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1952-04-24 第13回国会 参議院 経済安定・大蔵・通商産業・建設連合委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月二十四日(木曜日)    午後二時十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事            郡  祐一君    委員           大野木秀次郎君            小滝  彬君            須藤 五郎君   大蔵委員    委員長     平沼彌太郎君    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君    委員            岡崎 真一君            黒田 英雄君            西川甚五郎君            溝淵 春次君            森 八三一君            下條 恭兵君            菊田 七平君   通商産業委員    委員長     竹中 七郎君    理事            古池 信三君            結城 安次君            栗山 良夫君    委員            中川 以良君            松平 勇雄君            山本 米治君            加藤 正人君            小松 正雄君            境野 清雄君            西田 隆男君   建設委員    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            楠瀬 常猪君            島津 忠彦君            東   隆君   委員外議員            加賀  操君            三浦 辰雄君            宮本 邦彦君            山崎  恒君   衆議院議員            福田  一君   国務大臣            周東 英雄君   事務局側    常任委員会專門    員       桑野  仁君    常任委員会專門    員       渡辺 一郎君    常任委員会專門    員       林  誠一君    常任委員会專門    員       小田橋貞壽君    常任委員会專門    員       武井  篤君    常任委員会專門    員       菊地 璋三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電源開発促進法案衆議院送付)   —————————————
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは電源開発促進法案につきましての連合委員会を開催いたします。  大蔵委員会が参加されましてからは第三回、実質的には第五回になるのでありまして、昨日まで引続いて質疑を行なつてつた段階であります。今日も引続きまして質疑に入りたいと思いますが、その前にちよつと御報告申上げておきたいと思います。今日のこの委員会を開催する前に関係委員長理事に非公式に議事の運営について御相談を申上げた結果、予定通り今週中の日程としましては今日、明日の午後予定通りにこの連合委員会を開く。それから二十六日以降来月の五日まで途中に休みの日がたくさんありますし、実質上開会は不可能だろうということで、それであるならばいつそのことここは全部休もうという話になりまして、二十六日から五日までの間はこの委員会を開きません。で、次の五月の六日か七日かいずれかに第四回目の連合委員会を開いて、そうしてその後にその後の運営については御相談申上げるということになつておりますから御了承を願いたいと思います。  それからかねて関係ある農林委員会連合の話があつたわけでありますが、農林委員会におきましてもいろいろ御相談の結果、連合委員会という形式をとるよりは一つ大体四名程度代表的な質問をしたいから委員外発言として一括して一つ発言さしてもらえまいか、そうすれば連合委員会も開かずに実質的な審議ができるというお話がありました。それも先ほど関係委員長とのお話合い相談いたしました結果、従来の質問通告をされておるから個々的に了解が願えるならば、優先的に今日すぐにでも取扱つてよかろうという話であります。従いまして関係既通告者と個別的に御相談申上げました結果、よかろう、今日最初農林関係質問をしてもらつてよかろうというお話であります。従いまして従来のこの委員会におきます質問は昨日までの過程で、その間に今日の委員会におきまして加賀操君、宮本邦彦君、三浦辰雄君、山崎恒君の四君の委員外発言を許可したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それではそのようにいたします。質疑に入る前に資料のことにつきまして発議者から発言を求められておりますから許可いたします。
  4. 福田一

    衆議院議員福田一君) 昨日栗山委員から資料提出方につきまして御督促を受けたわけであります。これにつきましては目下これが調製を急いでおりますが、或いは明日は少し無理かと存じますが、只今委員長から申されました六日前には成るべく早い機会にこれを調製いたしましてお手許に配付することにいたしたいと存じます。どうぞ御了承を願います。
  5. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは質疑に入りたいと思いますが、先ほどの四方からの関係答弁書要求に、発議者のほかに周東安定本部長官官房長、それから若し関係があれば、あるかも知らんから野田建設大臣という要求がありましおのおの出席要求をしてあります。周東安本長官もすぐ来るという話でありますが、もうやがて出席されることと思います。発議者は見えおりますから質問を開始してもよろしいかと思いますので順次発言を許します。加賀操君。
  6. 加賀操

    委員外議員加賀操君) 電力開発、特に水力電気開発につきましては、有形無形の深い関係を持ちますものは、広い意味農業でありますので、その観点から提案になりました法案について要点を御質問申上げます。  第一に、第三條に、経済安定本部総裁は、電源開発の円滑な実施を図るため特に必要があると認めた場合に調整をするこう書いてありまするが電源開発というものが、非常な広範囲の影響を持ちますので、私は必要がある場合でなく、初めから、これは特に愼重に関係行政機関に初めから相談をして調整されることと、計画を立てることが電源開発促進する最も根本的な行き方だと考えておりまするが、必要な場合のみと、こういたされました点と、それでなくあらかじめ関係行政機関相談をして計画を立てる、こういう点につきまして提案者のお考えを伺いたいと思います。
  7. 福田一

    衆議院議員福田一君) 只今電力が広い意味での農業に重要な関係があるという前提の下に御質問なさいましたお考えにつきましては、全く私も同感をいたしておるものでございます。そこで御質問の要旨はそういうように関係があるからしてそういう問題も含めてもつと事前の打合せをするような法案を作るほうがいいのではないかというような御質問かと承わつたのでございますが、第三條の「電源開発の円滑な実施を図るため特に必要があると認めるときは、」云々、こういたしてありますが、実際に電源開発をいたしますこの総合調整という意味合いから申しますと、今申しました農業関係というようなものは非常に重要な面でございますので、特に事前的にいろいろと打合せをされるごとに相成ると私たち考えている次第でありましてその調整がならないような場合におきましては、今度はちやんと行政機関の長から安定本部に対しまして正式の権限を以てこれが調整をなすべきことを申出られるような條文を作成いたしているつもりでございます。
  8. 加賀操

    委員外議員加賀操君) あらかじめ先ず行政庁の中で相談して調整のとれない場合に法的に異議のある長が申出る、こういう御説明でありますが、一応わかりましたが、そうすればこの基本計画を立てまする庁はどこでどういう方法でお立てになるかと、こういうことが具体的に出て来るわけである。それと同時に、この法案では基本計画という案たびたび出て参りますが、この内容が明らかでありませんので、いろいろ不分明な点がありますので、この基本計画内容が、これをどこの庁でどういうようにして立てるか、審議会もありますが、審議会が立てる場合はそれも考えられまするが、具体的に御説明を願いたいと思います。
  9. 福田一

    衆議院議員福田一君) 先ほど私が申上げましたようなことを具体化して行く上においてどういうことを考えているかということと、第一の質問は承つたのでございます。その面は審議会におきましては幹事会のごときものを設置いたしましてそれには関係官庁の事務次官、或いはそれに相当するようなおかたを依頼する、実際に大臣が全部そういう計画をやつて行くわけには参りませんので、そういうかたに集まつて頂きまして、そうして基本計画下草案というものを作ることに相成ると存ずるのであります。そこで関係官庁といたしましてはこれが自分の監督しているそれぞれの各省関係でございまして、具体的にその案がどういう関係を持つかということはそこで御説明もできるでありましようし、又主張もして頂く機会があり得ると考えているわけであります。それででき上りましたものを今度は審議会のほうへかけることに相成るのでありますが、その場合におきましても今度はそれぞれの所管大臣から意見の開陳の方法もあります。これがなかなかうまく行かない場合は、又別に先ほど申上げたような方法もあるのでございまして、関係官庁としてどうしても主張なさらなければならない面は、この幹事会で或る程度その焦点が明らかになつて来るだろう、かように考えているような次第であります。それからこの基本計画というものは、内容でございますが、基本計画と申しますのは電力の需給の計画に基きまして、そうしてそれに基いて作られる電源開発の基本的な、まあ大綱的な計画でございます、それは内容といたしましては、年度別に又水火力別に、又企業形態と申しますのは特殊会社でこれをやるのか、或いは九電力会社にやらせるのか、公益事業でやるのか、或いは自家発でやるのかというような、この企業形態別開発の方針、それから開発をいたしました場合の出力をどれくらいの出力でこの開発をやらせるのか、それから資金の面においてこれは政府から、例えば電力会社の場合でございましたならば、政府からどれだけを出して、又自分がどれくらいの自己資金を調達する、そういうようないわゆる資金計画、と同時に、相当これは全体といたしましては大きな資材を必要といたしますので、そこで資材をどの会社にどういうふうに、その資材はどういうふうにして調達する方法を講じるとか、そういう区分を大体はつきりさせる。それがこの基本計画内容をなしておるのでございます。
  10. 加賀操

    委員外議員加賀操君) 只今基本計画を立てる事務局でございますが、明瞭でなかつたのでありますが、はつきり言いますれば、これは安定本部に置かれるのですか、通産省に置かれるのですか、或いは審議会に置かれるのですかその点を確かめておきたいと思います。
  11. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お答えをしますが、安定本部に置くことになつておりますが、これが機構改革がありましたならば、実質的に同様な仕事をいたしまする官庁に置かれるはずになつております。
  12. 加賀操

    委員外議員加賀操君) 只今周東長官お話では、まだ行政組織法できまつていないから、原則安定本部に置くのだが、それがさように行かない場合には現在やつている庁でやると、こういうように受取つてよろしうございますか。
  13. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) ちよつと誤解を起さしたことは恐縮でありますが、経済安定本部に置きます。行政機構改革によつて安定本部に変革が起ります場合は、同様な性質の官庁に置きます。通産省でありません、こういうことであります。
  14. 加賀操

