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1952-04-21 第13回国会 参議院 経済安定・大蔵連合委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月二十一日(月曜日)    午前十時五十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事            郡  祐一君            永井純一郎君    委員            小滝  彬君            須藤 五郎君   大蔵委員    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君            木内 四郎君    委員            黒田 英雄君            溝淵 春次君            小宮山常吉君            小林 政夫君            森 八三一君            下條 恭兵君            波多野 鼎君            菊田 七平君            油井賢太郎君            木村禧八郎君   国務大臣    国 務 大 臣 周東 英雄君   政府委員    大蔵省理財局長 石田  正君    通商政務次官 本間 俊一君    外資委員会事務    局長      賀屋 正雄君   事務局側    常任委員会專門    員       桑野  仁君    常任委員会專門    員       渡辺 一郎君    常任委員会專門    員       木村常次郎君    常任委員会專門    員       小田 正義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○外資に関する法律の一部を改正する  法律案内閣送付)   —————————————
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは経済安定と大蔵連合委員会第二回を開会いたします。  御承知のように今日の議題も外資に関する法律の一部を改正する法律案でありまして、前回は十八日の午後連合委員会の第一回を開きまして、同法案制定経過内容説明を願い、次いで改正点の逐條の説明願つた後に質疑に入りまして、技術的、事務的な質疑を中心に行われたのでありまして、今日はその第二回目になるわけであります。それでは最初賀屋事務局長から提出資料の御説明簡單に願います。
  3. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) それでは私から簡單にお手許にお配りいたしました資料につきまして御説明いたしたいと思います。いろいろな資料を雑多にお配りいたしましたが、話の順序から申しますと、先ず最初に「外資に関する法律関係認可状況総括表という三枚一緒に綴じたものがございますが、これから御覧になつて頂きたいと思います。  この表には外資に関する法律が施行せられました昭和二十五年六月から今年の三月末までに、同法に規定されておりますいろいろな形の外資導入について、外資委員会認可をいたしました状況を一頁に総括的に示しておるのでございまして、これはただ件数を掲げたに過ぎないのでございます。二頁目に、このうち技術援助契約についてやや詳細に月別とそれから業種別に表示いたしました。この点につきましてはこの前の委員会で口頭で概略を御説明いたしました通りでございます。技術援助契約でございますので、その金銭的評価を的確に現わすことができないのは非常に残念でございますが、一応件数だけで御判断を願いたいと思うわけであります。ここにございますように、業種別ではやはり機械工業が一番多く、その次化学工業、それから機械と申しますのは、大きく分けますと、輸送関係機械電気機械と、その他の機械に分れるわけでございますが、この三者で約半数以上を占めておるわけであります。それから国籍別に見ますと、百三十二件のうち百一件が米国になつておりまして、その他は備考の所にございますようにスエーデン、フランス、英国、デンマーク、スイスといつたような国々が数件ございます。それから三頁目は、株式持分取得認可状況ということで、株を持ちます場合の態様如何を問わず、日本株式に対する投資総額株数金額とに分つて掲げておるので、ございまして、更に株に投資いたします場合に、外貨本邦送金いたしまして、これを合法的に交換した円貨取得いたします場合と、現物、つまり外貨相当の価値のある物を送つて参りまして、これを直接現物出資に充てたり、その売却代金で以て株式取得する場合と、第三番目には、国内におきまして合法的に獲得しました円貨で以て取得した場合と、この三つに区分して掲げたのでございます。総額はこの前申上げましたように、外資法によりまして認可しましたものは三月末までに六十億一千九百万円という数字に上つておるのでございます。一番下のほうに附加えてありますのは、政令五十一号によりまして取得した分で、これが二億一千五百万円でございますが、これは御承知のように外資法ができます前は、政令五十一号と申しますのは、外国人財産取得に関する政令でございまして、いわゆるポツダム政令でございますが、これによつて外資委員会認可を受けたものでございます。それから第四頁目は、外国人投資しました株式会社業種別でございまして、ここにその比率を掲げてあるわけでございます。何と申しましても石油関係投資が大半を占めておるというような状況になつておりまして、これに次ぎまして化学工業、紡織、ゴム、皮革、それから商事貿易、こういつたような順序になつております。それから株式投資の中の投資家国籍別でございますが、これはやはり技術援助計画の場合と同様大部分アメリカになつております。これに次いで英国それから中国、香港が若干あるという程度でございます。以上が大体の総括的な数字を表示したものでございますが、このうちの株式投資につきましては、御承知のように昨年の五月の外資法改正によりまして、外国投資家外貨本邦送金しまして、これを合法的に変えた円貨で以ていわゆる旧株と申しますか、市場を経由して上場されております株式を買うことができることになつたのでありまして、その状況を示したものがこの横書になつております市場経由株式取得状況というのでございまして、これを左側の表で去年の改正以後の月別取得状況を示しておりまして、これによつておわかりのように、最近だんだんこの数字が殖えつつあるわけでございまして、殊に今年の一月、二月には非常に大きな金額に上つているわけであります。それから投資いたしました株の業種別は、別に上場銘柄によつて非常に細かい表を三枚綴つたものをお配りいたしまして、株数とその株数がその会社の全体の資本に対して何%の比率を占めているかというパーセンテイジを示したものをお配りしてございますが、これによつて個々会社御覧願うといたしまして、この業種別の総合いたしましたものが只今申しました表の右側にあります表になつておりまして、各業種によつて割合を示してございますが、繊維工業関係が一番多く二三・七%、これに次ぎまして化学工業の一四%、鉄鋼金属の一二・四%といつたような順序になつております。それから個々会社資本に対する比率はこの細かい表によつて御覧になりますように、大部分が今のところはまだ零点何%といつたような非常に低い割合になつておりまして、一番大きな割合を占めておりますものが二頁目の繊維の中の東洋レーヨンでありますが、これにいたしましてもまだ三%をやや超えたという程度に過ぎないのであります。それからこうした株式配当の点、これはこの前御質問があつたのでありますが、個々会社配当を全部書出すのも非常に煩瑣でございましたので、ここに半ピラの紙で配当表というのをお配りしておきましたが、これは東京証券取引所の調によつたものでございまして、各業種別平均株価平均配当率と、そして平均利廻と、この三つの表を掲げておきました。大体平均株価が九十四円六銭、配当率が二割六分五厘、平均利廻が一割四分という数字になつております。以上がこの株式についてであります。  次は技術援助につきまして大体どういつたような契約内容になつているかと多いうことにつきましては、この技術援助と申しますと、その入つて参ります業種によつて、又技術の種類によつて千差万別でありまして、そのものによつてロイヤルテイの取り方等も非常に多岐に亘つているのでございまして、この全部についてその間の内容をお示しするわけにも参りませんので、大体典型的なものを掲げましたものを一枚、技術援助契約とその対価料率についてという表をお配りいたしておいたわけであります。