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衆議院議員(福田一君) いろいろ今御質問になりました御趣旨は高能率である、それからまあ豊富低廉と言いますか、そういう意味においての電気ができるのではないか、それならば、その根拠を明らかにしたほうがいいのではないか、まあこういうような御質問と承わるのでございます。そこで少し長くなるかも知れませんが、
ちよつと大体主な試案として
考えておりますところを概略
申上げて見ますというと、先ずこの試案を作ります基礎となりましたのは、昭和九年から十一年の物価ベースを一といたしまして、二十六年の六月を三四四、十月が三五七、今年の三月が三五四という数字にな
つておりますが、大体において余り差がないのでございまして、大体三五〇前後、昨年の六月というものを基礎にいたして数字をはじき出しております。それからもう
一つ、この内容の点で、実は参考資料というのを見て頂いて
一つ御検討を願いたいのでございますが、この参考資料の3は二十六年の十二月五日に、例の電気料金の初めての値上げがございまして、そのときに
公益事業委員会が発電原価を計算いたされまして、出された資料があるのでございます。これを基礎といたしまして大体数字をはじいておるということを御
承知願いたいのであります。なお発電
地点を六、七カ
地点と
つておるのでありますが、こういうようなものは、北海道庁とか、或いは
建設省或いは通産省或いは安本というようなものが今までに
調査をいたしました数字を今の物価によりまして改訂いたしまして、そうして
建設費というものを一応出したわけでございます。そういうような基礎的な数字からいたしましてはじき出したものでございますが、そういたしますというと、既設の……3を見て頂きたいのでございますが、
電力会社は、水力によりますというと、今後やります水力は二円六十五銭に相成
つておるわけでおります。境野さんのところに資料
行つておりましようか……参考資料3というのを見て頂いて、そこの一番先きに
電力会社というのがございますが、その下に水力、火力、総合と、こう相成
つております。そこで水力をどういうふうにはじき出しておるか、これは三十一年までに、これから
電力会社がやる分を出してありますから御覧を願いたいのでありますが、それによりますと今言つたような基礎に基いて計算をいたしますというと、一キロワツト・アワー二円六十五銭、火力が六円二十銭、総合いたしまして三円七十五銭ということに相成るのであります。公営につきましては、水力は二円七十三銭でございます。自家発を除いておりますのは、作りましても自分の工場で使いますので、一般供給用にはなりませんので除いたのであります。次に
特殊会社でございますが、
特殊会社のほうは、一応これを貸すという建前にいたしまして、先ず
特殊会社が
建設をするとどういうことになるかというと、
特殊会社分とい
つて経費が出してありますのは、
建設した場合の数字が出してあります。その借受けた
会社が、今度は人件費をかけて運転して行くという場合におきまして、いろいろの
費用がかかりますので、その数字が出ております。その次の計というのは、一般の
電力会社と同じでありまして、人件費、燃料費、それが順にどういうようにかか
つて行くかということで、その数字が出ておりまして一円八十七銭という数字が出るわけであります。三十二年度になりますというと、
建設利息というものは出しませんけれども、配当をいたさなければならないので、そこでこの一円八十七銭が二円四十五銭という数字に相成
つておるのであります。六分の配当をするからでございます。それでその次の三十一年度の新旧設備総合発電原価想定というのを見て頂くと、
電力会社の分は今までにできております
発電所、それから三十一年までにできます
発電所を入れて、そうして計算をいはしますというと、ここに出ておりますように一円十三銭、今度は火力のほうが六円六十銭、これは新旧をいろいろ組合せまして、そうして能率の分も考慮をいたしますので、こういう数字に相成
つて参るわけでございます。それだけ総合いたしますというと、二円二十二銭という数字が出て参るのであります。公営のほうは前と同じでありまして二円七十三銭、これから作るだけであります。それから三十一年度においては
特殊会社は一円八十七銭、これを合計いたしますというと、これは数量であ
つて、キロワツト・アワーがどれだけ出るかということで、全部合計して行きますと二円二十二銭になる。ところが三十二年度になりますというと、今言つたような配当をいたしますので、これが二円四十五銭になる。併しこれを全部を総合いたしますというと、二円二十四銭でありまして、二銭上るだけでございます。これを要するに今
特殊会社がこれだけの発電をいたしますというと、そうすると全般としては二銭の値上りが一応出て来るということになるのでありますが、若しこれが
特殊会社がこれをやらないということになりますと、或いはその発電をしないということになりますというと、この
電力会社の火力というものがうんと殖えて参るわけでございまして、電気料金の二円二十二銭というのはもつと二円四十五銭になるか、これはまだ数字を差上げてありませんが、相当これが高くな
つて参るということは御了解願えると思うのでありまして、こういう意味合で、私たちはこれはどうしてもやらなければいけない、やることが豊富低廉な電気を国民に供給することになる。かように
考えてこの数字を立てておるわけでございまして、
一つこの資料を御覧願いまして、御検討をお願いいたしたいと思うのであります。