまして都道府県知事に委任しているものがございます。これは先ほど法律條文にございましたように政令なつております。他方地方自治法の関係におきましてもこれは政令が要りますので、政令を作りました上で適当な省令を作りたいと考えております。片一方根拠の省令が残りますから、取りあえず六月までとなつております。  それからその次の第二号の使用制限関係でございまして最初にあります「くす」の使用制限の問題でございます。これは実は樟脳を專売いたしておりますので、その原木である樟の木が樟脳の專売目的以外に使用されては原料が確保できないということで物調法で作つた規定でございますが、これはどうもこの新らしい法律のどの條項にも当てはまりませんので、これはその間に適当な措置を講ずるということにいたしまして、六月末を以て廃止ということでございます。これはまあこの中身は、原則としまして特別な災害とかの場合、或いは用材に使うという場合以外は、樟は樟脳の製造原料に使うというような程度でございますが、どうも新らしい法律から見ますとこれは適当でございませんので、これは六月末まで取りあえず延ばしてあと失効ということになつております。それからその次はニツケル等使用制限でございまして、現在本格的に使用制限をやつているのはこのニツケルコバルトの二つでございますが、これは先ほど申しましたように国際割当物資でもございますし、同時にアメリカ輸出許可物資でもございますので、規則等につきましてはなかなか困難な点もございます。かたがたアメリカにおきましては相当範囲使用制限をやつているわけであります。我が国におきましても従来この使用制限の問題につきまして、例えば我が国で作られたものがアメリカに参つて向うがまあ使用制限をやつてつて向う関係業者から非常にクレームが出ているというようなこともございますので、この制限規則はむしろ若干強化いたしまして存続いたして参りたいと考えております。コバルトもこれは比較的使用範囲が狭いわけでございますが、なお国際的な使用制限の基準に一応合わす点で使用制限しているわけでございます。これも存続して参りたいと思います。  それから十四頁に参りまして、石炭、コークスの需給調整規則でございます。これは一昨年の九月でございますか、石炭の配給統制が撤廃されましたときに、ただこういうふうな基礎的な重要物資について、割当配給は外しましても、臨時応急的に何かの措置が要るのじやないかというようなことで、いわゆる讓渡命令等に当ります規定を設けまして、特別な特需でありますとか、或いは国鉄の関係電力用炭というようなものについて出荷命令を出し得る、或いは讓渡命令を出し得るというような規則の中身でございます。これは現在といえども、先ほど御説明申上げましたように、状況によりましては或いは必要事態が生ずるかとも思いますが、同時に新らしい法律に即しましては中身の規定も若干不適当な所がございますので、これはむしろ一応廃止しまして、新らしい法律に基く別途の附則を作つたほうがいいという見地でこれは一応四月一日を以て失効させたいと考えております。それから次の輸出向物資流用防止規則でございます。これは従来の割当統制におきまして、国内向け或いは輸出向けということで配給統制をやつて参りましたものが、輸出向けのものが国内に流れてはいかんという防止措置でございましたが、これはもう現在は基本の配給統制をやつておりませんので、これも廃止を考えております。それから十五頁の緊要物資使用等規整規則でございますが、これは先ほど申上げました緊要物資需給特別会計でございますか、これで買入れましたニツケルでありますとか、或いは合成ゴムでございますとか等につきまして、向う特別会計のほうではいわゆる特需以外に売渡さんということになつております。その売渡さんものにつきまして特需以外の用途に使われないようにいろいろな規定を設けてございます。その関係規則は緊特の存続いたします限り必要かと存じますので、これは新らしい法律に基く規則として乗り換えて参りたいと存じております。それから十五頁の終りの非鉄金属等需給調査規則でございます。これは報告関係規定第三條に基いて出した規則でございましてこの非鉄金属関係がいろいろ国際割当物資等ございますので、国内需給等につきましてはつきりした実態を掴んで参らなければ適切な解決方策ができませんので、この規則を作つて報告を徴して統計を作つて参つておるわけでございますが、これは最近のレポート・コントロールという報告調整という見地もございますので、これはむしろ統計法の関係のほうに讓りまして、統計法に基く指定統計といたしまして中身を整理いたしまして、向うのほうの規則で統計をとつて参りたいと存じております。従つてこの規則そのものとしましては三月末を以て廃止ということを考えております。それからその次の資料といたしましては、臨時物資需給調整法に基く割当配給統制物資一覧表というのがございます。これを御覧願いますと、この割当配給統制物資というのは、御承知と思いますが、大きく分けまして指定生産資材、これはいわゆる生産財、原材料の関係でございます。それと、指定配給物資、これはいわゆる消費物資関係でございます。そのおのおのに分けて別の規則を以て割当配給をいたして参つたのでございます。現在、お手許にありますように、指定生産資材につきましては、原油以下大項目といたしまして十一ございます。そのうちで統制を停止いたしておりますものは七つございます。これの存続如何につきましては先ほど来御説明いたしましたが、なおもう一遍繰返しますと、第一の原油、第二の銑鉄、これは共に統制撤廃、銑鉄は統制停止中でございますが、これは統制解除になるわけであります。それからニツケルコバルトでございます。これは統制存続であります。それから硫化鉄鉱、これは統制廃止でございます。それから六の硫黄、これも同様廃止でございます。それから化学工業品であります。ソーダ用の工業塩並に製品であります。ソーダ灰、苛性ソーダというものでありますが、この三品目は共に統制撤廃。それからその次のカーボンブラツクでございます。これは現在アメリカOIT物資に入つておると思いますが、この取得につきましては特に困難というふうな状況でもございませんのと、現在の輸入状況からいたしまして、そう需給関係が逼迫しても参つておりませんので、これは統制撤廃ということにいたしたいと考えております。それからその次は燐鉱石でございますが、これも特に統制を続ける必要がございませんので、これも撤廃いたします。これはむしろ必要があれば外貨資金のほうの、これは全部が輸入でございますので、外貨資金のほうの割当措置等で調整すれば結構であろうと考えております。それからその次の石綿でございますが、これもカーボンブラツクと同様、アメリカOIT物資に入つておりますが、まあアメリカからの取得はそう容易ではございませんが、他方南阿でございますとか、或いはカナダ方面からやや取得もできます。かたがたアメリカ等におきましても、カーボンブラツクと石綿は、特別な使用制限或いは統制等の措置は余り強くとつておらないようでございますので、これは我が国統制撤廃で結構だと存じております。それから九の繊維関係でございますが、これは昨年の夏以来全部統制停止中でございますが、これも今回統制撤廃ということにいたしました。十の教科書用紙も同様でございます。十一の製紙パルプも同様でございます。  それから指定配給物資のほうでございますが、最初の主要食糧の関係、このうちで麦のほうは近く統制撤廃に決定いたしたようでございますが、米につきましてはなお統制存続中でございますが、ただ根拠になります法規が、先ほど御説明いたしましたように、この法律では余り適当でございませんので、むしろ食糧管理法のほうに基いてやるわけでございます。従来も具体的な規則等の措置食糧管理法でいたしておりましたので、今回は食糧管理法のほうを若干変えまして、向う規則に讓るということでございまして、これはこのあれからはむしろ削除と申すのが適当と存じております。それから砂糖でございます。これは四月一日から統制撤廃でございますが、先ほど御説明いたしましたように、すでに出ました切符の環流措置がございますので、従つてこれは三カ月間を限つて暫定的に規則効力を残すということでございます。労務用の酒、これも先ほど説明いたしましたように、価格措置でございますので、これは酒税法のほうに讓るということでございます。医薬品のストレプトマイシン並びにジシドロストレプトマイシンの両者は、これは統制存続の要なしということで統制撤廃になるわけであります。それから五の石油製品でございます。このうちで初めのほうにありまする揮発油、灯油、軽油、重油につきましては、六月末まで取りあえず統制を存続いたしまして、爾後撤廃ということになります。ホ、へ、トの潤滑油或いは加工石油製品、パラフイン、この三者は統制停止中でございますが、これは四月一日を以て統制撤廃でございます。それから六の漁業用資材でございますが、これはもう統制存続の要なしということで統制撤廃でございます。  次にお手許に配つております資料に、昭和二十七年度主要物資生産見通しというのがございます。これは実は端的に申上げますと、生産の見通しが、従来は比較的生産が上昇一本槍の傾向でございましたので、生産ネツクになりますものは、例えば電力でありますとか、或いは石炭でありますとかいうような原料関係、或いは輸入原料関係等で制約いたされましたが、現在は電力は窮屈でございますが、ほかの物資は比較的原料輸入のほうから或いは国産からいたしましても、特に逼迫して参つたわけじやございません。むしろ生産を規制いたします要素としましては、価格関係或いは需給関係等が大きな要素をなして参つておるのであります。従つて繊維関係の操短でありますとか、或いはゴム関係の操短等は、むしろ本来の需給関係から来る生産の動向を示すものだろうと考えております。となりますと、なかなか生産見通しを立てるのは非常にむずかしい話でございまして、ここに御覧に入れました表も、実はまあ比較的大き目というふうな感があるかとも存じております。なお個々の品目によりましては或いはこれ以上に生産が期待されるものも実は現在の状況としてはございまして、まあ一応の作業の見通しというふうに御了解願いたいと思つております。なおこの生産を決定いたします一つの隘路になります電力等につきましては、どうも必らずしも平水の平時におきましてこの程度の電力が確保できるかどうか、若干疑問もございます。そういう意味におきましては或いは豊水地帶の生産水準というふうになるかとも存じております。こういうことで一応御覧にかけたわけでございます。なおその結果に基きましたいろいろな生産指数の関係等もその次の頁にございましてこれは若干御説明いたしますと、実は生産指数が従来いろいろございまして安定本部といたしましてはこの下の表のほうのESSの生産指数、つまり司令部のほうで最初に作成いたしました昭和七年乃至十一年基準のものを従来採用いたして参つたわけでございますが、その後この生産指数が作成方法必ずしも適当でないというふうなことで、両者共同作業をいたしました結果、若干作り方を変えまして、上にありますような昭和九年乃至十一年の基準のほうを現在は採用いたしておりまして、これがいわば日本の公の機関で作ります生産指数としてはまあ一応最新の且つ比較的非難、欠点の少い数字かと存じております。爾後安定本部といたしましては、この新らしい指数のほうでいろいろ物事を進めて参りたいと存じております。これで御覧願いますと、以上のような二十七年の各物資生産見通しが一応達成されますと、産業活動におきまして、基準年次に比べまして一四六・一、つまり約五割方上昇して参つて来るという見通しでございます。このうちには公益事業であります電気とガスの関係が入つておりますので、これを除きまして、鉱山並びに製造工業の関係を見ますると、その下にありますように、一四〇・六ということでございまして、前年の一二八・七に比べまして約九%の増加に相成るというふうな見通しでございます。なお先ほど申上げましたように、この物資生産の動向如何は、電力問題異にいろいろな需給関係の問題もございますので、こういうふうに参りますかどうか、なかなか判断はむずかしいのでございますが、一応現在のところはこの程度の生産水準には相成ろうかと存じておるわけでございます。  その次にお配りいたしておりまする資料は、ニツケルコバルトタングステンモリブデン白金、この五品目につきましての需給の見通しを、昭和二十六年度七年度と並記してございます。この五品目は先ほど御説明申上げました法律案別表に上つております割当配給をやる物資でございまして、如何なる需給関係かと申上げますと、まあ概要を申上げますと、これらの物資はいずれも共通しました要素としましては、二十六年度の年度当初の在庫が比較的たくさんあつたということでございます。これはいろいろな前年度におきます緊急輸入関係、特需の手持等の関係で比較的繰越が多かつたのでございますが、これが二十六年度の消費に基きまして二十七年度の繰越におきましては相当物資とも減少して参るということでございます。従つて生産の方面におきまして飛躍的な増産の見られます例えばニツケル或いはタングステン等を除きましては、輸入関係に非常にウエイトがかかつて参つて来るわけでございます。従つて国際的な原料割当とか輸出許可というふうなものが非常な関心になつて参るわけでございます。なおおのおのの物資につきましての細かい事情につきましては御質問に讓りたいと思いますが、生産等も必ずしもニツケル等につきましては鉱石の取得の関係等で楽観を許さんという状況でございます。又輸入におきましても、アメリカにおけるいろいろな統制措置関係上、なかなか所期の通りには参らんわけでございまして、この物資につきましては是非とも需給調整割当措置が必要かと考えております。併せて消費のほうにおきましても、比較的ほかの物資で賄い得るものにつきましては使用制限措置も必要かと存じておるわけでございます。  それからお手許に配付いたしました資料に、国際原料会議(IMC)活動状況というのがございます。これは上に一覧表がございますから、おわかり願えると思いますが、現在七委員会十四品目ございまして、三委員会品目我が国加入いたしておるということでございます。  それからその次に米国商務省国際通商局(OIT)輸出統制物資表というのがございます。大分細かい数字が並んでおるのでございまするが、これは我々が知り得ました情報によりまして向う品物を分類して参ると五百三十三品目あるということでございますが、その次の表を御覧願いますと、我が国のほうでアメリカ輸入要請いたしておりますものは、この五百三十三のうちで僅か十九品目ということでございます。この輸入要請の十九品目につきましても、なお国内需給関係等を検討いたしましてできるだけ輸入をしないで参りたいというように考えております。  一番最後に書かれております横のほうの臨時物資需給調整法改正経過概要でございますが、これは御覧願えればわかると思いますが、要するに昭和二十一年制定以来五回改正して参つたということでございます。  以上を以ちまして概要の説明を終りたいと思います。
  8. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  9. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて。  それでは続きまして質疑に入りたいと思います。通告のあるかたから順次御発言願いますが、原則として通産委員のかたから優先的に御発言を願いたいと思います。先ず竹中七郎君。
  10. 竹中七郎