ここにございますように、ロイヤルテイの取り方といたしましては、やはり売上高を基準といたしまして、これに対して一定割合を掛けました金額対価として本国に送金するという例が一番多いわけでありますが、その場合に割合といたしましては、やはりこれはものによつていろいろ違うわけでございますが、一番ありましたのは三%乃至五%というところでございまして、ものによつては例えば医薬品のようなもの、それから加工度の非常に高い精密機械といつたようなものにつきましては一〇%といつた料率を課せられる場合もあるわけでございますが、これらはやはりそういつた技術日本経済に及ぼすメリツトを考えまして、多少料率が高くてもこれを入れますことの効果を考えまして認可をいたしておるわけでございます。  それからもう一つお配りしてございますように、外資委員会関係外貨送金実績表というのがございますが、外資法によりまして外資導入認可いたしますと、これに伴つて果実元本等送金が保証されるわけでございまして、この保証されます送金額外国為替予算というものがございまして、この予算外資委員会関係の分を別に計上いたしておるわけでございまして、その外貨予算に組まれました中から、実際にどれだけ送金せられたかというのを月別に表示したものでございまして、技術援助契約を締結いたしました件数は、先ほども申上げましたように百三十何件という相当な額に上つておりますが、この技術が完全に日本会社のものとなつて、軌道に乘つて生産が開始されますにはやはり若干の時日を要するわけであります。又その技術を使いますためには、いろいろ設備の拡張といつたようなことも必要なわけでありますので、ここにありますように、送金はまだ今のところはそう大した額に上つておらないわけであります。技術援助対価といたしましては五百三十三万九千ドル、株の配当といたしましては七十三万四千ドル、貸付金の利子は二万三千ドル、合計いたしまして六百九万六千ドルという数字になつております。  それからもう一つお配りしましたのは外貨債の現況でございますが、これは大蔵省のほうから御説明頂くほうがいいかと思いますが、満期到来元本と未拂利子見積額と、それから満期到来元本、この三つに分けて数字を出しまして、全体の負担額がどれぐらいに上るかということは、この三つを合せましたもので英貨債米貨債仏貨債をすべてドルに換算いたしますと、四億五千五百万ドルという負担になつておるのでございます。  以上でお配りしました資料の御説明を終りますが、このほかに只今用意いたしておりまして、間もなく届くと思いますが、技術援助契約と、それから共営産業的な株式、つまり今御説明いたしました市場経由取得株式と趣きを異にしまして、日本会社と共同して事業をやつて行くというような意味から株式投資いたします場合のうちの主なるケースを具体的に会社名を記しまして、株式投資の場合には、その会社の全体の資本金に対してどのくらいのパーセンテージになつておるかというような点を明かにしたもの、それから貸付金契約でございます。これにつきましてはまだ十件程度しかございませんが、それの具体的なケースを書きました資料をお配りすることになつております。  それからもう一つ外資導入に関する各国の制度がどうなつておるかということで、私どものほうで調べましてわかりました程度のものをお配りすることに予定いたしております。それは又参りましてから御説明することにいたします。
  4. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今資料説明につきまして、この内容の事務的な問題或いは不足と感ぜられる資料等々のお話がありましたら先ず最初にお願いいたします。
  5. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 三つばかりちよつと要求したいのですが、ただ技術援助契約についてその主な業種を示しております。この中に主としてロイヤルテイのことが出ておるのですが、我々聞くところによると、その契約に当つてその販売権ですね、エージエンシーを取つて極東における、例えば石油なら極東における販売権、そうしますと売上高ロイヤルテイ自身はそう高くなくても、将来日本が海外に進出するような場合エージエンシーというものを取られるということになると、それは又将来大きな問題になると思うのですが、そういうようなことも実は知りたかつたのです。このロイヤルテイだけでなくて何かそういう資料もありましたならば、余り面倒ならばそう別に必要ないのですけれども、そういうふうなロイヤルテイ以外にその特殊の、今後の日本経済相当影響を及ぼすようなこの契約内容というものがあつたら、すぐでなくてもいいのですが、出して頂きたいと思うのです。ありましたら……。それからもう一つは、これはあとで出て来るかも知れませんが、今市場を通ずる株式投資についての資料がありましたが、例えばカルテツクスと帝石のように資本を向うから持つて来て投資する場合、それが会社によつて五〇%以上外国資本が占めている業種、或いは会社ですね。石油とかゴムとか、化学工業あたりにそういうものがあると思うのです。そういうものがありましたら一つお願いしたい。それからもう一つは、この法律案で非常に重要な関係があると思うのですが、このアメリカ証券取引法のうち新株取得に関する規定、そういうものがあつたら詳しく知りたいのです。旧株についてはその対象についてあとで私は大蔵大臣にも質問したいと思うのですが、その新株の問題が重要だと思うのです。送金関係について新株取得、そこで向うで日本新株取得の場合、アメリカ証券取引法に触れるのじやないかという問題があると思うのです。それがわかつたらそういう点を何か資料で……。
  6. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今資料要求につきまして委員会のほうから……。
  7. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) 今三つばかり御要求があつたわけでございますが、第一の技術援助契約の場合のエージエンシー、その他将来日本経済負担になるようなことがないかというお尋ねでございますが、只今記憶いたしておりますところではそういつた契約はないように思つております。なお調べましてそういう特殊なケースがございましたならばお示しすることにいたします。それから第二の点は、これは先ほどもちよつと触れましたように経営参與的な株式投資の場合において、株式の持株の割合がどうなつておるかということを個々会社別に示した表をお配りすることを予定いたしております。それから第三は、御指摘のようにアメリカにおきましてはS・E・Cという特殊の証券取引委員会がありまして、そこで規則を公布いたしておりまして、新株取得について制限を加えておる場合があるのでございます。これに関します條文を翻訳いたしましたものができましたらお配りいたしたいと思います。
  8. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ほかに資料について御発言がございませんか。
  9. 小滝彬

    小滝彬君 後ほど大臣にもこの点は御質問いたしたいと思うのですが、その資料として先般お願いすることを忘れたのですが、この技術援助契約に関連して、技術導入した当初においては、外国から資材であるとか或いは機械輸入しなければならない、而もその大体の予定表というものは契約認可してもらう申請書相当詳しく出ておるはずでありますが、これの大体概略のところがわかつたら是非この点を知らして頂きたいと思います。それからもう一つは、技術援助契約をいたしますと、外国技術者が招聘せられる、これは送金の約束を保証してありまするから、その点は今後お配りの資料に出るかと思いますが、同時に外国に人を出さなければならんという問題を生じておるということも私はよく承知しておるので、そうした面についての……。或いは外資委員会ではわからないと思うから、大蔵省にお願いしたほうがいいかと思うのですが、この契約に伴う外国への渡航費及び外国から当分どうしても輸入しなければならないところの資材機械類外貨額が一体どのくらいに上つておるかということがわかつたらお教え願いたいと思います。
  10. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今資料如何ですか。
  11. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) 御指摘のように技術援助契約をいたします場合に、同時にその技術を使うためにはどうしても導入先から特殊な機械なり設備その他原材料等輸入しなければならないというような例もございますが、これは非常に契約によりましていろいろ千差万別でございまして、大体只今のところでは技術援助契約自体外資委員会認可いたしますと、それに伴いまして機械等輸入いたします場合には、有為替の場合と無為替の場合があるわけでございますが、この為替を要します場合には、これは一般通産省輸入許可を取つて頂いて、そのために為替予算一般輸入の枠を使うということになるわけであります。併しながらこれについては許可の保証は別段ないわけであります。併し無為替の場合におきましては外資委員会認可いたしました場合に、やはり法律上は通産省で無為替輸入許可が必要になつて来るわけでありますが、大体その場合には無條件に無為替輸入許可するという方針に只今のところではなつております。  それから渡航費の点でありますか……。
