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1952-05-12 第13回国会 参議院 議院運営委員会 第45号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月十二日(月曜日)    午前九時五十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     川村 松助君    理事            加藤 武徳君            木村 守江君            赤木 正雄君           小笠原二三男君    委員            石川 榮一君            玉柳  實君            寺尾  豊君            安井  謙君            加賀  操君            高橋 道男君            菊川 孝夫君            相馬 助治君            大隈 信幸君            石川 清一君            水橋 藤作君            兼岩 傳一君   委員外議員            松原 一彦君            東   隆君   —————————————    議長      佐藤 尚武君    副議長     三木 治朗君   —————————————   事務局側    事 務 総 長 近藤 英明君    参     事    (事務次長)  芥川  治君    参     事    (記録部長)  小野寺五一君    参     事    (議事部長)  河野 義克君    参     事    (警務部長)  丹羽 寒月君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君   —————————————   本日の会議に付した事件警察学園干渉に関する緊急質問の  件 ○早大事件と最近における警察の実力  行使に関する緊急質問の件 ○最近続発しつつある学園事件政治  教育、学生運動等に関する緊急質問  の件 ○早大事件に関する緊急質問の件 ○人権擁護に関する緊急質問の件 ○検察及び裁判の運営等に関する実情  調査のため議員派遣要求の件 ○職員の辞任及び任用の件   —————————————
  2. 川村松助

    委員長川村松助君) それでは開会いたします。緊急質問に関する件をお諮りいたします。
  3. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 緊急質問について只今お手許に印刷物がお配りしてございます。便宜印刷物について御了承願いますが、五件出ております。この印刷物の訂正を要します点がございますから申上げます。三番目の矢嶋三義君十五分と言つておりますが、その後二十分に訂正してもらいたいというお申出がございます。それから相馬助治君の法務、文部と書いてございますが、これに総理大臣を入れるように、かようなお申出がございます。その点だけを御訂正願います。
  4. 加藤武徳

    加藤武徳君 これは、緊急質問を御要求になつております会派かたがたに御相談ですが、その前の本会議で社会党第四控室の吉田法晴君が治安維持立場から多岐にわたる質問をなされまして、今日ここに件名として掲げられてありまする五名のかたがたの大体の問題に触れておられるように了解しておるんです。その後客観情勢等のさしたる変化等もないように存じまするし、緊急質問は極力重複を避けるという本来の考え方、それからできるだけ委員会中心を置いて質問等を行いたいというようなお互いの取きめ、或いは重複を避けるというような考え方や、更に権威あらしめたいという考え方、こういう、いろいろの立場から、できればここに出ておるのを、全部御遠慮願いたいというようなことはやや出すぎた意見かと思いますけれども、何か一つ話合いをして頂ける余地はないでしようか。このことを御要求をなすつていられます五つ会派に、私のほうから御相談を申上げます。  それで我々の会派の内輪のことを申上げると、五月一日のメーデーの騒擾事件の直後、数個会派緊急質問をつ行いまして、まあ我が党も同じような考えかた発言を求めたわけなんですが、今回も最初は私たち自由党からも緊急質問を行いたいという意見を持つてつたんです。ところが前の本会議で、すでにこの問題を含めての質問があり、と同時に政府立場をはつきりいたしたものですから、実は私のほうは遠慮しておるというのが党内の実情なんです。こういう点も勘案されて今申上げまするように、御要求なさつていられる五つ会派一つ相談を願いたいと思います。
  5. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 只今加藤君のお話、前に質問しているんだからということを聞きますが、早大事件については何ら質問しているものではないのであります。一般的な論議ではなくて、あれだけ治安関係或いはそれに関連する立法について質問しておるにもかかわらず、早大事件のような不祥事件が生じた。而も政府においては警察法の改正を企図せられておる。そして早大事件は巷間伝えられるところによると、職権濫用の疑いが濃厚である。こういうような事態において各会派がこの問題を取上げて、真に警察権運用について過ちなからしめるがために、又各般の治安に関する警察権行使という広汎な問題について考慮を促すという意味で、各会派がそれぞれの立場質問したいというのは当然だろうと思うのです。自由党のほうでも質問したいという希望があつたものを遠慮したということ、これは自発的に御遠慮なすつておるのでありますから、この御遠慮を他の会派が押付けられることは大変迷惑なんであつて、各会派遠慮或いは都合によつてやめるということがあれば、それに越したことはないので、緊急質問を行わなければならんということについては、先ほど加藤君のほうの意見行つても、自由党もそういう希望があられたのですから、これは緊急性あるなしという問題ではない。而も衆議院等においても、幾多の会派がこの問題に取組んで質問を展開しておるのですから、こちらもそういうふうにしたいと考えておる。而も我が会派に関して申上げますならば、加藤君の意向は十分忖度いたしまして考慮いたします。併し自分のほうは遠慮しておるのだから、お前たち遠慮しろということは聞えない話であります。
  6. 加藤武徳