    竹中七郎君 最初に一つお聞きいたしたいことは、この法案は再統制の第一歩であるか、それとも物調法を廃止することによりまして、統制撤廃への軌道を進むのであるかどうかということであります。本日の日本経済新聞で大島特派員はアメリカでは「鉛の統制はすでに解かれ、亜鉛も近く解除となる模様だ」と報じております。そうした際に日本では再統制というものに向うのか、それとも止むを得ず割当又は配給統制はこれら五品目に限ろうとするのか、その基本的な方向について先ず明らかにしてもらいたいと思います。  又本法案は期限を本年度一カ年にとどめるつもりであるように見えますが、それが果して可能であるかどうか、即ち統制一貫の見通しを本年一カ年であるか、又どうであるかということもお話を願いたいと思います。  次に第二條では割当又は配給に関しましては品目の指定を立法事項としておりますけれども、使用制限又は取引制限は行政処置でできるようにしておる。この使用制限等については如何なる品目を予定しておるか、又その範囲は拡大されるのか、この程度であるのか、この点であります。  もう一つ、次には本法案は国際的に不足する物資を主として対象しておるものと考えられますが、第二條第一項第三号では国内において供給の特に不足する物資についても適用される、その際「公共利益を害するおそれ」というのは如何なる事態を指しておるのか、先ほどの電力の問題をちよつと申されましたが、これは解釈によつては何とでも解釈できる言葉であると思います。政府はそれをもつと具体的に説明して欲しいと思うのであります。  もう一つ法律案内容説明によりますと、この統制国際情勢の激変、天災、異常渇水等の場合、即ち異常時にのみ行われるようになつておりますが、そういう異常な突発事故が起らない限り第三号の物資は不足することはないと見ておるかどうか、この見通しにつきましても御説明願いたい。以上であります。
  11. 福田篤泰

