○
永井純一郎君
大臣に少し何
つておきたいのですが、
外資導入の問題については、例のマーケット談話が総司令部がある当時正式に発表がありましたが、まあ私
どもはマーケットと
大蔵大臣との話合いのときに、こういう
外資法を作
つたら
外資が入るだろうというような話が恐らくあ
つたのだろうと思いますが、この
程度の
法律をいじく
つたことによりまして
外資が入
つて来るというふうには
考えられないと思います。で、私は
大蔵大臣に伺いたいのは、マーケット談話では、御承知の
通り大体重要な点を三つばかり指摘しておるのであります。
日本の事業が
外国借款を受けるほどいい仕事があれば、先ず
日本の政府予算なり或いは民間筋の国内の融資をしたらいいじやないかというようなことを
言つておりますし、又
日本の今日の
経済、財政状態は援助をするようなことではなくて、非常にいい状態にあるというようなことも
言つておる。従いましてこの政治借款というようなことは少しも
考えておらないというようなことを大略
言つておるようにあれを読むと
考える。ああいう談話が発表されてから、
外資導入の問題については特に
池田さんは直接お会いにな
つてその後いろいろ折衝をなさ
つたというふうに伺
つておりますが、今日のアメリカの、例えば関親等を
考えますと、マーケットが言
つた通りのことが実現しておるように国民は取
つておる。というのは、例にば一番
ドルを手つ取り早く獲得しやすいまぐろの罐詰でありますとか、ミシンとい
つたものは遠慮会釈なく関税をどんどんと取つおり、そうして一方では中共の貿易等ができませんから、鉄鉱石だとか粘結炭だとかの高いものをくれる。
従つていつまでた
つても
日本の重要な
産業というものの合理化はなかなかできて行きません。今我々が
考えておるのは、こういう
法律の末端をいじくることではなくて、我が国の
基幹産業、重要な
産業の合理化、施設の改善、そうい
つたことこそ先にやるのでなければ、そういうことができない限り、立派な
外資の
導入というものはあり得ない。このような
法律で入
つて来るのは、極く投機的な商業的な資本で、先ほど須藤さんがおつしや
つたように、盗みの
投資が行われるということは明かであります。今日まですでに入
つて来ておる
外資はくだらないパテントによ
つて多くの利益を受けておる。古い青写真一枚で多くの利益を受けておる。或いは余
つてしようがない物資を持
つて来ておる。それによ
つて株を取得し、
経営を牛耳
つておるというようなことが
現実に今日までは行われておるように思える。こういうふうに
考えて来ますと、
外資を入れる最も基本は、私は
外資を入れる基本は、我が国の重要
産業の合理化を早くやれるための
外資が先ず必要だ。ところがマーケツトが
言つておるのは、コンマーシアル・べースの上に立たなければ
外資が入れられないと、こう
言つておりますけれ
ども、合理化ができなければコンマーシアル・ベースの上には立てない実情が
日本の
経済の実情でございますから、そこでどうしても、曽
つて政府が
考えてお
つたという、或いはあなたが
考えておられたという政治借款というようなものがそういう方面に入らざるを得ない。これが先ず私は先決であるというふうに
考えられるのであります。そこで、こういう点については単にコンマーシアル・ベースであれば入るんだというような簡単なことで
大蔵大臣とマーケツトは話合いをされた、こんなことであれば別に、わかり切
つたことであ
つて話合いも何も要らないので、あの談話を見ればわかることでありますから、そういうことで
一つこの点、独立もしたことでありますから率直に、マーケツトは
日本の
外資導入についてどういうふうに
言つてお
つたのか
一つお聞かせを願いたい、こういうふうに
考えるわけであります。