  12. 小滝彬

    小滝彬君 数字はわからないのですか。理論でなしに大体の数字がわかりますれば……。
  13. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) 数字は主なケースについて拾うことはできると思いますが、全部網羅するのはちよつと時間を要すると思いますが、如何ですか。
  14. 小滝彬

    小滝彬君 これは主なケースでいいのですが、どれくらいになつておるか、わかつておればお知らせ願いたい。
  15. 石田正

    政府委員石田正君) 技術者渡航費の問題でございますが、これは御承知通りに今渡航費の問題につきましては二つのやり方がございまして、一つ優先外貨と申しますか、各輸出をやつておりますところの会社のほうで、若し外資導入があつて、そのために技術者を出すということでありまするならば、その優先外貨範囲内でやつて行くという、こういうケースがあります。それからもう一つは、そういうまだ輸出実績がない、従つて使うところの優先外貨がないという部面につきましては、これは一般渡航費範囲で処理されるということに相成ります。渡航につきましては、これは一般渡航関係予算が組んであるわけであります。その枠の範囲内で、申請がありますれば審査をいたしまして許可をするという方法によるわけであります。それで数字の点でございますが、一般渡航費のほうにおきまして、技術修得その他の関係で、外資導入に伴いまして出る場合の計数は、はつきり分けたものではございませんが、ただ記憶によりますと、そういうもので不許可にいたしましたという事例はないように思つておるわけであります。
  16. 小滝彬

    小滝彬君 数字はないわけですね。
  17. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) よろしうございますか。
  18. 小滝彬

    小滝彬君 よろしいです。
  19. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは資料に関する問題は、又ありましたならば後ほどに逐次お願いすることにいたしまして、質疑を始めたいと思います。よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 先ほど申上げましたように、前回要求によりまして周東安定本部長官、それから高橋通商産業大臣並びに大蔵大臣出席要求したわけでありますが、差支えがありまして、周東安定本部長官がお見えになつており、それから通産省関係からは大臣がお差支えがあるというわけで、本間政務次官、更に大蔵省からは、大蔵大臣は旅行中とかでありまして、理財局長石田政府委員が参つておられます。外資事務局賀屋局長以下は従前通りでありますから、順次質疑を始めて頂きたいと思います。  政府のほうにちよつと附加えておきますが、前回委員会におきまして外資法の根本的な問題が逐次質疑に出て参りまして、この法案最初狙い国際收支のバランスを願つたものであつたのが、だんだんと積極的な外資導入という面に変貌して来たようで、何だか少し話がおかしくなつたような感じがするというような質問がままあつたわけであります。他の問題も含めて大臣出席要求があつたのであります。順次御質問願いたいと思います。
  21. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 安本長官にお伺いしたいのですが、この法律改正案の中で一番重要な点、骨になる点は、株式投資された株式元本送金を許して行く、外貨送金を今度は許して行くという点に非常に重点があると思うのです。これまで配当送金は許されておりましたが、元本送金を許して行く、これがまあ一番大きな狙いだと思うのですが、こういう形で一体外資というものが相当つて来るものと思われているかどうかということが一点と、それから元本送金をまあ三年据置いて、その後において二〇%認めるということなんですけれども、そういう元本送金を三年据置いてその後許して行くという、そういうことをしなくても、外資は入り得る條件があるのじやないかと私は思うのですが、それで三年据置いて、元素どんどんと返せるというような態勢において、果して安定せる外資というものが入つて来るかどうか、この二つの点お伺いしたいのです。
  22. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) これは見方で、こうやらなければ外資が入らんというのではなくて、むしろ日本国内において、国内での自己資金で足らんというような場合に、大いに外からの投資を歓迎するということであれば、必要なときに、今度はそれに日本株式を売るというような場合に、その元本を送り返せるような自由な形においておくほうがよろしかろうというのがむしろ考え方であります。これは本来ならば、戰前の状態におきましても、一定の土地、会社に対する投資は限定せられておつたといたしましても、一般的にはすべて投資外資も自由であつたわけです。だからそういう形をはつきりするというわけです。むしろ一つ外資導入を促進される方法としてこういうこともあろうという、むしろ自然の状態に返すということが一つ狙いでありましてこれだけが外資導入主眼点必要條件ではないと思います。
  23. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは自由にすればいいにきまつておるのですが、その外資を入れる場合にですよ、成るべく日本経済にとつて有利な形において入れるということが重要な問題だと思うのです。その場合わざわざ不利な條件作つて外資を入れなくてもいいと思うのです。若しもつと有利な方法があるならばそのほうを採用して、そうして外資が入りいいようにすると同時に、日本経済にとつていいような方法をとるべきだと思うのです。ところがこの改正法律案によると、私は、元本送金を三年据置いたあとでその後二〇%送還できる形において認めるということが、これは非常に主眼になつておるのですが、そういうことをしなくても、もつと入り得る方法があるのだし、これによつてそう入るとお考えかどうか、その点を最初伺つたのです。相当入ると考えておるのかどうかということを先ず伺つたのですが、その見通しはどうなんです。
  24. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) これは今申上げたように、これだけが唯一の途じやないということは私もあなたと同じ意見、併し余りにも従来の外資導入に関する法律というのは制限が多過ぎたのですね。投資をさせておいてそれは持つて帰ることを禁ずるとか、配当金を送ることを禁ずるというような恰好にあつたのを、だんだんそれを元の形に返すという方法一つの行き方である。これは別に反対する必要はない、これはそうでしよう。一旦株式投資しておいて、日本の人がその株式を買いたい、買つた、その売却代金を送れないというのはおかしな話、それは認めて行つていいのじやないか、これが自然の形に返るわけですね。この一つ方法として改正したので、これをやることによつてのみ外資導入を依存しておるというのは一つの見方ですが……、これは一つ方法なんです。而もお尋ねの点でありますが、従来も非常に窮屈なさなかに、恐らく事務のほうから御説明し或いは今後資料が出るかと思いますが、投資なり株式関係なり、社債なり年々殖えておる。更にこういう形になりますれば更に私はもつと殖えるという見通しを持つております。
  25. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私はこの法律案に関して質問しておるのです。ですから他に外資導入方法をいろいろ考えておるやに新聞にも伝えられておりますが、政治的な援助とか何とか、それはなかなか困難であることも聞いておりますが、私はこの改正案に関して伺つておるのですが、安本長官の御答弁では相当入るということを期待されておる、まあそういう御答弁。それからその外資の入る條件をもつと自由にして入り得るようにする。即ち入つて来た外資に対して送金をもつと自由に認めるようにするのは誰も反対する必要はないのじやないか、こういう御答弁。ところがこの法案を出されるに当つていろいろ財界では意見があつたはずだと思うのです。日銀あたりではそういう元本送金を認めなくても入り得る條件があるのである、こういう意見もあつたし、三年というその期間でなくても、五年ぐらいでも十分入るのだという意見もあつたと思うのです。條件があつたと思うのです。それをまあ三年にした、これは池田大蔵大臣が外人なんかとの席で、最初五年であつたのを、口をすべらしたのかどうか知りませんが、これは大蔵大臣に聞いてみたいと思うのですが、三年というふうに話したので、三年になつたというふうに私は聞いておるのです。五年でも十分入り得る、こういう据置期間が五年でも入るというふうに聞いておつたのです。專門家の意見がそうであつたのを、それはもう自由にするに越したことはないのでしようが、もつと長期的に安定し得るような形において入れるほうがいいに越したことはないと思うのです。併し元本送金を今認めなくても、配当送金程度でまだ入り得る、而も五年ぐらいでも入るのじやないか、こういう意見があつたのを、わざわざ三年まで短縮して、そうして又十分入るということになれば、何とかゼスチユアをこの法案で示したに過ぎないので、実際に効果がないと思われるのですが、何か有利な條件があるにかかわらず、わざわざ不利な條件を進んでこちらで認める、そういう内容なつたと私は思うのです。そういう点について御質問しておるのです。