    政府委員福田篤泰君) お答え申上げます。先ず最初の本法案の趣旨と申しますか、根本精神と申しますか、これにつきまして御説明申上げたいと存じます。先ほど来御説明申上げました通り、従来政府相当範囲に強力な権限を持ちまして独自の判断でいろいろの物資統制なり割当をやつておりましたものを、この際はつきりと国会審議というものにかけまして法的根拠に基いたものだけしかできない、強い政府の広汎な権限というものをむしろ制限的に持つて行きたいというのが一つの狙いでございます。又従いまして今後の五品目以外どうかという御質問でございますが、これにつきましても現在の見通しといたしましては、今のところ殖やすというよりはむしろできれば成るべく整理したいというような心がまえでおります。  それから第三項の、いわば公共の利害に重大な支障を及ぼす場合云々という場合につきましても、極めて例外的、又緊急的な場合のみを考えておりまして、先ほどお話申上げました昨年度の渇水におきまする電力確保について、電力用配炭についてとりましたような場合のみを考え、この点につきましても成るべく止むを得ないという場合のみを想像いたしまして、当然本法の取扱につきましても、十分そういう建前で進んで参りたいと存じます。  なおその他の点につきまして、詳細につきましては次長に答弁いたさせます。
  12. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 御質問ありました使用制限の問題でございますが、先ほど申上げますように現在いたしておりまする使用制限は、ニツケル並びにコバルト関係のものでございます。樟のほうは暫定的でございますが、これは六月末に廃止になつております。なお稀少物資につきましては、稀少の金属につきましてはいろいろ国際的に使用制限の基準をきめて勧告して参るというような向きもございますし、アメリカにおきましても相当強い使用制限をやつておりますので、タングステンモリブデンにつきましては近く使用制限措置をとりたいと思つておりますが、ただこういうふうな稀少金属につきましては使用制限と申しましても、そういう稀少金属の特別な性質、化学的並びに物理的性質からいろいろ使つておるものでございますので、いわゆる不要不急用途があるわけでございませんから、従つてそういうような重要用途に差支えないように、比較的狭い範囲で而も効果の挙るようにいたしたいと考えております。なお銅の問題につきまして、いろいろアメリカ方面で日本の銅の使用状況につきましては、云々の声もございますので、これらにつきましてはいろいろ加工業者が、非常に中小企業がたくさんございますので、これはむしろ愼重に考え、必要になりましてもできるだけこの影響の少いような形でやつて参りたいと考えております。以上挙げましたもの以外は、差当りまして使用制限を行うという考えは持つておりません。
  13. 竹中七郎

    竹中七郎君 今の問題で政務次官は、公共利益とか、或いは天災地変というものが電力だけだというのでありますが、電力だけですか、ほかに何か次長から……どういうことを考えられるのでありますか。
  14. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) どうもなかなか予想をするのはむずかしいのでございますが、例えば、例えばになりますので恐縮でございますが、一例としましては、国際的な大きな変動というふうなときになりますと、これは石油初めその他の物資輸入をやるのは困難であるという点もあろうかと思います。或いはそういうときには特別な、例えば交通機関或いは公共的な施設等に参らん場合もございますので、そういうときにはこういう措置をとることもあるかと存じております。天災地変等の場合でも局部的でございますればこれほどの法規を発動する必要もないかと存じますが、まあ異常渇水みたいなものが、全国的に参るような場合になりますと、或いはこういうことがあるかと思います。そのほかに或いはあるかも存じませんが、どうもこれは仮定の問題でございますので……。
  15. 竹中七郎

    竹中七郎君 そういたしますと、結局平和が続けばこの物資は先ず政務次官が言われた通り平常であつて、国際問題がやつて来ると、この法律でだんだん入れて行く、こういうことに承わつてよろしうございますか。
  16. 福田篤泰