    加藤武徳君 小笠原君、若干誤解があると思いますが、我々の党で早大事件に関して緊急質問を行いたいという希望を持つておりましたりのは、実はおうちの吉田法晴君が緊急質問を行われる前だつたのです。吉田君の質問はすでに早大事件が起つて後に、治安維持に関する政府の諸政策という包括的な立場からの質問が行われ、中に早大事件等も織り込まれておつた。このようにまあ了解をしておるのであつて、我々の内部の事情はその後の問題ではなくて、吉田法晴君の緊急質問を行われまする前の問題だつた。この点を附加えておきたい、このように考えます。
  7. 相馬助治

    相馬助治君 加藤君から、質問をする会派でお寄りになつて適当に相談ができないかという意味の御発言つたのですね。それは結論的に申しますと、無理であろう、こう考えます。現実の問題として……。ただ時間をつぶすだけであるし、まあ無理であろう。私はただ考えられることは、小笠原君が言つておるように、各会派遠慮するというようなそういうことを暫らく抜きにして、この前に緊急質問についての申合せというか、それがありますね、その観点からやはり一応眺めて見る必要があるかないか、あるとすればそれはどうするか、又何とか正規の議運話合いがまとまるかどうか、いわゆる申合せの線に沿つて眺められるというならば、話合いができる。そうでない限りは小笠原君が言つたように、各会派で自発的にやるととを拔きにしては、各会派が集まつて百一人にしぼるというようなことは、現実の問題としては私は無理でしようと思います。
  8. 加藤武徳

    加藤武徳君 私の意見は端的に申上げると、吉田法晴君の治安維持に関する緊急質問は、これは早大事件がすでに発生した後の緊急質問であり、当然この中に含まれておつた従つて改めてここで緊急質問の必要はないのだ、こういう工合に根本的に考えておるわけなんです。併しごうやつて数箇の会派が御要求なさつておられるのを、治安維持という問題の中の一つ早大事件を更に取上げて、政府に質したい。こういうたつての御要望だというように了解して、一歩讓つて、それならどの会派かお一人緊急質問をなされたらどうか、こういう私の一歩讓つた考え方なんであります。ところで緊急質問に関しまする数個曾つての取きめ、これに準拠せしめるべく一々はめて行けば、これは結論は早いかと思うのでありますが、そうなると、私の最初考え方に戻つてしまいやせぬだろうか、こういうように私は了解しておるわけなんでありまして、従つて数個会派、これはおのおの立場がお違いになるのは、小笠原君の御意見通り従つてなかなか困難であるが、併しながらもともとの緊急質問の根本的な考え方をああやつて数個にまとめて、スタンダードを設けたのですから、これに極力準拠するような方向で御協力願いたい。こういうような私の本旨です。
  9. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 非常に加藤君からは奇怪なことを聞くので、人の話に対しては誤解誤解だと言つて自分自分きりの論断を以て事を進めようというのは奇怪です。というのは、第一点は吉田法晴君の緊急質問は、早大事件が発生した夜半後のこれは質問であるから、だからこの問題について吉田法晴君は織り込んで質問をしておるので、それでもう早大事件については実は「質問の要を認めないのだ。吉田法晴君は早大事件内容について一言か触れておるのであるならば、速記録を御覧願いたい。又それについて答弁があつたら、その答弁速記録で見せて頂きたい。早大事件の問題については、そういう事件も発生しておるがという意味合いで織り込まれてあつても、それを質問として展開してはいない。而もそのことについては我が会派でも愼重に調査してやるべきである。又政府側においても答弁なり報告の用意が突然のあの機会にないであろう。こう考慮せられたが故に、基本的な前の趣旨に基く緊急質問にとどめてある。各会派において、本日こういうように緊急質問が同一問題について集中して来ておるのは、その実態がほぼ明らかになつたが故に、これと関係法案の問題、或いは政府の諸政策について、この際質さなければならぬ事態になつて来たから、各会派立場緊急質問を展開しようということになつて来たのだと考えるのであります。従つてそうゆうことを認めないとかか認めるとかいう前に戻つてそうして自由党はそれだけ遠慮しておるのだからどうかということは聞えない話です。私たちはそういう話は聞きたくない。ただ加藤君が言われる通り、それぞれ会派立場があろうとも、どこかの会派において、代表してどこかがやつてくれるならば、私のほうは引つ込む、こういう自発的な意見があるならば、それはそれで事を済ませて行くのにいいだろう。けれども、撤回はしない。こういうことであるならば、衆議院においても、多数の会派において質問が展開されておるのですから、今日において本会議が、重要議案が山積しておる、時間の余裕がないというような日でもないのですから、順次緊急質問も展開させ、又政府の施策についても、或いは方針についても、国民に対して明快に表明すべきであろう。私はそう考える。従つて吉田法晴君の緊急質問質問ということを再三言われましたけれども、吉田法晴君の緊急質問早大事件内容に対して、又治安維持なり、警察権運用なりの問題に対して、或いは職権濫用であることに対する責任追及の問題に関して、何ら質問を展開しておらないのです。これは新しい緊急事態に即応する緊急質問であるという観点に立つて、私たちはこの質問をしたいと思う。
  10. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 大体論議も行われたし、この緊急質問についても、いつも與党立場でこれをいろいろと苦心される加藤武徳君の所論も大分わかりましたから、そこで私が建設的な提案をしたいと思うのです。(笑声)つまりやはり先般の取きめに基きまして、一応この五人の人でよく話合つて、そうしてよく、無用の重複をしない。つまり先般の取きめには、時間の引延上戰術にこれを使つたり、或いは政府の嫌がらせのために同じことを蒸し返し蒸し返しするということを避けることであつて、多少加藤武徳君はそれを拡大解釈して、いつも與党立場を、それは非常に苦しいだろうと思うけれども與党のために忠勤をぬきんでておられるが、その点は十分よくわかりましたから、一つこの五人でよく論点を明確にして、先般の取きめに従うようにして、原案の通り認められ、希望通り決めるということを私は希望いたします。
  11. 加藤武徳