    委員外議員加賀操君) 大体わかりましたが、次にいろいろほかの法律と対照いたして見ますと、電源開発というものは非常に大きな事業でありまするが、この基本計画というものの大体がわかりましたが、実施計画にいたしましても、基本計画にいたしましても、私はこういう大きな仕事をする場合には、最初行政庁の中で十分な話合いができ、又その結果が国民に及ぼす影響が大きいのでありまするから、これを一般国民に周知さして、言葉を換えて言いますれば、公告形式をとりまして、国民意見を聞くなり、異議のある者は申出る、こういう方式をとるのが妥当でないかと思いますが、この法案にはそういう点が少しもありません。ただ他の法律によつて公告形式はありまするが、一つ一つの場合によつて公告をして国民意見を聞くなり、異議の申立をするほうがよろしいか、或いは全般としてこういう大きな問題は、それぞれの法律はそれぞれの法律とし、この電源についての公告なり、異議なり、或いは意見なりを述べる機会を、どこかこの法案の中に入れておいたほうがいいのでないかと考えますが、この点如何でございましよう。
  15. 福田一

    衆議院議員福田一君) お答えいたします。御尤もな御意見でございまして、実は審議会委員の中には学識経験のあるものを三名加えるということに相成つておるのでございますが、実はこの点につきましては衆議院でもいろいろ議論もございまして、もう少し一般意見を入れたほうがよいのではないか、こういうようなことで、当参議院に対して正式に送られます場合には或いはこの審議会委員の数は殖えて参るかと思います。これは決して今のお答えにはなつておらないと思いますが、大体において皆にそういう一般的に非常にこれは公正な案であるということを納得させるという意味におきまして、委員の任命にはもう少し一般の人が納得するという意味合い委員の構成を考え直す、こういうような空気が実は衆議院のほうにもあるわけでありまして、提案者といたしましてはこれには同意をいたすような気持を持つておるわけでございまするが、只今の御質問は、それぞれの計画をやる場合には、その根本計画を立てる場合において、関係者が納得するように、又国民も納得するような一つ形式を踏んではどうかという御質問と承わつたのでございますが、御尤もなお考えでございますけれども、この計画地点というものはかなり限定された地点が多いことは試案で御覧下つてもおかわり願えると思うのでありまして関係者といたしましては多分此処が開発されるであろうというような面につきましては大体皆関係者も知つている、又当該の府県の知事その他もそのことはよくわかることに相成ります。それから計画が一応できました場合には、これは当然そういうことは義務付けられるものでもございませんけれども、新聞紙上等を通じてもそういう計画があるということは漸次国民の間にもはつきりして来るのではないか。そうすればそういう意味合い利害関係者であつて、どうしても異議を申立てたい、或いは又これは一般国民のほうから見ましてもそういう計画ではどうも面白くないというようなことでありますれば、何らかの形において、それが反映すると申しますか、審議会のほうへ、政党を通ずるとか、或いは政府機関に直接陳情するとかいうような形でこれが意見が現われ出る方法があり得るのじやないだろうか、かように一応考えておるわけでございますが、併し御質問趣旨はなかなか結構なお考えであつて、余り無理がないようにして行かねばならないというお考えでありますから、この点については一応御質問趣旨をよく考えさして頂きまして適当な機会にもう一度お答えをさせて頂くということにいたしたいと存じます。
  16. 加賀操

    委員外議員加賀操君) 次に收用地補償の問題でございますが、土地收用法に詳しく載つておりまするが、一番問題になりますのは、水没地、或いはその他の農耕地電源開発のためになくなる場合にその替地の問題が非常にむずかしいのであります。土地收用法におきましては替地規定があるのでありますが、これも原則はその土地補償の価格内において替地を処置して行くと、こういうのが原則になつておりますが、これはここへ持つて来るのは余り妥当ではありませんが、現在駐留軍予備隊用地のために農耕地が使われる場合に替地をどうしても求めてやらなければならんわけであります。従つてこの法案によりますと、特に重大な大きな総合開発関係するものは政府が特にやるようになると思いまするが、そういう場合に政府の部内においてこの替地に対して補償をする以上に新らしい土地へ入れた人の開墾なり、生業が立つて行くまでのいろいろな助成をお考えになつておるかどうかとこういうことであります。例えば農林省の中で平通に計画される入植者経費のほかに、電源開発による入植経費をあらかじめ予算に組んでおいて電源開発をやると、こういうのが計画的であろうと思いますが、各省間でこういう話合いがついておるかどうか、こういう点をお尋ねします。それと関連して補償の対象にならない、例えば灌漑水が不足したとか、或いは水温が低下したとか、或いは木材の流送だとか、輸送だとか、こういう点に不便を来たしたとか、或いはダムの水の流し方によつて下流の人が非常に損害を受けたとか、魚が減つたとか、こういう措置につきましては収用法の適用を受けられるのでありまするがこれが又非常に大きな直接ダム関係でなく、間接に来る問題でありますが、こういう点につきまして何らかの補償規定を置かなければならんと思いまするが、法案にはありませんですが、この点について法案に何か書くか、或いは別の法律を作るか、何か救済の対策をお考えになつておられるかどうかとこういうことをお尋ねしたい。これが従来話合いになつておる点が非常に多いわけであります。又これは法的に訴訟を起す場合に非常にむずかしくなりますので、民法によつて訴訟を起すか、或いは次に申上げますが、国が命令した場合にどうなるかと、こういうむずかしい問題が残されて来ると思います。電源開発する場合にこういう点が非常に障害となりますので、促進をして行く上からあらかじめこういう点をきめておかなければ却つて促進になる虞れがあると、かように心配するわけであります。御意見を承わりたいと思います。
  17. 福田一

    衆議院議員福田一君) お答えをいたしますが、先ず埋没地家屋或いは田畑等についての補償、この面につきましては、又その生業をどういうふうにしてやるというような問題につきましては、お説のようにこれがうまく行きませんというと却つて開発促進というなことになりまして、資金を寝かしておいて非常に無駄が起きることはお説の通りでございます。そこで本法案におきまして御指摘の通りその点の規定はないのでありますが、一点実はこの第二十二條の第四号の中に目的達成に必要な事業というのがございます。この目的達成に必要な事業というのは電源開発の円滑な実施を図りまする上に、これによつて土地又は家屋が水没いたしましてその補償方法として必要な植林でありますとか、或いは製材でありますとか、或いは養魚でありますとか、魚を飼うというような業務も若し必要とあれば行うことができるような意味合いにおきまして、その目的達成に必要な事業という一項を入れておるわけでございまして、この面で或る程度目的を達し得るかと思いますが、併しお説の通りそういうようなこともできない、そこでよそへ行つて替地をもらいまして、そうして仕事をするというようなことになりました場合においては開拓法等において開拓地へ人を動かすというような場合も考慮される場合があるわけでございます。そういうときには勿論開拓法というものも適用されまして、こういうような面も考慮をいたしまして、実は今度の電源開発特殊会社がやりますところの電源開発につきましては、一般電力会社がやつております場合よりはその意味における補償経費というものをかなり余計なといつても、これはそう非常識に出せるものではございませんけれども、比率を割合によくいたしまして、できるだけ埋没されて誠にお気の毒な先租伝来の土地を失われる人たちに対しましては、国の施策の結果としてそういうことが起きるのでありますから、どうしてもできるだけの補償をして上げるようにするという意味合いで、一応試案いたしまして計上、たしておりまする地点につきまして、又それの建設費を算定いたします場合に、これは直ちに電気の料金に影響いたして来るのでありますけれども、その総掛り費におきましてかなり、まあ十分な補償の金額を計上したというような意味において特にお説のような点を考慮いたしたつもりでございます。さようなわけでございまして行政官庁同士話合いによりまして成るべくまあ一つそういう面の気の毒な犠牲者に対してはできるだけの措置をとり得るという気持を今言いました第四号のうちに含めて入れておるような次第でございます。なお立木とか、或いはその他御例示に相成りましたような問題につきましては十分、これは今までのやり方でありますというと九つ電力会社、或いは日本発送電会社或いは配電会社、今は九つ電力会社、こういうようなものが発電計画を持つて参りますというと、これに対して主務官庁が認可いたします場合には立木の問題その他灌漑用水等の問題について特に必要ありと認めるものについてはこれは解決をしてから行うべきであるという一つ意見を附しておるようなものでございます。併し今御質問のうちでなおこれに入らない部面がある、直接関連性のないという、直接関連性のあるようでないようでというような疑義のあるものがありはしないかというような御質問であつたように承わつておりますが、そういうものにつきましては勿論当事者同士話合いで話を進めて見るのが今までの慣例になつております。電力会社にいたしますというと大抵そういう場合には何がしかの最低においても涙金とか、一応理屈がつけば何か補償方法を講じて、直接に因果関係のない場合でもそういうことをやつて、とにかく電源開発を遅らせないような措置が講ぜられておるようでございまして、この点はお説もございますが、直接因果関係のあるなしというものは測定することが非常にむずかしい問題でありまして、例えばダムを作り、それを今度誘導いたして行きまして発電所作つたというような場合に冷害を及ぼす、或る一定の土地冷害を及ぼすというような場合がありますので、これは條件をちやんとはつきりと初めからこの冷害の問題は特に考慮しろということが言われるのでありますが、ずつと下流のほうの灌漑用水の問題になりますとこれはなかなかむずかしい問題が出て来ますので、これは個々の事例によつて適当に解決しても一応支障がないのじやないか、かように考えておる次第であります。
  18. 加賀操

    委員外議員加賀操君) 開発会社関係ですが、政府が第十二條にありますような計画を立てて会社がそれを受けて実施すると書いてあるのですが、受けるほうははつきりしておりますが受けさせるほうがはつきりしておりませんので、例えば会社が第三者に損害を與えた場合は一応は会社がその損害の負担をする責任を持つと思いますが、政府はこの会社計画実施することを命令することになるのですか。命令するとすると前にありましたように自発に政府施行命令を出して途中でやめさせてその損害をどつちが背負うのだというような議論がたびたび起つたのでありますが、政府会社命令をしてやらせると書いてありますので、会社は受けてやるだけでありますが、その辺が分明でないので、損害を與えた場合には民法によるか、行政訴訟法によるか、その辺がはつきりいたしておりません。この辺どちらに責任があるか。こういう点をお聞きしたいと思います。以上を以て私の質問を終ります。
  19. 福田一