    政府委員福田篤泰君) 国際関係の異常な一つの激変があるときには、そういう場合もあろうかと存じます。現在のところ、我々としてはそういう見通しを持つております。
  17. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は先ず今竹中君が質問された、いわゆる三号物資適用の点についてもう少し詳しく伺いたいと思うわけであります。それでここに挙げられたのは「国際情勢の激変、天災、異常渇水」による……これは電力ということをはつきり書かれたほうがはつきりするのではないかと思いますが、「……等の場合において、」ということになつております。そこでこういうような事態が起きたときに、調整措置をとられる物資というものは、大体どういうようなものを予定せられておるのか、項目別に承わりたいと思います。国際情勢の激変のときはどうだ、天災のときはどうだ、異常渇水のときには何が当るか、そういう点を只今研究せられておる範囲内において、具体的にお述べを願いたいと思います。
  18. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) これは研究の段階でございますので、必ずそういう申上げまするような措置をとるとは断言できませんが、異常渇水の場合におきまして、それが長く続いて、昨年の秋みたいに電力用炭の確保が焦眉の急を告げるということになりますと、電力不足が公共利益を害することになりますので、電力用炭を例えば優先的に出荷させるとか、或いは電力用炭以外のところに讓渡するのはこの程度に制限するというような措置をとることが考えられるかと思うのであります。国際情勢のほうは、これはどうも情勢の出方如何によりますので、又この輸入物資範囲もたくさんございますので、従いまして仮定の範囲になりますが、例えば、又「例えば」でございますが、戰争が起つてタンカーの配船がきかなくなる、日本向けタンカーの配船が非常に少くなるという場合になりますと、それに使用するところの重油を使用いたします、例えば汽船でございますとか、或いはガソリンを使用いたしまするバスでございますとか等に対して、優先的に売れとか、或いはそれ以外のものに対しては讓渡の数量はこの程度にしろとかいうふうな措置を講ずることになるかと思います。これは一つの例でございますので、国際的な関係のほうは、実はいろいろな確定に待ちますので、我々はまだ具体的な研究はいたしておりません。
  19. 栗山良夫

    栗山良夫君 それじやもう少し突込んで伺いますが、この国際的情勢の変化という中には、例えば最近警察予備隊が十一万に殖え更に二十万に殖え、三十万に殖えて行くというような構想もおぼろげながら漸次明らかになりつつあります。或いは又最近あなたがたがよく御承知のように、日本の特定な産業に対しまして、名前は適当であるかどうかは別としまして、新々特需というような名称で以て兵器生産のことなども構想に上つておるようでありますが、そういうような仕事、これはやはり国際情勢の変化に推移してとられる一つの措置だと私は考えるのでありますが、そういうものについてこの第三号物資需給調整措置がとり得られることがあるのかどうか、この点を承わつておきたい。
  20. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 今御質問のありましたような場合におきましては、そういう事態におきまして需要の殖えますものとしましては、むしろ例えば金属関係でありますとか、或いは繊維、皮革の関係のようなものかと存じておりますが、そういうことになりますと、そういうふうな物資が多量にそのほうに参るといたしましても、おのずから数量的には限度があろうかと考えておりますのと、従つて国民経済の正常なる運行に非常な支障を来たすという場合にはなかなかなりにくいのではないかと考えておりますのと、もう一つはそういうふうな物資の性質といたしまして、公共利益を害するような性質の品物或いは量になるかどうかということになると思います。まあお挙げになりましたような例ございますれば、私はそういうこの三号に該当する場合は比較的少いだろう、むしろないのじやないかというふうに見ております。
  21. 栗山良夫

    栗山良夫君 そのない、あるは一つの見込を立てて議論するわけでありますから、水掛論になる虞れがありますが、相当多量な物資がそういう方面に注入されるということになれば、国内のあなたがたのお作りになつておる各方面の一つの総合された生産を上げて行くための調整が乱れて来るということは、これは十分私は素人でも考えられるのじやないかと思いますが、この点は如何でございますか。
  22. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) そういうふうな問題につきましては、むしろ行政協定に基きまする合同委員会等におきまして調整して参るというふうな話合いになつております。安定本部もその関係物資調整のほうの委員会加入参加いたすかと存じておりますので、従つて先方の所要の物資との時期的並びに数量的な調整を図つて参りたい、その際は国民経済運行に急激な支障を来たさないように調整して参ることになるかと思つております。
  23. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますと、只今御説明を願つた臨時措置は、国際情勢の激変ということが一応調われてはおりまするけれども、割合にそのウエイトを軽く考えまして、平時の国内措置である。そうして文字通りここに書かれておるような国際情勢の変化に対応するものは行政協定による合同委員会の協議によつてこの法律とは又違つた考え方を持つて施行せられる、そういう工合に考えていいわけですか。
  24. 福田篤泰

    政府委員福田篤泰君) 御質問の通りでございまして、飽くまで第三号の対象物資となるものは国内的な観点、即ち公共利益を害するという社会性、公共性の立場を重点に置いておりまするので、例えば日米経済、或いは今お話に触れました国際情勢、乃至は日本の新憲法下における防衛力の強化、予備隊云々というような点につきましては、又別個の観点に相成るかと思いまして、飽くまで本法の第二條の第三号の対象とする物資は、社会的公共的な見地からこれを考えて行きたいと思つております。
  25. 栗山良夫

    栗山良夫君 今私が指摘いたしましたように、そういうような工合に国内的な問題が中心でない仕事のために、限られた国内計画生産をいたしておる物資が重点的に使用せられて来たときには、この公共利益を害するような方向に相当私は強行されるのではないかと思うのです。そのときに国内法はこれでありますけれども、そういうような事態が起きたときには、行政協定の履行の面で止むを得ないのだということになりますと、やはりこの法律よりも行政協定のほうが優先するというふうに考えなくてはいけないわけですか。
  26. 福田篤泰

    政府委員福田篤泰君) 先ほどちよつと話に出ましたが、例えば司令部のほうから銅の問題について、アメリカ国内の輿論を例に引きまして、相当強い実は御注意といいますか、勧告と申しますか、内示があつたわけです。この点につきましても我々といたしましては、飽くまで国内の中小企業に対する配慮という点から、單に国際的に不足しておるというだけで、形式的に我々が相当思い切つた処置をとることは差控えたいということも実はいろいろ説明をいたしまして、了解を得ておるような状況でありまして、飽くまでこれは国内的な、そうして又国民経済運行を円滑にするということが重点になろうと思います。
  27. 栗山良夫

    栗山良夫君 じや、もう少しほかの例を挙げて結論的なことをお伺いしたいと思いますが、実はこの第三の物資には、いわゆる自由貿易における輸出の問題を越えまして、特定の物資を特定のところへ輸出しろというようなものが相当あるはずなんですね。具体的にセメントとかいろんなものがあるわけです。そういつたような輸出の慫慂はこの法律でおやりになるのか、何でおやりになるのですか。
  28. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) お話のありましたような輸出促進という場合におきましては、むしろそういう品物が輸出されました結果、国内に支障を生じて公共利益を害するかどうかということになるかと存じますが、まあ予想しますような物資では恐らく公共利益を害するというまでにならんのじやないかと思つております。従つてこの法律ではでき得ないと思つております。なおそういうふうな場合には、むしろ法規の力を使用せずに、行政的措置によりまして、勧告等の措置によりまして、円滑に輸出の手筈を進めて参つたほうがいいかと存じております。かたがた法規的な統制措置によりますとむしろ輸出をするために国内で問題が起るというような場合は、この輸出の量とか、或いは時期とかを行政的に対外的な面で調整して行くのが適当かと存じております。
  29. 栗山良夫