    加藤武徳君 おかしいじやないか、兼岩君の前段の建設的な御意見に対しては我々も賛意を表します。小笠原君と私はここで認識の相違から出発する争をしようとは決してこれ以上私はしようとは思わない。
  12. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私もそうは思わない。
  13. 加藤武徳

    加藤武徳君 吉田法晴君の質問早大事件に及んでおられたかどうか、私は及んでおられたという工合了解をしておるのですが、併し費されました時間の中で占める割合は、極めて少いように私は思つております。だからこそこここで五名の早大に関する緊急質問の御要求、これを一度に全部御撤回下さいということの要求ではなくして、今申しますように緊急質問権威をあらしあるためにも、どなたか一人におまとめになられて権威ある御質問をなさり、又政府からも誠意ある十分な答弁を求めるということにいたしますと、これが一番よろしいのではないか、こういう意味考えておるわけで、兼岩君の後段の御意見には賛成しかねるが、前段の御意見には賛成です。
  14. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ちよつとお尋ねいたしますが、一人にすると権威が発生するのですか、ちよつとその点だけ加藤君の明快なる、懇切なる御回答をお願いしましよう。
  15. 加藤武徳

    加藤武徳君 これは私よりも兼岩君のほうがよく御承知なんで、今まで同じ問題について各党のお立場が若干異なりはしますが、やはり御質問等中心はよく似通つておることが多いのです。それで第三なり第四の御質問をなさるかたがたに対する答弁等も、すでになされたものが多かつたというような前例等から、極力質問者の数を少くして、できますればお一人ということに恥きめられたほうが、私は焦点がはつきりいたしますし、又答弁等重複も避けられるし、又質問重複もあり得ないというふうに私は考えております。
  16. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 もう一つだけ、私は加藤君は今後又緊急質問所論を展開せられる参考になるだろうと思つて申上げておきたいのですが、権威とは、国民の聞かんとするところを、あらゆる立場から問題を鮮明にすることが国会権威を高め、議員品位を向上させるのです。あなたのような、こういう無駄な議論で費すような時間があるならば、本会議でこういう愚論をやめて問題の、各会派から問題の、特にこの顔を並べておられる人は殆んど教員組合で、この問題のために出て来た人が多いのだ。だからこの人たちにこういう質問を封ずることは、赤木さんから砂防を拔くようなもので、これは失礼というか、暴論なんですが、だからこういう愚論を避けて、国会権威を高めるために、速やかに国民の聞かんとするところを徹底的に聞くようにする。こういうことを僕は国会並びに議員品位を高める。そういう立場に立つて與党における忠勤ぶりを、今後加藤武徳君がやられて、やがて野党になつたときに役立つことになる。念のために建設的な意見として申上げておきます。
  17. 加藤武徳