    衆議院議員福田一君) お答えをいたします。これは、この特殊会社は御説明申上げましたように政府出資が中心になつておりますけれども、政府機関ではないわけでございます。と同時に、審議会というものがこれを命令するといういわゆる行政認可命令権というものはまだないわけでございます。従いましてそういうような問題が起きましたときには政府命令をしたことによる責任というものはないものと了承いたしておるわけでございます。併しながらそれが第三者に対しまして被害を與え、その他の問題を起しましたときには当然特殊会社がその矢表に立つと言いますか、被告といたしましてその損害の賠償の義務を負うべきものである、かように考えておるわけでございます。
  20. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 加賀君の質問はよろしうございますか。……政府側といたしましては、今の安定本部長官のほかに経済安定本部の民生局次長鵜崎君、それから建設省関係は河川局次長の伊藤君、農林省関係官房長の汲部君が出席されております。宮本邦彦君。
  21. 宮本邦彦

    委員外議員宮本邦彦君) 私はこの法案を拝見しますというと、十二條に「その規模が大であり、又は国土の総合的な開発、」というようなことが書いてあります。その規模が大であるということがこの法案の狙つているところのようなふうに思うのであります。従いましてその規模が大であればあるほど影響するところは大きいのじやないかと思うのです。で、今日安定本部長官にお尋ねいたしたいと思うのでございますが、承われば国土総合開発法というようなものが考えられており、又曽つて総合開発法が実は出ておるのでありまして、地域的なものは出ておるのでありますが、当然こういつた大きなものはそういうものと調整をされて行われるのがいいのじやないかと思うのですが、調整されるようになるのですか。或いはそういうような法案が、若し国土総合開発法が今後出て参りますればそれとこれとが競合する点が出て来やせんか。この法案を見ますというと、優先するような形に法案自体がなつておるのじやないか。まあ安本長官としては今後国土総合開発法をお出しになるかどうかということを承われば結構であります。
  22. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お答えいたします。国土総合開発法についてはすでに法案ができておりますし、今日衆議院提案されて審議されておるものは、従来からありました国土総合開発法の足らざるところを補つた改正案が出ております。近く参議院に回付される予定になつております。お尋ねの点でありますが、別にこの法律総合開発法に優先するというようなことはないわけであります。総合開発法のほうが広い。その中には広く農地、或いは山林、原野というようなものを含めてのいろいろな開発計画が総合的に考えられるし、河川の修復、或いはダムの建設というようなものも灌漑用水のために、或いは洪水調整のためにやるというようなこともそこに入つておる。そういう場合に総合開発の狙うところは従来ややともすると、これが灌漑用水、或いは洪水調整のためのダムだということだけで、もうちよつとこれに計画を立てれば電源開発にもなるもので、別に計画されておることもありますので、そういうところの無駄を省く、又国土の利用上総合的にその計画を進めて行くというのが一つの狙いであります。むしろ総合開発法に基く総合開発というものが広く含んで参るのでございます。併し地点によりましてはそういうものと離れた立場の電源開発のためのダム建設ということもあるかと思います。二者はどちらが優先であるというものではないと思います。併し質問者の意図されるできればそういう場合に常に連絡を保つて総合開発の一環として電源開発もやつたらどうか、こういう御趣旨は最も私ども賛成するところでありまして、恐らく今日考えられておる総合開発の特殊指定地点等においては、私どもは河川のダム建設等が含んで参るのでございますが、そういう場合において電源開発が併せて行われるような場合においてはそれが計画に含まれておると私は考えております。
  23. 宮本邦彦

    委員外議員宮本邦彦君) 私は安本長官の御説明で以てよくわかつたのですが、国土総合開発、又はこの電源促進法ですか、これはいずれもその骨子となるものは私どもは水だと思うのであります。本来から言えば現在の水で以て法律らしいものは、恐らく河川法しかないんじやないか。この河川法だけの水の法律で以てこういう大きな事業を急速にやる、又国土総合開発法をやるという場合に非常に私は無理があり、そうして問題もすつきりしない点がたくさん残つて来るのじやないかと思うので、この世界の文明国のあり方を見ますというと、どこの国にも大低水利法というのができておるのであります。日本の国にはまだ水利法というようなものが実はできておりません。河川法だけが水に関する法律であるというような状態でございますが、これは関連してでございますが、安本長官として今後そういうものを作りたい、或いは作ることが必要だというような御意見がありましたら承わりたいと思います。
  24. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お答えします。誠に御尤もな御質問であります。私ども想い起しますが、今から十四、五年前にもすでにその問題が関係官庁の間に取上げられたことを知つておりますが、それが今日まででき上らんところに日本のセクシヨナリズム、官庁のセクシヨナリズムもありますし、又水というもののむずかしさがあると思います。もう御專門でいらつしやるあなたに申上げるべきことでもないのでありますが、非常に関係面が広いためになかなかまとまつたものが、ドイツにあるがごとき水利法を作りたいという計画はされたこともあるのですが、なかなかむずかしいのです。それが今日遅れているゆえんだと思いますが、併し講和発効後における新らしい日本の行く道として、総力を挙げてそういう面について早く作るがよろしいと私どもは思いまするし、この電源開発促進法の立案中におきましても、その中にある何というのですか、電力審議会というのがありますが、あれを法案に盛込むときにも、それはそれとして根本的に一つ水利法というものを作つたらどうかというような意見も出たわけであります。これは農林省なり建設省もみなそういう考え方であります。併しそれを待つてつてこれを出すということは、根本は根本だけれども、目的電源開発のほうが遅れては困る。だから一時重大な水利権の争い、電源開発地点決定等に関する調整開発の手段としての審議会を作ることをここの中に書いてあります。根本の水利法等に関する問題と並行して進めて行こう。こういうふうに関係各省の間に意見がまとまつているようであります。お話のようにできるだけそういうものについて、むずかしくとも新らしい日本の出発点において一つ考えて行くことが必要であると、私も考えております。
  25. 宮本邦彦

    委員外議員宮本邦彦君) 安本長官のお話で、水利法は出したいのだけれども非常にむずかしい問題であり、急速にはまあ行かないようなお話でございます。私はよくその事情は知つております。その通りだと思うのですが、ここで一つ問題になるのは先ほど私が申しましたように、今度の開発法で取上げるところのこの事業は、先ほども第十二條の規模が大であるということを私申上げたのですが、恐らく今度の開発されるところの電源地帯は海岸線に近いところに開発されるようなことが殆んどないのじやないか、大体日本の国土の山脈の中央か或いはそういうところで以て、流域が非常に大きいということが今度の電源開発地点の特徴じやないかと思うのです、従いまして私はこの影響するところが非常に大きいということを先ず想定しなければならないのじやないか。従来から私案は水のほうの関係は知つているのですが、発電のダムにしろ、或いは発電の堰堤にしろ、そういつたところの水の操作の問題が、常に大きな農村における社会問題になつて来ているのです。で、電源会社、或いは許可の條件としてどういうようなふうにして水を操作するというようなことが必ず規定されているのですが、その操作権を持つているのは常に発電会社なんであります。で、その協定通りに操作された例は殆んど聞いておりません。これは下流のほうの水利関係を無視したといつてもいいくらい、默つておれば、何とか騒いで来なければ先ず最高度に発電に利用する、これが私現在までの発電所形態じやないか、今度こういつた大きなダムあたりができまするというと、この水の操作というものが非常に大きな影響を、今までに見なかつた大きい影響があるのじやないか、こういつた水の操作について水利権の何と言いますか、執行と言いますか、それに対する操作について提案者はどういうような方法でおやりになるか、御腹案があつたら承わりたいと思います。
  26. 福田一

    衆議院議員福田一君) 大変御尤もな御注意でございまして、仰せの通りどうしても山脈地帯にダムを作りまして電源開発するということになりますから、下流地域に及ぼす影響は非常に大であると思うのでございます。これらの問題に関しましては実は御承知かと存じますけれども、木曽川の今渡の調整ダム調整発電所がございます。これなどにつきましては或いは両県に跨がつておりますので、岐阜それから愛知の両県の関係者、それから発電会社、それから下流の水利組合とで水調整委員会というような委員会を作りまして、実は現実にその利害が相反しないようにその委員会で根本方針をきめる。実際の平時におきましては操作は一応発電所がやつておるが、いよいよになつた場合においてはその委員会できめて、そうしてその利害を相反しないように下流の利害を無暗に阻害しないように委員会を作つてやつでおる例がございます。そこで今後やりますようなダムにおきまして、特に特殊会社がやるようなダムにおきましては、私は一応こういう形態のものを取入れて、そうして先ほど申されました水利用法と言いますか、そういうようなものができるまでは、こういう意味委員会を作つて、そうして下流人たちの権益を侵さないように、又農業、灌漑、排水等の仕事がうまく行くような工夫をして行くべきものである。かように考えまして、法案には実は先ほども申されました通り、根本的な問題で、勿論早くこれは作らねばならないものとは思つておりますが、そこまで行かない場合の過渡的な措置といたしましては、今言つたような委員会を作ることによつてその弊害を幾分でも除去して行く、こういう方向で進めて行きたいと考えておる次第でございます。
  27. 宮本邦彦