    栗山良夫君 例えばセメントに例をとりますと、セメントは現在でもこの需給バランスは若干私はとりにくい状態になるのじやないかと思います。更に今安定本部計画されておるような電源の開発をやるということになれば、これは恐らく崩れて行くのじやないか、そういう場合に、電源開発ということは公共の福祉のために是非とも行わなければならんということが相当強く言われております。その電源の開発がセメントを輸出することによつてできなくなるということになれば、この法律に直ちに該当して来ると私は思うのでありますが、そういう場合に、只今御説明を願つた中には、その意味のことがないわけでありますが、それもやはりこの「国際情勢の激変」という分類の中で処理をすることになるわけですか。
  30. 福田篤泰

    政府委員福田篤泰君) 今電源開発と、その重要な資材のセメントの問題がありましたが、私ども、今の考えでは、これは輸出に対して特別の要請があるというような場合は、これは占領下では非常に考えられますが、御承知の通り近く独立をいたしますし、輸出入貿易、特に輸出に関しまして飽くまで自主的な我々の判断が当然行われて然るべきではないか、従いまして国内の経済建設に対して非常な支障を與えるようなことを或るほかの国から申して参りましても、我々としましては当然これは拒否いたしまして、飽くまで自主的に判断するだろうと思います。
  31. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういう工合にはつきりと御答弁を願えば、私はそれ以上ちよつと質問をすることがないことになつたと思います。それでは更に、国際的なものはやめまして、天災的なことを伺いますが、天災的な場合に、例えば日本の国内の或る地域に非常に大きな天災が起きた、これの復興を急がなければならんというときには、木材、セメント、瓦その他亜鉛板に至るまで相当な資材が要る、そういうときには自由にしておきますと、今までの例でもありまするように、業者の思惑によつて価格などが不当に吊上げられるというようなことがままあるわけであります。今後も恐らくあり得ると思いますが、そういうような場合には、相当広汎な物資に対して、この第二條第二項の発動をせられる御用意がありますか。
  32. 福田篤泰

    政府委員福田篤泰君) 天災地変という点でございますが、これは例えば非常に広範囲な、そうして質的、量的に見ましても、物資の点から緊急処置をとらなければならんというような場合には、非常的な一種の行政措置に任せられると思いますが、天災の例も出ましたが、私は第三号の対象物資に関して天災というような大規模なものは考えられる可能性が非常に少いのではないかと考えております。できた場合にはむしろ行政措置による場合のほうが多いのではないか、こういうふうに考えます。
  33. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますと只今御説明を頂いた天災等の場合において、「緊急に重要物資需給調整措置をとる必要がある」という場合は、あなたの御説明では、ないということになるわけでありますか。
  34. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 只今の政務次官の御答弁を補足いたしますが、天災の場合でも、例えば濃美と関東地震が一緒に起るというようなことは、これはあり得ないだろうと思つておりますが、通常はそういうことを考えませんので、今の政務次官の御答弁があつたのだと思つております。従いましてこのお手許の御説明のほうも、そういうふうな特殊な場合にあり得るかということで説明を加えたのでございます。
  35. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますと、この天災は大天災地変ということですか。
  36. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) そうでございます。
  37. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると大天災地変の場合には、公共利益を守るために、若し只今私が指摘いたしましたような、罹災者が非常に迷惑をいたすような業者の投機的な思惑が行われたという場合には、物資の転入と、それから価格の公正妥当なる抑制措置というようなことも、併せてこの法律によつてこういう工合に行い得るし、又行なうべきものである、こう考えてよろしうございますか。
  38. 福田篤泰

    政府委員福田篤泰君) 先ほど次長から第三号に該当する場合を極めて例えばという表現でいろいろ例を御説明申上げた次第でございますが、これも非常に少い可能性と申しますか、万一の場合を一応例示的に御説明申上げた次第でありまして、只今お話の、御指摘の天災地変というような場合の一定の物資が非常に暴騰するということにつきましては、先ほどお話申上げましたように、その点についてはむしろ行政措置、例えば物価統制令、暴利取締に関する発動によりまして抑え得るのではないかというように考えております。
  39. 栗山良夫

    栗山良夫君 それはもう少しそういう事態が起つたときを考えなければわかりませんけれどもいわゆる商行為を行う人が価格の吊上げということを念頭においてやりまする場合には、その考え方によつて必要な物資が必要な量だけなかなか敏速に集まらないという状態を現出することはこれは常識的に考えて明瞭だと思うのです。従つて行政措置だけでは資材を緊急にその地点に集中するということは私はなかなかむずかしくなるのではないか。こう考えますので、この法律にわざわざ御説明を頂いたような内容があるとしまするならば、政府側においてはそういう事態の起きたときには勇敢にそれを適用するのである、こういう工合に先ほどの海外輸出物資のときにお答えになつたような工合に明瞭にしておいて頂いたほうがよくはないかと思いますが、如何でしようか。
  40. 福田篤泰

    政府委員福田篤泰君) そういう極めて例外的な公共利益に対して非常な影響がある場合には、本法を活用いたしましてその弊害を除き得ると考えて差支えないと思います。
  41. 栗山良夫

    栗山良夫君 それからもう一つですね。先ほど電力の異常渇水の場合における電力用炭に対する措置については御説明を伺いましたが、それではなくてこれは一昨日も岩武次長といろいろお話合いをしたことでありますが、現在電力そのものを特定産業に対して割当をせられようとしている。そうしてそのために一般産業或いは家庭等には相当影響をこうむらざるを得ないような状況に私は見ているわけでありますが、そういう場合に電力の割当というそのものがやはりこういうような法的根拠の下に置かれるのか、或いはどういう法的根拠で今おやりになつているのか、そこのところをちよつと伺いたい。
  42. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 電力そのものの割当乃至は使用制限につきましては、公共事業会、これはポツダムの政令でございますが、これに基いてやつているわけでございまして、従つて本法にいう物資或いは品物には入らないわけでございます。法律的には向うのほうの規則でやつているのでございます。
  43. 栗山良夫