    加藤武徳君 御忠告ありがとう。
  18. 水橋藤作

    水橋藤作君 先ほど加藤君から提案された。要するに質問が同一であるならば、努めてそれを避けたいが故に一人にして下さいという、これは希望は我々希望として聞いておきますが、さて我々この各会派から五人の質問者相談の上で、これがお互い立場質問も異なると同時に、又各会派立場からの質問もありまするので、五人で相談してお互いにそれが相容れなかつたならば、これは止むを得ないと思う。ここで自由党で以てこれは一人にしなければならぬ、どこかやめてくれということは、僕は無理押しだと思う。で、幾らこれを議論しても同じことだと思いますので、加藤君の要望は我々は聞いて、それで相談しあつて問題をきめるということにして頂きたい、こう思います。
  19. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 加藤君の與党としてという話を申上げると又誤解であるというかも知れませんが、参議院権威を高あるというような意味合いお話になるというと、加藤君の言うようにしぼつて行くというだけが一つ結論として出るはずはないと思う。逆に私たちから言うならば、権威あらしめるためには、偶然にもこれだけ五つ会派も集中してこれを問題にしておる限りは、自由党でも緑風会でも、或いは改進党のほうでも、内容としては問題にすべきであろうと思うのです。そうしてやはりおのおの会派立場に立つて質問を展開せられて、各派挙つてこの問題に集中して論議が展開せられるということも、これ又一つ民主政治なり政党政治における参議院権威を高めるゆえんだと思うのです。ただ單にこつちのほうは質問はしないのだ、お前たちでやりたいと言つておるのだから、お前たちのほうでそれをまとめて一本にしぼつてやれ、そうでなければ権威が高まらぬ、こういう論理はないと思うのです。従つてたちはその言葉はその言葉で受けるが、逆に自由党さんのほうでも積極的にこういう質問をなさつた如何ですか。(「その通り」と呼ぶ者あり)若しもそれが自発的にそれもあなたがたのほうで質問をしないのだというならば、ほかに対してもお前たち質問するなということを言うべきじやない。私はそう思います。従つてこの程度でこの論議は私はもう繰返さないようにして頂いて、少くとも突然に、偶発的にもこれだけの会派が揃つて質問を展開しなければならぬと決定しておる問題は、私は重要でないとは言えないと思う。従つてこのままお認め願つてつて頂きたい。認められないということであるならば、各会派も御質問なさつて、そうしてそのことによつて権威を高めて頂きたい。私はそう思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  20. 安井謙

    安井謙君 それは一般論で、この問題についての一般論では、兼岩君と小笠原君の言われる意味もあると思うのです。何もしぼるのが権威を高めるゆえんじやないというような議論も、一般的にやるならば又蒸し返しはできるかと思うが、さつきも出たように、緊急品質問は同一質問に対して重ねないという原則をとにかく立ててあるのですから、その点については、先ほど小笠原君は大分ゆとりのある答弁をしておられたように僕は思つて、多少救いが出たのじやなかろうかと思つてつたのですがね。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから、任せてもらいたい。五人で相談することは。
  22. 安井謙

    安井謙君 相談することは私は結構です。ただ兼岩君が言われるように、大上段に振かぶつて何でもやつたらいいのだということでは、これは私は困るので少しゆとりを持つて考えて頂きたい。原則は飽くまで立つているのですから、これは議運として当然守らなければいかぬ一つのコースだと思いますから、そういう扱いにして下さい。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから、相談して人間を絞れということは、お引受けできないのです。どの会派でも、ただ内容論点とするところをそれぞれ重複を避けてやつて行こうとこういう申合せを以て、そして個人、個々の質問者に対して変つた答弁が重点的に得られるように大いに努力しよう。それで私はいいじやないかと思うのです。(「その通り、それを建設的と言つているのです」と呼ぶ者あり)
  24. 安井謙

    安井謙君 それも一つの確かに理窟ですが、それも全部観点が違うと言えば、言葉を違えればこれは水掛論で、でき得れば議運緊急質問原則を立てているのだから、その線に沿うような精神一つ考えを是非願いたい。そうでなければ意味がない。これは前にきめた原則が、それを小会派で、いつも非常に強く出て来られるということは、僕は面白くない。
  25. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 安井君非常に誤解されておりまして、今後安井君の論を立てられる御参考に申上げますが、各一つ委員会でできることを勝手に本会議に持ち出してスタンド・プレーをやつてはいけない。時間引延しのためにこれを使つて、次から次へ議論のための議論をしてはいかぬということ、それから政府いじめのために同じことを蒸し返し蒸し返ししてはいかぬ、この三つ以外にどういうことをきめたのですか、一つ承りましよう。理事会でどうきめましたか。
  26. 安井謙