  26. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 私は、木村君はよくわかつておるのだと思うので、私はあなたが元本送金一定の期限を置いて認めることになつたことを非常に不利と考えられる点が一つ、それからこういうものを認めたら皆どんどん持つて帰るだろうという前提の下に不利だということを考えておるのじやないかと思いますが、私はむしろ常態というのは、その投資したものが必要ならば持つて帰る。その自由はあつたほうがよろしいと思う。従来日本の戰後における経営として、脆弱なる日本経済界において、而も株式投資というものが非常にほかの物価に比べて安いということは御承知通りだと思います。そういう場合に投資するということを自由にしておくことは、将来における日本の企業というものが支配される虞れがある。そういうことはいかんということで以て入れる場合において制限を附けた。一旦許可した投資をそう簡單に持つて行かれても困るというので制限しておつたと思う。これはやつぱり国際的にも日本の信用を高める去らいつても、別にどんどんと回復して参りますれば、こういう形は元に返すほうがよろしいと私は思います。これが若し元本償還を認めたからといつて、投票どんどん持つて帰るとは私は思わないのです。そこに多少気分的とおつしやるかも知れませんが、安心もあつて、そうして投資がしやすくなるということは私は考えられるのじやないか。今日までも多少制限しましてもどんどん殖えおることは先ほどもお話しましたが、こういうような形が認められれば、もつと自然の形において常態に帰るのでありますから、不利だとか不利でないということは、どうお考えになりますか、恐縮ですけれども不適当じやないか、これをしたからといつて無論不利だというのでなくて、一つの常態に返すことによつて投資がしやすくなるということは、従来とは変つて来るのではないか。こう私は思つております。
  27. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 議論をしてもしようがないのですが、原則論としては緩和して行くことがよいということはわかり切つておるのです。今の現状においてどの程度の据置期間が正しいかということが問題になり得るのです。そんなに安本長官が原則論で行くのなら、据置期間を設けなくてよい、なぜ三年にしたかということが問題になるのです。それを具体的に問題にしておるわけです。外資導入については我々一つの立場を持つておりますが、一応この法律案に基いて私は質問しておるのですが、それによつて日本経済の自立のためにいいかどうかということについては私は別個の意見を持つておりますけれども、この法律案に基いて質問しておるのですが、今の日本の現状としては、やはり据置期間を長くしておいたほうが有利であることは確かなんです。而も又元本送金を認めないで、而もなお向うから資本が入つて来たらこれはなお結構なことです。その点を質問しておるのです。日本株式投資の実際を考えれば、そういう形では私は入つて来ないのじやないか、これは旧株、これはあとで又お尋ねしますが、さつき資料要求したのですが、新株取得は困難になつておるのであつてアメリカの証券法に触れるから、旧株取得に限られたと思うのですが、ところで日本株式取得の実際をみると、大体その新株というものにプレミアムが附くので、それに楽しみがあつて、株も高いし、そこに魅力があつて投資されるのだと思うのです。そこでその新株取得というものは困難であるから、そこに一つの対策を講ずれば、元本送金を認めなくても入り得るのじやないかという意見があつたのじやないかと思うのです。この法律案は、私は株式投資としてどんどん外資を入れるということを狙いとしておるのですけれども、実際問題として重要な点を外れておると思うのです。実際に即してないと思うのです。元本送金を許したから入つて来るというような日本株式投資の実情じやないと思うのです。そこのところはこの法律案改正におきまして一つ抜けておるところがあると思うのです。その点を伺つておるのです。さつきこういう改正でどんどん入つて来るかと質問しましたら、大いに入つて来る期待を持つておるということですが、こういう改正では入つて来ないのじやないか、こういう意見が有力なんです。今日の日本経済新聞を読むと、アメリカの証券会社のべーチエという人が、外資導入に関していろんな要望を出していますが、ああいう人の意見に基いて立案されたのじやないか、こう思う。ですからああいう意見では、あれは元本送金をもつと自由にしろ、こういう意見ですが、併しそれだけでは私は入つて来ない。もつと根本において入つて来る方法があるのに、それをこの法案においては取上げないで、そうして何か見当違いといつては失礼かも知れませんが、日本にとつて不利な改正をして、そうして而も外資が入つて来ないような形になつておる、こう思うのです。そういう点からさつきどんどん入つて来るかどうかと私は聞いたわけなんです。
  28. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) これは私は議論になると思いますので長くは避けますが、これは元本送金を認めてもそれは殖えないのじやないかということ、これは一つのやつぱり行き方と思います。だからこれによつてどれだけ、それでは元本送金を認めるから、そのことだけを事由にしてどれだけ殖えるかということはわからない。わからないが、併しそういうことまでやつて行けるということは、日本経済の回復を一つの前提にしておいて信用を高めることだと思うが、いつまでも投資制限を附けておくをいうことよりも、むしろ自由に返すという形のほうが、これは信用を高めるゆえんであつて、とにかくあなたは全然それはゼロだとおつしやるかも知れませんが、それは何がしかこれによつてよい影響を與えて、投資がそう殖えるというのじやなくて、よりよい影響があると思う。それに附加えて、それをやるくらいなら、もう一歩新株にプレミアムが附くような会社なら、それを持たせるほうが魅力があるのじやないか、こういうことであります。これは私も同様であります。これはいい会社でどんどん投資をする……、大抵旧株を持つている人間に一対一か或いは一対二でやれば、そごにその会社に対して非常に何かしら魅力があるということは認めます。それを一つ方法として、今度は讓渡ですか、乘替というようなことを認めて来た。それを認められたときに、今度新らしく旧株に対して新株の割当というようなことがいい会社つたら当然起つて参ります。そういうものに対してやはり魅力が生じて来るのであつて、今お話のような点も今度の改正の一部に入つていると思う。私はこれは程度の問題じやないかと思います。あなたのように元本送金だけを認めた、そんなことじや絶対に入らない。いい方法があるじやないかということについては私は否定もしない。更によりいい方法はあれば結構です。だからといつて非常に閉じこめられた、非常に制限をして、投資だけは勧迎するけれども、お返しいたしませんというやり方にするか、或いは投資も勧迎するし、必要によつて元本送金を考えてやるという事柄は、これは普通の状態に返るので、それだけ信用が高まつて来るのだと私は思うのです。