    栗山良夫君 公共事業会には今おやりになつているところまでやり得るようには私は明文はないのじやないかと思いますが、若しもあつたら一つ教えて頂きたい。
  44. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 今手許に公共事業会を持つておりませんが、たしか第五十五條か第六條かに根拠がございます。安い料金を以て使用し得る電力の量を指定し云々ということでございます。又キロワツトのほうの制限もこの條項の中に確かに入つていたと思います。大体それのこの條項を敷衍いたしましたものが現在の電気需給調整規則でございます。権根的には一応現在やつておりますことが公共事業会の中に含まれているというふうに見ております。
  45. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  46. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて。
  47. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今産業局次長の言われた電力の調整規則のほうは私ども承知いたしております。それはあなたのおつしやる通りでありますが、ただそのほかに、調整規則以外のことで只今私が指摘しているような電力の割当が行われているので、それは公共事業会にはないのではないか、どこにあるのですかということを私はお尋ねしておるわけであります。
  48. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 只今実際とつております措置は、標準電力量の割当と、それから制限の場合の休電日の指定、最大電力の指定並びに総電力量の制限措置かと存じております。いずれも公共事業会の、先刻お答えいたしました條項従つてやり得ると存じております。従つてその五十五條か六條かに基きまして、電力の需給調整規則ができておりますし、従つてその規則に基いて制限の公示ができるというような法律的なことに相成るかと思つております。
  49. 栗山良夫

    栗山良夫君 この五十六條は電気の使用制限の問題でありまして、個々の使用者に対して言われておる問題であります。従つて国全体のいわゆる電力という物資割当配給というような構想のものではないのではないか。
  50. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 御指摘のところは、確かに電力の需給計画、並びにそれを全般的に実施いたします根拠の法規ということに相成るかと存じております。この五十六條ではそういう点が明瞭に現われておりませんので、或いは若干これは規定の仕方としては或いは適当でないところがあるかも知れませんが、具体的に発表いたしました個々の措置につきましては、この五十六條列挙のもので一応相足りるかと存じております。なおこの点実は私も法律的にまだ研究いたしておりません。若し御要求でございますれば、或いは公益事業委員会のほうから答弁いたしたほうが適当かと思います。
  51. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今の問題は私は法律的に非常に疑問を持つておりますので、一つ安定本部のほうと公益事業委員会のほうとお打合せを願い、これはこの委員会でなくても結構であると思いますが、通産委員会におきましてこの問題をいたしますときに、一つ明快にその点を解明をしておいて頂きたいと思います。私ここ二、三日勉強しておるのですけれども、どうもはつきりしない。どういう権限でそういうことをおやりになつているのかはつきりしませんので解明をしておいて下さい。  それからその次に伺いたいのでありますが、この第二條の第一項に書かれている「別表に掲げるものに限るものとする。」と言われておりますが、これの品目の増減をいたしますときには法律で定めるわけでありますから、国会にかけなければならない。そうすると国会の会期の閉じられておりますときに、緊急にそういう改変をしなければならん事態が起きたときにはどういう処置をおとりになろうと思つているのか。
  52. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 立案をする際にその点を大分検討いたしたのでありますが、取りあえずといたしましては、国会閉会中におきましては、ほかのほうの讓渡使用等の制限措置で一応応急的な手を打ちまして国会の開会を待ちたいというふうに考えております。
  53. 栗山良夫

    栗山良夫君 わかりました。  それからその次に、この法律は明年まで一カ年間の臨時措置ということになつておりますが、一カ年経過したあとのことはどういう工合になるのですか。
  54. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 国際協力等の関係からこういう措置を続けて参る必要がなお存置いたしますれば、改めまして有効期限の延長をお願いすることになるかとも存じております。
  55. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから最後に、やはり先ほどの問題でありますが、例えば一定の物資に対しまして国際情勢の変変動とか、天災とか、或いは異常渇水等によつて緊急調整措置を講じなければならんという場合に、恐らくこういうものに該当する物資というものは相当量重要な物資であり、而も数量的にも相当まとまつたものだろうと思います。そうすると、普通の自由経済下における常識からいたしますれば、小売店で以て石鹸を一個買うというようなそういう簡單なものではないのでありまして、恐らく売買契約は相当長期に取交わされているはずだと思います。そうすると国の法律によつて只今申されたようなことが発動されましたときには、この取引をしている業者の間における利害関係というものは相当微妙なものになると一応考えられておりますが、そういうものに対する損失の補填等はどういうふうにお考えになつておりますか。
  56. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) そういうような場合の措置の態様を分けまして、一つは一般的に先ほど申上げましたように、特定の用途、或いは用途以外に讓渡すべからずというふうな一般的な措置を講ずる場合があるかと存じます。そういう措置の場合には、これは公共利益を守りますために適当な一般的な措置をいたしますので、これは従来の法律解釈の伝統によりますれば、これは国民等しく該当しその損失をこうむるのであるから特別の損失補償は要らないというふうな解釈になつております。従つてその場合には補償の問題は起り得ないというふうに考えております。ただもう一つの場合と申しますのは、別個的に、例えばAの販売会社に対してBに何を幾ら売れということでありますが、これはそういうように個別売買の場合におきましては、その相手方がその義務を負うのでありまして、そうしますとそれに不均衡な負担をかけますので、その際には補償の問題が起るかと存じております。従つて補償規定……、今のような場合になりますと讓渡価格、時期等は指定することもありますが、又その場合に起つた損失の補償ということも起り得るわけであります。
  57. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はこれで質問を終りますが、私先ほど非常に重要な問題で明らかになりましたことは、この国内法は国内法といたしまして、いわゆる行政協定の実施等から発生が予定される特定な方面に対しての物資の緊急需要が生じたような場合のことは、合同委員会物資会議というのがあるのでございましようか、そこで決定される、而もそこで決定される場合には、十分この法律に謳われているような公共利益を害しないような程度において行われるであろうという見通しを政務次官が今述べられましたけれども、これは非常に重要なことでありまして、従つてこの委員会、この法律案審議し結論を下して行く経済安定委員会に私はお願いをしておきたいのでありますが、そういう点は通産委員として発言をしましたが、どうか経済安定委員会のほうにおきましても、更に深く掘下げて一つ政府の所信を質し、過ちのないように、公共利益を害さないように、害することの絶対に起きないようなことにしておいて頂きたい、こういうことをお願い申上げておきます。
  58. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今の栗山君の御注意につきましては、今後の経済安定委員会の審議におきましても十分尊重いたしまして審議いたしたいと思います。速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  59. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて下さい。
  60. 中川以良

    中川以良君 この不足物資臨時措置につきましては、先ほども政務次官からちよつとお漏らしになつたのでありますが、関係方面からの内示慫慂があつたと承わておりまするが、その際には一体どれくらいの物資が内示をされたのでございましようか。一応それを承わりたいのであります。
  61. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) ちよつと私失礼いたしまして、現在その原本を持つて参つておりませんが、たしか十二か三の品目があるのでありまして、ただこの意味を先方に質しましたところによれば、これは品目を例示しただけのことで、それらの物資について必ずしも全部統制、殊に使用統制でございます、いわゆるエンド・ユース・コントロールでございますが、それをやる必要があるというふうな意味ではない、国内の事情も考え、或いは諸外国における統制状況も考えて逐次研究したらいいだろうというようなふうにも考えております。
  62. 中川以良