    安井謙君 理事会できめました事柄は、政府いじめだとか議会引延しということをきめたのではなくて、同一問題について各会派から重複質問が出ることはこの際整理して、できれば代表的な質問整理しようという精神できめられたので、その内容を一々敷衍してやつて行けば水掛論になる。その精神一つ話合いを願いたい、こういうことです。
  27. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 理事会ではその点を私は終始伺つて、十分そういう点を明確にして、現われて来た言葉は抽象化し一般化して出て来ている。出て来たその日の速記録を調べてもらうとわかるが、そういう文句に、絞ることは今後、非常に将来論点を残すから、私が質問し、そして委員長からその点を、僕が今言つたような三点に盡きるということをちやんと確認されておるので、若しそういう点で、今後もこういうことで時間を費やすようならもう一遍理事会をやつて問題をもつと明確にして、こう徒らに時間を引延ばすことを與党が避けるために、僕はもう一遍理事会で論じて頂きたいと思います。それが一つ。  いま一つは、私が建設的という意味は、然らばどれだけで、出ただけでやつたらいい。そうでなければ論点整理して、論点整理の過程に俺はやめようという人が自発的にできるかも知れない。そういう者だけでやつたらどうだというのが、僕の建設的な提案というのはそういう意味なんです。僕はそんな無方針にめちやくちやなことを言つているのじやない。論旨は非常に立つておるつもりなんです。
  28. 木村守江

    木村守江君 今まで皆さんの御意見を聞いて、治安一般に関する質問は大体済んでおるんで、今日の緊急質問は大体早大事件というものを中心にしての質問だというようなお話でありまして、そうすると小笠原君がさつき言われたように早大事件というものを中心にしてということになると、相当狭められた問題だと思うのです。そうするとこの問題について、これは観方によつていろいろ違うという点があるかも知れませんが、大体において早大事件というものはどういうものだか、これに対してどうしたらいいか、それからどうするかということは、これは五人おのおのが立たなくても、もうまとめ得るのじやないかと思います。それに対して一々の答弁を求めるほうがいいという御意見もありましようが、これはやはり、若しも五人集つて相談するということになりましたら、これは五人とも立たなければいけないという考え方でなく、これは人をきめたら、その人に自分の分までも、自分の言いたいことまでも言つてもらうという点で、私はやはり質問の点を狙つて質問を統制して行くことになるのじやないか。緊急質問に対するいろいろの理由があつて、そういうことのために私はやつたのだと思うのですが、やはり今五人集つてつても、やはり人を減らすことはできないのだという前提の下に集つてもらつたんでは、少しちよつと意味をなさぬのじやないかと思うのですがね。
  29. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから、私さつきから申上げました通り、いつも緊急質問が同一問題について、各会派において展開されるというふうなことはめつたにないのです。こういうふうに集中して来るゆえんのものは、これは事実の認識において、或いはその解釈において、或いは政府に対する希望において、それぞれ会派としての観点が違い、求めるところが違つているから、こういう形が現われて来るんじやないかと思うのです。それからもう一つ第三の先ほどから安井君や何かで盛んに言つておられた原則論の問題ですが、これは何ら会派立場を持たないで、原則論があつてそうして質問というものが行われる場合には、それは非常に徹底した言論整理の上に立つた質問が展開されるでありましよう。併しこれは如何ほど理論的に正しいこととして主張しながらも、與党與党としての立場でこの原則論考え野党野党立場考えて、自己に有利に展開させんとしながら、この言論統制をして行こうというところにおいては、限界があると思うのです。極く数学的に客観的にただきちんと並べて、それでいいんだというわけには行かぬ。従つて少くともこの原則が決定になつて、今日のように議運においてまあ五人なら五人、立つ者の間でお互いにその点は考えてみましようとか、そういう話になつたばかりでも、これは一つの進歩なんです。それをどこまでも箍をかけて、そうして原則論だからときちんとはめようとしたところで、前提となつている基盤が、各会派がそれぞれの思惑を持つて、そうしてそこに飾られておるものを美しいものにしようなどと言つたところで、それは真実ではない。だんだんにこれは流動して行つて時間をかけて行つているうちに自然におのずから一つ参議院の形態というものが生れて来るものなので、それを原則論だけで、だからその通りピンからキリまできちんと行かなければならぬ。こういうようなことはもうできないと思う。それから今木村君が言つておるように、第三の問題だが、言論統制という言葉意味において、各会派のその質問せんとする点を絞つて整理して質問をやつて欲しいということであるならば、これは無理だ。何としても無理なんだ。それはおのおの立場に立つて質問を展開するものだ。少くとも原則論というものは本当はなくてもいいんです。銘々質問点というものは持つておるんですから、各人各様に質問したいということにおいて質問を展開されるのが議会政治だと思うのです。それを原則を作つて幾らかでも整理をし、幾らかでも重点的にやつて行こうということは、参議院におけるさまざまの運営の必要からだんだん出て来た方法論上の問題であつて、それを他会派にそれぞれ納得することなしに押付けてそれでよろしいという問題じやないと思うんです。だから自然、おのずからにだんだん、與党さんは與党さんで考えられる方向に持つて行くように御努力になることはかまいません。それでだんだんに原則というものに実を付け、皮を着せて、しつかりしたものに持つて行くことには賛成です。併し具体的にその都度々々起つて来る問題について、ただ原則ということだけで取きめて行くということは、私は現実問題として不可能だと思う。  で、本日は幾ら論議してもこれ以上論議が進まないと思うので、少くとも質問する側において会法の立場を超越して続一できそうなものについてはこれは社二のほうで重点的にやりたいから、君たちのほうは割愛してくれとか、或いはこれは労農党のほうで重点的に、こういう観点でやりたいのだから、余り前にやる連中はそれに触れてもらつては困るとか、そういうふうなことで話合いをつけて行く以外にないと思う。それだけでも私は進歩だと思う。
  30. 木村守江

