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衆議院議員(
福田一君) 先ほどの借入金或いは借金の問題でございますが、これは実は
政府資金を擁護するという
意味においてこの規定を設けておるのでございます。一般の
九つの飢力
会社に対しまするのと同じような規定にしておるのでございますから、その点は一応御了承願います。従いまして私どもは、それほど弊害が起るとはその面では
考えておらないのでございます。なお
只今関西のおかた
たちが大変反対をされて、官営も又このような
特殊会社というものも、今までにはしばしば失敗を起しておるものであるが、なぜこういうような
特殊会社を
作つたか、こういう
特殊会社を作ることは弊害の面だけを備えた全社にな
つてしまいはしないか、こういう御
質問と承るのでありますが、私どもといたしましては、先ずその根本といたしまして、
昭和三十一年度までにどうしても四百八十億キロワツト・アワーの
電力を
開発しないと、
日本の鉱工業の生産を二倍にすることはできない。未稼動の工場も動かさなければならん。そうしてこの国民の生活水準を上げるようにして行かなければならん。こういう見地から四百八十億キロワツト・アワーを確保するため
電源の
開発が必要である、かように
考えたわけでございます。そうしますというと、今の
九つの
電力会社が出されて参りました
計画を見ると、大体二百五十万キロワツトをおやりになる、これは大変な御努力だと思いまして、私
たちも敬意を払
つておるのでありますが、これではまだ足りません。そこで
公営をやらす、更に
自家発をやらして見ましても、まだ足りない、まだ四、五十億キロワツト・アワー足りないので、これはこの
特殊会社でというか、国の力でやらなければいけないということにな
つて来るのであります。そこで国としてそういうことをやるという場合において、先ほど
結城さんも御指摘になりましたように、
工事をやります場合に国でやるということになりますと予算に縛られる、或いは
公務員等の規定に縛られて非常に
仕事がうまく行かない、だからこれは
特殊会社にする、それじやなぜ
民間の
会社に
政府の
財政資金を出してやらないのか、
民間の
電力会社に
政府の
財政資金を出してや
つたらいいじやないか、こういう御議論にも相成るかと思うのでありますが、併しとにかく私
たちとしては、大
規模なもので、そうして国でいろいろな
方面に
関係のある、特に
国土総合
開発に
関係のあるようなものでございますならば、これはやつぱり
特殊会社でやらしたほうがいいのでありますけれども、併し
資金の面さえ、又
工事の能力さえあ
つてできることがはつきりすれば、私はあえて
特殊会社に必ずせねばならんということを今まで申しておるわけではないのであります。これはまあ
審議会でおきめになることでありますけれども、それを申しておるのではないのであります。でありますからして、
特殊会社で以てやるということは、とにかく今
財政資金と言いますか、国の予算で以てそれで何年度にはどれだけの出資をしてやる、これは御
承知のように出資でございますが、その出資をするのに、それじや
九つの
電力会社に
政府が予算で以て出資をしてやる、こういうことにいたしますというと、それではいろいろの弊害が起きて来るんじやないか、国の予算で以て今年は
東京電力へは百億出資してやる、中部
電力へは五十億出してやる、東北へは三十億出してやるということになりますと、それでは第一に争奪戰が大変なことになります。事実問題としては各地の重力
会社の人がいろいろと運動に来られるということにな
つて、そういうような問題も起きて来るでありましよう。それに絡んでいろいろな疑惑の念を以て見られるようなこともありましよう。それだけならばまだ別としましても、とにかくそんなに
電力会社に出すなら、今後造船が必要だ、造船
会社にも
一つ政府資金を出してくれ、こういうことを言われたときに、これをチエツクする方法がないではありませんか。又こんなことをや
つた例は未だ曾
つてないのでありまして、私といたしましては、それはほかにも方法があるでありましようが、そういう
意味合で、とにかく国で
財政資金で賄な
つておるような
仕事については、これはやはり会計法の規定に基いてやればちやんと監督ができる、そういうような
会社でなければ……。私は国の
財政資金をどこの
電力会社にでも出すというような
一つの事例を開くということは、政治の常識論としてどうしても我々としては納得しかねるので、そこでこういうふうに
特殊会社を
作つて、そうして
政府が二分の一以上出資するということになれば、当然会計検査院の検査を受けることにも相成りますし、いわゆる
政府資産を監督するという空気がはつきりいたして参りますということになりますので、そういうふうにして金を出して行くより目下方法がない、こういう見地から出しておるのでありまして、私は成るほどあなたの仰せられた、今までのそういうような
企業形態のやり方がまずか
つたということについてあえて弁駁をするものではありませんが、これは今度おやりになる
人たちに是非とも
一つしつかりや
つて頂いて、そういうような目的が十分達せられるようにお骨折願うと同時に、監督
官庁としても十分そういう画も一丸を付けて、弊害に陷らないように
考えて行くように
一つ骨折
つてもらえば、私は目的が達せられるのではない。第一の目的は
電源開発ということ、どれだけ
電源開発が必要かというところから発足いたしておるのでございまして、いわゆる
民間企業体だけで
日本の欲しておるところの
電力が充足できるという確たる見通しが付きますれば、それはこの
法案というものも一応その提出の目的の大半を或いは失うかも知れません。併し私
たちとしてはそれはできない、こういう見解を持
つておりますので、こういう形よりいたし方がないのではないかと、かように
考えている次第であります。