    委員外議員宮本邦彦君) 今水の操作、或いはそういうことについては委員会を作つてそれでやつて行く、この委員会は個々の発電所ごとに作つて行くというふうに私は了承いたしまして、その問題はそれまでといたしまして、その次に私はもう一つこの水の問題について申上げて見たいと思うのですが、先ほど加賀さんから補償の問題について実は質問があつたのですが、私はだから土地補償とか、或いは家屋の埋没とかそういう補償は申上げません。ただ併し先ほども申しましたように、大きなダムであり、そうしてそのダムが水源地帶にできる、これによつて河川そのものが非常に大きな変動をもたらすということはたやすく想像できることでありまして、過去においても、これほど大きい発電所でなくても、発電所ダムができたということで以て河川の状態が非常に変り、河床の移動が甚だしいのであります。で、堤防その他の河川改修によります河川の変動は直ちに来ますけれども、この上流のダムによる河川の変動というものは比較的長期間に来るものであるのです、実際問題として。そのために下流のほうの河川利用者は、長い間に常に順々と被害をこうむつて行く。そのためにまあ例を挙げればよくわかるのですが、千曲川或いは犀川あたりにおいて、これはもう今日顕著に現われて来ておる問題が、河床の変動が非常に著しくなつておる。そのために護岸堤の根を現わし、又は取入井堰などの崩壊が最近頻繁になつて来ておるわけです。こういうものは期間が長ければ長いほど直接の損害賠償とか、或いは補償とかというような形では現わせないものなんです。こういうものに対しては、当然その従来利用しておる井堰の関係者、或いはその河川の沿岸民が自力で以てこれを復旧しなければならぬというものじやないと私は思うのでありますが、そういう長年の被害、何と言いますか悪影響に対して何か御考慮になつておいでになりますかどうですか承わりたいと思います。
  28. 福田一

    衆議院議員福田一君) お答えいたします。御尤もな御例示でございまして、確かにそういう例は私も実はあの地方を視察いたしましたときに陳情を受けたこともございます。で、よくお気持はわかるわけでありますが、長年に亘つてそういう結果が現われて来るというような場合におきまして、これをそのダムを建設した特殊法人の会社がその責任の一端を負うべきである、或いは又これを公共事業として優先的に、国としてそのダムを作つたのだから、公共事業のうちでも優先的にこれを取上げて行くべきであるということに相成りますならば、私はやはり公共事業費のうちで優先的に取上げる工夫を安本としては当然考えてもらわねばならぬ。又その面で大蔵省の方面にも予算の関係その他で十分考慮させるようにするのが一番いい方法ではないだろうか。その測定の度合というものは非常にむずかしいのでございますから、そういうふうに考えて行く、いわゆる水が取れなくなつたような場合には、その取れる所まで堰堤を延ばすとか、いろいろな工事が要るわけです。そういう場合にいたしましても、併しながら地元負担という問題が起きて来る。今の現行法で参りますというと、地元負担という問題が起きて来ると思うのであります。地元負担が起きたような場合に、これは電力会社のほうで或る程度その地元負担は分担すべき問題じやないかという問題が依然として残るだろうと思うのであります。これが一番質問者のお考えになつている点かと存ずるのでありますが、これは私はその個々の問題についてやはり電力会社とその地元の当事者との間で、一応協議をして明瞭に……、今まで二十年、三十年はちやんと取入ができておつた、その後ダムができてから二十年たつたら取入ができなくなつたのだということであれば、かなり因果関係というものがその点で明らかになつて参ります。そういうような因果関係の明らかになつたものは、これは電力会社において全部とは言わないまでも、一部分は負担するというような行き方でやる。当事者間の話合いでやらせるようなことでは如何かとかように提案者としては考えているわけであります。
  29. 宮本邦彦

    委員外議員宮本邦彦君) 先ほど提案者から審議会委員を増加して、そうしてそういつた関係人たちを入れるようになるだろうというようなお話があつたのですが、私はそういつた大きな問題が介在しておりますので、この電源開発に関し学識経験というかただけでなく、もう少し水利そのものに対し経験学識のあるかたがたが入つて来られると私は想像するのであります。そういつた場合にこの審議会で以て審議されて、そういつたかたがたの認定によりこれくらいの影響があり、こういつた仕事をしなければならないというような問題も恐らく取上げられるのじやないかと思うのであります。そういつたときに取上げられたような事業は、先ほど提案者も言われた何條でしたか、その他の必要な事業という條項がありましたが、それに当てはまるものと解釈してよろしうございますか。
  30. 福田一

    衆議院議員福田一君) 先のほうの御説明にございましたように、学識経験者というのを電源開発に限るかどうかという問題でございますが、これも実は衆議院のほうで大変この点をいろいろ御検討になりまして、多分衆議院のほうでも学識経験者という上に、電源開発に関し、というのを入れるのは不穏当だ、それではいかんから、電源開発に関し、という字だけ抜いてしまおう、そして学識経験者として数を殖やそう、こういうまあ修正意見が出ておるような次第でありまして、お説のように、これを電源開発だけに限らないで、今言つたような、利水の面、或いは農業関係のかたでも、そういう点に特に造詣の深い人をお入れするような審議会を作ることに相成ると思うのであります。後段の御質問でございますが、この電力会社のやります仕事のうちに、その他この事業目的を達成する事業ということのうちには、私たちといたしましては、今言いましたような堰堤工事をやるというようなことは含めてはおらないのでありますが、併しながら今ダムを作りまして、すぐそれが影響をする、ダム作つたときに水の流れが相当溜まる、そして取入品が非常に困るというような場合におきましては、これはもうダム建設に附帯した事業といたしまして、当然建設費の中に繰入れて、そうして仕事を、これをいたすことに予定をいたしております。
  31. 宮本邦彦

    委員外議員宮本邦彦君) 私先ほど加賀さんの御質問に対する御答弁ではつきりしない点が一つつたのですが、それは基本計画というものは、どうもはつきりした理解が行かないのです。というのは、私は国の経済計画なんかの基本計画ならば、これは先ほどの御説明のようなもので私了承できるのでありますが、これは電源開発株式会社が行うところの、そうして行わしめるところの基本計画である、一つ一つの発電地点に対して必ずやそこには何メーターのダムを作り、これはどれだけの水がここでは貯水できる、そしてこれの採算はどうなるのだということがきまらなければ基本計画でないと私は思うのであります。それがこういつた、この十二條に上つておる基本計画でなければならないように私思うのでございます。従いましてこの基本計画なるものは相当具体的なものでなければならないという気がするのでございますが、その点についてもう一度承わつておきたいと思います。
  32. 福田一

    衆議院議員福田一君) 基本計画と申しますのは、先ほど申上げましたように、電力の需給関係を見まして、そうしてどれだけの電源開発したらよろしいか、その電源開発のうちで水力と火力はどういうふうに分ける、年度割にすればどういうふうに建造して行く、又資金はどういうふうにして生み出すか、或いは又資材はどういうふうにして割当てる、こういうようなものを一応出すのでありますが、その裏付になるもののうちには、個々の発電所につきまして当然これぐらいのものは必要であろう、こういうようなことをせねばならないか、という個々の裏付になる一つ基本計画の、又裏付の計画と言いますか、それに添附すべき書類というものがなければ審議ができないと思うのでございます。そこで基本計画自体のうちには載らないでも、その添附資料のうちには、これに相当する、今おつしやいましたような案がちやんと出て来る、又出なければ審議会審議して見たところで、何を審議したのかよくわからんということに相成りますので、それが出て参ると思うのであります。そこできまるのはこの基本計画でありますが、いよいよこれを実施する場合になりますれば、電力会社にいたしましても、今度できる特殊法人にいたしましても、これは当然私たち考えでは通産大臣の認可を必要とすることに相成るのであります。その通産大臣はこの委員会委員になつておられますので、如何なることを基本計画として認めるか、それには一応こういうような大体の考えが中に包蔵されておるということがわかつておるわけでありまして、その計画を出しましたときに仔細にこれを検討いたしまして、これに合わないようなものを認可するわけはないと思いますので、お説のような御疑問は尤もな御疑問でございますけれども、その基本計画の裏付には、そういう今仰せられたような資料と言いますか、添附資料というものを入れて、そうして一応具体的なものが決定されることに相成るものと私たち了承いたしておるものであります。そのために必要とありますれば、幹事会でありますとか、その幹事会にも又附帶した事務局というようなものも、場合によつては考慮しなければならないというようなことも考えておるわけでございます。
  33. 宮本邦彦

    委員外議員宮本邦彦君) 私は最後に一つ希望を述べまして、私の質問を終りたいと思うのですが、私は基本計画を承わりまして、その裏付になる資料、或いは添附書類になるところの計画書、設計書、こういつたもので最も地域的に結び付きのあるその地方の人たちは常にこの発電所の建設に対しては、大きな関心と注意の眼を以て見ているわけです。で、もう過去の例に徹しましても、どこに発電所ができる、日発から、或いは関配からこういう調査団が二人来たというと、もうその地方の問題になり、そうしてかなり動揺を来たすわけなんです。従いまして私はその基本計画の中の、最もその地方に関係の深い條項を必ず必要な限度においてまとめ上げ、そうしてそれをその計画書として、先ほど加賀さんの言われたような工事をするというような機会を與えて、そうしてこの問題をできるだけ混乱を少くして持つて行くことが、この法案を作りました促進目的を拝するものと私は思うのでございます。そういうことを希望いたしまして、私の質問を終りたいと思います。
  34. 三浦辰雄