    中川以良君 そこで政府のほうでは国内の実情等を十分御検討になつて、それを今別表に掲げておる一応五品目にお定めになつたと思うのでありますが、十幾種類のものの中の五品目だけをお取りになつたのでありますが、そのほかのものはこの第二條によるところの讓渡或いは使用制限措置をとらなければならんというようなものが一体あるのですかどうですか。
  63. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 先ほど申上げましたニツケルコバルト、これは現在始めておりますからそのまま作業いたしたいと存じますが、そのほかにタングステンモリブデンの問題がございます。これも近く使用制限措置をとりたいと思います。それから先方のほうの案にありましたものでございますが、紡績などに使いますカーフ・スキン、ヒツプ・スキンという皮の一種がございます。これはいろいろ研究して参りますと、非常に使用制限のやり方がむずかしいという技術的な問題がございますのと、もう一つはいろいろ外電の伝えるところによりますと、アメリカ国内におきましても需給が緩和して参つて向うのほうの使用制限等は撤廃されるやの情報がございますので、これはむしろ状況見送りということになつております。なお先ほどちよつと申上げました銅の問題につきまして、或いはそういうふうな措置が必要であろうかというようなこともございます。と申しますのは、現在国内では銅の生産九万トン前後でございますので、一応需給関係は緩和しておるわけでございますが、御承知のように国内生産のうちの約四割程度はスクラツプと言いますか、屑銅からの精錬でございますので、而もその品物は戰災品等もございます泉、だんだん減少して参つておる。そうしますと新らしい鉱石からの製品はまあせいぜい五万トン前後じやないかと見られておりますので、そういたしますと今年の終り、或いは明年になりますと、どうしても鉱石の輸入等の措置が必要になつて来るだろうと存じます。ところが世界の鉱石はどの鉱石も御承知のように主要なる生産国であるアメリカ方面或いは西ドイツ方面も、いろいろ南米の鉱石でありますとか、或いはフイリツピンの鉱石等にも手を出しておりまして、なかなか日本のほうで鉱石を輸入する余裕が非常に少いわけでございます。そういうときに国際的に日本向けの銅鉱石の輸入調整してもらう必要があるとも存じておりますが、そういう際日本においてふんだん銅を使つておるというふうな印象を與え、又事実或いはそうだといたしますると、なかなかそういうふうな措置もむずかしいかと存じます。まあ理窟を言いますと、銅の鉱石は原料割当会議割当物資でございませんで、製品の地金だけでございますが、事実上会議を動かしておりますのはアメリカと西欧諸国でございますので、その方面との鉱石等の調整も地金のほうで或る程度国内制限をしておりますれば、或いは鉱石の調整等もつきやすいかというふうな実は見通しもございますので、銅については実は使用制限を或る程度やるのが適当ではないかというふうなことで目下通産省等とも愼重に検討しております。まだ最後的の結論が出ておりませんが、或いはその影響を比較的緩和した形で法律施行後の時期におきましてやることに相成るかとも存じております。
  64. 中川以良

    中川以良君 今の御説明で差当り今の讓渡使用制限品目というものは大体わかつたのでありまするが、それ以外のものは今直ちにおやりになるような御意思がないと私は承知してよろしうございますか。
  65. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) さようでございます。
  66. 中川以良

    中川以良君 そこで今お話のあつたカーフ・スキン、それからヒツプ・スキンの問題であります。これは先般も私は通産委員会においてこの問題を捉えて質問をしたのでありまするが、実際実行不可能なことを関係方面の慫慂があつたからと言つてやりまして、日本の産業を乱すようなこと、徒ちに机上の空論だけを弄ぶような規則は作るへきじやないということを強く主張したのでありますが、幸いにこれがよく了承された点私は非常に欣快に存ずるところであります。願わくば、今後もそういうようなことがないように一つ十分に御検討頂きたいと思うのであります。そこで今後この新たに品目をお作りになる場合には、この法律にございまする審議会に一応御諮問になるという御形式をおとりになるのかどうかということを伺いたいのです。
  67. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 審議会に細かい点までは事の性質上お諮りするのが適当ではないかと存じておりますが、ただ一般的な傾向並びに使用制限をいたそうと思う物資の名称等は付議するのが適当かと存じております。従来も大体そういうことで運営しております。
  68. 中川以良

    中川以良君 審議会が、この法律が通ると来月には直ちに構成をされるのでありまするが、この審議会の委員の構成に関しまして、その大体基準というようなものがございますでしようか、それを一つ承わりたい。
  69. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) 実は現行物調法におきましても同名の物資調整審議会というのがありまして、委員十五名がすでに任命済みでありまして、この基準といたしましては、大体産業界の重要分野の代表のかたがたと、並びに産業に関連いたしまするが、例えば金融でありまするとか、或いは輸送でありますとか、というふうな関連事業のかたがた、それから消費者のほうの代表のかたがたをも入れております。なお学識者というふうな意味を以ちまして、経済方面に明るい学校の教授のかたがたもお願いしております。
  70. 中川以良

    中川以良君 願わくは審議会が徒らに官僚独善の審議会になりませんように、十分に業界の意思その他一般需要者の意向というものが代表されまするような審議会をお作りになることを希望いたします。  それから今後これらの稀少物資等につきましてできるだけ混乱を招かないようにいたしまするために、業界における自主的統制というものを一層やはりやつて行かなければならんと存じますが、それに関連いたしましても、何と言つても今の事業者団体法改正が最も急務だと思います。本日かの新聞を見ますると、事業者団体法改正につきましても大体の腹案が政府でもできたように承わつておりまするが、この点につきまして一つ政務次官からお話を承わりたいと思います。
  71. 福田篤泰

    政府委員福田篤泰君) 中川委員の御指摘になりました事業者団体法改正でございますが、誠に御尤もでございます。私どもも十分注意してこの点を見ております。御承知の通り公取で今いろいろ案を練つておりますが、我々もいろいろな意味で意見を述べて、いいほうに持つて行きたいと考えております。
  72. 中川以良

    中川以良君 御検討中のようでありますが、新聞にはすでに相当詳しく出ておるようでございますが、一つ十分安本では特にこの点は前から主張を安本長官もしておられまする重要問題でございますので、一層一つ御検討を加えて頂きまして、これはまあ事前に一つ国会等においてお漏らしを願つて国会の意向等も反映をいたしまするように、是非御努力を願いたいと私希望いたしまして、質問を終ります。
  73. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  74. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて下さい。
  75. 小滝彬