  29. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 周東長官はいつでも、他の機会でもそうですが、人の質問をあなたの考えに変えて断定してしまつて、それは間違いです、こういうふうにいつも答弁される。私は絶対になんてことは言つたことはない。どうも長官はいつでも人の質問を自分の解釈に直して、絶対的なことくにしてそれに反駁を加えているのですが、そういう答弁は困るのです。実は周東長官はこの今の新株の問題についてはよく御存じないのじやないかと思いますから、これは大蔵大臣に伺います。乘替を認めると言つても、乘替えて売つて、そうして又届けるという場合には、いつまでたつても三年間たちません。次々と売つて、こうやつてつたらですね、そういうことが認められていますけれども、乘替えによつてはいつまでたつても乘替々々でやつた元本送金できない、こういうことになりますので、これはそう言つても実情にそぐわないと思う。乘替を認めながら、それは実際に役に立たないような形になつていると思うのです。この点は大蔵大臣に伺いたいと思うのです。  次に外資問題が出ましたから、ついでにお伺いしたいのですが、講和後の自立経済の前提として対外援助というものが大きな一つ條件になつていると思うのです。今度の電源開発の場合においても外資援助というものが予定されていると思うのです。しよつちゆう政府は否定されていますけれども、又今度は白洲さんが何か十億ドル借りに行くとか、或いは外債の償還についていろいろ取沙汰されているのです。それで講和後の自立計画の前提としての外資問題を安本長官は一体どういうふうに考えているか。我々は一応こう考えているのです。政府は今度の講和條約の取極において、外資援助というものを大きく私は期待しておつたと思うのです。それは台湾政権を承認することによつて中国貿易が不利になる。而もアメリカのこれまで援助して来た援助がなくなる。而も大きな防衛費、非生産的な負担を負う。これでは外資援助なくしては日本経済の自立は成り立たないのじやないか。そういうので、総理大臣は今度の国会の冒頭において、講和によつて日本は独立するけれども自立することは困難だということを言つていて、そうして外資援助に頼らなければ自立困難であるということを言つているのです。ところがマーカツト声明で、それは実際には政府が期待したような援助が行なわれない。絶対にとは私は言つておりません。政府が期待したような……。そうすると最初構想しておつた講和後の自立経済計画というものに対して大きなここに変化が来ていると私は思う。電源開発でも外資を期待した。講和後の自立経済計画において外資を当にしておつた、それが困難になつたのでありますからして、この自立経済計画にここに私は大きな影響が来ていると思うのです。安本長官として、そういう事態になつた後においての自立経済計画に対する構想は、これは私は新たなものがなければならんと思う。今まで通りの考えで行つたならば非常に違つた、前提條件が違つて来ておると思う。この点についてお伺いしたいのです。
  30. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お話のように講和後における自立経済の推進のために外資導入の問題について非常に條件が違つて来るという御意見については私は賛成です。でありますから私どもはいろいろの面から、民間の外資にいたしましても、或いは銀行なり或いは民間直接にというようなことからなり、政府との間における問題等、いろいろな手を以て外資の問題について努力しておることは、これは事実であります。併し初めから私どもは外資の問題についてはどれどれだけの額が入つて来るということを前提として、それをもととして自立計画を立てるということだけでは、これは人の褌で相撲をとるので、相手のほうから外れて来れば駄目になる。そこでそこは非常に内輪に、而も先ず日本国民の力によつて立ち得るような考え方の下に計画を進めつつ、而もそれに対して外資が入るように、よりよく早くいい結果を得ることに大いに努力しておるわけです。今日我々が考えておる計画それ自体は、もう外資が全然入らないのであるから、別の構想を立てるべきではないかという御意見は尊重して聞いて置きますが、今すぐにどういうふうに変えなくちやならんというのは、これは少し早過ぎはしないか、というのは、これははつきり申上げますが、この法律改正にしても、これは民間からは直接ではありますが、現に年々増加もして来ておるし、又個別的に一つ一つの企業形態に対して投資が進められておる。例えば具体的に会社に共同設備ができ、そこへ資金を出すという形ができている。でそういう民間からの投資もありましようし、又場合によつては開発銀行からの融資も考えられる。これらに対して努力を集中いたして、できるだけ穴のあかんように努力をいたしたい、かように考えております。殊に私どもは今直ちに外資導入問題がいろいろ議論されますけれども、これは私どもにしても朝鮮特需等による特殊な貿易外の收入だけに依存することのできないことは申すまでもないのであります。併しながら現在の事情としてはそれが相当多いがために、国際收支のバランスがむしろ黒字になつておる。この状態は明白の目から直ぐ零になるというわけではない。その点は或る程度考えを置きつつ将来に向つてなお外資の問題等について努力を進めて行くことによつて、私は今考えておるような経済自立の構想というものは必ずしも急速に変更しなくてもいいのじやないか、無論これに対しては愼重な態度をとつて計画は考えておりますが、そういうふうに私も考えております。
  31. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今の御答弁ですと、外資というものを全然入らないものとして講和後の自立経済計画は考えているのではない。やはりそういうものを頭において考えているのだと言われておりますが、具体的に今度の電源開発についても二十七年度千二百億も資金が要るのですが、あの資金計画を見ても、何か外貨を前提としなければ資金調達はできないような資金計画になつておるように私は思うのですが、而もそう言われながら具体的にどのくらいの外資を予定して日本経済の自立計画を考えているというようなものはない。そうすると何か自立経済計画というものははつきり立たないと思うのです。どの程度予定するのだかわからないけれども予定しているのだ。そうすると外貨を前提としないでじややるかというと、そうでもない、わけのわからないことになつて、実は安本長官は一番最初、講和後の自立経済評価として最初に安本で立てた、そうして新聞に発表された案によれば、電源開発として二億八千五百万ドルの外資を前提としてあの計画を立てているのです。昭和二十九年度に生活水準を九一%に引上げる、生産水準は一九七・五に上げる。あれは具体的に二億八千五百万ドルの外資導入を予定してあるのです。そしてあの電源開発計画を立てられておる。そして生産計画、生活水準計画が立てられて、その予定が実現しなかつたのですから変るはずなんだと思うのです。そういうことを最初審議されたのですか、條件が変つて来たので私は質問しておるのです。これは水かけ論になりますから、ほかのかたの質問もありますから、私は長くはこれを質問いたしません。それに対しての一つ御答弁と、最後に外資の入る場合の條件ですね、これについて一つ。これは非常に大きな問題だと思うのですが、やはり無制限に入れるわけじやないのですか、日本の産業が外資によつて支配されるということはこれは重大な問題だと思うのです。そこで例えば株式取得についても何らかの或る程度制限というものについて政府は考えているのかどうか、この点伺いたい。
  32. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お答えしますが、先ほども申しましたように日本の今の経済状態からいつて外資のあることを望むということはこれはもうその通りであります。だからといつて先ほどお示しの電源開発計画に対する資金計画といえども、それが若しも万一入らないという場合には、それでは電源開発計画をやめるかというと、私どもはそういうことは考えていない。日本経済の復興、国民生活の安定という上から動力源の開発はこれは絶対なさなければならんことになつていると思うのです。これはもう御承知通りであります。そういう場合には多少の最惡の場合においても先ず電力を開発して、次の段階においてこの電力を以て工場を動かすという段階にならなければ、外資導入を前提としてのみ考えておつて、それが入らなければ電源の開発はやめるか、そういう消極的な態度はとれない。そこで電源開発にいたしましたところで約一千二百億円の二十七年度の計画になつております。併しこれに対して現在のところ政府関係資金の中からは六百十億くらいが財政資金或いは見返資金等いろいろなもので行く、あとのものは民間から得よう、こういう形です。併しこれに対して外資というようなものがあればほかの産業に資金的の影響を與えずしてやり得るというところがあります。そういう点で我々は望む、努力しているということをはつきり申上げておるわけです。併しそれじやなかつたら全部やめるかというわけには行かんと思う。そこは国民の覚悟で、あなたはそれじやもう入らなければ縮小して当然やめろという御意見、これは或いは違うかも知れません。そういうことじやなくて、やはり日本の国民として、その点は経済の現状なり国力というものをよく判断してできるだけそこに向つての援助を求める、いかんときには先ず大事な電力を苦しくても開発して、次の段階に進める。できないならできないで、常に八方美人で、あれもやりたいこれもやりたいということでは何もできんということになる。こういう考え方で私どもはおりますということをはつきり申上げておきます。それは飽くまで外の援助を欲しいということは考えております。これは資金のみならず、資材のことでもそうだと思います。電源開発について、要は最惡の場合はほかに幾ら事故があつてもやるという大体の考え方で以て計画を立てなければならん。今おつしやいますように何ぼ何ぼの資金は外から入れる、これが入れなければやめる、こういうふうな考え方で立てておるとすれば、それはあなたがたのお話のようにこれは電源開発もやめなければならん。これは全体的の総合計画であります。電源開発ですから、電力に集中すればほかのほうに影響があるということは起りましようし、併し今日の場合においてそれは、その上の前提は今お話を申上げたわけですが、あなたのように電力の開発資金が入らんことになつたときには、そうすれば変えるだろう、こうお尋ねになるから、その点は今努力継続中であります。法律が通つたら、これから電源開発を進めて行くには三、四年計画で、これからいろいろの今後における努力が残されておるわけであります。それと見合つて計画を進めて行つていいと私は考えます。