    委員外議員三浦辰雄君) だんだんと農林委員の同僚諸君からお聞きしたい点についてはお聞きしたわけでありますが、併しまだどうも納得の行かない点が、同じ個所でまだ少しばかりあるわけです、そこで周東大臣は、国土総合開発法と、それからこの法案との関係は、国土総合開発というのは非常に大きい広汎なものを対象としているし、これは発電のことを中心とした早急の開発の案である。だから向うが重いとまでは言わないけれども、まあ重いのだというような意味のことに聞えましたけれども、私どもこれを見てみるところによれば、国土総合開発法による開発は勿論望ましいのだけれども、今日日本の状況からいうと、どうしても何といつてもここに電源開発、水力電源開発をしなければならんということで、これを先ず第一段に取上げたというふうに読めるのであります。でそういつた意味からこれを見た場合に、例えばこの第三條にあります「経済安定本部総裁は、電源開発の円滑な実施を図るため特に必要があると認めるときは、国土の総合的な開発、利用及び保全、電力の需給その他の事項を考慮して関係行政機関の施策及び計画総合調整を行うものとする。」とある。ところがここに特に必要があると認めるときはと限定しておるように一章えるのでありまするけれども、先般来周東長官、或いは提案者等からの御説明の中にすでに出ておりましたが、この大きな開発事業をもくろみます場合に、他の産業との関連なしには到底それは考えられないということであるのでありまするから、私は端的に先ほど来、これ又問題になつておる基本計画というものを朗らかに打出して、そうして基本計画を立てる際にはこういうような関連のものとの間に協議をして、そうしてきめなければならないのだというふうにしたほうがいいんじやないか。例えば審議会の第八條のところに「電源開発基本計画に関し調査審議すること。」とある。どこかのところで政府の定めたという言葉があるのですけれども、政府のこういつた多方面に関連する、而も多目的的なダムが相当に建設されることが予想されるとなれば、その基本計画自身を定める際には、私は広く関係行政庁と十分な打合せをしたものでなければならないことをここに明らかにしておく必要があるんじやないか。提案者説明によれば審議会をする場合に幹事のようなものを各省から依頼をしておいて、そうしてその間で練つてもらうから、そういう点については実質的には調整ができることを期待しているんだというような御説明もございました。併しこの審議会というものは、およそこれは結局諮問機関である、そうであると考えられますので、私は端的に先ほど来問題になり、そうして只今電力電力がということで、電力だけを非常に強く考えて、その電力の最も都合のいいような形だけでやられたのでは、他の殊に農林関係の面としては困るのだ。私はいつそこの基本計画自身をこの法の中で経済安定本部関係行政庁との協議に基いて基本計画を立てなければならんといつたようなことをはつきり打出したらいいと思うのであります。この点についての意見を先ず一つお聞きしたい。
  35. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お答えしますが、三條の特に必要あると認める場合はということについて非常に重要にお考えになつておりますので、そういう御議論をなさることは当然だと思います。この点については、文字についてはよく研究をして提案者のほうで考えられておると思うのですが、考え方としては先ほど申しましたように、国土総合開発というものとこの法律目的が違うんですね。大体国土の総合開発というものは、一つの河川を捉えて見ても、その地区における総合開発については、あらゆる面を同時に一つ関係あるものの間において調整をした計画の下に、電力も、開墾も、或いは開拓も、或いは牧野の設定も、工場立地の関係考えて行きたいというのがあの法律趣旨であると思います。従つて又今日十九地区、特別地区として指定されておる総合開発指定地区、これについては大体河川関係においては総合開発計画が立てられておるわけであります、電源を含んで……。従つて私はこの法につきましてはこのうちに入らんようなものについての河川だけが電力開発が進むというような場合を予想しておつたことと思う。その地区は総合開発計画が進んでいない或る河川において、電源のためのダムを作るという計画が出ているときに、これは全体的に眺めて、これは将来の問題としてこの地区はこうするというようなときに、特に全体的に管轄庁と相談しようということが考えられておると思いますが、若し御研究の結果これは提案者……まあこの字句の問題について十分私は研究されてよかろう、この字句のあるために非常に心配であるならばと私は考えます。
  36. 三浦辰雄

    委員外議員三浦辰雄君) 提案者に或いはお聞きを更にしたほうがいいのオも知れませんが、後ほどまとめて要点について提案者からの意見をお聞きしたい、この点についてはお聞きしたいと思います。  次には第四條の、これは提案者にお聞きしたいのですが、「国の行政機関の長は、」云々とある。今の質問との関連もあるわけですけれども、この第四條においても、「国の行政機関の長は、河川法その他の法令の規定による他の行政機関の処分が、電源開発の円滑な実施に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該事項を所管する国の行政機関の長に対し協議する」とあるのでありますが、この「国の行政機関の長」というのは、この第四條の場合どこを言うつもりであるのか、提案者からお聞きしたい。
  37. 福田一

    衆議院議員福田一君) あとで質問をして頂くことになつておるそうでございますが、お先に答弁しては或いはどうか……。思いますけれども、お許しを願えますならば第三條にいわゆる「特に必要があると認めるときは、」というのは、先ほど安本長官が申されました通り意味考えておつたわけでありまして、若しこれが法文の書き方の上で今言いました国土の総合的な開発という面に重点を置いて考えて行かなければならん、或いは利水の面も、そういう面は国土総合開発に入りますが、そういう面を重視するということが阻害されるというようなことでございますならば、一つ適当に御修正を願いましても私たちとしては、趣旨において先ほど申したようなことでございますから、勿論御同意をさして預けることと存ずるのであります。  なお次の第四條の「国の行政機関の長は、」とありますこの第四條の「国の行政機関の長」というのは、電力関係のありまするところの公益事業委員会でありまするとか、或いは通産省でありますとか、そういう意味電力関係のある国の行政機関の長、かように解釈いたしておるわけでございます。
  38. 三浦辰雄

    委員外議員三浦辰雄君) そこで先ほど申しましたことを御質問したいという点が出て来る。第四條に「この国の行政機関の長は、」というのはこれを読むと電気関係のあるもの、電気関係のあるものというのは衆議院における速記録を見ますというと、まあ今のところは公益事業になつております。伝えられるいわゆる機構の改変に伴えばこれは通産省、又この水和権、そしてなお且つ野田大臣はこのダム建設は一つの河川工事という役割についても非常に大きいので、その面においては建設もこれに何とか自分のほうも相当な関連が、発言が出て来るのだ、こういつたようなことを答えているのでありますが、これが電気であるとすれば他の電気を起すほうの側が、例えば河川法の主管である建設省のほう、或いはその他のほうで行政機関のほうでその河川に対して電源開発の円滑な実施に対して支障を及ぼす虞れがあるときだけその相手方に対してこれは拒否することになる。そうしてこういう行為が次の第二項、第三項等に進んだときに初めてこの審議会の対象になる。だからして電気関係のないところの農林大臣なんぞはどうもこの第三條で経済安定本部総裁にお百度を踏んで置き忘れられないように、総合計画の中にこういう点、ああいう点ということをその河川々々の実情に応じた問題をいつもやつておらんことにはこれはどうも発言機会がない。大臣審議会つてというけれども、なかなか恐らく今までいろいろと見てみるとそうは行かない。だから私はこの第三條のところに戻るのですけれども、基本計画というものをやる際にすでに正式にその関係の面の意見というものを十分に取入れてやつて行かなければいけない。基本計画というものはそういうふうに立てなければいかんのだというふうに明らかにしておくことを私はくどく何と言いますか、強く思う。そのためにその点を御質問申上げているのです。そこで今提案者に伺いたいのですが、そういう意味であの基本計画というものをどういうふうにして、こういうふうにしてきめなければならないのだという点を明らかにしておくということの必要性をお認めになりませんか。結局先ほど来言うように誰しも電源開発というものは望ましいし、早くしなければならん、而も複雑なんです、それだけに先ず出す前に十分練つてそうして打出したらずつとスムースに行つて早く結論における成果の深いことを期待するというために私はこれを申上げたい。この点……。
  39. 福田一

    衆議院議員福田一君) お説は御尤もでございますので、よく研究をさせて頂きたいと思つております。
  40. 三浦辰雄

    委員外議員三浦辰雄君) 私は今大変何と申しますか、御理解のあると言いますか、私の或る程度望んでおつた答えを得たので非常にいいのですけれども、とにかくこのことは電源開発といわゆる治山治水というような問題からいつても、是非そういうふうにお願いをしたいという点をくどく申上げたわけであります。  それから時間がだんだんないようでありますから、もう一つ補償の問題です。先ほど来補償の問題が盛んに出ている。それは話が出るはずなんです。今までの日発或いは今日の九電力会社、これはとにかく公共のためだ。電気があつて初めて日本の経済というものが復興できるので、これがなければこれはできない。これはいわゆる至上命令なんだという頭がどうしてもあるものであるから農山村民のいわゆる賠償とか、そういう補償とかいうようなものについてはなかなか墓は柔らかいけれども、実質はむごく当つていて、そのためにむしろ難行すべきところの工事というものが着手できないというような問題があり、更にこの特殊会社はいわゆる政府の定めたところの基本計画従つてやる。だからそれはダムを作ることによつて直接いわゆる賠償等をしなければならん問題についてはこれは別らかだからいいだろうけれども、先ほど同僚の宮本さんあたりから話をしておつた、又稲田さんも、提案者も非常に御理解のあつた、そのものを作つたことによつて確かに発生したんだけれども、而も後半になつて発生したんだけれども、さてその直接発生したといおうか、間接といおうか、どうもその点は割切れない点があるというようなことがある。この会社は昭和三十五、六年に一応終るのだというような説明衆議院のほうではしておられるのですけれども、まあそう長くはやつていないでしよう、そうなつて来たあとになつて問題になるけれども、それはこういうような問題になる部門もあるわけです。こういう部門につきましては、憲法の二十九峰があるのだからいいのだ、あとは民事訴訟でやればいいじやないか、こういうようなことでなしに、零細な食うや食わずの農山村民としては、その国或いはこの大きな特殊会社というものを相手どつて而も食う金もない者が、訴訟でございといつたようなことをしろといつたつてそれは余り言い逃れだというような面が出て来ると思うのです。でありますから、協力を求めようとすればこれは是非協力を求めなければならんし、又しなければならんだけに、この補償の点を明らかにしておかなければならない。併し或る部分については私は国が例えば計画を立ててやらしたその結果、明らかでないそのための原因ではないかも知れないけれども、いや併し原因であつたかも知れないというものが事実あつた災害の問題のところは、恐らく国自身がやつてもいいという考え方さえする。とにかくこの補償については明らかにしておかなければならない。代替地なんかの説明の際に開拓法で保護されるとかいうふうにも聞えたのですが、あれは保護でなくて何かの間違いじやないかと思いますが、代替地の問題なんかは非常に大きな問題だ。例えば又流木権、先ほど問題になつた木を流す権利の問題、或いは道路の付け替の問題、こんなのはいずれもいわゆる代替工事をするというふうに衆議院でも説明になつておりますので、問題はすでに少くなつたのですが、そういうふうにとつていいのかどうか、さつきの補償の條項を設けたほうがいいのではないか、実際にやつて行くのには置くべきじやないかということについて提案者から一つお答え願いたい。
  41. 福田一

