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衆議院議員(福田一君) その点におきましては、まあ具体的に天竜川の問題が出ましたから一応お答えいたすのでございますが、国土総合
開発的な
意味も天竜川の場合には多分にございます。更に又この補償の問題その他につきましても
特殊会社でや
つたほうがや上りよいのではないかという理由もございますが、主なというか、もう
一つの大きな原因は、実はこれは二つの
電力会社が、
一つの会社を作
つてやられましても、実は
資金の面ではどうしても政府の援助を仰がなければできないのでありまして、
資金の面で自己
資金だけでできるという見通しは私はついておらないと思うのであります。その
関係者のおかたに伺いましても、そういう会社を作
つてそこに政府の金を廻せ、こういうことをよく言われるのでありますが、政府の金を出すという場合におきましても、この
資金を貸付けます場合と
財政資金を出資する場合とがあるのでございます。
財政資金を出資するということになりますれば、これはもう
特殊会社でございまして、そういうような
財政出資をするものを河川別に作るということはどうであろうかというのは我々の
考えでありますので、ここで天竜川の場合において私たちと
意見が違うわけでございます。然らば政府から金を貸付をする場合にはどうなるかということになりますと、これはいわゆる
財政出資をいたします場合においては
建設中の利息を取りません。それから又配当も六分
程度でよろしうございますから、御
承知の
通り電源の
開発というものは結局利子がものをいい、配当がものをいうわけでありまして、
従つて電気が高く
なつたり安く
なつたりするのでありますから、そういう
意味合いで見ても政府が貸付ける場合においては相当高い
電気に相成ろうかと存ずるのであります。政府出資の場合においてはそういう割合に安くなる面も出て来るかと思うのでありまして、それらの面もいろいろ考慮いたしまして、私たちはこの
特殊会社でやりましてそれを譲渡或いは貸付をするということであれば、結果においてやはり九
電力会社がこれを取得し、或いは又これを運営するということにな
つて何らそこに個々的におやりにならねばならんと言われる人との間に結果においての相違が起きないのじやないか、又私たちがそういうことを
考えておるときに殊更にそういう問題を出されるのは、平たい言葉で言いますといやがらせといいますか、何かそこに割切れないものが残るような感じがいたして仕方がないのでありまして、私たちとしては
併しそういうことをやられるのは、とにかくこれは早くやらなければならんのだからその準備をしておるのだという
意味において決して悪意的に
考えようとは思
つておりませんけれども、
併しその準備をされる
程度ならよろしいが、もうそこで会社を作
つてしま
つて法案ができる前後においてそういうことをされることは或る
意味においてやつぱり和を保
つて行くというゆえんではない。
電源開発というものは国力を挙げてやるのだというときに、やはりこれはみんなで和を保
つて落着くところに落着けて行きたいというのがその気持でございまして、そういう
意味合いでも栗栖さんが仰せられたところの一線を画するという気持は、今言いましたような総合
開発とか、或いは政府の
財政資金を出さねばできないというような
財政の面からの問題、それから総合
開発の面からの問題、或いは補償の問題、これらのものをいろいろ
考えて見てそれで民間ではできないようなものをここでやるのであ
つて、或る
程度のものならば成るべくならこの
電力会社にやらせたい。なおもう
一つ特殊会社がやる
地点ときめました分でも小さい
発電所のようなもの、今言
つたような
意味で余り
影響のないようなものは成るべくなら九
電力会社とよく話合いをして、そうしてこの会社の監督のやり方で以てそういうような会社に実際のそういう
仕事をやらせて行くというようなことも私たちとしては考慮をいたしておるのでありまして、その面ではできるだけ
電力会社とも協調して行きたい。かように
考えておるわけでございますから、どうぞ御了承願いたいと思います。