  33. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 やはり安本長官は断定されておるんですが、外資が入らなかつたら電源開発を変えるというのではなくて、その前には電源開発を基礎にして生活水準の問題を安本でも割出しておるんです。外資が入らなかつた、その上に中国の貿易を不利にして、マイナスにして行く、その上に非生産的な軍事的な支出をやつて行く、そういうことになつて来るから、外資が入らなかつたら、もつと有利な貿易をする、中国との貿易をやつてもつと安い原料を買うようにするとか、或いは非生産的な軍事支出をもつと切るとか、そういうことによつて国民生活水準を引下げない結果において電源開発をするにはどうしたらいいかという違つた條件が出て来なければならないけれども、この生活水準を安本は電源開発と耕せて計画されておるんですから、そうなれば生活水準を下げなければ電源開発を既定通りできないということになる。それを私は問題にしておるんです。そういう一方的に外資が入らんから電源開発をやめる、そういう單純なことを言つておるのじやない。常に生活水準との関係があるのです。片一方では不利な條件をどんどん作りながら、そのマイナスを外資援助でカバーしようとしたところが、予定の外資が入つて来ない。そこでこの計画はどうするか。生活水準を下げないで電源開発をするにはどうするかという新らしい政策が出て来なければならない。それを台湾政権を認めて、わざわざ中国との貿易が不利になるような政策をする。それから、これから十一万から十八万になるのですから、そういう軍事支出をわざわざ大きくする政策をとるならば、どうして国民生活水準が上るかということを私は問題にしておるのです。これは議論になりますからやめますが、最後にさつき質問いたしました外資も、或る程度制限を……、今日の新聞を見ますると、外国人さえ余りに外資が入つて日本の産業を支配することは好ましくないであろうから、大体二五%ぐらいに制限すベきであろうと外国人自身がそう言つているんです。ですから何らかの制限というものは私は必要であろうと思うのです。この制限の問題について如何がお考えですか。
  34. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) お尋ねの点でございますが、只今法制的には外国人日本会社株式を何%までしか持てないというような制度は独禁法の場合を除きましてはないのでございます。併しながらこの点はこの外資が入ります場合の産業の種類によつても違いますし、その外資導入に伴いまして同時に非常に日本経済に役立ち、技術が一緒に入つて来るとかいろいろのケースがございまして、その外資導入日本経済に及ぼす貢献の度合というものはいわゆる千差万別であるわけであります。その場合に一概に形式的な制限を設けまして、非常に役立つものがあつても、この制限を超えるから拒否せざるを得ないというようなことが出て参りましてもこれは実情にそぐわない。却つて日本経済が不利であるというようなことも考えられますので、只今のところでは外資導入という観点からいたします場合には、この持株の比率という点は、その具体的なケースがどの程度日本経済に貢献するかという貢献の度合によりましてケース・バイケースに認めて行くというほうが却つてよろしいのではないか、又企業の自主性ということも重んじなければならない場合もございますので、当分の間は運用で行くのがよろしいのではないかという考え方で以て別段制限は設けておらないのでございます。
  35. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 この前も私が今木村君が尋ねたことを尋ねたら、そういう意味のお答えだつたので、了解しがたいので、今日大臣出席を求めて大臣の口からはつきりその方針を伺いたいのが主眼であります。今日も大臣はお答えにならないで、やはり局長がお答えになつているので遺憾だと思うのです。大体日本が中国を征服したときにも、旺精衛の政権すらも日本資本の四九%以上は入れないということをはつきり言つていた。即ち中国の産業が日本資本によつて征服されることを拒否するために四九%以上は入れさせないという大きな方針を立てていたのだと思うのです。ところが今日の日本政府はなかなかそういう方針を立てていないところに私は問題があると思うのです。ですから木村さんがさつきから言つているように、外国から二五%以上は入れないほうがいいのじやないかという忠告を受けなくちやならないので、これは私は情ないと思います。現在、あと資料が出ると申しておりますが、私の調べたところによりますと、石油会社は殆んどもう大半米英の手中に握られている。東亜燃料は五五%入つておる、三菱石油は五〇%入つている、興亜石油も五〇%、日本石油は五〇%、日本シェルは九四%、昭和石油は一五彩、大体石油会社は殆んど外国資本の手中にあること、即ち日本の産業の上に最も大きな影響のあるこの燃料がすでに外国資本の手の中に握られているということは非常な問題だと思うのです。これだけじやない、まだ貿易会社、それから電気会社なんかなどで、東芝がGEとの契約でやはり二四%資本を入れよう、それで千二百万株をちやんとそのために設けて留保しているというようなことも言われておりますし、日本電気でもやはり三〇%の持株をそのために用意しておるというようなことを言われておる。大体こういう自由産業の株がどんどんとこういうふうに高率に外国資本に握られて行くということは、結局外国資本の支配下に日本の産業が入つて来るということで、これは大きな問題だと思うのです。ですから私はやはりこの際政府が将来のことを考えて、今無制限にどんどん入れるというようなそんな馬鹿げた方針じやなしに、やはりここではつきり将来の方針を立てておかないというと非常な危險があると、そういうふうに思うのです。これに対して大幅からはつきり答弁を頂きたい。
  36. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 木村委員、須藤委員等の御意見、御質問の趣旨は全く私どもも同感であります。若し日本に対する、企業会社に対する資本的支配というものが非常な強い力になるということは、これは将来いろいろ考えなくちやならん点がある。まあ併し今御指摘のような敗戰直後から事実上今日まあ石油等においては握られております。この点が同じように他の方面に及んで行つて、将来よからぬ影響を與えるようなことになるようなことがあることは、非常に避けなければならない。今後の問題としては私どもは是非愼重に考慮いたしたいと、こう思います。
  37. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それから私外資日本国内のインフレとの関係一つつてみたいと思うのです。もう今の政府の方針が無制限外資を入れるということになりますと、どんどん入つて来るという場合のことを考えて、つまり例といたしまして、今度白洲さんがアメリカへ行つて十億ドルの金を借りて来ようというようなお話でありますが、若しそれを借りた場合、私の伝え聞くところによりますと、マーケツト少将が向うへ行つているときに、GHQから自由党に対して、お前たち金を借りたいと言つているが、その金をどういうふうに使うつもりだという話があつた。そこでまあいろいろ研究してみたところが、その借りた金で、アメリカから資材を買う金というものは三台か四台くらいの機械しかない。少くともそれは金にしまして非常に少い金で、一千万ドルくらいの金だ、そうするとあとの金は結局ドルとして現金で日本へ持つて来て日本でその金を使う。即ち日本で円に換えて、そしてその円として日本で使うのだという結論になつた。そうしますと日本国内におけるインフレがその結果起る危險があるのではないか、そういうように考えるわけです。でこれは電気関係、電源開発の外資だけでなしに、あらゆる面の外資がそういうインフレの危険なくして消加されるのかどうか、その点を一つつてみたいと思います。