    木村守江君 只今小笠原さんの言われたように、これは、この問題が重大だから、各党が集中的にこの問題について質問を展開されるというようになつたんだということはわかります。そういうふりに、今こまでもこれは一つの問題について、各党が集中的に緊急質問を施行されたことがあるのです。ところがその結果は、大体において緊急質問重複した、権威をなからしめた結果が起つたということから、緊急質問に対するいろいろな論議が交わされたと私は思うのです。そういうことから言つて小笠原君の言うのも御尤もですが、今まではやはり誰が何を申すか分らないで、各党々々の代表者を出して来たと思う。そういう点をこれはやはりお互いが、自分の言いたいことを一人に頼んで、頼むというのはちよつと変かも知れませんが、やはり重複するというようなことを避けると同時に、やはり緊急質問というものを権威あらしめるようにやはり話合つたら、私はもつと縮小できて来るのじやないかと思う。私は言論統制をしようと、そうしなければ緊急質問権威をなくするというようなことを言つておるのではないのです。これはやはり立場おのおのの違つた立場から緊急質問をしようとするのですから、これはやはり内容において今までの実例が、いつも同じような重複した質問になるということは御承知だと思う。そういう点から、できるだけ我々が緊急質問に対して申合せをした線に落着かせるように努力してもらいたいと思います。
  31. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから、今日の段階においては、この努力の一つの前進としては、その関係者において話合つてその点をうまくやつてもらう。それでもなお批判を受け、或いは與党において不満であるというようなことも起るでしよう。その場合はただ次回においてそういうことを論議する。そうしてだんだん展開してそれを前進させて行けばいいのであつて、なかなかそれを現実論的な問題として整理をきちんきちんとしてやつて行こうと言つたつて、それぞれ前提となる思惑が違つている以上は、それはできない。
  32. 安井謙

    安井謙君 小笠原君のおつしやることは尤もだし、一歩前進していると思う。我々だつて原則論から一歩避けておる。杓子定規に一本ということなら、これは議論する余地は初めからない。だからそれは非常に調和のある議論だと思うのですが、それにしても僕は、おのずから常識的に行くということにも限度があると思うのです。同じものについて五人も人を並べておる。それは統一ということを目標に置いて話合いなり何なりしてやつて行かなければ……。従来の実績から見ても、更にさつき言うように、相当我々は小会派発言の機会を認めて来ておると思うのです。それが積り積つて相当いろいろな議論になつた。で、ああいう原則ができた。或る程度原則精神を活かすということは、確かに大会派の諸君も考え、そうして小会派の人も同調してもらつている。ですから、この話合いをするにしても議論を進めて頂きたいと思うのです。一つ一つ議論をすれば、緊急質問が出ると、これはそれぞれ重要なものであるという意見の立て方は、幾らでもその都度あると思う。だから、そういうことで一つ纏めて頂きたいということを希望してどうですか……。小笠原君のは懇談会か何か、会派で諮ろうという御提案ですか、どうですか、その点を伺いたい。
  33. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は質問者が寄つてそうして立場なしの打合せで、カツトする部分はおのおのカツトしてもらうということだけだと思う。附加えるということはできないと思う。今質問が始まるというときにおいて……。
  34. 相馬助治