    衆議院議員福田一君) お答えをいたしますが、ダムを建設いたします場合には、道路の付け替工事でありますとか、その下流にあるところの例えば用水の工事でありますとか、そのために必要となつて来るようなものは全部発電所の工事費の中に含まるべきものである、かように解釈をいたしておるわけでございます。  そこで御質問のもう一つ内容は、直接関係のまあ明らかにならないような場合において、この会社が十年ぐらいで清算事務に入るというような場合が起きたときには一体誰がそういうふうな処置をとるのか。こういう点も御質問になつていると思うのでありますが、この点は譲渡をいたします場合においてはこういうふうな面も包括的に含めての譲渡、そういう問題が起きた場合には当然そういうことについても考慮する一応の義務を付けたような譲渡に相成ると思います。貸付の場合においては御承知のように当該会社があるのでありますからこれは一応問題もなくなる。やはり或る程度のことは、若し直接そういうはつきりした例が上つて参ります場合には、当然私はこれは補償しなければならんと思うのであります。併しそれを言いましても、結局これはそういうことを言うと余り突飛な話だとお考えになるかも知れませんが、実を言えば電気というものは税金のようなものでありまして、電気料金が上るということは国民生活に税金をかけることだ。従つてそういう特殊会社がそういう工事を負担いたしますればこれは直接電気料金に影響いたします。で電気料金の面で見るか、或いは租税、税金でとつた公共事業のほうで見るかということは、これはいろいろその場合において考え方もあることと思いますし、そのときの経済状態その他によつて考え得る、個々の場合として考えて行けると思いますけれども、まあ公共事業というようなもので成るべくそのようなものはやつて行つたほうが一番やりいいのじやないか。そういう意味合い安定本部というものがこの審議会の中心をなしている、又将来も国策の策定につきましては関無いたすのでありますから、そういう面で強くこの仕事をやはり考えておいてもらいたいのだ、かように提案者としては考えているわけであります。  そこで最後に三浦委員の仰せられたことは、とにかくその点がはつきりしないというといかんがら補償規定一つつて見たらどうか、そこのところをはつきり入れて置いたら、もう少し明らかになるのじやないか、まあこういうところが結びになつているように見受けられますが、このことにつきましては実はこの法案を作るときにいろいろ議題になり、いろいろ協議もいたしたのでありますが、一応私たちといたしましては、建設費の面におきましても補償の面は特に考慮するように一応の議案を作るときに考えたのでございまして、その点電力会社が埋没家屋その他の面倒を見るような場合はよほど考慮して、補償費、総務費と言いますか、そういう面をまあ取上げているわけであります。そうしてその上で弾、き出して、電力料金がどのくらいになるかということを実は出しているのであります。又一方におきましては土地收用法というものがありますけれども、成るべくならば当事者間の話合いでつくようにという意味合いで、こういう経費も割合殖やしているという面もあり、又会社の業務といたしまして必要なことができるという意味合いにて附帶事業ができる。その附帯事業は植林をするとか、或いは養魚をするとかというようなことまでやれるのだという意味で、できるだけ国民の生活権を脅やかさないようにという意味で実は法案を作り、法全体の動きを規制すると言うか、考慮して立法をいたしているような次第でありましてその点はもう一度私たちといたしましても考慮と言うか、あなたの御意見もありますから、もう一遍一応研究さして頂き、又後日御返事を申上げる、かようにいたしたいと思います。
  42. 三浦辰雄

    委員外議員三浦辰雄君) 大変どうも御回答が丁寧であり、非常に上手と言うと大変失礼でありますが、そつがない御答弁で、そうそう私も追つかける気もいたしませんが、併しこの特殊の開発会社が取扱うであろうと思われるところの第一期の九つですか、八つですか、ああいつたものについてまあ非常に補償関係については未だ育つて他の会社がやつたこともないような極めて理解のある見積りを内々策定しているというお話である。一方において現在の九電力と言いますか、現在の電力会社、或いは公共企業体等の新らしい電源ダムの開設についても、これは政府としては、ここに何條かにありますように、援助をして相ともどもに助けて全体の電力量を至急に多く上げたいということをはつきり言つている。そうして今までの電力会社関係から言うと、発電の原価として水力で一キロワツト・アワーが二円六十五銭、公営のが二円七十三銭、今度の会社でやるだろうと考えているのが二円四十五銭ということで安いということを言つておられるのも又事実だ。でありますから、私ども大変お答えそのものについては一応満足しなければならないお答えなんですけれども、一方において今までの九電力会社も新らしいのをやるし、こういうようなものはこういうようにやるし、大きいものはこれでやるのだといつてお互いに相協力しまして更には技術、資材等までも協力を求めてやるのですと答えているようなこの中で、ひとり特殊会社だけがそういう補償関係について非常に手厚いところのあれをして済むか済まないかという問題も考えなければならんと私は思う。でありますから、そうして又一方から言えば、この電力会社はさまざまなんですが、主として国費で以てできた施設というものを譲渡或いは貸興する際に何らかの評価委員会というものも設けないで、いろいろとコストを計算し、かかつたものは通して計算するから間違いございませんということを答弁しているけれども、第三者が見て、正しい評価であつたかどうかというようなことはしないで、非常に特殊会社には経費を大いに拂つている。そういういわば何と言いますか、非常に権力のある、いわゆるお偉い人の恐らく理事者等になられるこの会社が、他に率先して非常に手厚いところの補償等をして他に範を垂れるといつたところまで行けば結構だが、私は前の他の電力会社とのお互いの相互援助によつてやるのだといつたような建前から言うと、ひとりこの会社だけがそういうふうにやれるかどうか非常に疑問だと思う。そういう意味から言つても、今お答えのような補償の問題を是非入れることについてはお考えを願いたいと思うのです。  それからもう一つ。第三條のところで、基本計画というものを作らなければならん、こういうふうにして作らなければならんということを明らかにしろということで、あなたのほうの再考を促したのですが、同時にそれとの関連におきまして、第四條のところで、国の行政機関の長は自分仕事をするために支障を及ぼすような虞れがあるときは相手の行政機関の長に対して協議することができるという、そうしてその中の審議会に持込むことができる前提になつておりますけれども、同時にダムを作つても、殊にダム発電の場合においてはもつと影響が多いと思いますが、上流のいわゆる山林が非常に荒れているが故に、非常なつまり思い違いをして、耐用命数などは甚だ心細いのがあるのは御承知の通りであります。庄川の小原ダムなどは、私どもの知つている小原ダムなどは昭和十七年くらいに竣工したのが、二十二年か三年にはもう四九%幾らというものが埋つちやつて……天龍川にも何か有名なのがあるはずですが、こういうようなのが相当にある。だから勿論あなたが附帶事業として植林までするのだといつたようなことで十分気持はわかるのです。それだけに私はなお電気を扱う行政庁としては、この第四條の、ときに自分のほうの仕事をするためにだけの支障があるときというのでなしに、今の治山だとか治水だとか、そういうようなものに、この所にダムを作り発電しようとすれば非常な影警があると考えたときには、進んで協議をするという線を新たに作つてはどうか。そのこと自体が、或いは僅かばかり、十年程度を目標としている会社がみずから附帶事業として植林をしないで済む場合があるかも知れない。多額の工事費を出して治山、砂防工事をしないでも済むかも知れない。そういうようなことが欲しいとき、つまり治山、治水等が非常にダムを作ることについて影警のあるような際には、進んでそのほうに協議を求めるということもこれに加えたらどうかという問題については如何でございますか。
  43. 福田一

    衆議院議員福田一君) 先ず後段の御質問からお答えいたしますと、第三條において「必要があるときは、」という條項について考慮するという意味は、今質問者の三浦さんがおつしやつた意味において考慮するというような場合もあるから、第三條乃至第四條は或る意味において相関性を持つております。従いまして両者を合せて一応私どもとして考慮をして見たい、こういう意味お答えをいたしたいと御了承願いたいのであります。  それからなお前段の質問でございますが、補償をされるときだけに非常によくやつて、ほかのほうが右に倣えというところになれば非常にいいが、というお話でございますが、私は、提案者といたしましては、電力会社がやるような場合においても、補償というのは今までのような考え方でやる。いわゆる利益本位でやる。一文でも建設費を安くするのだという建前を貫くために、不当に個人の権益を侵害したような過去の例は、それは訂正さるべきものである。こういうのは順次改むべきものだという考えを強く持つておるのでありまして、いやしくも墳墓の地を離れて、そうしてよそに行かなければならん個人の身になつて見れば、非常に大変なことである。こういうふうなことは国全体の利益、国民全体の利益のためにやらなければならないということでありますから、これは私といたしましては、心力会社電力料金が若干高くなつて、それが国民全体の負担になるといたしましても、これは相当手厚く補償をいたすべき筋合いのものであるという考えを持つておるものでございます。この意味から言いまして、私は将来の行政官庁と言いますか、電気行政をやられる人たちに、こういう見地に立つて令後の発電所の認可なり、或いは今やつておるものについても、こういう考え方を電力会社に徹底させるように努力さすべきであると思うのでありまして、私たちとしては、法案には差当りこの條項は入れておりません。又これも一応は研究はさして頂きますけれども、たとえそれがうまく入らない……何かの事情で入らないというような場合でも、電力行政機関に対しましては、一般の発電事業につきましてもこの趣旨を徹底さすべきである。こういう強い要望があつたことを伝えて、そのように、行政を運用するように努力させて頂く。誠に結構な御忠告であると、かように私は存じておる次第であります。
  44. 三浦辰雄