  38. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 一応御尤もな御質問ですけれども、現在日本に溜つておる外貨というものもここにあります。従つてこれ以上金を借りて来たらまあインフレになりはせんか、こういう御質問つたと思います。これは僕はもういろいろ御意見もあり見方もあろうと思いますが、これは余り近視眼的に見なくてもいいのじやないか、これはあなたを攻撃するのじやなくて、これは今溜つている金というのは、実際問題としてよく皆さん御指摘のように、何としてもこれは朝鮮特需の景気によつてつたものであり、今日正常輸出入貿易関係によつてつておる金よりも、ほかの貿易外收入のほうが多いのです。而もその貿易外收入は、日本の船舶とかアメリカの人が落す金でなくて、特殊な事情によつてこれで溜つて来る。併しそれで今困つている、これのために輸入がなくなつてつているとかいうこともありますが、これは私はいつまで続くかわからんと思います。今度は情勢が変つたら殆んどその手持外貨というものはなくなるかも知らん。まあそういうことも考え合せますと、ここに外資導入という問題が、日本の企業に直接投資される場合もありましようし、或いは電源等について開発のために資材として入つて来る場合もあるかも知らんが、これは大きくもう少し日本の将来を考えたら、今ちよつと溜つておるというようなことで、外から金が入つたら心配だというようなことでなくて、私はしつかりと将来に対する見通しをつけて、できれば今の外資導入について援助を求めておくことが必要じやないか。外資の入り方としても、何も金で送つて来るのじやなくて、例えば綿糸借款というような形もありましよう。とにかく信用供與にもいろいろな形があるので、外資導入、そこは金がここでうんと溜つてインフレになりはせんかというように見ないでも、大きく将来を考えたら、今ある金以上に将来に対して一つ信用と言いますか、一つの確保をしておく必要があるのじやないか、私は非常にあるのじやないかと思います。そういう意味においてそれは私は外資導入ということに対する協力を求めて行くことは必要だと思います。今御指摘のようにどんどんたくさん金が入つて来て、それをばら撒いたらインフレになるであろうかというような御心配はまあ御尤もでありますが、そういう急激な形には私はならんと思つております。
  39. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 借りた金が日本にない資材として、品物として入つて来るなれば、そういうこともないと思うのですが、実際に若し……、併しそれも品物で入つて来る場合でも、日本国内の品物と利害が衝突する場合も考えられると思うのです。ですから無制限に……、現在もうすでに六億か七億外資があるでしよう。そういう状態になお今必要でもないものを、やつさもつさと言つて借りに行つて、そうしてそれが資材として入るのじやなしに現金で入つて来る。そうして、外国為替のほうにそれを売られて日本の円になる。それがずつと日本国内にばら撒かれる、そういう状態が起るならば、日本に又インフレが起るというのは当り前のことだと思います。そうして又税金でどんどん取立てられるだけで、何の役にも立たないような感じがいたしますので、これはよほど警戒して行かないと、日本のインフレを招来する原因になるのじやないかというふうな心配を私はしておるわけであります。長官もそういう心配をやはり持つていらつしやるようですから、十分注意する必要があるのではないかという点なんです。  それから小さい問題ですが、戰争前日本にあつた外国資本会社、例えばダンロツプなどですね、ゴムなどのあれは、利益金はどういうふうに処理されていたんでしようか、今度の外資法によるように元利金を向うへ送るというようなことをされていたんでしようか、全然これはされていなかつたんでしようか。
  40. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) ダンロツプその他戰前の投資に対する利益の送金の問題でございますが、戰前は為替管理法によりまして、当時の外貨事情によつて許可によつて送金されるという方法をとつております。今度の外資法にありますように、送金の保証というのは戰後新らしくとられた措置でございますが、この外資法による送金の保証ということは戰前の投資には遡りませんで、戰後外貨なり、外貨相当する価値のある、裏付のある投資に限つて送金を保証するということになつておりまして、この外資法による送金の保証には乘つて来ないのです。
  41. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 もう一つ、私が聞くところによりますと、アメリカの金利、いわゆる配当、利廻は日本より低いように聞いておりますが、現在どういうところでしようか、いろいろ会社はあるでしようけれども、頂いた資料では、日本の平均は一四%利率が上つておる、配当率が上つておるようになつておりますが、アメリカではどのくらいになつておりましようか。
  42. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) 詳しい資料只今持合せておりませんが、一般的に申しまして日本の金利水準に比べますと非常に低いパーセンテージになつておりまして、貸付金の場合は殊に二分乃至四分というような程度になつておるかと記憶しております。
  43. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 そこで先ほど木村さんが、こういう外資法を作らなくても有利に金が入つて来るのではないかと、一つのこれは裏付になると思うのですが、どんどん送金ができるということになれば、これだけ利廻のいい金ならば五年間に二〇%ぐらい元金を送り返すというような條件を附けなくても、或いは日本の国に信用さえあれば十分入つて来る可能性はあると思うのですがどうでしようか。
  44. 小林政夫

    ○小林政夫君 ちよつとそれに関連しますが、先ほど木村委員質問の第一点と、今の須藤さんの質問とも関連するのでありますが、私は外資導入ということについては、結局外資導入をしてほしい国は国際的に相当たくさんある。従つてやはりこれも国際場裡における自由競争であつて、その外資の扱い方によつてはこちらの希望する、木村さん或いは須藤さんの言われるような意味における制限も考えなければなりませんが、一定の規正の下における望ましい外資導入については国際的なレベルというか、扱い方において劣らないというか、同様の條件又は多少有利な條件を以て外資の迎えをしなければならんという問題があるので、具体的な問題については事務当局に資料に基いて質疑を重ねたいと思いますが、特に大臣にこの改正案を考えられるときに、そういつた点についてどういう配属をされたかということについて伺えれば、併せて今の木村、須藤さんの質疑にも答えられるのではないかというように思います。
  45. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) それは今小林君のお話のように、こちらが希望する外資等については、金利或いは期限というようなものについては、やはり世界の各国に行われている外資を貸している條件と同じようなことを我々も希望しているわけです。併し須藤さんの今のお話のように、アメリカの金利と日本の金利はえらい違いますので、それじやその安いのを以て日本に入れてくれるかというと、なかなかそれはそうじやないように思う。日本の金利が高いから、もう少し貸してもいいじやないかということと、それから問題は、やはり日本の企業それ自体に直接行く場合には、企業それ自体の信用、受入態勢というものにある。又それに対して国家が保証しなければ貸さんということであつて、併も国家が保証してもなおかつ恐らく私は金利というものが向うが三分、四分であつても、貸すということはなかなか思われない。それは金利水準がえらく違うから、それを先に持つて来ればいいじやないかという事柄も御尤もです。それは相当努力している條件ですけれども、併しだからと言つてこの改正はまあ有害無益じや困るのですけれども、木村さんの言葉を借りると極端な場合に……、そういう惡い影響だけじやないと私は思うのです。
  46. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 日本の産業に禍根を残すと思うのですがね。