    相馬助治君 私はさつきちよつと申したように原則があるのだから、その原則従つてこうやろうというふうに議論が進んでおるならば、これ以上議論して行つて意味がないと思う。そうでない限りにおいては、加藤君、安井君の代表者の意見と、小笠原君、兼岩君の代表者の意見、この二つとが結びつかないと私は思う。そこで、それではどちらを探るかということになると、成るほど安井さんの言つておるのは、人数を削るということを含んで、やつてくれなければ困ると、これについて主張した小笠原君にしても、多分人数を削るということはできないと思う。併し、君がそういうことを言つてしまうと、おれの言い分がないからやめようということが出て来るかも知れない。そこでここで議論は盡きて小笠原君の言つておるようにやる以外に途はないじやないか、私は途が仮りにあるとするならば、最初言つておる通り、いつかの申合せ等に又振り戻つて議論が立つならばあると思う。それがないということになれば、私はもう議論がないと思う。
  35. 加藤武徳

    加藤武徳君 話合いをしてやることについては、無論異論がないし、そうやつて頂きたいと、かように思うが、こちらの希望は、さつき申すように五名やる。で内容重複に対しては、十分に避ける、という話合いだけでは、私どものほうでは了承できかねるということは、私どもはさつきから申上げておるのです。できることなら、一つ一人か、二人にして欲しいというのが私の腹です。
  36. 相馬助治

    相馬助治君 加藤さんの言つていることは分つていると思う。小笠原君の意見にしても、私はそれは含んでおると思う。ただここで緊急質問をやる。而もこの会に臨んでおるのは私だけである。そうすると私以外の場合には、会派を代表して来ておつて緊急質問をする人は別個の人であるが故に、ここで人数を削りましようというような口約を仮りにしても、不渡手形になるかも分らないので、速記の付いている正式の会合では、そういう加藤さんの希望を満足せしめるような答弁は到底不可能である。これは私の意見ですよ。不可能だと思う。私はそう推測しておる。だから私の言うのは、そちら様としては非常に不満であろうけれども、議論はもう果てたのではないかと、こういうことを言つておるのです。
  37. 加藤武徳

    加藤武徳君 先ほど小笠原君のほうから含みのある御発言があつたようですし、又理を盡しての今の相馬君の御意見でもございまして、我々の考えておる点を十分含んで頂いておる。御了解願えておると、このように私は了解するのですが、どうですか、今両氏も、ああいう御意見ですから、話合いを進めてみて下さい。
  38. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は相馬君の意見とは全然違うのです。両氏と言われるが、本日のこのくらいの論議でも、あなたたち立場から言えば相当の前進なんですよ、少くとも五人なら五人のものが口約して打合せをするという、そうして重複を避ける努力をするということになつたばかりでも、あんたたちとしては効果が挙つたんですよ。(「その通り」と呼ぶ者あり)少くとも今度は、この次にはあの早大事件における、質問の場合には、誰がこう言い誰がこう言つて、これだけの重複があつたが、やはりむずかしい、だめだ。そういうことでだんだんあなたたちのほうは攻勢に出て来る。しぼつて来ればいいだけであつて、それを一気呵成に成日功の遂に導こうというようなことは、少しそれはよ過ぎる。もう余計なことは言わんで(「わかつた」と呼ぶ者あり)本日はこの程度にしておいて、そうして五人なら五人の間で成るべく重複は避けてお互いに努力して行こう。こういうことでお認めを願う。そういうふうにして行きましよう。
  39. 安井謙

    安井謙君 そういうような含みがあるということで話合いを進めたら如何ですか。
  40. 加藤武徳

    加藤武徳君 今、私なり木村君なり安井君の発言で、その精神は十分わかつてもらえたと思います。了解したというように我々は了解しますので、御趣旨は御了解つたという建前で話合いを進めて頂きたいと思います。
  41. 赤木正雄