    委員外議員三浦辰雄君) もうやめますけれども、一つ事務的のことでありますけれども、ほんの注意と言おうか、意見を……。どういう経緯でこうなつたかを聞きたいのです。それは立入り或いは立木の伐採ですね。その際は都道府県知事が一切対象になつておるようです。けれども従来の経過から言いますと、御承知の通りに山林、これは殆んど山林地帶でしようけれども、山林は例の国有林という国自身が持つておる山があるのです。これは従来よく府県と……、民有林行政は勿論府県がやつております。国有林は直接やつておりますから、従来の取扱等を一つ御参酌になつて再考されてはどうかと思うのです、円満に行くためにこの点だけ……。私は一応御津意の意味で申上げるつもりですけれども、何か特に理由があればお聞きしたい。
  45. 福田一

    衆議院議員福田一君) その点につきましては、実は公共事業会の中で今言つたようなのがカバーできると、かように考えまして実はああいうことにいたしたのであります。ちよつと今その條文を……。
  46. 三浦辰雄

    委員外議員三浦辰雄君) いや、それは後から聞いて結構です。私はこれで終りますから……。
  47. 山崎恒

    委員外議員山崎恒君) 農林委員会のいろいろ農林関係に鑑みました点は大体同僚三人の委員各位によつて質問されたところで了承いたしたのでありまするが、私は重複になりまするが、今回の電源開発に対しましては、国の現在の電気事業の不足しております今日、急速な開発ということは国民ひとしく熱望しておる問題でありますので、何ら我々も異議ないのでありまするが、ただ大きな面から今後の事業が推進されるというような点からいたしまして、その開発されるところの地域の受くるところの影響等は相当大きな面があろうと思うのであります。そこで先ほどから特に補償の問題が出ておるのでありまするが、発議者といたしましては、従来第二十二條の「会社はその目的を達するため、左の事業を営むものとする。」、特に第四号の「その目的を達成するために必要な事業、」その中に補償というものが含まれておるというようなことを言われておるのでありまするが、立案者の気持は、先ほど来の御答弁で十分補償制度の問題を考えておるという親切な答弁でありますので、わかるのでありまするが、これは立案者の意図が果して実施に移つた場合にそう簡単にはなかなかこの法律は実行できないというような杞憂の面があるのであります。従来の鉱業法とか或いは特別鉱害復旧臨時措置法とか或いは公有水面埋立法というような過去の資源開発法律を見ましても、いずれも補償問題ははつきりと謳つてあるのであります。さような点からいたしまして、先般電源開発促進の問題につきまして経済安定本部におきまして作りました案そのものを見ますと、電源開発によるところの損失補償の特例というものを謳つてあります。これは政令の定める地点について、電源開発実施による土地又は水に関する既存権の廃止又は制限等に対する損失の補償に関しては、当該土地又は水に関する既存権利者の希望により、土地收用法第八十二條から第八十六條までの換地補償等に関する規定及び当該規定に関連する收用委員会の組織及び権限、会議及び審理に関する規定を準用することができるものとすると、こういう工合に安本案によるというと補償制度というものははつきり特例として謳つてあるのでありますが、これを発議者としては十分基礎においての本案の立案であつたと思うのでありますが、これをどういう意味で削除したか、その点を先ずお聞きしたいと思います。
  48. 福田一

    衆議院議員福田一君) 只今補償の問題について重ねての御質問というか、足らざるところを御質問頂いたわけでありますが、安本の案というのは実はないのでございまして、どういうことか私ちよつとわからないのでございますが、趣旨といたしましては補償というもを非常に重視する。こういうことは今まで例がないことでありますけれども、特に会社の業務のうちにそういう一項を入れたというのは、これは補償というものを重視するという意味合いにおいて実は入れたわけでございます。そこで補償の問題でございますが、これはまあ河川法にも実は補償規定がありまして、河川法は今現存いたしております。これは勿論利水法その他の関係におきましても、先ほども宮本委員から御質問がありましたように、これは当然別の面からも考えて行かなければならないのでありますが、そういう河川法というものを改正するということにいたしますと、それが関係するところが余り多いものでございますから、なかなかそう簡単に行かない。そこで河川法を生かしておいてそうして一応電源開発促進をするという法律を作ります場合には、河川法はこれを準用して行く、こういう建前でこの法律を作つておりますので、そこで河川法で今言つたような趣旨の面が生きて来ておる、特に収用法でも生きて来ておる、こういうふうに私たちは解釈をいたしまして、両法律を生かしておいてそうしてこの法律作つた、こういう建前に相成つておるわけでございます。併しその面につきましては、先ほど三浦さんからも御説明がございましたように、非常に大事な問題でございますので、私たちといたしましてはもう一度よく研究をさせて頂きましてお答えをいたしたい、かように御了承願いたいのであります。
  49. 山崎恒

    委員外議員山崎恒君) 只今の御答弁で十分研究したいというような御意見でありますので、要望といたしまして、この問題は特にはつきりと電源開発によつて生ずるところのいわゆる灌漑水の不足とか、木材の流送の支障とか、或いは魚類の減少その他政令で定むる理由によつて損失を受ける者があるときは、こうした問題については損失を補償するというような字句を入れるような方法をとつて頂きたいと、かように思うのであります。 次に、先ほど来基本計画の問題に関連いたしまして、同僚議員からも質疑が行われたのでありまるが、先ずこの基本計画を発表する、この発表によつてこれを当該の区域に対して無論これを公示いたしまして、やはり関係住民に十分納得させるということが必要であるということを加賀委員からも発言されております。と同時に、まあその点についても十分研究いたしたいというような御答弁でありますが、これは大事なことでありまして、先ほど来三浦委員からもお話がありましたように、損害をこうむる人は無論法律の定むるところによつて訴訟を起したらいいじやないかというような点も考えられるのでございますが、大きな会社に対しまして極めて零細な農家が損害賠償の訴訟を起すなんというようなことは、到底でき得ない問題でありまして、そうした問題等を納得の行くことによつてこの電源開発がスムースに行くことを我々は希望するのでありまして、先ず以てこの法律にはそうした途を一つはつきりと語うということを必要であろうと、かように思うのであります。さようなためにこれを基本計画に基いて公示をする、公示をしたならば異議の申立をできるような方法をとつて頂くというようなことが必要でなかろうかと、こう思うのでありますが、それに対しまして先ほど来御意見がありましたが、重ねてこの問題についてこれを謳う意思が、修正する意思があるかどうか、その点を一つ重ねてお聞きいたしたいのであります。
  50. 福田一

    衆議院議員福田一君) 只今の御質問は、先ほども申上げました通り、御尤もな御質問でございます。又御注意と存ずるのでありまして、私たちといたしましては一つ十分御趣旨を取入れまして、その意味一つ研究をさして頂きたい、適当な機会にこれを発表するようにいたしたい、かように考えておる次第であります。
  51. 山崎恒

    委員外議員山崎恒君) 参考まででありまするが、私ども農林委員会の一部のもので、この修正の個所について一応協議したのでありまするが、これは明日の農林委員会に諮りまして、委員会全員の意見をまとめましてこちらの委員会のほうへ申入をしたいとこう思うのでありまするが、先ず大体の素案といたしましては、こういう点を修正いたして欲しいということを持つております。それは第三條を次の通り修正すると、電源開発基本計画として  第三條 経済安定本部総裁は、電源開発基本計画関係行政機関の長に協議して定めなければならない。  2 経済安定本部総裁は、前項の規定による電源開発基本計画を定める場合には、国土の総合的な開発、利用及び保全、電力の需給その他の事項を考慮して電源開発基本計画関係行政機関の政策及び計画との総合調整に努めなければならない。  3 経済安定本部総裁は、第一項の規定により電源開発基本計画を定めたときは、命令の定めるところにより公告しなければならない。  4 電源開発基本計画に対し異議のある者は、前項の公告の日から一箇月以内に、  経済安定本部総裁に対し異議の申立をすることができる。  5 前項の申出があつたときは経済安定本部総裁は、第三項の公告の日から二箇月以内に当該異議の申立に対する決定をしなければならない。 (これに伴つて第十二條中「政府の定める電源開発基本計画」を「第三條の電源開発基本計画」とする。)  二 第四條第一項を次の通り修正する。    国の行政機関の長は、河川法(明治二十九年法律第七十一号)その他の法令の規定による他の行政機関の処分が電源開発の円滑な実施に支障を及ぼすおそれがあると認めるとき又は電源開発実施が治山、治水、利水等国土の総合開発に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるときは当該事項を所管する国の行政機関の長に対し協議することができる。  三 第六條の次に次の一條を加える。第六條の一この法律に基いて行う電源開発により生ずる灌漑水の不足、木材流送の支障、さく河、魚類の減少、その他政令で定める事由に因つて損失を受ける者があるときは、当該電源開発を行う者は、政令で定めるところにより、その者に対し損失を補償しなければならない。  四 第八條但書を削る。  五 第九條第一項申「十人」を「十二人」に修正し同條第三項第八号中「電源開発」を「電源開発、治山、治水及利水」に火正し、「三人」を「五人」に修正する。  以上のように案を、素案でありまするが、一応まとめたのでありますが、これは明日私ども農林委員会の全員協議に諮りまして、こちらに申入れたいと思います。かような意見を持つております。以上私の質問を終ります。
  52. 福田一