    小滝彬君 次長にちよつとお伺いしたいのですが、先ほどモリブデン使用制限を考慮中だというお話でありますが、私はモリブデンの事情を十分は承知しておりませんが、モリブデンの中小鉱山というのは日本には相当あります。然るに通産当局あたりにおいては今後モリブデン供給が少くなるというと自然輸入量が減つて来る虞れがあるから、今の際アメリカ側で考えてもらえる時代に相当入手しようというので輸入が継続されて、そのために鉱山のほうは実は生産価格のほうが国際価格に比しては多少上廻つておるために、この鉱山は今財政的にも非常に行き悩んでおるというのが実情であります。そこで私自身の考えから言えば、或いは金特会計で輸入のものを買上げて、そうして放出を差控えるいろいろの手を打つことが必要だろうと思いますが、これについて当局のほうではどう考えておられるか。先ほどの次長の説明では、成るべくこの種の品物については輸入をしないようにして、そうして需給調整を保とうということを申しておられましたが、成るほど使用制限することもこうした事態に対応する方法でありますが、同時に国内の産出を殖やすということは、それ以上に積極的に私は必要だと思うのですが、このモリブデンについてもう少し簡單で結構ですから、当局のお考えなり、今の需給関係、私の見ておる需給関係と今次長の申されました需給関係とは多少差があるようでありまするし、その点を御説明願いたい。
  76. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) モリブデン等のこの国産の増産につきましては、まあ二十七年度におきましては、開発銀行のほうの融資の対象にいたしまして、極力増産を推進して参りたいと存じております。ただ何分この国産だけでは当座この需給関係も保てませんので、或る程度はやはり輸入しなければならないかと存じておりますが、片一方この価格関係もこの輸入品に比べまして、或いはその鉱山の採鉱状況等からしまして、或いは製錬の状況等からしまして、若干高くなるものもあるようでございますので、そうしますと、片や消費者のことも考えなければなりませんので、まあ或る程度これは輸入は止むを得んかと存じております。ただ申上げましたように、国産で或る程度賄えるものならできるだけ国産で賄つて輸入を減らすというのは、これは申上げるまでもないことであります。なお金特のほうの買上げの問題、これも大分研究して参つたのでございますけれども、これはまあ御承知のような特殊の事情でできた特別会計でございますので、国産品の買上げということもなかなか主張が通りにくい点もございますので、現在のところでは止むを得ずこの輸入関係品物で特需に当てるものだけということにいたしたいと思いますので、国産品の買上げにはちよつと二十七年度は間に合いかねるかと存じております。
  77. 小滝彬

    小滝彬君 特殊の需要に対する輸入の必要性はクオリテイの点から見て当然私も異議を唱えるものではないのですが、今の使用制限にだんだん一方のほうでは使用範囲を狭められるというふうになるというと、そこに今の国内産があるのに対して一つの矛盾がありはせんかということを感ずるのでありまして、特別会計で買上げるということは、成るほど今の政府のほうでは、無理で、むずかしいであろうけれども、今の次長の説明のようでは開発銀行の話も出た、実際問題としてはそれが進んでいない、そういうような点からして、使用制限の緩和とか、もう少しモリブデンの特殊の事情というものを考慮した政策をやられる必要がありはせんかと思いますが、その点については、この実情を考慮に入れて制限措置をしてもらいたいということを希望いたしたいのであります。  それからもう一つ……すぐ簡單に済ましますが、次官のほうから中小企業の立場も考えて銅の使用制限についてはよく日本の立場を考えておるのだという御意見があつて、非常にこの点御尤もと思つて私も敬意を表するのですが、ただ併し、実際問題として、今中小企業関係の連中は、今の法律案についても相当の懸念を持つております。それから輸出産業でもニツケル会社は非常にこの点について心配をしておるわけなんですが、一体先ほどの説明では、まあ概括的な見通しはそう悪くない、そういうお話でありましたし、又竹中委員も今朝の新聞を引用いたしまして、アメリカのほうは軍拡が多少停頓関係のためかだんだん制限を緩和しておるような状況だというお話がありましたけれども、特にこのニツケルについては、中小企業の立場というものをよく考えて頂きたいと思うのでありますが、アメリカからの輸入、この表で見ますと、相当量に達しておりますが、これに対する見通しはどうですか。次長の御説明をちよつと……。
  78. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) ニツケルは昨年の上半期経験しましたような、非常にこの輸入確約困難というふうな状況は大分緩和して参つたようでありまして、現在もいろいろニツケルメタルと抱合せにスクラツプ、ニツケルスクラツプ等の輸入の引合い等があるようでございます。で、一時よりか割合緩和をして取得のほうもかなり容易になつたかと存じおります。ただいろいろ取得の手続としまして、どういう用途に幾ら使うのだとかいうふうな細かいバツクデーターをつけましてやつておりますので、勢いそういうときにやはり或る程度制限をとるというふうな態勢が必要かと存じております。なおこの国産のほうは御承知のように、ニツケルの製錬助成法を設けまして目下四国の新居浜におきまして輸入鉱石による製錬設備が完成しかかつております。近くスタートすると存じております。なおそれからもう一つは、ほかのほうの製錬所等におきましてもニツケルのマツト、或いはスクラツプ等から製錬するというふうな企ても大分あるのであります。恐らく二十八年度におきましては、そうたくさん輸入せんでも済むのじやないかと思つておりますが、ただ何分鉱石或いはスクラツプ、マツト等の輸入を仰がなければなりませんので、そのほうの鉱石関係がニユーカレドニヤ或いはセレベスでありますとかの方面が或いはカナダ、フランス等の関係でなかなか十分に参らん点もあるようであります。まあそのほうの問題も若干あるかと思います。いずれにしましても、ニツケルも先ほどのようなお話のように、価格関係等或いは輸入したほうが安いのではないか、鉱石を入れまして、日本で精練すれば若干高くなるのではないか、この辺も国産の保護と消費者の利益の保護と若干矛盾すると思います。何とか調整して参りたいと思います。
  79. 小滝彬

    小滝彬君 もうこれでやめますが、この表に出ております数量というのは、大体輸入可能だという見通しでこうなつておるのですか。それともこれは大体需要を見て、これだけは輸入しなければならんという希望の数量ですか。どちらですか。
  80. 岩武照彦

    説明員岩武照彦君) これは正直に申上げますと、輸入を希望する量でございます。併しまあいろいろニツケルなんか御承知だと思いますが、希望通り来るときもありますし、又いろいろなトラブル等起つて向うのほうが抑えられることもございますので、なかなかそれがそつくりそのまま取得可能かと申しますと、これはちよつと可能とは申しかねます。できるだけ努力いたしたいと思います。
  81. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) あと経済安定委員のかたでありますので、一応今日の委員会はこの辺で打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 先ほど通産委員長と相談しましたところ、大体今日で通産委員関係の質問は終了する予定だというお話であります。従いまして特別に通産委員からの発言がありました場合には、経済安定委員会に移りました後におきましても、委員外発言というようなことで優先的に取扱うということを前提にいたしまして、この連合委員会は他日で以て一回きりで打切りますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ではそのようにいたします。  では連合委員会は特別に発言がなければこれで打切りたいと思います。    午後三時五十三分散会