    赤木正雄君 緊急質問に対して、同じ問題については成るべく多くの人の意見はありましても、数を少くして重複を避けるということは一応我々はきめたように思います。それはそれといたしまして、併しこういうふうに実際の問題が起きますと、いわゆる或る同じ問題に対しても意見観点は違いましようから、これをしぼるということは厄介でございましよう。私は今日の結果を見まして、先の小笠原君の御発言のように、仮に岩間さんなら岩間さんが一つ質問をなすつたら、同じものは成るべく省く。その結果を見て今後の緊急質問をどうするかというテスト・ケースとしたら、私たちは先に申しましたように、一つの問題については成るべくこれはやらないということにして、これはやはりきめたりでありますから、これはその趣旨を守り、兼岩さんはそうでないとおつしやいます。が、我々はそういうふうにきめたと思います。その点は我々は守つてやるよりほかにないと思います。これはいくら我々が議論しても……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  42. 川村松助

    委員長川村松助君) それでは小笠原君、兼岩君の御発言のように、五人であとで懇談して、論旨の重複は避けるということに努力して、できる限り人数については、しぼり得るだけしぼる。それでその方法についての懇談は、今休憩してやりますか。(「十分ぐらいの休憩は欲しいな」と呼ぶ者あり)
  43. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それはそれでお任せして、ここはここで会議を進めて、本会議を開けるようにして頂けばいい。
  44. 加藤武徳

    加藤武徳君 そうしますと、議運としてはその程度で一応結論を出しておいて、あとは小委員会か、或いは小委員会を開かなくても、会派申合せで本会議が進められるようにお諮り願いしたいと思います。
  45. 川村松助

    委員長川村松助君) それでは先に申しましたように、御発言については五人の人たちで懇談をいたしまして、できる限り論旨の重複を避け、同時に人員に関しても、しぼれるだけしぼるということにして進めて行きたいと思います。
  46. 加藤武徳

    加藤武徳君 なお赤木先生の御発言のように、これを一つのテスト・ケースとして確認するということを附加えては如何ですか。
  47. 川村松助

    委員長川村松助君) 加藤君から、赤木君のテスト・ケースとして確認するという点を附加えて御了解願いたい。
  48. 相馬助治

    相馬助治君 それは言葉一つの綾ですが、訂正しておいてもらいたいと思うことは、このしぼるということは反対です。ただ赤木さんが言われたように私共も了解しておりますから、或る会派が自発的に我が党の論点重複しているし、いろいろの諸般の事情を考えてやめたいというのであれば、その会派が自発的にやつたことであつて……、ここでしぼるという御決定がなされるということは遺憾でありまして、小笠原君の言つていることは、そういうことを言つていないのであつて……
  49. 川村松助

    委員長川村松助君) しぼるということは、その気持で行けばいいと……(「了解」と呼ぶ者あり)
  50. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そのテスト・ケースという問題ですが、原則論を確立するがためのテスト・ケースという場合においては、私はもう一つの要素である政党政治における各会派の主張なり、或いは参議院の運営における合法的な手続、そういうようなものも否定し去るような、そういう限界を超えたことでテスト・ケースにするということではないと考えております。各派のそれぞれの立場と、それぞれの主張というものは、手続上においてあらゆる問題においてあるのだ。ただそれをいわゆる赤木さんの言われるように、又別の議運申合せになつている効率を挙げ品位を高めようというような意味において、まとまる範囲においてまとめて行くという立場においてテスト・ケースであるというふうに了解しております。
  51. 川村松助

    委員長川村松助君) 赤木さんの御意見も、そういう趣旨での御発言だと思います。   —————————————
  52. 川村松助

    委員長川村松助君) 次に議員派遣要求に関する件をお諮りいたします。
  53. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 法務委員長小野義夫君から議員派遣要求書が提出されております。派遣目的は検察及び裁判の運営等に関する調査、名古屋地方裁判所判事の汚職容疑事件について、派遣議員は伊藤修君、中山福藏君でありまして、五月十三日から三日間、費用概算が一万二千円。
  54. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ちよつと、何を調べに行くのですか、ちよつと調査目的を言つて下さい。
  55. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 派遣目的は、検察及び裁判の運営等に関する調査でありまして、名古屋地方裁判所判事の汚職容疑事件について。
  56. 川村松助

    委員長川村松助君) 只今委員部長から御報告いたしましたように、議員派遣要求に関する件、承認することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 川村松助

    委員長川村松助君) 御異議がなければ承認することに決定いたします。   —————————————
  58. 川村松助

    委員長川村松助君) 法務委員会專門員の任免に関する件をお諮りいたします。先般保留になつている件であります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)  承認することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 川村松助

    委員長川村松助君) じや承認することに決定いたします。  それでは議運委員会はこれで休憩いたします。    午前十時四十七分休憩    〔休憩後開会に至らず〕