    衆議院議員福田君) 御質問ではないのでありますが、お願いかたがた立つたのでありますが、素案をあとでお示しを願つて参考にいたしたいと思います。もう一つお願いいたしておきたいのでございますが、勿論皆様十分御研究になりましてお作りになりましたものでございますから、間違いがあるとは存ずるわけではありませんが、できますならば決定案としてではなく、私どものほうでも考慮さして頂きますから、何か話合いがつくような意味一つお諮りおきを願つて趣旨が通ればそれでいいという意味において御考慮を願えれば非常に有難いのであります。
  53. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今山崎君の発言に対しまして発議者のほうから希望意見を付して発言がありました。当委員会といたしましてはまだ正式に提示されておりませんので、正式にお話がありましたあとに委員会審議の過程で十分尊重できるような方法を考慮いたしたい。御了承願います。これをもちまして予定しておりました農林関係委員外の質疑は終了するわけでありますが、引続きまして従来の質疑に入りたいと思いますが、関連して……。
  54. 石川榮一

    ○石川榮一君 本案は今非常に窮迫しております電源開発に非常に寄與する法案だと思いまして、私どもはその精神には決して不賛成じやないのであります。ただ伺つておきたいのは、このダム、水路、貯水池等を中心として電源開発することになつております。従いまして重要河川に全部関連を持つものであると思うのであります。現在御承知と思いますが、国土総合開発法の改正法案只今審議中であるのであります。この国土総合開発法の改正法の主体は災害防除並びに電源開発並びに利水等水に関する行政を一本の線に沿いましてそうして国土総合開発法の線に沿うて計画を立てましてそれを閣議にかけまして実施に移すという、いわゆる予算を裏付けする案になつておるのであります。いわゆる国土総合開発から見た電源開発も、この開発会社がこの法案によつて見込んでおりますその目標もそういう齟齬はないと思うのでありますが、若し国土総合開発審議会が決定しましたところの、いわゆる電源開発計画、この法案による電源開発調整審議会できめましたといたしますと、齟齬が起りますと、そこにやはり実施上非常にトラブルが起きて来て折角のお骨折が十分功を奏しないことがあるのじやないか、かように考えますので、電源開発調整審議会が若しこの計画があるならば、事前に国土開発審議会提案をいたしましてその希望するところの目標を示して審議できるということが大事ではないかと思うのであります。これらの御見解を一つ。それからダム、水路、貯水地等、日本の現在の重要河川は非常に荒れております。アメリカの專門家に言わせますると、現在までできておりますダムは十年乃至十二年で以て日本の洪水統制のダムは皆効力を失つている、全部埋沒するであろうということに報告されておるわけです。我々もその点は非常に心配しておるのでありまして重要河川の治山治水をやつて行きますにつきましても、この治山、いわゆる砂防、植林、これに対しては非常な考慮を拂わなければ、国土を無意味に浪費するに終るからというので、この点に非常に心配をしているわけであります。本会社のやります仕事としてダム、水路、貯水池寺今予定されておりますものが大分多数ありますが、これらのものはその有効壽命はどのくらいに見込んでおられますか。その有効寿命後においてそのダムダムの機能をなくした場合、その後におけるダム建設を考えておられるかどうか。恐らくダムの候補地というものはそうたくさんはないはずです。適当なところだと思いましても、科学的な検討を加えますと、地盤関係等で、非常にいいと思うところが殆んどダムの建設候補地としては不適当であるという事態も起るのであります。こういう埋沒する運命にあるダム、特に日本のように荒れ狂つております治山の状況から考えましてただダムを作り貯水池を作るというだけで一応は電力は起りましようが、その壽命が僅か十年或いは三十年程度で終るようなことがありますれば、全くこれは非常な高価なものにつくのでありましてその点も心配なのでありますが、これらに対する計画が今の建設工事計画等に入つておりますかどうか、その平均寿命等もお調べになつておりますかどうかを伺つておきたいのであります。
  55. 福田一

    衆議院議員福田一君) お答えをいたします。国土総合開発審議会とこの電源開発審議会との間に計画の上において食い違いがあつてはならないから、電源開発基本計画ができた以上は、これを国土総合開発のほうへ移して移すというか示してそうしてその間に何と言いますか、食い違いがないようにする意図があるかどうかというお話と承わるのであります。  御尤もな御意見でございまして当然これはそういたさねばならないと思います。と同時に国土総合開発計画のほうで先におきめになるような場合も、この電源開発審議会のほうに案を示して頂いてそれが余り無理がないようにうまく調整が図れるようにいたして頂ければ一番いいのじやないか、こういう意味合いでは両方とも現在経済安定本部に属しておりますので、その間の問題は比較的円満に処理ができるのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。  それから第二点のダムの埋沒による生命と言いますか、有効期間というものについて考慮しておるかどうか、調査ができておるかどうかというお話でございますが、大体発電所というものは四十年なり五十年の一定の発電所自体の壽命があるのでありますが、日本のダムの建造につきましては、そういう面での調査が今まで余り完備しておらなかつたことはお説の通りでございます。実はこの計画を立てます場合にも、その点はいろいろ考えたのでございますが、まだ計数的にどういうふうになるかという調査をいたしておらないのは甚だ申訳ないことだと存ずるのでありまして、早急に一つそれを具体的に調査をいたしまして、そうしてお答えを申上げたいと存じます。
  56. 石川榮一

    ○石川榮一君 只今の御答弁で大体満足するのでありますが、このダム或いは貯水池の有効壽命年限と言いますか、これは重大なことだと思いますので、会社の損益に非常に重大な影響を及ぼすと思いますから、一つ詳細にお調べ願いましてそのダムの建設候補地に対する砂防或いは植林ということについて、十分に御検討を加えて頂きまして間違いのないようにお願いしたいと存じます。その資料が若し出ましたらばお調べ願いまして御提供を願いたいと思います。  それから経済安定本部、これははつきりいたしませんが、今自由党でもいろいろと論議されておりまして、最近経済審議庁というようなものができるようであります。私どもも経済安定本部それ自体に対しての批判はするのでありますが、国土総合開発或いは電源開発を国策として遂行するというような場合に、先ほど来農林委員のかたがたが指摘したように利水の面或いは治水の面或いは運輸の面等に大きな影響がありますので、大体において七つ八つの行政官庁影響を及ぼすと思うのであります。従いまして強力な調整機関がなければ到底議論倒れでできない、先ほど農林委員のかたがたから指摘されましたように及ぼすところの影響が非常に大きく而も深刻であり、或いは測らざる影響があるということもあり得るのでありますから、この経済安定本部そのものが今度行政改革でなくなるという後におけるいわゆる小さな権限しか持たない経済審議、而も審議という名が付いておりますが、審議庁、こういうふうな性格のもので、各省の強い主張を大処高処から抑える、いわゆる調整し得る権力を持ち得るものかどうか、若しこれを持ち得ないとするならば、或いは議論倒れになりまして紐付きの意見が出て参りまして、この法案が狙うところのものは荏苒日を閲しまして殆んど案が立たたないということに陷りやすいと思うのです。この点は特に立案者といたされましては御協調願いまして、党を鞭撻されまして、強力な調整ができるようないわゆる政治的な力を持つ機関を設置するようにして頂くことが大切ではないかと思うのであります。現在、経済安定本部でおやりになりました数年間の事績を見ますと、ややもしますと各省の代表者、いわゆる次官或いは局長等がやられました場合、殆んどその意見は紐付きの意見であります。その省を代表する背水の陣を布いたところの議論でります。従いましておのおの各省の言わんとするところを言いまして、そこに協調の精神が失せておる。それを抑える機能が今までも十分でなかつた、そういう点が経済安定本部の存在価値を非常に稀薄にしておる。それがたまたま今度の行政改革に俘かび上つて来まして、面倒だからやめたらいいじやないかということになつたのだと私は思うのであります。これは最も重大なことでありますので、各省に亘ります相当大きな主張、強い主張を持つておりますところの行政官庁を本当に国策の面に順応するように、統合し得るような政治力を持ち得る官庁の設置が私は最も大事だ。これなくしては、如何に法案を作りましても……総合調整のできるいわゆる経済安定本部長官がやりましたあの事績に数倍する圧力を加え得るようにそういう権限を持ち得るようなものをこの際作つて、今困つております治山治水或いは利水、総合開発に関する件或いは電源開発に関する件というものをどしどし押切つて行くというように御考慮を願いたい。特に私は自由党でありますので、その点では参議院におきましても決して人後に落ちないのでありますから、どうか立案者におきましても多数おられるのでありますから、その際協調しておいて頂きたい。かように考えるのでありますが、御意見はどうでありますか。
  57. 福田一

    衆議院議員福田君) 誠に御尤もな御意見でございまして、実は新聞紙上でも御承知かと思いますが、今申しましたような総合調整機関としての経済安定本部というものを全然なくしてしまうというような一つの案が出ておつたことは、御承知の通りであります。そのとき自由党といたしましては、それは絶対にいけない、どうしてもそういうものを置くべきであるという意見を強く政府に要望いたしまして、今仰せられましたような経済審議庁というものを設けて、大体において、私がそういうことを申上げてはどうか知りませんが、今までの機能というものを残して行くという形に相成つたわけであります。併し石川さんの仰せは、それでは足りないのだと、もつと強力なものにしなければ意味がないではないかという御鞭撻の御趣旨だと思うのであります。私もその点では非常に個人といたしましてというか、自由党の代議士といたしましては、党内においても実は率先いたしまして、これはどうしても残さなければならん、残すというか、こういう機能を持つたものを残すべきであるということを強く主張をいたしておつたものでございます。お説には十分共鳴いたしますので、今後ともそういう意味合いにおいて御趣旨のようなものはできるように一つ努力をさして頂きたいと、かように考えておる次第であります。
  58. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  59. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて下さい。それでは特別な御意見がたければ今日の委員会はこの辺で閉会いたしたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは散会いたします。    午後四時四十三分散会