  47. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 関連して、今の須藤さんの質問に対して、もう少し安本長官はこの法律案を作成するときにもつと具体的に考えたことで答弁されなければ無責任だと思うのです。今の答弁では金利々々と言いますけれども、アメリカ株式取得の仕方と日本株式取得の仕方については違いがあるのです。一番狙いアメリカじや新株取得するときには日本みたいに額面五十円で譲るなんということはございません。大体旧株に対して一割か一割五分安ぐらいで新株を渡すのです。ところが日本は御承知のように新株は五十円で渡すわけです。ところが実際の市価は百円も百五十円もするからプレミアムが附くわけです。そこに非常に魅力があるわけです。日本においてはですから金利々々という單なる金利以外にそのプレミアムの問題があるのです、ですからその問題が非常に魅力があるのであつて、この問題を解決すれば、私は元本送金保証をしなくてもこつちにもつと入つて来るのだ。それはやはり利廻の問題になるのです。金利の問題になつて来るのです。ですから実はこの法案は疝気筋なんです。だから一番入つて来る問題について改正しないで、そうして元本送金を本当は認めなくても、或いは三年から五年ぐらいでも入つて来得るのに、その一番入つて来る條件を充たさないで、元本送金のほうばかり考えている。元本送金のほうばかり考えているけれども、実際は日本における株式の売買の問題とアメリカにおける株式の売買の問題の違いですね。ところがアメリカにおいては、その日本新株アメリカ人が買えないのです。旧株だけしか買えない。そこに問題があるのであつて、この新株の問題を解決しなければドルがどんどん入つて来ないと思うのです。元本送金だけでは。その問題が一番大切であつたのだけれども、元本送金ばかりに捉われてしまつた。その元本送金を緩和すれば入つて来るものと思つたけれども、そうじやないのです。実質において新株問題が実際問題としてあると思うのです。この問題を解決しなければ入つて来ない。これは私の友人で山一証券で、学校を出て、最近アメリカへ行つてそうしていろいろ実情を聞いたのです。実情を聞いたところが、そういうことになつているので、入りやすくなつている。私はそのこと自体がいい惡いは別問題です。別問題ですけれども、実際はそうなつているのだと言うのですよ。この経過を聞いてみると、外国のべーチエとか何とかいう人の意見を聞くと、元本送金をやれば入つて来るように聞いたので、そうしてみたらば実情はやはり違うのだと、こういうことを私は聞いたのです。そこに問題があると思うのです。ですからこの法案一つ疝気筋である、私はそう思うのですが……。
  48. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) どうも一番問題のあつたところをよく知つておられるので、私も何ですが、ざつくばらんに言つて、そういうことはありましたよ。ところが今よくよく必要になつて来れば、それを政令で書いてもいいじやないかということは、新株契約の問題について多少問題があります。併しまあ一応これで行こうということにいろいろな事情でなつたのですけれども、只今の点は、大体今これでやれば政令で書けぬこともない、併し疑問は残つているということであります。愼重に研究いたしましよう。
  49. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 私は長官に一点伺いたいのですが、外資導入は声だけが大きくて、実際今まで効果が挙がつていないのですよ。それでいろいろそういう点も苦労なすつておるのだろうと思いますが、この改正についてはやはりこういうふうに改正をすれば外資相当入るという見通しと、或いはそれの裏付となる何か交渉をされたようなこともおありと思うのですが、こういうふうにすれば外資相当導入できるだろうというような交渉の経過、それもまだはつきりしていないところに我々がどうも疑念とする点があるのです。安本長官は各方面で余り具体的なことは発表されてないのですが、もうそろそろ発表されてもいい時期だと思うのですが、例えばさつき須藤委員から、白洲さんを通じて十億の借款或いは投資をされたというようなことも新聞にはちよちよい出ているのですけれども、どの程度まで進行しているかということをこの際御発表願いたいと思うのです。
  50. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 新聞に最近白洲さんを通じて十億云々ということについては私は聞いておりません。まだそう具体的にはなつていないのじやないかと思います。だからこれについては別に申上げることはありません。  最初のお尋ねでありますが、改正に関する内面について、こういうふうに改正することについて具体的に交渉したかどうかということでありますが、それは具体的にはなつておりませんが、外国商社各方面から或いは譲渡、乘替、或いは元本送金保証というような問題についてやつてくれという希望はたくさん来ている。まあそういうことを参照してやつたのでありますから、こういうふうな改正をいたしますれば、何がしかとにかく効果はあるだろうと、こう私どもは考えておるわけであります。
  51. 下條恭兵

    ○下條恭兵君 木村さんや須藤さんの質問に関連して一点だけお尋ねしておきたいと思うのですが、先ほど須藤さんの質問に対して政府委員から、外人の日本株式取得に対して、全部持つても何ら制限を現在加えておらないと、こういう点をお答えになつております。昭和二十五年に放送法を作りましたときには、たしか外人の取得する株式というのは四九%ということに当時きめたと思うのですが、今石油とか或いはアルミニウムのような原料が全部外国に依存するような場合は、或いは特殊な考え方が必要であるかも知れませんけれども、今のようにしてやつて行きますと、私は日本株式というものは大方外人によつて持たれてしまつて、そしてその結果日本経済というものは全く自立性を失つてしまう虞れがないかどうかということを心配しているわけです。そこで将来とも政府のほうでは外人の株式取得に対しては何ら制限を加える意思はないかどうか、この点について一つお伺いしておきます。
  52. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 先ほど須藤さんのお尋ねにお答えしておきましたが、将来その問題は重要であるから愼重に考慮いたしますと私はお答えしたのです。先ほど御引例になりました放送関係の問題についても、すでに各事業別に各省関係で四九%以下というようなことにきめております。そういう形にはだんだん持つて行きたいと、かように考えております。
  53. 小林政夫

    ○小林政夫君 もう一点、いわゆる外資で、抽象的に外資ならば一律の條件で、この法案條件は均等なんですがね。ドルとかポンドとか、外資の中のドル、ポンドを分けて考えるという処置は別にお考えになつたのかどうか。又将来そういうことをお考えになる含みを持つておられるかどうか。
  54. 石田正

    政府委員石田正君) 先ほど来いろいろお話がございますが、外資といいましてもいろいろの形がございます。又通貨の場合におきましても、ドルとポンドによつていろいろ違います。この法案におきましては大体こういうふうなことをするとは書いてありますが、必ずしなくてはならんとは書いてないのでありまして、その点においては行政の運営上においては相当配慮しなければならんと思います。大体現状を申しますと、ドルで以ていわゆる投資が行われました場合におきまして、その保証はドルでする。こういうことはいいのですけれども、ポンドで投資してドルで元本を保証するということは一切許可しない。そういう案件は許可しないという方針でやつております。
  55. 小林政夫

    ○小林政夫君 そういうこともありましようし、例えばここに三年据置であとは二〇%ずつ毎年というような扱い方についても、ドルならばそういうふうにする、ポンドならばもつと條件を緩和するという、通貨によつて扱い方を変えて考えてみてもいいのじやないか。そういうことは十分考慮できる問題であり、又将来も考えなければならん問題だと思いますが、この案を作られるときにそういうような検討はされたかどうか。
  56. 石田正

    政府委員石田正君) これはポンドとドルというものが通貨として投資がありました場合には、條件相当変えなければならん。それから現状から申しますと、率直に申してポンドの投資はしてもらいたくないということでありますから、條件の如何にかかわらず、困るという状況があると思います。併し現在におけるポンドとドルの状況が変つて参りましたならば、又それに即応したような考え方をしなければならんと、かように考えております。なお入つて来る建値がポンドであるかドルであるかということも、又入つて来る基準も違つて来ます。大体そういうことは現状ではございませんが、仮にいい技術が参りますれば、それの保証は、元本なり或いは配当なりというものの保証をポンドで求める。そういうことでありますならば、むしろドルで投資されてドルで元利保証をするよりもむしろ歓迎すべきである。こういうことも言い得ると思います。一概に参らないのが外資に関する案件の処理でございます。御心配の点については我々も実際において心配いたしておるような状況でございます。
  57. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  58. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて。それでは質疑はまだ残つておりますけれども、今日のところ一応これで打切りまして、次は大蔵委員長と相談をいたしまして次の日程をきめて御通知を申上げたいと思います。特に御発言がなければこれで閉会いたします。  それでは閉会いたします。    午後零時三十一分散会